JP2001196622A

JP2001196622A - 発電装置

Info

Publication number: JP2001196622A
Application number: JP2000006130A
Authority: JP
Inventors: Hideki Nakayama; 英樹中山
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 2000-01-11
Filing date: 2000-01-11
Publication date: 2001-07-19

Abstract

(57)【要約】【課題】太陽光発電と熱光発電とを巧みに併用し、両
者の問題点を補完して、発電効率を向上させた発電装置
を提供する。【解決手段】複数の太陽電池セル１０が、各セル表面
により凹面鏡を形成するように配置される。その凹面鏡
による集光部には、太陽光及び凹面鏡による反射光によ
り加熱されて、輻射光を太陽電池セルに照射するエミッ
タ２０が配置される。太陽電池セル１０では、太陽光及
びエミッタ２０からの輻射光を受けて光電変換がなさ
れ、発電が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、発電装置に関し、
より詳細には、太陽光発電と熱光発電との併用により発
電効率を向上させた発電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】熱光起電力（ＴＰＶ）(thermophotovolt
aic)による発電すなわち熱光発電（ＴＰＶ発電）は、熱
源からの赤外線輻射を光電セルに入射して発電する技術
であり、可動部分が無いため、無騒音・無振動システム
を実現することができる。次世代のエネルギ源として、
ＴＰＶ発電は、クリーン性、静粛性などの点で優れてい
る。

【０００３】ＴＰＶ発電では、ブタンガス燃料などを燃
焼させてエミッタ（輻射体）を加熱し、エミッタでその
熱エネルギを赤外線エネルギに変換し、その赤外線エネ
ルギを受光セルで電気エネルギに変換する。このように
従来提案されているＴＰＶシステムは、有限資源である
化石燃料などを燃焼させているため、エネルギ資源の枯
渇の問題、排ガスによる大気汚染の問題等を伴う。

【０００４】一方、太陽光発電も、次世代のエネルギ源
として期待されている。例えば、特開平６−８８９６号
公報には、凹面反射鏡を用いて太陽光を太陽電池に集光
させる発電装置が開示されている。この太陽光発電装置
では、発電効率の向上の観点から、及び、より少ない太
陽電池セルで必要な電力を得るために、反射鏡やレンズ
による集光が行われている。このような集光型太陽光発
電装置では、集光とともに太陽電池が加熱されるため、
放熱手段や冷却手段が必要となる。そして、熱は、単に
捨てられるか、又は直接的に熱を利用する機器で利用さ
れており、発電には直接に寄与していない。また、太陽
光発電技術では、太陽電池セルの感度外の光を有効利用
することが困難であり、発電効率の向上に限度がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した状
況に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽光発
電と熱光発電とを巧みに併用し、両者の問題点を補完し
て、発電効率を向上させた発電装置を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第１の態様によれば、光電変換を行う太陽
電池セルであって該セル表面により凹面鏡を形成するも
のと、該凹面鏡による集光部に配置され、太陽光及び該
凹面鏡による反射光により加熱されて、輻射光を前記太
陽電池セルに照射する輻射体と、を具備することを特徴
とする発電装置が提供される。

【０００７】上記した発電装置においては、太陽電池セ
ルへ入射して直接吸収される太陽光は、セルでの光電変
換に寄与することで、太陽光発電を実現している。一
方、セル表面で反射される太陽光すなわち反射光は、輻
射体に集光され、輻射体を加熱し、輻射体を発光させ
る。そして、この輻射光は、太陽電池セルへ入射して、
セルでの光電変換に寄与する。すなわち、セル表面から
の反射光は、熱を介して輻射光へと波長変換され、再び
セルに入射して発電に利用されることで、熱光発電を実
現している。かくして、太陽電池セル自体には集光され
た光が入射しないため、太陽電池セル自体の温度上昇が
抑制され、発電効率の低下もない。また、セル表面での
反射光による熱光発電によれば、エネルギ資源の問題、
排ガスの問題等も生じない。

【０００８】また、本発明の第２の態様によれば、前記
輻射体の太陽光が直接入射する側には、直射太陽光に対
する集光器が配設される。このような構成とすることに
より、輻射体の加熱効率及び太陽光の利用効率が高めら
れる。

【０００９】また、本発明の第３の態様によれば、前記
太陽電池セルの表面には、遠赤外線を反射する選択反射
膜が設けられる。このような構成とすることにより、太
陽電池セルの温度上昇による効率低下が防止されるとと
もに、輻射体の加熱効率が更に向上する。

【００１０】また、本発明の第４の態様によれば、前記
太陽電池セル及び前記輻射体の配置される空間が真空状
態とされる。このような構成とすることにより、輻射体
から太陽電池セルへの熱伝導が抑制されるため、輻射体
の熱によってセルが加熱されることによる発電効率の低
下が回避される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。

【００１２】図１は、本発明による発電装置の一実施形
態を示す断面図である。この発電装置は、半球殻状に形
成されても、又はとい状に形成されてもよく、図１の断
面図は、いずれの場合にも共通する断面図である。この
図に示されるように、この発電装置は、複数の太陽電池
セル１０とエミッタ（輻射体）２０とから構成されてい
る。

【００１３】複数の太陽電池セル１０は、それぞれ光を
受けて光電変換を行うものであり、半球殻状又はとい状
に配置されて、各セル表面により凹面鏡を形成してい
る。また、エミッタ２０は、球状又は円柱状をしてお
り、前記した凹面鏡による集光部に配置されている。

