JP4678125B2 - 光電変換素子およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法 - Google Patents

光電変換素子およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、光電変換素子およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法に関し、例えば、色素増感半導体電極を用いた湿式光電変換素子に適用して好適なものである。
エネルギー源として石炭や石油などの化石燃料を使用する場合、その結果発生する二酸化炭素のために、地球の温暖化をもたらすと言われている。また、原子力エネルギーを使用する場合には、放射線による汚染の危険性が伴う。環境問題が取り沙汰される現在、これらのエネルギーに依存していくことは大変問題が多い。
一方、太陽光を電気エネルギーに変換する光電変換素子である太陽電池は太陽光をエネルギー源としているため、地球環境に対する影響が極めて少なく、より一層の普及が期待されている。
太陽電池の材質としては様々なものがあるが、シリコンを用いたものが多数市販されており、これらは大別して単結晶または多結晶のシリコンを用いた結晶シリコン系太陽電池と、非晶質(アモルファス)シリコン系太陽電池とに分けられる。従来、太陽電池には、単結晶または多結晶のシリコン、すなわち結晶シリコンが多く用いられてきた。
しかし、結晶シリコン系太陽電池では、光(太陽)エネルギーを電気エネルギーに変換する性能を表す光電変換効率が、アモルファスシリコン系太陽電池に比べて高いものの、結晶成長に多くのエネルギーと時間とを要するため生産性が低く、コスト面で不利であった。
また、アモルファスシリコン系太陽電池は、結晶シリコン系太陽電池と比べて光吸収性が高く、基板の選択範囲が広い、大面積化が容易である等の特徴があるが、光電変換効率が結晶シリコン系太陽電池より低い。さらに、アモルファスシリコン系太陽電池は、生産性は結晶シリコン系太陽電池に比べて高いが、製造に真空プロセスが必要であり、設備面での負担は未だに大きい。
一方、太陽電池のより一層の低コスト化に向けて、シリコン系材料に代えて有機材料を用いた太陽電池が多く研究されてきた。しかし、この太陽電池の光電変換効率は1%以下と非常に低く、耐久性にも問題があった。
こうした中で、非特許文献1に、色素によって増感された多孔質半導体微粒子を用いた安価な太陽電池が報告された。この太陽電池は、増感色素にルテニウム錯体を用いて分光増感した酸化チタン多孔質薄膜を光電極とする湿式太陽電池、すなわち電気化学光電池である。この太陽電池の利点は、安価な酸化チタン等の酸化物半導体を用いることができ、増感色素の光吸収が800nmまでの幅広い可視光波長域にわたっていること、光電変換の量子効率が高く、高いエネルギー変換効率を実現できることである。また、製造に真空プロセスが必要無いため、大型の設備等も必要無い。
Nature,353,p.737-740,1991
特許文献1には、半導体膜と対極との間に実質的に電気絶縁性のスペーサ層(多孔性アルミナなど)を設け、かつ、この対極に多孔質の電子伝導性層(白金担持グラファイトなど)を設置した色素増感太陽電池が提案されている。
特開2001−102104号公報 なお、酸化チタン(TiO2 )微粒子が分散されたTiO2 ペーストの作製方法が知られている(非特許文献2)。 荒川裕則「色素増感太陽電池の最新技術」(シーエムシー)p.45-47(2001)
高効率色素増感太陽電池を作製するにあたっては、内部抵抗を低減すること、すなわちフィルファクター(FF)の増加が重要となる。一般的に色素増感太陽電池の対極には、ガラス基板にスパッタした白金電極が用いられているが、この色素増感太陽電池の内部抵抗は高く、高い光電変換効率を得ることができなかった。これは、特許文献1で提案された色素増感太陽電池も同様であり、その表2に記載された測定結果から明らかなように、フィルファクターは高々66%、光電変換効率は高々4.4%にすぎない。
したがって、この発明が解決しようとする課題は、内部抵抗が十分に低く、高い光電変換効率を得ることができる太陽電池等の光電変換素子およびその製造方法を提供することにある。
この発明が解決しようとする課題は、より一般的には、内部抵抗が十分に低く、高い光電変換効率を得ることができる電子装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来技術が有する上記の課題を解決するために鋭意検討を行った。その概要について説明すると次のとおりである。
色素増感太陽電池においては、入射光により、半導体電極、すなわち半導体微粒子層の表面に担持された増感色素が励起されて電子が発生し、この電子が増感色素から半導体微粒子に渡され、一方、電子を失った増感色素はメディエーター電解質のイオンから電子を受け取り、電子を渡した分子は、再び対極の白金電極で電子を受け取る。本発明者らはこの一連の反応を考察した結果、電子を渡した分子が再び対極の白金電極で電子を受け取る速度、言い換えると、対極側の電解質の還元速度が反応を律速していることを見出した。そして、詳細な検討を行った結果、ガラス基板にスパッタした白金電極は平滑であるために表面積が小さいことが、上述のように電解質の還元速度が反応を律速する原因であることを見出した。これは、見方を変えると、白金電極の表面積が、半導体微粒子層の色素担持量(半導体微粒子層の表面積にほぼ比例する)に対して極端に小さすぎるということである。
本発明者らは、上述のようにして得た知見に基づいて色素増感太陽電池の内部抵抗を低減するためには、対極の表面積を、他に支障のない限り十分に大きくして対極側の電解質の還元速度を速くすることが重要であり、そのためには、ガラス基板にスパッタした白金電極に比べて表面積がはるかに大きい多孔質触媒層、取り分け、粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により形成された多孔質触媒層や、極めて大きい表面積を容易に得ることができる導電性高分子からなる多孔質触媒層を対極の電解質側に形成することが最も有効であるという結論に至り、この発明を案出するに至ったものである。
