JP2002310793A - 高感度受光素子及びイメージセンサー - Google Patents

高感度受光素子及びイメージセンサー

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JP2002310793A
JP2002310793A JP2001110471A JP2001110471A JP2002310793A JP 2002310793 A JP2002310793 A JP 2002310793A JP 2001110471 A JP2001110471 A JP 2001110471A JP 2001110471 A JP2001110471 A JP 2001110471A JP 2002310793 A JP2002310793 A JP 2002310793A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度及び分光波長特性に優れた受光素子及び
色情報を識別できるイメージセンサーを提供する。 【解決手段】 本発明の受光素子は、導電層及び色素で
増感された半導体を含有する感光層をそれぞれ含む2つ
の半導体電極、並びにイオン伝導性電解質層を有し、2
つの半導体電極がイオン伝導性電解質層を挟んで感光層
を内側に対向していることを特徴とする。また本発明の
イメージセンサーは、該受光素子を単位とする画素を複
数配列させたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色素により増感さ
れた半導体電極を用いた受光素子に関するもので、特に
画像中の動く成分のみを選択的かつ即座に抽出すること
のできる受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微細加工技術と光リソグラフィー
の進歩によって画像情報の記録密度はますます向上する
傾向にある。しかし、現状の高感度センサー及び高密度
記録素子の開発は、大部分がシリコンを基板とする微細
加工技術であるため、記録密度が向上しても入力される
画像情報の処理は回路とソフトウエアの側が負担するこ
とになる。例えば、シリコンを主体とする固体素子に
は、次世代の画像処理システムに要求されるさまざまな
機能、すなわち動物の視覚が持つパターン認識や動きの
抽出といった情報の識別に必要な処理機能が備わってお
らず、視覚情報処理システムとして固体素子を働かせる
ためには、出力情報を処理するコンピューター側の負担
が大きくならざるを得ない。一方、光入力信号の変化を
直接電気信号に変換する機能を有する、いわゆる微分応
答型受光素子としては、透明電極/バクテリオロドプシ
ン薄膜/電解質/対極の構成(特開平3-205520号)、及
び透明電極/電解質/シリコン基板の構成からなる電気
化学セル(特開平11-37838号)が知られている。しかし
ながら、前者は感度が非常に低いことが最大の欠点であ
り、またタンパク質を用いているため、安定性において
も欠点を有する。後者の受光素子は、感度を改良するも
のであるが、シリコン基板を用いる故に、従来の光セン
サーと同様な以下のような欠点を持っている。第1にSi
ウエハの精密加工や蒸着が必要となりコストが高くなる
こと、第2にシリコンを用いると赤外光(熱線)に敏感
なために屋内の暗光源下では画像検出のS/N比が低下す
ることから赤外カットフィルターが必要となることであ
る。またいずれの受光素子においても、分光波長特性の
選択肢が小さいため、カラーセンサー用途には不向きで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感度
及び分光波長特性に優れた受光素子を提供することであ
る。さらには、色情報を識別できるイメージセンサーを
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、導電層及び色素で増感された半導
体を含有する感光層をそれぞれ含む2つの半導体電極
を、イオン伝導性電解質層を挟んで感光層を内側に対向
させることにより、感度及び分光波長特性に優れた受光
素子及び色情報を識別できるイメージセンサーが得られ
ることを発見し、本発明に想到した。
【0005】即ち、本発明の受光素子は導電層及び色素
で増感された半導体を含有する感光層をそれぞれ含む2
つの半導体電極、並びにイオン伝導性電解質層を有し、
2つの半導体電極がイオン伝導性電解質層を挟んで感光
層を内側にして対向していることを特徴とする。
【0006】上記本発明の受光素子において、2つの半
導体電極はそれぞれ異なる感光波長を有するのが好まし
く、異なる感光波長に基いて半導体電極が生ずる起電力
の差によって入射光の波長成分を検出することができ
る。本発明の受光素子において、イオン伝導性電解質は
レドックス種を含まないことが好ましい。半導体は金属
カルコゲニドであるのが好ましく、TiO2、ZnO、SnO 2
びWO3から選択される少なくとも一種の金属酸化物であ
るのがより好ましい。
【0007】また本発明のイメージセンサーは、上記受
光素子を単位とする画素を複数配列させてなる。
【0008】
【発明の実施の形態】[1] 受光素子 Nature(第353 巻、第737 〜740 頁、1991年)及び米国
特許4927721号等に色素増感された酸化物半導体を用い
た光電変換素子(以後、色素増感光電変換素子と略す)
が記載されている。この色素増感光電変換素子は導電性
支持体上の感光層(作用極)/電荷移動層/対極からな
り、感光層は表面に色素が吸着した半導体を含む。電荷
移動層は酸化還元体からなり、作用極で色素の光励起電
荷分離で生成した色素ホールへの電子供与及び対極側で
の電子受容を行い、作用極と対極との間での電荷輸送を
担うことにより、作用極と対極間の回路に定常的な電流
が流れる。このような受光素子では、光量変化に対応し
た光応答電流が出力されることになる。
【0009】これに対して、本発明の受光素子は、上記
色素増感光電変換素子と異なり、酸化還元体を含む電荷
移動層の代りに、色素ホールへの電子供与作用又は対極
からの電子受容作用の無い、あるいはいずれの作用も無
いイオン伝導性電解質を用い、さらに対向極として、作
用極と同様な色素増感された半導体電極を用いる。本発
明の受光素子の受光面に光が照射され一方の感光層中の
色素が励起されると、励起色素から電子が酸化物半導体
に注入され、電子は回路を通り、もう一方の色素半導体
電極(対極)側に移行する。その結果、色素が励起され
た感光層中には色素ホール(通常カチオン又はカチオン
ラジカル)が生成し、励起されなかった対極側は負に分
極した電荷分離状態が達成される。イオン伝導性電解質
中のアニオンとカチオンは、電荷分離状態を安定化する
ように、作用極側と対極側に分極し、両極に電気2重層
が形成される。光照射onでの電気2重層充電電流、及び
光照射offでの放電電流が、光強度に対して微分的な応
答を示す。一方、前述とは異なる側の感光層中の色素が
励起された場合には、前述と逆の極性に分極することか
ら、逆向きの電流応答が得られることになる。換言すれ
ば、本発明の受光素子は光を起電力とした電気2重層コ
ンデンサーといえる。
【0010】イオン伝導性電解質層を介し、色素増感さ
れた2つの半導体電極のどちらを光励起するかにより、
電流応答の極性が異なることから、入射光の色情報を得
ることができ、単一電気化学素子の形態で2つの感色性
を持つカラーセンサーとなる。この素子は、感光層が吸
収しなかった光を透過するので、さらに他の感色性の感
光層を含む受光素子を積層することにより、より広い波
長領域に感応するカラーセンサーを作ることが可能とな
る。例えば可視領域をカバーするカラーセンサーとする
ためには、緑色感光層と赤色感光層を含む本発明の受光
素子の入射光側に、青色感光層を含む半導体電極とイオ
ン伝導性電解質層と光透過性対極からなる受光素子を積
層するか、又は青色感光層と緑色感光層を含む本発明の
受光素子の入射光と反対側に赤色感光層を含む半導体電
極とイオン伝導性電解質層と光透過性対極からなる受光
素子を積層すればよい。
【0011】本発明の受光素子は、好ましくは図1に示
すように、導電層10、下塗り層50、感光層20、イオン伝
導性電解質層30、感光層20'、下塗り層50'及び導電層1
0'の順に積層し、感光層20及び20'を色素22によって増
感された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21の間の空
隙に浸透した電解質材料23とから構成する。この場合、
感光層20と20'は光吸収特性の異なる色素22により増感
されていることが好ましい。電解質材料23は、イオン伝
導性電解質層30に用いる材料と同じ成分からなる。また
受光素子に強度を付与するため、導電層10及び/又は1
0'の下地として、基板40及び/又は40'を設けてもよ
い。以下本発明では、導電層10、10'及び任意で設ける
基板40、40'からなる層を「導電性支持体」と呼ぶ。な
お、図1中の導電層10、10'及び基板40、40'は、それぞ
れ透明導電層10a、10a'及び透明基板40a、40a'であって
も良い。
【0012】(A)導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、又は(2)導電層及び
基板の2層からなる。(1)の場合は、導電層として強度
や密封性が十分に保たれるような材料が使用され、例え
ば金属材料(白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミ
ニウム、これらを含む合金等)を用いることができる。
(2)の場合は、感光層側に導電剤を含む導電層を有する
基板を使用することができる。好ましい導電剤として
