JP4763120B2 - 光電変換素子およびこれを用いた光電池 - Google Patents

光電変換素子およびこれを用いた光電池 Download PDF

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    • Y02E10/549Organic PV cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色素で増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子に関し、特に、組立て前に色素を前処理することにより、光電変換効率を改善した光電変換素子およびこれを用いた光電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
光電変換素子は各種の光センサー、複写機、光発電装置に用いられている。光電変換素子には金属を用いたもの、半導体を用いたもの、有機顔料や色素を用いたもの、あるいはこれらを組み合わせたものなどの様々な方式が実用化されている。
【0003】
米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、WO98/50393号の各明細書および特開平7-249790号、特表平10-504521号公報には、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子(以後、色素増感光電変換素子と略す)、もしくはこれを作製するための材料および製造技術が開示されている。この方式の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、比較的安価な光電変換素子を提供できる点にある。しかしながらこのような光電変換素子は変換効率が必ずしも十分に高いとは限らず、なお一層の変換効率向上が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、より高い変換効率を有する色素増感光電変換素子およびこれを用いた光電池を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、従来の導電性支持体、色素を吸着させた半導体微粒子層、電荷輸送層および対極からなる光電変換素子において、当該素子を組み立てる前に、色素を吸着させた半導体微粒子層または吸着させる前の色素を、4級塩溶液と接触させて前処理することにより、光電変換効率を向上できることを見出し、本発明に想到した。
【0006】
すなわち、本発明の光電変換素子は、色素を吸着した半導体微粒子からなる感光層を有するものであり、この色素を吸着した半導体微粒子層または吸着させる前の色素そのものを、予め4級塩溶液で前処理したことを特徴とする。
【0007】
また、もう1つの本発明である光電池は、本発明の光電変換素子を用いたものである。
【0008】
本発明は下記条件を満たすことにより、一層優れた光電変換効率を有する光電変換素子及び光電池が得られる。
【0009】
(1)前記4級塩が、テトラアルキルアンモニウム塩、イミダゾリウム塩またはピリジニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の4級塩であることが好ましい。
【0010】
(2) 前記4級塩がピリジル基を有する4級塩であることが好ましい。
【0011】
(3)前記ピリジル基を有する4級塩が、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【化2】
(式中、Qは4級アンモニウム塩を含む基を、LINKは2価の連結基を、R1は置換基を、n1は0ないし4の整数を、n2は0ないし1の整数を表す。)
【0012】
(4)前記一般式(1)におけるQがテトラアルキルアンモニウム塩を含む基であることが好ましい。
【0013】
(5)前記4級塩が、炭素数6以上のアルキル基を少なくとも1つ有することが好ましい。
【0014】
(6)前記4級塩溶液の溶媒として、ニトリル類を用いることが好ましい。
【0015】
(7)前記色素が、酸性基を有することが好ましい。
【0016】
(8)前記4級塩溶液の4級塩量が、前記色素の酸性基の当量以上であることが好ましい。
【0017】
(9)前記色素としてルテニウム錯体色素および/またはメチン色素を用いることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔1〕光電変換素子
本発明の光電変換素子は、少なくとも導電層、色素を吸着させた半導体微粒子層、電荷輸送層および対極を有し、好ましくは図1に示すように、導電層10、下塗り層60、感光層20、電荷輸送層30、対極導電層40の順に積層し、前記感光層20を色素22によって増感された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の間の空隙に浸透した電荷輸送材料23とから構成する。電荷輸送材料23は、電荷輸送層30に用いる材料と同じ成分からなる。
【0019】
本発明は、当該素子の組立て前に、この色素を吸着した半導体微粒子層または吸着させる前の色素そのものを、4級塩溶液で前処理したことを特徴とする。色素を予め4級塩溶液に接触させることにより、光電変換素子の光電変換効率を向上させることができる。
【0020】
光電変換素子に強度を付与するため、導電層10および/または対極導電層40の下地として基板50を設けてもよい。以下本発明では、導電層10および任意で設ける基板50からなる層を「導電性支持体」、対極導電層40および任意で設ける基板50からなる層を「対極」と呼ぶ。
【0021】
この光電変換素子を外部負荷に接続して電気的仕事をさせる目的(発電)で作られたものが光電池であり、光学的情報のセンシングを目的に作られたものが光センサーである。なお、図1中の導電層10、対極導電層40、基板50は、それぞれ透明導電層10a、透明対極導電層40a、透明基板50aであっても良い。
【0022】
図1に示す本発明の光電変換素子において、色素22により増感された半導体微粒子21を含む感光層20に入射した光は色素22等を励起し、励起された色素22等中の高エネルギーの電子が半導体微粒子21の伝導帯に渡され、さらに拡散により導電層10に到達する。このとき色素22等の分子は酸化体となっている。光電池においては、導電層10中の電子が外部回路で仕事をしながら対極導電層40および電荷輸送層30を経て色素22等の酸化体に戻り、色素22が再生する。感光層20は負極として働く。それぞれの層の境界(例えば導電層10と感光層20との境界、感光層20と電荷輸送層30との境界、電荷輸送層30と対極導電層40との境界等)では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。
【0023】
以下、光電変換素子を構成する各層、及び増感色素の前処理について詳細に説明する。
【0024】
(A)増感色素の前処理
本発明は、当該素子の組立て前に、増感色素を吸着した半導体微粒子層または吸着させる前の色素そのものを、4級塩溶液で前処理したことを特徴とする。
【0025】
4級塩溶液は、少なくとも4級塩と溶媒を含む。適宜これ以外の物質を添加剤として含有しても良い。本発明において4級塩とは正の形式電荷を有し、かつ、水素原子と直接結合していない窒素原子またはリン原子を少なくとも1つ有する塩のことである。具体的には4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩)、イミダゾリウム塩、オキサゾリウム塩、チアゾリウム塩、ベンズイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピラジニウム塩、キノリニウム塩、4級ホスホニウム塩等の塩である。これらのうち4級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩またはピリジニウム塩が好ましく、環状部分を有する4級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩またはピリジニウム塩がより好ましい。さらに、炭素数6以上のアルキル基(例えばヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など)を少なくとも1つ有する4級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩またはピリジニウム塩が特に好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。置換基の例としてはハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。以下置換基という場合、これらの基のことを指す。なお、これらの4級塩はカチオン部が2つ以上連結した多価カチオンの塩であっても良い。
