JP4092908B2 - 光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状因子の高い光電流−電圧特性を示す光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池はクリーンなエネルギー源として大きく期待されており、すでにpn接合型太陽電池などが実用化されている。一方、光励起状態の化学反応を利用して電気エネルギーを取り出す光化学電池は多くの研究者によって開発されているが、実用化に関して言えば、すでに実績の高いpn接合型太陽電池には遙かに及ばないのが現状である。
【0003】
従来の光化学電池の中で、増感剤と電子受容体からなる酸化還元反応を利用した増感型湿式太陽電池が知られている。例えば、チオニン色素と鉄(II)イオンを組み合わせた系などがある。また、本多−藤嶋効果の発見以来、金属やその酸化物の光電荷分離を利用した光化学電池も知られている。
【0004】
ここで、光化学電池の動作原理を説明する。半導体が金属と接触した場合、金属と半導体の仕事関数の関係によりショットキー接合ができるが、半導体と溶液が接している時も同様な接合ができる。例えば、溶液中にFe2+/Fe3+、Fe(CN)6 4-/Fe(CN)6 3-、I-/I2、Br-/Br2、ハイドロキノン/キノンなどの酸化還元系が含まれている時、n型半導体をこの溶液に浸けると半導体の表面付近の電子が溶液中の酸化剤へ移動して平衡状態に達する。その結果、半導体の表面付近は正に帯電して電位勾配が生じる。これにともない半導体の伝導帯及び価電子帯にも電位勾配が生じる。
【0005】
この状態で、酸化還元溶液に浸けた半導体電極の表面に光を照射すると、半導体のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光が吸収され、表面付近で伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生成する。伝導帯に励起された電子は上述した半導体の表面付近に存在する電位勾配により半導体内部へ伝達され、一方、価電子帯に生成された正孔は酸化還元溶液中の還元体から電子を奪う。
【0006】
酸化還元溶液に金属電極を浸して金属電極と半導体電極間で回路を作ると、正孔に電子を奪われた還元体は溶液中を拡散して金属電極から電子を受け取り、再び還元される。このサイクルを繰り返し、半導体電極は負極として、金属電極は正極としてそれぞれ働き、外部へ電力を供給することができる。従って、光起電力は酸化還元溶液の酸化還元準位と半導体中のフェルミ準位との差になる。以上が光化学電池の原理である。
【0007】
このような光化学電池において、光起電力を大きくするためには、▲1▼酸化還元準位の低い、即ち酸化力の強い酸化還元溶液を用いること、▲2▼酸化還元準位と半導体中のフェルミ準位との間に大きな差を作り出せる、即ちバンドギャップの大きい半導体を用いることである。
【0008】
しかしながら、酸化還元溶液の酸化力があまり大きすぎると半導体自身の表面に酸化膜を形成し、光電流は短時間のうちにストップする。また、バンドギャップについては、一般にバンドギャップが3.0eV以下、更には2.0eV以下の半導体は光電変換の際に流れる電流により溶液中に溶解しやすい問題がある。例えば、n-Siは水中の光照射で表面に不活性な酸化物被膜を形成し、n-GaAsやn-CdSは酸化的に溶解する。
【0009】
これらの問題を解決すために、半導体に保護膜を被覆する工夫が試みられており、正孔輸送特性を有するポリピロールやポリアニリン、ポリチオフェンなどのp型導電性高分子を半導体の保護膜に使用する工夫が提案されている。しかしながら耐久性に問題があり、せいぜい数日程度しか安定して使用できなかった。
【0010】
また、光溶解の問題を解決するために、バンドギャップが3eV以上ある半導体の利用が考えられるが、強度のピークが2.5eV付近にある太陽光を効率よく吸収するにはバンドギャップが大きすぎる。そのため、太陽光のうち紫外部しか吸収できず、大部分を占める可視光域を全く吸収せず、光電変換効率は極めて低くなる。
【0011】
そこで、可視光域の有効利用とバンドギャップの大きな半導体の光安定性を両立させるために、半導体のバンドギャップより小さい長波長側の可視光を吸収する増感色素を半導体に担持させた色素増感太陽電池が知られている。従来の半導体を用いた湿式太陽電池と異なるところは、色素に光を照射して電子が励起され、励起電子が色素から半導体へ移動する光電荷分離過程を光電変換プロセスとして使用している点である。
【0012】
この色素増感太陽電池は光合成と関連づけてとらえられることが多い。当初、色素としては光合成と同様にクロロフィルが考えられていたが、絶えず新しい葉緑素と交換される自然のクロロフィルと違い、太陽電池に用いる色素では安定性の面で問題があり、また、太陽電池としての光電変換効率も0.5%に満たないものであった。従って、自然界の光合成の過程をそのまま模擬し、太陽電池を構成することは非常に困難である。
