JP2002025636A - 光電変換素子およびこれを用いた光電池 - Google Patents

光電変換素子およびこれを用いた光電池

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JP2002025636A JP2000204401A JP2000204401A JP2002025636A JP 2002025636 A JP2002025636 A JP 2002025636A JP 2000204401 A JP2000204401 A JP 2000204401A JP 2000204401 A JP2000204401 A JP 2000204401A JP 2002025636 A JP2002025636 A JP 2002025636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い開放電圧を有する色素増感光電変換
素子およびこれを用いた光電池を提供する。 【解決手段】 金属錯体色素によって増感された半導体
微粒子を含む光電変換素子において、窒素カチオンを含
有する基を有する金属錯体色素を用いることにより、開
放電圧を高めることができる。好ましくは、金属錯体色
素として、下記一般式(I): M(La)m1(Lb)m2(X)m3・CI ・・・(I) (ただし、Mは金属原子であり、Laは窒素カチオンを含有
する基を有する2座または3座の配位子であり、Lbは2
座または3座の配位子であり、Xは1座または2座配位
子であり、CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な
場合の対イオンであり、m1は1〜3の整数、m2は0〜2
の整数、m3は0〜4の整数である。)により表される化
合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素で増感された半
導体微粒子を用いた光電変換素子に関し、特に高い開放
電圧を有する光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服す
る必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有
機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されて
いるが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があ
った。
【0003】こうした状況の中で、Nature(第353巻、
第737〜740頁、1991年)および米国特許4927721号、WO9
4/04497号等に、色素によって増感された半導体微粒子
を用いた光電変換素子および太陽電池、ならびにこれを
作成するための材料および製造技術が開示された。提案
された電池は、ルテニウム錯体によって分光増感された
二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池
である。この方式の第一の利点は二酸化チタン等の安価
な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いること
ができるため、安価な光電変換素子を提供できる点であ
り、第二の利点は用いられる色素の吸収がブロードなた
め、可視光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換で
きることである。
【0004】このような太陽電池において得られる開放
電圧は理論的には酸化物半導体の伝導電子帯と用いられ
る電解質のレドックス準位で規定され、例えば酸化物半
導体として酸化チタンを、電解質としてI-/I3 -を用いた
場合、約1.1V以上である。しかしこのような高い開放電
圧は報告されておらず、変換効率向上のためには、開放
電圧の改良が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、より高い開放電圧を有する色素増感光電変換素子お
よびこれを用いた光電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、従来の導電性支持体、色素を吸
着させた半導体微粒子層、電荷移動層および対極からな
る光電変換素子において、窒素カチオンを含有する基を
有する金属錯体色素を用いて色素増感することにより、
開放電圧をより高めることができることを見出し、本発
明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の光電変換素子は、半導
体微粒子層の増感色素として、窒素カチオンを含有する
基を有する金属錯体色素を用いたことを特徴とする。
【0008】また、もう1つの本発明である光電池は、
本発明の光電変換素子を用いたものである。
【0009】本発明は下記条件を満たすことにより、一
層優れた光電変換効率を有する光電変換素子及び光電池
が得られる。
【0010】(1)前記窒素カチオンを含有する基を有
する金属錯体色素が、下記一般式(I): M(La)m1(Lb)m2(X)m3・CI ・・・(I) (ただし、Mは金属原子を表し、Laは下記一般式(II):
【化4】 (ただし、Z1〜Z3は窒素カチオンを含有する基を表す。
L1〜L3は連結基である。R1〜R3はそれぞれ独立にアルキ
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、
ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リ
ン酸基、珪酸基を表す。a1〜a3は0又は1であり、a1〜
a3の合計は1〜3である。n1〜n3は0〜4の整数であ
り、n1〜n3が2以上のときR1〜R3は同じでも異なっても
よく、R1同士、R2同士、R3同士で互いに連結していても
良い。l1は、0又は1であり、l1が0の場合、L2および
R2の置換位置は該ピリジン環の窒素に隣接する炭素上で
もあり得る。)により表される2座または3座の配位子
であり、Lbは下記一般式(III):
【化5】 (ただし、Za、Zb、Zcはそれぞれ独立に5または6員環
を形成しうる非金属原子群を表し、l2は0または1を表
す。)により表される2座または3座の配位子であり、
Xは1座または2座配位子を表し、CIは電荷を中和させ
るのに対イオンが必要な場合の対イオンを表し、m1は1
〜3の整数、m2は0〜2の整数、m3は0〜4の整数であ
る。)により表されることが好ましい。
【0011】(2)前記一般式(II) で表される配位子
中のZ1〜Z3が、下記一般式(IV-1)〜(IV-3):
【化6】 (ただし、R4〜R11はそれぞれ独立に水素、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコ
キシカルボニル基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン
酸基、珪酸基を表す。ただし、R4およびR6のいずれか1
つ、R5およびR7のいずれか1つ、ならびにR8〜R11のい
ずれか1つは、L1〜L3と連結するための2価基(単結
合)となる。n4は1〜5の整数、n5は1〜3の整数で、
n4、n5が2以上のときR4、R5は同じでも異なってもよ
く、R4同士、R5同士で連結していても良い。Eは酸素、
硫黄または−NR12−を表し、R12は置換基である。)の
いずれかにより表されることが好ましい。
【0012】(3)前記一般式(II) で表される配位子
中のL1〜L3が、炭素数1〜10のアルキレン鎖であること
が好ましい。
【0013】(4)前記一般式(II) で表される配位子
中のR1〜R3のいずれか1つは、カルボン酸基、ホスホン
酸基、リン酸基または珪酸基であることが好ましい。
【0014】(5)前記一般式(IV-1)〜(IV-3)における
R4およびR6のいずれか1つ、R5およびR7のいずれか1
つ、ならびにR8〜R11のいずれか1つは、カルボン酸
基、ホスホン酸基、リン酸基または珪酸基であることが
好ましい。
【0015】(6)前記一般式(I)におけるMがRuである
ことが好ましい。
【0016】(7)前記一般式(I)におけるXがNCSであ
ることが好ましい。
【0017】(8)前記一般式(I)におけるm1が2、m2
が0、m3が2であることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】[1] 金属錯体色素 本発明の光電変換素子に使用する金属錯体色素は、窒素
カチオンを含有する基を有することを特徴とする。特
に、金属錯体色素は、下記一般式(I)で表される化合物
であることが好ましい。 M(La)m1(Lb)m2(X)m3・CI ・・・(I)
【0020】以下に一般式(I)で表される本発明の金属
錯体色素について詳しく説明する。なお、本発明の化合
物がアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキ
レン基等を含む時、それらは直鎖状でも分岐鎖状でも良
く、置換していても無置換でも良い。また、本発明の化
合物がアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を
含む時、それらは置換していても無置換でも良く、単環
でも縮環していても良い。
【0021】(A) 金属原子M Mは金属を表す。Mは好ましくは4配位または6配位が可
能な金属を表し、好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、M
o、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、MnまたはZnであり、
より好ましくはRu、Fe、OsまたはCuであり、さらに好ま
しくはRuである。
【0022】(B)配位子 La Laは、窒素カチオンを含有する2座または3座の配位子
である。配位子Laの数を表すm1は、1〜3の整数であ
り、好ましくは2である。m1が2以上のとき、Laは同じ
でも異なっていてもよい。
【0023】配位子Laは、下記一般式(II)により表され
る。
【0024】
【化7】
【0025】一般式(II)中、R1〜R3はそれぞれ独立にア
ルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、カルボン酸基、ホスホン酸
基、リン酸基、珪酸基を表す。好ましくはアルキル基、
アミノ基、アルコキシ基であり、もっとも好ましくはア
ルキル基である。また、R1〜R3のいずれか1つは、カル
ボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基または珪酸基である
ことが好ましい。
【0026】一般式(II)中、Z1〜Z3は窒素カチオンを含
有する基を表す。Z1〜Z3として例えばイミダゾリウム、
ピリジニウム、四級アンモニウム、チアゾリウム、オキ
サゾリウム、キノリニウム、ベンゾイミダゾリウム、ベ
ンゾチアゾリウム、ベンゾオキサゾリウムなどが挙げら
れるが、好ましくは一般式(IV-1)〜(IV-3) :
【化8】 により表される基である。
【0027】一般式(IV-1)〜(IV-3)中、R4〜R11はそれ
ぞれ独立に水素、アルキル基、アルケニル基、シクロア
ルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコ
キシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボン
酸基、ホスホン酸基、リン酸基、珪酸基を表し、好まし
くはカルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、珪酸基で
あり、もっとも好ましくはカルボン酸基である。ただ
し、R4およびR6のいずれか1つ、R5およびR7のいずれか
1つ、ならびにR8〜R11のいずれか1つは、L1〜L 3と連
結するための2価基(単結合)となる。
【0028】n4は1〜5の整数、n5は1〜3の整数で、
n4、n5が2以上のときR4、R5は同じでも異なってもよ
く、R4同士、R5同士で連結していても良い。
【0029】一般式(IV-2)において、Eは酸素、硫黄ま
たは−NR12−を表し、R12は置換基である。置換基R12
しては、R4〜R11で例示したものと同じでよい。Eとして
最も好ましくは−NR12−である。
【0030】一般式(II)中、L1〜L3は連結基である。L1
〜L3の主鎖部分を形成するものとしてはアルキル基でも
アリール基でも良く、L1〜L3とZ1〜Z3、L1〜L3とピリジ
ン環との結合を形成する部分としては単結合、アミド結
合、エステル結合、エーテル結合など挙げられるが、好
ましくは単結合である。
【0031】l1は、0又は1である。l1が0の場合2座
配位子を、l1が1の場合3座配位子を表す。l1が0の場
合、L2およびR2の置換位置は該ピリジン環の窒素に隣接
する炭素上でもあり得る。
【0032】a1〜a3は、0又は1である。1〜a3の合計
は1〜3であり、好ましくは1又は2である。
【0033】n1〜n3は、0〜4の整数であり、n1〜n3が
2以上のときR1〜R3は同じでも異なってもよく、R1
士、R2同士、R3同士で互いに連結していても良い。
【0034】配位子Laの具体例を以下に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0035】
【化9】
【0036】(C)配位子 Lb 一般式(I)中、Lbは2座または3座の配位子である。配
位子Lbの数を表すm2は、0〜2の整数であり、好ましく
は0または1、より好ましくは0である。m2が2のとき
Lbは同じでも異なっていてもよい。
【0037】配位子Lbは下記一般式(III):
【化10】 により表される。
【0038】一般式(III)中、Za、Zb及びZcはそれぞれ
独立に5または6員環を形成しうる非金属原子群を表
し、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、リン、ハロゲン原
子で構成されることが好ましく、芳香族環を形成するこ
とが好ましい。その際、5員環ならばイミダゾール環、
オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環を形成
することが好ましく、6員環ならばピリジン環、ピリミ
ジン環、ピリダジン環、ピラジン環等を形成することが
好ましく、さらに好ましくはピリジン環、イミダゾール
環を形成し、最も好ましくはピリジン環を形成する。
【0039】配位子Lbを構成する各々の5または6員環
は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例え
ばカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒ
ドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20、例えば
―CONHOH、―CONCH3OH等)、ホスホリル基(例えば―OP
(O)(OH)2等)、ホスホニル基(例えば―P(O)(OH)
2等)、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル
基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル
基、アシルアミノ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げ
られる。
【0040】l2は0または1であり、l2が0の場合2座
配位子を、l2が1の場合3座配位子を表す。好ましくは
l1が0である。
【0041】配位子Lbの具体例を以下に示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0042】
【化11】
【0043】(D)配位子 X 一般式(I)中、Xは1座または2座配位子を表す。配位子
Xの数を表すm3は0〜4の整数であり、m3が2以上の
時、Xは同じでも異なってもよく、X同士連結していても
良い。
【0044】配位子Xは、アシルオキシ基(好ましくは
炭素原子数(以下C数という)1〜20、例えばアセチル
オキシ基、ベンゾイルオキシ基、オキザリレン基(−OC
(O)C(O)O−) 等)、アシルチオ基(好ましくはC数1〜2
0、例えばアセチルチオ、ベンゾイルチオ基等)、アシル
アミノオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、N-メ
チルベンゾイルアミノオキシ基(PhC(O)N(CH3)O−)、
アセチルアミノオキシ基(CH3C(O)NHO-)等)、チオア
シルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、チオア
セチルオキシ基(CH3C(S)O−)等)、チオアシルチオ基
(好ましくはC数1〜20、例えば、チオアセチルチオ基
(CH 3C(S)S−)、チオベンゾイルチオ(PhC(S)CS−)
等)、チオカルボネート基(好ましくはC数1〜20、例
えばエチルトリチオカルボネート基(C2H5SC(S)S−)、
フェニルトリチオカルボネート基(PhSC(S)S−)等)、
ジチオカルボネート基(好ましくはC数1〜20、例えば
エチルジチオカルボネート基(C2H5OC(S)S−)等)、ト
リチオカルボネート基(好ましくはC数1〜20、例えば
エチルトリチオカルボネート基(C2H5SC(S)S−)等)、
アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えばメタン
チオ基、エチレンジチオ基等)、アリールチオ基(好ま
しくはC数6〜20、例えばベンゼンチオ基、1,2-フェニ
レンジチオ基等)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜
20、例えばメトキシ基、エチレンジオキシ基等)、アリ
ールオキシ基(好ましくはC数6〜20、例えばフェノキ
シ基、1,2-ベンゼンジオキシ基等)からなる群から選ば
れた基で配位する1座または2座の配位子、あるいはβ
-ジケトナート(好ましくはC数3〜20、例えばCH3C(O
…)CH=C(O-)CH3等)、(…は配位結合を表す)、β-ジ
チオケトナート(好ましくはC数3〜20、例えばCH3C(S
…)CH=C(S-)CH3等)、β-ケトチオナート(好ましくは
C数3〜20、例えばCH3C(O…)CH=C(S-)CH3等)、β-チ
オケトナート(好ましくはC数3〜20、例えばCH3C(S
…)CH=C(O-)CH3等)、ジアルキルケトン(好ましくはC
数3〜20、例えばジメチルケトン((CH3)2CO…等)、カ
ルボンアミド(好ましくはC数1〜20)、チオカルボン
アミド(好ましくはC数1〜20)、チオウレア(好まし
くはC数1〜20)、イソチオウレア(好ましくはC数1
〜20)、ハロゲン(好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子等)、水、イソシアナート、シアナート、イソ
チオシアナート、チオシアナートなどが挙げられるが、
好ましくはハロゲン、イソシアナート、シアナート、イ
ソチオシアナート、チオシアナートであり、もっとも好
ましくはイソチオシアナートである。
【0045】(E)対イオン Cl 一般式(I)にてCl は電荷を中和させるのに対イオンが
必要な場合の対イオンを表す。ある色素が陽イオン、陰
イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかど
うかは、その金属、配位子、及び置換基に依存する。置
換基が解離性基を有する場合、解離して負電荷を持って
も良く、この場合にも分子全体の電荷はCIによって中和
される。
【0046】典型的な陽イオンは無機または有機のアン
モニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイ
オン、ピリジニウムイオン)およびアルカリ金属イオン
であり、一方、陰イオンは具体的に無機陰イオンあるい
は有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロ
ゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオ
ン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールス
ルホン酸イオン(例えば、p-トルエンスルホン酸イオ
ン、p-クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジ
スルホン酸イオン(例えば、1,3-ベンゼンジスルホン酸
イオン、1,5-ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6-ナフ
タレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例
えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸
イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオ
ン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イ
オン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオ
ンが挙げられる。
【0047】さらに電荷均衡対イオンとしてイオン性ポ
リマーあるいは、色素と逆電荷を有する他の色素を用い
てもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン-1,2
-ジチオラトニッケル(III) )も可能である
【0048】(F)結合基 一般式(I)により表される金属錯体色素は、半導体微粒
子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)
を少なくとも1つ以上有するのが好ましく、1〜6個有
するのがより好ましく、1〜4個有するのが特に好まし
い。好ましい結合基はカルボキシル基、スルホン酸基、
ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(例えば―CONHOH
等)、ホスホリル基(例えば―OP(O)(OH)2等)、ホスホ
ニル基(例えば―P(O)(OH)2等)等の酸性基(解離性の
プロトンを有する置換基)である。
【0049】(G)金属錯体色素の具体例 以下に一般式(I)で表される金属錯体色素の具体例を示
すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
【化12】
【0051】本発明に用いられる一般式(I)で表される
化合物の合成は、Inorganic Chemistry, 37, 5251, (19
98)等の文献中に引用された方法を参考にして行える。
【0052】本発明の錯体色素と公知の色素、例えばル
テニウム錯体色素、フタロシアニン系色素、有機色素
(メチン色素など)等を併用して用いてもよい。
【0053】[2] 光電変換素子 本発明の光電変換素子は、少なくとも導電層、色素を吸
着させた半導体微粒子層、電荷移動層および対極を有
し、好ましくは図1に示すように、導電層10、下塗り層
60、感光層20、電荷移動層30、対極導電層40の順に積層
し、前記感光層20を前述の金属錯体色素22によって増感
された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の間の空隙
に浸透した電荷輸送材料23とから構成する。電荷輸送材
料23は、電荷移動層30に用いる材料と同じ成分からな
る。光電変換素子に強度を付与するため、導電層10およ
び/または対極導電層40の下地として基板50を設けても
よい。以下本発明では、導電層10および任意で設ける基
板50からなる層を「導電性支持体」、対極導電層40およ
び任意で設ける基板50からなる層を「対極」と呼ぶ。
【0054】この光電変換素子を外部負荷に接続して電
気的仕事をさせる目的(発電)で作られたものが光電池
であり、光学的情報のセンシングを目的に作られたもの
が光センサーである。なお、図1中の導電層10、対極導
電層40、基板50は、それぞれ透明導電層10a、透明対極
導電層40a、透明基板50aであっても良い。
【0055】図1に示す本発明の光電変換素子におい
て、色素22により増感された半導体微粒子21を含む感光
層20に入射した光は色素22等を励起し、励起された色素
22等中の高エネルギーの電子が半導体微粒子21の伝導帯
に渡され、さらに拡散により導電層10に到達する。この
とき色素22等の分子は酸化体となっている。光電池にお
いては、導電層10中の電子が外部回路で仕事をしながら
対極導電層40および電荷移動層30を経て色素22等の酸化
体に戻り、色素22が再生する。感光層20は負極として働
く。それぞれの層の境界(例えば導電層10と感光層20と
の境界、感光層20と電荷移動層30との境界、電荷移動層
30と対極導電層40との境界等)では、各層の構成成分同
士が相互に拡散混合していてもよい。
【0056】以下、光電変換素子を構成する各層につい
て詳細に説明する。
【0057】(A)感光層 感光層において、半導体はいわゆる感光体として作用
し、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ず
る。色素増感された半導体微粒子では、光吸収およびこ
れによる電子および正孔の発生は主として色素において
起こり、半導体微粒子はこの電子を受け取り、伝達する
役割を担う。本発明で用いる半導体は光励起下で伝導体
電子がキャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半
導体であることが好ましい。
【0058】(1)半導体微粒子 半導体微粒子としては、シリコン、ゲルマニウムのよう
な単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカルコゲ
ニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、または
ペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ス
トロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウ
ム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用
することができる。
【0059】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレ
ン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の
化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カ
ドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−イン
ジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げ
られる。
【0060】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、Z
nS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuIn
S2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、ZnO、Sn
O2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、
CuInS2またはCuInSe2であり、特に好ましくはTiO2また
はNb 2O5であり、最も好ましくはTiO2である。
【0061】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましいが、
製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム
等の観点からは多結晶が好ましく、半導体微粒子からな
る多孔質膜が特に好ましい。
【0062】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオ
ーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径か
ら求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好
ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半
導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜10μmが好
ましい。
【0063】粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混
合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm
以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率
を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm程度
の半導体粒子を混合してもよい。
【0064】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018
頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDe
gussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解
により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0065】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル−ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)
に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さ
らにゾル−ゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ
・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第
12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーン
サイドらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10
巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0066】(2)半導体微粒子層の形成 半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体
微粒子の分散液又はコロイド溶液を導電性支持体上に塗
布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用するこ
ともできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子液の
物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の
製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法としては
塗布法及び印刷法が代表的である。
【0067】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、半導体を
合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使
用する方法等が挙げられる。
【0068】分散媒としては、水又は各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が使用可能である。分散の際、必要に応じ
てポリマー、界面活性剤、酸、キレート剤等を分散助剤
として用いてもよい。
【0069】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58
-4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許268
1294号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライド
ホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好
ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ま
しい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセット及びグ
ラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリン
印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット
厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0070】半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒
子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダ
ー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例え
ば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法、キャス
ト法、スクリン印刷法等が好ましい。また低粘度液(例
えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワイヤー
バー法又はスピン法が好ましく、均一な膜にすることが
可能である。なおある程度の塗布量があれば低粘度液の
場合でもエクストルージョン法による塗布は可能であ
る。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、塗布速
度等に応じて適宜湿式製膜方法を選択すればよい。
【0071】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(或いは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。多層塗布にはエクストルージョン法又はスライ
ドホッパー法が適している。また多層塗布をする場合は
同時に多層を塗布してもよく、数回から十数回順次重ね
塗りしてもよい。さらに順次重ね塗りする場合にはスク
リン印刷法も好ましく使用できる。
【0072】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。太陽電池に用いる場合、半導体微
粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより
好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.
