JP2011124183A - 色素増感型光電変換素子 - Google Patents

色素増感型光電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】テキスタイル構造の作用極を有する色素増感型光電変換素子において、単位面積当たりの発電効率を増加させる。
【解決手段】可視光の透過性を有するフィルム10と、金属板からなる対極4とを重ね合わせ、フィルムと対極とが接触した部分からなる封止部S1、S2を設けることによって形成された袋体、袋体の内部に封入され、導電性を有する複数の線材が網目状に編まれてなる構造を有し、対極の一面と対向するように配された作用極3、および作用極とともに袋体の内部に封入された電解質13、を少なくとも備えた色素増感型光電変換素子であって、封止部の一部は、対極の作用極と面する側の反対側までフィルムを延在させたうえで、反対側においてフィルムを対極の他面に接着してなることを特徴とする色素増感型光電変換素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン系の従来型の太陽電池と比較して大幅な低価格化が可能とされている色素増感型太陽電池などの光電変換素子に関する。
シリコン系の従来型の太陽電池と比較して大幅な低価格化が可能とされ、実用化が待たれている色素増感型太陽電池において、価格低減の阻害となっているのは、導電性基板の価格である。しかし、従来構造の色素増感型太陽電池では、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板上に、スズドープ酸化インジウムやフッ素ドープ酸化スズといった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。従って、このような透明導電性基板を用いていない、全く新しい構造の色素増感型太陽電池が実現するならば、太陽電池の大幅な低価格化が可能であるとして研究開発が進められている。
これまでの一般的な色素増感型太陽電池は、平板、積層型の構造体が大半であり、その多くは、透明導電性基板上に順次各種の機能材料を積層したような構造とされている(非特許文献1、2、3参照、特許文献1参照)。また、例えば、基材の一面に透明導電膜を備えた窓極を備え、対極として色素を担持した多孔質酸化物半導体層を備え、これらの間に電解質層を備えた構造の色素増感太陽電池が知られている(特許文献2参照)。
一方、透明導電性基板以外に、金属板や箔を電極に用いる構造の色素増感型太陽電池が知られているが、これらの色素増感型太陽電池においても作用極、対極のいずれか一方のみが金属板や箔の電極であり、光入射面には必ず透明導電性基板が用いられている。(特許文献2、3、4参照)
更に、他の構造の色素増感型太陽電池として、電極の面が2面あるいはそれ以上の複数の面を持つ構造(特許文献3、4参照)が知られている。
また、一部金属線や金属線の網状構造を電極線として用いた構造(特許文献5、6、7、8参照)、棒状対極に金属線電極を巻き付け、その周囲に電解質を設けた構造(特許文献9参照)などが知られている。しかし、これらの構造においては、作用極に金属線を採用したがゆえに、大面積の太陽電池モジュールの構成が困難となり、本来、色素増感太陽電池が有する、大面積化が容易であるという利点を損なう結果となった。そのため、上記の利点を損なうことのない素子構造の開発が必要とされている。
大面積素子を可能とする発電極の構造として、複数の金属線が網目状に編まれてなる布状構造(テキスタイル構造)を採用し、この発電極を1枚または複数枚使用する構造も提案されている(特許文献10、11、12、13参照)。テキスタイル構造の発電極を用いることによって、大面積素子を構成するとともに、フレキシブルな構造の色素増感型光電変換素子の提供が可能になる。
図4にテキスタイル構造の作用極103を備える色素増感型光電変換素子100の概略構成図を示す。図4(a)は、色素増感型光電変換素子100の平面図である。図4(b)は、図4(a)のB1−B1線に沿う断面図である。
この色素増感型光電変換素子100は、可視光の透過性を有するフィルム110、作用極103、セパレータ105、金属板からなる対極104より構成されている。
作用極103は、導電性を有する線状の基材131が網目状に編まれてなるテキスタイル構造を有している。フィルム110と対極104とは、周縁部において、接着剤111を介して封止されており袋体を構成している。作用極103の周囲には導電性を有する板からなる集電極135が溶接されており、電解質とともに、袋部の内部に封入されている。セパレータ105は、作用極103と対極104との間に挿入され、両者を絶縁している。
特開2003−077550号公報 特開2007−012448号公報 特開2007−172916号公報 特開2007−172917号公報 特開2008−181690号公報 特開2008−181691号公報 特開2005−196982号公報 特表2005−516370号公報 特開2008−108508号公報 特開2000−021460号公報 特開2001−283941号公報 特開2001−283944号公報 特開2001−283945号公報