すなわち、上記課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する光電変換素子において、
対極の電解質層に面する側に粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により形成された多孔質触媒層が設けられている
ことを特徴とするものである。
この発明の第2の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する光電変換素子の製造方法において、
対極の電解質層に面する側に粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により多孔質触媒層を形成する工程を有する
ことを特徴とするものである。
第1および第2の発明において、導電性微粒子を構成する材料は、電解質の還元能があれば特に限定されない。また、導電性微粒子に電解質の還元能が無くても、その導電性微粒子上に電解質の還元能を有する触媒を担持していれば、これも使用可能である。導電性微粒子を構成する材料または担持する触媒としては、具体的には、Pt、Au、Ru、Os、Ti、Ni、Cr、Cu、Ag、Pd、In、Zn、Mo、Al、Ir、CoおよびCからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素(これらの単体、合金あるいは化合物)や導電性高分子等を用いることが好ましい。導電性高分子の具体例を挙げると、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やポリピロール等である。導電性微粒子は、第1の微粒子の表面に粒径がより小さい第2の微粒子を有するものであってもよい。
導電性微粒子の粒径(直径)は、十分に大きな表面積を確保する観点より、好ましくは5〜500nmであり、典型的には200〜400nmである。
対極上への導電性微粒子の設置方法は特に制限されない。ただし、製造コストを考えると、湿式による塗布や印刷が好ましく、導電性微粒子を含むペーストを公知の方法で塗布または印刷する方法が好ましい。また、微粒子を分散した溶液内で対極上に電解析出させる方法やメッキも利用することができる。
導電性微粒子を対極上に設置した後、粒子間をネッキングさせるため、焼結、マイクロ波照射などの加熱処理、プレス法、CVDなどの後処理を行うことが好ましい。また、導電性微粒子に触媒能が無い場合、上記処理を行った対極に触媒能のある物質を担持させる必要がある。この担持方法に特に制限は無いが、触媒が溶解した溶液を導電性微粒子上で加熱分解させる方法、めっき、CVD、蒸着、スパッタリングなどの公知の方法で行うことができる。
色素増感半導体電極は典型的には透明導電性基板上に設けられる。この透明導電性基板は、導電性または非導電性の透明支持基板上に透明導電膜を形成したものであっても、全体が導電性の透明基板であっても良い。この透明支持基板の材質は特に制限されず、透明であれば種々の基材を用いることができる。この透明支持基板は、光電変換素子外部から侵入する水分やガスの遮断性、耐溶剤性、耐候性等に優れているものが好ましく、具体的には、石英、ガラス等の透明無機基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、テトラアセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、アラミド類、ポリイミド類、ポリスチレン類、ポリアリレート類、ポリスルフォン類、ポリオレフィン類等の透明プラスチック基板が挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。この透明支持基板としては、加工性、軽量性等を考慮すると透明プラスチック基板を用いるのが好ましい。また、この透明支持基板の厚さは特に制限されず、光の透過率、光電変換素子内部と外部との遮断性等によって自由に選択することができる。
透明導電性基板の表面抵抗は低いほど好ましい。具体的には、透明導電性基板の表面抵抗は500Ω/□以下が好ましく、100Ω/□がさらに好ましい。透明支持基板上に透明導電膜を形成する場合、その材料としては公知のものを使用可能であり、具体的には、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープSnO2 (FTO)、SnO2 等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらを2種類以上組み合わせて用いることもできる。また、透明導電性基板の表面抵抗を低減し、集電効率を向上させる目的で、透明導電性基板上に、導電性の高い金属の配線をパターニングすることも可能である。
半導体電極は、典型的には半導体微粒子からなる。この半導体微粒子の材料としては、シリコンに代表される元素半導体のほかに、各種の化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物等を使用することができる。これらの半導体は、光励起下で伝導帯電子がキャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半導体であることが好ましい。これらの半導体は、具体的に例示すると、TiO2 、ZnO、WO3 、Nb2 5 、TiSrO3 、SnO2 等であり、これらのうちTiO2 が特に好ましい。また、半導体の種類はこれらに限定されるものでは無く、2種類以上混合して用いることもできる。
