JP5172487B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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本発明は、色素増感型の光電変換素子に関する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
図5は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池100は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基板101と、導電膜104が形成された第二基板105と、これらの間に封入された例えばヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む電解質層106を主な構成要素としている。
第一基板101としては光透過性の板材が用いられ、第一基板101の色素増感半導体電極103と接する面には導電性を持たせるために透明導電層102が配置されており、第一基板101、透明導電層102及び色素増感半導体電極103により作用極(窓極)108をなす。
一方、第二基板105としては、電解質層106と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層104が設けられ、第二基板105及び導電層104により対極109を構成している。
色素増感半導体電極103と導電層104が対向するように、第一基板101と第二基板105を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に例えば熱可塑性樹脂からなる封止材107を設ける。そして、この封止材107を介して2つの基板101、105を貼り合わせてセルを組み上げ、電解液の注入口110を通して、両極108、109間にヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層106を形成したものが挙げられる。
このような色素増感型の光電変換素子は、従来型の光電変換素子に比べて、大幅な低コスト化が可能と言われており、早期実用化が待たれる。その際、コスト低減を図る障害の一つとして、導電性基板を使用していることが挙げられる。すなわち、従来構造の光電変換素子では、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板上に、スズドープ酸化インジウム(ITO)や、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)といった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。ここで使用されるインジウム(In)は、希少金属であり、昨今の価格の急騰からも明らかなように、光電変換素子の低コスト化を阻害する要因となる。したがって、このような導電性基板を必要としない、全く新しい構造の色素増感型光電変換素子が実現すれば、大幅な低コスト化が図れることから、その開発が期待される。
また、素子へ入射する光を有効利用するために、異なる方向を向いた複数の電極面を有する構造の素子も提案されている。また、平板型ではないが、同心円状に各機能材料を積層した円筒型の素子も提案されている(例えば非特許文献2を参照。)。しかしこの場合、ガラス管の内壁面に透明導電膜を形成する工程が必須であり、実質的に透明導電性基板を用いていることに変わりはない。
また、透明導電性プラスチック基板は熱に弱く、その上に多孔質酸化チタン電極を焼成する際に十分な温度で焼結することができない。
これらの解決手段として、金属線を電極に用いる新規な素子構造について提案がなされている。
しかしながら、金属線を並べる際に、隙間なく配置することは困難であり、その分だけ発電効率に寄与する発電有効面積が減ってしまう。金属線を網目状に配置した場合も、開口部の分だけ有効面積が減ってしまう。
このように電極に金属線を採用したがゆえに、大面積の太陽電池モジュールの構成が困難となり、本来、色素増感型光電変換素子が印刷法で製作でき大面積化か容易であるという利点を損なう結果となった。そのため、上記の利点を両立する素子構造の開発が必要とされている。
特開平1−220380号公報 M.Graetzel et al., Nature, 737, p.353, 1991 B.Baps,M.Eber-Koyuncu,M,Cermic based solar cells in fiber from,Key Engineering Materials,2002年,206-213号,937-940頁
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、金属線を用いた電極を隙間なく配置することができ、発電有効面積を十分に確保し、優れた光電変換効率を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の光電変換素子は、別体をなす第一電極と第二電極とが、電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第一電極は、線状をなし、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成され、前記第二電極が面状をなし、一つの該第二電極に対向して、前記第一電極が複数、並列して配されるとともに、2段以上に積層されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記第一電極が積層された各段ごとに、異なる直径を有することを特徴とする。
本発明では、線状をなす第一電極を、面状をなす第二電極に対向して、複数、並列して配するとともに、2段以上に積層することで、第一電極を隙間なく配置することができる。これにより本発明では、発電有効面積を十分に確保することができ、優れた光電変換効率を有する光電変換素子を提供することが可能である。
なお、このような効果が得られる光電変換素子の構成としては、重なり方向に位置する第一電極の線径を適宜制御することにより、光の入射方向から見て下段に位置する第一電極が、隣接する第一電極との間に、隙間を設けた形態の他に、隙間なく設けた形態も挙げられる。
以下、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の光電変換素子の一構成例を模式的に示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。また、図2は、作用極をなす第一電極の一例を示す断面図である。
図1において、符号1A(1)は色素増感型の光電変換素子、10a、10b(10)は第一電極(作用極)、11a、11b(11)は第一線材、12a、12b(12)は多孔質酸化物半導体層、20は第二電極(対極)、21は基材、22は導電膜、30は電解質層、31は透明基材、32は封止部材(スペーサー)をそれぞれ示している。
光電変換素子1A(1)において、第二電極20と第二透明基材31とが封止部材32(スペーサー)を介して対向配置されてなる空間内に、第一電極10が電解質層30を介して第二電極20と対向して配置され、前記空間の外周部が接着、封止されて光電変換素子として機能する。