【0026】
また電荷を中和するためのアニオンを有しても良い。アニオンとしては特に制限はなく有機、無機のいずれでもよい。代表的な例としてはハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロりん酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン等が挙げられる。本発明の4級塩は分子内塩であっても良い。
【0027】
本発明においては、ピリジル基を有する4級塩が特に好ましい。ピリジル基を有する4級塩とは少なくとも1つのピリジン残基と少なくとも1つの4級塩残基を1分子内に併せ持つ化合物のことをいう。くわしくは少なくとも1つの置換もしくは無置換のピリジン残基と、正の形式電荷を有しかつ水素原子と直接結合していない窒素原子、またはリン原子を少なくとも1つ有する塩から誘導される残基を1分子内に併せ持つ化合物のことをいう。置換基の例は前述の通りである。
【0028】
本発明においてピリジル基を有する4級塩としては下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0029】
【化3】
【0030】
以下一般式(1)について詳しく説明する。一般式(1)においてQは4級アンモニウム塩を含む基を表す。Qとしては、テトラアルキルアンモニウム塩、イミダゾリウム塩、オキサゾリウム塩、チアゾリウム塩、ベンズイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピラジニウム塩、キノリニウム塩等の塩から水素原子1個を除いて得られる1価基が挙げられる。これらのうちテトラアルキルアンモニウム塩から誘導される基が好ましい。さらに、炭素数6以上のアルキル基(例えばヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など)を少なくとも1つ有するテトラアルキルアンモニウム塩から誘導される基が特に好ましい。
【0031】
Qは通常、電荷を中和するためのアニオンを有する。アニオンとしては特に制限はなく有機、無機のいずれでもよい。代表的な例としてはハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロりん酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン等が挙げられる。これらのうちヨウ素イオンが特に好ましい。また、Qは分子内塩であっても良い。
【0032】
一般式(1)においてLINKは置換もしくは無置換のアルキレン基(たとえばメチレン、エチレン、プロピレン、ヘキシレン等)、置換もしくは無置換のアリーレン基(フェニレン、ナフチレン等)、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、置換もしくは無置換のイミノ基(例えばイミノ、メチルイミノ、フェニルイミノ等)、スルホニル基、もしくはこれらの2価基が複数個直列に結合した2価基を表す。置換基の例は前述の通りである。これらのうちアルキレン基が特に好ましい。
【0033】
一般式(1)においてR1は置換基を表す。置換基の例は前述の通りである。このうちアルキル基(例えばメチル、エチル、2-プロピル、t-ブチル、ヘキシル、ドデシル等)が好ましい。n1は0〜4の整数をあらわす。このうち0ないし2が好ましい。n2は0または1を表す。以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
また、一般式(1)の他に、以下に例示される4級塩も好ましく用いられる。
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
溶媒は、4級塩の溶解性に応じて適宜選択できる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。このうちニトリル類は特に好ましい溶媒であり、4級塩溶液にはニトリル類を含むことが好ましい。
【0042】
4級塩溶液には適宜添加剤を加えても良い。典型的な例としてはカルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコール酸、コール酸等)、紫外線吸収剤、各種の界面活性剤等が挙げられる。
【0043】
4級塩溶液における4級塩の好ましい濃度としては1×10-4mol/L乃至1mol/Lであり、さらに好ましくは1×10-3mol/L乃至2×10-1mol/Lである。4級塩溶液における4級塩の量は、後述する色素の有する酸性基の当量以上であることが好ましい。4級塩溶液での処理は、色素を吸着した半導体微粒子層を処理しても色素そのものを処理してもよいが、色素吸着後の半導体微粒子層を処理するのが好ましい。色素の吸着した半導体微粒子層を4級塩溶液で処理する方法としては、浸漬法、塗布法、噴霧法など、色素吸着した半導体微粒子の表面に4級塩溶液が効率よく接触する方法であればどんな方法でもよいが、浸漬法が好ましい。色素の吸着した半導体微粒子層を4級塩溶液に浸漬する際、浸漬温度、浸漬時間は任意に設定してよい。典型的には浸漬温度20ないし80℃で浸漬時間30秒ないし24時間である。浸漬の後、そのまま乾燥してもよいが、溶媒により洗浄を行うのが好ましい。洗浄に用いる溶媒は通常4級塩溶液に用いた溶媒と同一の組成のものか、ニトリル類、アルコール類等の極性溶媒が好ましい。また、色素そのものを4級塩溶液で処理する場合は、たとえば色素を4級塩溶液に溶解した後、既知の方法で色素と4級塩カチオンの塩を分離精製することができる。
【0044】
(B)感光層
感光層において、半導体は感光体として作用し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる。色素増感された半導体では、光吸収およびこれによる電子および正孔の発生は主として色素において起こり、半導体微粒子はこの電子(または正孔)を受け取り、伝達する役割を担う。本発明で用いる半導体は、光励起下で伝導体電子がキャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半導体であることが好ましい。
【0045】
(1)半導体
半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカルコゲナイド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物、またはそれらの複合物等)、またはペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用することができる。
【0046】
好ましい金属のカルコゲナイドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられる。さらには、MxyzまたはM1x2yz (M、M1およびM2はそれぞれ金属元素、Oは酸素、Sは硫黄、x、y、zは価数が中性になる組み合わせの数)の様な複合物も好ましく用いることができる。
【0047】