半導体微粒子の粒径に特に制限は無いが、一次粒子の平均粒径で1〜200nmが好ましく、特に好ましくは5〜100nmである。また、この平均粒径の半導体微粒子にこの平均粒径より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合し、平均粒径の大きい半導体微粒子により入射光を散乱させ、量子収率を向上させることも可能である。この場合、別途混合する半導体微粒子の平均粒径は20〜500nmであることが好ましい。
半導体微粒子からなる半導体電極の作製方法に特に制限は無いが、物性、利便性、製造コスト等を考慮した場合には湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾルを水等の溶媒に均一分散したペーストを調製し、透明導電性基板上に塗布する方法が好ましい。塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法により行うことができる。半導体微粒子の材料として結晶酸化チタンを用いる場合、その結晶型は、アナターゼ型が光触媒活性の点から好ましい。アナターゼ型酸化チタンは市販の粉末、ゾル、スラリーでも良いし、あるいは、酸化チタンアルコキシドを加水分解する等の公知の方法によって所定の粒径のものを作っても良い。市販の粉末を使用する際には粒子の二次凝集を解消することが好ましく、塗布液調製時に乳鉢やボールミル等を使用して粒子の粉砕を行うことが好ましい。このとき、二次凝集が解かれた粒子が再度凝集するのを防ぐため、アセチルアセトン、塩酸、硝酸、界面活性剤、キレート剤等を添加することができる。また、増粘の目的でポリエチレンオキシドやポリビニルアルコール等の高分子、セルロース系の増粘剤など、各種の増粘剤を添加することもできる。
半導体微粒子層は多くの色素を吸着することができるように、表面積の大きいものが好ましい。このため、半導体微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積は、投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、さらに100倍以上であることが好ましい。この上限に特に制限はないが、通常1000倍程度である。半導体微粒子層は一般に、その厚さが増大するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。従って、半導体微粒子層には好ましい厚さが存在するが、その厚さは一般的には0.1〜100μmであり、1〜50μmであることがより好ましく、3〜30μmであることが特に好ましい。半導体微粒子は支持体に塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために、焼成することが好ましい。焼成温度の範囲に特に制限は無いが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなってしまい、溶融することもあるため、通常は40℃〜700℃であり、より好ましくは40℃〜650℃である。また、焼成時間にも特に制限は無いが、通常は10分〜10時間程度である。焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、半導体微粒子層の不純物を除去し、色素から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学めっきや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的めっき処理を行ってもよい。透明導電性基板の支持体にプラスチック基板を用いている場合は、結着剤を含むペーストを基板上に塗布し、加熱プレスによる基板への圧着、もしくは半導体微粒子の電着を行うことも可能である。
半導体微粒子に担持させる色素としては、増感作用を示すものであれば特に制限はないが、例えば、ローダミンB、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン等のキサンテン系色素、キノシアニン、クリプトシアニン等のシアニン系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、チオシン、メチレンブルー等の塩基性染料、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリン等のポルフィリン系化合物、その他アゾ色素、フタロシアニン化合物、クマリン系化合物、メロシアニン系化合物、Ruビピリジン錯化合物、アントラキノン系色素、多環キノン系色素等が挙げられる。この中でも、Ruビピリジン錯化合物は量子収率が高く特に好ましいが、これに限定されるものではなく、単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
上記色素の半導体微粒子層への担持方法に特に制限は無く、例えば上記色素をアルコール類、ニトリル類、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ジメチルスルホキシド、アミド類、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類、炭酸エステル類、ケトン類、炭化水素、水等の溶媒に溶解させ、これに半導体微粒子層を浸漬し、もしくは色素溶液を半導体微粒子層に塗布する方法が一般的である。また、色素同士の会合を低減する目的でデオキシコール酸等の共吸着質を添加しても良い。また紫外線吸収剤を併用することもできる。
過剰に担持された色素の除去を促進する目的で、色素が担持された半導体微粒子層に対し、アミン類を用いて表面を処理しても良い。アミン類の例としてはピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられ、これらが液体の場合は、そのまま用いても良いし、有機溶媒に溶解して用いても良い。
