JP4929660B2 - 色素増感光電変換素子、光電変換素子モジュール、電子機器、移動体および発電システム - Google Patents
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Description
太陽電池の材質としては様々なものが検討されているが、シリコンを用いたものが多数市販されており、これらは大別して単結晶または多結晶のシリコンを用いた結晶シリコン系太陽電池と、非晶質(アモルファス)シリコン系太陽電池とに分けられる。従来、太陽電池には、単結晶または多結晶のシリコン、すなわち結晶シリコンが多く用いられてきた。
また、アモルファスシリコン系太陽電池は、結晶シリコン系太陽電池と比べて光吸収性が高く、基板の選択範囲が広い、大面積化が容易であるなどの特徴があるが、光電変換効率が結晶シリコン系太陽電池より低い。さらに、アモルファスシリコン系太陽電池は、生産性は結晶シリコン系太陽電池に比べて高いが、結晶シリコン系太陽電池と同様に製造に真空プロセスが必要であり、設備面での負担は未だに大きい。
その中で1991年にグレッツェルらが提案した色素増感太陽電池は安価で高い光電変換効率を示し、また、従来のシリコン系太陽電池とは異なり製造の際に大掛かりな装置を必要としないことなどから注目されている(例えば、非特許文献1参照。)。
なお、酸化チタン(TiO2 )微粒子が分散されたTiO2 ペーストの作製方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
Nature,353,p.737(1991) 荒川裕則「色素増感太陽電池の最新技術」(シーエムシー)p.45-47(2001)
しかし、一般的なシリコン系太陽電池で用いられている上記の除熱方法では、冷却水を循環させる設備が、太陽電池のシステムとは別に必要であるため、簡便ではなく、コストも高くなるという課題があった。
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子において、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に赤外反射膜を有する
ことを特徴とするものである。
半導体電極が透明導電性基板の一方の主面上に設けられる場合、この透明導電性基板の他方の主面が受光面を構成し、例えばその上に赤外反射膜が設けられる。受光面と半導体電極との間に赤外反射膜を有する場合の具体例としては、半導体電極が透明支持基板の一方の主面上に透明導電層を介して設けられており、この透明支持基板の他方の主面が受光面を構成し、この透明支持基板と透明導電層との間に赤外反射膜が設けられる場合が挙げられる。この赤外反射膜は、好適には、受光面あるいは受光面と半導体電極との間にある面の全体に設けられるが、受光面あるいは受光面と半導体電極との間にある面の少なくとも一部に設けられるだけであってもよい。
複数の光電変換素子を並べて配線した光電変換素子モジュールにおいて、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子において、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に赤外反射膜を有するものである
ことを特徴とするものである。
この光電変換素子モジュールの形態は特に制限されず、必要に応じて決めることができる。また、複数の光電変換素子の配置方法も特に制限されず、必要に応じて決めることができるが、具体的には、例えば、二次元的に並列配置したり、これを複数段積層して三次元的に配置したりすることができる。複数の光電変換素子間の配線の仕方は、直列、並列のいずれであってもよい。
第2の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
一つまたは複数の光電変換素子を用いた電子機器において、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子において、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に赤外反射膜を有するものである
ことを特徴とするものである。
第3の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
一つまたは複数の光電変換素子を用いた移動体において、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子において、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に赤外反射膜を有するものである
ことを特徴とするものである。
第4の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
