JP4415448B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光電変換素子に関する。更に詳細には、本発明は入射光量に対する電池出力の比で表される光電変換効率が飛躍的に向上された新規な構造を有する光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、太陽電池などの光電変換素子はクリーンなエネルギー源として非常に期待されており、すでにpn接合型太陽電池などが実用化されている。しかしながら、前記シリコン系太陽電池は、高純度材料を原料とし、あるいは1000℃程度の高温プロセスや真空プロセスを必要とするため、製造コストの低減が大きな課題となっている。そこで、近年、高純度材料・高エネルギープロセスを比較的必要としない、固液界面に生じる電位勾配により電荷分離を行う太陽電池が注目を集めている。
【0003】
半導体が金属と接触した場合、金属と半導体の仕事関数の関係によりショットキー接合ができるが、半導体と溶液が接している時も同様な接合ができる。例えば、溶液中にFe2+/Fe3+、Fe(CN)6 4-/Fe(CN)6 3-、I-/I2、Br-/Br2、ハイドロキノン/キノンなどの酸化還元系が含まれている時、n型半導体を溶液に浸けると半導体の表面付近の電子が溶液中の酸化剤へ移動し平衡状態に達する。その結果、半導体の表面付近は正に帯電し電位勾配が生じる。これにともない半導体の伝導帯および価電子帯にも勾配が生じる。
【0004】
この電位勾配を利用して電荷分離をしようとするものが湿式太陽電池であり、半導体電極と金属の対向電極および酸化還元溶液より構成される。その機構は、酸化還元溶液に浸けた半導体電極の表面に光を照射すると、半導体のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光が吸収され、表面付近で伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生成する。伝導帯に励起された電子は上述した半導体の表面付近に存在する電位勾配により半導体内部へ伝達され、一方、価電子帯に生成された正孔は酸化還元溶液中の還元体から電子を奪う。
【0005】
酸化還元溶液に金属電極を浸して金属電極と半導体間で回路を作ると、正孔に電子を奪われた還元体は溶液中を拡散して金属電極から電子を受け取り、再び還元される。このサイクルを繰り返し、半導体電極は負極として、金属電極は正極としてそれぞれ働き、外部へ電力を供給することができる。したがって、光起電力は酸化還元溶液の酸化還元準位と半導体中のフェルミ準位との差になる。
【0006】
光起電力を大きくするためには、▲1▼酸化還元準位の低い、すなわち酸化力の強い酸化還元溶液を用いること、▲2▼酸化還元準位と半導体中のフェルミ準位との間に大きな差を作り出せる、すなわちバンドギャップの大きい半導体を用いることである。
【0007】
しかしながら、酸化還元溶液の酸化力があまり大きすぎると半導体自身の表面に酸化膜を形成し、光電流は短時間のうちにストップする。また、バンドギャップについては、一般にバンドギャップが3.0eV以下の半導体は光電変換の際に流れる電流により溶液中に溶解しやすい問題があることから、バンドギャップが3.0eV超の半導体が利用されているが、強度のピークが2.5eV付近にある太陽光を効率よく吸収するには大きすぎる。そのため、太陽光の大部分を占める可視域を全く吸収できず、紫外部しか吸収できないため、光電変換効率は極めて低くなる。
【0008】
前記のように、湿式太陽電池で光電変換を行おうとする際、バンドギャップの小さい半導体を用いると効率は向上するが、電極の溶解が起こりやすく、寿命が低下する。逆にバンドギャップが広い半導体では、寿命は増大するが、短波長の光しか吸収せず効率が低い。そこで、バンドギャップが広い半導体の安定性を生かし、色素により長波長の光まで吸収しようとする試みが行われた。これを色素増感太陽電池という。すなわち,色素増感太陽電池は半導体電極の表面に光を吸収する色素を吸着させ半導体電極のバンドギャップより長波長の可視光を色素で吸収しようとするものである。
【0009】
従来の湿式太陽電池と異なるところは、光の吸収を半導体のみでなく、表面に塗布した有機色素でも行い、吸収する光を増やしたことである。光によって励起された色素内の電子は半導体表面から半導体内へ注入される。電子の移動によって酸化された色素は酸化還元溶液の還元体により還元される。それ以外の機構は従来からの湿式太陽電池と同じであり、半導体内へ注入された電子は背面電極から取り出され、酸化された酸化還元溶液の還元体は金属の対向電極で還元される。
【0010】
