JP5191631B2 - 対極の製造方法及び光電変換素子の製造方法 - Google Patents

対極の製造方法及び光電変換素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、対極の製造方法及び光電変換素子の製造方法に関し、より詳細には、優れた耐食性を有する対極と、この対極を用いて長期安定性の向上を図った光電変換素子の製造方法に関する。
環境問題、資源問題などを背景に、クリーンエネルギーとしての太陽電池が注目を集めている。太陽電池としては単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたものがある。しかし、従来のシリコン系太陽電池は製造コストが高い、原料供給が不充分などの課題が残されており、大幅普及には至っていない。
また、Cu−In−Se系(CIS系とも呼ぶ)などの化合物系太陽電池が開発されており、極めて高い光電変換効率を示すなど優れた特徴を有しているが、コストや環境負荷などの問題があり、やはり大幅普及への障害となっている。
これらに対して、色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い光電変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(非特許文献1を参照)。
色素増感型太陽電池の概略構成は、透明な導電性の基板の上に、二酸化チタンなどの酸化物半導体微粒子(ナノ粒子)からなり、光増感色素が担持された多孔質膜を有する作用極と、この作用極に対向して設けられた対極とを備え、これらの作用極と対極との間に、酸化還元対を含有する電解質が充填されたものである。
この種の色素増感太陽電池は、太陽光などの入射光を吸収した光増感色素により酸化物半導体微粒子が増感され、作用極と対極との間に起電力が生じることにより、光エネルギーを電力に変換する光電変換素子として機能する。
電解質としては、I/I3−などの酸化還元対をアセトニトリル等の有機溶媒に溶解させた電解液を用いることが一般的であり、この他、不揮発性のイオン性液体を用いた構成、液状の電解質を適当なゲル化剤でゲル化させ、擬固体化した構成、p型半導体などの固体半導体を用いた構成などが知られている。
イオン性液体は常温溶融性塩とも呼ばれ、温室付近を含む広い温度範囲において安定な液体として存在する、正と負の電荷を帯びたイオンのみからなる塩である。このイオン性液体は実質的に蒸気圧を持たず、一般的な有機溶媒のような揮発、引火などの心配がないことから、揮発によるセル特性の低下の解決手段として期待されている。
対極には、おもに透明な導電性の電極基板または金属板に蒸着またはスパッタリングにより形成した白金膜を有する電極が用いられる。
しかしながら、白金膜を有する電極を対極として用いた場合、長期使用中に白金膜が脱離、溶解し発電特性が低下してしまうことがある。白金のほかにカーボンも色素増感型太陽電池の対極の触媒として働く。しかし、白金膜を有する導電性ガラスやカーボン単体の電極は電気抵抗が高いため十分な発電特性が得られない。
O'Regan B, Gratzel M. A low cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films, Nature 1991;353:737-739
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、耐食性に優れた対極及びその製造方法と、この対極を利用することにより長期安定性に優れた光電変換素子及びその製造方法とを提供することを目的とする。
本発明の請求項記載の対極の製造方法は、少なくとも一部に電解質層を介して、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極と対向して配される対極の製造方法であって、導電性部材を炭化水素雰囲気下で処理することにより、該導電性部材の前記作用極と対向する側の面上に、該導電性部材の炭化物を形成する工程を少なくとも備えていることを特徴とする。
本発明の請求項記載の光電変換素子の製造方法は、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなる光電変換素子の製造方法であって、前記対極を作製するに際し、導電性部材を炭化水素雰囲気下で処理することにより、該導電性部材の前記作用極と対向する側の面上に、該導電性部材の炭化物を形成する工程を少なくとも備えていることを特徴とする。
本発明では、対極の電解質層と接する部位が導電性と耐食性を備えているため、対極の劣化が抑えられ、電気抵抗が低いものとすることができる。その結果、本発明の光電変換素子は長期安定性に優れたものとなる。
以下、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を示す概略断面図である。
図1において、符号10は透明導電性基板、11は透明基材、12は透明導電膜、13は多孔質酸化物半導体層、14は作用極、15は電解質層、16は導電性部材、18は対極、19は封止部材、20は積層体、30は色素増感型光電変換素子をそれぞれ示している。
この光電変換素子30は、作用極14と、対極18と、これらの間に封入された電解質からなる電解質層15と、から概略構成され、電解質層15を作用極14と対極18で挟んでなる積層体20が、その外周部が封止部材19によって接着、一体化されて光電変換素子として機能する。
そして本発明では、対極18において、前記電解質層15と接する部位17が、導電性と共に耐食性を備えた部材からなることを特徴とする。電解質層15と接する部位17が耐食性を備えているため、導電性部材の侵食がなく、長期安定性に優れる対極とすることができる。
なお、前記部位17としては、単層、複数からなる層、導電性部材16の内部に拡散または結合しているなど、さまざまな形態が考えられる。
前記部位17は、例えば、導電性部材16の炭化物である。これによりカーボンの触媒能力をもち電気抵抗も低い対極を得ることができる。炭化物が形成されているため、導電性部材16の侵食がなく、長期安定性に優れる対極18を提供することができる。その結果、光電変換素子30の光電変換効率を向上することができる。
前記導電性部材16は、チタン、アルミ、鉄、ニッケル、コバルトから選択される1つまたは2つ以上の元素を含むことが好ましい。これらの金属は、炭化物を形成しやすい金属であり、これらの金属を使用することにより、炭化物を速やかに形成することができる。
前記部位17の厚さとしては、特に限定されるものではないが、薄すぎると、耐食の効果が十分に得られず、また、厚すぎると、電極の抵抗が増大してしまうので、例えば、0.1〜100μm程度とすることが好ましい。
作用極14は、透明導電性基板10をなす透明導電膜12の一方の面に形成され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層13とから構成されている。
透明導電性基板10は、透明基材11、および、その一方の面11aに形成された透明導電膜12から概略構成されている。
