JP5081345B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微粒子半導体を用いた光電変換素子およびこれを用いた光電池に関する。特に、色素により増感された光電変換素子および光電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物太陽電池の改良が、実用化の主力技術となっており、太陽光エネルギー変換効率として10%前後の発電効率が得られている。しかし、将来に向けてこれらを普及させる上では、素材製造にかかるエネルギーコストが高く製品化への環境負荷が大きいこと、ユーザーにとってエネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服する必要がある。このため、低価格化を目指し、大面積化も容易な有機材料をシリコンに替わる感光材料として用いた光電池がこれまでに多く提案されてきたが、エネルギー変換効率が1%以下と低く、耐久性も悪いという問題があった。
こうした状況の中で、Nature(第353巻,第737〜740頁,1991年)および米国特許4927721号などに、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および光電池、ならびにこの作製に必要な材料および製造技術が開示された。提案された電池は、ルテニウム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度まで精製する必要なしに用いることができるため、安価な光電変換素子として提供できる点であり、第二には用いられる色素の吸収がブロードであり、広い可視光の波長域にわたって太陽光を電気に変換できることである。
しかし、光電池の使用が広がる中で、二酸化チタン多孔質薄膜を作成するのに400℃を越えるような高温を用いており、ポリマー等を用いたフレキシブルな支持体を用いることができないため、用途が限定される問題があった。また、高温を使用することは、エネルギーの使用量も多く、環境に対する影響も大きくなり問題であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エネルギー変換効率に優れた光電変換素子およびそれを用いた光電池を提供することである。さらには、フレキシブルな支持体を用いた光電変換素子およびそれを用いた光電池を提供することにある。また、製造に必要なエネルギー消費の少ない、エネルギー回収効率の高い光電変換素子およびそれを用いた光電池を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は本発明を特定する下記の事項およびその好ましい態様により達成された。
(1)ポリマー支持体上に半導体微粒子膜を設けてなる光電変換素子の製造方法において、該半導体微粒子膜が、酸化チタン微粒子と該酸化チタン微粒子のプレカーサーの共存下に、該酸化チタン微粒子が吸収を有する400nm以下の波長の紫外光を照射する工程及び該酸化チタン微粒子を50℃以上150℃以下で加熱する工程を含む方法により作製されたことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
(2)請求項1に記載の光電変換素子の製造方法において、該半導体微粒子膜を形成する酸化チタン微粒子は、その粒径が10nm以上のものと10nm未満のものとを含有してなることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
(3)(1)又は(2)に記載の光電変換素子の製造方法において、前記酸化チタン微粒子のプレカーサーが該酸化チタンを構成する金属のアルコキシド化合物、ハロゲン化物または加水分解可能な基を含有する化合物を完全にもしくは部分的に加水分解し、かつ、それらが完全もしくは部分的に重合したものであることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
(4)(1)〜(3)のいずれか一項に記載の光電変換素子の製造方法において、前記半導体微粒子膜が色素によって増感されていることを特徴とする光電変換素子の製造方法
本発明は、上記(1)〜()に関するものであるが、以下、その他の事項についても参考のために記載した。
【0005】
【発明の実施の形態】
〔1〕光電変換素子
本発明の光電変換素子は、好ましくは図1に示すように、導電層10、感光層20、電荷移動層30、対極導電層40の順に積層し、前記感光層20を色素22によって増感された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の間の空隙に浸透した電荷輸送材料23とから構成する(半導体微粒子21は互いに接触、連結し、多孔性の膜を形成している)。電荷輸送材料23は、電荷移動層30に用いる材料と同じ成分からなる。また光電変換素子に強度を付与するため、導電層10および/または対極導電層40の下地として、基板50を設けてもよい。以下本発明では、導電層10および任意で設ける基板50からなる層を「導電性支持体」、対極導電層40および任意で設ける基板50からなる層を「対極」と呼ぶ。なお、図1中の導電層10、対極導電層40、基板50は、それぞれ透明導電層10a、透明対極導電層40a、透明基板50aであっても良い。この光電変換素子を外部負荷に接続して電気的仕事をさせる目的(発電)で作られたものが光電池であり、光学的情報のセンシングを目的に作られたものが光センサーである。光電池のうち、電荷輸送材料23が主としてイオン輸送材料からなる場合を特に光電気化学電池と呼び、また、太陽光による発電を主目的とする場合を太陽電池と呼ぶ。
【0006】
図1に示す本発明の光電変換素子において、色素22により増感された半導体微粒子21を含む感光層20に入射した光は色素22等を励起し、励起された色素22等中の高エネルギーの電子が半導体微粒子21の伝導帯に渡され、さらに拡散により導電層10に到達する。このとき色素22等の分子は酸化体となっている。光電池においては、導電層10中の電子が外部回路で仕事をしながら対極導電層40および電荷移動層30を経て色素22等の酸化体に戻り、色素22が再生する。感光層20は負極(光アノード)として働き、対極40は正極として働く。それぞれの層の境界(例えば導電層10と感光層20との境界、感光層20と電荷移動層30との境界、電荷移動層30と対極導電層40との境界等)では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。以下各層について詳細に説明する。
【0007】
(A)導電性支持体
導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導電層および基板の2層からなる。(1)の場合は、導電層として強度や密封性が十分に保たれるような材料が使用され、例えば、金属材料を用いることができる。(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導電層を有する基板を使用することができる。好ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、インジウム等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素またはアンチモンをドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0008】
導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲は50Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
【0009】
導電性支持体側から光を照射する場合には、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%上であることを意味し、50%以上であるのが好ましく、80%以上が特に好ましい。