【0013】
このように色素増感太陽電池は、光合成からヒントを得て長波長の可視光を吸収しようというものであるが、実際には電子の伝導機構が複雑になったため、却って光エネルギーの損失の増大が問題となった。固体の太陽電池では、光を吸収する層を厚くすれば吸収効率を上げることができる。しかしながら、色素増感太陽電池に関しては、半導体電極に電子を注入できるのは表面上の色素の単分子層のみであり、光吸収層を厚くすることによる吸収効率の向上を図ることができない。そのため無駄な光の吸収をなくすために、半導体表面上の色素は単分子層とするとともに、単分子層の面積を大きくすることが望ましい。
【0014】
しかも励起された色素内の電子が効率的に半導体内に注入されるためには、色素が半導体表面と化学的に結合していることが好ましい。例えば、酸化チタンを用いた半導体に関しては、半導体表面と化学的に結合するために、色素にカルボキシル基があることなどが重要である。
【0015】
この点に関して重要な改善をしたのは、フジヒラらのグループである。彼らはローダミンBのカルボキシル基がSnO2表面の水酸基とエステル結合することにより、光電流が従来の吸着法の10倍以上になったことを1977年に雑誌ネイチャーに報告している。これは従来のアミド結合よりエステル結合の方が、色素内で光のエネルギーを吸収した電子の存在するπ軌道が半導体の表面に近いためとしている。
【0016】
しかしながら、半導体に電子を有効に注入できたとしても、伝導帯内にある電子は色素の基底準位と再結合する可能性や、酸化還元物質と再結合する可能性などがある。このような問題点があったため、電子注入について上記の改善にも関わらず光電変換効率は低いままであった。
【0017】
以上のように、従来の色素増感太陽電池の大きな問題点は、半導体表面に単層で担持された増感色素しか半導体へ電子を注入することができないことである。即ち、これまで半導体電極によく用いられていた単結晶や多結晶の半導体は、表面が平滑で内部に細孔を持たず、増感色素が担持される有効面積は電極面積に等しく、増感色素の担持量が少ないという問題がある。
【0018】
従って、このような電極を用いた場合、その電極に担持された単分子層の増感色素は最大吸収波長でも入射光の1%以下しか吸収できず、光の利用効率が極めて悪くなる。光捕集力を高めるために増感色素を多層にする試みも提案されているが、概して充分な効果が得られていない。
【0019】
このような状況の中で、グレッツェルらは、このような問題を解決する手段として、特許第2664194号公報に記載されているように、酸化チタン電極を多孔質化して増感色素を担持させ、内部面積を著しく増大させる方法を提案した。ここでは、ゾル・ゲル法によりこの酸化チタン多孔質膜を作製した。この膜のポロシティーは約50%ほどであり、非常に高い内部表面積を有するナノ多孔性構造が形成されている。例えば、8μmの膜厚ではラフネスファクター(基板面積に対する多孔質内部の実面積の割合)は約720にも達する。この表面を幾何学的に計算すると、増感色素の担持量は1.2×10-7mol/cm2に達し、実に、最大吸収波長で入射光の約98%が吸収されることになる。
【0020】
このグレッツェル・セルとも呼ばれる新しい色素増感太陽電池は、上述の酸化チタンの多孔質化による増感色素の飛躍的な担持量の増大と、太陽光を効率よく吸収し、且つ半導体への電子注入速度が著しく速い増感色素を開発した点が大きな特徴である。
【0021】
グレッツェルらは、色素増感太陽電池のための増感色素としてビス(ビピリジル)Ru(II)錯体を開発した。そのRu錯体は、一般式シス−X2ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)の構造を持つ。XはCl−,CN−,SCN−である。これらについて蛍光、可視光吸収、電気化学的及び光酸化還元的挙動について系統的な研究が行なわれた。これらのうち、シス−(ジイソシアネート)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)は、太陽光吸収剤及び色素増感剤として格段に優れた性能を持つことが示された。
【0022】
この色素増感剤の可視光吸収は、金属から配位子への電荷移動遷移によるものである。また、配位子のカルボキシル基は表面のTiイオンに直接配位して、色素増感剤と酸化チタンの間に密接な電子的接触を形成している。この電子的な接触により、色素増感剤から酸化チタンの伝導帯への電子注入が1ピコ秒以下の極めて速い速度で起こり、その逆方向の酸化された色素増感剤による酸化チタンの伝導帯へ注入された電子の再捕獲はマイクロ秒のオーダーで起こるとされている。この速度差が光励起電子の方向性を生み出し、電荷分離が極めて高い効率で行われる理由である。そして、これがpn接合面の電位勾配により電荷分離を行うpn接合型太陽電池との違いであり、グレッツェル・セルの本質的な特徴である。
