JP2000150007A - 光電変換素子およびその製造方法ならびに光電気化学電池 - Google Patents

光電変換素子およびその製造方法ならびに光電気化学電池

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JP2000150007A
JP2000150007A JP10322308A JP32230898A JP2000150007A JP 2000150007 A JP2000150007 A JP 2000150007A JP 10322308 A JP10322308 A JP 10322308A JP 32230898 A JP32230898 A JP 32230898A JP 2000150007 A JP2000150007 A JP 2000150007A
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dye
photoelectric conversion
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semiconductor fine
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JP10322308A
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English (en)
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Tadahiko Kubota
忠彦 窪田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた色素増感された光電変換素子
および光電気化学電池を提供する。 【解決手段】 導電性支持体、該導電性支持体上に塗設
された色素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動層
および対極を有する色素増感された光電変換素子におい
て、該光電変換素子中の水分が10,000ppm以下
であることを特徴とする光電変換素子および光電気化学
電池ならびにその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色素増感された光
電変換素子およびその製造方法に関する。さらには、こ
れを用いた光電気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服す
る必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有
機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されて
いるが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があ
った。こうした状況の中で、Nature(第353巻、第737〜
740頁、1991年)および米国特許4927721号等に、色素に
よって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子お
よび太陽電池、ならびにこれを作成するための材料およ
び製造技術が開示された。提案された電池は、ルテニウ
ム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜
を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の第一
の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度
に精製することなく用いることができるため、安価な光
電変換素子を提供できる点であり、第二の利点は用いら
れる色素の吸収がブロードなため、可視光線のほぼ全て
の波長領域の光を電気に変換できることである。しかし
長時間発電を続けると変換効率が徐々に低下するという
問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性に優れた色素増感光電変換素子および光電気化学電池
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は導電性支
持体、該導電性支持体上に塗設された色素を吸着した半
導体微粒子含有層、電荷移動層および対極を有する色素
増感された光電変換素子において、該光電変換素子中の
水分が10,000ppm以下であることを特徴とする
光電変換素子および光電気化学電池により達成された。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の態様について説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)少なくとも導電性支持体上に半導体微粒子を塗設
する工程(イ)と、この半導体微粒子に色素を吸着させ
る工程(ロ)と、このようにして作製した色素吸着半導
体微粒子層を有する導電性支持体を用いて光電変換素子
を組み立てる工程(ハ)を有する光電変換素子の製造方
法であって、工程(ロ)および/または(ハ)を露点0
℃以下の環境下で行うことを特徴とする光電変換素子の
製造方法。 (2)上記工程(ロ)および/または(ハ)を露点−3
0℃以下の環境下で行うことを特徴とする項(1)記載
の光電変換素子の製造方法。 (3)導電性支持体、該導電性支持体上に塗設された色
素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動層および対
極を有する色素増感された光電変換素子において、該光
電変換素子中の水分が10,000ppm以下であるこ
とを特徴とする光電変換素子。 (4)該光電変換素子中の水分が2,000ppm以下
であることを特徴とする項(3)記載の光電変換素子。 (5)該光電変換素子中の水分が100ppm以下であ
ることを特徴とする項(3)記載の光電変換素子。 (6)導電性支持体、該導電性支持体上に塗設された色
素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動層および対
極を有する色素増感された光電変換素子において、該電
荷移動層の水分が10,000ppm以下であることを
特徴とする光電変換素子。 (7)該電荷移動層の水分が2,000ppm以下であ
ることを特徴とする項(6)記載の光電変換素子。 (8)該電荷移動層の水分が100ppm以下であるこ
とを特徴とする項(6)記載の光電変換素子。 (9)光電変換素子を組み立てる工程が露点0℃以下の
環境下で行われることを特徴とする項3〜8いずれかに
記載の光電変換素子。 (10)光電変換素子を組み立てる工程が露点−30℃
以下の環境下で行われることを特徴とする項3〜8いず
れかに記載の光電変換素子。 (11)半導体微粒子層へ色素を吸着させる工程が露点
0℃以下の環境下で行われることを特徴とする項3〜1
0のいずれかに記載の光電変換素子。 (12)半導体微粒子層へ色素を吸着させる工程が露点
−30℃以下の環境下で行われることを特徴とする項3
〜10のいずれかに記載の光電変換素子。 (13)半導体微粒子含有層に色素を吸着させる工程に
おける色素溶液の水分が10,000ppm以下である
ことを特徴とする項3〜12のいずれかに記載の光電変
換素子。 (14)半導体微粒子含有層に色素を吸着させる工程に