対極としては導電性物質であれば任意のものを用いることができるが、絶縁性の物質でも、半導体電極に面している側に導電層が設置されていれば、これも使用可能である。ただし、電気化学的に安定である物質を対極に用いることが好ましく、具体的には、白金、金、ニッケル、カーボン等を用いることが望ましい。対極は金属基板(白金基板、ニッケル基板、チタン基板、クロム基板等)であっても良いし、石英ガラス基板等の透明または不透明の基板上にPt等の金属の膜を形成したものであっても良い。
電解質は、ヨウ素(I2 )と金属ヨウ化物もしくは有機ヨウ化物との組み合わせ、臭素(Br2 )と金属臭化物あるいは有機臭化物との組み合わせのほか、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ビピリジン、ターピリジンを含む各種ピリジン系の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール/アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン/キノン等を用いることができる。上記金属化合物のカチオンとしてはLi、Na、K、Mg、Ca、Cs等、上記有機化合物のカチオンとしてはテトラアルキルアンモニウム類、ピリジニウム類、イミダゾリウム類等の4級アンモニウム化合物が好適であるが、これらに限定されるものでは無く、これらを2種類以上混合して用いることもできる。この中でも、I2 とLiI、NaIやイミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物を組み合わせた電解質が好適である。電解質塩の濃度は、溶媒に対して0.05M〜5Mが好ましく、さらに好ましくは0.2M〜1Mである。I2 やBr2 の濃度は0.0005M〜1Mが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.1Mである。また、開放電圧、短絡電流を向上させる目的で4−tert−ブチルピリジンやカルボン酸等の各種添加剤を加えることもできる。
上記電解質組成物を構成する溶媒として水、アルコール類、エーテル類、エステル類、炭酸エステル類、ラクトン類、カルボン酸エステル類、リン酸トリエステル類、複素環化合物類、ニトリル類、ケトン類、アミド類、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、炭化水素等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。また、溶媒としてテトラアルキル系、ピリジニウム系、イミダゾリウム系4級アンモニウム塩の室温イオン性液体を用いることも可能である。
光電変換素子の漏液、電解質の揮発を低減する目的で、上記電解質組成物へゲル化剤、ポリマー、架橋モノマーなどを溶解させ、ゲル状電解質として使用することも可能である。ゲルマトリクスと電解質組成物との比率は、電解質組成物が多ければイオン導電率は高くなるが、機械的強度は低下する。また、逆に電解質組成物が少なすぎると機械的強度は大きいがイオン導電率は低下するため、電解質組成物はゲル状電解質の50wt%〜99wt%が望ましく、80wt%〜97wt%がより好ましい。また、上記電解質と可塑剤を用いてポリマーに溶解させ、可塑剤を揮発除去することで全固体型の光電変換素子を実現することも可能である。
光電変換素子の製造方法は特に限定されないが、例えば電解質組成物が液状、もしくは光電変換素子内部でゲル化させることが可能であり、導入前は液状の電解質組成物の場合、色素を担持させた半導体電極と対極とを向かい合わせ、2つの電極が接しないように半導体電極が形成されていない基板部分を封止する。このとき、半導体電極と対極との隙間に特に制限は無いが、通常1〜100μmであり、より好ましくは1〜50μmである。この電極間の距離が長すぎると、導電率の低下から光電流が減少してしまう。封止方法は特に制限されないが、対光性、絶縁性、防湿性を備えた材料が好ましく、種々の溶接法、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリル系接着剤、EVA(エチレンビニルアセテート) 、アイオノマー樹脂、セラミック、熱融着フィルム等を用いることができる。また、電解質組成物の溶液を注液する注入口が必要であるが、色素を担持した半導体電極層およびそれに対向する部分の対極上でなければ、注入口の場所は特に限定されない。注液方法に特に制限は無いが、予め封止され、溶液の注入口を開けられた上記セルの内部に注液を行う方法が好ましい。この場合、注入口に溶液を数滴垂らし、毛細管現象により注液する方法が簡便である。また、必要に応じて減圧もしくは加熱下で注液の操作を行うこともできる。完全に溶液が注入された後、注入口に残った溶液を除去し、注入口を封止する。この封止方法にも特に制限は無いが、必要であればガラス板やプラスチック基板を封止剤で貼り付けて封止することもできる。また、ポリマーなどを用いたゲル状電解質、全固体型の電解質の場合、色素を担持した半導体電極上で電解質組成物と可塑剤を含むポリマー溶液をキャスト法により揮発除去させる。可塑剤を完全に除去した後、上記方法と同様に封止を行う。この封止は真空シーラーなどを用いて、不活性ガス雰囲気下、もしくは減圧中で行うことが好ましい。封止を行った後、電解質を半導体微粒子層へ充分に含侵させるため、必要に応じて加熱、加圧の操作を行うことも可能である。
光電変換素子はその用途に応じて様々な形状で作製することが可能であり、その形状は特に限定されない。
光電変換素子は、最も典型的には太陽電池であるが、そのほかに各種の光センサーも含まれる。