【0023】
次に、グレッツェル・セルの構成を説明する。グレッツェル・セルは、フッ素をドープした酸化スズの透明導電膜をコーティングした導電性ガラス基板2枚の間に、酸化還元対を含む電解質溶液を封入したサンドイッチ型のセルである。ガラス基板の一方は、透明導電膜上に酸化チタン超微粒子から構成される多孔質膜を積層し、更に増感色素を吸着させて作用電極としたものである。他方は、透明導電膜上に少量の白金をコーティングして対電極としたものである。2枚のガラス基板の間にスペーサを挟み、その間のごくわずかの隙間に毛細管現象を利用して電解質溶液を注入する。電解質溶液は、エチレンカーボネートとアセトニトリルの混合溶媒を使用し、ヨウ化テトラ−n−プロピルアンモニウムとヨウ素とを溶質としたもので、I-/I3 -の酸化還元対を含む。対電極にコーティングされた白金は、この酸化還元対のI3 -をI-に陰極還元する触媒作用がある。
【0024】
グレッツェル・セルの動作原理は、基本的に従来の半導体を用いた湿式太陽電池と変わらない。ただし、グレッツェル・セルのような多孔質電極のどの部分においても光電荷分離応答が均一且つ効率的に行われるのは、主に電解質層が液体であるためである。即ち、色素担持多孔質電極を溶液に浸すだけで溶液が均一に多孔質内に拡散し、理想的な電気化学的界面を形成できるからである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
グレッツェル・セルに限らず、周知のとおり、太陽電池の光電流−電圧特性の形状因子はセルの内部抵抗と関係する。グレッツェル・セルの多くは透明電極が被着された透明基板を電極基板として使用するが、通常、透明電極として酸化物半導体(SnO2等)が使用されるため、セルの内部抵抗が大きくなって形状因子が低くなってしまう問題があった。
【0026】
これに対し、電極の内部抵抗による形状因子の低下を防ぐために、特開平10−112337号公報では透明電極の代わりに金属板を使用するセル構造を提案している。しかしながら、このセル構造は対電極側から光を照射しなければならないので、入射光を効率的に利用することが難しい。また、よく知られているサンドイッチ型のセル構造ではなく、内部抵抗の減少を意図した特別な構造を提案している公知例(特開平11−266028号公報)、あるいは単に透明電極に導電ペーストを塗布する方法も公知であるが、十分な効果は得られていない。
【0027】
そこで、本発明は前記従来の問題を解決するためになされたものであり、透明電極上の半導体層の近傍に集電体を設けることにより、セルの内部抵抗を減少させ、高い形状因子の光電流−電圧特性を示す光電変換素子を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の光電変換素子は、増感色素を担持した半導体層が被着された第1の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と対峙する第2の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と前記第2の電極との間に配置された電解質層とを備えた光電変換素子であって、前記半導体層の近傍に、前記半導体層から離間した状態で、この半導体層を囲むように、前記第1の電極と接する集電体を配置したことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の光電変換素子は、前記集電体と前記半導体層との距離が1cm以内であることが好ましい。
【0030】
また、本発明の光電変換素子は、前記集電体の表面抵抗が前記第1の電極の表面抵抗より小さいことが好ましい。
【0031】
また、本発明の光電変換素子は、前記集電体を構成する材料が金属又はカーボンであることが好ましい。
【0032】
また、本発明の光電変換素子は、前記集電体の表面抵抗が10Ω/□以下であることが好ましい。
【0033】