本発明に用いる半導体の好ましい具体例は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、SrTiO3、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、SrTiO3、InP、GaAs、CuInS2またはCuInSe2であり、特に好ましくはTiO2またはNb2O5であり、最も好ましくはTiO2である。TiO2はアナターゼ型結晶を70%以上含むTiO2が好ましく、特に好ましくは100%アナターゼ型結晶のTiO2である。また、これらの半導体中の電子電導性を上げる目的で金属をドープする事も有効である。ドープする金属としては2価、3価の金属が好ましい。半導体から電荷輸送層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、半導体に1価の金属をドープすることも有効である。
【0048】
本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶でもよいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体微粒子からなる多孔質膜が特に好ましい。また、一部アモルファス部分を含んでいてもよい。
【0049】
半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜30μmが好ましい。粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは25nm以下であるのが好ましく、より好ましくは10nm以下である。入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば100nm以上、300nm程度の半導体粒子を混合することも好ましい。
【0050】
半導体微粒子の種類も異なる2種以上の混合であってもよい。2種以上の半導体微粒子を混合して使用する場合、1種はTiO2、ZnO、Nb2O5もしくはSrTiO3であることが好ましい。またもう1種としてはSnO2、Fe2O3、WO3であることが好ましい。さらに好ましい組み合わせとしては、ZnOとSnO2、ZnOとWO3またはZnO、SnO2とWO3などの組み合わせを挙げることができる。2種以上の半導体微粒子を混合して用いる場合、それぞれの粒径が異なっていても良い。特に上記1種目で挙げた半導体微粒子の粒径が大きく、2種目以降で挙げた半導体微粒子が小さい組み合わせが好ましい。好ましくは大きい粒径の粒子が100nm以上で、小さい粒径の粒子が15nm以下の組み合わせである。
【0051】
半導体微粒子の作製法としては、作花済夫の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDegussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0052】
半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾル−ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さらにゾル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、Burnsideらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0053】
(2)半導体微粒子層の形成
半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用することもできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷法、電解析出法および電着法が代表的である。また、金属を酸化する方法、金属溶液から配位子交換等で液相にて析出させる方法(LPD法)、スパッタ等で蒸着する方法、CVD法、あるいは加温した基板上に熱分解する金属酸化物プレカーサーを吹き付けて金属酸化物を形成するSPD法を利用することもできる。
【0054】
半導体微粒子の分散液を作製する方法としては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法等が挙げられる。
【0055】
分散媒としては、水または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、シトロネロール、ターピネオール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸またはキレート剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘度が調節可能となり、さらに剥がれにくい半導体層を形成したり、半導体層の空隙率をコントロールできるので、ポリエチレングリコールを添加することは好ましい。
【0056】
塗布方法としては、アプリケーション系としてローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエアーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58-4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセットおよびグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0057】
半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもできる。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効である。
【0058】
一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは0.1〜100μmである。光電池に用いる場合、半導体微粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.5〜100gが好ましく、3〜50gがより好ましい。
【0059】
半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範囲は40℃以上700℃以下であり、より好ましくは100℃以上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くため、好ましくない。またコストの観点からもできる限り低温(例えば50℃〜350℃)であるのが好ましい。低温化は、5nm以下の小さい半導体微粒子や鉱酸、金属酸化物プレカーサーの存在下での加熱処理等により可能となり、また、紫外線、赤外線、マイクロ波等の照射や電界、超音波を印加することにより行うこともできる。同時に不要な有機物等を除去する目的で、上記の照射や印加のほか加熱、減圧、酸素プラズマ処理、純水洗浄、溶剤洗浄、ガス洗浄等を適宜組み合わせて併用することが好ましい。
【0060】
加熱処理後、半導体微粒子の表面積を増大させたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。また、半導体微粒子から電荷輸送層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、粒子表面に色素以外の電子電導性の低い有機物を吸着させることも有効である。吸着させる有機物としては疎水性基を持つ物が好ましい。
【0061】
半導体微粒子層は、多くの色素を吸着することができるように大きい表面積を有することが好ましい。半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0062】
(3)色素