色素増感太陽電池は光合成と関連づけてとらえられることが多い。当初、色素としては光合成と同様にクロロフィルが考えられていたが、絶えず新しい葉緑素と交換される自然のクロロフィルと違い、太陽電池に用いる色素では安定性の面で問題があり、また、太陽電池としての光電変換効率も0.5%に満たないものであった。自然界の光合成の過程をそのまま模擬し、太陽電池を構成することは非常に困難である。
【0011】
このように、色素増感太陽電池は、光合成からヒントを得て長波長の可視光を吸収しようというものであるが、実際には電子の伝導機構が複雑になったため、却って損失の増大が問題となった。また、表面に担持された単分子層の光の吸収効率は1%にも満たない。固体の太陽電池では、光を吸収する層を厚くすれば吸収効率は上げることができる。しかしながら、色素増感太陽電池に関しては、半導体電極に電子を注入できるのは表面上の単分子層のみである。そのため無駄な光の吸収をなくすために、半導体表面上の色素は単分子層とすることが望ましいくらいである。
【0012】
しかも励起された色素内の電子が効率的に半導体内に注入されるためには、半導体表面と化学的に結合していることが好ましい。例えば、酸化チタンに関しては、半導体表面と化学的に結合するために、色素にカルボキシル基があることなどが重要である。
【0013】
この点に関して、重要な改善をしたのはFujihiraらのグループである。彼らはローダミンBのカルボキシル基がSnO2表面の水酸基とエステル結合することにより、光電流が従来の吸着法の10倍以上になったことを1977年に雑誌Natureに報告している。これは従来のアミド結合よりエステル結合の方が色素内で光のエネルギーを吸収した電子の存在するπ軌道が半導体の表面に近いためとしている。
【0014】
しかしながら、半導体に電子を有効に注入できたとしても伝導帯内にある電子は、色素の基底準位と再結合する可能性や、酸化還元物質と再結合する可能性などがある。このような問題点があったため、電子注入について上記の改善にも関わらず光電変換効率は低いままであった。
【0015】
以上のように、従来の色素増感太陽電池の大きな問題点として、半導体表面に単層で担持された増感色素しか半導体へ電子を注入することができないことである。すなわち、これまで半導体電極によく用いられていた単結晶や多結晶半導体は、表面が平滑で内部に細孔を持たず、増感色素が担持される有効面積は電極面積に等しく、増感色素の担持量が少ない。
【0016】
従って、このような電極を用いた場合、その電極に担持された単分子層の増感色素は最大吸収波長でも入射光の1%以下しか吸収できず、光の利用効率が極めて悪くなる。光捕集力を高めるために増感色素を多層にする試みも提案されているが、概して充分な効果が得られていない。
【0017】
グレッツェル等は、このような問題を解決する手段として、酸化チタン電極を多孔質化し、増感色素を担持させ、内部面積を著しく増大させた(例えば、B.Oregan,M.Gratzel,Nature,353,737(1991)及び特開平1−220380号公報参照)。ゾル・ゲル法によりこの酸化チタン多孔質膜を作製し、膜のポロシティーは約50%ほどであり、非常に高い内部表面積を有するナノ多孔性構造が形成されている。たとえば、8μmの膜厚ではラフネスファクター(基板面積に対する多孔質内部の実面積の割合)は約720にも達する。この表面を幾何学的に計算すると、増感色素の濃度は1.2×10-7mol/cm2に達し、実に、最大吸収波長で入射光の約98%が吸収されることになる。
【0018】
このグレッツェル・セルとも呼ばれる新しい色素増感太陽電池は、上述の酸化チタンの多孔質化による増感色素の飛躍的な担持量の増大と、太陽光を効率よく吸収しかつ半導体への電子注入速度が著しく速い増感色素開発した点が大きな特徴である。
【0019】
グレッツェルらは、色素増感太陽電池のためにビス(ビピリジル)Ru(II)錯体を開発した。そのRu錯体は一般式シス−X2ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)の構造を持つ。XはCl−,CN−,SCN−である。これらについて蛍光、可視光吸収、電気化学的および光酸化還元的挙動について系統的な研究が行われた。これらのうち、シス−(ジイソシアネート)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)は、太陽光吸収剤および色素増感剤として格段に優れた性能を持つことが示された。
【0020】
この色素増感剤の可視光吸収は、金属から配位子への電荷移動遷移である。また、配位子のカルボキシル基は表面のTiイオンに直接配位して、色素増感剤と酸化チタンの間に密接な電子的接触を形成している。この電子的な接触により、色素増感剤から酸化チタンの伝導帯への電子注入が1ピコ秒以下の極めて速い速度で起こり、その逆方向の酸化された色素増感剤による酸化チタンの伝導帯へ注入された電子の再捕獲はマイクロ秒のオーダーで起こるとされている。この速度差が光励起電子の方向性を生み出し、電荷分離が極めて高い効率で行われる理由である。そして、これがpn接合面の電位勾配により電荷分離を行うpn接合太陽電池との違いであり、グレツェル・セルの本質的な特徴である。
