JP6144618B2 - 光電変換素子、色素増感太陽電池およびこれに用いる金属錯体色素 - Google Patents
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Description
しかしながら、耐久性と光電変換効率を両立させることは、厳しい状況であった。
このような現状に鑑み、本発明は耐久性および光電変換効率がともに優れた光電変換素子、色素増感太陽電池およびこれに用いる金属錯体色素を提供することを課題とする。
<1>導電性支持体、電解質を含む感光体層、電解質を含む電荷移動体層および対極を有する光電変換素子であって、感光体層が、下記式(I)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
式(DL−2)において、m1は0〜3の整数を表し、m2は1〜4の整数を表し、n1は1〜4の整数を表す。L1は炭素数6のアリーレン基、または下記式(LT)で示されるアルキニレン基またはアルキニレンアリーレン基を表す。R 21 が炭素数4〜12のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基を表し、R 22 が炭素数6〜24のアリール基を表す。R 21 とR 22 が互いに結合して環を形成してもよい。Eは下記式(E−1)〜(E−6)のいずれかで表される基を表す。
<3>式(DL−2)で表される2座の配位子が、下記式(DL−3)で表される<1>に記載の光電変換素子。
<4>LAが、下記式(AL−3)で表される<1>〜<3>のいずれかに記載の光電変換素子。
<5>Eが、式(E−2)または式(E−5)である<1>〜<4>のいずれかに記載の光電変換素子。
<6>金属錯体色素が、下記式(II)で表される<1>〜<5>のいずれかに記載の光電変換素子。
<7>金属錯体色素が、下記式(III)で表される<1>〜<6>のいずれかに記載の光電変換素子。
<8>半導体微粒子に、さらにカルボキシ基またはスルホ基もしくはその塩から選択される酸性基を1つ以上有する共吸着剤が担持されてなる<1>〜<7>のいずれかに記載の光電変換素子。
<9>共吸着剤が、下記式(CA)で表される<8>に記載の光電変換素子。
<10>前記<1>〜<9>のいずれかに記載の光電変換素子を具備する色素増感太陽電池。
<11>下記式(I)で表される金属錯体色素。
式(DL−1)において、m1は0〜3の整数を表し、m2は1〜4の整数を表し、n1は1〜4の整数を表す。L1は炭素数6のアリーレン基、または下記式(LT)で示されるアルキニレン基またはアルキニレンアリーレン基を表す。R 21 が炭素数4〜12のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基を表し、R 22 が炭素数6〜24のアリール基を表す。R 21 とR 22 が互いに結合して環を形成してもよい。Eは下記式(E−1)〜(E−6)のいずれかで表される基を表す。
<12>金属錯体色素が、下記式(II)で表される<11>に記載の光金属錯体色素。
<13>金属錯体色素が、下記式(III)で表される<11>または<12>に記載の金属錯体色素。
本発明においては、各置換基は、特に断らない限り、さらに置換基で置換されていてもよい。
本発明の光電変換素子は、例えば、図1に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、色素(金属錯体色素)21により増感された半導体微粒子22を含む感光体層2、正孔輸送層である電荷移動体層3および対極4からなる。感光体層2を設置した導電性支持体1は光電変換素子10において作用電極として機能する。本実施形態においては、この光電変換素子10を外部回路6で動作手段Mに仕事をさせる電池用途に使用できるようにした色素増感太陽電池を利用したシステム100として示している。
以下、主たる部材について概略を説明する。
感光体層は後述する電解質を含み、下記本発明の金属錯体色素を含む増感色素が担持された半導体微粒子を含む層である。
本発明の金属錯体色素は、下記式(I)で表される。
式(DL−1)において、m1は0〜3の整数を表し、m2は1〜4の整数を表し、n1は1〜4の整数を表す。L1はアリーレン基、アルキニレン基またはアルキニレンアリーレン基を表し、R1はアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基またはヘテロアリールアミノ基を表す。l1は0〜3の整数を表し、R2aは、−[(L1)m1−(R1)m2]とは異なる置換基を表す。Eは下記式(E−1)〜(E−6)のいずれかで表される基を表す。
M1は金属原子を表す。M1は好ましくは4配位または6配位が可能な金属であり、長周期律表上6〜12族の元素が挙げられ、より好ましくはRu、Os、Zn、Cu、Rh、Re、MnまたはZnである。特に好ましくは、Ru、Os、ZnまたはCuであり、最も好ましくはRuである。
配位子LAは、前記式(AL−1)で表される。
Za、ZbおよびZcは5員環または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
Za、ZbおよびZcにより形成される5員環または6員環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。Za、ZbおよびZcは環構成原子が、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびリン原子から選択される原子であることが好ましく、該原子は水素原子や、ハロゲン原子を含めた置換基で置換されていてもよい。
Za、ZbおよびZcにより形成される環は、芳香族環、すなわち、含窒素芳香族環がより好ましい。