感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収を有し、半導体を増感しうる化合物なら任意に用いることができるが、有機金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン系色素またはフタロシアニン系色素が好ましい。また、光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を併用または混合することができる。この場合、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、併用または混合する色素とその割合を選ぶことができる。
【0063】
こうした色素は半導体微粒子の表面に対して吸着能力の有る適当な結合基(interlocking group)を有しているのが好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、OH基、SO3H基、-P(O)(OH)2基または-OP(O)(OH)2基のような酸性基、あるいはオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレートまたはα-ケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げられる。なかでもCOOH基、-P(O)(OH)2基または-OP(O)(OH)2基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を形成していてもよい。またポリメチン色素の場合、メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成する場合のように酸性基を含有するなら、この部分を結合基としてもよい。
【0064】
以下、感光層に用いる好ましい増感色素を具体的に説明する。
(a)有機金属錯体色素
色素が金属錯体色素である場合、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512号、世界特許98/50393号、特開2000-26487号等に記載の錯体色素が挙げられる。
【0065】
さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素は下記一般式(I):
(A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I)
により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1は1または2座の配位子を表し、Cl、SCN、H2O、Br、I、CN、NCOおよびSeCN、ならびにβ−ジケトン類、シュウ酸およびジチオカルバミン酸の誘導体からなる群から選ばれた配位子が好ましい。pは0〜3の整数である。B-a、B-bおよびB-cはそれぞれ独立に下記式B-1〜B-10:
【0066】
【化10】
【0067】
(ただし、R11は水素原子または置換基を表し、置換基としてはたとえば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素原子数7〜12の置換または無置換のアラルキル基、あるいは炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール基、カルボン酸基、リン酸基(これらの酸基は塩を形成していてもよい)が挙げられ、アルキル基およびアラルキル基のアルキル部分は直鎖状でも分岐状でもよく、またアリール基およびアラルキル基のアリール部分は単環でも多環(縮合環、環集合)でもよい。)により表される化合物から選ばれた有機配位子を表す。B-a、B-bおよびB-cは同一でも異なっていてもよく、いずれか1つまたは2つでもよい。
【0068】
有機金属錯体色素の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
(b)メチン色素
本発明に使用する色素の好ましいメチン色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素である。本発明で好ましく用いられるポリメチン色素の例は、特開平11-35836号、特開平11-67285号、特開平11-86916号、特開平11-97725号、特開平11-158395号、特開平11-163378号、特開平11-214730号、特開平11-214731号、特開平11-238905号、欧州特許892411号および同911841号の各明細書に記載の色素である。好ましい色素の具体例を下に示す。
【0072】
【化13】
【0073】
【化14】
【0074】
(4)半導体微粒子への色素の吸着
半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7-249790号に記載されているように加熱還流して行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等がある。色素を溶解する溶媒として好ましいのは、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0075】
色素の全吸着量は、多孔質半導体電極基板の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1g当たり0.01〜1mmolの範囲であるのが好ましい。このような色素の吸着量とすることにより半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素が少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が多すぎると半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる原因となる。色素の吸着量を増大させるためには、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに、半導体電極基板の温度が60〜150℃の間で素早く色素の吸着操作を行うのが好ましい。また、色素間の凝集などの相互作用を低減する目的で、無色の化合物を色素に添加し、半導体微粒子に共吸着させてもよい。この目的で有効な化合物は界面活性な性質、構造をもった化合物であり、例えば、カルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコール酸)や下記の例のようなスルホン酸塩類が挙げられる。
【0076】
【化15】
【0077】
未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄により除去するのが好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うのが好ましい。色素を吸着した後にアミン類や4級塩を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ、好ましい4級塩としてはテトロブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0078】
(C)導電性支持体
導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導電層および基板の2層からなる。(1)の場合は、導電層として強度や密封性が十分に保たれるような材料が使用され、例えば、金属材料(白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム等またはこれらを含む合金)を用いることができる。(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導電層を有する基板を使用することができる。好ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、インジウム等またはこれらを含む合金)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素またはアンチモンをドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0079】