おける色素溶液の水分が2,000ppm以下であるこ
とを特徴とする項3〜12のいずれかに記載の光電変換
素子。 (15)半導体微粒子含有層に色素を吸着させる工程に
おける色素溶液の水分が100ppm以下であることを
特徴とする項3〜12のいずれかに記載の光電変換素
子。 (16)色素がルテニウム錯体色素又はポリメチン色素
である項3〜15のいずれかに記載の光電変換素子。 (17)半導体微粒子が二酸化チタン微粒子である項3
〜16のいずれかに記載の光電変換素子。 (18)項3〜17のいずれかに記載の光電変換素子を
用いた光電気化学電池。
【0006】以下に本発明の光電変換素子および光電気
化学電池の構成と材料について詳述する。本発明におい
て色素増感した光電変換素子は導電性支持体、導電性支
持体上に設置される色素により増感した半導体膜(感光
層)、電荷移動層および対極からなる。この光電変換素
子を外部回路で仕事をさせる電池用途に使用できるよう
にしたものが光電気化学電池である。感光層は目的に応
じて設計され、単層構成でも多層構成でもよい。感光層
に入射した光は色素を励起する。励起色素はエネルギー
の高い電子を有しており、この電子が色素から半導体微
粒子の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持
体に到達する。この時色素分子は酸化体となっている。
光電気化学電池においては導電性支持体上の電子が外部
回路で仕事をしながら対極および電荷移動層を経て色素
酸化体に戻り、色素が再生する。半導体膜はこの電池の
負極として働く。なお、本発明ではそれぞれの層の境界
において(たとえば、導電性支持体の導電層と感光層の
境界、感光層と電荷移動層の境界、電荷移動層と対極の
境界など)、相互に拡散して混合していてもよい。
【0007】本発明において、半導体はいわゆる感光体
であり、光を吸収して電荷分離を行い電子と正孔を生ず
る役割を担う。色素増感された半導体では、光吸収およ
びこれによる電子および正孔の発生は主として色素にお
いて起こり、半導体はこの電子を受け取り、伝達する役
割を担う。半導体としてはシリコン、ゲルマニウムのよ
うな単体半導体の他に、金属のカルコゲニド(例えば酸
化物、硫化物、セレン化物等)に代表されるいわゆる化
合物半導体またはペロブスカイト構造を有する化合物等
を使用することができる。金属のカルコゲニドとして好
ましくはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジル
コニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、
セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオ
ブ、もしくはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、
鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、
鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられ
る。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジ
ウム、カドミウム等のリン化物、ガリウムヒ素、銅−イ
ンジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が挙
げられる。また、ペロブスカイト構造を有する化合物と
して好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カル
シウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオ
ブ酸カリウムが挙げられる。本発明に用いられる半導体
としてより好ましくは、具体的にはSi、TiO2、SnO2、Fe
2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、
CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2が挙げられ
る。さらに好ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、N
b2O5、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2
あり、最も好ましくはTiO2である。
【0008】本発明に用いられる半導体は、単結晶で
も、多結晶でもよい。変換効率としては単結晶が好まし
いが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバック
タイム等の点では、特にナノメートルからマイクロメー
トルサイズの微粒子半導体が好ましい。これらの半導体
微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を
用いた平均粒径で一次粒子として5〜200nmであるこ
とが好ましく、特に8〜100nmであることが好まし
い。また、分散物中の半導体微粒子(二次粒子)の平均
粒径としては0.01〜100μmであることが好まし
い。また、2種類以上の粒子サイズ分布の異なる微粒子
を混合して用いてもよく、この場合、小さい粒子の平均
サイズは5nm以下であることが好ましい。また、入射光
を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒子サイズ
の大きな、たとえば300nm程度の半導体粒子を混合し
てもよい。
【0009】導電性支持体は、金属のように支持体その
ものに導電性があるものか、または表面に導電剤層を有
するガラスもしくはプラスチックの支持体を使用するこ
とができる。後者の場合好ましい導電剤としては金属
(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、
インジウム等)、炭素、もしくは導電性の金属酸化物
(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をド
ープしたもの等)が挙げられる。上記導電剤層の厚さ
は、0.02〜10μm程度であることが好ましい。導
電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗
の範囲としては100Ω/cm2以下であり、さらに好ま
しくは40Ω/cm2以下である。この下限には特に制限は
ないが、通常0.1Ω/cm2程度である。導電性支持体
は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明で
あるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、
50%以上であることが好ましく、70%以上が特に好
ましい。透明導電性支持体としてはガラスもしくはプラ
スチックに導電性の金属酸化物を塗設したものが好まし
い。この中でもフッ素をドーピングした二酸化スズから
なる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガラスでで
きた透明基板上に堆積した導電性ガラスが特に好まし
い。また、低コストでフレキシブルな光電変換素子また
は太陽電池には、透明ポリマーフィルムに上記導電層を
