JP2009032502A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料のコストを安価にしつつも、光の集光効率および透過効率に優れ、作用極における単位占有面積あたりのエネルギー変換効率が大きい光電変換素子を提供することを目的とする。
【解決手段】封止部9および集電部10は、フィルム12に第1の電極5または第3の電極7の少なくとも一方と電気的に接触する導電層13が積層され第2の電極6を覆う一連のシート11を備えて形成されており、集電部10が導電層13により形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池などに用いるのに適した光電変換素子に関する。
例えば、太陽電池などの光電変換素子はクリーンなエネルギー源として非常に期待されており、すでにシリコン半導体のpn接合を用いたpn接合型太陽電池などが実用化されている。しかしながら、このようなシリコン系太陽電池は、高純度材料を原料とし、あるいは1000℃程度の高温プロセスや真空プロセスを必要とするため、製造コストの低減が大きな課題であった。
そのような状況にあって、近年、高純度材料、高エネルギープロセスを比較的必要とせず、固液界面に生じる電位勾配により、電荷分離を行う湿式太陽電池が注目を集めている。特に、半導体電極の表面に、光を吸収する色素を吸着させ、半導体電極のバンドギャップより長波長の可視光を、色素で吸収させることにより、照射した光エネルギーのうちどれだけ電気エネルギーに変換したかを示す光電変換効率の向上をねらった、いわゆる色素増感型の光電変換素子に関する研究が盛んに行われている。
1991年にグレッツェルらが提唱した色素増感太陽電池は、シリコン半導体のpn接合とは異なる機構により作動し、高い光電変換効率を示して注目を浴びてきた。色素増感太陽電池は、光を捕集した色素が生成する励起電子を半導体内に注入することで光電変換を実現している。したがって、光捕集力を高めるために増感色素を半導体に多量に担持させること、さらに増感色素からできるだけ早く半導体へ電子を注入させることが重要である。グレッツェル・セルとも言われるこの新しい色素増感太陽電池は、超微粒子の酸化チタンからなる多孔質膜に増感色素であるRu錯体を担持させることで、この課題を解決している(例えば、非特許文献1参照。)。
酸化チタンからなる多孔質膜は、ゾル・ゲル法により作製することができる。膜のポロシティーは約50%ほどであり、内部表面積が非常に大きいナノ多孔性構造が形成されている。例えば、膜厚が8μmであれば、ラフネスファクター(基板面積に対する多孔質内部の実面積の割合)は約720にも達する。この表面を幾何学的に計算すると、増感色素の担持量は、1.2×10-7mol/cm3に達し、実に、最大吸収波長で入射光の約98%が吸収されることになる。
また、Ru錯体として、グレッツェルらは、ビス(ビピリジル)Ru(II)錯体を開発した。そのRu錯体は、一般式シス−X2ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)の構造を持つ。XはCl−、CN−、SCN−等である。これらについて蛍光、可視光吸収、電気化学的及び光酸化還元的挙動の系統的な研究が行なわれたところ、これらのうち、シス−(ジイソシアネート)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)は、太陽光吸収剤および色素増感剤として格段に優れた性能を持つことが示された。
このRu錯体の可視光吸収は、金属原子であるRuから配位子であるカルボキシル基への電荷移動遷移である。また、カルボキシル基は、Ru錯体が担持された酸化チタンのTi原子に直接配位して、色素増感剤と酸化チタンの間に密接な電子的接触を形成している。この電子的な接触により、Ru錯体から酸化チタンの伝導帯への電子注入が1ピコ秒以下の極めて速い速度で起こり、その逆方向の酸化されたRu錯体による酸化チタンの伝導帯へ注入された電子の再捕獲は、マイクロ秒のオーダーで起こるとされている。この速度差が光励起電子の方向性を生み出し、電荷分離を極めて高い効率で行う。そして、これがpn接合面の電位勾配により電荷分離を行うpn接合型太陽電池との違いであり、グレッツェル・セルの本質的な特徴である。
ところで、色素増感型の光電変換素子の構造は、二枚の電極間に電解質溶液などの物質が挟まれた、いわゆるサンドイッチ構造であり、そういう意味では液晶素子の構造に似ている。色素増感型の光電変換素子の製造方法として、一般的には、透明導電膜が形成された第1のガラス基板上に酸化チタンなどの半導体微粒子を塗布焼成し、微粒子の表面に増感色素を担持して第1の電極(作用極)を形成し、同じく透明導電膜が形成された第2のガラス基板上に白金や炭素などを固着させて第2の電極(対電極)を形成し、作用極が形成された基板上に対電極と電気的に接続され作用極と電気的に絶縁された第3の電極(取り出し電極)を形成し、作用極と対電極とを熱可塑性樹脂やUV硬化性樹脂などで貼り合わせ、電極間に電解質溶液を注液し、最後に注液口をふさぐ方法があげられる。したがって、色素増感型の光電変換素子は、簡便な装置で製造することができる。そして、作用極から入射した光は、増感色素を担持した半導体を透過する際に、電子を放出し、当該電子は、対電極と電気的に接続された取り出し電極にて集電される。この一連のプロセスによって、光を電気エネルギーに変換して取り出すことができる。