O'Regan B., Graetzel M., Alow cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films, Nature, 1991年, 353号, 737-739ページ 日本国特許庁:標準技術集、:「色素増感太陽電池」 日本国特許庁:特許出願技術動向調査:平成17年度「色素増感太陽電池」
しかしながら、上記従来の色素増感型光電変換素子100を使用するにあたって、所定箇所に設置する場合、前記色素増感型光電変換素子100自身によって占有される面積のうち、発電に寄与しない面積が多いことが問題となっている。つまり、色素増感型光電変換素子100自身の面積に対する有効発電面積の割合が小さいことが問題となっている。
図4(a)に示す平面図のうち、作用極3の網目部が発電に寄与する面積である(有効発電面積)。この有効発電面積に対して、フィルム110と対極104とを接着するために必要な封止部の面積(図4(a)に符号S10で示す)が大きいことによって、設置後の単位面積当たりの発電効率が低下してしまう。
封止部S10の面積を小さくすることで、有効発電面積の割合を大きくすることは可能である。しかし、封止部S10の面積を小さくすると、対極104とフィルム110とから構成される袋体の液密性を確保することが難しくなり、色素増感型光電変換素子100の製品寿命が短くなる等の問題が生じる。
よって、袋体の液密性を維持しながら、設置面積における封止部の面積を小さくすることによって、単位面積当たりの発電効率を増加させることが可能な色素増感型光電変換素子望まれている。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
本発明の請求項1に係る発明は、可視光の透過性を有するフィルムと、金属板からなる対極とを重ね合わせ、前記フィルムと前記対極とが接触した部分からなる封止部を設けることによって形成された袋体、前記袋体の内部に封入され、導電性を有する複数の線材が網目状に編まれてなる構造を有し、前記対極の一面と対向するように配された作用極、および前記作用極とともに前記袋体の内部に封入された電解質、を少なくとも備えた色素増感型光電変換素子であって、前記封止部の少なくとも一部は、前記対極の前記作用極と面する側の反対側まで前記フィルムを延在させるとともに、前記反対側において前記フィルムを前記対極の他面に接着してなることを特徴とする色素増感型光電変換素子である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記封止部が、前記作用極および前記対極の集電極が介在する領域を除く部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型光電変換素子である。
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、前記封止部が、前記作用極および前記対極の集電極が存する領域にも設けられていることを特徴とする請求項2に記載の色素増感型光電変換素子である。
本発明に係る色素増感型光電変換素子は、フィルムを対極の反対側まで延在させたうえで、反対側においてフィルムを対極に接着した封止部を、封止部の一部としたことによって、従来の色素増感型光電変換素子と比較して、色素増感型光電変換素子の占有面積における封止部の面積の割合を小さくすることができ、結果的に、単位面積当たりの発電効率を増加させることが可能となる。
本発明に係る色素増感型光電変換素子の概略構成図を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図、(c)は(a)のC−C線に沿う断面図である。 本発明に係る色素増感型光電変換素子の製造工程を示す図である。 本発明に係る色素増感型光電変換素子の別形態を示す図である。 従来の色素増感型光電変換素子の一例を示した概略構成図を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のB1−B1線に沿う断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の色素増感型光電変換素子の第1実施形態を示す図面であり、図1(a)は、色素増感型光電変換素子1の平面図、図1(b)は、図1(a)のB−B線に沿う断面図、図1(c)は、図1(a)のC−C線に沿う断面図である。
本発明の色素増感型光電変換素子1は、いずれも矩形形状を有する作用極3、対極4、セパレータ5、および可視光の透過性を有するフィルム10を主な構成要素として備えている。
フィルム10と、金属板からなる対極4は、重ね合わせられた上で、周縁部にフィルム10と対極4とが接触した部分からなる封止部S1,S2を設けることで袋体をなしている。
作用極3は、図1(a)の平面図に最もよく示されているように、複数の線状をなす基材31が網目状に編まれてなるテキスタイル構造である。