設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルムに
は、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)、シンジオクタチックポリステレン(SP
S)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリアクレート(PAr)、ポリス
ルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PE
S)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフ
ィン、ブロム化フェノキシ等がある。透明導電性支持体
を用いる場合、光はその支持体側から入射させることが
好ましい。この場合、電性金属酸化物の塗布量はガラス
もしくはプラスチックの支持体1m2当たり0.01〜1
00gが好ましい。
【0010】半導体微粒子を導電性支持体上に(導電層
を有する支持体の場合は、その導電層側に)塗設する方
法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液
を導電性支持体上に塗布する方法、半導体微粒子の前駆
体を導電性支持体上に塗布し空気中の水分によって加水
分解して半導体微粒子膜を得る方法(ゾル−ゲル法)な
どが挙げられる。半導体微粒子の分散液を作成する方法
としては前述のゾル−ゲル法の他、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。分散媒としては水
または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセト
ン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分
散の際、必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、もし
くはキレート剤などを分散助剤として用いてもよい。
【0011】一般に、半導体微粒子含有層の厚みが増大
するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため
光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増
すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがっ
て、半導体微粒子層には好ましい厚さが存在するが、典
型的には0.1〜100μmである。光電気化学電池と
して用いる場合は1〜30μmであることが好ましく、
2〜25μmであることがより好ましい。半導体微粒子
の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜400g、さら
には5〜100gが好ましい。半導体微粒子は導電性支
持体に塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ
るため、および塗膜強度の向上や支持体との密着性を向
上させるために加熱処理することが好ましい。好ましい
加熱処理温度の範囲は40℃以上700℃未満であり、
より好ましくは100℃以上600℃以下である。また
加熱処理時間は10分〜10時間程度である。ポリマー
フィルムなど融点や軟化点の低い支持体を用いる場合
は、高温処理は支持体の劣化を招くため、好ましくな
い。また、コストの観点からもできる限り低温であるこ
とが好ましい。低温化は、先に述べた5nm以下の小さい
半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱処理等によ
り可能である。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積
を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素か
ら半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば
四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン
水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
半導体微粒子は多くの色素を吸着することができるよう
に表面積の大きいものが好ましい。このため半導体微粒
子層を支持体上に塗設した状態での表面積は、投影面積
に対して10倍以上であることが好ましく、さらに10
0倍以上であることが好ましい。この上限には特に制限
はないが、通常1000倍程度である。
【0012】本発明に使用する色素は金属錯体色素およ
び/またはポリメチン色素が好ましい。こうした色素は
半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocki
ng group)を有していることが好ましい。好ましい結合
基としては、COOH基、SO3H基、シアノ基、-P(O)(OH)
2基、-OP(O)(OH)2基、または、オキシム、ジオキシム、
ヒドロキシキノリン、サリチレートおよびα−ケトエノ
レートのようなπ伝導性を有するキレート化基が挙げら
れる。この中でもCOOH基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2
基が特に好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を
形成していてもよく、また分子内塩を形成していてもよ
い。
【0013】本発明に使用する色素が金属錯体色素の場
合、ルテニウム錯体色素が好ましく、さらに下記一般式
(I)で表される色素が好ましい。 一般式(I) (Y1)pRuBabc 式中、pは0〜2であり、好ましくは2である。Ruは
ルテニウムを表す。Y 1はCl、SCN、H2O、B
r、I、CN、−NCO、およびSeCNから選択され
る配位子である。Ba、Bb、Bcはそれぞれ独立に以下
のB−1〜B−8から選択される有機配位子である。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】ここで、Raは水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数(以下C数という)1〜12個で置換もしく
は無置換のアルキル基、C数7〜12個で置換もしくは
無置換のアラルキル基、またはC数6〜12個で置換も
しくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、
アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐状
であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリール
部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であって
もよい。本発明に用いられるルテニウム錯体色素として
は、例えば、米国特許4927721号、同4684537号、同5084
365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号および
特開平7-249790号明細書に記載の錯体色素が挙げられ