は、金属(例えば白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、ア
ルミニウム、インジウム、これらを含む合金等)、炭
素、及び導電性金属酸化物(インジウム‐スズ複合酸化
物、酸化スズにフッ素又はアンチモンをドープしたもの
等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜10μm程度が好
ましい。
【0013】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましくは表面抵抗の範囲が50Ω/□以下であり、さらに
好ましくは20Ω/□以下である。
【0014】導電性支持体側から光を照射するため、導
電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。実質的
に透明であるとは、可視〜近赤外領域(400〜1200nm)の
光の一部又は全域において透過率が10%以上であること
を意味し、50%以上であるのが好ましく、80%以上がよ
り好ましい。特に、感光層が感度を有する波長域の透過
率が高いことが好ましい。
【0015】透明導電性支持体は、ガラス又はプラスチ
ック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物からなる透
明導電層を塗布又は蒸着等により形成したものが好まし
い。透明導電層は、好ましくはフッ素もしくはアンチモ
ンをドーピングした二酸化スズ又はインジウム‐スズ酸
化物(ITO)である。透明基板には低コストと強度の点で
有利なソーダガラス、アルカリ溶出の影響のない無アル
カリガラスなどのガラス基板のほか、透明ポリマーフィ
ルムを用いることができる。透明ポリマーフィルムの材
料は、例えばトリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポリフ
ェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポ
リアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステ
ルスルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイ
ミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ
等がある。十分な透明性を確保するために、導電性金属
酸化物の塗布量はガラス又はプラスチックの支持体1m2
当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0016】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は白
金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀等が
好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、スパッタリン
グ等で設置し、その上に導電性の酸化スズ、ITO膜等か
らなる透明導電層を設けるのが好ましい。金属リード設
置による入射光量の低下は、好ましくは10%以内、より
好ましくは1〜5%とする。
【0017】(B)感光層 感光層において、半導体は感光体として作用し、光を吸
収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる。色素増感
された半導体では、光吸収及びこれによる電子及び正孔
の発生は主として色素において起こり、半導体微粒子は
この電子(又は正孔)を受け取り、伝達する役割を担う。
本発明で用いる半導体は、光励起下で伝導体電子がキャ
リアーとなり、アノード電流を与えるn型半導体である
ことが好ましい。
【0018】(1)半導体 半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体
半導体、III-V族系化合物半導体、金属のカルコゲニド
(酸化物、硫化物、セレン化物、それらの複合物等)、ペ
ロブスカイト構造を有する化合物(チタン酸ストロンチ
ウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタ
ン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用すること
ができる。中でも金属カルコゲニドが好ましい。
【0019】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ又はタンタ
ルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン又
はビスマスの硫化物、カドミウム又は鉛のセレン化物、
カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の化合物半
導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム
等のリン化物、ガリウム−ヒ素又は銅−インジウムのセ
レン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられる。さ
らには、MxOySz又はM1xM2yOz (M、M1及びM2はそれぞれ
金属元素、Oは酸素、x、y、zは価数が中性になる組み合
わせの数)のような複合物も好ましく用いることができ
る。
【0020】本発明に用いる半導体は、好ましくはSi、
TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、ZnS、Pb
S、Bi2S3、CdSe、CdTe、SrTiO3、GaP、InP、GaAs、CuIn
S2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、ZnO、Sn
O2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、SrTiO3、In
P、GaAs、CuInS2又はCuInSe2であり、特に好ましくはTi
O2又はNb2O5であり、最も好ましくはTiO2である。TiO2
はアナターゼ型結晶を70%以上含むTiO2が好ましく、特
に好ましくは100%アナターゼ型結晶のTiO2である。ま
た、これらの半導体中の電子電導性を上げる目的で金属
をドープすることも有効である。ドープする金属として
は2又は3価の金属が好ましい。半導体からイオン伝導
性電解質層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、半導
体に1価の金属をドープすることも有効である。
【0021】本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶
でもよいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイ
バックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体
微粒子からなる多孔質膜が特に好ましい。また、一部ア
モルファス部分を含んでいてもよい。
【0022】半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオ
ーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径か
ら求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるのが好
ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中の半
導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜30μmが好ま
しい。粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合して
もよく、この場合小さい粒子の平均サイズは25nm以下で
あるのが好ましく、より好ましくは10nm以下である。入
射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の
大きな、例えば100〜300nm程度の半導体粒子を混合する
ことも好ましい。
【0023】種類の異なる2種以上の半導体微粒子を混
合して用いてもよい。2種以上の半導体微粒子を混合し
て使用する場合、一方はTiO2、ZnO、Nb2O5又はSrTiO3
あることが好ましい。また他方はSnO2、Fe2O3又はWO3
あることが好ましい。さらに好ましい組み合わせとして
は、ZnOとSnO2、ZnOとWO3、ZnOとSnO2とWO3等の組み合
わせを挙げることができる。2種以上の半導体微粒子を
混合して用いる場合、それぞれの粒径が異なっていても
良い。特にTiO2、ZnO、Nb2O5又はSrTiO3の粒径が大き
く、SnO2、Fe2O3又はWO3が小さい組み合わせが好まし
い。好ましくは大きい粒径の粒子を100nm以上で、小さ
い粒径の粒子を15nm以下とする。
【0024】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技術
情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の「新
合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイズ形
態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018頁(1