ところで、光電変換素子を大型化(大面積化)する場合、市販の耐酸化性透明導電性基板ではシート抵抗が高いため、フィルファクターのロスから良好な光電変換効率を実現するのは難しい。したがって、光電変換素子を大型化するには、透明導電性基板のシート抵抗を低減させるため、導電性の高い金属やカーボンなどの配線を基板上にパターニングする工夫が必要となる。ところが、この光電変換素子においては、一般に、電解質中にヨウ素などのハロゲン元素を含むため、腐食による配線の溶解や断線、下地金属の溶解による配線の破壊が問題となり、時間と共に著しく特性が劣化する。また、配線材料として耐食性の高い金属を用いた場合でも、配線と電解質とが直接接しているため、半導体に注入され、配線に到達した電子が外部回路に流れる前に電解質を還元する、いわゆる逆電子移動反応が問題となる。この逆電子移動反応が起こらず、耐久性が高く、光電変換効率が高い光電変換素子を得るたには、受光面側から透明基板、導電性配線層および保護層が順に積層されてなるシート抵抗10Ω/□以下の透明導電性基板を用いることが有効である。このような透明導電性基板を用いることにより、導電性配線層と電解質とが直接接することが無くなるため、逆電子移動反応が起こらないだけでなく、導電性配線層の腐食を防ぐことが可能になり、高い耐久性を有し、しかも光電変換効率が優れた光電変換素子の実現が可能となる。
この場合、透明導電性基板には、複数本の導電性配線層が設置され、集電効率を高めるために少なくとも1本の導電性配線層は光電変換素子の集電部に接合されていることが好ましい。ここで「透明」とは、波長400〜1200nmの可視〜近赤外領域にかけての光の一部または全域において透過率が10%以上であることと定義する。この導電性配線層を構成する材料は電子伝導性の高い物質が好ましく、その中でも特に電気化学的に安定なものが好ましい。具体的に例示すると、それらに限定されるものでは無いが、Pt、Au、Ru、Os、Ti、Ni、Cr、Cu、Ag、Pd、In、Zn、Mo、AlおよびCからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む導電性材料(単体、合金あるいは化合物)を用いることが特に好ましい。これらの材料を用いた導電性配線層の厚さに特に制限は無く、厚くするほど高い電子伝導性を実現できるが、逆に厚すぎる場合は表面の凹凸が大きくなり、その上に均一に保護層を形成することが困難となる。このとき、この保護層の密着性が著しく低減するため、導電性配線層には好ましい厚さが存在する。ここで、材料の種類により達成できるシート抵抗が異なるが、導電性配線層の厚さは通常10〜10000nmであり、特に好ましくは50〜5000nmである。この導電性配線層が占める光電変換素子受光部に対する被覆面積率に特に制限は無いが、0.01%〜50%であることが好ましい。被覆面積率が大きすぎると受光した光を充分に透過できないため、0.1%〜20%であることが特に好ましい。具体的な導電性配線層の幅とその間隔とに特に制限は無く、幅を広くするほど、また、間隔を狭くするほど高い電子伝導性を実現できるが、逆に幅が広すぎる場合や間隔が狭すぎる場合は入射する光の透過率が減少するため好ましい値が存在する。導電性配線層の幅は通常1〜1000μmであり、特に好ましくは10〜500μmである。また、導電性配線層の間隔は通常0.1〜100mmであり、特に好ましくは1〜50mmである。この導電性配線層を透明基板上に形成する方法に特に制限は無く、例えば、蒸着法,イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、めっき法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等の公知の方法によって形成可能である。また、基板への密着性を高めるため、導電性配線層と透明基板との間により密着性の高い下地材料を設置することもできる。また、導電性配線層をパターニングする方法に特に制限は無く、例えばレーザー加工、エッチング、リフトオフ等の公知の方法によってパターニング可能である。
上記保護層は導電性配線層を電解質から遮断し、逆電子移動反応や導電性配線の腐食を妨げる役割がある。この保護層は電子伝導性(通常の電気伝導による電子伝導性のほか、トンネル効果による電子伝導性も含む)が高く、透明であることが好ましい。これらの条件を満たす限り、保護層の材料としては基本的にはどのような材料を用いてもよく、また、単層構造であっても、少なくとも互いに異なる材料からなる2層を含む多層構造であってもよい。この保護層としては、典型的には金属酸化物層が用いられるが、そのほかにTiN、WN等の金属窒化物層を用いることも可能である。この金属酸化物を具体的に例示すると、例えば、In−Sn複合酸化物(ITO)、SnO2 (フッ素等がドープされたものも含む)、TiO2 、ZnO等が挙げられ、これらに限定されるものでは無いが、この中から選ばれる少なくとも1つの金属酸化物を含むことが特に好ましい。この金属酸化物層の厚さに特に制限は無いが、薄すぎる場合は導電性配線層と電解質の遮断性が悪く、厚すぎる場合は透過率が減少してしまうため、好ましい厚さが存在することになる。この厚さは通常1〜5000nmであり、10〜1000nmが特に好ましい。また、耐酸化性を向上させる目的で、必要に応じて上記金属酸化物を積層させることも可能である。
この発明の第3の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する光電変換素子において、
対極の電解質層に面する側に導電性高分子からなる多孔質触媒層が設けられている
ことを特徴とするものである。
この発明の第4の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する光電変換素子の製造方法において、
対極の電解質層に面する側に導電性高分子により多孔質触媒層を形成する工程を有する
ことを特徴とするものである。
第3および第4の発明において、多孔質触媒層は、好適には導電性高分子からなる導電性微粒子により形成される。この導電性微粒子の粒径に制限は無いが、大きな表面積を確保するためには粒径は小さいほど好ましい。具体的には、この導電性微粒子の粒径は1nm〜1μm程度であり、更に好ましくは5〜500nmである。