5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環またはトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環またはピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環またはピリジン環がより好ましい。
本発明において酸性基とは、解離性のプロトンを有する置換基であり、例えば、カルボキシ基、ホスホニル基、ホスホリル基、スルホ基、ホウ酸基等が挙げられ、好ましくはカルボキシ基である。また酸性基はプロトンを放出して解離した状態であってもよく、塩であってもよい。塩となる場合の対イオンとしては特に限定されないが、例えば、下記対イオンCIにおける正のイオンの例が挙げられる。なお、ここで挙げた酸性基及びその好ましい範囲を酸性基Acということがある。
オニウムイオンとしてはアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンが挙げられ、アンモニウムイオンとしては、テトラアルキルアンモニウムイオン、ベンジルトリアルキルアンモニウムイオン、アリール基とアルキル基が混在した第四級アンモニウムイオンが挙げられ、このうちテトラアルキルアンモニウムイオンが好ましい。テトラアルキルアンモニウムイオンでは、アルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。なかでもテトラブチルアンモニウムイオンが好ましい。
該酸性基としては、上記酸性基Acとして挙げたものが好ましい。
RL1、RL2およびRL3は各々独立に、置換基を表す。該置換基は、例えば後述の置換基Tが挙げられる。RL1、RL2およびRL3はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基がより好ましく、ヘテロアリール基が特に好ましい。
a1、a3、b1およびb3は各々独立に、0〜4の整数を表し、a2およびb2は各々独立に、0〜3の整数を表す。ただし、a1〜a3が全て0であることはない。
本発明においては、配位子LDは、前記式(DL−1)で表される。
L1はアリーレン基、アルキニレン基またはアルキニレンアリーレン基を表し、なかでもアリーレン基が好ましい。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、後述の置換基Tが挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロアリールアミノ基が好ましく、なかでもアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロアリールアミノ基がより好ましい。
また、該置換基とR1が互いに結合して環を形成してもよく、さらに複数の置換基を有する場合、これらが互いに結合して環を形成してもよい。
Lxにおけるアリーレン基は置換基を有していてもよく、該置換基としては後述の置換基Tが挙げられる。ここで、アリーレン基に対する置換基はL1がアリーレン基である場合に挙げた置換基が好ましい。
ここで、アミノ基は−NH2であり、アルキルアミノ基は、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基を含み、アリールアミノ基は、N−アリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基を含み、ヘテロアリールアミノ基は、N−ヘテロアリールアミノ基、N−アルキル−N−ヘテロアリールアミノ基、N−アリール−N−ヘテロアリールアミノ基を含む。
上記各アミノ基における窒素原子に置換するヘテロアリール基の炭素数は0〜24が好ましく、1〜18がより好ましい。該ヘテロアリール基におけるヘテロ環としては、5員環または6員環が好ましく、ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等が挙げられる。また、該ヘテロアリール環は、芳香族炭素環、脂肪族炭素環、ヘテロ環等で縮環していても構わない。
このうち、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロアリールアミノ基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基がより好ましい。
なお、上記環は、置換基を有してもよく、該置換基としては置換基Tが挙げられる。
m2は、1〜4の整数を表し、1または2が好ましく、1がより好ましい。
n1は1〜4の整数を表すが、1または2が好ましく、1がより好ましい。
n1が2以上の場合、複数の−[(L1)m1−(R1)m2]が互いに結合して環を形成してもよい。
R2aが、複数存在する場合、複数のR2aは互いに結合して環を形成してもよい。
式(E−1)〜(E−6)において、Rはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。*はピリジン環の2位に結合する結合位置を示す。
ここで、アルキル基は、ハロゲン原子が置換したアルキル基が好ましく、フッ素原子で置換したアルキル基がより好ましく、なかでもパーフルオロアルキル基、特にパーフルオロメチルが好ましい。
ヘテロアリール環の環構成ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子が好ましい。
該ヘテロアリール基におけるヘテロアリール環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環が挙げられ、チオフェン環が好ましい。