また、本発明の光電変換素子の製造方法は、増感色素を担持した半導体層が被着された第1の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と対峙する第2の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と前記第2の電極との間に配置された電解質層とを有し、前記半導体層の近傍に、前記半導体層から離間した状態で、この半導体層を囲むように、前記第1の電極と接する集電体を形成する光電変換素子の製造方法であって、導電性材料を前記第1の電極の上に、蒸着、スパッタリング又は塗布のいずれかの手段を用いて載置することにより、前記集電体を形成することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す概要断面図である。図示されているように、本発明の光電変換素子1は、透明基板3の一方の表面に形成された透明電極5(第1の電極)を有する。この透明電極5の一方の表面には増感色素を担持した半導体層7が形成されている。また、前記半導体層7の近傍には、前記透明電極5と接する集電体9が配置されている。更に、この増感色素を担持した半導体層7に対峙して対電極15(第2の電極)が存在する。対電極15は別の基板17の一方の表面に形成されている。半導体層7と対電極15との間には電解質層13が存在する。また、封止材11が、電解質層13を半導体層7と対電極15との間に保持するように配置されている。
【0035】
本発明において、集電体9は半導体層7の近傍に配置することが必要である。特に、集電体9と半導体層7との距離は1cm以内であることが好ましい。集電体9と半導体層7との距離が1cm以内であれば、本発明の光電変換素子1の内部抵抗がより低減できる効果が得られ、形状因子のより高い光電流−電圧特性を示す光電変換素子を提供することができる。なお、本発明における集電体9と半導体層7との距離とは、入射光19の方向から光電変換素子1を見て、半導体層7の法線方向から集電体9を眺めたときの半導体層7の端部と集電体9の端部との最短距離を意味する。
【0036】
この場合、図3に示すように集電体9が半導体層7の一部分のみを囲むように配置して、少なくとも集電体9の端部の一部分が半導体層7の端部と1cm以内の距離に配置されていれば、本発明の効果を得ることができる。更に、図2に示すように集電体9が半導体層7を囲むように配置して、集電体9を半導体層7の周囲に配置するのが、最も効果的である。
【0037】
本発明において、集電体9の表面抵抗は透明電極5の表面抵抗より小さいことが好ましい。これにより、形状因子のより高い光電流−電圧特性を示す光電変換素子を提供することができる。また、集電体9の表面抵抗は10Ω/□以下が好ましく、特に1Ω/□以下がより好ましい。表面抵抗がこの範囲内であれば、集電体9の集電効果がより充分となり、形状因子のより高い光電流−電圧特性を示す光電変換素子が得られる。
【0038】
透明電極5の上に配置される集電体9の構成材料としては、透明電極の材料として一般的に使用されるインジウム−錫複合酸化物(ITO)や、アンチモン又はフッ素がドープされた酸化スズなどの金属酸化物より高い電気伝導性を有する金属やカーボンなどの材料であることが好ましい。
【0039】
本発明において、少なくとも集電体9の端部の一部が、半導体層7の近傍に配置されていれば本発明の効果が得られるので、図1の一例で示すように、封止材11が集電体9の上に配置される場合がある。この場合、透明電極5と集電体9との密着力が強くないと、封止材11の接着力の強さで集電体9が透明電極5から剥がれてしまい、本発明の光電変換素子の信頼性が損なわれてしまう可能性がある。このような信頼性の低下を防ぐために、これまでは集電体9を半導体層7の近傍に配置した光電変換素子は提案されなかった。従って、半導体層7の周囲に封止材11が配置され、更にその外側に集電体が配置されるような位置関係がほとんどであった。しかし、本発明者らは、これまでの半導体層と集電体との位置関係では形状因子の高い光電変換素子を得ることが難しいと考え、本発明により従来の問題を解決するに至った。
【0040】
従って、本発明では、集電体9は透明電極5と強い密着力が得られる方法で透明電極5の上に形成されることが必要である。例えば、金属を蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスを用いて透明電極5の上に形成する方法や、金属粉末を含むエポキシ樹脂を透明電極5の上に塗布する方法などを用いることが必要である。
【0041】
本発明において、透明基板3の材質としては透光性を有する材料であれば特に限定されないが、通常、ガラスや透明フィルムが使用される。また、透明基板3の光透過率は高い程よい。好ましい光透過率としては50%以上であり、より好ましくは80%以上である。
【0042】
基板17は、透明基板3と同じガラスや透明フィルムの他に、金属などを使用することができる。基板17は不透明でもよいが、両側の基板から光を入射させることができる点で、透明であることが好ましい。
【0043】
透明基板3の一方の面に形成される透明電極5の材料としては、透明電極として一般的に使用される金属酸化物であるインジウム−錫複合酸化物(ITO)やフッ素をドープした酸化錫等が挙げられる。
【0044】