上記以外のことは、その性質に反しない限り、第1および第2の発明に関連して説明したことが成立する。
対極の電解質層に面する側に多孔質触媒層を設置することで、対極側の電解質の還元速度を大きくし、内部抵抗を低減することで光電変換効率の優れた光電変換素子を得るという上記の構造および手法は、光電変換素子単体のみならず、光電変換部を有する集積回路などの各種の電子装置に適用することができるものである。
そこで、この発明の第5の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する電子装置において、
対極の電解質層に面する側に粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により形成された多孔質触媒層が設けられている
ことを特徴とするものである。
この発明の第6の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する電子装置の製造方法において、
対極の電解質層に面する側に粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により多孔質触媒層を形成する工程を有する
ことを特徴とするものである。
この発明の第7の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する電子装置において、
対極の電解質層に面する側に導電性高分子からなる多孔質触媒層が設けられている
ことを特徴とするものである。
この発明の第8の発明は、
色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する電子装置の製造方法において、
対極の電解質層に面する側に導電性高分子からなる多孔質触媒層を形成する工程を有する
ことを特徴とするものである。
第1〜第4の発明に関連して述べた上記のことは、その性質に反しない限り、第5〜第8の発明にも同様に成立する。
上述のように構成されたこの発明においては、対極の電解質層に面する側に粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により形成された多孔質触媒層あるいは導電性高分子からなる多孔質触媒層を設けることにより、対極の表面積を大幅に増大させることができ、対極側の電解質の還元速度をこれが律速にならない程度にまで向上させることができる。
この発明によれば、対極側の電解質の還元速度を大幅に向上させることができるので、内部抵抗の大幅な低減を図ることができ、光電変換効率が高い光電変換素子あるいは電子装置を実現することができる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の一実施形態による色素増感湿式光電変換素子を示す。
図1に示すように、この色素増感湿式光電変換素子においては、透明導電性基板1上に色素担持半導体微粒子層2(色素増感半導体電極)が形成されたものと、少なくともその表面が対極を構成する導電性基板3上に、粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により形成された多孔質触媒層4が形成されたものとが、それらの色素担持半導体微粒子層2および多孔質触媒層4が所定の間隔をおいて互いに対向するように配置されており、それらの間の空間に電解質層(電解液)5が封入されている。この電解質層5は、図示省略した所定の封止部材により封入されている。
図2に、特に、透明導電性基板1が透明基板1a上に透明電極1bが形成されたものであり、導電性基板3が透明または不透明の基板3a上に対極3bが形成されたものである場合の色素増感湿式光電変換素子を示す。
透明導電性基板1(あるいは透明基板1aおよび透明電極1b)、色素担持半導体微粒子層2、導電性基板3(あるいは基板3aおよび対極3b)および電解質層5としては、すでに挙げたものの中から、必要に応じて選択することができる。
図3は、受光面側から透明基板1a、導電性配線層1cおよび金属酸化物層1dを順に積層してシート抵抗10Ω/□以下の透明導電性基板1を構成した例を示す。ここで、導電性配線層1cは、基板全面に連続的に形成された金属酸化物層1dにより完全に覆われている。図4に、この透明導電性基板1を受光面側から見た平面図(投影図)を示す。導電性配線層1cは集電部分6に接合されている。
次に、この色素増感湿式光電変換素子の製造方法について説明する。
まず、透明導電性基板1を用意する。次に、この透明導電性基板1上に、半導体微粒子が分散されたペーストを所定のギャップ(厚さ)に塗布する。次に、この透明導電性基板1を所定温度に加熱して半導体微粒子を焼結する。次に、この半導体微粒子が焼結された透明導電性基板1を色素溶液に浸漬する等して半導体微粒子に色素を担持させる。このようにして色素担持半導体微粒子層2が形成される。図3に示すような構造の透明導電性基板1を用いる場合には、透明基板1a上にリソグラフィー法、リフトオフ法等により所定パターンの導電性配線層1cを形成した後、この導電性配線層1cを覆うように透明基板1aの全面に金属酸化物層1dを製膜してからその上に色素担持半導体微粒子層2を形成する。
一方、導電性基板3を別途用意し、その上に多孔質触媒層4を形成する。
そして、上記の透明導電性基板1とこの導電性基板3とをそれらの色素担持半導体微粒子層2および多孔質触媒層4が所定の間隔、例えば1〜100μm、好ましくは1〜50μmの間隔をおいて互いに対向するように配置するとともに、所定の封止部材を用いて電解質層5が封入される空間を作り、この空間に予め形成された注液口から電解質層5を注入する。その後、この注液口を塞ぐ。これによって、色素増感湿式光電変換素子が製造される。
次に、この色素増感湿式光電変換素子の動作について説明する。