Z1は、単座の配位子を表す。Z1は、例えば、アシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、セレネート基、イソセレネート基、イソセレノシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群より選ばれた基で配位する単座の配位子、またはハロゲン原子、ホスフィン配位子、カルボニル、ジアルキルケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミドおよびチオ尿素からなる群より選ばれる単座の配位子を挙げることができる。Z1として好ましくは、イソチオシアネート基、イソセレノシアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原子またはシアノ基である。なお配位子Z1がアルキル部位、アルケニル部位、アルキニル部位、アルキレン部位等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール部位、ヘテロ環部位、シクロアルキル部位等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。
CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオンまたは陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、金属錯体色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有すること等により、金属錯体色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、金属錯体色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。
なお、配位子は、金属原子に配位している状態、すなわちアニオンで配位している原子はアニオンで表示したが、必ずしもアニオンで配位する必要はない。
また、金属錯体色素は、対イオンを省略しているが、対イオンが不要であるのではなく、任意の対イオンを保持し得るものである。対イオンとしては前述のCIが挙げられる。
併用する色素としては、特表平7−500630号公報に記載のRu錯体色素(特に第5頁左下欄5行目〜第7頁右上欄7行目に例1〜例19で合成された色素)、特表2002−512729号公報に記載のRu錯体色素(特に第20頁の下から3行目〜第29頁23行目に例1〜例16で合成された色素)、特開2001−59062号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0087〜0104に記載の色素)、特開2001−6760号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0093〜0102に記載の色素)、特開2001−253894号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0009〜0010に記載の色素)、特開2003−212851号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0005に記載の色素)、国際公開第2007/91525号パンフレットに記載のRu錯体色素(特に、[0067]に記載の色素)、特開2001−291534号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0120〜0144に記載の色素)、特開2012−012570号公報に記載のRu錯体色素(特に、段落番号0095〜0103に記載の色素)、国際公開第2013/47615号パンフレットに記載のRu錯体色素(特に、[0078]〜[0082]に記載の色素)、特開平11−214730号公報に記載のスクアリリウムシアニン色素(特に、段落番号0036〜0047に記載の色素)、特開2012−144688号公報に記載のスクアリリウムシアニン色素(特に、段落番号0039〜0046および段落番号0054〜0060に記載の色素)、特開2012−84503号公報に記載のスクアリリウムシアニン色素(特に、段落番号0066〜0076等に記載の色素)、特開2004−063274号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0017〜0021に記載の色素)、特開2005−123033号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0021〜0028に記載の色素)、特開2007−287694号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0091〜0096に記載の色素)、特開2008−71648号公報に記載の有機色素(特に、段落番号0030〜0034に記載の色素)、国際公開第2007/119525号パンフレットに記載の有機色素(特に、[0024]に記載の色素)、Angew.Chem.Int.Ed.,49,1〜5(2010)他に記載のポルフィリン色素、Angew.Chem.Int.Ed.,46,8358(2007)等に記載のフタロシアニン色素が挙げられる。
併用する色素として好ましくは、Ru錯体色素、スクアリリウムシアニン色素、または有機色素が挙げられる。