【0021】
図7は前掲のB.Oregan,M.Gratzel,Nature,353,737(1991)に記載されている色素増感太陽電池のセルの断面構造を示す模式図である。図7において、符号71はガラス基板を、符号72はガラス基板71の下面に設けられた集電電極をそれぞれ示す。光はガラス基板71の上面側から入射する。集電電極72としては、光電変換層が集電電極下部に存在するため酸化スズ膜のような透明導電膜が用いられる。符号73は色素を担持した半導体層を示す。半導体層73は粒径がほぼ50nm以下の酸化チタンなどよりなる半導体粒子が集電電極72に焼結した状態の多孔質構造をとる。符号74は電解質溶液を示し、前記色素を担持した半導体層73に浸潤するように設けられている。符号75はPt膜を示す。このPt膜はガラス基板77上の透明導電膜76の上に設けられている。
【0022】
上記構成からなる色素増感太陽電池は以下の作用機構で光電変換を行う。まず、色素増感太陽電池に入射した光は、ガラスおよび透光性のある集電電極を通り、半導体に吸着した増感色素により吸収され、太陽光を吸収した増感色素では励起電子が発生する。発生した励起電子は半導体の伝導体に移動し、焼結した半導体粒子間を伝って負極に達する。励起電子を失った色素は電解液中に含まれる酸化還元体のうち還元状態の電解質から電子を受け取り元の状態に戻る。電子を失い酸化状態となった電解液中に含まれる酸化還元体はPt膜のある対極から電子を受け取り還元状態に戻る。なお、この明細書で使用される「集電電極」という用語は、色素より半導体中に注入された電子を外部に効率よく取り出すために設けられた半導体に接する形で存在する電極を意味する。
【0023】
色素増感太陽電池では、透明導電膜からなる集電電極と半導体膜との界面、および半導体粒子同士の界面に生じる内部抵抗が太陽電池の変換効率低下要因となる。そのため、一般に、半導体粒子を分散させた溶液を透明導電膜からなる集電電極付きのガラス基板に塗布した後、高温焼結して半導体粒子の孤立化を避け電子伝達経路を確保することが行われている。
【0024】
しかし、前記の方法では、焼成時に加える熱により透明導電膜からなる集電電極の抵抗が上昇し、太陽電池の変換効率低下要因となる。ここで、透明導電膜からなる集電電極の厚みを大きくすれば前記抵抗による損失を低減できるが、新たに透明導電膜の透過率が減少することによる太陽電池の光電変換効率低下が問題となる。
【0025】
集電電極部の抵抗損失を低減させるという観点から集電電極材としては、透明導電膜よりもさらに抵抗率の低く、かつ、焼成時の熱によっても抵抗率が上昇することがない、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Al、Ni、Zn、Ti及びCrからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の元素が含まれるものがよい。しかしながら、図7の構成において、集電電極をこれまでの透明導電膜からAu、Pt、Ag、Cu、Al、Ni、Zn、Ti及びCrからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の元素が含まれる電極材に置き換えた場合、電極材の透過率が低いことにより光電変換層に到達する光量が著しく減少する問題が生じる。そのため、半導体粒子を固定する集電電極として前記電極材が利用されることはなかった。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、集電電極の内部抵抗により生じる損失を抑制することにより光電変換効率が飛躍的に向上された新規な構造を有する光電変換素子を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、少なくとも一方が光透過性の素材からなる2枚の基板の間に、少なくとも、色素担持半導体層と、集電電極と、電解質層と対電極とを有する光電変換素子において、
前記光透過性素材からなる基板の一方の面上に色素担持半導体層が配設され、該色素担持半導体層の他方の面上に有孔集電電極が配設され、他方の基板の一方の面上に対電極が配設され、前記有孔集電電極と対電極との間に電解質層が存在する光電変換素子により解決される。
【0028】