透明導電性基板1側からこの透明導電性基板1を透過して入射した光は、色素担持半導体微粒子層2の色素を励起して電子を発生する。この電子は、速やかに色素から色素担持半導体微粒子層2の半導体微粒子に渡される。一方、電子を失った色素は、電解質層5のイオンから電子を受け取り、電子を渡した分子は、再び対極側の多孔質触媒層4で電子を受け取る。この一連の反応により、色素担持半導体微粒子層2と電気的に接続された透明導電性基板1と、多孔質触媒層4と電気的に接続された透明導電性基板3との間に起電力が発生する。このようにして光電変換が行われる。
以上のように、この一実施形態による色素増感湿式光電変換素子によれば、対極である導電性基板3の電解質層5に面する側に、粒径が1nm〜1μmの導電性微粒子により形成された表面積が極めて大きい多孔質触媒層4を設けているので、対極側の電解質の還元速度を大幅に向上させることができ、内部抵抗の大幅な低減を図ることができる。このため、光電変換効率が極めて高い高性能の色素増感湿式光電変換素子、特に色素増感湿式太陽電池を実現することができる。
色素増感湿式光電変換素子の実施例について説明する。
半導体微粒子としてTiO2 微粒子を用いた。TiO2 微粒子が分散されたペーストを非特許文献2を参考にして以下のように作製した。125mlのチタンイソプロポキシドを750mlの0.1M硝酸水溶液に室温で撹拌しながらゆっくり滴下した。滴下が終了したら、この溶液を80℃の恒温槽に移し、8時間撹拌して、白濁した半透明のゾル溶液を得た。このゾル溶液を室温まで放冷し、ガラスフィルターでろ過した後、700mlにメスアップした。得られたゾル溶液をオートクレーブへ移し、220℃で12時間水熱処理を行った後、1時間超音波処理を行うことにより分散処理した。次いでこの溶液をエバポレーターにより40℃で濃縮し、TiO2 の含有量が20wt%になるように調製した。この濃縮ゾル溶液に、ペースト中のTiO2 の重量に対して10wt%となるようにポリエチレングリコール(分子量50万)を添加し、遊星ボールミルで均一に混合し、増粘したTiO2 ペーストを得た。
受光面側から、透明基板1aとしてソーダライムガラスからなる厚さ1.1mmの基板、導電性配線層1cとして厚さ450nmのRu層(下地は厚さ50nmのCr層、配線幅200μm、配線間隔5mm)、導電性配線層1cを覆う金属酸化物層1dとして厚さ450nmのITO層および厚さ50nmのSnO2 層を順に製膜した透明導電性ガラス基板(シート抵抗1Ω/□、30mm□、図3および図4)を用意し、その上に上記のように得られたTiO2 ペーストをブレードコーティング法により大きさ20mm×15mm、ギャップ200μmで塗布した後、450℃に30分間保持し、TiO2 を透明導電性ガラス基板上に焼結した。
次いで、0.5mMのシス−ビス(イソチオシアナート)−N,N−ビス(2,2' −ジピリジル−4,4' −ジカルボン酸)−ルテニウム(II)二水和物および20mMのデオキシコール酸を溶解した脱水エタノール溶液に12時間浸漬させ、色素を担持させた。この電極を4−tert−ブチルピリジンのエタノール溶液、脱水エタノールの順で洗浄し、暗所で乾燥させた。
対極は、予め0.5mmの注液口が開けられた石英ガラス基板にPtを厚さ100nmスパッタし、その上にPtペースト(ニコラ製)(Pt微粒子の粒径は例えば数百nm程度)をスクリーン印刷し、1000℃で焼結することにより多孔質触媒層4を形成した。Ptペーストの塗布厚さは例えば10μm程度である。
上記のように形成された色素担持TiO2 微粒子層、すなわち色素増感半導体電極と対極の多孔質触媒層4とを向かい合わせ、その外周を厚さ30μmのEVAフィルムとエポキシ接着剤とによって封止した。
一方、メトキシプロピオニトリル3gにヨウ化リチウム(LiI)0.04g、1−プロピル−2.3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド0.479g、ヨウ素(I2 )0.0381g、4−tert−ブチルピリジン0.2gを溶解させ、電解質組成物を調製した。
上記混合溶液を予め準備した素子の注液口に数滴垂らし、減圧することで素子内部に注液し、注液口をEVAフィルム、エポキシ接着剤、ガラス基板で封止し、光電変換素子を得た。
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられた石英ガラス基板にPtを厚さ100nmスパッタし、その上にPt担持カーボン触媒を塗布し、150℃でプレス成型したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられた石英ガラス基板にPtを厚さ100nmスパッタし、その上にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の水分散液(アルドリッチ)をスピンコーティングし、100℃で乾燥したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられた石英ガラス基板にPtを厚さ100nmスパッタし、その上に液層還元法で作製したNiナノコロイド(粒径は例えば20〜30nm程度)をスクリーン印刷し、800℃で焼結した。さらにその上に塩化白金酸のIPA溶液を滴下し、385℃で焼結したものを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。この焼結粒子は、Ni微粒子の表面に、より粒径の小さい(例えば、粒径が数nmの)Pt微粒子が複数結合したものである。こうすることで、高価なPtの使用量を大幅に減らすことができる。