る。以下に本発明に使用する金属錯体色素の好ましい具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】本発明に使用する色素がポリメチン色素で
ある場合、下記一般式(II)または一般式(III)で表
される色素が好ましい。 一般式(II)
【0021】
【化6】
【0022】式中、RbおよびRfは各々水素原子、ア
ルキル基、アリール基、または複素環基を表し、Rc〜
Reは各々水素原子または置換基を表す。Rb〜Rfは
互いに結合して環を形成してもよい。X11およびX12
各々窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。n11
よびn13は各々0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整
数を表す。一般式(II)で表される化合物は分子全体の
電荷に応じて対イオンを有してもよい。上記におけるア
ルキル基、アリール基、複素環基は、置換基を有してい
てもよい。アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であって
もよく、アリール基、複素環基は、単環でも、多環(縮
合環、環集合)であってもよい。またRb〜Rfによっ
て形成される環は、置換基を有していてもよく、単環で
あっても縮合環であってもよい。 一般式(III)
【0023】
【化7】
【0024】式中、Zaは含窒素複素環を形成するに必
要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはアリ
ール基である。Qは一般式(III)で表される化合物が
メチン色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメ
チン基を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、n14
分子の電荷を中和するのに必要な0以上10以下の数を
表す。上記のZaで形成される含窒素複素環は置換基を
有していてもよく、単環であっても縮合環であってもよ
い。また、アルキル基、アリール基は置換基を有してい
てもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であって
もよく、アリール基は単環であっても多環(縮合環、環
集合)であってもよい。一般式(III)で表される色素
は、下記一般式(III−a)〜(III−d)で表される色
素であることが好ましい。
【0025】
【化8】
【0026】一般式(III−a)〜(III−d)中、R11
〜R15、R21〜R24、R31〜R33、およびR41〜R43
それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ま
たは複素環基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31
35およびY41〜Y46はそれぞれ独立に酸素、硫黄、セ
レン、テルル、−CR1617−、または−NR18−を表
す。R16〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。Y23はO-
-、Se-、Te-、または−NR18 -を表す。V1 1、V
12、V21、V22、V31およびV41はそれぞれ独立に置換
基を表し、n15、n31およびn41はそれぞれ独立に1〜
6の整数を表す。X13 -は電荷均衡対イオンを表す。上
記におけるアルキル基、アリール基、複素環基は置換基
を有していてもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐
鎖であってもよく、アリール基、複素環基は単環であっ
ても多環(縮合環、環集合)であってもよい。以上のよ
うなポリメチン色素の具体例はM.Okawara,T.Kitao,T.Hi
rasima, M.Matuoka著Organic Colorants(Elsevier)等
に詳しく記載されている。以下に一般式(II)および
(III)で表されるポリメチン色素の好ましい具体例を
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】一般式(II)および一般式(III)で表さ
れる化合物は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著
「複素サイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・
アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Co
mpounds-Cyanine Dyes and Related Compounds)」、ジ
ョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)
社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エ
ム・スターマー(D.M.Sturmer)著「複素サイクリック・
コンパウンズースペシャル・トピックス・イン・複素サ
イクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Sp
ecial topics in heterocyclic chemistry)」、第18
章、第14節、第482から515項、ジョン・ウィリ
ー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨ
ーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリ
ー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry
of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977
刊、第15章、第369から422項、エルセビア・サ
イエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier
Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨー
ク、英国特許第1,077,611号などに記載の方法に基づい
て合成することができる。
【0035】半導体に色素を吸着させるには色素溶液中
によく乾燥した半導体微粒子を数時間浸漬する方法が一
般的である。色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開
平7-249790号に記載されているように加熱還流して行っ
てもよい。色素の吸着は半導体微粒子の塗布前に行って
も塗布後に行ってもよいし、また、半導体微粒子と色素
を同時に塗布して吸着させても良いが、塗布後の半導体
微粒子膜に吸着させるのが好ましい。半導体微粒子膜を
加熱処理する場合の色素吸着は加熱処理後に行うことが
好ましく、加熱処理後、塗布膜表面に水が吸着する前に
すばやく色素を吸着させるのが特に好ましい。未吸着の
色素は洗浄によって除去することが望ましい。吸着する
色素は1種類でもよいし、数種混合して用いてもよい。
用途が光電気化学電池である場合、光電変換の波長域を
できるだけ広くするように混合する色素が選ぶことがで
きる。色素の使用量は、全体で、支持体1m2当たり0.