本発明の光電変換素子では、集電電極として多数の貫通孔を有する集電電極を使用する。集電電極に設けられた貫通孔を介して、電解質層の電解質溶液は透明基板の受光面側に設けられた色素担持半導体層と接触することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の光電変換素子の一例について具体的に説明する。図1は本発明の光電変換素子の一例の概要断面図である。図示されているように、本発明の光電変換素子1においては、光透過性の透明な基板2の一方の面上に色素担持半導体層3が配設されている。この色素担持半導体層3の他方の面に有孔集電電極4が配設されている。透明基板2への色素担持半導体層3と集電電極4の配設順序が逆である点で、本発明の光電変換素子は図7に示された従来の光電変換素子と決定的に相違する。他方の基板7は光透過性又は光不透過性の素材からなり、その一方の面上に対電極となる導電膜8とPt膜9が配設されている。そして、このPt膜9と有孔集電電極4との間に電解質溶液からなる電解質層5が存在する。従って、電解質溶液は集電電極4の貫通孔を介して透明基板の受光面側に配設された色素担持半導体層と自在に接触することができる。
【0030】
集電電極の受光面側に光電変換の場を設けた構造の光電変換素子は特開平10−112337号公報に記載されている。ただし、特開平10−112337号公報に記載された光電変換素子の構造では、集電電極の受光面側に可視光に吸収を持つ電解液層が存在するため、入射光が光電変換層に到達するまでの間に電解液による光透過損失がある。これに対し、本発明の構成では、集電電極の受光面側に存在する電解液は、焼結した半導体粒子の間隙に浸潤しているものに限られるので、入射光が光電変換層に到達するまでの間の電解液による光透過損失は極めて小さい。また、本発明の構成においては、集電電極に反射率の大きい材料を用いることで、光電変換層を通り抜けた光の再利用を行うことができ、かつ、集電電極に接する形で色素を担持した半導体膜が存在するために、再利用光に関しても電解液による光透過損失の影響を極めて抑制することができる。
【0031】
基板2及び7としては、ガラス又はプラスチックなどを使用できる。プラスチックは可撓性なので、柔軟性を必要とする用途に適する。基板7に被着されている導電膜8は透明又は不透明な薄膜である。導電膜8は金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、もしくは金属酸化物(インジウム−錫複合酸化物、フッ素をドープした酸化錫等)などが挙げられる。基板7が透明基板である場合、導電膜8も透明であることが好ましい。
【0032】
本発明の光電変換素子1における色素担持半導体層3自体は、従来の光電変換素子で使用されている色素担持半導体層と同じものを使用することができる。半導体層は色素を担持させることにより、光電変換効率の高い光電変換素子を得ることができる。半導体層に担持させるために使用される色素としては、従来の色素増感性光電変換素子で常用の色素であれば全て使用できる。このような色素は当業者に公知である。このような色素は例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体又はルテニウム−トリス(RuL3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)タイプの遷移金属錯体若しくは、亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。有機色素としては、9-フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などが挙げられる。この中でもルテニウム−ビス(RuL2)誘導体が好ましい。半導体層への増感色素の担持量としては、10-8〜10-6mol/cm2の範囲にあればよく、特に0.1〜9.0×10-7mol/cm2が好ましい。
【0033】
半導体層を形成する材料としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crの酸化物、SrTiO3、CaTiO3のようなペロブスカイト、または、CdS、ZnS、In23、PbS、Mo2S、WS2、Sb23、Bi23、ZnCdS2、Cu2Sの硫化物、CdSe、In2Se3、WSe2、HgS、PbSe、CdTeの金属カルコゲナイド、その他GaAs、Si、Se、Cd23、Zn23、InP、AgBr、PbI2、HgI2、BiI3が好ましい。または、前記半導体から選ばれる少なくとも一種以上を含む複合体、例えば、CdS/TiO2、CdS/AgI、Ag2S/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdSx/CdSe1-x、CdSx/Te1-x、CdSex/Te1-x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO2/Cd32、CdS/CdSeCdyZn1-yS、CdS/HgS/CdSが好ましい。中でも、半導体層に酸化物を使用することにより、前記の増感色素との担持反応が、より速やかに進行する。