導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲は50Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
【0080】
導電性支持体側から光を照射する場合には、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。実質的に透明であるとは、可視〜近赤外領域(400〜1200nm)の光の一部または全域において透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であるのが好ましく、80%以上がより好ましい。特に、感光層が感度を有する波長域の透過率が高いことが好ましい。
【0081】
透明導電性支持体としては、ガラスまたはプラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物からなる透明導電層を塗布または蒸着等により形成したものが好ましい。透明導電層として好ましいものは、フッ素もしくはアンチモンをドーピングした二酸化スズあるいはインジウム−スズ酸化物(ITO)である。透明基板には低コストと強度の点で有利なソーダガラス、アルカリ溶出の影響のない無アルカリガラスなどのガラス基板のほか、透明ポリマーフィルムを用いることができる。透明ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するために、導電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチックの支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0082】
透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀等の金属が好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、その上に導電性の酸化スズまたはITO膜からなる透明導電層を設けるのが好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0083】
(D)電荷輸送層
電荷輸送層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、(i)イオン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対イオンを含有する溶融塩電解質、さらには固体電解質が挙げられる。また、イオンがかかわる電荷輸送材料のほかに、(ii)固体中のキャリアー移動がかかわる電荷輸送材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料を用いることもできる。これらの電荷輸送材料は、併用することができる。
【0084】
(1)溶融塩電解質
溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観点から特に好ましい。溶融塩電解質とは、室温において液状であるか、または低融点の電解質であり、例えばWO95/18456号、特開平8-259543号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知の電解質を挙げることができる。100℃以下、特に室温付近において液状となる溶融塩が好ましい。
【0085】
好ましく用いることのできる溶融塩としては、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれかにより表されるものが挙げられる。
【0086】
【化16】
【0087】
一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子により構成されるのが好ましい。Qy1により形成される5員環は、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、インドール環またはピロール環であるのが好ましく、オキサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環であるのがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環であるのがより好ましい。
【0088】
一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン原子を表す。
【0089】
一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のRy1〜R y6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のアルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0090】
また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0091】
一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQy1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)、シリル基、シリルオキシ基等が挙げられる。
【0092】
一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)により表される化合物は、Qy1又はRy1〜Ry6を介して多量体を形成してもよい。
【0093】
これらの溶融塩は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオンを他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもできる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2) 2N-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2) 3C-等が好ましい例として挙げられ、SCN-、CF3SO3 -、CF3COO-、(CF3SO2) 2N-又はBF4 -であるのがより好ましい。また、LiIなど他のヨウ素塩やCF3COOLi、CF3COONa、LiSCN、NaSCNなどのアルカリ金属塩を添加することもできる。アルカリ金属塩の添加量は、0.02〜2質量%程度であるのが好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
【0094】
本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではない。
【0095】
【化17】
【0096】
【化18】
【0097】
【化19】
【0098】
【化20】
【0099】
【化21】
【0100】
【化22】
【0101】
上記溶融塩電解質は常温で溶融状態であるものが好ましく、溶媒を用いない方が好ましい。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶融塩の含有量は電解質組成物全体に対して50質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのが特に好ましい。また、塩のうち、50質量%以上がヨウ素塩であることが好ましい。
【0102】
上記電解質組成物にはヨウ素を添加するのが好ましく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
【0103】
(2)電解液