5〜100gが好ましく、3〜50gがより好ましい。
【0073】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは100℃以
上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度
である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い
支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くた
め好ましくない。またコストの観点からもできる限り低
温であるのが好ましい。低温化は先に述べた5nm以下の
小さい半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱処理
等により可能となる。
【0074】加熱処理後半導体微粒子の表面積を増大さ
せたり、半導体微粒子近傍の純度を高め色素から半導体
粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チ
タン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を
用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0075】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面
積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、
さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に
制限はないが、通常1000倍程度である。
【0076】(3)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子に、金属錯体色素を吸着させるには、色素
の溶液中に良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性
支持体を浸漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗
布する方法を用いることができる。前者の場合、浸漬
法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可
能である。浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行っても
よいし、特開平7-249790号に記載されているように加熱
還流して行ってもよい。また後者の塗布方法としては、
ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージ
ョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等がある。
色素を溶解する溶媒として好ましいのは、例えば、アル
コール類(メタノール、エタノール、t-ブタノール、ベ
ンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、
プロピオニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等)、
ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、
エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミド等)、N-メチル
ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3-メチル
オキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレ
ン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2-ブタ
ノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石
油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶
媒が挙げられる。
【0077】色素の全吸着量は、多孔質半導体電極基板
の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好まし
い。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体
微粒子1g当たり0.01〜1mmolの範囲であるのが好まし
い。このような色素の吸着量とすることにより半導体に
おける増感効果が十分に得られる。これに対し、色素が
少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が多す
ぎると半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果
を低減させる原因となる。色素の吸着量を増大させるた
めには、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処
理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるた
め、常温に戻さずに40〜80℃の間で素早く色素を吸着さ
せるのが好ましい。また、色素間の凝集などの相互作用
を低減する目的で、無色の化合物を色素に添加し、半導
体微粒子に共吸着させてもよい。この目的で有効な化合
物は界面活性な性質、構造をもった化合物であり、例え
ば、カルボキシル基を有するステロイド化合物(例えば
ケノデオキシコール酸)や下記のスルホン酸塩類が挙げ
られる。
【0078】
【化13】
【0079】未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄によ
り除去するのが好ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニ
トリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような有機溶
媒で洗浄を行うのが好ましい。色素を吸着した後にアミ
ン類を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好
ましいアミン類としてはピリジン、4-t-ブチルピリジ
ン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらが液体
の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して
用いてもよい。
【0080】(B)導電性支持体 導電性支持体は(1)導電層の単層又は(2)導電層及
び基板の2層からなる。強度や密封性が十分に保たれる
ような導電層を使用すれば、基板は必ずしも必要でな
い。
【0081】(1)の場合、導電層として金属のように
十分な強度が得られ、かつ導電性があるものを用いる。
【0082】(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導
電層を有する基板を使用することができる。好ましい導
電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、導電性金属酸
化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素
をドープしたもの等)等が挙げられる。導電層の厚さは
0.02〜10μm程度が好ましい。
【0083】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は100Ω/□以下であり、さらに
好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特
に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0084】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であるこ
とを意味し、50%以上であるのが好ましく、70%以上が
特に好ましい。
【0085】透明導電性支持体としては、ガラス又はプ
ラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物から
なる透明導電層を塗布又は蒸着等により形成したものが
好ましい。なかでもフッ素をドーピングした二酸化スズ
からなる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガラス
でできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが好まし
い。また低コストでフレキシブルな光電変換素子又は太
陽電池とするには、透明ポリマーフィルムに導電層を設
けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルムの材
料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、シンジオクタチックポリスチレン(SP
S)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネ
ート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン
(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテ
ルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェ
ノキシ等が使用可能である。十分な透明性を確保するた
めに導電性金属酸化物の塗布量はガラス又はプラスチッ
クの支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0086】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウム及び銀が好ましい。金属リー
ドは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、その
上にフッ素をドープした酸化スズ又はITO膜からなる透
明導電層を設けるのが好ましい。また透明導電層を透明
基板に設けた後、透明導電層上に金属リードを設置する
のも好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は
好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0087】(C)電荷移動層 電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有す
る電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いるこ
とのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、イオ
ン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶解した溶液
(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリクスの
ゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対イオン
を含有する溶融塩電解質、さらには固体電解質が挙げら
れる。また、イオンがかかわる電荷輸送材料のほかに、
固体中のキャリアー移動が電気伝導にかかわる材料と
して、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料を用いる
こともできる。これらは、併用することができる。
【0088】(1)溶融塩電解質 溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観
点から好ましい。本発明の光電変換素子に溶融塩電解質
を用いる場合は、例えばWO95/18456号、特開平8-259543
号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記
載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリ
アゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を用いることができ
る。
【0089】好ましく用いることのできる溶融塩として
は、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれ
かにより表されるものが挙げられる。
【0090】
【化14】
【0091】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。
【0092】Qy1により形成される5員環は、オキサゾ
ール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジ
アゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、オ
キサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環である
のがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環
であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環
は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジ
ン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環
であるのがより好ましい。
【0093】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0094】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のR
y1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐
状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のア
ルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であ
っても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル
基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアル
キル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特
に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0095】また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち
2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成
してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以
上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0096】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQ
y1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい
置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I
等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ
基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキル
チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシ
カルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステ
ル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホ
ニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基
等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキ
シ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基
(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-
ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基
等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素
環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、
アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)等が挙げ
られる。
【0097】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)によ
り表される化合物は、Qy1又はRy1〜R y6を介して多量体
を形成してもよい。
【0098】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオン
を他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもで
きる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、
ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-等)、NSC-、BF4 -、P
F6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CF3SO3 -
CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C-等が好ましい例として挙
げられ、(CF3SO2)2N-又はBF4 -であるのがより好まし
い。また、LiIなど他のヨウ素塩を添加することもでき
る。
【0099】本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0100】
【化15】
【0101】
【化16】
【0102】
【化17】
【0103】
【化18】
【0104】
【化19】
【0105】
【化20】
【0106】
【化21】
【0107】上記溶融塩電解質には、溶媒を用いない方
が好ましい。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶
融塩の含有量は電解質組成物全体に対して50質量%以上
であるのが好ましい。また、塩のうち、50質量%以上が
ヨウ素塩であることが好ましく、70%以上であることが
さらに好ましい。
【0108】電解質組成物にヨウ素を添加するのが好ま
しく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体
に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質
量%であるのがより好ましい。
【0109】(2)電解液 電荷移動層に電解液を使用する場合、電解液は電解質、
溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。本
発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物
としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2 などの金属ヨウ化
物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、
ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドな
ど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、Br2
臭化物の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、NaBr、KB
r、CsBr、CaBr2 などの金属臭化物、あるいはテトラア
ルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイ
ドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、
フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フ
ェリシニウムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウ
ム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどのイ
オウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンな
どを用いることができる。この中でもI2とLiIやピリジ
ニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級
アンモニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が
本発明では好ましい。上述した電解質は混合して用いて
もよい。
【0110】好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以下
であり、さらに好ましくは0.2M以上10M以下である。ま
た、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の
添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0111】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン移動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3-メチル-2-
オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジ
エチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコ
ールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアル
キルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエー
テル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルな
どの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレ
ングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノア
ルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アル
コール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メト
キシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、ス
ルフォランなど非プロトン極性物質、水などを用いるこ
とができる。
【0112】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなter-ブ
チルピリジンや、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基性
化合物を添加することもできる。塩基性化合物を添加す
る場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下である。
【0113】(3)ゲル電解質 本発明では、電解質はポリマー添加、オイルゲル化剤添
加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応
等の手法によりゲル化(固体化)させて使用することも
できる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、“Po
lymer Electrolyte Reviews-1および2”(J.R.MacCallum
とC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に
記載された化合物を使用することができるが、特にポリ
アクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使
用することができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化
させる場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind. Chem.Sec., 4
6,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5542(1989), J.
Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 390, Angew. Che
m. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Chem. Lett.,199
6, 885, J. Chm. Soc., Chem. Commun., 1997,545に記
載されている化合物を使用することができるが、好まし
い化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物であ
る。
【0114】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例
えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オ
キサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリ
ジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤
は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試
薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イ
ソシアネートなど)である。
【0115】(4)正孔輸送材料 本発明では、電解質の替わりに有機または無機あるいは
この両者を組み合わせた正孔輸送材料を使用することが
できる。
【0116】(a)有機正孔輸送材料 本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、J.Hage
n et al.,Synthetic Metal 89(1997)215-220、Nature,V
ol.395, 8 Oct. 1998,p583-585およびWO97/10617、特開
昭59−194393号公報、特開平5−234681号公報、米国特
許第4,923,774号、特開平4−308688号公報、米国特許
第4,764,625号、特開平3−269084号公報、特開平4−1
29271号公報、特開平4−175395号公報、特開平4−26418
9号公報、特開平4−290851号公報、特開平4−364153号
公報、特開平5−25473号公報、特開平5−239455号公
報、特開平5−320634号公報、特開平6−1972号公報、特
開平7−138562号、特開平7−252474号、特開平11−1447
73等に示される芳香族アミン類や特開平11−149821、特
開平11−148067、特開平11−176489等に記載のトリフェ
ニレン誘導体類を好ましく用いることができる。
【0117】また、Adv. Mater. 1997,9,N0.7,p557、An
gew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995,34, No.3,p303-307、
JACS,Vol120, N0.4,1998,p664-672等に記載されている
オリゴチオフェン化合物、K. Murakoshi et al.,;Chem.
Lett. 1997, p471に記載のポリピロール、“Handbook
of Organic Conductive Molecules and Polymers Vol.
1,2,3,4”(NALWA著、WILEY出版)に記載されているポ
リアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p-フェニレン)
およびその誘導体、ポリ( p-フェニレンビニレン) およ
びその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導
体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンお
よびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘導体等の
導電性高分子を好ましく使用することができる。
【0118】正孔(ホール)輸送材料にはNature,Vol.3
95, 8 Oct. 1998,p583-585に記載されているようにドー
パントレベルをコントロールするためにトリス(4-ブ
ロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネート
のようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加した
り、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層
の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような塩を添加
しても構わない。
【0119】(b)無機正孔輸送材料 無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用
いることができる。この目的のp型無機化合物半導体
は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、
さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、p型無
機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を
還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシ
ャルより小さいことが必要である。使用する色素によっ
てp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ま
しい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下
であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であ
ることが好ましい。好ましいp型無機化合物半導体は一
価の銅を含む化合物半導体であり、一価の銅を含む化合
物半導体の例としてはCuI, CuSCN, CuInSe2, Cu(In,Ga)
Se2, CuGaSe2, Cu2O, CuS, CuGaS2, CuInS2, CuAlSe2
どが挙げられる。この中でもCuIおよび CuSCNが好まし
く、CuIが最も好ましい。このほかのp型無機化合物半
導体として、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2O3、MoO2、Cr2O3
等を用いることができる。
【0120】p型無機化合物半導体を含有する電荷移動
層の好ましいホール移動度は10-4cm 2/V・sec以上104cm2
/V・sec以下であり、さらに好ましくは10-3cm2/V・sec
以上103cm2/V・sec以下である。また、電荷移動層の好
ましい導電率は10-8S/cm以上10 2S/cm以下であり、さら
に好ましくは10-6S/cm以上10S/cm以下である。
【0121】(5)電荷移動層の形成 電荷移動層の形成方法に関しては2通りの方法が考えら
れる。1つは増感色素を担持させた半導体微粒子含有層
の上に先に対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の
電荷移動層を挟み込む方法である。もう1つは半導体微
粒子含有層上に直接電荷移動層を付与する方法で、対極
はその後付与することになる。
【0122】前者の場合の電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが利用できる。
【0123】後者の場合、湿式の電荷移動層においては
未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置
も施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗
布して重合等の方法により固体化する方法もあり、その
場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもで
きる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質
を付与する方法としては、半導体微粒子含有層や色素の
付与と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ法、エアー
ナイフ法、エクストルージョン法、スライドホッパー
法、ワーヤーバー法、スピン法、スプレー法、キャスト
法、各種印刷法等が考えられる。
【0124】固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材
料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理
で電荷移動層を形成し、その後対極を付与することもで
きる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト法,塗
布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重
合法等の手法により電極内部に導入することができる。
無機固体化合物の場合も、キャスト法,塗布法,スピン
コート法、浸漬法、電解メッキ法等の手法により電極内
部に導入することができる。
【0125】量産化を考える場合、固体化できない電解
液や湿式の正孔輸送材料の場合には、塗設後速やかにエ
ッジ部分を封止することで対応も可能であるが、固体化
可能な正孔輸送材料の場合は湿式付与により正孔輸送層
を膜形成した後、例えば光重合や熱ラジカル重合等の方
法により固体化することがより好ましい。このように膜
付与方式は液物性や工程条件により適宜選択すればよ
い。
【0126】なお、電荷移動層中の水分としては10,000
ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,000ppm以下で
あり、特に好ましくは100ppm以下である。
【0127】(D)対極 対極は、光電変換素子の正極として作用するものであ
る。対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料か
らなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と