996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDegussa
社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により
酸化物を作製する方法も好ましい。
【0025】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記
載の硫酸法及び塩素法を用いることもできる。さらにゾ
ル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル・オブ・アメ
リカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,
3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、Burnsideらのケ
ミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,24
19〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0026】(2) 半導体微粒子層 半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体
微粒子の分散液又はコロイド溶液を導電性支持体上に塗
布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法等を使用するこ
ともできる。受光素子の量産化、半導体微粒子液の物
性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製
膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法は、塗布
法、印刷法、電解析出法及び電着法が代表的である。ま
た、金属を酸化する方法、金属溶液から配位子交換等で
液相にて析出させる方法(LPD法)、スパッタ等で蒸着す
る方法、CVD法、あるいは加温した基板上に熱分解する
金属酸化物プレカーサーを吹き付けて金属酸化物を形成
するSPD法を利用することもできる。
【0027】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、又は半導
体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのま
ま使用する方法等が挙げられる。
【0028】分散媒としては、水又は各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、シトロネロール、ターピネオール、ジクロロメタ
ン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げ
られる。分散の際、必要に応じて例えばポリエチレング
リコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、キ
レート剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリエチレ
ングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘度が
調節可能となり、さらに剥がれにくい半導体層を形成し
たり、半導体層の空隙率をコントロールしたりできるの
で、ポリエチレングリコールを添加することは好まし
い。
【0029】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法、アプリケーションとメータ
リングを同一部分にできるものとして、特公昭58-4589
号に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294
号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライドホッ
パー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好まし
い。また汎用機としてスピン法又はスプレー法も好まし
い。湿式印刷方法としては、凸版、オフセット及びグラ
ビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン
印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット
厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0030】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。
【0031】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど、単位投影面積当たりの担持
色素量が増えるため光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。光電池に用いる場合、半導体微粒
子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好
ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.5
〜100gが好ましく、3〜50gがより好ましい。
【0032】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、半導体微粒子層を加熱処理するのが好ましい。好ま
しい加熱温度の範囲は40〜700℃であり、より好ましく
は100〜600℃である。また加熱時間は10分〜10時間程度
である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い
支持体を用いる場合、加熱処理は支持体の劣化を招くた
め好ましくない。またコストの観点からもできる限り低
温(例えば50〜350℃)で処理するのが好ましい。低温化
は5nm以下の小さい半導体微粒子や鉱酸、金属酸化物プ
レカーサーの存在下での加熱処理等により可能となり、
また、紫外線、赤外線、マイクロ波等の照射や電界、超
音波を印加することにより行うこともできる。同時に不
要な有機物等を除去するために、上記の照射や印加のほ
か加熱、減圧、酸素プラズマ処理、純水洗浄、溶剤洗
浄、ガス洗浄等を適宜組み合わせて併用することが好ま
しい。
【0033】加熱処理後、半導体微粒子の表面積を増大
させ、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導体
微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化
チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水
溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。ま
た、半導体微粒子からイオン伝導性電解質層へ逆電流が
流れるのを防止する目的で、粒子表面に色素以外の電子
伝導性の低い有機物を吸着させることも有効である。吸
着させる有機物としては疎水性基を持つものが好まし
い。
【0034】半導体微粒子層は、多くの色素を吸着する
ことができるように大きい表面積を有することが好まし
い。半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表
面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好まし
く、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は
特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0035】(3) 色素 感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収を
有し、半導体を増感しうる化合物なら任意に用いること
ができ、有機金属錯体色素、メチン色素、ポルフィリン
系色素又はフタロシアニン系色素が好ましく、有機金属
錯体色素がより好ましい。また光電変換の波長域をでき
るだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上
の色素を併用又は混合して使用するのが好ましい。この
場合、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるよ
うに、併用又は混合する色素とその割合を選ぶことがで
きる。
【0036】こうした色素は半導体微粒子の表面に対し
て吸着能力の有る適当な結合基(interlocking group)を
有しているのが好ましい。好ましい結合基としては、CO
OH基、OH基、SO3H基、-P(O)(OH)2基及び-OP(O)(OH)2
のような酸性基、並びにオキシム、ジオキシム、ヒドロ
キシキノリン、サリチレート及びα-ケトエノレート等
のπ伝導性を有するキレート化基が挙げられる。なかで
もCOOH基、-P(O)(OH)2基及び-OP(O)(OH)2基が特に好ま
しい。これらの基はアルカリ金属等と塩を形成していて
もよく、また分子内塩を形成していてもよい。またポリ
メチン色素の場合、メチン鎖がスクアリリウム環やクロ
コニウム環を形成する場合のように酸性基を含有するな
ら、この部分を結合基としてもよい。
【0037】以下、感光層に用いる好ましい増感色素を