【0034】
色素担持半導体層3の厚さは0.1〜100μmの範囲の厚さであればよい。色素担持半導体層3の厚さが0.1μm未満の場合には、十分な光電変換効果が得られない可能性がある。一方、厚さが100μm超の場合には、可視光および近赤外光に対する透過性が著しく悪化するなどの不都合が生じるので好ましくない。
【0035】
本発明の光電変換素子1における電解質層5は、電解質を溶媒に溶解させることにより生成される電解質溶液からなる。このような目的に使用可能な電解質は例えば、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば、特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。この明細書における、酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体及び還元体の形で存在する一対の物質を意味する。このような酸化還元系構成物質自体は当業者に公知である。本発明で使用できる酸化還元系構成物質は例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられる。言うまでもなく、その他の酸化還元系構成物質も使用できる。中でも、ヨウ素化合物−ヨウ素が好ましく、ヨウ素化合物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム等のヨウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。
【0036】
電解質を溶解するために使用される溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解しイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒の何れも使用できるが、酸化還元系構成物質をより安定するため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ガンマーブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチルーテトラヒドラフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド等の非プロトン性極性化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物が特に好ましい。
【0037】
本発明の光電変換素子1において有孔集電電極4に用いる電極材は、Au、Pt、Ag、Cu、Al、Ni、Zn、Ti及びCrからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の元素を含むものが好ましい。有孔集電電極4の構造としては、電解質層5の電解液中に含まれる酸化還元体の移動を妨げないようにするために、液体が透過可能な網目状の構造が好ましい。網目状電極の目の粗さ自体は特に限定されない。電解質層5の電解質溶液中に含まれる酸化還元体の移動を可能にするのに必要十分な目の粗さを有すればよい。一般的に、このような網目状電極の目の粗さが20メッシュから500メッシュの範囲内であればよい。網目状電極の目の粗さが500メッシュ超の場合、電解質溶液中に含まれる酸化還元体の移動が阻害される恐れがある。一方、網目状電極の目の粗さが20メッシュ未満の場合、半導体に注入される電子が網目状集電電極に到達するまでに移動距離が長くなり、抵抗損失の増大を招くなどの問題が生じるので好ましくない。
【0038】
有孔集電電極4の構造は、電極の貫通孔を通して電解質溶液中に含まれる酸化還元体の移動が可能な構造であれば特に限定されない。例えば、図2に示されるような細線状の電極材を網目状に配列した網目状電極構造又は図3に示されるような薄板状の電極材を縦横に組み込んだ格子状の構造を採用することができる。
【0039】
図2及び図3に示されるような有孔集電電極4の場合、貫通孔の中に、色素担持半導体層を、液体堆積法、電解メッキ法又は無電解メッキ法などの方法で成膜することもできる。これにより、集電電極の抵抗損失を低減でき、かつ、半導体に注入された電子が集電電極に到達するまでに移動する距離を短くすることができる。その結果、半導体中を移動する際に生じる抵抗による損失を低減することができ、光電変換効率を飛躍的に向上させることができる。
【0040】