一つまたは複数の光電変換素子を用いた発電システムにおいて、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有する色素増感光電変換素子において、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に赤外反射膜を有するものである
ことを特徴とするものである。
この発電システムは、基本的にはどのようなものであってもよく、その規模も問わない。
第5の発明においては、上記以外のことについては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
図1はこの発明の第1の実施形態による色素増感光電変換素子を示す。
図1に示すように、この色素増感光電変換素子においては、透明導電性基板1上に色素担持半導体微粒子層2(色素増感半導体電極)が形成されたものと、少なくともその表面が対極を構成する導電性基板3とが、それらの色素担持半導体微粒子層2および導電性基板3が所定の間隔をおいて互いに対向した状態で、透明導電性基板1および導電性基板3の周辺部において封止材4によって互いに接着され、封止されている。色素担持半導体微粒子層2と導電性基板3との間隔は、例えば1〜100μm、典型的には数十〜100μm、好ましくは1〜50μmである。封止材4としては、例えば、すでに述べたものを用いることができる。色素担持半導体微粒子層2と導電性基板3と封止材4とによって囲まれた空間に電解質層5が封入されている。さらに、図示は省略するが、例えば、これらの全体がケース内に収納され封止され、あるいは、ケース内に収納する代わりにこれら全体が樹脂封止される。透明導電性基板1および導電性基板3は、いずれも例えば長方形の形状を有するが、他の形状であっても構わない。透明導電性基板1と導電性基板3とは導線などにより互いに電気的に接続され、それらの間に負荷が接続される。この場合、透明導電性基板1側から色素担持半導体微粒子層2に光が当たる構造となっている。
透明導電性基板1(あるいは透明基板1aおよび透明電極1b)、色素担持半導体微粒子層2、導電性基板3(あるいは基板3aおよび対極3b)、封止材4および電解質層5としては、すでに挙げたものの中から、必要に応じて選択することができる。
まず、透明導電性基板1を用意する。次に、この透明導電性基板1の受光面となる一方の主面に、例えば真空蒸着、スパッタリングなどの真空プロセスにより、TiO2 膜、TiN膜およびTiO2 膜を順次形成する。次に、この透明導電性基板1の他方の主面に、半導体微粒子が分散されたペーストを所定のギャップ(厚さ)に塗布する。次に、この透明導電性基板1を所定温度に加熱して半導体微粒子を焼結する。次に、この半導体微粒子が焼結された透明導電性基板1を色素溶液に浸漬するなどして半導体微粒子に色素を担持させる。こうして色素担持半導体微粒子層2が形成される。
透明導電性基板1の受光面に設けられた赤外反射膜6に入射した光のうち赤外光はこのヒートミラー7により反射され、可視光だけがこの赤外反射膜6を透過し、さらに透明導電性基板1を透過して色素担持半導体微粒子層2に入射する。こうして色素担持半導体微粒子層2に入射した光は、この色素担持半導体微粒子層2の増感色素を励起して電子を発生する。この電子は、速やかに色素から色素担持半導体微粒子層2の半導体微粒子に渡される。一方、電子を失った色素は、電解質層5のイオンから電子を受け取り、電子を渡した分子は、再び導電性基板3の表面で電子を受け取る。この一連の反応により、色素担持半導体微粒子層2と電気的に接続された透明導電性基板1と導電性基板3との間に起電力が発生する。こうして光電変換が行われる。
透明導電性基板1としてFTO(フッ素ドープSnO2 )基板を用い、その一方の主面に酸素雰囲気下でTiOを真空蒸着することによりTiO2 膜を厚さ30nm形成した。次に、このTiO2 膜上にTiNをターゲットとしてスパッタリング法によりTiN膜を厚さ30nm形成した。次に、このTiN膜上に酸素雰囲気下でTiOを真空蒸着することによりTiO2 膜を厚さ30nm形成した。こうして、受光面に赤外反射膜6としてTiO2 /TiN/TiO2 の三層構造のヒートミラーを形成した。
次に、こうして作製したTiO2 焼結体の不純物を除去し、活性を高める目的で、紫外線照射装置により30分間、紫外線露光を行った。
次に、上記のように準備された色素担持TiO2 微粒子層のTiO2 面と対極のPt面とを対向させ、外周を封止材4として厚さ30μmのアイオノマー樹脂フィルムとアクリル系紫外線硬化樹脂とを用いて封止した。
上記の混合溶液を予めFTO基板に形成した素子の注入口から送液ポンプを用いて注入し、減圧することで素子内部の気泡を追い出した。次に、注入口をアイオノマー樹脂フィルム、アクリル樹脂、ガラス基板で封止し、色素増感光電変換素子を得た。
透明導電性基板1としてのFTO基板の一方の主面に赤外反射膜6としてTiO2 /TiN/TiO2 の三層構造のヒートミラーを形成しないこと以外は実施例1と同様にして色素増感光電変換素子を作製した。