具体的に説明する。 (a) 有機金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合は、金属フタロシアニン
色素、金属ポルフィリン色素又はルテニウム錯体色素が
好ましく、ルテニウム錯体色素がより好ましい。ルテニ
ウム錯体色素の例としては、米国特許4927721号、同468
4537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5
525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512号、WO9
8/50393号、特開2000-26487号等に記載の錯体色素が挙
げられる。
【0038】さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素
は下記一般式(I): (A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I) により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1は1又
は2座の配位子を表し、好ましくはCl、SCN、H2O、Br、
I、CN、NCO、SeCN、β−ジケトン誘導体、シュウ酸誘導
体及びジチオカルバミン酸の誘導体からなる群から選ば
れた配位子である。pは0〜3の整数である。B-a、B-b
及びB-cはそれぞれ独立に下記式B-1〜B-10:
【化1】 (ただし、R11は水素原子又は置換基を表し、該置換基の
例としてはハロゲン原子、炭素原子数1〜12の置換又は
無置換のアルキル基、炭素原子数7〜12の置換又は無置
換のアラルキル基、炭素原子数6〜12の置換又は無置換
のアリール基、前述の酸性基(これらの酸性基は塩を形
成していてもよい)及びキレート化基が挙げられ、アル
キル基及びアラルキル基のアルキル部分は直鎖状でも分
岐状でもよく、またアリール基及びアラルキル基のアリ
ール部分は単環でも多環(縮合環、環集合)でもよい。)
により表される化合物から選ばれた有機配位子を表す。
B-a、B-b及びB-cは同一でも異なっていてもよく、いず
れか1つ又は2つでもよい。
【0039】有機金属錯体色素の好ましい具体例を以下
に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
【化2】
【0041】
【化3】
【0042】(b)メチン色素 本発明に使用する色素の好ましいメチン色素は、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等のポ
リメチン色素である。本発明で好ましく用いられるポリ
メチン色素の例としては、特開平11-35836号、特開平11
-67285号、特開平11-86916号、特開平11-97725号、特開
平11-158395号、特開平11-163378号、特開平11-214730
号、特開平11-214731号、特開平11-238905号、特開2000
-26487号、欧州特許892411号、同911841号及び同991092
号の各明細書に記載の色素が挙げられる。好ましいメチ
ン色素の具体例を下に示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】(4)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子膜への色素の吸着は、色素の溶液中によく
乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸漬す
るか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法を用
いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ法、
ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。浸漬法
の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7-
249790号に記載されているように加熱還流して行っても
よい。また後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法、
スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン
法、スピン法、スプレー法等がある。色素を溶解する溶
媒として好ましくは、アルコール類(メタノール、エタ
ノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニト
リル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキ
シプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭
化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、
アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セタミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミ
ダゾリジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類
(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジ
エチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類
(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水
素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)及
びこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0046】色素の全吸着量は、多孔質半導体電極基板
の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmolとするのが好
ましい。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半
導体微粒子1g当たり0.01〜1mmolの範囲であるのが好
ましい。このような色素の吸着量とすることにより半導
体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色
素が少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が
多すぎると半導体に付着していない色素が浮遊し、増感
効果を低減させる原因となる。色素の吸着量を増大させ
るためには、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加
熱処理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避ける
ため、常温に戻さずに、半導体電極基板の温度が60〜15
0℃の間で素早く色素の吸着操作を行うのが好ましい。
また、色素間の凝集などの相互作用を低減する目的で、
無色の化合物を色素に添加し、半導体微粒子に共吸着さ
せてもよい。この目的で有効な化合物は界面活性な性
質、構造をもった化合物であり、例えばカルボキシル基
を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコール
酸)又は下記の例のようなスルホン酸塩類が挙げられ
る。
【0047】
【化6】
【0048】未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄によ
り除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽を使い、ア
セトニトリル等の極性溶剤、アルコール系溶剤のような
有機溶媒を用いるのが好ましい。色素を吸着した後にア
ミン類や4級塩を用いて半導体微粒子の表面を処理して
もよい。該アミン類は好ましくはピリジン、4-t-ブチル
ピリジン、ポリビニルピリジン等であり、4級塩は好ま
しくはテトロブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキ
シルアンモニウムヨージド等ある。これらが液体の場合
はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いて
もよい。
【0049】(C)イオン伝導性電解質層 イオン伝導性電解質層に用いる電解質は、イオン伝導性
材料であれば特に限定されるものではなく、従来公知の
電解質であれば何れを用いてもよい。電解質中に含まれ
るイオンの種類は特に限定されないが、作動電圧(素子
に使用する材料や構成により変化するが通常1V以下)
において酸化も還元も受けず、電子伝導性の無い安定な
ものが好ましい。本発明で用いることのできる代表的な
電解質の例としては、イオンが溶解した溶液(電解
液)、電解液をポリマーマトリクスのゲルに含浸したい
わゆるゲル電解質、溶融塩電解質、ポリマー電解質や無
機固体電解質(伝導性のイオン結晶など)等の固体電解
質が挙げられる。
【0050】(1)溶融塩電解質 溶融塩電解質とは、室温において液状であるか、又は低
融点の塩であり、例えばWO95/18456号、特開平8-259543
号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記