なお、有孔集電電極4がPtから形成されている場合、対電極のPt膜9と同じ素材なので、対電極で行われるのと同じ還元反応が有孔集電電極4の表面でおこなわれてしまう。このため、有孔集電電極表面で電解質溶液中の酸化体の還元反応が進行しないように半導体被膜で覆うことが必要となる。このような目的のための半導体被膜形成法としては、例えば,酸化チタン半導体被膜の場合、TiCl4水溶液への浸漬、電解メッキ、無電解メッキ、液相堆積法などの方法を使用することができる。有孔集電電極表面を被覆するための半導体としては、酸化チタンの他、五酸化タングステン、ストロンチウムタングステン酸、ストロンチウムチタン酸、五酸化ニオビウム、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化スズ、三酸化インジウムなどの公知の半導体の一種または二種以上を用いることができる。特に、安定性や環境対応性の点から酸化チタンが好ましい。
【0041】
前記のように、有孔集電電極4が対電極形成材料と同じ素材で形成されている場合、有孔集電電極4における電解質溶液中の酸化体の還元反応の進行を阻止するために、有孔集電電極4を半導体被膜で被覆する必要があるが、有孔集電電極4が対電極形成材料と異なる素材から形成されている場合、電解質溶液中の酸化体の還元反応が有孔集電電極4で生起することはないので、有孔集電電極4の表面を半導体被膜で被覆する必要はない。
【0042】
有孔集電電極4の表面を半導体被膜で被覆する場合、この半導体被膜に増感色素を担持させることもできる。この場合、基板表面に色素担持半導体層を別途設ける必要性が無くなる。
【0043】
有孔集電電極4による抵抗損失を小さくするため、有孔集電電極4の表面抵抗は低い程よい。有孔集電電極4の表面抵抗は50Ω/□以下であることが好ましい。30Ω/□以下の表面抵抗値が一層好ましい。有孔集電電極4の表面抵抗の下限値に特に制限はないが、通常0.1Ω/□である。
【0044】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明を具体的に例証する。ただし、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
【0045】
実施例1
界面活性剤を含む水とアセチルアセトンとの混合液(容量混合比=20/1)中に酸化チタン粒子(日本アエロジル社製,P25,平均粒径20nm)を濃度約2wt%で分散させてスラリー液を調製した。次に、このスラリー液を厚さ1mmのガラス基板上に塗布し、さらに、塗布膜上に、図2で示される構造の厚さ5μmで、目の粗さが200メッシュの網目状Pt集電電極を載置し、塗布膜を乾燥した後、500℃で30分間空気中で焼成した。なお、前記網目状Pt集電電極にはあらかじめ酸化チタンの被膜を被覆しておいた。酸化チタン被膜は、網目状Pt集電電極をフルオロチタンアンモニウム2.0g/L,ホウ酸1.2g/Lを含む水に浸漬し25℃で3時間放置することからなる液相堆積法により形成した。次に、この網目状Pt集電電極を備えた多孔質酸化チタン膜をガラス基板とともに、[Ru(4,4’-ジカルボキシル-2,2’-ビピリジン)2-(NCS)2]で表される増感色素溶液中に浸漬し、80℃で還流を行いながら色素吸着処理を行った。
【0046】
前記のようにして得た網目状Pt集電電極を備えた半導体電極とその対電極とを電解質溶液に接触させ光電変換素子を構成した。なお、電解質溶液は網目状Pt集電電極を備えた半導体電極とその対電極と封止材とにより封止した。対電極としてはPtを20nm厚さに成膜した厚さ1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2,10Ω/sq,旭硝子製)を用いた。電解質溶液としては、テトラプロピルアンモニウムヨーダイド(0.46M)とヨウ素(0.6M)を含むエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合液(容量混合比=80/20)を用いた。前記のようにして得られた色素増感電池の断面構造の模式図を図4に示す。また、前記太陽電池にキセノンランプを用い450W/m2の照度の光を照射した時の太陽電池出力を測定したところ光電変換効率は7.1%であった。
【0047】
参考例1
界面活性剤を含む水とアセチルアセトンとの混合液(容量混合比=20/1)中に酸化チタン粒子(日本アエロジル社製,P25,平均粒径20nm)を濃度約2wt%で分散させてスラリー液を調製した。次に、このスラリー液を厚さ1mmのガラス基板上に、図3で示される構造の厚さ20μmの格子状のPt集電電極をのせた上から塗布し、塗布膜を乾燥し、500℃で30分間空気中で焼成し、酸化チタン膜が格子状Pt集電電極の格子内を埋めるような形とした。なお、この格子状Pt集電電極の外表面は、予め酸化チタン被膜で被覆しておいた。この酸化チタン被膜は、格子状Pt集電電極をフルオロチタンアンモニウム2.0g/L、ホウ酸1.2g/Lを含む水に浸漬し、25℃で3時間放置することからなる液相堆積法により形成した。次に、この格子状Pt集電電極を備えた多孔質酸化チタン膜をガラス基板とともに、[Ru(4,4’-ジカルボキシル-2,2’-ビピリジン)2-(NCS)2]で表される増感色素溶液中に浸漬し、80℃で還流を行いながら色素吸着処理を行った。