また、表1から、実施例1の色素増感光電変換素子は、受光面に赤外反射膜6としてTiO2 /TiN/TiO2 の三層構造のヒートミラーを形成しない比較例1の色素増感光電変換素子と比べて、光電変換特性にほとんど差がないことが分かる。
図4に示すように、この色素増感光電変換素子においては、透明導電性基板1の透明基板1aと透明導電層1bとの間に赤外反射膜6が設けられている。
上記以外のことは第1の実施形態による色素増感光電変換素子と同様である。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
図5に示すように、この色素増感光電変換素子においては、透明導電層1b上に透明な金属酸化物層7が設けられ、その上に色素担持半導体微粒子層2が設けられている。具体的には、例えば、透明導電層1bを形成した後、湿式コーティング法、例えばスプレー熱分解法により金属酸化物層7として厚さが20nmのNb2 O5 層を形成する。
上記以外のことは第1の実施形態による色素増感光電変換素子と同様である。
図6に示すように、この色素増感光電変換素子においては、色素担持半導体微粒子層2には増感色素8が吸着しているだけでなく、この増感色素8の間の隙間の部分に添加剤9も吸着している。そして、この場合、電解質層5を構成する電解液中には、従来と異なり添加剤が加えられていない。増感色素8および添加剤9は、例えば、すでに挙げたものの中から必要に応じて選択することができる。
上記以外のことは第1の実施形態による色素増感光電変換素子と同様である。
まず、第1の実施形態と同様にして透明導電性基板1上に色素担持半導体微粒子層2を形成する。この状態の色素担持半導体微粒子層2を図7Aに模式的に示す。この色素担持半導体微粒子層2は第1の実施形態と同様に形成する。
次に、図7Bに示すように、容器10内に、添加剤9を溶媒に溶かした溶液11を入れておき、この溶液11中に色素担持半導体微粒子層2が形成された透明導電性基板1を浸漬し、さらに容器10に蓋12をして、色素担持半導体微粒子層2に添加剤9を吸着させる。具体例を挙げると、溶液11として、NaI0.1M、1−プロピル−2,3ジメチルイミダゾリウムヨウ化物(DMP II)0.6M、I2 0.05M、添加剤であるtert−ブチルピリジン(TBP)0.5Mのメトキシアセトニトリル(MeACN)溶液からなる電解液を調製し、この電解液に色素担持半導体微粒子層2を5〜10分間浸漬し、色素が吸着できなかったサイトの色素担持半導体微粒子層2の表面に添加剤9としてtert−ブチルピリジンを吸着させる。その後、メトキシアセトニトリルにより、色素担持半導体微粒子層2に付着した電解液をすすぎ落とし、風乾させる。
この後、第1の実施形態と同様にして、色素担持半導体微粒子層2と導電性基板3とを対向させ、それらの間に電解質層5を封入し、図7Dに示すように、目的とする色素増感光電変換素子を製造する。
この色素増感光電変換素子においては、色素担持半導体微粒子層2において、色素分子がその酸官能基により半導体微粒子に吸着しており、かつ、色素分子の一部の酸官能基がLi、Na、K、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、イミダゾリウム化合物およびピリジニウム化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属または化合物の水酸化物からなるアルカリ化合物により中和されてアニオンとなっている。こうすることで、アニオン間に働く斥力により、色素分子同士の会合が抑制され、色素分子間の電子トラップの大幅な低減を図ることができる。
上記以外のことは第1の実施形態による色素増感光電変換素子と同様である。
TiO2 焼結体の不純物を除去し、さらに紫外線露光を行った後に色素を担持させる際に下記のプロセスを用いること以外は実施例1と同様にして色素増感光電変換素子を作製した。
すなわち、十分に精製したシス−ビス(イソチオシアナート)−N,N−ビス(2,2' −ジピリジル−4,4' −ジカルボン酸)−ルテニウム(II)2水和物を1mMの濃度でメタノールに溶解させた。次に、この溶液にNaOHをカルボン酸数の0.5倍量添加し十分に撹拌し、カルボキシ基の中和を行った後、エバポレーターで濃縮し、ジエチルエーテルにて再結晶させた。この沈殿物をろ別し、ジエチルエーテルで洗浄後、50℃で24時間真空乾燥で乾燥させた。
−ジピリジル−4,4' −ジカルボン酸)−ルテニウム(II)2Na塩を0.3mMの濃度で溶解したtert−ブチルアルコール/アセトニトリル混合溶媒(体積比1:1)に上記のTiO2 焼結体を室温下、24時間浸漬させ、色素を担持させた。このTiO2 焼結体を4−tert−ブチルピリジンのアセトニトリル溶液、アセトニトリルの順で洗浄し、暗所で乾燥させた。