導電性支持体は、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、または表面に導電膜層を有するガラスもしくはプラスチックの支持体であるのが好ましい。プラスチックの支持体としては、例えば、特開2001−291534号公報の段落番号0153に記載の透明ポリマーフィルムが挙げられる。支持体としては、ガラスおよびプラスチックの他、セラミック(特開2005−135902号公報)、導電性樹脂(特開2001−160425号公報)を用いてもよい。導電性支持体上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003−123859号公報に記載の高屈折膜および低屈折率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜を有してもよく、特開2002−260746号公報に記載のライトガイド機能を有してもよい。
半導体微粒子は、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイトの微粒子である。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
前記色素が塩である場合、前記特定の金属錯体色素の対イオンは特に限定されず、例えばアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
− 電荷移動体層 −
本発明の光電変換素子に用いられる電荷移動体層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する層であり、受光電極と対極(対向電極)との間に設けられる。電荷移動体層は電解質を含む。電解質の例としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体電解質、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩等が挙げられる。光電変換効率を高めるためには液体電解質が好ましい。液体電解質の溶媒はニトリル化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が用いられるが、ニトリル化合物が好ましく、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリルが特に好ましい。
ZLC1、ZLC2およびZLC3は各々独立に、5員環または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ZLC1、ZLC2およびZLC3は置換基を有していてもよく、置換基を介して隣接する環と閉環していてもよい。qは0または1を表す。該置換基としては、後述の置換基Tが挙げられる。なお、qが0の場合、XLC3がZLC2で形成される5員環または6員環に結合する位置の炭素原子は、水素原子、またはZLC3で形成されるヘテロ環基以外の置換基が結合する。
マトリックス高分子として好ましくは、含窒素複素環を主鎖あるいは側鎖の繰り返し単位中に持つ高分子およびこれらを求電子性化合物と反応させた架橋体、トリアジン構造を持つ高分子、ウレイド構造をもつ高分子、液晶性化合物を含むもの、エーテル結合を有する高分子、ポリフッ化ビニリデン系、メタクリレート・アクリレート系、熱硬化性樹脂、架橋ポリシロキサン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアルキレングリコールとデキストリン等の包摂化合物、含酸素または含硫黄高分子を添加した系、天然高分子等が挙げられる。これらにアルカリ膨潤型高分子、一つの高分子内にカチオン部位とヨウ素との電荷移動錯体を形成できる化合物を持った高分子等を添加してもよい。
本発明の光電変換素子においては、本発明の金属錯体色素または必要により併用する色素とともに共吸着剤を使用することが好ましい。このような共吸着剤としては酸性基(好ましくは、カルボキシ基もしくはその塩の基)を1つ以上有する共吸着剤が好ましく、脂肪酸やステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、例えばブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
ステロイド骨格を有する化合物として、コール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸等が挙げられる。好ましくはコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸であり、さらに好ましくはケノデオキシコール酸である。
酸性基は、先に示したものと同義であり、好ましい範囲も同じである。
RC1は、これらの中でも、カルボキシ基またはスルホ基もしくはそれらの塩が置換したアルキル基が好ましく、−CH(CH3)CH2CH2CO2H、−CH(CH3)CH2CH2CONHCH2CH2SO3Hがさらに好ましい。
nAは2〜4が好ましい。
本明細書において化合物(錯体、色素を含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基および配位子についても同様)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
また、本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、この置換基Tを参照するものであり、また、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの時は、この置換基Tの対応する基における好ましい範囲、具体例が適用される。