【0048】
前記のようにして得た格子状Pt集電電極を備えた半導体電極とその対電極とを電解質溶液に接触させ、光電変換素子を構成した。なお、電解質溶液は格子状Pt集電電極を備えた半導体電極とその対電極と封止材とにより封止した。対電極としてはPtを20nm厚さ成膜した厚さ1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2,10Ω/sq,旭硝子製)を用いた。電解質溶液としては、テトラプロピルアンモニウムヨーダイド(0.46M)とヨウ素(0.6M)を含むエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合液(容量混合比=80/20)を用いた。前記のようにして得られた色素増感電池の断面構造の模式図を図5に示す。また、前記太陽電池にキセノンランプを用い450W/m2の照度の光を照射した時の太陽電池出力を測定したところ光電変換効率は7.4%であった。
【0049】
参考例2
格子状のPt集電電極をフルオロチタンアンモニウム2.0g/L及びホウ酸1.2g/Lを含む水に浸漬し、25℃で6日間放置することからなる液相堆積法により、格子状Pt集電電極表面に厚さ2μmの酸化チタン膜を形成し、乾燥後、500℃で30分間空気中で焼成した。次に、この格子状Pt集電電極表面全体を被覆する酸化チタン膜を[Ru(4,4’-ジカルボキシル-2,2’-ビピリジン)2-(NCS)2]で表される増感色素溶液中に浸漬し、80℃で還流を行いながら色素吸着処理を行った。
【0050】
前記のようにして得た格子状Pt集電電極を備えた半導体電極とその対電極とを電解質溶液に接触させ、光電変換素子を構成した。なお、電解質溶液は、格子状Pt集電電極を備えた半導体電極とその対電極と封止材とにより封止した。対電極としてはPtを20nm厚さ成膜した厚さ1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2,10Ω/sq,旭硝子製)を用いた。電解質溶液としては、テトラプロピルアンモニウムヨーダイド(0.5M)とヨウ素(0.04M)を含むエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合液(容量混合比=80/20)を用いた。前記のようにして得られた色素増感電池の断面構造の模式図を図6に示す。また、前記太陽電池にキセノンランプを用い450W/m2の照度の光を照射した時の太陽電池出力を測定したところ光電変換効率は6.9%であった。
【0051】
参考例3
界面活性剤を含む水とアセチルアセトンとの混合液(容量混合比=20/1)中に酸化チタン粒子(日本アエロジル社製,P25,平均粒径20nm)を濃度約2wt%で分散させてスラリー液を調製した。次に、このスラリー液を厚さ1mmのガラス基板上に塗布し、更に、塗布膜上に厚さ5μmで200メッシュの網目状Au電極をのせ、塗布膜を乾燥した後、500℃で30分間空気中で焼成した。次に、この網目状Au電極を備えた多孔質酸化チタン膜をガラス基板と共に、[Ru(4,4’-ジカルボキシル-2,2’-ビピリジン)2-(NCS)2]で表される増感色素溶液中に浸漬し、80℃で還流を行いながら色素吸着処理を行った。
【0052】
前記のようにして得た網目状Au電極を備えた半導体電極とその対電極とを電解質溶液に接触させ、光電変換素子を構成した。なお、電解質溶液は網目状Au電極を備えた半導体電極とその対電極と封止材とにより封止した。対電極としてはPtを20nm厚さ成膜した厚さ1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2,10Ω/sq,旭硝子製)を用いた。電解質溶液としては、テトラプロピルアンモニウムヨーダイド(0.46M)とヨウ素(0.6M)を含むエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合液(容量混合比=80/20)を用いた。また、前記太陽電池にキセノンランプを用い450W/m2の照度の光を照射した時の太陽電池出力を測定したところ光電変換効率は6.8%であった。
【0053】
比較例1