グレッツェル(Gratzel)、外1名、「ネイチャー(Nature)」、(英国)、1991年10月24日、第353巻、p.737−740
しかし、上述した構成では、取り出し電極から電子を集電する集電部が別途必要となり、光電変換素子の生産性が不十分である。
また、作用極側と対電極側の両方で透明導電膜が形成されたガラス基板が必要となるが、透明導電膜が形成されたガラス基板は、高価であり、光電変換素子の製造に用いる材料のコストの大半を占めている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、集電部を別途必要とせず、生産性の高い光電変換素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、第2のガラス基板を用いなくてもすみ、材料のコストを安価にしつつも、光の集光効率および透過効率に優れ、作用極における単位占有面積あたりのエネルギー変換効率が大きい光電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光電変換素子は、基板と、増感色素を担持した半導体層を有し基板の一方の主面に形成された第1の電極と、第1の電極の半導体層に対峙する第2の電極と、基板の一方の主面であって第1の電極が形成された面に形成されて第1の電極と電気的に絶縁され第2の電極と電気的に接続された第3の電極と、第1の電極と第2の電極との間に形成された電荷輸送層と、第1の電極と第2の電極との間に電荷輸送層を保持する封止部と、第1の電極または第3の電極の少なくとも一方に接続されて電力を取り出し外部に出力する集電部と、を備え、封止部および集電部は、フィルムに第1の電極または第3の電極の少なくとも一方と電気的に接触する導電層が積層され第2の電極を覆う一連のシートを備えて形成されており、集電部が導電層により形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の光電変換素子において、シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方とが部分的に接着し、その接着領域の周辺で、導電層と第1の電極または第3の電極の少なくとも一方とが接触することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の光電変換素子において、シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方との接着領域が島状に列設されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記請求項2に記載の光電変換素子において、導電層がメッシュ状に形成され、シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方とがメッシュの穴を介して接着されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、上記請求項2に記載の光電変換素子において、シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方との接着領域の境界縁部が波状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、電力の集電機能と電荷輸送層の封止機能とを兼ね備えたシートを用いるので、集電部を別途必要とせず、光電変換素子の生産性を向上させることができる。
また、本発明によれば、当該シートを用いることにより、第2のガラス基板を用いなくてもすむので、材料のコストを安価にするとともに構成を簡略化して生産性を向上させつつも、光の集光効率および透過効率に優れ、作用極における単位占有面積あたりのエネルギー変換効率が大きい光電変換素子とすることができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、導電層と第1の電極または第3の電極の少なくとも一方との接触を確保することができるので、確実に電力を集電することができる。
また特に、請求項3ないし5に記載の発明によれば、確実に導電層を第1の電極または第3の電極の少なくとも一方と電気的に接触させることができ、強固な封止機能および効果的な集電機能の両立が可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では具体例を挙げて本発明を説明する場合があるが、本発明は以下の具体例に限定されない。
(実施形態1)
図1(a)は、実施形態1に係る光電変換素子を示す概要断面図であり、図1(b)は、実施形態1に係る光電変換素子を示す概要平面図である。図1(a)に示されているように、光電変換素子1Aは、基板2と、基板2の一方の主面に成膜された電極3と、基板2に成膜された電極3上に形成され増感色素が担持された半導体層4(電極3と半導体層4とで構成される電極5を第1の電極(作用極)とする)と、半導体層4に対峙する第2の電極6(対電極とする)と、基板2の一方の主面であって作用極5が形成された面に形成されて対電極6と電気的に接続され作用極5と電気的に絶縁された第3の電極(取り出し電極とする)7と、作用極5と対電極6との間に形成された電荷輸送層8と、電荷輸送層8を作用極5と対電極6との間に保持する封止部9および作用極5と取り出し電極7とから電力を取り出し外部に出力する集電部10が形成されたシート11と、を基本構成とする。