電荷輸送層に電解液を使用する場合、電解液は電解質、溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。本発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2 などの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、Br2と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用いることができる。この中でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよい。
【0104】
好ましい電解質濃度は0.1M以上10M以下であり、さらに好ましくは0.2M以上4M以下である。また、電解液にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0105】
電解質に使用する溶媒は、粘度が低くイオン移動度を向上したり、もしくは誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3-メチル-2-オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質、水などが挙げられ、これらを混合して用いることもできる。
【0106】
また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc.,80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなtert-ブチルピリジンや、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質や電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下である。
【0107】
(3)ゲル電解質
本発明では、電解質はポリマー添加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応等の手法により、前述の溶融塩電解質や電解液をゲル化(固体化)させて使用することもできる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、“Polymer Electrolyte Reviews-1および2”(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができるが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合はJ. Chem. Soc. Japan, Ind. Chem. Sec., 46,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5542(1989), J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1993, 390, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Chem. Lett., 1996, 885, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1997,545に記載されている化合物を使用することができるが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。電解液をゲル化した例は特開平11-185863号に、溶融塩電解質をゲル化した例は特開2000-58140号に記載されており、本発明にも適用できる。
【0108】
また、ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場合、好ましい架橋可能な反応性基は、アミノ基、含窒素複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネート、α,β-不飽和スルホニル基、α,β-不飽和カルボニル基、α,β-不飽和ニトリル基など)であり、特開2000-17076号、同2000-86724号に記載されている架橋技術も適用できる。
【0109】
(4)正孔輸送材料
本発明では、溶融塩などのイオン伝導性電解質の替わりに、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。
【0110】
(a)有機正孔輸送材料
本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、J.Hagen et al.,Synthetic Metal 89(1997)215-220、Nature,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585およびWO97/10617、特開昭59-194393号、特開平5-234681号、米国特許第4,923,774号、特開平4-308688号、米国特許第4,764,625号、特開平3-269084号、特開平4-129271号、特開平4-175395号、特開平4-264189号、特開平4-290851号、特開平4-364153号、特開平5-25473号、特開平5-239455号、特開平5-320634号、特開平6-1972号、特開平7-138562号、特開平7-252474号、特開平11-144773等に示される芳香族アミン類や、特開平11-149821、特開平11-148067、特開平11-176489等に記載のトリフェニレン誘導体類を好ましく用いることができる。また、Adv. Mater. 1997,9,N0.7,p557、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, No.3,p303-307、JACS,Vol120, N0.4,1998,p664-672等に記載されているオリゴチオフェン化合物、K. Murakoshi et al.,;Chem. Lett. 1997, p471に記載のポリピロール、“Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers Vol.1,2,3,4” (NALWA著、WILEY出版)に記載されているポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p-フェニレン)およびその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘導体等の導電性高分子を好ましく使用することができる。
【0111】
正孔(ホール)輸送材料にはNature,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されているようにドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような塩を添加しても構わない。
【0112】
(b)無機正孔輸送材料
無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用いることができる。この目的のp型無機化合物半導体は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であることが好ましい。好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半導体であり、一価の銅を含む化合物半導体の例としてはCuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2等が挙げられる。この中でもCuIおよびCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。このほかのp型無機化合物半導体として、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2O3、MoO2、Cr2O3等を用いることができる。
【0113】
(5)電荷輸送層の形成