載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリ
アゾリウム塩等の既知の電解質を挙げることができる。
溶融塩の融点は100℃以下であるのが好ましく、室温付
近において液状となるが特に好ましい。
【0051】本発明では、下記一般式(Y-a)、(Y-b)
及び(Y-c):
【化7】 のいずれかにより表される溶融塩が好ましく使用でき
る。
【0052】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。Qy 1が形成する5員環は、
オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラ
ゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オ
キサジアゾール環、トリアゾール環、インドール環又は
ピロール環であるのが好ましく、オキサゾール環、チア
ゾール環又はイミダゾール環であるのがより好ましく、
オキサゾール環又はイミダゾール環であるのが特に好ま
しい。Qy1が形成する6員環は、ピリジン環、ピリミジ
ン環、ピリダジン環、ピラジン環又はトリアジン環であ
るのが好ましく、ピリジン環であるのが特に好ましい。
【0053】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0054】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のX
-はアニオンを表し、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-、I
-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3C
F2SO2)2N-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4B-、(CF3S
O2)3C-等が好ましい例として挙げられ、SCN-、CF3S
O3 -、CF3COO-、(CF3SO2)2N-又はBF4 -であるのがより好
ましい。
【0055】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のRy1
〜Ry11はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24であり、直鎖状であって
も分岐状であっても、また環式であってもよく、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル
基、t-オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシ
ル基、2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘ
キシル基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置
換のアルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24であ
り、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばビ
ニル基、アリル基等)を表す。より好ましくは炭素原子
数2〜18のアルキル基又は炭素原子数2〜18のアルケニ
ル基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキ
ル基である。
【0056】また、一般式(Y-b)中のRy2〜Ry5のうち
2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成
してもよく、一般式(Y-c)中のRy6〜Ry11のうち2つ以
上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0057】上記Qy1及びRy1〜Ry11は置換基を有してい
てもよい。好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子
(F、Cl、Br、I等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキ
シ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエト
キシエトキシ基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基
等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基
等)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基
等)、炭酸エステル基(エトキシカルボニルオキシ基
等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾ
イル基等)、スルホニル基(メタンスルホニル基、ベン
ゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ
基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルオキシ基(メ
タンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基
等)、ホスホニル基(ジエチルホスホニル基等)、アミ
ド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カ
ルバモイル基(N,N-ジメチルカルバモイル基等)、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-カルボキシエチ
ル基、ベンジル基等)、アリール基(フェニル基、トル
イル基等)、複素環基(ピリジル基、イミダゾリル基、
フラニル基等)、アルケニル基(ビニル基、1-プロペニ
ル基等)、シリル基、シリルオキシ基等が挙げられる。
【0058】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)によ
り表される溶融塩は、Qy1又はRy1〜R y11を介して多量体
を形成してもよい。
【0059】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよい。また、LiIやCF3COOL
i、CF3COONa、LiSCN、NaSCN等のアルカリ金属塩を添加
することもできる。アルカリ金属塩の添加量は、0.02〜
2質量%程度であるのが好ましく、0.1〜1質量%がさ
らに好ましい。
【0060】本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0061】
【化8】
【0062】
【化9】
【0063】
【化10】
【0064】
【化11】
【0065】
【化12】
【0066】
【化13】
【0067】上記溶融塩電解質は常温で溶融状態である
のが好ましく、これを含有する組成物には溶媒を用いな
い方が好ましい。後述する溶媒を添加しても構わない
が、溶融塩の含有量は電解質組成物全体に対して50質量
%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのが特
に好ましい。
【0068】(2)電解液 イオン伝導性電解質層に電解液を使用する場合、電解液
は電解質塩、溶媒、及び添加物から構成されることが好
ましい。
【0069】電解質塩は、溶媒に溶解し、電離するもの
であれば、特に限定されない。具体的には、前記(1) 溶
融塩電解質で例示したような有機カチオンあるいは金属
カチオン(Li+、K+、Na+、Ce2+など)と一般式(Y-
a)、(Y-b)、(Y-c)のアニオンX-を組み合わせた電
解質塩が好ましい例として挙げられる。
【0070】電解質に使用する溶媒は、粘度が低くイオ
ン移動度を向上したり、もしくは誘電率が高く有効キャ
リアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発
現できる化合物であることが望ましい。このような溶媒
としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート等のカーボネート化合物、3-メチル-2-オキサゾリ
ジノン等の複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキル
エーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、
ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル
類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノ
アルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキル
エーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等
のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトニト
リル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、
プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合
物、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン
極性物質、水等が挙げられ、これらを混合して用いるこ
ともできる。
【0071】(3)ゲル電解質 本発明では、電解質はポリマー添加、オイルゲル化剤添
加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応
等の手法により、前述の溶融塩電解質や電解液をゲル化
(固体化)させて使用することもできる。ポリマー添加
によりゲル化させる場合は、“Polymer Electrolyte Re
views-1及び2”(J.R.MacCallumとC.A.Vincentの共
編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物を
使用することができるが、特にポリアクリロニトリル及
びポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することができ
る。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合はJ. C
hemSoc. Japan, Ind. Chem.Sec., 46,779(1943), J. A
m. Chem. Soc., 111,5542(1989), J. Chem. Soc., Che
m. Commun., 1993, 390, Angew. Chem. Int. Ed. Eng
l., 35,1949(1996), Chem. Lett., 1996, 885, J. Chm.
Soc., Chem. Commun., 1997,545に記載されている化合
物を使用することができるが、好ましい化合物は分子構
造中にアミド構造を有する化合物である。電解液をゲル
化した例は特開平11-185863号に、溶融塩電解質をゲル
化した例は特開2000-58140号に記載されており、これら
も本発明にも適用できる。
【0072】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マー及び架橋剤を併用することが望ましい。この場合、
好ましい架橋可能な反応性基は、アミノ基、含窒素複素
環(ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキ
サゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジ
ン環、ピペラジン環等)等であり、好ましい架橋剤は、
窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬
(ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホ
ン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネー
ト、α、β-不飽和スルホニル基、α、β-不飽和カルボ
ニル基、α、β-不飽和ニトリル基等)であり、特開200
0-17076号、同2000-86724号に記載されている架橋技術
も適用できる。
【0073】(4)高分子固体電解質 高分子化合物としては、高分子化合物自体が電解質塩を
溶解してイオン伝導性を示すもの、或いは、高分子化合
物自体は電解質を溶解できないものであっても電解質を
溶解することができる溶媒を用いて、高分子化合物がイ
オン伝導性を示すようになるものを用いることができ
る。
【0074】前者の高分子化合物の例としては、ポリエ
チレングリコール、主鎖にポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリビニルアルコール、ポリフォスファゼン、ポリ
シラン等、及びそれらの共重合体等で、側鎖にポリオキ
シエチレン構造を有する高分子化合物等を用いることが
できる。これらの電解質を溶解できる高分子化合物であ
っても、前述の電解質塩を溶解することができる溶媒を
併用することができる。
【0075】これに対して、後者の高分子化合物の例と
しては、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリ
レート及びそれらの共重合体等を用いることができる。
なお、上述の高分子化合物は、架橋構造を有するもので
あっても良い。
【0076】(5)電解質中の添加物 また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc.,80 (12)3157-3
171(1997)に記載されているようなtert-ブチルピリジ
ン、2-ピコリン、2,6-ルチジン等の塩基性化合物を前述
の溶融塩電解質又は電解液に添加することが好ましい。
塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05
M〜2Mである。
【0077】(6)イオン伝導性電解質層の形成 イオン伝導性電解質層の形成方法に関しては2通りの方
法が考えられる。1つは感光層の上に先に対極を貼り合
わせておき、その間隙に液状の電解質を挟み込む方法で
ある。もう1つは感光層上に直接、電解質を付与する方
法で、対極はその後付与することになる。
【0078】前者の方法の場合、電解質の挟み込み方法
として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセ
ス、又は常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置
換する真空プロセスを利用できる。
【0079】後者の方法の場合、湿式のイオン伝導性電
解質層においては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部
の液漏洩防止措置を施すことになる。またゲル電解質の
場合には湿式で塗布して重合等の方法により固体化する
方法があり、その場合には乾燥、固定化した後に対極を
付与することもできる。
【0080】固体電解質の場合には真空蒸着法やCVD法
等のドライ成膜処理でイオン伝導性電解質層を形成し、
その後対極を付与することもできる。
【0081】(D)下塗り層 対極と導電性支持体の短絡を防止するため、導電性支持
体と感光層の間には、緻密な半導体の薄膜層を下塗り層
として予め塗設しておくことが好ましい。この下塗り層
による短絡を防止する方法は、イオン伝導性電解質層に
電子輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合は特に有効で
ある。下塗り層は好ましくはTiO2、SnO2、Fe2O3、WO3
ZnO又はNb2O5からなり、さらに好ましくはTiO2からな
る。下塗り層は、例えばElectrochim. Acta 40, 643-65
2(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の
他、スパッタ法等により塗設することができる。下塗り
層の好ましい膜厚は5〜1000nmであり、10〜500nmがさら
に好ましい。
【0082】(E)受光素子の内部構造の具体例 上述のように、受光素子の内部構造は目的に合わせ様々
な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面から
光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造が可
能である。図2〜図6に本発明に好ましく適用できる受
光素子の内部構造を例示する。
【0083】図2は、透明導電層10aと10a'との間に、
感光層20と20'及びイオン伝導性電解質層30とを介在さ
せたものであり、両面から光が入射する構造となってい
る。図3は、透明基板40a上に一部金属リード11を設
け、さらに透明導電層10aを設け、下塗り層50、感光層2
0、イオン伝導性電解質層30、感光層20'、下塗り層5
0'、及び導電層10'をこの順で設け、さらに支持基板40'
を配置したものであり、透明基板40a側から光が入射す
る構造となっている。図4は、図3の基板40'と導電層1
0'を透明基板40a'と透明導電層10a'に換え、さらに、透
明基板40a'上、透明導電層10a'内に、一部金属リード11
を設けたものであり、両面から光が入射する構造であ
る。図5は、図4の下塗り層50,50'と金属リードを取り
除いたものであり、同じく両面から光が入射する構造で
ある。図6は、図5の透明基板40a'と透明導電層10a'を
基板40'と導電層10'に換えたものであり、基板40a側か
ら光が入射する構造である。
【0084】[2] 積層型カラーセンサー 本発明の受光素子をカラーセンサーとして応用した例に
ついて述べる。これは、[1]で述べた本発明の受光素子
の構成を複数、又は、本発明の受光素子の構成に本発明
の受光素子構成の一方の感光層を対極とした素子構成を
組み合わせて、光の入射方向に積層した新規な層構成を
有するものである。この場合、各感光層の感光波長領域
が異なることが好ましい。
【0085】本発明の受光素子を用いたカラー光センサ
ーは、感光波長領域の異なる複数の半導体電極と、イオ
ン伝導性電解質層とを有し、また、場合によっては対極
を有し、上記感光波長領域の異なる複数の半導体電極又
は対極は相互に間隙を設けて積層され、各半導体電極間
又は対極との間隙にはイオン伝導性電解質層が充填され
ている。それぞれの層の境界では、各層の構成成分同士
が相互に拡散混合していてもよい。
【0086】ここで用いる半導体電極及びイオン伝導性
電解質層は、前述[1]で述べたものと同様のものを用い
ることができる。
【0087】ここで用いる対極は上記の導電性支持体と
同様に、導電性材料からなる対極導電層の単層構造でも
よいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよ
い。対極導電層に用いる導電材としては、金属(白金、
金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム
等)、炭素、又は導電性金属酸化物(インジウム−スズ複
合酸化物、フッ素ドープ酸化スズ等)が挙げられる。こ
の中でも白金、金、銀、銅、アルミニウム又はマグネシ
ウムを対極層として好ましく使用することができる。対
極の好ましい支持基板の例は、ガラス又はプラスチック
であり、これに上記の導電剤を塗布又は蒸着して用い
る。対極導電層の厚さは特に制限されないが、3〜10 n
mが好ましい。対極層の表面抵抗は低い程よい。好まし
い表面抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、さらに
好ましくは20Ω/□以下である。
【0088】対極は、イオン伝導性電解質層上に直接導
電材を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、導電層
を有する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導
電性支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合に
は、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが
好ましい。なお、好ましい金属リードの材質及び設置方
法、金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支
持体の場合と同じである。
【0089】また、設置される環境に応じて、電極とし
て作用する導電性支持体と対極の一方又は両方の外側表
面、導電層と基板の間又は基板の中間に、保護層、反射
防止層等の機能性層を設けても良い。これらの機能性層
の形成には、その材質に応じて塗布法、蒸着法、貼り付
け法等を用いることができる。対極は、感光波長領域の
異なる半導体電極に対応して複数設けても良いし、複数
の半導体電極に共通する共通対極を1層のみ設けてもよ
い。後者の場合、上記複数の半導体電極のすべてがイオ
ン伝導性電解質層を介して対極と電気的に接触している
必要があるため、半導体電極及び/又は対極に電荷移動
用のリーク孔を設ける。
【0090】上記のカラー光センサーの構成に加えて、
機械的強度を付与するため、必要に応じて導電層及び/
又は対極に支持体を設けてもよい。支持体の片面にのみ
半導体電極(対極)を設けても良いし、支持体の両面に
それぞれ感光波長領域の異なる2層の半導体電極(対
極)を設けても良い。
【0091】本発明においては、感光波長領域の異なる
複数の半導体電極のすべての感光層に光を到達させる必
要があるため、前述の光入射側の半導体感光層(たとえ
ば青色感光層)を担持した導電層(及び必要に応じて用
いるその支持体)が実質的に光学的に透明でなければな
らない。また、その他の色素増感半導体感光層を担持す
る導電層や支持体も同様に透明であり、上層の感光層を
透過した光が導電層を透過し下層の感光層に至る状況が
満足されていなければならない。ただし、最下層の感光
層の導電層及びその支持体は、その下層に感光層が配置
していない場合は、不透明であってもよい。同様に、最
下層が対極である場合は、対極及びその支持体は不透明
であってよい。
【0092】カラー光センサーの分光性を向上するため
には、各半導体電極がシャープな分光波長特性を有する
ことが好ましく、半導体電極のうち少なくとも1層は、
色素を吸着した半導体微粒子を感光層に含有することが
好ましい。具体的には、青色(B)、緑色(G)、赤色
(R)の3色の波長領域にそれぞれ独立に強い吸収を持
った色素増感半導体電極を設けることが好ましい。な
お、色素を吸着しない半導体電極とする場合、半導体層
には可視光波長領域に光学吸収を持つ半導体が用いら
れ、このような半導体としては、例えばCdS,CdSe,GaA
s、GaP,Si等の半導体が有効である。
【0093】また、感光波長領域の異なる半導体感光層
が積層された構造において、光入射側に最も近い感光層
から最も遠い感光層向かって、感光波長が長波長となる
順序で配置することが好ましい。また、半導体感光層が
青色感光層(B層)、緑色感光層(G層)、赤色感光層
(R層)の3層からなる場合、光入射側から順次、B層、
G層、R層の順で配置されていることが好ましい。この場
合、B層と対極及びG層とR層がそれぞれイオン伝導性電
解質を介する構成であっても、B層とG層及びR層と対極
がそれぞれイオン伝導性電解質を介する構成であっても
よい。
【0094】本発明の受光素子の内部構造は、たとえ
ば、図7〜図9に示すように目的に合わせ様々な形態が
可能である。
【0095】図7は本発明に基づいたもっとも単純な構
成の例であり、3層の半導体電極と、1層の対極を用い
た構成の例である。第1の透明基板40aの下面に透明な
青色感光層20Bを設け、第2の透明基板40a'上面に透明
な緑色感光層20Gを設けるとともに下面に赤色感光層20R
を設け、第3の基板40の上面に対極60を設け、上記青色
感光層20Bと緑色感光層20Gとの間及び、赤色感光層20R
と対極60との間にそれぞれイオン伝導性電解質層30と3
0’を充填した構成からなる。ここで光は、青色感光層2
0B側から入射して、青色感光層20Bを一部透過して緑色
感光層20Gへ、次いで赤色感光層20Rへと到達する。
【0096】図8は、図7の対極を中間に配した例であ
り、第1の透明基板40aの下面に透明な青色感光層20Bを
設け、第2の透明基板40a'の上面に透明対極60aを設け
るとともに下面に透明な緑色感光層20Gを設け、第3の
基板40上に赤色感光層20Rを設け、上記青色感光層20Bと
透明対極60aとの間、緑色感光層20Gと赤色感光層20Rと
の間にそれぞれイオン伝導性電解質層30と30’を充填し
た構成からなる。
【0097】また、図9のように、透明基板40aから40
a'までの素子と40a''と40a'''までの素子を組み立て、
透明基板40a'と40a''を接着して積層型素子とすること
もできる。
【0098】尚、本発明の受光素子を用いた光電変換型
カラー光センサーの内部構造は、図7と図8に限定され
るものではなく、例えば積層順序を入れ替えたり、2層
あるいは4層以上の半導体電極を用いた構成にすること
もできる。
【0099】上記のような構成のカラー光センサーは、
感光波長領域の異なる半導体電極において、各感光波長
領域の光の強度に応じた光電流が電解質を挟んで対向す
る電極間で生じる。これを外部回路によって検知するこ
とにより、入射光の色(波長)とその強度をセンシング
することができる。
【0100】感光波長域の異なる半導体電極を素子に用
いることにより、それぞれ異なる波長の光に対して上記
の光電流を観測できるので、カラー光センサーとして機
能することができる。
【0101】異なる感光波長領域を有する複数の半導体
電極を積層させた上記のカラー光センサーをひとつの画
素として、これを二次元的に複数個配列させることによ
り、カラーのイメージセンサーを形成することができ
る。これにより、二次元の画像情報を電気信号として得
ることができる。
【0102】イメージセンサーは、これを構成する画
素、すなわち単位となるカラー光センサーを小さくし、
その数を多くすることにより、画像の空間分解能を向上
させることができ、大面積化を実現できる。イメージセ
ンサーの構成においては、全ての画素の対極をひとつの
共通対極とすることもできる。
【0103】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0104】実施例1.微分応答型受光素子 1-1 二酸化チタン分散液の調製 内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積20
0mlのステンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエ
ロジル社 Degussa P-25)15g、水45g、分散剤(アル
ドリッチ社製、Triton X-100)1g、直径0.5mmのジル
コニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグ
ラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpm
にて2時間分散した。分散物からジルコニアビーズをろ
過して除いた。この場合の二酸化チタンの平均粒径は25
nmであった。このときの粒径はMALVERN社製マスターサ
イザーにて測定したものである。
【0105】1-2 色素を吸着したTiO2電極(電極A)の
作成 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(旭硝子製TCOガラスを20mm×100mmの大きさに切
断加工したもの)の導電面側にガラス棒を用いて上記の
分散液を塗布した。この際導電面側の一部(端から3m
m)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着テープ
が両端に来るように塗布した。塗布後、粘着テープを剥
離し、室温で1日間風乾した。次に、このガラスを20mm
×15mmに裁断し、図10(a)のようにTiO2面を削り、導電
面を露出させた。このガラスを電気炉(ヤマト科学製マ
ッフル炉FP-32型)に入れ、450℃にて30分間焼成した。
このガラスを取り出し冷却した後、青色吸収色素(DB-1)
のエタノール(19ml)/ジメチルスルホキシド(1ml)溶液
