JP2001167808A - 光電変換素子および光電池 - Google Patents

光電変換素子および光電池

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JP2001167808A
JP2001167808A JP35040999A JP35040999A JP2001167808A JP 2001167808 A JP2001167808 A JP 2001167808A JP 35040999 A JP35040999 A JP 35040999A JP 35040999 A JP35040999 A JP 35040999A JP 2001167808 A JP2001167808 A JP 2001167808A
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photocathode
photoanode
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Tsutomu Miyasaka
力 宮坂
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽エネルギー変換効率に優れた光電変換素
子およびこれを用いた光電池を提供する。 【解決手段】 色素を吸着したn型半導体微粒子を含む
第一の感光層を導電性支持体上に形成した光アノード
と、電荷移動層と、p型半導体を含む第二の感光層を導
電性支持体上に形成した光カソードとによって光電変換
素子および光電池を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素により増感され
た半導体電極を用いた光電変換素子およびこれを用いた
光電池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電の分野では、単結晶シリコン
太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリ
コン太陽電池、テルル化カドミウムやセレン化インジウ
ム銅等の化合物半導体の接合を用いる太陽電池が、実用
化の主力技術となっている。しかし、これらを普及させ
る上では、素材製造にかかるエネルギーコストが高く製
品化への環境負荷が大きいこと、ユーザーにとってエネ
ルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服する必
要がある。上記の既存技術の中で性能とコストの比にお
いて最も有力な太陽電池の素材はアモルファスシリコン
であり、800nmまでの可視光を利用でき、0.7V以上の開
回路電圧と最大で10%近い太陽光エネルギー変換効率が
得られている。一方、さらなる低価格化を目指し、大面
積化も容易な有機材料をシリコンに替わる感光材料とし
て用いた固体接合の太陽電池が多く研究されてきたが、
エネルギー変換効率が1%以下と低く、耐久性も悪いと
いう問題があった。
【0003】こうした中で、Nature(第353巻、第737〜
740頁、1991年)および米国特許4927721号、同5350644
号、特開平5-504023等に、色素によって増感された多孔
質の半導体微粒子を用いた光電池、ならびにこの作製に
必要な材料とその製造技術が開示された。この光電池
は、ルテニウム錯体の色素によって分光増感した二酸化
チタン多孔質薄膜を光アノードとする湿式太陽電池すな
わち電気化学光電池である。この方式の第一の利点は二
酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度まで精製す
る必要なしに用いることができるため、安価な光電変換
素子として提供できる点であり、第二の利点は用いられ
る色素の吸収がブロードであり、800nm程度までの広い
可視光波長域にわたって太陽光を光電変換できることで
あり、第三の利点は光電変換の量子効率が高く、高いエ
ネルギー変換効率実現できることである。
【0004】この湿式太陽電池を用いればアモルファス
シリコンをコスト面で凌駕する電池が得られる。しか
し、エネルギー変換効率をさらに改善し性能面でも大き
な優位性を得ることが今後の課題である。このために
は、第一に、感光波長域をより長波長に拡張し、太陽光
利用率を上げることが必要である。この目的で二酸化チ
タンを増感できる色素の増感波長を長波長化する研究が
試みられ、Chem. Commun.1997、p1705に、長波長まで
ブロードな吸収を有するいわゆるブラック色素を用いて
二酸化チタンを増感した例が開示されている。しかし、
長波長増感色素は励起エネルギーが小さく電子注入レベ
ルが低いために、アノード増感の量子効率が一般に低
く、単独で用いたときにエネルギー変換効率の実益が少
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広範
囲の波長域の光電変換能を有し、かつ、エネルギー変換
効率、特に太陽光変換効率に優れた色素増感型光電変換
素子および光電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、色素を吸着したn型半導体微粒子
を含む第一の感光層を導電性支持体上に形成した光アノ
ードと、電荷移動層と、p型半導体を含む第二の感光層
を導電性支持体上に形成した光カソードとにより、光電
変換素子を構成することで、広範囲の波長域の光電変換
能を有し、かつ、エネルギー変換効率、特に太陽光変換
効率に優れた光電変換素子が得られることを見出し、本
発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の光電変換素子は、従来
の色素増感型光電変換素子に、新たにp型半導体からな
る光カソードを設けたことを特徴とする。
【0008】また、本発明の光電池は、上記光電変換素
子からなることを特徴とする。
【0009】本発明はまた下記条件を満たすことによ
り、一層優れた光電変換特性および耐久性を有する光電
変換素子ならびに光電池が得られる。
【0010】(1) 前記光アノードが光学的に透明な
導電性支持体を基板として光入射側の電極を構成し、光
カソードが光アノードおよび電荷移動層を透過した光を
受ける側の電極を構成し、光カソードの光吸収の長波長
端が光アノードの光吸収長波長端よりも長波長側に位置
することが好ましい。
【0011】(2) 前記光カソードのp型半導体が、
有機半導体あるいは多孔質の無機半導体材料であること
が好ましく、特に多孔質の無機半導体材料であることが
好ましい。
【0012】(3) 前記光カソードのp型半導体が、
Cu2O、CuI、GaP、GaAs、NiO、CoO、FeO、GaP、Cr2O3、S
nS、Bi2O3、MoO2、Si及びGeから選ばれる少なくとも1
種の半導体であることが好ましく、特にCu2O、NiO、Fe
O、CuI、SnS、Bi2O3およびMoO2から選ばれる少なくとも
1種の半導体であることが好ましい。
【0013】(4) 前記光カソードのp型半導体が、
色素の吸着された多孔質の無機半導体微粒子であること
が好ましい。
【0014】(5) 前記光カソードのp型半導体に吸
着された色素が、有機金属錯体色素、フタロシアニン系
色素、ポルフィリン系色素およびメロシアニン系色素か
ら選ばれる少なくとも1種の色素であることが好まし
い。
【0015】(6) 前記光アノードのn型半導体微粒
子に吸着された色素が、有機金属錯体色素、フタロシア
ニン系色素、ポルフィリン系色素およびメロシアニン系
色素から選ばれる少なくとも1種の色素であることが好
ましい。
【0016】(7) 前記電荷移動層が電解質、溶融塩
電解質、あるいはイミダゾリウム塩を主体とした、揮発
性成分を含まない溶融塩電解質であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光電変換素子及び
光電池について詳細に説明する。 [I] 光電変換素子 まず、本発明の光電変換素子の構成について詳述する。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体上に、色素によ
り増感された多孔質のn型半導体微粒子を含む第一の感
光層を設置してなる光アノード、導電性支持体上に、p
型半導体を含む第二の感光層を形成してなる光カソー
ド、そして光アノードと光カソードの両電極にはさまれ
てこれらと電気的に接触する電荷移動層によって構成さ
れる積層構造をとる。
【0018】光アノードの感光層(第一の感光層)に入
射した光は色素を励起する。励起状態の色素はエネルギ
ーの高い励起電子をn型半導体の粒子群の伝導帯に注入
し、伝導帯電子は拡散によって半導体の表面からバルク
に移行し、導電性支持体に到達する。電子注入した後の
色素分子は電子の欠損した酸化体ラジカルとなるが、色
素と接する電荷移動層中の電荷輸送材料によって電子的
に還元され速やかに再生される。導電性支持体が受け取
った電子は外部回路で電気的仕事をして対極である光カ
ソードに受け取られる。
【0019】一方、光カソードの感光層(第二の感光
層)に入射した光は、p型半導体を励起して、電子と正
孔がそれぞれ伝導帯と価電子帯に生じ、正孔はp型半導
体のバルクに移動し、光アノードから外部回路を経て移
動してきた電子と再結合する。伝導帯の電子は、電荷移
動層を通じて、酸化体ラジカルとなった色素の還元に用
いられる。このようにして、光アノードから光カソード
に外部回路を通って一方向の電子の流れが生じ、これが
外部回路で光電流として観測される。また、この反応に
よって光アノードのフェルミレベルと光カソードのフェ
ルミレベルの差に相当する起電力が発生する。以下各層
について詳細に説明する。
【0020】[A] 導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導
電層および基板の2層からなる。強度や密封性が十分に
保たれるような導電層を使用すれば、基板は必ずしも必
要でない。
【0021】(1)の場合、導電層として金属のように
十分な強度が得られ、かつ導電性があるものを用いる。
【0022】(2)の場合、感光層側に導電剤を含む導
電層を有する基板を使用することができる。好ましい導
電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、または導電性
金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズに
フッ素をドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚
さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0023】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は100Ω/□以下であり、さらに
好ましくは40Ω/□以下である。表面抵抗の下限には特
に制限はないが、通常0.1Ω/□程度である。
【0024】アノードとカソードの感光層に光が到達す
るためには、光アノードの導電性支持体と光カソードの
導電性支持体の少なくとも一方が実質的に透明でなけれ
ばならない。実質的に透明であるとは光の透過率が10%
以上であることを意味し、50%以上であるのが好まし
く、70%以上が特に好ましい。光学的配置として、光ア
ノードが光入射側の電極であり、光カソードが光アノー
ドを透過した光を受ける側の電極を構成することが好ま
しい。すなわち、入射光がはじめに光アノードによって
吸収され、それを透過したより長波長の光が光カソード
によってさらに吸収されるように設計されたセル構成が
好ましい。従って、光アノードの色素増感半導体層を担
持する導電性支持体が透明であり、光カソードの導電性
支持体が光反射性の不透明支持体であることが好まし
い。
【0025】光アノードにおける好ましい透明導電性支
持体としては、ガラスまたはプラスチック等の透明基板
の表面に、Ptなどの貴金属や、導電性金属酸化物からな
る透明導電層を塗布または蒸着等により形成したものが
好ましい。なかでもフッ素をドーピングした二酸化スズ
からなる導電層を低コストのソーダ石灰フロートガラス
でできた透明基板上に堆積した導電性ガラスが好まし
い。また低コストでフレキシブルな光電変換素子または
太陽電池とするには、透明ポリマーフィルムに導電層を
設けたものを用いるのがよい。透明ポリマーフィルムの
材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフ
タレート(PEN)、シンジオクタチックポリステレン(S
PS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボ
ネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォ
ン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエー
テルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フ
ェノキシ等がある。十分な透明性を確保するために、導