透明電極5は、表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、より好ましくは30Ω/□以下である。表面抵抗の下限に特に制限はないが、通常0.1Ω/□である。
【0045】
透明電極5は、光透過率が高い程よい。好ましい光透過率としては50%以上であり、より好ましくは80%以上である。透明電極5の膜厚は、0.1〜10μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、均一な膜厚の電極膜を形成することができ、また、光透過性が低下せず、十分な光を半導体層7に入射させることができる。この場合、光は増感色素が担持された半導体層7が被着される側の透明電極5から入射させることが好ましい。
【0046】
対電極15は光電変換素子1の正極として機能し、前記増感色素が担持された半導体層7が被着される側の透明電極5と同様に形成できる。本発明における光電変換素子1の対電極15としては、光電変換素子1の正極として効率よく作用するために、電解質の還元体に電子を与える触媒作用を有する素材が好ましい。このような素材は、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、又はグラファイト、若しくはITO、フッ素をドープした酸化錫等の導電性の金属酸化物などである。これらのうち、白金やグラファイトなどが特に好ましい。対電極15が配設される側の基板17は、対電極15の被着面側に透明導電膜(図示されていない)を有することもできる。この透明導電膜は、例えば前記の透明電極5と同じ材料から成膜することができる。この場合、対電極15も透明であることが好ましい。
【0047】
半導体層7は、半導体粒子からなるスラリー液を、公知慣用の方法、例えば、ドクターブレードやバーコータなどを使う塗布方法、スプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法などにより、透明基板3の上の透明電極5の表面に塗布し、その後、400〜600℃の範囲内の温度で加熱処理して半導体層7を形成することができる。半導体層7の膜厚に関しては、前記塗布と加熱処理を繰り返すことで所望の膜厚とすることができる。また、透明基板3としてポリエチレンテレフタレート(PET)などのフィルムシートを使用する場合、前記範囲内の温度で半導体層7を加熱処理すると、フィルムシートの変形やITOなどの透明電極5がフィルムシートから剥離する問題が起きる。この場合は、200℃以下の温度で加熱処理をしたり、半導体層7に圧力を加えたりして、半導体層7を形成することができる。半導体層7に加える圧力は、例えば、ハイプレッシャージャッキを使用する場合、1〜15tの範囲内のプレス加重であればよい。1tより小さなプレス加重の場合、半導体層7が脆くなったり、フィルムシートから剥離しやすくなったりする。また、15tを越える大きなプレス加重の場合、圧力が大きすぎてITOなどの透明電極5が割れてしまう問題が起こる。圧力を加えて半導体層7を形成する場合、その膜厚は、前記塗布と加圧を繰り返すことによって、任意の厚さに調整することができる。
【0048】
半導体層7の膜厚は、0.1〜100μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、十分な光電変換効果が得られ、また、可視光及び近赤外光に対する透過性が悪化することもない。半導体層7の膜厚の一層好ましい範囲は、1〜50μmであり、特に好ましい範囲は5〜30μmであり、最も好ましい範囲は10〜20μmである。
【0049】
半導体層7を構成する半導体材料としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crの酸化物、SrTiO3、CaTiO3のようなペロブスカイト、又はCdS、ZnS、In2S3、PbS、Mo2S、WS2、Sb2S3、Bi2S3、ZnCdS2、Cu2Sの硫化物、CdSe、In2Se3、WSe2、HgS、PbSe、CdTeの金属カルコゲナイド、その他GaAs、Si、Se、Cd2P3、Zn2P3、InP、AgBr、PbI2、HgI2、BiI3、又は前記半導体から選ばれる少なくとも一種以上を含む複合体、例えば、CdS/TiO2、CdS/AgI、Ag2S/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdSx/CdSe1-x、CdSx/Te1-x、CdSex/Te1-x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO2/Cd3P2、CdS/CdSeCdyZn1-yS、CdS/HgS/CdS等が挙げられる。中でもTiO2が、グレッツェル・セルでは、電解液中への光溶解の回避と高い光電変換特性の点で好ましい。
【0050】