【0010】
透明導電性支持体としては、ガラスまたはプラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物からなる透明導電層を塗布または蒸着等により形成したものが好ましい。透明導電層として好ましいものは、フッ素もしくはアンチモンをドーピングした二酸化スズあるいはインジウム−スズ酸化物(ITO)である。透明基板には低コストと強度の点で有利なソーダガラス、アルカリ溶出の影響のない無アルカリガラスなどのガラス基板のほか、透明ポリマーフィルムを用いることができる。透明ポリマーフィルムの材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するために、導電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチックの支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0011】
透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、等の金属が好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、その上に導電性の酸化スズまたはITO膜からなる透明導電層を設けるのが好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0012】
(B)感光層
感光層において、半導体は感光体として作用し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる。色素増感された半導体では、光吸収およびこれによる電子および正孔の発生は主として色素において起こり、半導体微粒子はこの電子(または正孔)を受け取り、伝達する役割を担う。本発明で用いる半導体は、光励起下で伝導体電子がキャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半導体であることが好ましい。
【0013】
(1)半導体
半導体微粒子としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、III−V系化合物半導体、金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、またはペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用することができる。
【0014】
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられる。
【0015】
本発明に用いる半導体の好ましい具体例は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3もしくはNb2O5、またはチタン酸アルカリ土類金属もしくはチタン酸アルカリ金属であり、特に好ましくはTiO2、ZnO、SnO2またはNb2O5であり、最も好ましくはTiO2である。これらの半導体は単独で用いてもよいし、複合物(混合物、混晶、固溶体など)として用いてもよい。
【0016】
本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体微粒子からなる多孔質膜が特に好ましい。
【0017】
半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好ましく、8〜100nmがより好ましい。本発明では、10nm以上の粒径の粒子と10nm以下の粒径の粒子が含まれていることが好ましい。また、分散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜30μmが好ましい。
【0018】
粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは10nm以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm程度の半導体粒子を混合してもよい。
【0019】
半導体微粒子の作製法としては、作花済夫の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDegussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0020】
半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さらにゾル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、Burnsideらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0021】
酸化チタンは、主としてアナターゼ型とルチル型の2種類の結晶型があるが、本発明ではアナターゼ型が好ましい。両者の混合物の場合は、アナターゼ型の含率が高い方が好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。なお、アナターゼ含率は、X線回折法により求めることができ、アナターゼおよびルチルに由来する回折ピーク強度の比率から求めることができる。
【0022】
(2)半導体微粒子膜
半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用することもできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷法が代表的である。
【0023】
分散媒としては、水または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコールのようなポリマー、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘度が調節可能となり、さらに剥がれにくい半導体層を形成したり、半導体層の空隙率をコントロールできるので、ポリエチレングリコールを添加することは好ましい。
【0024】
半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもできる。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクストルージョン法またはスライドホッパー法が適している。また多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても良く、数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。さらに順次重ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用できる。
【0025】
一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは0.1〜100μmである。太陽電池に用いる場合、半導体微粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.5〜100gが好ましく、3〜50gがより好ましい。
【0026】
半導体微粒子は光電変換素子の構成要素として用いる場合、従来「焼成」により半導体微粒子膜としての機能を発現させてきた。すなわち、微粒子を前記の塗布等により積層状態にした後、高温加熱することにより、微粒子間を一部融合することで導電性を発現させ、また微粒子表面の不要物を除去し、活性化することにより次の工程である増感色素の吸着・結合を促進し、増感色素から微粒子への光電子注入効率を上げている。しかしながらこの「焼成」には、400℃以上の高温で加熱する必要があった。(半導体微粒子の組成により異なるが、TiO2の場合450℃以上で加熱することが好ましかった)。
【0027】