ここで、基板2は、ガラスやフィルムにより作製される。基板2の耐久性の観点からは、ガラスを使用することが好ましいが、これに限定はされない。
また、電極3は、光電変換素子1Aの負極として機能する。
そして、電極3は、金属そのもので形成されるか、またはフィルム上に導電材層を積層して形成される。好ましい導電材としては金属、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等、または炭素、もしくは導電性の金属酸化物、例えば、インジウム−錫複合酸化物、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫等,あるいは上記化合物の複合物または上記化合物上に酸化シリコン、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどをコートした材料が挙げられる。
さらに、電極3は、表面抵抗が低い程よい。表面抵抗は、200Ω/□以下であることが好ましく、50Ω/□以下であることがより好ましい。下限は、特に制限はないが、通常0.1Ω/□である。
また、電極3は、光透過率が高い程よい。好ましい光透過率の範囲としては、50%以上であり、より好ましくは80%以上である。
そして、電極3の膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましい。この範囲内であれば、均一な膜厚の電極膜を形成することができ、また、光透過性が低下せず、十分な光を半導体層4に入射させることができるからである。透明な電極3を使用する場合、光は増感色素が担持された半導体層4が被着される側の電極3から入射させることが好ましい。
また、半導体層4は、半導体粒子とバインダーの混合溶液を、公知慣用の方法、例えば、ドクターブレードやバーコータなどを使う塗布方法、スプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法などにより、電極3の表面に塗布し、その後、ガラス基板であれば、500℃前後で加熱焼成し、フィルム基板であればプレス機で圧力を加えて形成することができる。
半導体材料としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crなどの金属元素の酸化物、SrTiO3、CaTiO3などのペロブスカイト、CdS、ZnS、In23、PbS、Mo2S、WS2、Sb23、Bi23、ZnCdS2、Cu2Sなどの硫化物、CdSe、In2Se3、WSe2、HgS、PbSe、CdTeなどの金属カルコゲナイド、GaAs、Si、Se、Cd23、Zn23、InP、AgBr、PbI2、HgI2、BiI3などの半導体材料、当該半導体材料から選ばれる少なくとも一種を含む複合体、例えば、CdS/TiO2、CdS/AgI、Ag2S/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdSx/CdSe1x、CdSx/Te1x、CdSex/Te1x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO2/Cd32、CdS/CdSeCdyZn1yS、CdS/HgS/CdSなどが挙げられる。なかでも、グレッツェル・セルでは、酸化チタンが電荷輸送層8中への光溶解を回避する点と高い光電変換特性を示す点で好ましい。
また、半導体層4における半導体粒子の粒径は、一般的に5〜1000nmであることが好ましい。この範囲内であれば、半導体層4の細孔径が適切な孔径になり、電荷輸送層8を構成する電解質が半導体層4の中に十分浸透して、優れた光電変換特性を得ることができるからである。半導体粒子の粒径は、特に好ましくは、10〜100nmである。
そして、半導体層4の膜厚は、0.1〜100μmであることが好ましい。この範囲内であれば、十分な光電変換効果が得られ、また、可視光および近赤外光に対する透過性が悪化することもないからである。半導体層4の膜厚は、より好ましくは、1〜50μmであり、特に好ましくは、5〜30μmであり、最も好ましくは、10〜20μmである。
また、増感色素としては、従来の色素増感型の光電変換素子で常用される色素であれば全て使用できる。このような色素は、例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、またはルテニウム−トリス(RuL3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)タイプの遷移金属錯体、もしくは亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。また、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素など有機色素も好適に使用できる。このなかでも、ルテニウム−ビス(RuL2)誘導体は、可視光域で広い吸収スペクトルを有するため、特に好ましい。