半導体粒子の粒径は一般的に、5〜1000nmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、半導体層7の空孔径が適度になって電解質溶液中の酸化還元物質の移動がスムーズとなり、光電流の低下が発生することがなく、また、半導体層7の表面積を大きくできるため、充分な増感色素の担持量を得ることができ、その結果、大きな光電流が得られる。半導体粒子の粒径の特に好ましい範囲は、10〜100nmである。
【0051】
半導体層7の膜厚又は半導体粒子の粒径を制御することにより、半導体層7のラフネスファクター(基板面積に対する半導体層内部の実面積の割合)を決定することができる。ラフネスファクターは20以上であることが好ましく、150以上であることが一層好ましい。ラフネスファクターが20未満の場合、増感色素の担持量が不充分となり、光電変換特性が改善されない。ラフネスファクターの上限値は、一般的に5000程度である。ラフネスファクターは半導体層7の膜厚を厚くすると大きくなり、半導体層7の表面積が広がり、増感色素の担持量の増加が期待できる。しかし、膜厚が厚くなりすぎると、半導体層7の光透過率並びに抵抗損失の影響が現れ始める。また、半導体層7に界面活性剤やポリエチレングリコール、セルロース系材料などを添加し、半導体層7の加熱処理時にそれらを燃焼させることで半導体層7を多孔質にしたり、半導体粒子の粒径を変更したりすることで膜のポロシティーを高くすれば、膜厚を厚くしなくてもラフネスファクターを大きくすることは可能である。しかし、ポロシティーが高すぎると、半導体粒子間の接触面積が減少して抵抗損失の影響を考慮しなくてはならなくなる。このようなことから、半導体層7のポロシティーは50%以上が好ましく、その上限値は一般的に約80%程度である。膜のポロシティーは液体窒素温度下で窒素ガスあるいはクリプトンガスの吸着−脱離等温曲線の測定結果から算出することができる。
【0052】
増感色素としては、従来の色素増感性光電変換素子で常用される色素であれば全て使用できる。このような色素は当業者に公知である。このような色素は、例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体又はルテニウム−トリス(RuL3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)タイプの遷移金属錯体、若しくは亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などが挙げられる。この中でもルテニウム−ビス(RuL2)誘導体は、可視光域で広い吸収スペクトルを有するため、特に好ましい。
【0053】
半導体層7へ増感色素を担持させる方法は、例えば増感色素を溶かした溶液に、半導体層7を被着させた透明基板3を浸漬させる方法が挙げられる。この溶液の溶媒としては、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドなど増感色素を溶解可能なものであれば全て使用できる。また、浸漬方法として、増感色素溶液に半導体層7を被着させた透明基板3を一定時間浸漬させている時に、加熱還流をしたり、超音波を印加したりすることもできる。半導体層7への色素担持後、担持せずに半導体層7に残ってしまった増感色素を取り除くために、アルコールで洗浄あるいは加熱還流したりするとよい。更に、増感色素が担持されていない半導体粒子表面を被覆するために、溶媒としてアルコールを使用した場合、アルコール中にt−ブチルピリジンを溶かしておくことが好ましい。アルコール中にt−ブチルピリジンが存在すると、半導体粒子/電解質界面では、t−ブチルピリジンによって半導体粒子表面と電解質とをセパレートすることができ、漏れ電流を抑制することが可能となり、光電変換素子の特性を著しく向上させることができる。
【0054】
半導体粒子への増感色素の担持量としては、1×10-8〜1×10-6mol/cm2の範囲にあればよく、特に0.1×10-7〜9.0×10-7mol/cm2が好ましい。この範囲内であれば、経済的且つ十分に光電変換効率向上の効果を得ることができる。
【0055】
本発明の光電変換素子1における電解質層13で使用される電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質であることが好ましい。この明細書における酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において可逆的に酸化体及び還元体の形で存在する一対の物質を意味する。このような酸化還元系構成物質自体は当業者に公知である。本発明で使用できる酸化還元系構成物質は、例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられる。もちろん、その他の酸化還元系構成物質も使用できる。中でも、ヨウ素化合物−ヨウ素が好ましく、ヨウ素化合物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム等のヨウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。