電荷輸送層の形成方法に関しては2通りの方法が考えられる。1つは感光層の上に先に対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法である。もう1つは感光層上に直接、電荷輸送層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
【0114】
前者の場合、電荷輸送層の挟み込み方法として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
【0115】
後者の場合、湿式の電荷輸送層においては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗布して重合等の方法により固体化する方法があり、その場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもできる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質を付与する方法としては、前述の半導体微粒子層や色素の付与と同様の方法を利用できる。
【0116】
固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法により電極内部に導入することができる。無機固体化合物の場合も、キャスト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0117】
(E)対極
対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料からなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フッ素ドープ酸化スズ等)が挙げられる。この中でも白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極層として好ましく使用することができる。対極の好ましい支持基板の例は、ガラスまたはプラスチックであり、これに上記の導電剤を塗布または蒸着して用いる。対極導電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ましい。対極層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
【0118】
導電性支持体と対極のいずれか一方または両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達するためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性質を有するのが好ましい。このような対極としては、金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0119】
対極は、電荷輸送層上に直接導電材を塗布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支持体の場合と同じである。
【0120】
(F)その他の層
対極と導電性支持体の短絡を防止するため、予め導電性支持体と感光層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として塗設しておくことが好ましく、電荷輸送層に電子輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合は、特に有効である。下塗り層として好ましいのはTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5であり、さらに好ましくはTiO2である。下塗り層は、例えばElectrochim. Acta 40, 643-652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の他、スパッタ法等により塗設することができる。下塗り層の好ましい膜厚は5〜1000nm以下であり、10〜500nmがさらに好ましい。
【0121】
また、電極として作用する導電性支持体と対極の一方または両方の外側表面、導電層と基板の間または基板の中間に、保護層、反射防止層等の機能性層を設けても良い。これらの機能性層の形成には、その材質に応じて塗布法、蒸着法、貼り付け法等を用いることができる。
【0122】
(G)光電変換素子の内部構造の具体例
上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造が可能である。図2〜図9に本発明に好ましく適用できる光電変換素子の内部構造を例示する。
【0123】
図2は、透明導電層10aと透明対極導電層40aとの間に、感光層20と、電荷輸送層30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造となっている。図3は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10aを設け、下塗り層60、感光層20、電荷輸送層30および対極導電層40をこの順で設け、さらに支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入射する構造となっている。図4は、支持基板50上にさらに導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷輸送層30と透明対極導電層40aとを設け、一部に金属リード11を設けた透明基板50aを、金属リード11側を内側にして配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図5は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10a(または40a)を設けたもの1組の間に下塗り層60と感光層20と電荷輸送層30とを介在させたものであり、両面から光が入射する構造である。図6は、透明基板50a上に透明導電層10a、下塗り層60、感光層20、電荷輸送層30および対極導電層40を設け、この上に支持基板50を配置したものであり導電層側から光が入射する構造である。図7は、支持基板50上に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷輸送層30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、対極側から光が入射する構造である。図8は、透明基板50a上に透明導電層10aを有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷輸送層30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、両面から光が入射する構造となっている。図9は、支持基板50上に導電層10を設け、下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに固体の電荷輸送層30を設け、この上に一部対極導電層40または金属リード11を有するものであり、対極側から光が入射する構造となっている。
【0124】
〔2〕光電池
本発明の光電池は、上記光電変換素子に外部負荷で仕事をさせるようにしたものである。
【0125】
光電池のうち、電荷輸送材料が主としてイオン輸送材料からなる場合を、特に光電気化学電池と呼び、また、太陽光による発電を主目的とする場合を太陽電池と呼ぶ。光電池は構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面をポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体および対極にリードを介して接続される外部回路自体は公知のもので良い。本発明の光電変換素子を太陽電池に適用する場合、そのセル内部の構造は基本的に上述した光電変換素子の構造と同じである。また、本発明の色素増感型太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られており、本発明の色素増感型太陽電池も使用目的や使用場所および環境により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。具体的には、特願平11-8457号に記載の構造や態様とすることが好ましい。