半導体層4へ増感色素を担持させる方法は、例えば、増感色素を溶かした溶液に、半導体層4を被着させた電極3を備えた基板2を浸漬させる方法が挙げられる。この溶液の溶媒としては、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドなど増感色素を溶解可能なものであれば全て使用できる。また、増感色素溶液に半導体層4を被着させた電極3を備えた基板2を一定時間浸漬させているときに、加熱還流をしたり、超音波を印加したりすることもできる。半導体層4へ増感色素を担持させた後に、半導体層4に担持しきれなかった増感色素は、アルコールでの洗浄あるいは加熱還流により取り除くことが好ましい。
ここで、半導体粒子への増感色素の担持量は、1×10-8〜1×10-6mol/cm2であればよく、特に0.1×10-7〜9.0×10-7mol/cm2であることが好ましい。この範囲内であれば、経済的かつ十分に光電変換効率向上の効果を得ることができる。
また、対電極6は光電変換素子1Aの正極として機能し、増感色素が担持された半導体層4が被着される側の電極3と同様に形成できる。
そして、対電極6としては、光電変換素子1Aの正極として効率よく作用するために、電解質の還元体に電子を与える触媒作用を有する素材を使用することが好ましい。このような素材は、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、またはグラファイト、カーボンナノチューブ、白金を担持したカーボンなど炭素材料、もしくはインジウム−錫複合酸化物、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫等の導電性の金属酸化物、あるいはポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなど導電性高分子である。これらのうち、白金、グラファイト、ポリエチレンジオキシチオフェンなどが特に好ましい。
また、取り出し電極7は、作用極5側から入射した光が増感色素を担持した半導体層4を透過する際に放出した電子を対電極6から集電するための電極として機能する。
取り出し電極7としては、公知の一般的な電極を用いることができる。なお、取り出し電極7は、対電極6と連続一体に形成してもよい。
また、電荷輸送層8は、電荷輸送材料を供給することにより形成され、電荷輸送材料は、電解質を必要に応じて溶媒により溶解することにより得られる。
電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質であれば特に限定されないが、酸化体と還元体とが同一電荷を持つ酸化還元系構成物質であることが好ましい。本明細書における酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において可逆的に酸化体および還元体の形で存在する一対の物質を意味する。この場合、ヨウ素(I−/I3−)が用いられることが多いが、特に限定はされない。
電解質を溶解するために使用される溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解することができるイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては、水性溶媒または有機溶媒のいずれも使用することができるが、酸化還元系構成物質をより安定化させるため、有機溶媒を使用することが好ましい。有機溶媒として、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。なかでも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、γ―ブチロラクトン、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、吉草酸ニトリル等のニトリル化合物が好ましい。本発明による方法で、耐熱容器で加熱処理を行えば、蒸気圧の高い溶媒でも加熱処理が可能となり、溶媒の選択肢が広がる。
また、電荷輸送材料にイオン性液体を用いることも、不揮発性、難燃性などの観点から有効といえる。その場合、公知のイオン性液体全般を用いることができるが、例えば、イミダゾリウム系、ピリジン系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系、アゾニウムアミン系イオン性液体またはEP−718288号、WO95/18456号、電気化学第65巻11号923頁(1997年)、J. Electrochem. Soc.143巻,10号,3099頁(1996年)、Inorg. Chem. 35巻,1168頁(1996年)に記載されたイオン性液体が挙げられる。
さらに、電荷輸送材料に電解質を用いる場合、ゲル化電解質または高分子電解質を用いることもできる。ゲル化剤としては、ポリマー、ポリマー架橋反応等により得られたゲル化剤、重合することができる多官能モノマーによるゲル化剤、オイルゲル化剤などが挙げられる。ゲル化電解質、高分子電解質には、一般に用いられるものを適用することができるが、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ化ビニリデン系重合体、ポリアクリル酸などのアクリル酸系重合体、ポリアクリロニトリルなどのアクリロニトリル系重合体、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル系重合体、構造中にアミド構造を有する化合物が好ましい。