【0056】
電解質を溶解するために使用される溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解してイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒の何れも使用できるが、酸化還元系構成物質をより安定さすため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド等の非プロトン性極性化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物が特に好ましい。
【0057】
なお、封止材としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性ポリオレフィンホットメルト樹脂等を使用することができる。
【0058】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0059】
(実施例1)
三洋化成社製の界面活性剤“ノニポール100”を0.01g/dm3含む水と、アセチルアセトンとの混合液(容量混合比=20/1)中に、日本アエロジル社製の酸化チタン粒子“P25”(平均粒径20nm)を濃度約38質量%となるように分散させてスラリー液を調製した。次に、このスラリー液を旭硝子社製の厚さ1mmの導電性ガラス“F−SnO2”(フッ素がドープされたSnO2を表面にコーティングして導電性を付与した透明電極付きガラス基板、表面抵抗10Ω/□)の上に塗布して乾燥後、得られた乾燥物を500℃で30分間空気中で加熱し、導電性ガラス上に厚さ10μmの酸化チタン膜を形成した。得られた酸化チタン膜の大きさは縦8mm、横8mmであった。次に、この酸化チタン膜を備えた導電性ガラスを[Ru(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)2(NCS)2]で表される増感色素を3×10-4mol/dm3含むエタノール溶液中に浸漬して80℃で還流を行いながら色素吸着処理を行った。
【0060】
次に、本発明の集電体として、徳力化学研究所社製の銀ペースト“シルベストP−255”を前記導電性ガラスに塗布した。この集電体の表面抵抗は0.07Ω/□であった。集電体の形状は図3に示すように、酸化チタン膜を囲むようなコの字型とした。酸化チタン膜を囲む集電体の3辺は、各々、酸化チタン膜と表1に示した距離だけ離した。
【0061】
このようにして得られた半導体電極と、その対電極とを電解質溶液に接触させて光電変換素子を構成した。この場合、対電極としては、旭硝子社製の前記導電性ガラス“F−SnO2”に白金を20nmの厚さで蒸着したものを用いた。両電極間の距離は0.1mmとした。電解質溶液としては、0.5mol/dm3のテトラプロピルアンモニウムヨーダイドと0.04mol/dm3のヨウ素とを含むエチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合液(容量混合比=80/20)を用いた。
【0062】
なお、封止材としては、デュポン社製のホットメルト樹脂“Bynel”を用いた。
【0063】
このようにして得られた光電変換素子にソーラーシュミレータで擬似太陽光(100mW/cm2、AM1.5)を照射し、光電流−電圧特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
(比較例1)
集電体を配置しなかったこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、実施例1と同様にして光電流−電圧特性を測定した。その結果、開放端電圧712mV、短絡電流密度7.62mA/cm2、形状因子0.43であった。
【0066】
実施例1(表1)と比較例1の測定結果から明らかなように、集電体を配置した実施例1では比較例1に比べて形状因子が高くなっていることがわかる。また、実施例1において集電体と酸化チタン膜との距離が1cm以内であるものが、特に形状因子が高くなっていることがわかる。
【0067】
(実施例2)
スクリーン印刷用の酸化チタンペーストをEP0855726A1公報にしたがって調製した。次に、実施例1で使用したものと同様の導電性ガラスにスクリーン印刷により酸化チタンペーストを塗布し、実施例1と同様な方法で加熱処理及び色素担持を行った。また、本発明の集電体として、スリーボンド社製の銀ペースト“導電性樹脂材料3380”を前記導電性ガラスに種々の表面抵抗となるようにスクリーン印刷で塗布した。集電体の形状は実施例1と同様にコの字型とした。酸化チタン膜を囲む集電体の3辺と酸化チタン膜との距離は0.4cmとした。以下、実施例1と同様にして本発明の光電変換素子を作成した。