01〜100mモルが好ましい。また、色素の半導体微
粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.0
1〜1mモルが好ましい。このような色素量とすること
によって、半導体における増感効果が十分に得られる。
これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分とな
り、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素
が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
【0036】また、会合など色素同士の相互作用を低減
する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着
させる疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するス
テロイド化合物(例えばコール酸)等が挙げられる。ま
た、余分な色素の除去を促進する目的で、色素を吸着し
た後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を処理して
もよい。好ましいアミン類としてはピリジン、4−tert
−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ
る。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし有機
溶媒に溶解して用いてもよい。
【0037】半導体に色素を吸着させる色素溶液の溶剤
は色素が溶解するものであれば用いることができる。こ
の溶剤に含まれる水分としては10,000ppm以下
が好ましく、さらに好ましくは2,000ppm以下で
あり、特に好ましくは100ppm以下である。
【0038】以下、電荷移動層と対極について詳しく説
明する。電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機
能を有する層である。代表的な例としては酸化還元対を
有機溶媒に溶解した液体(電解液)、酸化還元対を有機
溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したい
わゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが
挙げられる。さらには固体電解質やホール輸送材料を用
いることもできる。
【0039】本発明の電解液に用いられる電解質はI2
と各種のヨウ化物(たとえばLiI、NaI、KI、C
sI、CaI2などの金属ヨウ化物、4級イミダゾリウ
ム化合物のヨウ素塩、4級ピリジニウム化合物のヨウ素
塩、テトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ素塩な
ど)、Br2と各種の臭化物(たとえばLiBr、Na
Br、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化
物、テトラアルキルアンモニウムブロマイドやピリジニ
ウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩な
ど)、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセ
ン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体の組み合わ
せ、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキル
ジスルフィドなどのイオウ化合物の組み合わせ、アルキ
ルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、
ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲン
テトラフルオロボレート)とその還元体の組み合わせ、
ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナ
フトハイドロキノン等)とその酸化体の組み合わせなど
を用いることができる。この中では、LiI、NaI、
KI、CsI、CaI2の金属ヨウ化物、4級イミダゾ
リウム化合物のヨウ素塩、4級ピリジニウム化合物のヨ
ウ素塩またはテトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ
素塩とI2の組み合わせが好ましい。
【0040】電解液に用いる有機溶媒は、沸点が高けれ
ば電解液揮発による劣化を防ぐことができる。また光電
変換素子の短絡電流密度、変換効率等の性能上からは、
有機溶媒の粘度が低く、誘電率が大きいことが好まし
い。すなわち、粘度が低いことによっては、イオン移動
度を向上させたりする効果が得られ、誘電率が大きいこ
とによっては、有効キャリアー濃度を向上させる効果が
得られる。具体的な有機溶媒としては非プロトン性の極
性溶媒(例えばアセトニトリル、炭酸プロピレン、炭酸
エチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3
−メチルオキサゾリジノン、等)が挙げられる。ゲル電
解質のマトリクスに使用されるポリマーとしては例えば
ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリド等が
挙げられる。
【0041】酸化還元対は電子のキャリアになるのであ
る程度の濃度が必要である。液体あるいはゲル電解質と
して用いる場合の溶液中の好ましい濃度としては合計で
0.01モル/リットル以上であり、より好ましくは0.1
モル/リットル以上であり、特に好ましくは0.3モル/リッ
トル以上である。この場合の上限には特に制限はないが、
通常5モル/リットル程度である。電解液中の水分は10,
000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,0
00ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以
下である。
【0042】溶融塩としては例えば沃化リチウムと他の