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられたNi基板を用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられたNi基板を用いたこと以外は実施例2と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられたNi基板を用いたこと以外は実施例3と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられたNi基板を用いたこと以外は実施例4と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。
比較例1
対極として、予め0.5mmの注液口が開けられた石英ガラス基板にPtを厚さ100nmスパッタしたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして色素増感湿式光電変換素子を作製した。
以上のように作製した実施例1〜8および比較例1の色素増感湿式光電変換素子において、擬似太陽光(AM1.5、100mW/cm2 )照射時におけるフィルファクターおよび光電変換効率を測定した。その測定結果を表1に示す。また、実施例1および比較例1の色素増感湿式光電変換素子の電流電圧特性の測定結果を図5に示す。
Figure 0004678125
表1から、多孔質触媒層を対極に形成した実施例1〜8による色素増感湿式光電変換素子は、白金をスパッタした基板を対極に用いた比較例1による色素増感湿式光電変換素子と比較して、フィルファクターおよび光電変換効率とも、飛躍的に向上していることが分かる。また、図4より、実施例1による色素増感湿式光電変換素子の電流電圧特性は、白金をスパッタした基板を対極に用いた比較例1による色素増感湿式光電変換素子の電流電圧特性と比較して良好であることが分かる。
以上、この発明の一実施形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた数値、構造、形状、材料、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、形状、材料、原料、プロセスなどを用いてもよい。
なお、対極の電解質層に面する側に多孔質触媒層を形成することにより得られる上記の利点は、光電変換素子の色素増感半導体電極/電解質/対極の温度を常温より高くして動作させることによっても得ることが可能である。また、このように動作温度を高くすることによって、太陽光スペクトルのうち赤外光に対する感度も得られるようになり、太陽光の有効利用を図ることが可能である。
また、多孔質触媒層には、場合によっては生体触媒である酵素(特に水系の酵素)を用いることも可能である。
この発明の一実施形態による色素増感湿式光電変換素子の要部の断面図である。 この発明の一実施形態による色素増感湿式光電変換素子の要部の断面図である。 この発明の一実施形態による色素増感湿式光電変換素子の導電性配線層の部分の断面図である。 この発明の一実施形態による色素増感湿式光電変換素子の要部の平面図である。 この発明の実施例1による色素増感湿式光電変換素子の電流電圧曲線を示す略線図である。
符号の説明
1…透明導電性基板、1c…導電性配線層、1d…金属酸化物層、2…色素担持半導体微粒子層、3…導電性基板、3a…基板、3b…対極、4…多孔質触媒層、5…電解質層

Claims (8)

  1. 受光面側から透明基板、導電性配線層および厚さが10〜1000nmの単層構造または少なくとも互いに異なる材料からなる2層を含む多層構造の金属酸化物層からなる保護層が順に積層されてなるシート抵抗10Ω/□以下の透明導電性基板上に設けられた色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有し、
    上記対極の上記電解質層に面する側に粒径が5〜500nmでPt、Au、Ru、Os、Ti、Ni、Cr、Cu、Ag、Pd、In、Zn、Mo、Al、Ir、CoおよびCからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素または導電性高分子からなる導電性微粒子により形成された多孔質触媒層が設けられている光電変換素子。
  2. 上記導電性微粒子の粒径が200〜400nmである請求項1記載の光電変換素子。
  3. 上記保護層はIn−Sn複合酸化物、SnO 2 、TiO 2 およびZnOの中から選ばれる互いに異なる材料からなる2層を含む多層構造の金属酸化物層である請求項1記載の光電変換素子。
  4. 上記保護層はIn−Sn複合酸化物層およびその上のSnO 2 層からなる請求項3記載の光電変換素子。
  5. 受光面側から透明基板、導電性配線層および厚さが10〜1000nmの単層構造または少なくとも互いに異なる材料からなる2層を含む多層構造の金属酸化物層からなる保護層が順に積層されてなるシート抵抗10Ω/□以下の透明導電性基板上に設けられた色素増感半導体電極と対極との間に電解質層を有する光電変換素子を製造する場合に、上記対極の上記電解質層に面する側に、粒径が5〜500nmでPt、Au、Ru、Os、Ti、Ni、Cr、Cu、Ag、Pd、In、Zn、Mo、Al、Ir、CoおよびCからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素または導電性高分子からなる導電性微粒子により多孔質触媒層を形成する工程を有する光電変換素子の製造方法。
  6. 上記導電性微粒子の粒径が200〜400nmである請求項5記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 上記保護層はIn−Sn複合酸化物、SnO 2 、TiO 2 およびZnOの中から選ばれる互いに異なる材料からなる2層を含む多層構造の金属酸化物層である請求項5記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 上記保護層はIn−Sn複合酸化物層およびその上のSnO 2 層からなる請求項7記載の光電変換素子の製造方法。
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