【0068】
このようにして得られた光電変換素子の光電流−電圧特性を実施例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
表2から明らかなように、前記集電体の表面抵抗が、前記導電性ガラスの表面抵抗(10Ω/□)より小さい場合に、特に形状因子を向上させる効果が得られることがわかる。
【0071】
(実施例3)
あらかじめパターニングされたマスクを実施例1で使用したものと同様の導電性ガラスに貼り付け、金を蒸着した。次に、パターニングされた金と酸化チタン膜との距離が3cmとなるように、実施例2と同じ方法で、導電性ガラスの上に酸化チタン膜をスクリーン印刷した。以下、実施例1と同様にして本発明の光電変換素子を作成した。蒸着された金の表面抵抗は0.01Ω/□であった。このように作成した光電変換素子を実施例1と同様にして光電流−電圧特性の形状因子を測定したところ、0.67であった。これにより、集電体として金を用いることが、形状因子を向上させるために極めて有効であることがわかる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、増感色素を担持した半導体層が被着された第1の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と対峙する第2の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と前記第2の電極との間に配置された電解質層とを備えた光電変換素子であって、前記半導体層の近傍に、前記半導体層から離間した状態で、この半導体層を囲むように、前記第1の電極と接する集電体を配置した光電変換素子とすることにより、形状因子の高い光電流−電圧特性を示す光電変換素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換素子の概要断面図である。
【図2】本発明の光電変換素子の半導体層が被着された透明電極を対電極側から見たときの平面図である。
【図3】本発明の光電変換素子の半導体層が被着された透明電極を対電極側から見たときの平面図である。
【符号の説明】
1 本発明の光電変換素子
3 透明基板
5 透明電極
7 半導体層
9 集電体
11 封止材
13 電解質層
15 対電極
17 基板
19 入射光
Claims (6)
- 増感色素を担持した半導体層が被着された第1の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と対峙する第2の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と前記第2の電極との間に配置された電解質層とを備えた光電変換素子であって、前記半導体層の近傍に前記第1の電極と接する集電体を、前記半導体層から離間した状態で、この半導体層を囲むように配置したことを特徴とする光電変換素子。
- 前記集電体と前記半導体層との距離が、1cm以内である請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記集電体の表面抵抗が、前記第1の電極の表面抵抗より小さい請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記集電体を構成する材料が、金属又はカーボンである請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
- 前記集電体の表面抵抗が、10Ω/□以下である請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
- 増感色素を担持した半導体層が被着された第1の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と対峙する第2の電極と、前記第1の電極の前記半導体層と前記第2の電極との間に配置された電解質層とを有し、前記半導体層の近傍に、前記第1の電極と接する集電体を、前記半導体層から離間した状態で、この半導体層を囲むように形成する光電変換素子の製造方法であって、導電性材料を前記第1の電極の上に、蒸着、スパッタリング又は塗布のいずれかの手段を用いて載置することにより、前記集電体を形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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