少なくとも1種類のリチウム塩(例えば酢酸リチウム、
過塩素酸リチウム等)が挙げられ、これらにポリエチレ
ンオキシド等のポリマーを混合することにより、室温で
の流動性を高めてもよい。この場合のポリマーの添加量
は1〜50wt%である。ホール輸送材料としては芳香族
アミン類、ポリピロール、ポリチオフェン等が挙げられ
る。溶融塩またはホール輸送材料に含まれる水分は1
0,000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは
2,000ppm以下であり、特に好ましくは100p
pm以下である。
【0043】対極は、光電変換素子を光電気化学電池と
したとき、光電気化学電池の正極として働くものであ
る。対極は通常前述の導電性支持体と同義であるが、強
度が十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必
要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有
利である。感光層に光が到達するためには、前述の導電
性支持体と対極の少なくとも一方は実質的に透明でなけ
ればならない。本発明の光電気化学電池においては、導
電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射さ
せるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性質を
有することがさらに好ましい。光電気化学電池の対極と
しては金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラスま
たはプラスチックを使用でき、また、金属薄膜を5μm
以下、好ましくは5nm〜3μmの範囲の膜厚になるよう
に、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成して作
成することもできる。本発明では白金を蒸着したガラス
もしくは蒸着やスパッタリングによって形成した金属薄
膜を対極とすることが好ましい。
【0044】本発明の光電気化学電池では構成物の劣化
や内容物の揮散を防止するために電池の側面をポリマー
や接着剤等で密封するのが好ましい。
【0045】これら色素吸着電極、電荷移動層、対極を
組み合わせて光電変換素子または光電気化学電池に組み
立てる場合、その工程を露点0℃以下に水分をコントロ
ールした場所で組み立てることが好ましく、さらに好ま
しくは露点−15℃以下であり、特に好ましくは−30
℃以下である。また、製造工程のすべてを上記の条件下
で行うことが好ましいが、生産性および生産効率を考慮
すると、半導体層に色素を吸着させる工程と上記の光電
変換素子または光電気化学電池の組立工程を上記露点管
理下で行うことが好ましい。このようにして作成された
光電変換素子または光電気化学電池中の水分は10,0
00ppm以下であることが好ましく、さらに好ましく
は2,000ppm以下であり、特に好ましくは100
ppm以下である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 1.二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積2
00mlのステンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本ア
エロジル社 Degussa P−25)15g、水4
5g、分散剤(アルドリッチ社製、Triton X−
100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッ
カトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル
(アイメックス社製)を用いて1500rpmにて2時
間分散した。分散物からジルコニアビーズをろ過して除
いた。この場合の二酸化チタンの平均粒径は2.5μm
であった。このときの粒径はMALVERN社製マスタ
ーサイザーにて測定したものである。
【0047】2.色素を吸着したTiO2電極(電極
A)の作成 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(旭硝子製TCOガラスを20mm×20mmの大き
さに切断加工したもの)の導電面側にガラス棒を用いて
上記の分散液を塗布した。この際、導電面側の一部(端
から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着
テープが両端に来るようにガラスを並べて一度に8枚ず
つ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日
間風乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマト科学製
マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃にて30分
間焼成した。このように作製した二酸化チタン電極を露
点を制御した空気中で、色素A(シスージ(チオシアネ
ート)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4'−ジカル
ボキシレート)ルテニウム(II))またはB(〔化9〕
の(1))のエタノール溶液(いずれも3×10-4モル
/リットル)に3時間浸漬し、色素を吸着させた。色素
の吸着した二酸化チタン電極を4−tert−ブチルピリジ
ンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥
させた。このようにして得られる感光層の厚さは10μ
mであり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2とした。用
いた色素種、同溶媒注水分および露点は表1に示した。
なお、導電性ガラスの表面抵抗は約30Ω/cm2であっ
た。
【0048】3.光電気化学電池作成 上述のようにして作成した色素増感されたTiO2電極
(2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラス
(対極)と重ね合わせた(図1参照)。次に、両ガラス
の隙間に毛細管現象を利用して電解液I(メトキシプロ