板状の基板を用いずに、線状の基材(線材)を用いるとともに、複数の基材が布のように編まれているので、大面積化が比較的容易で、編まれていない単一の金属線を使って作製したものと比較して、より形状安定性に優れたフレキシブルな素子が構築可能である。さらに、従来の光電変換素子のように、透明導電性基板(例えば、ガラス基材に透明導電膜を設けた基板)を用いないため、安価に素子を製造することができる。
作用極3の周囲には、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12が配されており、該多孔質酸化物半導体層12は、増感色素とともに電解質13をも含浸している。
作用極3の周囲には、導電性を有する板状の集電極35が溶接により電気的に接続されている。集電極35は、作用極3において発生した電子をより効率的に集電するために、作用極3を構成する基材31の経糸、または緯糸の端部に溶接されている。
作用極3は、対極4の一面と対向するように前記袋体の内部に電解質13とともに封入されている。また、セパレータ5が、作用極3と対極4を絶縁するために、両者の間に挿入されている。
封止部S1、S2は、フィルム10および対極4の四辺に設けられており、フィルム10と対極4との間に、接着剤11を配し、熱圧着することによって形成されている。封止部S1は、四辺のうち短辺(短手方向に沿う辺)に設けられた封止部であり、封止部S2は、長辺(長手方向に沿う辺)に設けられた封止部である。
作用極3に溶接されている集電極35には突出部35aが形成されており、該突出部35aは、封止部S1を貫通して袋体の外部に延在している。また、対極4にも突出部4aが形成されており、色素増感型光電変換素子1を所定箇所に設置した場合においても、集電が可能とされている。封止部S1は、作用極3および対極4の集電極35a、4aが存する領域に設けられている。
そして本発明の色素増感型光電変換素子1は、封止部S1、S2のうち、封止部S2が、対極4の受光側(図1(a)の手前側)ではなく、対極4の反対側(他面、以下、裏側と称すこともある)にも設けられていることを特徴としている。なお、対極4の受光側とは、対極4を構成する二面のうち、作用極3と対面する側である。
矩形形状をなす色素増感型光電変換素子1の短辺の封止部S1は、従来と同様に、受光側に設けられている。接着剤11は、対極4の受光側であって、対極4とフィルム10との間に配されている。
一方、長辺の封止部S2は、対極4の裏側までフィルム10を延在させたうえで、延在させたフィルム10を対極4の裏側に接着して形成されている。接着剤11は、対極4の裏側に配されている。
つまり、従来の色素増感型光電変換素子においては、フィルムを対極に接着するために、対極の受光側の面のみを使用していたことに対して、本発明の色素増感型光電変換素子1は、対極4の裏側を使用してフィルム10と対極4とを接着している。
この構成によれば、対極4の受光側の面において、封止部の接着代に相当する面積をS1部のみとすることができるため、色素増感型光電変換素子1の短手方向の幅を小さくすることができる。
次に、図2を参照して、本発明の色素増感型光電変換素子1の製造方法について説明する。以下の説明は、作用極3、対極4、セパレータ5、フィルム10の配置関係、および接着方法を説明するもので、それ以外の事項(例えば、電解質の封入等)については、ここでは述べない。
(a)対極4上に、セパレータ5、および集電極35が溶接された作用極3(以下、作用極3と称す)を重ねる。ここで、対極4、作用極3の短手方向の幅をW1とする。
(b)幅W1に対して、所定寸法幅広の幅W2を有するフィルム10を、作用極3上に配置し、対極4の短辺に接着する。接着は、フィルム10と対極4の間に、接着剤11を配置した上で、熱圧着することにより行う。
(c)フィルム10の側部を、対極4の裏側へ折り返す。
(d)対極4の裏側に、折り返し部を接着する。
以下、本発明の色素増感型光電変換素子1の構成要素について詳細を述べる。
作用極3は、複数の線状の基材31が重複部において互いに十分に接触するように布状に編まれてなる構造である。作用極3を構成する基材31は、Tiからなるワイヤである。もちろん、基材31を構成する材料としてはTiに限ることはなく、WやPtなど耐食性の高い金属およびそれらの合金も使用可能である。また、導電性を有し、かつ、電解質13に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材を、例えば、Tiなどによって被覆したTi被覆金属線なども基材31として用いることができる。
また、基材31として、通常の断面円形の線材のみならず、平角線、多角形線などの異形線を使用することも可能である。
以下、Ti被覆金属線としてTi被覆Cu線の製造方法の一例を記す。
まず、Tiを押出成型等によってパイプ状に形成すると共に、Cuを押出成型等によって線状に形成し、これらTiパイプとCu線を同時に走行させつつTi製パイプの内部にCu線を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆Cu線を得る。
このような基材31の太さ(直径)は、例えば、10μm〜1mmとするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、基材31の太さは細いほどよい。
作用極3の表面には多孔質酸化物半導体層12が配されており、その表面には少なくとも一部に増感色素及び電解質13が担持されている。
多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体は、酸化チタン(TiO)である。この酸化チタンの膜厚は約5μmとしたが、特に限定されるものではなく、例えば、1μm〜50μmであってよい。
多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体としては酸化チタンに限ることはなく、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)など様々な半導体電極が制限なく使用可能である。
増感色素としては、例えば、N719、N3、ブラックダイなどのルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニン等の有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
多孔質酸化物半導体層12内には、電解液が含浸されており、この電解液も前記電解質13の一部を構成している。この場合、多孔質酸化物半導体層12内の電解質13は、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層12と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
また、揮発性電解質溶液に代えて、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、溶媒がイオン液体であるものやゲル化したものだけではなく、p型無機半導体や有機ホール輸送層といった固体であっても制限なく使用可能である。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF ,PF ,(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質13の半導電性を低下させることがなく、電解質13に含まれる他の共存成分に対する科学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質13がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質13に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。
特に、電解質13がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
対極4は、導電性を有する板状をなし、その表面が不導態となるTi板から構成される。また、対極4は、作用極3と対面する表面にPtからなる触媒膜(不図示)を有している。
対極4の構成は、上述したようなPt被膜Ti板に限るものではなく、Pt板、またはPtを被膜した金属板であってよい。あるいは、カーボン板、またはカーボンを被膜した金属板であってよい。また、対極4は、導電性を有する線状の基材が網目状に編まれてなるテキスタイル構造を採用し、Ptを被膜させる構成としてもよい。
セパレータ5は、ポリエチレンよりなる不織布が好ましいが、これに限ることはなく、板状の樹脂を採用してもよい。材質に関しては、電解液に耐え、作用極3と対極4とを絶縁可能であれば、ポリエチレンに限らず、様々な材料を採用可能である。
可視光の透過性を有するフィルム10は、PETを基板とする高ガスバリア透明フィルムにより形成されている。なお、PET基板の他に、その他のガラス基板、樹脂基板、例えば、ポリエチレンナフタレートやフッ素樹脂など、色素増感太陽電池に用いられる樹脂ならば際限なく使用可能である。
フィルム5を接着するための接着剤11としては、極性基を有する樹脂や、極性基を導入した変性樹脂のフィルム、例えば、EMAAやアイオノマーなどの分子鎖中に極性基を有するエチレン系共重合体や、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンの酸変性物などを使用することができる。具体的には、ハイミラン、ニュクレル(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)、アドテックス(日本ポリエチレン社製)、プリマコール(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
集電極35は、100μmの厚みを有するTi板が好ましいが、導電性を有するとともに電解質に耐える金属であればこれに限ることはない。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る色素増感型光電変換素子の概略構成図であり、図3(a)は光電変換素子の受光側、図3(b)は裏側を示す。