電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチックの
支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0026】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウムおよび銀が好ましい。金属リ
ードは透明基板に蒸着、スパッタリング等で設置し、そ
の上にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜から
なる透明導電層を設けるのが好ましい。また透明導電層
を透明基板に設けた後、透明導電層上に金属リードを設
置するのも好ましい。金属リード設置による入射光量の
低下は好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%と
する。
【0027】[B] 感光層 本発明の光電変換素子は、光アノード用の感光層(第一
の感光層)と光カソード用感光層(第二の感光層)の2
つの感光層を設けたことを特徴とする。
【0028】光アノード用感光層は、色素を吸着したn
型半導体微粒子からなる。
【0029】光カソード用感光層は、p型半導体であれ
ば無機半導体、有機半導体のいずれでもよく、p型半導
体を色素増感するかは任意である。p型半導体を色素増
感する場合、p型半導体は多孔質の膜構造を有し、色素
吸着量の多い状態をとることが好ましい。色素が吸着し
たp型半導体のカソードでは、色素の励起によって励起
電子が電荷移動層中の電荷輸送材料に渡され、一方、色
素の酸化体(正孔)はp型半導体の価電子帯に注入され
半導体のバルクに移行し、光アノードから移動してくる
電子と結合する。この場合の起電力発生も上記の同様な
フェルミレベルの差を反映する。
【0030】本発明で用いる半導体材料は光エネルギー
の吸収などで励起された状態で伝導性を生じる材料であ
り、エネルギー準位として価電子帯と伝導帯を有し、バ
ンドギャップに相当する波長の光で励起すると伝導帯電
子と価電子帯正孔を生じる。このときn型半導体では伝
導帯の電子がキャリアー、p型半導体では価電子帯の正
孔がキャリアーとなって移動し電気伝導性を生じる。好
ましい半導体は伝導に関わるキャリアーの濃度が1014
1020個/cm3の範囲の半導体である。本発明の色素増感さ
れた半導体では、光吸収およびこれによる励起電子と正
孔の発生は主として色素の分子において起こり、n型半
導体では色素の励起電子を伝導帯で受け取り、p型半導
体では正孔を価電子帯で受けとってそれぞれ支持体の電
極に伝達する役割を担う。本発明に関わるこのような半
導体電極の色素増感の機構は、本多健一、藤嶋昭、化学
総説No7,p77(1976)、渡辺正、滝澤卓朗、本多健一、触
媒、20,p370(1978)に詳解されている。
【0031】(a)光アノード用n型半導体 n型半導体微粒子としては、シリコン、ゲルマニウムの
ような単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカル
コゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、ま
たはペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン
酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナト
リウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を
使用することができる。
【0032】好ましい金属のカルコゲニドとして、チタ
ン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イ
ットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタ
ンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモ
ンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレ
ン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の
化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カ
ドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−イン
ジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げ
られる。
【0033】本発明に用いるn型半導体の好ましい具体
例は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、Cd
S、ZnS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、Cu
InS2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、ZnO、Sn
O2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、
CuInS2またはCuInSe2であり、特に好ましくはTiO2また
はNb2O5であり、最も好ましくはTiO2である。
【0034】本発明に用いるn型半導体は単結晶でも多
結晶でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましい
が、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタ
イム等の観点からは多結晶が好ましい。
【0035】n型半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μm
のオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直
径から求めた一次粒子の平均粒径は5〜200nmであるの
が好ましく、8〜100nmがより好ましい。また分散液中
の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01〜100μm
が好ましい。
【0036】粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混
合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm
以下であるのが好ましい。入射光を散乱させて光捕獲率
を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm程度
の半導体粒子を混合してもよい。
【0037】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018
頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDe
gussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解
により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0038】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の
「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)
に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さ
らにゾル−ゲル法として、バーブらのジャーナル・オブ
・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第
12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーン
サイドらのケミカル・マテリアルズ,第10巻,第9号,
2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0039】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布する
には、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電
性支持体上に塗布する方法の他に、前述のゾル-ゲル法
等を使用することもできる。光電変換素子の量産化、半
導体微粒子液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮し
た場合、湿式の製膜方法が比較的有利である。湿式の製
膜方法としては、塗布法、印刷法が代表的である。
【0040】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法等が挙げられる。
【0041】分散媒としては、水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢
酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポ
リマー、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を分散助
剤として用いてもよい。
【0042】塗布方法としては、アプリケーション系と
してローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエ
アーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションと
メータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58
-4589号に開示されているワイヤーバー法、米国特許268
1294号、同2761419号、同2761791号等に記載のスライド
ホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好
ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ま
しい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセットおよび
グラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリ
ーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェ
ット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0043】半導体微粒子の分散液の粘度は半導体微粒
子の種類や分散性、使用溶媒種、界面活性剤やバインダ
ー等の添加剤により大きく左右される。高粘度液(例え
ば0.01〜500Poise)ではエクストルージョン法、キャス
ト法、スクリーン印刷法等が好ましい。また低粘度液
(例えば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法、ワイ
ヤーバー法またはスピン法が好ましく、均一な膜にする
ことが可能である。なおある程度の塗布量があれば低粘
度液の場合でもエクストルージョン法による塗布は可能
である。このように塗布液の粘度、塗布量、支持体、塗
布速度等に応じて、適宜湿式製膜方法を選択すればよ
い。
【0044】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。多層塗布には、エクストルージョン法またはス
ライドホッパー法が適している。また多層塗布をする場
合は同時に多層を塗布しても良く、数回から十数回順次
重ね塗りしてもよい。さらに順次重ね塗りであればスク
リーン印刷法も好ましく使用できる。
【0045】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。光電気化学電池に用いる場合、半
導体微粒子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μm
がより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布
量は0.5〜400gが好ましく、5〜100gがより好ましい。
【0046】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後で半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃未満であり、より好ましくは100℃以
上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度
である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い
支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くた