こうして作製した実施例2の色素増感光電変換素子では、部分中和なしの色素および完全中和の色素を用いたものと比較して、フィルファクターおよび開放電圧が飛躍的に向上し、光電変換効率に優れている。
図8〜図10はこの色素増感光電変換素子を示し、図8は側面図、図9は縦断面図、図10は横断面図を示す。
図8〜図10に示すように、この色素増感光電変換素子は、円形断面の管状の透明基板1aの外周面、すなわち受光面に赤外反射膜6が設けられ、この管状の透明基板1aの内面に、透明導電層1b、色素担持半導体微粒子層2および電解質層5が順次設けられ、この管状構造の中央部に、この管状構造の中心軸に沿って延在するように対極13が挿入された構造を有する。この対極13は、例えば棒状、管状あるいはワイヤー状の形状を有する。この場合、この対極13は管状の透明基板1aよりも少し長く、その一端部13aはこの管状の透明基板1aの一端部とほぼ一致しており、他端部13bはこの管状の透明基板1aの他端部から少し突き出ている。管状の透明基板1aの一端部と対極13の一端部13aとの間および管状の透明基板1aの他端部と対極13の他端部13bとの間は封止材4により封止されており、電解質層5が外部に洩れないようになっている。対極13および透明導電層1bには、それぞれリード線14、15が接続されている。
管状の透明基板1aを構成する透明材料、透明導電層1b、色素担持半導体微粒子層2、電解質層5および対極13としては、すでに挙げたものの中から、必要に応じて選択することができる。
また、この色素増感光電変換素子の長さや直径に特に制限はなく、この色素増感光電変換素子の用途、出力などに応じて適宜決められる。
上記以外のことは第1の実施形態による色素増感光電変換素子と同様である。
まず、透明材料からなり、所定の長さ、外径および内径を有する管状の透明基板1aを用意する。次に、この管状の透明基板1aの外周面に赤外反射膜6を形成する。次に、この管状の透明基板1aの内面に透明導電層1bを形成する。この透明導電層1bの形成には、例えば湿式コーティング法、好適にはスプレー熱分解法が用いられる。次に、この透明導電層1bの内面に、半導体微粒子が分散されたペーストを所定の厚さに塗布する。次に、管状の透明基板1aおよび透明導電層1bの全体を所定温度に加熱して半導体微粒子を焼結する。次に、この半導体微粒子が焼結された管状の透明基板1aおよび透明導電層1bの全体を色素溶液に浸漬するなどして半導体微粒子に色素を担持させる。こうして色素担持半導体微粒子層2が形成される。
管状の透明基板1aとして石英管(内径2.5mmφ、長さ50mm)を用い、その外周面に実施例1と同様にして受光面に赤外反射膜6としてTiO2 /TiN/TiO2 の三層構造のヒートミラーを形成した。次に、フッ化アンモニウムとジブチルスズジアセテートのエタノール溶液とを用いたスプレー熱分解法により、この石英管の内面に、透明導電層1bとしてFTO膜を形成した。また、この石英管には電解液注入用の注入口として0.5mmφの穴を2箇所開けた。
次に、石英管の外周面をマスク材によりマスキングし、実施例1と同様にして得られたTiO2 ペーストを、石英管の内面に形成された透明導電層1bとしてのFTO膜上にディップコート法により塗布した後、450℃に30分間保持し、このFTO膜上にTiO2 を焼結した。次に、こうしてTiO2 の焼結を行った石英管を0.05MのTiCl4 水溶液中に浸漬させ、70℃に30分間保持した後、洗浄を行い、その後再び450℃で30分間焼成を行った。
次に、こうして作製したTiO2 焼結体の不純物を除去し、活性を高める目的で、紫外線照射装置により30分間、紫外線露光を行った。
対極13として、2.4mmφ、長さ60mmのTi棒にPtめっき(厚さ200nm)を施したものを用いた。
次に、上記のように準備された石英管の内部に上記のPtめっきTi棒を挿入し、石英管の端部を、封止材4としてアクリル系UV硬化樹脂を用いて封止した。
上記混合溶液を予め石英管に形成した注入口から送液ポンプを用いて注入し、減圧することで素子内部の気泡を追い出した。次に、注入口にアクリル系UV硬化樹脂を滴下し、ガラス基板を被せて硬化させ、色素増感光電変換素子を得た。
この色素増感光電変換素子の有効面積は、光の入射方向に対して1cm2 (0.25cm(石英管の内径)×4cm(TiO2 焼結体の長さ)である。
図11および図12に示すように、実施例3で作製した色素増感光電変換素子20を用いて光電変換素子モジュールを作製した。ここで、図11および図12はそれぞれこの光電変換素子モジュールの平面図および横断面図である。
すなわち、図11および図12に示すように、実施例1で作製した色素増感光電変換素子20を10本直列に接続し、二枚の50mm角のガラス基板21、22の間へ並べて挟み込み、その隙間へ2液混合型シリコーンゴム23を充填し、硬化させ、光電変換素子モジュール30を得た。この光電変換素子モジュール30の有効面積は、光の入射方向に対して10cm2 (0.25cm×4cm×10セル) である。