本発明においては、高温で加熱することなく、この焼成状態を発現させるため、以下の方法を単独で、あるいは2つ以上を組み合わせて用いる。
(1)半導体微粒子を50℃以上350℃未満に加熱する。
(2)半導体微粒子に半導体微粒子が吸収を持つ400nm以下の波長の紫外光を照射する。
(3)半導体微粒子にマイクロ波を照射する。
(4)半導体微粒子に少なくとも水分子が吸収を持つ波長を含む赤外線を照射する。
(5)半導体微粒子を0.05MPa以下の気圧下に減圧する。
(6)半導体微粒子をオゾン雰囲気下におく。
(7)半導体微粒子を酸化あるいは還元条件下におく。
(8)半導体微粒子を高電場下におく。
(9)半導体微粒子を高磁場下におく。
(10)半導体微粒子に高電流を流す。
(11)半導体微粒子に半導体微粒子プレカーサーを共存させる。
【0028】
すなわち、微粒子間の融合のためには、微粒子に何らかのエネルギーを供給し、粒子間接触点に、物質が表面拡散、粒界拡散等により移動させ、ネック(粒子同士の接触部)を形成させなければならない。このエネルギーとして熱エネルギーを与える(1)の他に電磁波によりエネルギー((2)、(3)、(4)、(8)、(9))を与えることや高電流を流すことにより半導体自身および粒界での抵抗による発熱(10)が有効である。
また、微粒子表面の不要物を除去、活性化のためには、加熱により蒸発、分解等を行う(1)他、減圧により蒸発を促進する(5)ことや、化学反応による分解((6)、(7))も有効である。また、TiO2粒子のように光照射により強力な酸化あるいは還元種を発生するような光触媒機能を持つ粒子の場合、光照射することも有効である。TiO2粒子の場合(2)の紫外線照射が特に有効である。さらに、上記の各条件下で、(11)の半導体微粒子プレカーサーを共存させることは、物質の拡散・供給や必要なエネルギーの減少に効果的であり、光電変換機能を有する半導体微粒子膜をより低温で形成するのに好ましい。(1)の加熱は、上記半導体微粒子間の融合のためには高温である方が好ましいが、ポリマー支持体を用いる場合の耐性の観点からは低温ほど好ましい。従って、加熱温度の上限は、300℃が好ましく、250℃がさらに好ましい。また、加熱温度の下限は、80℃が好ましく、100℃がさらに好ましい。
【0029】
上記の(1)〜(11)の方法の好ましい組み合わせとしては、微粒子間の融合のための方法((1)〜(4)、(8)〜(10))と微粒子表面の不要物を除去、活性化のための方法((1)、(5)〜(7))を組み合わせるのが好ましく、これらにさらに(11)を組み合わせるのが好ましい。また、微粒子間の融合のための方法((1)〜(4)、(8)〜(10))の2以上、微粒子表面の不要物を除去、活性化のための方法((1)、(5)〜(7))の2以上を組み合わせることも有効であり、さらにはそれらを組み合わせることでさらに有効になる。
好ましい組み合わせの例としては、(1)+(2)、(1)+(3)、(1)+(4)、(1)+(5)、(1)+(2)+(5)、(4)+(5)、(2)+(4)+(5)、(3)+(5)、(1)+(2)+(6)、(4)+(6)、(3)+(7)、(1)+(3)+(7)、(1)+(8)、(1)+(2)+(8)、(1)+(2)+(8)+(10)などが挙げられ、これらにさらに(11)を組み合わせるのも好ましい。上記の効果を得るための組合せは、これらに限定されるものではない。
【0030】
また、上記の方法の組み合わせ工程は、半導体微粒子に対し同時に用いても良いし、連続して用いても良い。すなわち、例えば(1)+(2)の組み合わせにおいては、(1)と(2)とを同時に行っても良いし、(1)を行ってから(2)を行っても良いし、あるいは(2)を行ってから(1)を行っても良く、また(1)と(2)とを同時に行った後、(1)単独を行っても良い。
【0031】
(2)に関しては半導体粒子が特に酸化チタンの場合、粒子表面を超親水化することがあり、目的によっては工程の最後に用いた方がよい場合と、用いない方がよい場合がある。同様に(1)に関しては(2)と逆に半導体粒子が特に酸化チタンの場合、粒子表面を疎水化することがあり、(2)同様に目的によっては工程の最後に用いた方がよい場合と、用いない方がよい場合がある。
例えば、後工程として増感色素を半導体微粒子膜表面に吸着する場合、特に疎水性の色素の場合、粒子表面が疎水性の方が吸着性は良好である。したがって、この場合上記組み合わせとしては、(2)の後(1)を行うか、(1)+(2)の後(1)単独を行うことが好ましい。
【0032】
上記の(11)の半導体微粒子プレカーサーとは、加熱により半導体微粒子になる前駆体であれば何でも良い。半導体微粒子が金属酸化物である場合、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、加水分解可能な基を有する金属化合物等がプレカーサーとして挙げられる。ここで加水分解可能な基とは、プロトンあるいは水酸基により置換可能な基であれば何でも良いが、好ましくはアシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基などを挙げることができる。また、上記のプレカーサー金属化合物を一部または全部加水分解したもの、その加水分解物を重合したもの、あるいはそれらの混合物も、プレカーサーとして有効である。特に、金属アルコキシドもしくは金属ハロゲン化物を、酸もしくはアルカリ条件下で、部分的に加水分解し、さらに部分的に重合した混合物は低温での反応性にとみ、有効である。その場合の好ましい酸としては、塩酸、硝酸が挙げられるが、塩酸が最も好ましい。
金属としては、半導体微粒子膜の主構成要素である半導体微粒子の主金属と同じであることが好ましいが、それ以外の金属を用いても良い。特に加水分解及び重合が低温で起こる、チタンや珪素は有効である。上記のプレカーサーは単独で使用しても良いし、2種以上の物を併用しても良い。
【0033】
上記の焼成処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0034】
半導体微粒子層は多くの色素を吸着することができるように表面積の大きい多孔質膜とすることが好ましい。このため半導体微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積は、投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、さらに100倍以上であることが好ましい。この上限には特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0035】
(3)色素
感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収を有し、半導体を増感しうる化合物なら任意に用いることができるが、有機金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン系色素またはフタロシアニン系色素が好ましい。また、光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、2種類以上の色素を併用または混合することができる。この場合、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、併用または混合する色素とその割合を選ぶことができる。
【0036】
こうした色素は半導体微粒子の表面に対して吸着能力の有る適当な結合基(interlocking group)を有しているのが好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、OH基、SO3H基、-P(O)(OH)2基または-OP(O)(OH)2基のような酸性基、あるいはオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレートまたはα-ケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げられる。なかでもCOOH基、-P(O)(OH)2基または-OP(O)(OH)2基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を形成していてもよい。またポリメチン色素の場合、メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成する場合のように酸性基を含有するなら、この部分を結合基としてもよい。