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル、トリフルオロメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20で、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20で、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ等)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20で、例えば、2−プロピニルオキシ、4−ブチニルオキシ等)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20で、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−メチルシクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26で、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、イミダゾリルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、ベンゾチアゾリルオキシ、トリアジニルオキシ、プリニルオキシ)、
対極は、色素増感太陽電池(光電気化学電池)の正極として働くものであることが好ましい。対極は、通常前述の導電性支持体と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要でない。対極の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光体層に光が到達するためには、前述の導電性支持体と対極との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の色素増感太陽電池においては、導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射させるのが好ましい。この場合、対極は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。色素増感太陽電池の対極としては、金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラス、またはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。色素増感太陽電池では、構成物の蒸散を防止するために、電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
本発明においては、本発明の金属錯体色素を含有する色素溶液を使用して色素吸着電極を製造することが好ましい。
このような色素溶液には、本発明の金属錯体色素が溶媒に溶解されてなり、必要により共吸着剤や他の成分を含んでもよい。
使用する溶媒としては、特開2001−291534号公報に記載の溶媒が挙げられるが特に限定されない。本発明においては有機溶媒が好ましく、さらにアルコール類、アミド類、ニトリル類、炭化水素類、および、これらの2種以上の混合溶媒が好ましい。混合溶媒としては、アルコール類と、アミド類、ニトリル類または炭化水素類から選択される溶媒との混合溶媒が好ましい。さらに好ましくはアルコール類とアミド類、アルコール類と炭化水素類の混合溶媒、特に好ましくはアルコール類とアミド類の混合溶媒である。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが好ましい。
ここで、本発明の色素溶液は、光電変換素子や色素増感太陽電池を製造する際に、この溶液をこのまま使用できるように、金属錯体色素や共吸着剤が濃度調整されているものが好ましい。本発明においては、本発明の金属錯体色素を0.001〜0.1質量%含有することが好ましい。
同様に、光電変換素子や色素増感太陽電池における電解質の水分含有量の調整も、本発明の効果を効果的に奏するために好ましく、このため、この電解液の水分含有量(含有率)を0〜0.1質量%に調整することが好ましい。この電解質の調整は、色素溶液で行なうのが特に好ましい。
すなわち、色素増感太陽電池用の色素吸着電極は、上記色素溶液から得られてなる組成物を、半導体微粒子を付与した導電性支持体上に塗布し、塗布後の該組成物を硬化させて感光体層としたものが好ましい。
本発明では、この色素増感太陽電池用の色素吸着電極を使用し、電解質、および対極を準備し、これらを用いて組み立てることで、色素増感太陽電池を製造することが好ましい。
以下に、実施例により本発明の色素の合成法を詳しく説明するが、出発物質、色素中間体および合成ルートについてはこれらにより限定されるものではない。
下記の例示金属錯体色素を合成した。
下記のスキームの方法に従って化合物(45)を合成し、例示金属錯体色素DN−1を合成した。
ナトリウム−tert−ブトキシド2.47g、キシレン25ml、4−アミノ−2−クロロピリジン1.5g、4−ヨードペンチルベンゼン9.60gを三つ口フラスコに入れ、窒素置換した。撹拌しながらトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.534g、トリ−tert−ブチルホスフィン0.472gを加え、2時間加熱還流させた。室温に戻し、氷水、酢酸エチルを加え、有機層を減圧濃縮した。ヘキサン/酢酸エチルを溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(42)を3.7g得た。
J.Org.Chem.,2008,73,p.4309−4312に記載の方法に従って合成した化合物(43)2.66g、化合物(42)2.70g、三リン酸カリウム5.45g、1,2−ジメトキシエタン54mlを三つ口フラスコに入れ、窒素置換した。撹拌しながら0.54gのXphos G3を加え、3時間加熱還流させた。室温に戻し、セライトろ過を施し、溶媒を減圧留去した後、ヘキサン/酢酸エチルを溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(44)を1.82g得た。