透明基材として10mm×50mmの平坦な石英基板、対極としてPtめっき(厚さ200nm)を施した10mm×50mmの平坦なTi板を用いたこと以外は実施例3と同様に色素増感光電変換素子を作製した。この色素増感光電変換素子の有効面積は、光の入射方向に対して1cm2 (0.25cm×4cm)である。
〈比較例3〉
比較例2で作製した色素増感光電変換素子を10本直列に接続し、二枚の50mm角のガラス基板の間へ並べて挟み込み、その隙間へ2液混合型シリコーンゴムを充填し、硬化させ、光電変換素子モジュールを得た。この光電変換素子モジュールの有効面積は、光の入射方向に対して10cm2 (0.25cm×4cm×10セル) である。
上記の光電変換素子および光電変換素子モジュールを屋外に暴露し、10日おきに90日まで光電変換効率を測定した。図14にこのときの光電変換効率の維持率を示す。
また、図14から、実施例3の色素増感光電変換素子および実施例4の光電変換素子モジュールは屋外暴露における光電変換効率の維持率が高いことが分かる。
色素としてブラックダイ、すなわちトリス(イソチオシアナート)−ルテニウム(II)−2,2' :6' ,2''−ターピリジン−4,4' ,4''−トリカルボン酸、トリス−テトラブチルアンモニウム塩(tris(isothiocyanato)-ruthenium(II)-2,2':6',2''-terpyridine-4,4',4''-tricarboxylic acid,tris-tetrabutylammonium salt)を用いたこと以外は実施例3と同様に色素増感光電変換素子を作製した。この色素増感光電変換素子の有効面積は、光の入射方向に対して1cm2 (0.25cm×4cm)である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた数値、構造、形状、材料、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、形状、材料、原料、プロセスなどを用いてもよい。
また、例えば、第1〜第6の実施形態の二つ以上を組み合わせてもよい。
Claims (9)
- 増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有し、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に酸化チタン/窒化チタン/酸化チタンの三層構造のヒートミラーからなる赤外反射膜を有する色素増感光電変換素子。 - 上記半導体電極は透明導電性基板の一方の主面上に設けられており、この透明導電性基板の他方の主面が上記受光面を構成し、その上に上記赤外反射膜が設けられている請求項1記載の色素増感光電変換素子。
- 上記半導体電極は透明支持基板の一方の主面上に透明導電層を介して設けられており、この透明支持基板の他方の主面が上記受光面を構成し、上記透明支持基板と上記透明導電層との間に上記赤外反射膜が設けられている請求項1記載の色素増感光電変換素子。
- 上記半導体電極が半導体微粒子からなる請求項1記載の色素増感光電変換素子。
- 上記色素増感光電変換素子が色素増感太陽電池である請求項1記載の色素増感光電変換素子。
- 複数の光電変換素子を並べて配線し、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有し、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に酸化チタン/窒化チタン/酸化チタンの三層構造のヒートミラーからなる赤外反射膜を有するものである光電変換素子モジュール。 - 一つまたは複数の光電変換素子を用い、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有し、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に酸化チタン/窒化チタン/酸化チタンの三層構造のヒートミラーからなる赤外反射膜を有するものである電子機器。 - 一つまたは複数の光電変換素子を用い、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有し、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に酸化チタン/窒化チタン/酸化チタンの三層構造のヒートミラーからなる赤外反射膜を有するものである移動体。 - 一つまたは複数の光電変換素子を用い、
少なくとも一つの上記光電変換素子が、
増感色素を担持した半導体電極と対極との間に電解質層を有し、
受光面および/または受光面と上記半導体電極との間に酸化チタン/窒化チタン/酸化チタンの三層構造のヒートミラーからなる赤外反射膜を有するものである発電システム。
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