第2実施形態の色素増感型光電変換素子は、封止部の全てを対極4bの裏側に設けたことを特徴としており、この点が第1実施形態のものと異なっている。
色素増感型光電変換素子1bにおいて、集電極35bを備えた作用極3b、および対極4bは、平面視矩形形状を有している。フィルム10bは、作用極3bおよび対極4bと比較して、縦寸法、横寸法ともに所定寸法長い大きさを有する。
組み立てる際は、フィルム10bの端部を対極4bの裏側に全て折り込み、次いで、対極4bの裏面にて、フィルム10bを接着し、封止部S1b、S2bとする。
作用極3bからの集電は、作用極3bの集電極35bに電気的に接続された少なくとも1本の集電用配線35bを使用する。また、対極4bは、少なくとも一部が、対極4bの裏側において露呈されている。
この構造は、封止部を全て対極4bの裏側に設けるため、実施形態1と比較して、色素増感型光電変換素子1bの面積をより小さくすることができる。
(実施例)
図1に示す構造の光電変換素子を作製した。
まず、直径50μmのTi線(基材31)を、織機により緻密な平織り(テキスタイル)構造に製織した。縦横のTi線が織り重ねられる矩形部分(テキスタイル部)のサイズは50mm×100mmとした。
製織した織物外周の3辺に、厚み100μm、幅5mmのTiを集電極35として溶接により取り付けた。なお、集電極35の内、1辺には突出部35aを設けた。
集電極35を取り付けたテキスタイル部を、TiOペースト(触媒化成製PST−21NR)中に浸漬した後に引き上げ、仮乾燥後、電気炉で500℃、1時間焼結して多孔質TiO膜付きTiテキスタイル部を得た。TiOの膜厚はおよそ15μmであった。
次に、作用極3を、ルテニウム色素(N719と呼ばれる)の0.3mM、アセトニトリル/tert-ブタノール=1:1溶液に浸漬し、室温で24時間放置してTiO表面に色素を担持した。色素溶液から引き上げた後、上記混合溶媒で洗浄し、これを作用極3とした。
一方、三元RFスパッタ装置を用いて50×115mmのTi板上にPtを蒸着させたものを対極4とした。
フィルム10は、厚さ50μm、大きさ70×110mmのPETフィルムを用いた。
セパレータ5には、ポリエチレンよりなる厚み16μm、気孔率38%の不織布を用いた。その大きさは、50×100mmとした。
作用極3、セパレータ10、対極4を順に重ねた上で(図2(a)参照)、フィルム10を作用極3を覆うように配置し、短辺を接着した(図2(b)参照)。接着は、フィルム10と対極4との間にエチレン−メタクリル酸共重合体であるニュクレルを挿入し、熱圧着により行った。
次に、フィルムの端部を折り返し(図2(c)参照)、折り返した部分を対極4の裏側に接着した(図2(d)参照)。接着する際に、フィルム10と対極4との間に、メトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質を注入した。
以上のようにして作製された光電変換素子に、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)にて光を照射し、電流電位曲線を測定した。その結果、光電変換効率は、4.0%であった。
以上のことから、本発明により、色素増感型光電変換素子の占有面積における封止部の面積の割合を小さくすることができ、結果的に、単位面積当たりの発電効率を増加させることが可能となった。
本発明は、金属線を電極に用いた光電変換素子に広く適用可能である。
1…色素増感型光電変換素子、3…作用極、4…対極、5…セパレータ、10…フィルム、11…接着剤、12…多孔質酸化物半導体層、13…電解質、31…基材、35…集電極、S1、S2…封止部。

Claims (3)

  1. 可視光の透過性を有するフィルムと、金属板からなる対極とを重ね合わせ、前記フィルムと前記対極とが接触した部分からなる封止部を設けることによって形成された袋体、
    前記袋体の内部に封入され、導電性を有する複数の線材が網目状に編まれてなる構造を有し、前記対極の一面と対向するように配された作用極、
    および前記作用極とともに前記袋体の内部に封入された電解質、
    を少なくとも備えた色素増感型光電変換素子であって、
    前記封止部の少なくとも一部は、前記対極の前記作用極と面する側の反対側まで前記フィルムを延在させるとともに、前記反対側において前記フィルムを前記対極の他面に接着してなることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  2. 前記封止部は、前記作用極および前記対極の集電極が存する領域を除く部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  3. 前記封止部は、前記作用極および前記対極の集電極が存する領域にも設けられていることを特徴とする請求項2に記載の色素増感型光電変換素子。
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