【００１４】太陽電池セル１０は、太陽光のスペクトル
に感度を有する受光セル（Ｓｉ、ＧａＳｂなど）であ
り、入射する太陽光を受けて光電変換により発電（太陽
光発電）を行う。

【００１５】一方、セル１０に入射する太陽光のうちセ
ル表面で反射される太陽光すなわち反射光は、エミッタ
２０に集光され、エミッタ２０を加熱するエネルギとし
て再利用される。加熱されたエミッタ２０は、発光して
赤外線を輻射する。エミッタ２０の材料としては、Ｅ
ｒ、Ｙｂ等の希土類酸化物が用いられ、エミッタ２０
は、セル１０の感度外の光を高効率に波長変換して、セ
ル１０の感度内の光に変換する。そして、輻射された赤
外線は、太陽電池セル１０に入射し、セル１０での光電
変換に寄与する。

【００１６】このように、エミッタ２０は、セル表面か
らの反射光を、熱を介して輻射光へと波長変換する機能
を果たす。そして、その輻射光は、光電変換に利用され
る。したがって、反射光に基づく熱光発電（ＴＰＶ発
電）が実現されていることとなり、この熱光発電によれ
ば、エネルギ資源の問題、排ガスの問題等も生じない。
また、太陽電池セル１０自体には集光された光が入射し
ないため、太陽電池セル１０自体の温度上昇が抑制さ
れ、発電効率の低下が防止される。

【００１７】図１の構成では、太陽光が太陽電池セル１
０に入射するとともにエミッタ２０を加熱しているが、
太陽光によるエミッタ２０の加熱を促進し、太陽光の利
用効率を高めるべく、図２に示されるように、エミッタ
２０の、太陽光が直接入射する側に、直射太陽光の集光
器２２（レンズなど）を配設することにより、太陽光の
一部を集光器２２内に導入して、集光太陽光としてエミ
ッタ２０を加熱してもよい。これにより、発電効率の向
上が図られる。

【００１８】また、図１及び図２に示される太陽電池セ
ル１０の表面には、セルの感度外の光（セル材料のバン
ドギャップ以下の長波長赤外線）すなわち遠赤外線を反
射する薄膜を選択反射膜としてコーティングすることに
より、効率よく反射してエミッタ２０に対する加熱エネ
ルギを得ることが好ましい。こうすることで、太陽電池
セル１０の温度上昇による効率低下が防止されるととも
に、エミッタ２０の加熱効率が更に向上する。

【００１９】また、太陽電池セル１０及びエミッタ２０
が配置される装置内部の空間を真空状態とすれば、エミ
ッタ２０から太陽電池セル１０への熱伝導が抑制される
ため、エミッタ２０の熱によってセルが加熱されてセル
の温度上昇を招くことに起因する発電効率の低下が回避
される。

【００２０】また、セルのバンドギャップより大きなエ
ネルギの光を反射させてエミッタを加熱し、狭帯域発光
材料によりセル感度に整合した波長に変換することで、
セル温度の上昇を防止して発電効率の向上を図ることも
可能である。

【００２１】また、エミッタ２０から太陽電池セル１０
への熱伝導を抑制するために、図３に示されるように、
エミッタ２０と太陽電池セル１０との間に断熱層２４を
設けて、エミッタ２０が配置される空間に熱が閉じ込め
られるようにしてもよい。さらに、図３に示されるよう
に、半透明鏡（いわゆるマジックミラーのようなもの）
でできた上蓋３０を設け、装置内部から外へ逃げる光の
量を抑制するような工夫をすることもできるであろう。
なお、この上蓋３０は、図２における集光器２２を兼ね
ている。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
太陽光発電と熱光発電とを巧みに併用して発電効率を向
上させた発電装置が提供される。そして、この発電装置
は、無限エネルギである太陽光エネルギのみを利用する
ものであり、化石燃料を用いないため、排ガスによる汚
染を引き起こすこともなく、さらに、可動部分を有しな
いため、無振動で無騒音な装置である。したがって、こ
の発電装置は、住宅用発電機、小型発電機等に適用する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による発電装置の一実施形態を示す断面
図である。

【図２】本発明による発電装置の他の実施形態を示す断
面図である。

【図３】本発明による発電装置の更に他の実施形態を示
す断面図である。

【符号の説明】

１０…太陽電池セル２０…エミッタ（輻射体）２２…集光器２４…断熱層３０…上蓋

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光電変換を行う太陽電池セルであって該
セル表面により凹面鏡を形成するものと、該凹面鏡による集光部に配置され、太陽光及び該凹面鏡
による反射光により加熱されて、輻射光を前記太陽電池
セルに照射する輻射体と、を具備することを特徴とする発電装置。
【請求項２】前記輻射体の太陽光が直接入射する側に
は、直射太陽光に対する集光器が配設されていることを
特徴とする、請求項１に記載の発電装置。
【請求項３】前記太陽電池セルの表面には、遠赤外線
を反射する選択反射膜が設けられていることを特徴とす
る、請求項１又は請求項２に記載の発電装置。
【請求項４】前記太陽電池セル及び前記輻射体の配置
される空間が、真空状態とされていることを特徴とす
る、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載の
発電装置。