化合物(44)1.70g、塩酸/酢酸エチル溶液28mlを三つ口フラスコに入れ、1時間撹拌させた。その後、重曹水を加えて、分液操作を施し、有機層を濃縮した。140℃で減圧させることで、化合物(45)を3.7g得た。
2.94gの[Ru(p−cymene)Cl2]2、5.00gの化合物(45)をエタノール192mlに加え3時間加熱還流させた。その後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチル、重曹水で分液操作を施し、有機層を濃縮した。アセトニトリルに加熱完溶させ、約20mlまで濃縮した後、放冷させ沈殿させた。ろ過、アセトニトリル洗浄、乾燥を施し、金属錯体DN−1Aを4.93gを得た。
100mlの三つ口フラスコに、0.8gの金属錯体DN−1A、0.455gの化合物d−1−8、10mlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を入れ、加熱還流させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、塩化メチレン/酢酸エチルを溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を施すことで、金属錯体DN−1Bを0.5g得た。
100mlの三つ口フラスコに、0.26gの金属錯体DN−1B、179mgのNH4SCN、4mlのDMFを加え、130℃で5時間加熱攪拌させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、塩化メチレン/酢酸エチルを溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を施すことで、金属錯体DN−1Cを90mg得た。
100mlの三つ口フラスコに、90mgの金属錯体DN−1C、30mlのDMFを加え、室温で攪拌しながら1N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し。1時間攪拌させた後、トリフルオロメタンスルホン酸メタノール溶液と水を加え、得られた沈殿物をろ過、水洗、乾燥させることで、金属錯体色素DN−1を77mg得た。得られた化合物の同定はMS測定により行った。
金属錯体色素DN−1を17μモル/Lの濃度にして、島津製作所社製のUV−3600で測定した。
図3は測定溶媒が340mmol/Lテトラブチルアンモニウムヒドロキサイド(TBAOH)のメタノール溶液でのスペクトル図である。
また、後述の実施例1における試料番号101に準じてモデル的な半導体膜(金属錯体色素DN−1を吸着させた酸化チタン膜)での可視吸収スペクトルを図4に示す。
例示金属錯体色素DN−1と同様にして、例示金属錯体色素DN−2、DN−13、DN−21、DN―22、DA−1、DA−2を合成した。得られた化合物の同定はMS測定により行った。
下記表1に、金属錯体色素のMS測定結果をまとめて示した。
光電極を構成する半導体電極の半導体層または光散乱層を形成するため、下記のペーストを調製し、このペーストを用いて、色素増感太陽電池を作製した。
(ペーストA)
球形のTiO2粒子(アナターゼ、平均粒径;25nm以下、球形TiO2粒子Aという。)を硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペーストを調製した。
(ペースト1)
球形TiO2粒子Aと、球形のTiO2粒子(アナターゼ、平均粒径;200nm以下、球形TiO2粒子Bという。)を硝酸溶液に入れて撹拌することによりチタニアスラリーを調製した。次に、チタニアスラリーに増粘剤としてセルロース系バインダーを加え、混練してペースト(TiO2粒子Aの質量:TiO2粒子Bの質量=30:70)を調製した。
(ペースト2)
ペーストAに、棒状TiO2粒子(アナターゼ、直径;100nm、アスペクト比;5以下、棒状TiO2粒子Cという。)を混合し、棒状TiO2粒子Cの質量:ペーストAの質量=30:70のペーストを調製した。
以下に示す手順により、特開2002−289274号公報に記載の図5に示されている光電極12と同様の構成を有する光電極を作製し、さらに、光電極を用いて、同公報に記載の図3に示されている光電極以外は色素増感太陽電池20と同様の構成を有する10mm×10mmのスケールの色素増感太陽電池1を作製した。具体的な構成は本願に添付の図2に示した。20が色素増感太陽電池、41が透明電極、42が半導体電極、43が透明導電膜、44が基板、45が半導体層、46が光散乱層、40が光電極、CEが対極、Eが電解質、Sがスペーサーである。
次に、上記のようにして作製した光電極(色素吸着電極の前駆体)に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、マグネシウムエトキシドで脱水した無水tert−ブタノールとジメチルホルムアミドの1:1(体積比)の混合物を溶媒として、下記表2に記載の金属錯体色素を3×10−4モル/Lとなるように溶解し、さらに共吸着剤として、ケノデオキシコール酸とコール酸の等モル混合物を金属錯体色素1モルに対して20モル加え、各色素溶液を調製した。この色素溶液をカール・フィッシャー滴定により水分量を測定したところ、水は0.01質量%未満であった。次に、この溶液に半導体電極を40℃10時間浸漬し、引き上げ後50℃で乾燥させることにより、半導体電極に色素が約2×10−7mol/cm2吸着した光電極40をそれぞれ完成させた。