支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用い
る導電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、ア
ルミニウム、マグネシウム、ロジウム、インジウム
等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−ス
ズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)
が挙げられる。この中でも白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、マグネシウムを対極層として好ましく使用するこ
とができる。対極の好ましい支持基板の例は、ガラスま
たはプラスチックであり、これに上記の導電剤を塗布ま
たは蒸着して用いる。対極導電層の厚さは特に制限され
ないが、3nm〜10μmが好ましい。対極導電層が金属製
である場合は、その厚さは好ましくは5μm以下であ
り、さらに好ましくは5nm〜3μmの範囲である。対極
層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲と
しては80Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□
以下である。
【0128】導電性支持体と対極のいずれか一方または
両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達する
ためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質
的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、
導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入
射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性
質を有するのが好ましい。このような対極としては、金
属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラス
チック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0129】対極は、電荷移動層上に直接導電材を塗
布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有
する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電性
支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対
極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好まし
い。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、
金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支持体
の場合と同じである。
【0130】(E)その他の層 電荷移動層に電子輸送材料や正孔輸送材料を用いる場
合、対極と導電性支持体の短絡を防止するため、予め導
電性支持体と感光層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗
り層として塗設しておくことが好ましい。下塗り層とし
て好ましいのはTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5
あり、さらに好ましくはTiO2である。下塗り層はElectr
ochimi. Acta 40, 643-652(1995)に記載されているスプ
レーパイロリシス法により塗設することができる。下塗
り層の好ましい膜厚は5〜1000nm以下であり、10〜500nm
がさらに好ましい。
【0131】また、電極として作用する導電性支持体お
よび対極の一方または両方に、保護層、反射防止層等の
機能性層を設けても良い。このような機能性層を多層に
形成する場合、同時多層塗布法や逐次塗布法を利用でき
るが、生産性の観点からは同時多層塗布法が好ましい。
同時多層塗布法では、生産性および塗膜の均一性を考え
た場合、スライドホッパー法やエクストルージョン法が
適している。これらの機能性層の形成には、その材質に
応じて蒸着法や貼り付け法等を用いることができる。
【0132】(F)光電変換素子の内部構造の具体例 上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ
様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面
から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造
が可能である。図2〜図9に本発明に好ましく適用でき
る光電変換素子の内部構造を例示する。
【0133】図2は、透明導電層10aと透明対極導電層4
0aとの間に、感光層20と、電荷移動層30とを介在させた
ものであり、両面から光が入射する構造となっている。
図3は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、さ
らに透明導電層10aを設け、下塗り層60、感光層20、電
荷移動層30および対極導電層40をこの順で設け、さらに
支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が入
射する構造となっている。図4は、支持基板50上にさら
に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設
け、さらに電荷移動層30と透明対極導電層40aとを設
け、一部に金属リード11を設けた透明基板50aを、金属
リード11側を内側にして配置したものであり、対極側か
ら光が入射する構造である。図5は、透明基板50a上に
一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10a、透明
対極導電層40aを設けたものの間に下塗り層60と感光層2
0と電荷移動層30とを介在させたものであり、両面から
光が入射する構造である。図6は、透明基板50a上に透
明導電層10aを有し、下塗り層60を介して感光層20、電
荷移動層30および対極導電層40を設け、この上に支持基
板50を配置したものであり導電層側から光が入射する構
造である。図7は、支持基板50上に導電層10を有し、下
塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層30
および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50a
を配置したものであり、対極側から光が入射する構造で
ある。図8は、透明基板50a上に透明導電層10aを有し、
下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに電荷移動層
30および透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板5
0aを配置したものであり、両面から光が入射する構造と
なっている。図9は、支持基板50上に導電層10を設け、
下塗り層60を介して感光層20を設け、さらに固体の電荷
移動層30を設け、この上に一部対極導電層40または金属
リード11を有するものであり、対極側から光が入射する
構造となっている。
【0134】[3]光電池 本発明の光電池は、上記光電変換素子に外部負荷で仕事
をさせるようにしたものである。光電池のうち、電荷輸
送材料が主としてイオン輸送材料からなる場合を、特に
光電気化学電池と呼び、また、太陽光による発電を主目
的とする場合を太陽電池と呼ぶ。光電池は構成物の劣化
や内容物の揮散を防止するために、側面をポリマーや接
着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体および対
極にリードを介して接続される外部回路自体は公知のも
ので良い。本発明の光電変換素子を太陽電池に適用する
場合、そのセル内部の構造は基本的に上述した光電変換
素子の構造と同じである。また、本発明の色素増感型太
陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様
のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、
一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが
構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支
持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基
板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構
成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とす
ることも可能である。具体的には、スーパーストレート
タイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと
呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電
池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知ら
れており、本発明の色素増感型太陽電池も使用目的や使
用場所および環境により、適宜これらのモジュール構造
を選択できる。具体的には、特願平11-8457号に記載の
構造や態様とすることが好ましい。
【0135】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0136】(1)二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロンコーティングした内容積200mlのステ
ンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエロジル社 D
egussa P-25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社