【0037】
以下、感光層に用いる好ましい増感色素を具体的に説明する。
(a)有機金属錯体色素
色素が金属錯体色素である場合、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512号、WO98/50393号、特開2000-26487号などに記載の錯体色素が挙げられる。
【0038】
さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素は下記一般式(I):
(A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I)
により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1は1または2座の配位子を表し、Cl、SCN、H2O、Br、I、CN、NCOおよびSeCN、ならびにβ−ジケトン類、シュウ酸およびジチオカルバミン酸の誘導体からなる群から選ばれた配位子が好ましい。pは0〜3の整数である。B-a、B-bおよびB-cはそれぞれ独立に下記式B-1〜B-10:
【0039】
【化1】
Figure 0005081345
【0040】
(ただし、Raは水素原子または置換基を表し、置換基としてはたとえば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素原子数7〜12の置換または無置換のアラルキル基、あるいは炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール基、カルボン酸基、リン酸基(これらの酸基は塩を形成していてもよい)が挙げられ、アルキル基およびアラルキル基のアルキル部分は直鎖状でも分岐状でもよく、またアリール基およびアラルキル基のアリール部分は単環でも多環(縮合環、環集合)でもよい。)により表される化合物から選ばれた有機配位子を表す。B-a、B-bおよびB-cは同一でも異なっていてもよく、いずれか1つまたは2つでもよい。
【0041】
有機金属錯体色素の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
【化2】
Figure 0005081345
【0043】
【化3】
Figure 0005081345
【0044】
【化4】
Figure 0005081345
【0045】
【化5】
Figure 0005081345
【0046】
(b)メチン色素
本発明に使用する色素の好ましいメチン色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素である。本発明で好ましく用いられるポリメチン色素の例は、特開平11-35836号、特開平11-67285号、特開平11-86916号、特開平11-97725号、特開平11-158395号、特開平11-163378号、特開平11-214730号、特開平11-214731号、特開平11-238905号、欧州特許892411号および同911841号の各明細書に記載の色素である。
【0047】
(4)半導体微粒子への色素の吸着
半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7−249790号に記載されているように加熱還流して行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等がある。色素を溶解する溶媒として好ましいのは、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0048】
色素の全吸着量は、多孔質半導体電極基板の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmоlが好ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1g当たり0.01〜100mmоlの範囲であるのが好ましい。このような色素の吸着量とすることにより半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素が少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が多すぎると半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる原因となる。色素の吸着量を増大させるためには、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに40〜80℃の間で素早く色素を吸着させるのが好ましい。また、色素間の凝集などの相互作用を低減する目的で、無色の化合物を色素に添加し、半導体微粒子に共吸着させてもよい。この目的で有効な化合物は界面活性な性質、構造をもった化合物であり、例えば、カルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコール酸)やスルホン酸塩類の界面活性剤が挙げられる。
【0049】
未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄により除去するのが好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うのが好ましい。色素を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
(C)電荷移動層
電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、▲1▼イオン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対イオンを含有する溶融塩電解質、さらには固体電解質が挙げられる。また、イオンがかかわる電荷輸送材料のほかに、▲2▼固体中のキャリアー移動が電気伝導にかかわる材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料、を用いることもできる。これらは、併用することができる。
【0050】
(1)溶融塩電解質
溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観点から特に好ましい。溶融塩電解質としては、例えばWO95/18456号、特開平8-259543号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を含む電解質を挙げることができる。
【0051】
好ましく用いることのできる溶融塩としては、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれかにより表されるものが挙げられる。
【0052】
【化6】
Figure 0005081345
【0053】
一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子により構成されるのが好ましい。Qy1、により形成される5員環は、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、オキサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環であるのがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環であるのがより好ましい。