次に、対極として上記の光電極と同様の形状と大きさを有する白金電極(Pt薄膜の厚さ;100nm)、電解質Eとして、0.1Mヨウ素、0.1Mヨウ化リチウム、0.6M 1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージドおよび4−tert−ブチルピリジン、を含むヨウ素系レドックス溶液を調製した。更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有するデュポン社製のスペーサーS(商品名:「サーリン」)を準備し、特開2002−289274号公報に記載の図3に示されているように、光電極40と対極CEとスペーサーSを介して対向させ、内部に上記の電解質を充填して光電極Aを使用した光電変換素子からなる色素増感太陽電池(セルA)を完成させた。
電池特性試験を行い、色素増感太陽電池について、光電変換効率(η/%)を測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター(WACOM製、WXS−85H)を用い、AM1.5フィルタを通したキセノンランプから1000W/m2の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率(η/%)を求めた。、得られた光電変換効率を、下記の比較化合物S−3で得られた光電変換効率を基準として、以下のランクで評価した。
ランクB以上が合格レベルである。
AA:1.15倍以上
A:1.1倍以上1.15倍未満
B:1.03倍以上1.1倍未満
C:1.03倍未満
作製した色素増感太陽電池を40℃の恒温槽に入れて耐熱試験を行った。耐熱試験前の色素増感太陽電池および耐熱試験12時間後の色素増感太陽電池について電流を評価した。耐熱試験後の電流値の減少分を耐熱試験前の電流値で割った値に100を掛けた値を熱劣化率として算出し、得られた熱劣化率を、下記の比較化合物S−3で得られた熱劣化率を基準として、以下のランクで評価した。
A:0.9倍未満
B:0.9倍以上1倍未満
C:1倍以上
作製した色素増感太陽電池を−10℃の冷凍庫と40℃の恒温槽へ2時間毎に交互に入れて冷却と加温を繰り返し、ヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクル試験前の色素増感太陽電池およびヒートサイクル試験24時間後の色素増感太陽電池について、電流を評価した。耐熱試験後の電流値の減少分を耐熱試験前の電流値で割った値に100を掛けた値を劣化率として算出し、得られた劣化率を、下記の比較化合物S−3で得られた劣化率を基準として、以下のランクで評価した。なお、下記表2には、「ヒートサイクル」として表示した。
A:0.9倍未満
B:0.9倍以上1倍未満
C:1倍以上
2 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 色素増感太陽電池を利用したシステム
M 電動モーター(扇風機)
40 光電極
41 透明電極
42 半導体電極
43 透明導電膜
44 基板
45 半導体層
46 光散乱層
CE 対極
E 電解質
S スペーサー
Claims (13)
- 導電性支持体、電解質を含む感光体層、電解質を含む電荷移動体層および対極を有する光電変換素子であって、該感光体層が、下記式(I)で表される金属錯体色素が担持された半導体微粒子を有する光電変換素子。
M1(LA)(LD)(Z1)・(CI) 式(I)
式(I)において、M1はRuを表し、Z1は単座の配位子を表す。LAは下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。LDは下記式(DL−2)で表される2座の配位子を表す。CIは電荷を中和するのに必要な対イオンを表す。
式(DL−2)において、m1は0〜3の整数を表し、m2は1〜4の整数を表し、n1は1〜4の整数を表す。L1は炭素数6のアリーレン基、または下記式(LT)で示されるアルキニレン基またはアルキニレンアリーレン基を表す。R 21 が炭素数4〜12のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基を表し、R 22 が炭素数6〜24のアリール基を表す。R 21 とR 22 が互いに結合して環を形成してもよい。Eは下記式(E−1)〜(E−6)のいずれかで表される基を表す。
- 前記L1が、炭素数6のアリーレン基である請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記Eが、前記式(E−2)または前記式(E−5)である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記半導体微粒子に、さらにカルボキシ基またはスルホ基もしくはその塩から選択される酸性基を1つ以上有する共吸着剤が担持されてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換素子を具備する色素増感太陽電池。
- 下記式(I)で表される金属錯体色素。
M1(LA)(LD)(Z1)・(CI) 式(I)
式(I)において、M1はRuを表し、Z1は単座の配位子を表す。LAは下記式(AL−1)で表される3座の配位子を表す。LDは下記式(DL−2)で表される2座の配位子を表す。CIは電荷を中和するのに必要な対イオンを表す。
式(DL−2)において、m1は0〜3の整数を表し、m2は1〜4の整数を表し、n1は1〜4の整数を表す。L1は炭素数6のアリーレン基、または下記式(LT)で示されるアルキニレン基またはアルキニレンアリーレン基を表す。R 21 が炭素数4〜12のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基を表し、R 22 が炭素数6〜24のアリール基を表す。R 21 とR 22 が互いに結合して環を形成してもよい。Eは下記式(E−1)〜(E−6)のいずれかで表される基を表す。
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