【0126】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0127】
1.二酸化チタン粒子含有塗布液の作製
オートクレーブ温度を230℃にした以外は、C.J.BarbeらのJ.Am.Ceramic Soc.80巻,p3157の論文に記載の製造方法に従い、二酸化チタン濃度11質量%の二酸化チタン分散物を作成した。得られた二酸化チタン粒子の平均サイズは約10nmであった。この分散物に二酸化チタンに対し20質量%のポリエチレングリコール(分子量20000、和光純薬製)を添加し、混合し塗布液を得た。
【0128】
2.色素を吸着した二酸化チタン電極の作製
フッ素をドープした酸化スズをコーティングした透明導電性ガラス(日本板硝子製、表面抵抗は約10Ω/cm2)の導電面側に上記で得た塗布液をドクターブレードを用いて、実施例1〜7及び比較例1は130μmの厚みで、実施例8〜17及び比較例2〜4は120μmの厚みで塗布し、25℃で30分間乾燥した。その後、電気炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32型)で実施例1〜7及び比較例1については550℃にて、実施例8〜17及び比較例2〜4については450℃にて30分間焼成した。二酸化チタンの塗布量は実施例1〜7及び比較例1は19g/m2、膜厚13μm、実施例8〜17及び比較例2〜4は18g/m2、膜厚12μmであった。焼成終了後、冷却し、表1に示す色素吸着液、吸着温度、吸着時間で二酸化チタン電極に色素を吸着させた。色素の染着した二酸化チタン電極をエタノール、アセトニトリルで順次洗浄した。つづいて表2に示す4級塩溶液に浸漬し、エタノール、アセトニトリルで順次洗浄後、暗所、窒素気流下で乾燥させた。
【0129】
【表1】
【化23】
【0130】
3.光電気化学電池の作製
上述のようにして作製した色素増感されたTiO2電極基板(2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ね合わせた(図1参照)。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電解液(実施例1〜7及び比較例1はヨウ化1,3-ジメチルイミダゾリウム0.65mol/L,ヨウ素0.05mol/L、t-ブチルピリジン0.1mol/Lのアセトニトリル溶液、実施例8〜17及び比較例2〜4はヨウ化1,3-ジメチルイミダゾリウム0.65mol/L、ヨウ素0.05mol/Lのアセトニトリル溶液)をしみこませてTiO2電極中に導入することにより、表2に示す光電気化学電池(実施例1〜17、比較例1〜4)を得た。
【0131】
4.光電変換効率および耐久性の測定
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィルター(Oriel社製AM1.5)を通すことにより模擬太陽光を発生させた。この光の強度は垂直面において100mW/cm2であった。光電気化学電池の導電性ガラスの端部に銀ペーストを塗布して負極とし、この負極と白金蒸着ガラス(正極)を電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型)に接続した。模擬太陽光を垂直に照射しながら、電流電圧特性を測定し、変換効率を求めた。表2に作製された光電気化学電池の変換効率を示した。
【0132】
【表2】
【0133】
実施例1〜7と比較例1、実施例8〜15と比較例2、実施例16と比較例3、実施例17と比較例4の比較から、4級塩溶液を用いて色素を前処理してなる本発明の光電気化学電池は、増感色素の種類によらず変換効率が高いことがわかる。この結果から本発明によって、従来よりも変換効率が改善されることは明らかである。
【0134】
本発明同士の比較では実施例1と実施例6に比べて実施例2のほうが変換効率が高い。4級塩としてテトラアルキルアンモニウム塩が好ましいことがわかる。また、実施例2に比べて実施例3〜実施例5はさらに変換効率が高い。この事からヘキシル基を含むテトラアルキルアンモニウム塩の方がさらに効果が大きいことがわかる。実施例中、実施例7は最も変換効率が高い。これは本発明の最も好ましい4級塩と、ピリジン類を併用したことに起因すると考えられる。
【0135】
また、実施例8〜17の中では、効果が特に顕著と認められるのは実施例8、12〜15、17であり、これらはいずれも炭素数6以上の置換もしくは無置換のアルキル基を有する点で共通している。
【0136】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の光電変換素子は、光電変換効率に優れている。従って、かかる光電変換素子を用いた光電池は、太陽電池として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10・・・導電層
10a・・・透明導電層
11・・・金属リード
20・・・感光層
21・・・半導体微粒子
22・・・色素
23・・・電荷輸送材料
30・・・電荷輸送層
40・・・対極導電層
40a・・・透明対極導電層
50・・・基板
50a・・・透明基板
60・・・下塗り層

Claims (10)

  1. 導電性支持体、色素を吸着させた半導体微粒子層、電荷輸送層および対極を有する光電変換素子であって、当該素子を組み立てる前に、色素を吸着させた半導体微粒子層または吸着させる前の色素を、ピリジル基を有する4級塩溶液と接触させて前処理したことを特徴とする光電変換素子。
  2. 請求項1に記載の光電変換素子において、前記ピリジル基を有する4級塩が、テトラアルキルアンモニウム塩、イミダゾリウム塩及びピリジニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の4級塩残基を有することを特徴とする光電変換素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光電変換素子において、前記ピリジル基を有する4級塩が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする光電変換素子。
    (式中、Qは4級アンモニウム塩を含む基を、LINKは2価の連結基を、R1は置換基を、n1は0ないし4の整数を、n2は0ないし1の整数を表す。)
  4. 請求項3に記載の光電変換素子において、前記一般式(1)におけるQがテトラアルキルアンモニウム塩を含む基であることを特徴とする光電変換素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子において、前記4級塩が、炭素数6以上のアルキル基を少なくとも1つ有することを特徴とする光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子において、前記4級塩溶液の溶媒として、ニトリル類を用いることを特徴とする光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子において、前記色素が、酸性基を有することを特徴とする光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子において、前記4級塩溶液の4級塩量が、前記色素の酸性基の当量以上であることを特徴とする光電変換素子。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子において、前記色素としてルテニウム錯体色素および/またはメチン色素を用いることを特徴とする光電変換素子。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子を有する光電池。
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