透明基材11としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。透明基材11は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材11としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が90%以上の基板がより好ましい。
透明導電膜12は、透明基材11に導電性を付与するために、その一方の面11aに形成された薄膜である。透明導電性基板の透明性を著しく損なわない構造とするために、透明導電膜12は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。
透明導電膜12を形成する導電性金属酸化物としては、例えば、スズ添加酸化インジウム(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)などが用いられる。これらの中でも、成膜が容易かつ製造コストが安価であるという観点から、ITO、FTOが好ましい。
また、透明導電膜12は、FTOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜であることが好ましい。透明導電膜12を、FTOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜とすることにより、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。
多孔質酸化物半導体層13は、透明導電膜12の上に設けられており、その表面には増感色素が担持されている。多孔質酸化物半導体層13を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層13を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレー塗布法など公知の塗布方法により塗布した後、このポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
増感色素としては、ピピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポリフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオニン、ローダミン、モロシアンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から、用途、使用半導体に適した挙動を示すものを特に限定なく選ぶことができる。
電解質層15は、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層13と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン性液体、酸化物半導体粒子および導電性粒子を含むゲル状の電解質が用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリ−ブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンまたはアニオンとした常温溶融性塩が挙げられる。
常温溶融性塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、F(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン性液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和製に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の半導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、WO、ZnO、Nb、In、ZrO、Ta、La、SrTiO、Y、Ho、Bi、CeO、Alからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、二酸化チタン微粒子(ナノ粒子)が特に好ましい。この二酸化チタンの平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。この導電性粒子の比抵抗の範囲は、好ましくは1.0×10−2Ω・cm以下であり、より好ましくは、1.0×10−3Ω・cm以下である。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質中で酸化被膜(絶縁被膜)などを形成して導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
封止部材19としては、対極18をなす他の基材16に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンリケミカル社製)、バイネル(三井デュポンリケミカル社製)、アロンアルファ(東亞合成社製)などが挙げられる。
次に、この実施形態の光電変換素子30の製造方法を、図1を参照して説明する。
この実施形態では、まず、透明基材11の一方の面11aの全域を覆うように透明導電膜12を形成し、透明導電性基板10を作製する。
透明導電膜12を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、スプレー熱分解法(SPD法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。
その中でも、前記透明導電膜12は、スプレー熱分解法により形成されたものであることが好ましい。透明導電膜12を、スプレー熱分解法により形成することで、容易にヘーズ率を制御することができる。また、スプレー熱分解法は、減圧システムが不要なため、製造工程の簡素化低コスト化を図ることができるので好適である。
次いで、透明導電膜12を覆うように、多孔質酸化物半導体層13を形成する。この多孔質酸化物半導体層13の形成は、主に塗布工程と乾燥・焼成工程からなる。
塗布工程とは、例えばTiO粉末と界面活性剤を所定の比率で混ぜ合わせてなるTiOコロイドのペーストを、親水性化を図った透明導電膜12の表面に塗布するものである。その際、親水性化を図った透明導電膜12の表面に塗布するものである。その際、塗布法としては、加圧手段(例えば、ガラス棒)を用いて前記コロイドを透明導電膜12上に押し付けながら、塗布されたコロイドが均一な厚さを保つように、加圧手段を透明導電膜12の上空を移動させる方法が挙げられる。
乾燥・焼成工程とは、例えば大気雰囲気中におよそ30分間、室温にて放置し、塗布されたコロイドを乾燥させた後、電気炉を用いおよそ1時間、450℃の温度にて焼成する方法が挙げられる。
次に、この塗布工程と乾燥・焼成工程により形成された多孔質酸化物半導体層13に対して色素担持を行う。
色素担持用の色素溶液は、例えばアセトニトリルとt−ブタノールを容積比で1:1とした溶媒に対して極微量のN3粉末を加えて調整したものを予め準備しておく。