界面活性剤を含む水とアセチルアセトンとの混合液(容量混合比=20/1)中に酸化チタン粒子(日本アエロジル社製,P25,平均粒径20nm)を濃度約1wt%で分散させてスラリー液を調製した。次に、このスラリー液を厚さ1mmの導電性ガラス基板(旭硝子製,F−SnO2,10Ω/sq)上に塗布し、乾燥し、得られた乾燥物を500℃で30分間、空気中で焼成し、基板上に厚さ10μmの多孔質酸化チタン膜を形成した。次に、この多孔質酸化チタン膜を設けた基板とともに,[Ru(4,4’-ジカルボキシル-2,2’-ビピリジン)2-(NCS)2]で表される増感色素溶液中に浸漬し、80℃で還流を行いながら色素吸着処理を行った。
【0054】
前記のようにして得た半導体電極とその対電極とを電解質溶液に接触させて光電変換素子を構成した。この場合、対電極としては,20nmのPtを成膜した導電性ガラスを用いた。両電極間の距離は0.1mmとした。電解質溶液としては,テトラプロピルアンモニウムヨーダイド(0.5M)とヨウ素(0.04M)を含むエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合液(容量混合比=80/20)を用いた。前記のようにして得られた色素増感電池にキセノンランプ用い450W/m2の照度の光を照射した時の太陽電池出力を測定したところ光電変換効率は5.2%であった。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、色素を担持した半導体層を、集電電極の受光面側に配置し、集電電極として多数の貫通孔を有する網目状又は格子状の集電電極を使用することにより、電解質溶液がこの集電電極の貫通孔を介して色素担持半導体層と接触できるようにしたことにより、受光面から入射した光が色素担持半導体層に直接作用することが可能となるので、光電変換素子(例えば、太陽電池)の光電変換効率を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換素子の一例の概要断面図である。
【図2】図1に示された光電変換素子で使用される集電電極の一例の概要斜視図である。
【図3】図1に示された光電変換素子で使用される集電電極の別の例の概要斜視図である。
【図4】実施例1で作製された本発明の光電変換素子の概要断面図である。
【図5】参考例1で作製された本発明の光電変換素子の概要断面図である。
【図6】参考例2で作製された本発明の光電変換素子の概要断面図である。
【図7】従来技術による光電変換素子の一例の概要断面図である。
【符号の説明】
1 本発明の光電変換素子
2 透明基板
3 色素担持半導体層
4 有孔集電電極
5 電解質層
7 基板
8 導電膜
9 Pt膜

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が光透過性の素材からなる2枚の基板の間に、少なくとも、色素担持半導体層と、集電電極と、電解質層と対電極とを有する光電変換素子において、前記光透過性素材からなる基板の一方の面上に色素担持半導体層が配設され、該色素担持半導体層の他方の面上に前記集電電極として目の粗さが20〜500メッシュの範囲内である有孔集電電極が配設され、該有孔集電電極の表面が半導体被膜で被覆されていると共に、他方の基板の一方の面上に対電極が配設され、前記有孔集電電極と対電極との間に電解質層が配設されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記半導体被膜が、TiCl 水溶液への浸漬、電解メッキ、無電解メッキ、液相堆積法の何れかの方法を使用して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記有孔集電電極は、細線状の電極材を縦横に組み合わせた網目状の構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記有孔集電電極は、薄板状の電極材を縦横に組み合わせた格子状の構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  5. 前記有孔集電電極は、Au、Pt、Ag、Cu、Al、Ni、Zn、Ti及びCrからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の元素からからなる電極材から形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光電変換素子。
  6. 前記有孔集電電極がPtから形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の光電変換素子。
  7. 前記有孔集電電極の表面を被覆する半導体被膜が前記色素担持半導体層を構成することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の光電変換素子。
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