【0054】
一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン原子を表す。
【0055】
一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のRy1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のアルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0056】
また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0057】
一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQy1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)等が挙げられる。
【0058】
一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)により表される化合物は、Qy1又はRy1〜Ry6を介して多量体を形成してもよい。
【0059】
これらの溶融塩は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオンを他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもできる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-等)、NSC-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C-等が好ましい例として挙げられ、(CF3SO2)2N-又はBF4 -であるのがより好ましい。また、LiIなど他のヨウ素塩を添加することもできる。
【0060】
本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではない。
【0061】
【化7】
Figure 0005081345
【0062】
【化8】
Figure 0005081345
【0063】
【化9】
Figure 0005081345
【0064】
【化10】
Figure 0005081345
【0065】
【化11】
Figure 0005081345
【0066】
【化12】
Figure 0005081345
【0067】
【化13】
Figure 0005081345
【0068】
上記溶融塩電解質は常温で溶融状態であるものが好ましく、溶媒を用いない方が好ましい。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶融塩の含有量は電解質組成物全体に対して50質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのが特に好ましい。また、塩のうち、50質量%以上がヨウ素塩であることが好ましい。
【0069】
電解質組成物にヨウ素を添加するのが好ましく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
【0070】
(2)電解液
電荷移動層に電解液を使用する場合、電解液は電解質、溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。本発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2)などの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、Br2と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用いることができる。この中でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよい。
【0071】
好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以下であり、さらに好ましくは0.2M以上10M以下である。また、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0072】
電解質に使用する溶媒は、粘度が低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3-メチル-2-オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質、水などを用いることができる。
【0073】
また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc., 80,(12)3157-3171(1997)に記載されているようなtert-ブチルピリジンや、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下である。
【0074】
(3)ゲル電解質
本発明では、電解質はポリマー添加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応等の手法によりゲル化(固体化)させて使用することもできる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、「Polymer Electrolyte Reviews−1および2」(J. R. MacCallumとC. A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができるが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合はJ. Chem. Soc. Japan, Ind. Chem. Sec., 46, 779(1943)、J. Am. Chem. Soc., 111, 5542(1989), J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1993, 390、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35, 1949(1996)、Chem. Lett., 1996, 885、J. Chm. Soc. Chem. Commun., 1997, 545に記載されている化合物を使用することができるが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。
【0075】
また、ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネートなど)である。
【0076】
(4)正孔輸送材料
本発明では、溶融塩などのイオン伝導性電解質の替わりに、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。
(a)有機正孔輸送材料
本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、J. Hagen et al., Synthetic Metal 89(1997)215-220、Nature,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585およびWO97/10617、特開昭59-194393号公報、特開平5-234681号公報、米国特許第4,923,774号、特開平4-308688号公報、米国特許第4,764,625号、特開平3-269084号公報、特開平4-129271号公報、特開平4-175395号公報、特開平4-264189号公報、特開平4-290851号公報、特開平4-364153号公報、特開平5-25473号公報、特開平5-239455号公報、特開平5-320634号公報、特開平6-1972号公報、特開平7-138562号、特開平7-252474号、特開平11-144773頭に示される芳香族アミン類や特開平11-149821、特開平11-148067、特開平11-176489等に記載のトリフェニレン誘導体類を好ましく用いることができる。