ピオニトリルに支持電解質として1-メチル-3-ヘキシル
イミダゾリウムのヨウ素塩0.65モル/リットル、ヨ
ウ素0.05モル/リットルを加えたもの)をしみこま
せ、TiO 2電極中に導入し、エポキシ系接着剤で両ガ
ラス間を封止し光電気化学電池を得た。この工程を色素
吸着時水分、電荷移動層中水分、組み立て時の露点の組
み合わせを表1に記載されているように変更して行った
(実施例1〜8)。水分の測定はカールフィッシャー法
(京都電子製MKC210,ADP351)を用いた。
電解液中の水分は沃素を添加する前の値である。本実施
例により、図1に示したとおり、導電性ガラス1(ガラ
ス上に導電剤層2が設層されたもの)、TiO2電極
3、色素層4、電解液5、白金層6およびガラス1を順
に積層しエポキシ系封止剤で封止された光電気化学電池
が作成された。カールフィッシャー法で測定した電池中
の全水分は表1に記載した。
【0049】4.電解質として溶融塩を用いる光電気化
学電池の作製 化合物II(1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨー
ジド)の塩化メチレン溶液(濃度5wt%)を調整し、色素
Aを吸着したTiO2電極上にスピンコートした(1000rpm,
30sec)。この後、白金を蒸着し、対極層を形成し、光電
気化学電池を得た。電池作製時の水分などは表1に示す
(実施例9)。
【0050】5.ホール輸送層を含有する光電気化学電
池の作製 化合物III(N,N'-ジフエニル-N,N'-ビス(3-メチルフェ
ニル)-(1,1'-ビフェニル)-4, 4'-ジアミン)の塩化
メチレン溶液(濃度5wt%)を調整し、色素Aを吸着した
TiO2電極上にスピンコートした(1000rpm, 30sec)。
この後、白金を蒸着し、対極層を形成して、光電気化学
電池を得た。電池作製時の水分などは表1に示す(実施
例10)。
【0051】6.光電変換効率の耐久性測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィ
ルター(Oriel社製AM1.5)およびシャープカッ
トフィルター(Kenko L−42)を通すことによ
り紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の
強度は86mW/cm2であった。前述の光電気化学素子の導
電性ガラスと白金蒸着ガラスにそれぞれ、ワニ口クリッ
プを接続し10オームの抵抗を接続した。本素子に、模
擬太陽光を連続的に照射し、発生した電気を電流電圧測
定装置(ケースレーSMU238型)にて測定し、変換効
率を求めた。これにより求められた光電気化学素子の1
000時間連続照射後の変換効率の維持率を表1の最右
欄に記載した。
【0052】比較例1 実施例と同様に比較用光電気化学電池を組み立て評価し
た。その作製条件および結果を表1に示す(比較例
1)。
【0053】
【表1】
【0054】比較用光電気化学電池と比べ、本発明の実
施例では光電変換特性の劣化が少ないことが明らかであ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明により、経時による変換効率の劣
化が少ない光電気化学電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した光電気化学電池の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 導電性ガラス 2 導電剤層 3 TiO2電極 4 色素層 5 電荷移動層 6 白金層 7 封止剤

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性支持体上に半導体微粒
    子を塗設する工程(イ)と、この半導体微粒子に色素を
    吸着させる工程(ロ)と、このようにして作製した色素
    吸着半導体微粒子層を有する導電性支持体を用いて光電
    変換素子を組み立てる工程(ハ)を有する光電変換素子
    の製造方法であって、工程(ロ)および/または(ハ)
    を露点0℃以下の環境下で行うことを特徴とする光電変
    換素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性支持体、該導電性支持体上に塗設
    された色素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動層
    および対極を有する色素増感された光電変換素子におい
    て、該光電変換素子中の水分が10,000ppm以下
    であることを特徴とする光電変換素子。
  3. 【請求項3】 導電性支持体、該導電性支持体上に塗設
    された色素を吸着した半導体微粒子含有層、電荷移動層
    および対極を有する色素増感された光電変換素子におい
    て、該電荷移動層の水分が10,000ppm以下であ
    ることを特徴とする光電変換素子。
  4. 【請求項4】 光電変換素子を組み立てる工程が露点0
    ℃以下の環境下で行われることを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 半導体微粒子層へ色素を吸着させる工程
    が露点0℃以下の環境下で行われることを特徴とする請
    求項2〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 半導体微粒子含有層に色素を吸着させる
    工程における色素溶液の水分が10,000ppm以下
    であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載
    の光電変換素子。
  7. 【請求項7】 色素がルテニウム錯体色素又はポリメチ
    ン色素である請求項2〜6のいずれかに記載の光電変換
    素子。
  8. 【請求項8】 半導体微粒子が二酸化チタン微粒子であ
    る請求項2〜7のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8のいずれかに記載の光電変
    換素子を用いた光電気化学電池。
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