シート11は、フィルム12に導電層13を積層して形成され、対電極6を覆って電荷輸送層8を作用極5と対電極6との間に封止するとともに、導電層13が作用極5および取り出し電極7に電気的に接触し電力を取り出し外部に出力する。すなわち、封止部9および集電部10は、一連のシート11により形成され、集電部10が導電層13により形成されることとなる。そして、図1(b)に示すように、シート11と作用極5および取り出し電極7とは、部分的に接着材料14により接着し、その接着領域の周辺で、導電層13と作用極5および取り出し電極7とが接触している。すなわち、本実施形態では、シート11と作用極5および取り出し電極7との接着領域と導電層13と作用極5および取り出し電極7との接触領域とが混在した領域Aにおいて、上記接着領域と上記接触領域とが併設される構成となっている。
ここで、フィルム12としては、再生セルロースフィルム、ジアセテートセルロースフィルム、トリアセテートセルロースフィルム、テトラアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリレートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ノルボルネン樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム、塩酸ゴムフィルム、ナイロンフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリフッ化ビニルフィルム、ポリ四フッ化エチレンフィルム、アイオノマーフィルムなどを用いることができる。中でも、接着性の観点からポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムやアイオノマーフィルムが好ましい。さらに、接着力を向上させるために、構造を一部変性させた、いわゆる変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。接着力に乏しいフィルムであれば、基材と接着層との積層構造としてもよい。基材には、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属や各種樹脂フィルムを用いることができる。
また、導電層13の材料としては、電気を通すものであればよく、金属、導電性カーボン、導電性高分子などを用いることができる。導電層13の材料の構造については、線状、棒状、箔状のものなどを用いることができる。そして、導電層13の材料をフィルム12へ印刷することなどにより導電層13を形成することができる。これにより、簡便に、シート11と作用極5および取り出し電極7との接着領域と導電層13と作用極5および取り出し電極7との接触領域とが混在した領域Aを形成することができる。
そして、接着材料14としては、公知の一般的な接着材料を用いることができる。なお、別途接着材料14を用いずに、フィルム12を作用極5および取り出し電極7に融着させてもよい。
なお、図示例では、導電層13を作用極5と取り出し電極7との両方に接触させているが、いずれか一方、例えば、取り出し電極7だけに導電層13を電気的に接触させ、電子を集電してもよい。また、図示例では、フィルム12がシート11の全域にある構成を採用しているが、フィルム12は、電荷輸送層8を作用極5と対電極6との間に封止できる部分にあれば足りる。
したがって、電力の集電機能と電荷輸送層8の封止機能とを兼ね備えたシート11を用いるので、集電部を別途必要とせず、光電変換素子1Aの生産性を向上させることができる。
また、シート11を用いることにより、第2のガラス基板を用いなくてもすむので、材料のコストを安価にするとともに構成を簡略化して生産性を向上させつつも、光の集光効率および透過効率に優れ、作用極5における単位占有面積あたりのエネルギー変換効率が大きい光電変換素子1Aとすることができる。
さらに、導電層13と作用極5および取り出し電極7との接触を確保することができるので、確実に電力を集電することができる。
(実施形態2)
図2は、実施形態2に係る光電変換素子を示す概要上面図である。図2に示されているように、光電変換素子1Bでは、シート11と作用極5および取り出し電極7との接着領域と導電層13と作用極5および取り出し電極7との接触領域とが混在した領域Aにおいて、島状に列設された接着領域15が形成されている。光電変換素子1Bは、この点で実施形態1に係る光電変換素子1Aと異なり、その他の点は光電変換素子1Aと同様である。
島状に列設された接着領域15は、導電層13に穴が開いた導電箔材料を用いて、導電層13の構造をいわゆるパンチングメタルのような構造にしておき、導電層13に設けられた穴に接着材料14を注入することにより形成することができる。なお、当該穴を介して、フィルム12を作用極5および取り出し電極7に融着させることにより、シート11と作用極5および取り出し電極7とを接着させてもよい。ここで、導電箔材料の厚みは、抜き打ち刃などでの加工性の観点から、導電性を確保する範囲内で薄いほうが好ましい。
したがって、実施形態1に記載の効果に加え、確実に導電層13を作用極5および取り出し電極7と電気的に接触させることができ、強固な封止機能および効果的な集電機能の両立が可能となる。
(実施形態3)