め、好ましくない。またコストの観点からもできる限り
低温であるのが好ましい。低温化は、先に述べた5nm以
下の小さい半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱
処理等により可能となる。
【0047】加熱処理後半導体微粒子の表面積を増大さ
せたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導
体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化
チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液
を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
【0048】半導体微粒子は多くの色素を吸着すること
ができるように表面積の大きいものが好ましい。このた
め半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表面
積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、
さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に
制限はないが、通常1000倍程度である。
【0049】(b) 光カソード用p型半導体 光カソードに用いるp型半導体の材料としては、正孔キ
ャリアー濃度が高いp型であれば、前述のn型と同様の
材料を用いることができる。すなわち、シリコン、ゲル
マニウムのような単体半導体の他に、金属カルコゲニド
(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)に代表される
いわゆる化合物半導体またはペロブスカイト構造を有す
る化合物等を使用することができる。また、有機のp型
半導体を使用することもできる。
【0050】好ましいp型の無機半導体は、Cu2O、Cu
I、GaP、GaAs、NiO、CoO、FeO、GaP、Cr2O3、SnS、Bi2O
3、MoO2、Si、Geなどである。これらのなかでも特に好
ましいのはCu2O、NiOである。
【0051】またp型の有機半導体としては、金属ポル
フィリン(亜鉛テトラフェニルポルフィリン、Mgポルフ
ィリン、クロロフィルなど)、フタロシアニン、金属フ
タロシアニン(銅、亜鉛、鉛、コバルトなどの置換
体)、Ruトリスビピリジル錯体、メロシアニン類などが
あげられる。なお、有機半導体を用いる場合は、p型半
導体層は5μm以下の薄膜であることが好ましく、1μm
以下であることがさらに好ましい。
【0052】本発明では、光カソードとして色素を吸着
した無機のp型半導体を用いることが好ましい。
【0053】p型半導体は、n型半導体と同様に微粒子
の集合体からなる多孔質膜であることが好ましく、微粒
子のサイズ、半導体微粒子層の形成方法についての好ま
しい態様もn型半導体と同様である。
【0054】(c)色素 本発明の光アノードおよび光カソードに用いる色素は、
用いるn型半導体およびp型半導体をそれぞれ増感でき
る色素であれば特に制約はない。また、光電変換の波長
域をできるだけ広くし、かつ、変換効率を上げるため、
それぞれの半導体で2種類以上の色素を混合して用いる
ことができる。ただし、本発明においては、光アノード
と光カソードが互いに異なった分光感度特性(すなわち
対入射光電流発生量子効率の波長依存性)をもつことが
エネルギー変換効率の増加の点で好ましい。具体的には
光アノードの光吸収の長波長端と光カソードの光吸収の
長波長端とが異なり、両者の最大吸収を与える波長も異
なることが好ましく、特に、光カソードの光吸収の長波
長端が光アノードの光吸収長波長端よりも長波長側に位
置することが好ましい。ここで、長波長端とは光吸収の
最大値の1/20の吸光度となる長波長吸収側の裾の波長を
意味する。
【0055】光カソード増感に用いる好ましい色素類と
しては、金属ポルフィリン(金属テトラフェニルポルフ
ィリンなど)、フタロシアニン、ナフタロシアニン、金
属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン(銅、亜鉛、
鉛、コバルト、ルテニウムなどの金属置換体)、Ru錯体
(Ruトリスビピリジル錯体、Ruターピリジル錯体な
ど)、シアニン類およびメロシアニン類、エリスロシン
などの誘導体があげられる。これらのp型半導体の増感
色素は、イオン化ポテンシャル(HOMOのレベル)が
真空準位に対して5eVから6.5eVの範囲の位置に
あることが好ましい。
【0056】光アノードの色素としては、従来から用い
られている金属錯体色素(特にRu錯体)、フタロシア
ニン系色素、メチン色素などが好ましい。
【0057】こうした色素は半導体微粒子の表面に対す
る適当な結合基(interlocking group)を有しているの
が好ましい。好ましい結合基としては、COOH基、OH基、
SO3H基、シアノ基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2基、又
はオキシム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチ
レート及びα-ケトエノレートのようなπ伝導性を有す
るキレート化基が挙げられる。なかでもCOOH基、-P(O)
(OH)2基、-OP(O)(OH)2基が特に好ましい。これらの基は
アルカリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内
塩を形成していてもよい。またポリメチン色素の場合、
メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成す
る場合のように酸性基を含有するなら、この部分を結合
基としてもよい。
【0058】以下、アノードおよびカソードに用いる好
ましい色素を具体的に説明する。
【0059】(i)金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合、金属原子はルテニウム
Ruであるのが好ましい。ルテニウム錯体色素としては、
例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365
号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7
-249790号、特表平10-504521号、国際特許98/50393号等
に記載の錯体色素が挙げられる。
【0060】さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素
は下記一般式(I): (A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I) により表されるのが好ましい。一般式(I)中、A1はC
l、SCN、H2O、Br、I、CN、NCOおよびSeCNからなる群か
ら選ばれた配位子を表し、pは0〜3の整数であり、好
ましくは2である。B-a、B-bおよびB-cはそれぞれ独立
に下記式B-1〜B-8:
【化1】 (ただし、R11は水素原子または置換基を表し、置換基
としては例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12の置
換または無置換のアルキル基、炭素原子数7〜12の置換
または無置換のアラルキル基、あるいは炭素原子数6〜
12の置換または無置換のアリール基、カルボン酸基、リ
ン酸基(これらの酸基は塩を形成していてもよい)等が
挙げられ、アルキル基およびアラルキル基のアルキル部
分は直鎖状でも分岐状でもよく、またアリール基および
アラルキル基のアリール部分は単環でも多環(縮合環、
環集合)でもよい。)により表される化合物から選ばれ
た有機配位子を表す。B-a、B-bおよびB-cは同一でも異
なっていても良い。
【0061】金属錯体色素の好ましい具体例を以下に示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
【化2】
【0063】
【化3】
【0064】
【化4】
【0065】(ii)メチン色素 本発明で好ましく用いられるメチン色素は、特開平11-3
5836号、特開平11-158395号、特開平11-163378号、特開
平11-214730号、特開平11-214731号、欧州特許892411号
および同911841号の各明細書に記載の色素である。これ
らの色素の合成法については、エフ・エム・ハーマー
(F.M.Hamer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−
シアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ
(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Related C
ompounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John
Wiley & Sons)社−ニューヨーク、ロンドン、1964年
刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロ
サイクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス
・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyc
lic Compounds-Special topics in heterocyclic chemi
stry)」、第18章,第14節,第482から515頁、ジョン ・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニュ
ーヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリ
ー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry
of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,part B,1977巻,
第15章,第369から422頁、エルセビア・サイエンス・パ
ブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publ
ishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、英国特許第
1,077,611号、Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal, 第40
巻、第3号、253〜258頁、Dyes and Pigments, 第21巻、
227〜234頁およびこれらの文献に引用された文献になど
に記載されている。
【0066】(d) 半導体微粒子への色素の吸着方法 半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に
良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸
漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法
を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ
法、ローラ法、エアーナイフ法等が使用可能である。な
お浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、
特開平7-249790号に記載されているように加熱還流して
行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤー
バー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、
カーテン法、スピン法、スプレー法等があり、印刷方法
としては、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印
刷等がある。溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択で
きる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノー
ル、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル
類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプ
ロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水
素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミ
ド類(N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセタ
ミド等)、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾ
リジノン、3-メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢
酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエ
チル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類
(アセトン、2-ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化
水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン
等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0067】色素の溶液の粘度についても、半導体微粒
子層の形成時と同様に、高粘度液(例えば0.01〜500Poi
se)ではエクストルージョン法の他に各種印刷法が適当
であり、また低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスラ
イドホッパー法、ワイヤーバー法またはスピン法が適当
であり、いずれも均一な膜にすることが可能である。
【0068】このように色素の塗布液の粘度、塗布量、
導電性支持体、塗布速度等に応じて、適宜色素の吸着方
法を選択すればよい。塗布後の色素吸着に要する時間
は、量産化を考えた場合、なるべく短い方がよい。
【0069】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄により除去するのが好まし
い。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶剤、
アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うのが好
ましい。また色素の吸着量を増大させるため、吸着前に
加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理後、半導体微粒
子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させるのが好ましい。
【0070】色素の全使用量は、導電性支持体の単位表
面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好ましい。また色
素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体微粒子1g
当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。このような色
素の吸着量とすることにより、半導体における増感効果
が十分に得られる。これに対し、色素が少なすぎると増
感効果が不十分となり、また色素が多すぎると、半導体
に付着していない色素が浮遊し、増感効果を低減させる
原因となる。
【0071】光電変換の波長域をできるだけ広くすると
ともに変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合
することもできる。この場合、光源の波長域と強度分布
に合わせるように、混合する色素およびその割合を選ぶ
のが好ましい。
【0072】会合のような色素同士の相互作用を低減す
る目的で、無色の化合物を半導体微粒子に共吸着させて
もよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシ
ル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコ
ール酸)等が挙げられる。また紫外線吸収剤を併用する
こともできる。
【0073】余分な色素の除去を促進する目的で、色素
を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を
処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、
4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ
る。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有
機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0074】[C] 電荷移動層 電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有す
る電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いるこ
とのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、イオ
ン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶解した溶液
(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリクスの
ゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対イオン
を含有する溶融塩電解質、さらには固体電解質が挙げら
れる。また、イオンがかかわる電荷輸送材料のほかに、
固体中のキャリアー移動が電気伝導にかかわる材料と
して、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料を用いる
こともできる。
【0075】(a)溶融塩電解質 上記電荷輸送材料のうち、溶融塩電解質は光電変換効率
と耐久性の両立という観点から好ましい。本発明の光電
変換素子に溶融塩電解質を用いる場合は、例えばWO95/1
8456号、特開平8-259543号、EP718288号、電気化学,第
65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリ
ジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の
既知のヨウ素塩を用いることができる。
【0076】好ましく用いることのできる溶融塩として
は、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれ
かにより表されるものが挙げられる。
【0077】
【化5】
【0078】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。
【0079】Qy1により形成される5員環は、オキサゾ
ール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジ
アゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、オ
キサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環である
のがより好ましく、オキサゾール環又はイミダゾール環
であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環
は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジ
ン環又はトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環
であるのがより好ましい。
【0080】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0081】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のR
y1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐
状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のア
ルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であ
っても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル
基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアル
キル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特
に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0082】また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち
2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成
してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以
上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0083】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQ
y1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好まし
い置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I
等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ
基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキル
チオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシ
カルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステ
ル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(ア
セチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホ
ニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基
等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキ
シ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基
(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N-
ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピ
ル基、ブチル基、2-カルボキシエチル基、ベンジル基
等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素
環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、
アルケニル基(ビニル基、1-プロペニル基等)等が挙げ
られる。
【0084】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)によ
り表される化合物は、Qy1又はRy1〜R y6を介して多量体
を形成してもよい。
【0085】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオン
を他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもで
きる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、
ハロゲン化物イオン(Cl−、Br−等)、SCN−、BF
−、PF−、ClO−、(CFSO)N−、(CFCFS
O )N−、CFSO−、CFCOO−、PhB−、(CFSO
)C−等が好ましい例として挙げられ、(CFSO)
N−又はBF−であるのがより好ましい。また、LiI
など他のヨウ素塩を添加することもできる。
【0086】本発明で好ましく用いられる溶融塩の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0087】
【化6】
【0088】
【化7】
【0089】
【化8】
【0090】
【化9】
【0091】
【化10】
【0092】
【化11】
【0093】
【化12】
【0094】上記溶融塩電解質には、溶媒を用いない方
が好ましい。溶媒を添加しても構わないが、溶融塩の含
有量は電解質組成物全体に対して50質量%以上であるの
が好ましい。また、塩のうち、50質量%以上がヨウ素塩