製、Triton X-100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ
(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミ
ル(アイメックス社製)を用いて1500rpmにて2時間分
散した。分散物からジルコニアビーズをろ過して除い
た。この場合の二酸化チタンの平均粒径は2.5μmであっ
た。このときの粒径はMALVERN社製マスターサイザーに
て測定したものである。
【0137】(2)色素を吸着したTiO2電極の作製 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(旭硝子製TCOガラス-Uを20mm×20mmの大きさに
切断加工したもの)の導電面側にガラス棒を用いて上記
の分散液を塗布した。この際、導電面側の一部(端から
3mm)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着テー
プが両端に来るようにガラスを並べて一度に8枚ずつ塗
布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風
乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマト科学製マッ
フル炉FP-32型)に入れ、450℃にて30分間焼成し、TiO2
電極を得た。この電極を取り出し冷却した後、表1に示
す色素のメタノール溶液(いずれの色素も3×10-4mol/
L)に15時間浸漬した。色素の染着したTiO2電極を4-ter
t-ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗
浄し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の
厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2
した。なお、導電性ガラスの表面抵抗は約30Ω/□であ
った。
【0138】(3)光電気化学電池作製 上述のようにして作製した色増感されたTiO2電極基板
(20mm×20mm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと
重ね合わせた。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利
用して電解液(3-メトキシプロピオニトリルに電解質と
して1-メチル-3-ヘキシルイミダゾリウムのヨウ素塩0.6
5mol/Lおよびヨウ素0.05mol/Lを加えたもの)をしみ
こませ、TiO2電極中に導入し、光電気化学電池を得た。
本実施例により、導電性ガラス(ガラス上に透明導電剤
層が設層されたもの)、色素増感TiO2層、電荷移動層、
白金対極および ガラスを順に積層し、エポキシ系封止
剤で封止された光電池が作製された。
【0139】(4)光電変換効率の測定 光電変換効率は次のようにして測定した。500Wのキセノ
ンランプ(ウシオ製)の光を分光フィルター(Oriel社
製AM1.5)およびシャープカットフィルター(Kenko L-4
2)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発
生させた。この光の強度は86mW/cm2であった。作製した
光電気化学電池に模擬太陽光を照射し、発生した電気を
電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型)にて測定し
た。これにより求められた光電気化学電池の開放電圧
(V)を表1に記載した。
【0140】
【表1】
【化22】
【0141】公知の比較色素1を用いた比較例1に対
し、本発明の色素からなる実施例1〜9の光電変換素子
は、開放電圧が高いことがわかる。
【0142】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の金属錯体
色素を用いることによって、高い開放電圧を有する色素
増感光電変換素子が得られる。かかる光電変換素子から
なる光電池は太陽電池として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【符号の説明】
10・・・導電層 10a・・・透明導電層 11・・・金属リード 20・・・感光層 21・・・半導体微粒子 22・・・色素 23・・・電荷輸送材料 30・・・電荷移動層 40・・・対極導電層 40a・・・透明対極導電層 50・・・基板 50a・・・透明基板 60・・・下塗り層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素カチオンを含有する基を有する金属
    錯体色素によって増感された半導体微粒子を含むことを
    特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光電変換素子におい
    て、前記窒素カチオンを含有する基を有する金属錯体色
    素が、下記一般式(I): M(La)m1(Lb)m2(X)m3・CI ・・・(I) (Mは金属原子を表し、 Laは下記一般式(II): 【化1】 (ただし、Z1〜Z3は窒素カチオンを含有する基を表す。
    L1〜L3は連結基である。R1〜R3はそれぞれ独立にアルキ
    ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、
    ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アル
    コキシカルボニル基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リ
    ン酸基、珪酸基を表す。a1〜a3は0又は1であり、a1〜
    a3の合計は1〜3である。n1〜n3は0〜4の整数であ
    り、n1〜n3が2以上のときR1〜R3は同じでも異なっても
    よく、R1同士、R2同士、R3同士で互いに連結していても
    良い。l1は、0又は1であり、l1が0の場合、L2および
    R2の置換位置は該ピリジン環の窒素に隣接する炭素上で
    もあり得る。)により表される2座または3座の配位子
    であり、Lbは下記一般式(III): 【化2】 (ただし、Za、Zb、Zcはそれぞれ独立に5または6員環
    を形成しうる非金属原子群を表し、l2は0または1を表
    す。)により表される2座または3座の配位子であり、 Xは1座または2座配位子を表し、 CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イ
    オンを表し、 m1は1〜3の整数、m2は0〜2の整数、m3は0〜4の整
    数である。)により表されることを特徴とする光電変換
    素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光電変換素子におい
    て、前記一般式(II) で表される配位子中のZ1〜Z3が、
    下記一般式(IV-1)〜(IV-3): 【化3】 (ただし、R4〜R11はそれぞれ独立に水素、アルキル
    基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘ
    テロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アルコ
    キシカルボニル基、カルボン酸基、ホスホン酸基、リン
    酸基、珪酸基を表す。ただし、R4およびR6のいずれか1
    つ、R5およびR7のいずれか1つ、ならびにR8〜R11のい
    ずれか1つは、L1〜L3と連結するための2価基(単結
    合)となる。n4は1〜5の整数、n5は1〜3の整数で、
    n4、n5が2以上のときR4、R5は同じでも異なってもよ
    く、R4同士、R5同士で連結していても良い。Eは酸素、
    硫黄または−NR12−を表し、R12は置換基である。)の
    いずれかにより表されることを特徴とする光電変換素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の光電変換素子に
    おいて、前記一般式(II) で表される配位子中のL1〜L3
    が、炭素数1〜10のアルキレン鎖であることを特徴とす
    る光電変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記一般式(II) で表される配位子中
    のR1〜R3のいずれか1つは、カルボン酸基、ホスホン酸
    基、リン酸基または珪酸基であることを特徴とする光電
    変換素子。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記一般式(IV-1)〜(IV-3)におけるR4
    およびR6のいずれか1つ、R5およびR7のいずれか1つ、
    ならびにR8〜R11のいずれか1つは、カルボン酸基、ホ
    スホン酸基、リン酸基または珪酸基であることを特徴と
    する光電変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記一般式(I)におけるMがRuであるこ
    とを特徴とする光電変換素子。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記一般式(I)におけるXがNCSである
    ことを特徴とする光電変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8のいずれかに記載の光電変
    換素子において、前記一般式(I)におけるm1が2、m2が
    0、m3が2であることを特徴とする光電変換素子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の光電
    変換素子において、色素によって増感された半導体微粒
    子が、酸化チタン微粒子であることを特徴とする光電変
    換素子。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10に記載の光電変換素子
    を用いることを特徴とする光電池。
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