図3は、実施形態3に係る光電変換素子を示す概要上面図である。図3に示されているように、光電変換素子1Cでは、シート11と作用極5および取り出し電極7との接着領域と導電層13と作用極5および取り出し電極7との接触領域とが混在した領域Aにおいて、導電層13がメッシュ状に形成され、シート11と作用極5および取り出し電極7とがメッシュの穴を介して接着されている。具体的には、メッシュの穴に接着材料14を注入することにより、メッシュの穴を介して、シート11と作用極5および取り出し電極7とを接着させる。なお、フィルム12を、メッシュの穴を介して、作用極5および取り出し電極7に融着させることにより、シート11と作用極5および取り出し電極7とを接着させてもよい。光電変換素子1Cは、この点で実施形態1に係る光電変換素子1Aと異なり、その他の点は光電変換素子1Aと同様である。
したがって、実施形態1に記載の効果に加え、確実に導電層13を作用極5および取り出し電極7と電気的に接触させることができ、強固な封止機能および効果的な集電機能の両立が可能となる。
(実施形態4)
図4および5は、実施形態4に係る光電変換素子を示す概要上面図である。図4および5に示されているように、光電変換素子1Dでは、シート11と作用極5および取り出し電極7との接着領域と導電層13と作用極5および取り出し電極7との接触領域とが混在した領域Aにおいて、接着領域の境界縁部16が波状に形成されている。この場合、接着領域の境界縁部16は、直線距離にして長いほうが好ましい。そうすることにより、シート11と作用極5および取り出し電極7との部分的な接着の周辺で、導電層13と作用極5および取り出し電極7との接触を確保しやすくなる。光電変換素子1Dは、この点で実施形態1に係る光電変換素子1Aと異なり、その他の点は光電変換素子1Aと同様である。
したがって、実施形態1に記載の効果に加え、確実に導電層13を作用極5および取り出し電極7と電気的に接触させることができ、強固な封止機能および効果的な集電機能の両立が可能となる。
(a)は実施形態1に係る光電変換素子を示す概要断面図であり、(b)は実施形態1に係る光電変換素子を示す概要平面図である。 実施形態2に係る光電変換素子を示す概要平面図である。 実施形態3に係る光電変換素子を示す概要平面図である。 実施形態4に係る光電変換素子を示す概要平面図である。 実施形態4に係る光電変換素子の変形例を示す概要平面図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D,1E 光電変換素子
2 基板
3 電極
4 半導体層
5 作用極(第1の電極)
6 対電極(第2の電極)
7 取り出し電極(第3の電極)
8 電荷輸送層
9 封止部
10 集電部
11 シート
12 フィルム
13 導電層
14 接着材料
15 島状に列設された接着領域
16 接着領域の境界縁部

Claims (5)

  1. 基板と、
    増感色素を担持した半導体層を有し基板の一方の主面に形成された第1の電極と、
    第1の電極の半導体層に対峙する第2の電極と、
    基板の一方の主面であって第1の電極が形成された面に形成されて第1の電極と電気的に絶縁され第2の電極と電気的に接続された第3の電極と、
    第1の電極と第2の電極との間に形成された電荷輸送層と、
    第1の電極と第2の電極との間に電荷輸送層を保持する封止部と、
    第1の電極または第3の電極の少なくとも一方に接続されて電力を取り出し外部に出力する集電部と、
    を備え、
    封止部および集電部は、フィルムに第1の電極または第3の電極の少なくとも一方と電気的に接触する導電層が積層され第2の電極を覆う一連のシートを備えて形成されており、集電部が導電層により形成されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方とが部分的に接着し、その接着領域の周辺で、導電層と第1の電極または第3の電極の少なくとも一方とが接触することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方との接着領域が島状に列設されていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 導電層がメッシュ状に形成され、シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方とがメッシュの穴を介して接着されていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
  5. シートと第1の電極または第3の電極の少なくとも一方との接着領域の境界縁部が波状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011124183A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Fujikura Ltd 色素増感型光電変換素子
JP2011521449A (ja) * 2008-05-13 2011-07-21 東進セミケム株式会社 染料感応太陽電池モジュール
WO2013114733A1 (ja) * 2012-01-30 2013-08-08 シャープ株式会社 光電変換素子モジュール

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