であることが好ましく、70質量%以上であることがさら
に好ましい。
【0095】電解質組成物にヨウ素を添加するのが好ま
しく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体
に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質
量%であるのがより好ましい。
【0096】(b)電解液 電荷移動層に電解液を使用する場合、電解液は電解質、
溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。本
発明の電解質はIとヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物
としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI
どの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウ
ムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウ
ムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩な
ど)、Brと臭化物の組み合わせ(臭化物としてはL
iBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr
どの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウム
ブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニ
ウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−
フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン
などの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオー
ル−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロ
ゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用いることがで
きる。この中でもIとLiIやピリジニウムヨーダイ
ド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化
合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が本発明では好ま
しい。上述した電解質は混合して用いてもよい。
【0097】好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以下
であり、さらに好ましくは0.2M以上10M以下である。ま
た、電解質にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の
添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0098】本発明で電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン移動度を向上したり、もしくは誘電率が高く
有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝
導性を発現できる化合物であることが望ましい。このよ
うな溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3-メチル-2-
オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジ
エチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコ
ールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアル
キルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエー
テル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルな
どの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレ
ングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノア
ルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アル
コール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メト
キシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、ス
ルフォランなど非プロトン極性物質、水などを用いるこ
とができる。
【0099】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)3157-3171(1997)に記載されているようなtert-
ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等
の塩基性化合物を添加することもできる。塩基性化合物
を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下
である。
【0100】(c)ゲル電解質 本発明では、電解質はポリマー添加、オイルゲル化剤添
加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応
等の手法によりゲル化(固体化)させて使用することも
できる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、"Pol
ymer Electrolyte Reviews-1および2"(J.R.MacCallumと
C.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIEDSCIENCE)に記載
された化合物を使用することができるが、特にポリアク
リロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用す
ることができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させ
る場合はJ. Chem Soc. Japan, Ind. Chem.Sec., 46,779
(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5542(1989), J. Che
m. Soc., Chem. Com mun., 1993, 390, Angew. Chem. I
nt. Ed. Engl., 35,1949(1996), Chem. Lett., 1996, 8
85, J. Chm. Soc., Chem. Commun., 1997,545に記載さ
れている化合物を使用することができるが、好ましい化
合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。
【0101】(d)有機正孔輸送材料 (i)芳香族アミン類 N,N'-ジフエニル-N,N'-ビス(4-メトキシフェニル)-
(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン(J. Hagen et a
l., Synthetic Metal 89, 2153〜220, (1997))、2,2',
7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミン)
9,9'-スピロビフルオレン(Nature, Vol.395, 8 Oct. 1
998, pp. 583-585およびWO97/10617)、1,1-ビス{4-
(ジ-p-トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサンの3級
芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物
(特開昭59−194393号)、4,4'-ビス[(N-1-ナフチ
ル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルのように、2個以
上の3級アミンを含み、2個以上の縮合芳香族環が窒素
原子に結合した芳香族アミン(特開平5-234681号)、ト
リフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有
する芳香族トリアミン(米国特許第4,923,774号、特開
平4-308688号)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチル
フェニル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン等の芳香
族ジアミン(米国特許第4,764,625号)、α,α,α',α'
-テトラメチル-α,α'-ビス{4-(ジ-p-トリルアミノ)
フェニル}-p-キシレン(特開平3-269084号)、p-フェ
ニレンジアミン誘導体、分子全体が立体的に非対称なト
リフェニルアミン誘導体(特開平4-129271号)、ピレニ
ル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開
平4-175395号)、エチレン基で3級芳香族アミン単位を
連結した芳香族ジアミン(特開平4-264189号)、スチリ
ル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4-290851号)、
ベンジルフェニル化合物(特開平4-364153号)、フルオ
レン基で3級アミンを連結したもの(特開平5-25473
号)、トリアミン化合物(特開平5-239455号)、ビス
(ジピリジルアミノ)ビフェニル(特開平5-320634
号)、N,N,N-トリフェニルアミン誘導体(特開平6-1972
号)、フェノキザジン構造を有する芳香族ジアミン(特
開平7-138562号)、ジアミノフエニルフエナントリジン
誘導体(特開平7-252474号)等。
【0102】(ii)オリゴチオフェン化合物 α-オクチルチオフェンおよびα,ω-ジヘキシル-α-オ
クチルチオフェン(Adv. Mater.,Vol.9, No.7, 5578 (1
997))、ヘキサドデシルドデシチオフェン(Angew. Che
m. Int. Ed. Engl., 34, No.3, 303-307 (1995))、2,8-
ジヘキシルアンスラ[2,3-b:6,7-b']ジチオフェン(JACS,
Vol.120, N0.4,664〜672 (1998))等。
【0103】(iii) 導電性高分子 ポリピロール(K. Murakoshi et al., Chem. Lett. 199
7, p.471)、およびポリアセチレンおよびその誘導体、
ポリ(p-フェニレン) およびその誘導体、ポリ(p-フェニ
レンビニレン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニ
レンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導
体、ポリアニリンおよびその誘導体、およびポリトルイ
ジンおよびその誘導体等(それぞれ「Handbook of Orga
nic Conductive Molecules and Polymers」, Vol.1〜4
(NALWA著、WILEY出版)に記載)。
【0104】有機正孔(ホール)輸送材料に、Nature,
Vol.395, 8 Oct. 583〜585 (1998)に記載されているよ
うに、ドーパントレベルをコントロールするためにトリ
ス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチ
モネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を
添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空
間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような
塩を添加しても良い。
【0105】(e)無機正孔輸送材料 無機固体化合物を電解質の替わりに使用する場合、ヨウ
化銅(p-CuI)(J. Phys. D:Appl. Phys. 31(1998)1492-1
496)、チオシアン化銅(Thin Solid Films 261(1995)3
07-310、J. Appl. Phys. 80(8),15 October 1996, p474
9-4754、Chem.Mater. 1998, 10, 1501-1509、Semicond.