そして本発明の光電変換素子1では、第一電極10は、線状をなし、少なくとも導電性を有する第一線材11と、該第一線材11の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成される。また、前記第二電極20が面状をなし、一つの該第二電極20に対向して、前記第一電極10が複数、並列して配されるとともに、2段以上に積層されていることを特徴とする。
より詳細には、図1(a)に示すように、光電変換素子1A(1)は、第一電極10が2段に重ねて配置された一例であり、光の入射方向(図1(a)の場合は紙面の上から下に向かう方向)から見て、下段に位置する第一電極10a(10)と上段に位置する第一電極10b(10)が各々複数本あり、第一電極10a(10)同士および第一電極10b(10)同士が、それぞれ隙間Δをもって並列して配置されている。
図1の配置によれば、上段に位置する第一電極10b(10)の隙間Δを通して、下段に位置する第一電極10a(10)に対しても光が入射するとともに、光の入射方向から見て、第一電極が隙間無く存在することになるので、光電変換素子1A(1)の全面が発電に寄与する形態が実現できる。
すなわち、図1の配置によれば、線状をなす第一電極10を、面状をなす第二電極20に対向して、複数、並列して配することにより、光電変換素子の小型化、薄型化が図れるとともに、第一電極10を2段以上に積層することで、第一電極10を隙間なく配置することができる。これにより本発明の光電変換素子1A(1)は、発電有効面積を十分に確保することができ、優れた光電変換効率を有するものとなる。
作用極をなす第一電極10は、例えば図2に示すように、線状をなす第一線材11の外周に前記多孔質酸化物半導体層12が配されてなる。そして、作用極は、例えば図1(a)に示すように、面状をなす第二電極20に対向して、複数の第一電極10が並列して配されるとともに、2段以上に積層されている。
ガラス、プラスチック等からなる透明基材上に、FTOやITOなどの透明導電膜が形成されてなる透明導電性基板を用いた従来の電極(作用極)においては、透明基材の耐熱性の問題から、多孔質酸化物半導体層の形成時に、ガラスではおよそ600℃以上、プラスチックではおよそ150℃以上の高温での焼成が難しかった。これに対して、第一電極10においては、第一線材11に金属線を採用したことにより、上記のような問題がなく、高温でも十分に焼成することができる。
このような光電変換素子1では、線状をなす第一電極10の外周面が受光面となるため、照射光に対する投影面積を増大することができ、かつ光入射角度依存性が少なくなることが期待される。
また、板状の基板を用いずに線状の線材を用いているので、フレキシブル性を有し、様々な構造の光電変換素子用電極として利用することができる。
さらに、従来の電極のようにガラス基板や、透明導電膜を用いないため、安価に電極を製造することができる。
第一線材11としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moのいずれか、又はこれらの合金からなるワイヤや、中空の線材、棒材などが挙げられる。また、導電性を有し、かつ、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材(導線)を、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moのいずれか、又はこれらの合金で被覆したものも第一線材11として用いられる。
このような第一線材11の太さ(直径)としては、特に限定されるものではないが、例えば、1000[μm]〜50[μm]とするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、第一線材11の太さは細いほどよい。
また、図1(b)に示すように、第一線材11は、素子の外部へと引き出されていることが好ましい。これにより、発電した電気を容易に外部へと取り出すことが可能である。
多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の周囲に設けられており、その表面には少なくとも一部に増感色素が担持されている。
なお、多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の外周の一部のみを覆うものであってもよいが、光収集能力の低下、逆電子移動反応の促進等があるため、第一線材11の外周を完全に覆うことが好ましい。
多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層12を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液に、必要に応じて所望の添加剤を添加してから、浸漬、塗布、押し出し等の方法により前記第一線材11の外周に配した後、焼成することにより形成する手法が挙げられる。
このような多孔質酸化物半導体層12の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1[μm]〜50[μm]が好ましい。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
第二電極20(対極)は、基材21の第一電極10と対向させる側の面に、導電膜22を形成したものである。
基材21としては、ガラス板、Ti等の金属板、炭素板、合成樹脂板などが用いられる。
導電膜22は、上記基材21に導電性を付与するために、その一方の面に形成された金属、炭素などからなる薄膜である。導電膜22としては、例えば炭素や白金などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗布後に熱処理を行ったものが好適に用いられるが、電極として機能するものであれば特に限定されるものではない。
電解質層30は、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させてなるものか、又は、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層12と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFS0 ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオン又はビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の半導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
透明基材31としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。第二透明基板は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基板としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が85%以上の基板がより好ましい。