また、Adv. Mater. 1997, 9, No.7, p557、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, No.3, p303-307、JACS, Vol.120, No.4, 1998, p664-672等に記載されているオリゴチオフェン化合物、K. Murakoshi et al., Chem. Lett. 1997, p471に記載のポリピロール、「Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers Vol.1,2,3,4」(NALWA著、WILEY出版)に記載されているポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p-フェニレン) およびその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘導体等の導電性高分子を好ましく使用することができる。
正孔(ホール)輸送材料にはNature, Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されているようにドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような塩を添加しても構わない。
【0077】
(b)無機正孔輸送材料
無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用いることができる。この目的のp型無機化合物半導体は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であることが好ましい。好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半導体であり、一価の銅を含む化合物半導体の例としてはCuI, CuSCN, CuInSe2, Cu(In,Ga)Se2, CuGaSe2, Cu2O, CuS, CuGaS2, CuInS2, CuAlSe2などが挙げられる。この中でもCuIおよび CuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。このほかのp型無機化合物半導体として、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2O3、MoO2、Cr2O3等を用いることができる。
p型無機化合物半導体を含有する電荷移動層の好ましいホール移動度は10-4cm2/V・sec以上104cm2/V・sec以下であり、さらに好ましくは10-3cm2/V・sec以上103cm2/V・sec以下である。また、電荷輸送層の好ましい導電率は10-8S/cm以上102S/cm以下であり、さらに好ましくはS10-6/cm以上10S/cm以下である。
【0078】
(5)電荷移動層の形成
電荷移動層の形成方法に関しては2通りの方法が考えられる。1つは感光層の上に先に対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷移動層を挟み込む方法である。もう1つは感光層上に直接、電荷移動層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
【0079】
前者の場合、電荷移動層の挟み込み方法として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
【0080】
後者の場合、湿式の電荷移動層においては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗布して重合等の方法により固体化する方法があり、その場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもできる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質を付与する方法としては、前述の半導体微粒子層や色素の付与と同様の方法を利用できる。
【0081】
固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法により電極内部に導入することができる。無機固体化合物の場合も、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解メッキ法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0082】
(D)対極
対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料からなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フッ素ドープ酸化スズ、等)が挙げられる。この中でも白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極層として好ましく使用することができる。対極の好ましい支持基板の例は、ガラスまたはプラスチックであり、これに上記の導電剤を塗布または蒸着して用いる。対極導電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ましい。対極導電層が金属である場合は、その厚さは好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは10nm〜3μmの範囲である。対極層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
【0083】
導電性支持体と対極のいずれか一方または両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性質を有するのが好ましい。このような対極としては、金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0084】
対極は、電荷移動層上に直接導電材を塗布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支持体の場合と同じである。
【0085】
(E)その他の層
対極と導電性支持体の短絡を防止するため、予め導電性支持体と感光層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として塗設しておくことが好ましく、電荷移動層に電子輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合は、特に有効である。下塗り層として好ましいのはTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5であり、さらに好ましくはTiO2である。下塗り層は、例えばElectrochimi. Acta 40, 643-652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の他、スパッタ法等により塗設することができる。下塗り層の好ましい膜厚は5〜1000nm以下であり、10〜500nmがさらに好ましい。
【0086】
また、電極として作用する導電性支持体と対極の一方または両方の内部あるいは外側表面に、保護層、反射防止層等の機能性層を設けても良い。これらの機能性層の形成には、その材質に応じて塗布法、蒸着法、貼り付け法等を用いることができる。
【0087】
(F)光電変換素子の内部構造の具体例