Sci. Technol. 10, 1689-1693)等を好ましく用いるこ
とができる。
【0106】(f)電荷移動層の形成方法 電荷移動層を形成するには以下の2通りの方法を利用で
きる。1つは、光アノードの上にスペーサーを介して光
カソードを貼り合わせておき、両者の開放端を電解質
(液)に浸漬することにより、半導体微粒子層内および
半導体微粒子層と対極との空隙に電解質を浸透させる方
法である。もう1つは、アノード(またはカソード)に
電解質(液)を塗布することにより、半導体微粒子層内
に電解質を浸透させるとともに、半導体微粒子層上に電
荷移動層を形成し、最後にカソード(またはアノード)
を設ける方法である。
【0107】前者の場合、アノードとカソードとの空隙
に電解質(液)を浸透させる方法として、毛管現象を利
用する常圧法と、アノードとカソードとの上部開放端
(電解質(液)に浸漬していない方の開放端)から吸い
上げる減圧法がある。
【0108】後者の場合、湿式の電荷移動層のときには
未乾燥のまま対極(アノードに対してはカソード)を付
与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施す。またゲル電解
質の場合には、湿式で塗布して重合等の方法により固体
化した後に対極を設けてもよいし、対極を設けた後に固
体化してもよい。電解液の他に湿式有機正孔輸送材料や
ゲル電解質の層を形成する方法としては、半導体微粒子
層の形成や色素吸着の場合と同様に、浸漬法、ローラ
法、ディップ法、エアーナイフ法、エクストルージョン
法、スライドホッパー法、ワーヤーバー法、スピン法、
スプレー法、キャスト法、各種印刷法等を利用できる。
固体電解質や固体の正孔輸送材料の場合には、真空蒸着
法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、
その後対極を設けても良い。
【0109】固体化できない電解液や湿式の正孔輸送材
料の場合には塗布後速やかにエッジ部分を封止するのが
好ましく、また固体化可能な正孔輸送材料の場合には湿
式付与により正孔輸送層を膜形成した後、例えば光重合
や熱ラジカル重合等の方法により固体化するのが好まし
い。このように膜付与方式は電解液物性や工程条件によ
り適宜選択すればよい。
【0110】なお、電荷移動層中の水分量は10,000ppm
以下が好ましく、さらに好ましくは2,000ppm以下であ
り、特に好ましくは100ppm以下である。
【0111】好ましい態様によれば、図1に示すよう
に、色素増感半導体層中の空隙を完全に埋める量より多
い電荷輸送材料を塗布するので、得られる電荷移動層は
実質的に光アノードの導電性支持体の導電層(または下
塗り層)との境界から光カソードの導電層(または下塗
り層)との境界までの間に存在すると言える。ここで色
素増感n型半導体層との境界から(色素増感)p型半導
体層との境界までの間に存在する電荷輸送材料の層を電
荷移動層とすると、その厚さは0.001〜200μmであるの
が好ましく、0.1〜100μmであるのがより好ましく、0.1
〜50μmであるのが特に好ましい。電荷移動層が0.001μ
mより薄いとn型半導体がp型半導体に接触するおそれ
があり、また200μmより厚いと電荷の移動距離が大きく
なりすぎ、素子の抵抗が大きくなる。
【0112】[D] その他の層 電極として作用する導電性支持体の一方又は両方に、保
護層、反射防止層等の機能性層を設けても良い。このよ
うな機能性層を多層に形成する場合、同時多層塗布法や
逐次塗布法を利用できるが、生産性の観点からは同時多
層塗布法が好ましい。同時多層塗布法では、生産性及び
塗膜の均一性を考えた場合、スライドホッパー法やエク
ストルージョン法が適している。これらの機能性層の形
成には、その材質に応じて蒸着法や貼り付け法等を用い
ることができる。
【0113】また、特に電子輸送材料や正孔輸送材料を
電解液の替わりに使用するときは、短絡防止のためElec
torochim. Acta 40, 643-652(1995)に記載されているス
プレーパイロリシス等の手法を用いて、導電性支持体と
半導体層の間に同種の半導体の緻密な薄層を下塗り層と
して塗設することが好ましい。
【0114】[E] 光電変換素子の内部構造の具体例 本発明の光電変換素子の内部構造は、たとえば、図1〜
図4に示すように目的に合わせ様々な形態が可能であ
る。
【0115】図1は本発明に基づいたもっとも単純な構
成の例であり、ガラスのような透明な支持体1に担持さ
れた透明導電層2の上に色素増感n型半導体微粒子層4
が被覆されて光アノードを形成し、この上に電荷移動層
6を介在させて、p型半導体の層5を被覆した導電性支
持体(支持体1と導電層3)が光カソードとして接合し
た構造である。それぞれの層の境界では、各層の構成成
分同士が相互に拡散混合していてもよい。好ましくは、
図1の拡大図に示すように、前記n型半導体微粒子層4
を、色素42によって増感された半導体微粒子41と当該半
導体微粒子41の間の空隙に充填された電解質6とから構
成する。また特に好ましくは、p型半導体層5も同様
に、色素によって増感された半導体微粒子と当該半導体
微粒子の間の空隙に充填された電解質6とから構成す
る。ここで光は、光アノード側から入射して、光アノー
ドを一部透過して光カソードに到達し、光反射性の導電
層3において反射される。導電層2は導電性酸化スズあ
るいは酸化インジウムスズのような透明導電膜であり、
導電層3は白金のような金属薄膜である。
【0116】図2は、両方向から光を取り込めるように
した構成の例である。光アノード側を、透明な支持体1
に担持された透明導電層2の上に色素増感n型半導体微
粒子層4を被覆して構成し、光カソード側を、透明な支
持体1に担持された透明導電層2の上に色素吸着p型半
導体微粒子層5を被覆して構成したものである。光アノ
ード及び光カソードの両方が透明導電性支持体であるた
め、両面から光を入射することができる。
【0117】図3は、光アノード側で透明導電層2の上
に下塗り層4bを介して色素増感n型半導体層4が被覆
され、また、光カソード側でも導電膜3の上に下塗層5
bを介してp型半導体層5が被覆された構成である。こ
れらの下塗層は導電層を隙間なく緻密に被覆するための
中間層であり、光アノードにおいては上層に用いられる
n型半導体の種類を含めたn型半導体、光カソードにお
いてはその上層に用いられるp型半導体の種類を含めた
p型半導体の薄膜が好ましく用いられる。また、下塗層
は光アノードと光カソードのいずれか一方もしくは両方