封止部材32(スペーサー)としては、基材21及び透明基材31に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)の他に、UV硬化可能な材料[例えば、31X−101(スリーボンド社製)]などが挙げられる。
<第二実施形態>
次に、本発明の光電変換素子1の第二実施形態について説明する。
図3は、本実施形態の光電変換素子1B(1)を示す断面図である。
なお、以下の説明では、上述した第一実施形態と異なる部分について主に説明し、同様の部分についてはその説明は省略する。
この光電変換素子1B(1)は、第一電極10が積層された各段ごとに、異なる直径を有する一例である。
本実施形態の光電変換素子1B(1)では、異なる直径を有する複数の第一電極10a(10)、10c(10)を用い、第一電極10を、積層された各段ごとに、異なる直径を有するように配している。
すなわち、図3に示すように、光電変換素子1B(1)は、第一電極10が2段に重ねて配置されており、かつ、光の入射方向(図3の場合は紙面の上から下に向かう方向)から見て、下段に位置する第一電極10a(10)と上段に位置する第一電極10c(10)が各々複数本あり、上段に位置する第一電極10c(10)の線径を、下段に位置する第一電極10a(10)の線径より細くした形態である。
この形態によれば、下段に位置する第一電極10a(10)同士は互いに接して隙間無く並列に配されているのに対して、上段に位置する第一電極10c(10)同士は、それぞれ隙間をもって並列して配置される。
ゆえに、図3の配置によれば、上段に位置する第一電極10c(10)の隙間を通して、下段に位置する第一電極10a(10)に対しても光が入射するとともに、光の入射方向から見て、第一電極が隙間無く存在することになるので、光電変換素子1B(1)の全面が発電に寄与する形態が実現できる。
すなわち、図1と同様に、図3の配置によっても、線状をなす第一電極10を、面状をなす第二電極20に対向して、複数、並列して配することにより、光電変換素子の小型化、薄型化が図れるとともに、第一電極10を2段以上に積層することで、第一電極10を隙間なく配置することができる。これにより本発明の光電変換素子1B(1)は、発電有効面積を十分に確保することができ、優れた光電変換効率を有するものとなる。
特に、光電変換素子1B(1)は、大径を有する第一電極10a(10)間に、これより小径の第一電極10c(10)を配することが可能となる。ゆえに、光電変換素子1A(1)に比較して、光電変換素子1B(1)は第一電極10をより密に配置することができる。よって、光電変換素子1B(1)は発電有効面積を十分に確保することができ、さらに優れた光電変換効率を有するものとなる。
以上、本発明の光電変換素子について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した説明では、第一電極が、円形状である場合を例に挙げて説明したが、例えば図4(a)(b)に示すように、第一電極の形状を、平角線、3角形以上の多角線形などの異形線とすることも可能である。
また、上述した説明では、第一電極を2段に積層した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、3段以上の構造とすることも可能である。
また、上述した説明では、第一電極を面状をなす第二電極上に並べていたが、これに限定されるものではなく、面状をなす第二電極に第一電極を巻きつけた構造とすることも可能である。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
まず、直径1.0mmのTi線を輪状に束ね、TiOペースト(Solaronix社製、Ti Nanoxide-T)に浸潰、引き上げ、乾燥を3回繰り返して塗布した後、電気炉で500℃、1時間焼結して多孔質TiO膜付きTiワイヤを得た。TiOの膜厚はおよそ6μmであった。
次に、上記電極を、ルテニウム色素(Solaronix社製、RutheAlum535-bisTBA、一般には N719と呼ばれる)の0.3mM、アセトニトリル/ tert-ブタノール=1:1溶液に浸漬し、室温で24時間放置してTiO表面に色素を担持した。色素溶液から引き上げた後、上記混合溶媒で洗浄し、これを第一電極(作用極)とした。
一方、三元RFスパッタ装置を用いてTi板上にPtを蒸着させたものを対極とした。
そして、5本の第一電極を、対極板上に並列して積層して配し、厚さ1.0mmのPETフィルムをスペーサーにしてメトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質に浸し、次いで同じく無アルカリガラスを上面に被せて、本発明による光電変換素子を得た。
以上のようにして作成された光電変換素子に、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)にて光を照射し、電流電位曲線を測定した。その結果、光電変換効率は、3.0%であった(Jsc=6.8mA/cm、Voc=710mv、ff=0.64)。
このように、本発明によれば、第一電極を2段以上に積層することで、第一電極を隙間なく配置することができる。これにより本発明の光電変換素子は、発電有効面積を十分に確保することができ、優れた光電変換効率を有することが確認された。
本発明は、金属線を電極に用いた光電変換素子に広く適用可能である。
本発明に係る光電変換素子の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図。 図1に示す光電変換素子の電極(第一電極)の一例を示す斜視断面図。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す断面図。 第一電極の他の例を示す斜視断面図。 従来の光電変換素子の一例を示す断面図。
符号の説明
1(1A,1B) 光電変換素子、10(10a、10b、10c) 第一電極(作用極)、11(11a、11b) 第一線材、12(12a、12b) 多孔質酸化物半導体層、20 第二電極(対極)、21 基材、22 導電膜、30 電解質(電解質層)、31 透明基材、32 封止部材(スペーサー)。

Claims (2)

  1. 別体をなす第一電極と第二電極とが、電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、
    前記第一電極は、線状をなし、少なくとも導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成され、
    前記第二電極が面状をなし、一つの該第二電極に対向して、前記第一電極が複数、並列して配されるとともに、2段以上に積層されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第一電極が積層された各段ごとに、異なる直径を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
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