上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造が可能である。図2〜図9に本発明に好ましく適用できる光電変換素子の内部構造を例示する。
【0088】
図2は、透明導電層10aと透明対極導電層40aとの間に、感光層20と、電荷移動層30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造となっている。図3は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10aを設け、下塗り層60、感光層20、電荷移動層30および対極導電層40をこの順で設け、さらに支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入射する構造となっている。図4は、支持基板50上にさらに導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30と透明対極導電層40aとを設け、一部に金属リード11を設けた透明基板50aを、金属リード11側を内側にして配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図5は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10a(または40a)を設けたもの1組の間に下塗り層60と感光層20と電荷移動層30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造である。図6は、透明基板50a上に透明導電層10a、下塗り層60、感光層20、電荷移動層30および対極導電層40を設け、この上に支持基板50を配置したものであり導電層側から光が入射する構造である。図7は、支持基板50上に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図8は、透明基板50a上に透明導電層10aを有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、両面から光が入射する構造となっている。図9は、支持基板50上に導電層10を設け、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに固体の電荷移動層30を設け、この上に一部対極導電層40または金属リード11を有するものであり、対極側から光が入射する構造となっている。
〔2〕光電池
本発明の光電池は、上記光電変換素子に外部負荷で仕事をさせるようにしたものである。
光電池のうち、電荷輸送材料が主としてイオン輸送材料からなる場合を、特に光電気化学電池と呼び、また、太陽光による発電を主目的とする場合を太陽電池と呼ぶ。光電池は構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面をポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体および対極にリードを介して接続される外部回路自体は公知のもので良い。本発明の光電変換素子を太陽電池に適用する場合、そのセル内部の構造は基本的に上述した光電変換素子の構造と同じである。また、本発明の色素増感型太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られており、本発明の色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所および環境により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。具体的には、特願平11-8457に記載の構造や態様とすることが好ましい。
【0089】
【実施例】
以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を超えない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、電極B〜F並びに光電池102〜106及び202〜203は、「参考例」と読み替えるものとする。
【0090】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1
1−1.二酸化チタン粒子分散液1の調製
チタンテトライソプロポキサイド142.1gと、トリエタノールアミン149.2gとを、ドライボックス中で室温にて混合し、2時間静置した。混合液をドライボックスより取り出し、蒸留水を加えて全容1000mlとなるように希釈し、母液とした。
母液100mlと、蒸留水に酢酸2.85mlを添加して100mlとしたものを混合した。密封容器にて100℃で24時間加熱し、白色のゲル状物とした後、温度を140℃に上昇させ、さらに72時間加熱した。室温に冷却した後、上澄みを除去し、淡い赤褐色の沈殿物を得た。水を含んだ沈殿物の質量は33gであった。
得られた沈殿物に、分子量50万のポリエチレングリコール1.0gを加え、混練機で20分間混練し、質量濃度12%の二酸化チタン分散物を得、分散液1とした。
分散液1に含まれる二酸化チタン粒子の平均粒径は約16nmであり、10nm以下の粒子も含まれていた。
【0091】
1−2.二酸化チタン粒子分散液2(プレカーサー入り)の調製
チタンテトライソプロポキシド4.5mlに1mоl/l塩酸溶液を25ml添加し室温にて攪拌する。攪拌1〜3時間した時点で、この溶液4mlを二酸化チタン粒子分散物1の15.5gに添加し、二酸化チタン粒子分散液2とした。この液は混合後すみやかに次の工程に使用した。
【0092】
2.色素を吸着した二酸化チタン電極の作製
フッ素をドープした酸化スズをコーティングした透明導電性ガラス(日本板硝子製、表面抵抗は約10Ω/□)の導電面側に上記分散液1または2を下記の各条件下で塗設・処理し、金属酸化物微粒子からなる半導体多孔質電極を形成した。いずれの電極も二酸化チタンの塗布量は約9.0g/m2であり、膜厚は約6μmであった。各電極の色素の吸着量を表1に記載した。
【0093】
2−1.電極A(比較例)の作製
分散液1をドクターブレードで100μmの厚みで塗布し、25℃で40分間乾燥した後、電気炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32型)で350℃にて30分間焼成した。冷却した後、R−1色素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:エタノール)中で3分間加熱還流することで色素を染着させた。これを電極Aとした。
【0094】
2−2.電極B(本発明)の作製
分散液2をドクターブレードで100μmの厚みで塗布し、25℃で40分間乾燥した後、25℃の雰囲気下、キセノンランプを用い、電極表面に波長400nm以下の紫外線を30分間照射した。その後R−1色素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:エタノール)中で3分間加熱還流することで色素を染着させた。これを電極Bとした。
2−3.電極C(本発明)の作製
分散液1をドクターブレードで100μmの厚みで塗布し、25℃で40分間乾燥した後、150℃のホットプレート上で、キセノンランプを用い、電極表面に波長400nm以下、強度30mW/cm2の紫外線を30分間照射した。加熱と紫外線照射を同時に終了後、R−1色素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:エタノール)中で3分間加熱還流することで色素を染着させた。これを電極Cとした。
2−4.電極D(本発明)の作製
分散液1をドクターブレードで100μmの厚みで塗布し、25℃で40分間乾燥した後、0.04MPaの減圧下、250℃のホットプレート上で30分間減圧、加熱した。その後R−1色素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:エタノール)中で3分間加熱還流することで色素を染着させた。これを電極Dとした。