に用いられて良い。
【0118】図4は、透明導電膜2の下地の面の一部に
金属リードの薄膜7を設けた構成であり、金属リードは
透明導電膜に電気伝導を付与し、表面の電気抵抗を低め
る目的で用いる。金属リードは電解酸化還元を受けにく
い白金などの貴金属が好ましく、光アノードの平面内に
グリッド状のパターンで設けられることが好ましい。金
属リードは不透明であるため、入射光に対して電極感光
層の受光に有効な開口率を下げることになるが、この開
口率は80〜99%であることが好ましい。
【0119】[II] 光電池 本発明の光電池は、上記光電変換素子を外部回路で仕事
をさせるようにしたものである。電荷移動層がイオン伝
導性電解質の場合は光電気化学電池(photoelectrochemi
cal cell)の1種として特徴づけられる。光電池は構成
物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面をポリ
マーや接着剤等で密封するのが好ましい。アノードおよ
びカソードにリードを介して接続される外部回路自体は
公知のもので良い。また、従来の太陽電池と同様にモジ
ュール構成としたり、パネルを形成させて太陽光発電装
置として利用することができる。
【0120】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例によって具体的
に説明する。
【0121】1.透明導電性支持体(光アノード用)の
作製 厚さ1.9mmの無アルカリガラスの基板に、CVD法によ
ってフッ素ドープ型の二酸化スズを全面に均一にコーテ
ィングし、厚さ600nm、面抵抗約15Ω/□、光透過率(5
00nm)が85%の導電性二酸化スズ膜を片面に被覆した透
明導電性支持体を形成した。
【0122】2.二酸化チタン粒子含有塗布液の作製 C.J.BarbeらのJ.Am.Ceramic Soc.80巻,p3157の論文に
記載の製造方法に従い、チタン原料にチタニウムテトラ
イソプロポキシドを用い、オートクレーブ中での重合反
応の温度を230℃に設定して二酸化チタン濃度11質量%
の二酸化チタン分散物を合成した。得られた二酸化チタ
ン粒子の一次粒子の平均サイズは約10nmであった。この
分散物に二酸化チタンに対し30質量%のポリエチレング
リコール(分子量20,000、和光純薬製)を添加し、混練
して塗布液を得た。
【0123】3.色素を吸着した二酸化チタンn型半導
体光アノードの作製 上記1で作製した透明導電性基板の導電面側にこの塗布
液をドクターブレード法で100μmの厚みで塗布し、25℃
で30分間乾燥した後、電気炉で450℃にて30分間焼成し
て二酸化チタン層を被覆した。二酸化チタンの被覆量は
15g/m2であり、膜厚は10μmであった。
【0124】二酸化チタンn型半導体電極を、前述具体
例のRu錯体色素R−1を濃度3×10- 4モル/リットル
で含み、アセトニトリル:t-ブタノール(1:1)の混
合溶媒から成る色素溶液に浸漬して、攪拌下40℃で3時
間放置した。このようにして色素を染着させた半導体電
極をエタノールで洗浄し、乾燥させ、光アノードA1を
作製した。色素の吸着量は、二酸化チタンの塗布面積1
2あたりおよそ1.5×10 -3モルであった。また、この電
極の光吸収の長波長端はおよそ800nmであった。
【0125】1)R−1に代えて、Ruの複核錯体R−
14を用いた以外は、上記1)と同様にして色素吸着を行
い、光アノードA2を作製した。この電極の吸収の長波
長端は750nmであった。 2)R−1に代えて、亜鉛フタロシアニンR−20を色素
に用い、DMSO:エタノール比が1:4でtert-ブチルピ
リジンを添加した混合溶媒に1×10-5Mに溶解し、1)
の二酸化チタン電極に60℃で3日間吸着させた後、エタ
ノールで洗浄し光アノードA3を作製した。この電極の
吸収の長波長端はおよそ850nmであった。 3)また、R−1に代えて長波長に吸収を持つRu錯体
R−10(ブラック色素)を用いた以外は、上記1)と同
様にして色素吸着を行い、光アノードA4を作製した。
この電極の吸収の長波長端は900nmであった。
【0126】4.p型半導体光カソードの作製 1)色素吸着Cu2O電極 白金膜をスパッタリングで蒸着したガラス支持体の上に
Cu2Oを厚み約600nmで真空蒸着した。別にCu2Oの
粉末を1Mの水酸化ナトリウム水溶液に分散し激しく攪
拌したのち、このCu2O蒸着膜の上に塗布し、乾燥し
た後、280℃で30分間加熱した。こうして白金膜上に厚
さ10μmの赤褐色の多孔質Cu2O膜が形成された。次
に、前述の具体例中のRu錯体色素R−10を濃度0.001
M、添加剤としてタウロデオキシコール酸を濃度0.01M
で含むエタノール溶液に浸漬し、40℃で8時間攪拌下で
放置した。このようにして色素の吸着した電極をエタノ
ールで洗浄し、光カソードC1を作製した。この電極の
吸収の長波長端は900nmであった。 2)色素吸着NiO電極 酢酸ニッケルをLuiら、J.Electrochem.Soc.,vol143,p12
4(1996)に記載の方法によって加水分解して得られたニ
ッケル水酸化物のスラリーを1)と同じ白金蒸着ガラス
の表面に塗布し、450℃で1時間焼成して、厚さ3μmの
多孔質のNiO薄膜を白金上に形成した。このNiO膜
にRu錯体色素R−10を1)と同様な方法で吸着させ
て、エタノールで洗浄し、光カソードC2を作製した。
この電極は1)と同様な長波長末端を与えた。 3)有機半導体光カソード ガラス上にAl薄膜を厚み1μmで真空蒸着し、続いて
同じ真空中でMgフタロシアニンをAl膜の上層に真空
蒸着し、厚さが200nmのMgフタロシアニンの薄膜を形
成した。このようにして光カソードC3を作製した。こ
の電極の吸収の長波長端は850nmであった。 4)また、色素にR−1を用いた以外は、光カソードC
1と同様に色素吸着を行って、吸収の長波長端が800nm
である光カソードC4を作製した。
【0127】5.光電池の作製 上述のようにして作製した色素増感TiO2電極からな
る光アノード基板(2cm×1.5cm)をこれと同じ大きさ
の光カソード基板と、熱圧着性のポリエチレンフイルム
製のフレーム型スペーサー(厚さ20μm)を挿入して重
ね合わせ、長辺方向に両基板の端子用末端(幅2mm)を
交互に外へ出した状態で、120℃に加熱し両基板を圧着
した(図1〜図4参照)。さらにセルのエッジ部をエポ
キシ樹脂接着剤でシールした。光カソードのガラス基板
のコーナー部にあらかじめ設けた電解質注液用の小孔を
通して、電解質としてY7-2/Y8-1/ヨウ素=15:35:1(質量