シャーレ状の容器内に入れた色素溶媒に、多孔質酸化物半導体層13を浸した状態とし、暗所にて一昼夜(およそ20時間)浸漬する。その後、色素溶液から取り出した多孔質酸化物半導体層13は、アセトニトリルとt−ブタノールからなる混合溶液を用い洗浄する。
上述した工程により、色素担持したTiO薄膜からなる多孔質酸化物半導体層13を透明基板上に設けてなる作用極14(窓極とも呼ぶ)を得る。
一方、対極18の作製において、導電性部材16を炭化水素雰囲気下で処理することにより、該導電性部材16の前記作用極と対向する側の面上に、該導電性部材16の炭化物を形成する工程を少なくとも備えている。
導電性部材16を炭化水素雰囲気中で熱処理を行うことにより、該導電性部材の一面上に、該導電性部材16の炭化物を容易に形成することができる。
炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、アセチレン等の気体、ベンゼン、ヘキサン等の液体が挙げられる。
この対極18には、その厚み方向に貫通する穴を少なくとも2ヶ所設ける。この穴は、後述する電解液を注入する際の注入口である。
色素担持させたTiO薄膜からなる多孔質酸化物半導体層13が上方をなすように作用極14を配置し、この多孔質酸化物半導体層13と導電膜17が対向するように、対極18を作用極14に重ねて設けることにより積層体20が形成される。その後、積層体20の側部、すなわち作用極14と対極18の重なった外周付近を、例えばエポキシ樹脂からなる封止部材19で封止する。
封止部材19が乾いて固化した後、積層体20の空隙、すなわち作用極14と対極18と封止部材19で囲まれた空間内に、対極18に設けた注入口から電解質溶液を注入する。これにより色素増感型の光電変換素子30が形成される。
この光電変換素子30は、対極18において、電解質層15と接する部位17が導電性と耐食性を備えているため、対極の劣化が抑えられ、電気抵抗が低いものとすることができる。その結果、光電変換素子30は長期安定性に優れたものとなる。
以上、本発明の光電変換素子について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
以下のようにして、色素増感型の光電変換素子を作製した。
(実施例1)
透明電極基板として、FTO膜付きガラス基板を用い、この透明電極基板のFTO膜(導電層)側の表面に、平均粒径20nmの酸化チタンのスラリー状分散水溶液を塗布し、乾燥後、450℃にて1時間加熱処理することにより、厚さ7μmの酸化物半導体多孔質膜を形成した。さらにルテニウムビピリジン錯体(N3色素)のエタノール溶液中に1晩浸漬して色素を担持させ、作用極を得た。
一方、Ti基板を容器内に入れ、アセチレン雰囲気下で600℃、1時間熱処理を行った。この基板の表面にTiCの炭化層が形成されていた。この表面を炭化させたTi基板を対極として用いた。
電解液として、ヨウ素/ヨウ化物イオンレドックス対を含有するイオン性液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニルイミド))からなる電解液を調製した。
得られた作用極と対極との間に電解液を介在させて積層し、色素増感型の光電変換素子を作製した。
(比較例1)
対極としてカーボン板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
(比較例2)
対極として、ガラス基板上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)を成膜し、さらにその上に白金をスパッタリング法により成膜したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
(実施例2)
電解質として、実施例1で調製した電解液に酸化チタンナノ粒子を10wt%混合し、遠心分離することにより作成したナノコンポジットゲル電解質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
(比較例3)
対極としてカーボン板を用いたこと以外は、実施例2と同様にして光電変換素子を作製した。
(比較例4)
対極として、ガラス基板上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)を成膜し、さらにその上に白金をスパッタリング法により成膜したものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして光電変換素子を作製した。
以上のようにして得られた各実施例および比較例の光電変換素子について、光電変換効率を測定した。また、長期安定性として、作成直後と1000時間の光照射後のセルの光電変換効率の変化を調べた。その結果を表1および表2に示す。
Figure 0005191631
Figure 0005191631
表1および表2から明らかなように、表面を炭化させた金属板を対極として用いた実施例では、対極の電気抵抗を低くすることができ、比較例に比べていずれも高い光電変換効率が得られることがわかった。また、表面を炭化させた金属板を対極として用いた実施例では、対極の劣化が抑えられ、1000時間後も光電変換効率が低下せず長期安定性に優れた光電変換素子を実現することができることがわかった。
本発明は、太陽電池に代表される光電変換素子およびその対極に適用可能である。
本発明に係る光電変換素子の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10 透明導電性基板、11 透明基材、12 透明導電膜、13 多孔質酸化物半導体層、14 作用極(窓極)、15 電解質層、16 導電性部材、17 部位、18 対極、19 封止部材、20 積層体、30 光電変換素子。

Claims (2)

  1. 少なくとも一部に電解質層を介して、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極と対向して配される対極の製造方法であって、
    導電性部材を炭化水素雰囲気下で処理することにより、該導電性部材の前記作用極と対向する側の面上に、該導電性部材の炭化物を形成する工程を少なくとも備えていることを特徴とする対極の製造方法。
  2. 増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有し、窓極として機能する作用極と、少なくとも一部に電解質層を介して該作用極と対向して配される対極とを備えてなる光電変換素子の製造方法であって、
    前記対極を作製するに際し、導電性部材を炭化水素雰囲気下で処理することにより、該導電性部材の前記作用極と対向する側の面上に、該導電性部材の炭化物を形成する工程を少なくとも備えていることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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