2−5.電極E(本発明)の作製
分散液1をドクターブレードで100μmの厚みで塗布し、25℃で40分間乾燥した後、遠赤外線炉で30分間赤外線を照射した。その後R−1色素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:エタノール)中で3分間加熱還流することで色素を染着させた。これを電極Eとした。
2−6.電極F(本発明)の作製
分散液1をドクターブレードで100μmの厚みで塗布し、25℃で40分間乾燥した後、150℃のホットプレート上で、キセノンランプを用い、電極表面に波長400nm以下、強度30mW/cm2の紫外線を30分間照射した。ただし、加熱は紫外線照射終了後もさらに15分間行った、その後、R−1色素の溶液(色素3×10-4モル/リットル、溶媒:エタノール)中で3分間加熱還流することで色素を染着させた。これを電極Fとした。
2−7.電極G(本発明)の作製
電極Fの作製において分散液1を分散液2に置き換えた以外同様にして、電極Gを作製した。
【0095】
3.電荷輸送層の形成および光電池の作製
第2項で作製した電極を26mm×18mmの大きさに裁断し、中心部14mm×14mm角を残し、二酸化チタン粒子層を除去した。
3−1.イオン電荷輸送層の形成と光電池の組立
調製した電極と同じ大きさの白金蒸着ガラス(対極、白金層の膜厚=1μm、ガラス膜厚=1.1mm)とを、ポリエチレン製のフレーム型スペーサー(厚さ10μm)を挟んで、長辺方向に端子用の末端部である幅4mmを交互に外へ出して重ね合わせた。(図10参照)
【0096】
受光部であるTiO2透明電極基板の面を残して全体をエポキシ樹脂接着剤でシールした。次に、スペーサーの側面に注液用の小孔を空け、電極間の空間に毛細管現象を利用して、溶融塩電解質(化合物1:化合物2:沃素=15:35:1(質量比))を80℃にてしみ込ませた。その後、注液用の小孔を封止した。以上のようにして、表1に示す光電池101〜107を完成した。
【0097】
【化14】
Figure 0005081345
【0098】
3−2.正孔輸送層の形成と光電池の組立
調製した電極の色素を吸着させた二酸化チタン粒子層が残る中心部(14mm×14mm角)以外を保護した後、100℃に過熱したホットプレートに載せて2分間放置した。その後、γ-CuIのアセトニトリル溶液(3.2質量%)0.2mlを10分程度かけて、アセトニトリルを揮発させながらゆっくり二酸化チタン粒子層に加えた。添加後2分間ホットプレート上に放置してCuI(正孔輸送)層を形成した。その上に上述の白金蒸着ガラスを加圧しながら重ね合わせた後、受光部であるTiO2透明電極基板の面を残して全体をエポキシ樹脂接着剤でシールした。このようにして表1に示す光電池201〜203を作製した。
【0099】
【表1】
Figure 0005081345
【0100】
4.光電変換効率の測定
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィルター(Oriel社製AM1.5G)を通すことにより模擬太陽光を発生させた。この光の強度は100mW/cm2であった。この模擬太陽光を照射し、前述の光電変換素子の導電性ガラスと対極層間に発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレーSMU2400型)にて測定した。光電変換効率(η)を表1に記載した。
【0101】
5. 吸着色素量の測定
イオン輸送層を設けた光電池101〜107については、光電変換性能を測定後、素子を分解し、電解質をアセトニトリルで洗浄、除去した。その後、吸着している色素をアルカリ溶液に抽出し吸着色素量を定量した。定量結果を表1に記載した。正孔輸送層を設けた光電池は、色素の抽出が困難であり、定量はできなかった。
【0102】
表1より、比較タイプの101は色素吸着量も、光電変換効率も極端に低いことが分かる。101に比較して、本発明の方法にて電極を処理した光電池102〜107はいずれも、色素吸着量が多く、光電変換効率も高いことが分かる。本発明の電極処理の中でも、特に、紫外光照射と加熱とを併用したもの(103、106、107)が色素吸着、光電変換効率ともに優れていることが分かる。本発明のUV光照射と加熱との併用においては、実施例103(UV光照射と加熱を同時に終了)と実施例106(加熱で終了)とを比較すると、実施例106の様にUV照射を終了した後、加熱した場合の方が、色素吸着量が多く、また、光電変換効率も高いことがわかる。これはUV光により酸化チタン表面が超親水化し、その状態が色素吸着に不利であり、加熱により表面が疎水化した状態の方が有利であることに起因していると思われる。また、実施例106と107との比較より、プレカーサーを添加した方が光電変換効率が高いことがわかる。
【0103】
電荷輸送層が正孔輸送材料である場合(201〜203)でも同様の傾向にある。すなわち、350℃の加熱のみで焼成した電極を用いた比較光電池(201)に比べ、本発明の方法にて電極を処理した光電池202、203はいずれも、光電変換効率も高いことがわかる。その中でも紫外光照射と加熱とを併用したもの(202)が、特に優れていることがわかる。
【0104】
実施例2
同様の実験を、ポリマー支持体(PET)上に導電性を付与した、透明導電フイルムを用いて行ったところ、表1の比較例の条件、すなわち350℃加熱を用いた場合は、支持体の形状が変わり光電変換素子を組み上げることはできなかった。それに対し、表1の本発明の条件では光電変換素子を組み上げることができ、光電変換が可能であった。
【発明の効果】
以上のように、本発明の光電変換素子は、高温を用いることなく光電変換素子を組み上げることが可能であり、光電変換効率も高いので、光発電素子として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図10】 実施例での電極の重ね合わせ方の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・色素吸着二酸化チタン電極
2・・・対極(白金蒸着ガラス)
3・・・二酸化チタン層が存在する受光部分
10・・・導電層
10a・・・透明導電層
11・・・金属リード
20・・・感光層
21・・・半導体微粒子
22・・・色素
23・・・電荷輸送材料
30・・・電荷輸送層
40・・・対極導電層
40a・・・透明対極導電層
50・・・基板
50a・・・透明基板
60・・・下塗り層

Claims (4)

  1. ポリマー支持体上に半導体微粒子膜を設けてなる光電変換素子の製造方法において、該半導体微粒子膜が、酸化チタン微粒子と該酸化チタン微粒子のプレカーサーの共存下に、該酸化チタン微粒子が吸収を有する400nm以下の波長の紫外光を照射する工程及び該酸化チタン微粒子を50℃以上150℃以下で加熱する工程を含む方法により作製されたことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光電変換素子の製造方法において、該半導体微粒子膜を形成する酸化チタン微粒子は、その粒径が10nm以上のものと10nm未満のものとを含有してなることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光電変換素子の製造方法において、前記酸化チタン微粒子のプレカーサーが該酸化チタンを構成する金属のアルコキシド化合物、ハロゲン化物または加水分解可能な基を含有する化合物を完全にもしくは部分的に加水分解し、かつ、それらが完全もしくは部分的に重合したものであることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光電変換素子の製造方法において、前記半導体微粒子膜が色素によって増感されていることを特徴とする光電変換素子の製造方法
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