比)の組成から成る室温溶融塩を基板の小孔から毛細管
現象を利用して電極間の空間にしみこませた。以上のセ
ル組立て工程と、電解質注入の工程をすべて上記の露点
−60℃の乾燥空気中で実施した。溶融塩の注入後、真空
下でセルを数時間吸引し多孔質電極および溶融塩を含め
たセル内部の脱気を行い、最終的に小孔を低融点ガラス
で封じた。
【0128】このようにして、波長特性の異なる色素増
感半導体あるいは有機半導体を含む光アノードA1〜A
4、光カソードC1〜C4を表1のように組合せ、受光
面積が約2cm2であり、図1に示した基本層構成をもった
本発明の光電池(セル:実施例1〜9)を組み立てた。
【0129】6.比較用光電池の作製 比較のために、上記のように2つの光電極を組み合わせ
ずに、光アノードと白金対極を組合せたセル(比較例
1)、光カソード(透明導電性支持体を使用)と白金対
極を組み合わせたセル(比較例2)を同様にして作製し
た。
【0130】
【表1】
【0131】5.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ電気)に太陽光シミュ
レーション用補正フィルター(Oriel社製AM1.5direct)
を装着し、電池への入射光強度が100mW/cm2に調整され
た模擬太陽光を照射した。作製した光電池の電気出力を
電流電圧測定装置(ケースレー製ソースメジャーユニッ
ト238型)に入力し、電流―電圧特性を測定した。これ
により求められた光電池の短絡光電流、開放起電力、光
エネルギー変換効率を一括して表2に記載した。
【0132】
【表2】
【0133】上記実施例の結果から、本発明の条件に従
った構成の太陽電池が、出力電圧とエネルギー変換効率
を含めた太陽光変換の総合的性能においてより優れた性
能を与えることがわかる。
【0134】
【発明の効果】本発明によって、出力電圧が高くエネル
ギー変換効率に優れた色素増感光電変換素子および光電
池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光電池の基本構成を示す断面図であ
る。
【図2】 本発明の光電池の構成の他の1例を示す断面
図である。
【図3】 本発明の光電池の構成の他の1例を示す断面
図である。
【図4】 本発明の光電池の構成の他の1例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 透明導電層 3 光反射性導電層 4 第一の感光層(色素増感n型半導体層) 41・・・n型半導体微粒子 42・・・色素 4b 下塗層 5 第二の感光層(p型半導体層) 5b 下塗層 6 電荷移動層 7 金属リード

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素を吸着したn型半導体微粒子を含む
    第一の感光層を導電性支持体上に形成した光アノード
    と、電荷移動層と、p型半導体を含む第二の感光層を導
    電性支持体上に形成した光カソードとによって構成され
    ることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記光アノードが光学的に透明な導電性
    支持体を基板として光入射側の電極を構成し、前記光カ
    ソードが光アノードおよび電荷移動層を透過した光を受
    ける側の電極を構成し、光カソードの光吸収の長波長端
    が光アノードの光吸収長波長端よりも長波長側に位置す
    ることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記光カソードのp型半導体が、無機半
    導体材料であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記光カソードのp型半導体が、Cu2O、
    CuI、GaP、GaAs、NiO、CoO、FeO、GaP、Cr2O3、SnS、Bi
    2O3、MoO2、Si及びGeから選ばれる少なくとも1種の半
    導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記光カソードのp型半導体が、色素を
    吸着した多孔質の無機半導体微粒子であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 前記光カソードのp型半導体に吸着され
    た色素が、有機金属錯体色素、フタロシアニン系色素、
    ポルフィリン系色素およびメロシアニン系色素から選ば
    れる少なくとも1種の色素であることを特徴とする請求
    項5に記載の光電変換素子。
  7. 【請求項7】 前記光カソードのp型半導体が、有機半
    導体であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    光電変換素子。
  8. 【請求項8】 前記光アノードのn型半導体微粒子が、
    TiO2、TiSrO3、ZnO、WO3およびNb2O5から選ばれる金属
    酸化物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 【請求項9】 前記光アノードのn型半導体微粒子に吸
    着された色素が、有機金属錯体色素、フタロシアニン系
    色素、ポルフィリン系色素およびメロシアニン系色素か
    ら選ばれる少なくとも1種の色素であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子。
  10. 【請求項10】 前記電荷移動層が、電解質であること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換
    素子。
  11. 【請求項11】 前記電荷移動層が、溶融塩電解質を含
    むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の
    光電変換素子。
  12. 【請求項12】 前記電荷移動層が、イミダゾリウム塩
    を主体とした、揮発性成分を含まない溶融塩電解質であ
    ることを特徴とする請求項1〜11に記載の光電変換素
    子。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の光
    電変換素子を用いたことを特徴とする光電池。
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