(3×10-4mol/L)に3時間浸漬し、エタノールで洗浄
し自然乾燥させ、色素吸着TiO2層400を有する青色感光
性半導体(BE-1)を作成した。緑色吸収色素(DG-1)、赤色
吸収色素(DR-1)を用いる他は同様にして、緑色感光性半
導体(GE-1)、赤色感光性半導体(RE-1)を作成した。また
DB-1、DG-1及びDR-1の各色素の構造を以下に示す。
【0106】
【化14】
【0107】1-3 受光素子の作成 上述のようにして作成したTiO2電極基板BG-1の導電性面
に、図10(b)に示すように、スペーサー500として熱収縮
性樹脂シート(デュポン社製、商品名FUSABONDO)を熱
融着した。次に、スペーサーを熱融着したGE-1と上記で
作成したBE-1を図10(c)に示すようにTiO2面が重なって
対向するように重ね合わせ、圧力をかけながら熱融着し
た。この青色感光性半導体(BE-1)600と緑色感光性半導
体(GE-1)700の間隙に、スペーサー500に設けた4隅の注
入口510から表1に示した電解質E-101を注入した。注入
後、4隅の注入口をエポキシ樹脂で塞ぎ、本発明の受光
素子BG-101を作成した。表1に示した、色素増感半導体
電極の感光性半導体と電解質を換えた他の素子BG-102〜
104、GR-101〜104も同様の方法で作成した。
【0108】
【表1】
【0109】1-4.受光素子の光-電流応答測定 上述のようにして作成した受光素子(BG-101)の青色感
光性半導体(BE-1)側と光源のランプ(92mW)との間
に、B,G,Rのカラーフィルターと、図11に示した回転円
盤スリットを配置した。受光素子のBE-1導電面にポテン
ショスタットの作用極端子を、受光素子のGE-1導電面に
ポテンショスタットの対極端子と参照極端子を接続し、
ポテンショスタットの電位を0Vに設定した。円盤スリ
ットを300rpmの速さで回転させながら、カラーフィルタ
ーを通して、B光、G光及びR光を青色感光性半導体(BE-
1)側に照射し、電流値を検出した。
【0110】図12に、B光、G光及びR光を照射した時の
電流応答を示した。B光を照射した場合には、図12に示
すように、受光面に光が照射された瞬間にプラス電流応
答、光がスリットに遮られた瞬間にマイナス電流応答が
得られ、G光が照射された場合には、B光照射時と逆の電
流応答が得られた。またR光照射時には、わずかな電流
応答しか得られなかった。
【0111】表2に、受光素子面に、スリットから光が
照射された瞬間に流れる電流のピーク値を示した。
【0112】
【表2】
【0113】以上の結果から、本発明の受光素子は、2
色の光に感応する高感度な受光素子であることが明らか
となった。
【0114】実施例2.積層型受光素子 2-1 積層型受光素子の作成 1-1で使用したものと同じ導電性ガラスを15mm×20mmに
切断し、図13(a)に示すように、スペーサー500として、
熱収縮性樹脂シート(デュポン社製、商品名FUSABOND
O)を熱融着した。この導電性ガラス(透明対極)900と
1-2で作成した青色感光性半導体(BE-1)600を、図13(b)
に示すように重ね合わせ、圧力をかけながら熱融着し
た。スペーサー500に設けた注入口510より、電解液E-10
1を注入し、エポキシ樹脂で注入口を塞ぎ、青色感光素
子B-101を作成した。次に、B-101と1-3で作成した素子G
R-101を図13(c)に示すように、B-101の対極側のガラス
面とGR-101のGE-1側のガラス面を重ね合わせ、重ね合わ
せたガラスの淵をエポキシ樹脂で接着した。これにより
青色感光性半導体(BE-1)600、透明対極900、緑色感光性
半導体(GE-1)700及び赤色感光性半導体(RE-1)800を積層
した積層型カラーセンサーBGR-101を作成した。
【0115】2-2 積層型カラーセンサーの光電流応答
の測定 上記で作成した積層型カラーセンサーBGR-1を用い、1-4
と同様の方法にて、B,G,R光をBE-1面から照射した時のB
E-1と対極の電流応答とGE-1とRE-1の間の電流応答を、
2台のポテンショスタットを使用し、独立に検出した。
【0116】2-3 積層型受光素子の光-電流応答測定 図14〜16に、円盤スリットを抜けて、光が受光面に照射
された瞬間から、スリットが閉じるまでの、BE-1/対極
間及びGE-1/RE-1間の電流応答を示す。B光を照射した
場合、BE-1/対極間に大きなプラスの電流応答が得ら
れ、G光照射時は、GE-1とRE-1間にプラスの電流応答
が、R光照射時には、GE-1とRE-1間にマイナスの電流応
答が得られた。以上のように、本積層型受光素子では、
極めて簡単な構成により、BGR光変化が微分電流応答と
して検出できることがわかった。
【0117】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の受光素子
は感度及び分光波長特性に優れ、光画像の動的変化や輪
郭抽出を容易に行うことを可能にした。また感光層の重
層構成によってより多くの色情報及び光の動的情報を同
時に検出することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい受光素子の構造を示す部分
断面図である。
【図2】 本発明の好ましい受光素子の構造を示す部分
断面図である。
【図3】 本発明の好ましい受光素子の構造を示す部分
断面図である。
【図4】 本発明の好ましい受光素子の構造を示す部分
断面図である。
【図5】 本発明の好ましい受光素子の構造を示す部分
断面図である。
【図6】 本発明の好ましい受光素子の構造を示す部分
断面図である。
【図7】 本発明の積層型受光素子の一例を示す断面図
である。
【図8】 本発明の積層型受光素子の一例を示す断面図
である。
【図9】 本発明の積層型受光素子の一例を示す断面図
である。
【図10】 実施例1.における、受光素子組み立ての説
明図である。
【図11】 実施例1.で使用した回転円盤スリットの図
である。
【図12】 実施例1.における受光素子の電流応答を示
す図である。
【図13】 実施例2.における、積層型受光素子組み立
ての説明図である。
【図14】 実施例2.における、積層型受光素子の光電
流応答を示す図である。
【図15】 実施例2.における、積層型受光素子の光電
流応答を示す図である。
【図16】 実施例2.における、積層型受光素子の光電
流応答を示す図である。
【符号の説明】
10,10'・・・導電層 10a,10a',10a''・・・透明導電層 11・・・金属リード 20,20'・・・感光層 20B・・・青色感光層 20G・・・緑色感光層 20R・・・赤色感光層 21・・・半導体微粒子 22・・・色素 23・・・電解質材料 30,30'・・・電解質層 40,40'・・・基板 40a,40a',40a'',40a'''・・・透明基板 50,50'・・・下塗り層 60・・・対極 60a,900・・・透明対極 400・・・色素吸着TiO2層 500・・・スペーサー 510・・・注入口 600・・・青色感光性半導体(BE-1) 700・・・緑色感光性半導体(GE-1) 800・・・赤色感光性半導体(RE-1)
フロントページの続き Fターム(参考) 2G065 AB04 BA25 BA34 BB25 CA25 DA18 4M118 AA01 AB01 AB04 BA01 BA03 BA05 CA15 CA27 CB05 CB06 CB07 CB14 CB20 DD02 EA20 FB02 FB09 FB20 GA10 5F049 MB01 NB03 PA20 SE01 SE02 SE11 SE20 WA03 WA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電層及び色素で増感された半導体を含
    有する感光層をそれぞれ含む2つの半導体電極、並びに
    イオン伝導性電解質層を有する受光素子において、前記
    2つの半導体電極が前記イオン伝導性電解質層を挟んで
    前記感光層を内側にして対向していることを特徴とする
    受光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の受光素子において、前
    記イオン伝導性電解質層にレドックス種を含まないこと
    を特徴とする受光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の受光素子におい
    て、前記2つの半導体電極がそれぞれ異なる感光波長を
    有することを特徴とする受光素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の受光素子において、前
    記2つの半導体電極が生ずる起電力の差によって入射光
    の波長成分を検出することを特徴とする受光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の受光素
    子において、前記半導体が金属カルコゲニドであること
    を特徴とする受光素子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の受光素子において、前
    記半導体がTiO2、ZnO、SnO2及びWO3から選択される少な
    くとも一種の金属酸化物であることを特徴とする受光素
    子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の受光素
    子を単位とする画素を複数配列させたことを特徴とする
    イメージセンサー。
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