JP5134867B2 - 光電変換素子 - Google Patents
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Description
この色素増感型太陽電池100は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基板101と、導電膜104が形成された第二基板105と、これらの間に封入された例えばヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む電解質層106を主な構成要素としている。
一方、第二基板105としては、電解質層106と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層104が設けられ、第二基板105及び導電層104により対極109を構成している。
また、透明導電性プラスチック基板は熱に弱く、その上に多孔質酸化チタン電極を焼成する際に十分な温度で焼結することができない。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記第一基材は、Ti、Ni、W、Rh、Mo、及びそれらを含む合金、又は、導線をTi、Ni、W、Rh、Mo、及びそれらを含む合金で被覆したものからなることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記第二基材は、Pt、カーボン繊維、導電性高分子繊維、又は、線状体をPt、カーボンあるいは導電性高分子で被覆したものからなることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の光電変換素子1A(1)は、導電性を有する第一基材2と、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層3とからなる積層体4を備える作用極6、導電性を有する第二基材7を備える対極8、前記作用極6と前記対極8を挟むように配され少なくとも一方が透明性を有する一対の基板9,10、及び、前記一対の基板9,10間の少なくとも一部に配された電解質11、から少なくとも構成される。
本発明では、前記作用極6をなす第一基材2及び前記対極8をなす第二基材7の少なくとも一方を線状とし、該線状をなす複数の第一基材2及び/又は第二基材7を、網目状に編まれてなる構造とすることで、導電性基板を不要とし、低コスト化とともに、フレキシブル化も可能で、かつ、形状安定な大面積素子を構成することも可能な光電変換素子1を提供することができる。
このような第一基材2の太さ(直径)としては、特に限定されるものではないが、例えば、10[μm]〜1[mm]とするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、第一基材2の太さは細いほどよい。
なお、多孔質酸化物半導体層3は、第一基材2の外周の一部のみを覆うものであってもよいが、光収集能力の低下、逆電子移動反応の促進等があるため、第一基材2の外周を完全に覆うことが好ましい。
このような多孔質酸化物半導体層3の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1[μm]〜50[μm]が好ましい。
このような線状基材としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moなどの不活性金属、あるいは炭素繊維などが挙げられる。
また、対極8の材料を構成する導電性高分子としては、例えば、PEDOT[Poly(3,4-ethylenedioxythiophene):「ポリエチレンジオキシチオフェン」]誘導体や、PANI[Polyaniline]誘導体などが挙げられる。
なお、上記一対の基板9,10のうち、何れか一方は透明でなくてもよい。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF4 −、PF6 −、(HF)n −、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CF3S02)2 −]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオン又はビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
以下、本発明に係る光電変換素子1の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態に係る光電変換素子1C(1)の一例を示す断面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
すなわち、本実施形態の光電変換素子1C(1)は、作用極6において、前記第一基材2が線状をなすとともに、複数の第一基材2が網目状に編まれてなる編組体5の表面に前記多孔質酸化物半導体層3が配されてなる構造を有する。また、対極8において、前記第二基材7が線状をなすとともに、複数の第二基材7が網目状に編まれてなる構造を有する。
以下、本発明に係る光電変換素子の第三実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態に係る光電変換素子1D(1)の一例を示す断面図であり、図7は、作用極6と対極8とが編まれてなる状態を示す平面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
すなわち、本実施形態の光電変換素子1D(1)は、前記作用極6において、前記第一基材2が線状をなすとともに、該第一基材2と、該第一基材2の外周に前記多孔質酸化物半導体層3が配されてなる電極線4を複数備え、前記対極8において、前記第二基材7が線状をなしている。そして、前記作用極6をなす複数の電極線4と、前記対極8をなす複数の第二基材7とが、互いに交差するように網目状に編まれてなる構造を有する。
第一基材として、直径0.20mmのTiワイヤ(ニラコ社製)を用意し、このTiワイヤを酸化チタンペースト(Solaronix製、Ti-Nanoxide T)に浸漬、引き上げ、乾燥を3回繰り返して塗布した後、電気炉で500℃、1時間焼結することにより、多孔質酸化チタン膜(多孔質酸化物半導体層)付のTiワイヤを得た。酸化チタンの塗布範囲は長さ20mmとした。その際、酸化チタンの膜厚はおよそ6μmとした。
この電極線を平織りに織ることにより、縦50mm、横50mm(つまり、50mm角をなす矩形)の布状の作用極を得た。その際、縦糸、横糸の本数はそれぞれ、80本、80本とした。なお、外部回路に電流を取り出すため、布状の作用極の一部は、前記矩形をなす部分から長く突出させた。この突出した部分は、たとえば、縦20mm、横5mmとし、横幅をなす一辺が矩形をなす部分に接する形態とすればよい。
第一基材として、Tiワイヤが平織りされた市販品[ニラコ社製:Tiワイヤの直径0.10mm、50mm角をなす矩形、80mesh]を用い、布状の編組体とした。
この編組体を酸化チタンペースト(Solaronix製、Ti-Nanoxide T)に浸漬、引き上げ、乾燥を2回繰り返して塗布した後、電気炉で500℃、1時間焼結して多孔質酸化チタン膜付の布状の作用極を得た。酸化チタンの膜厚はおよそ6μmだった。
本例では、作用極として、実施例2と同一構成からなるものを用いた。
この編組体にPtをスパッタ法にて成膜し、Pt膜付の布状の対極を得た。Ptの膜厚はおよそ100nmとした。
実施例1と同様にして多孔質酸化チタン膜付のTiワイヤを得た。
この焼結したTiワイヤを縦糸(又は横糸)に、φ0.08mmのPtワイヤーを横糸(又は縦糸)にして平織りに織ることにより、縦50mm、横50mm(つまり、50mm角をなす矩形)の布状の電極対を得た。その際、縦糸、横糸の本数はそれぞれ、80本、80本とした。その後、電極対全体をルテニウム色素溶液に浸漬し、酸化チタンの表面に色素を担持した。
この電極対を用いて実施例1と同様にして、図6に示すような光電変換素子を作製した。
実施例1と同様にして布状の作用極を得た。
前記作用極を電解質溶液に浸した後、Ptをスパッタ法にて成膜し、Pt膜を積層したITO膜付きPETフィルムと、加工の施されていないPETフィルムで挟み込んだ。それ以外は実施例1と同様にして、図4に示すような光電変換素子を作製した。
実施例1と同様にして布状の作用極を得た。
一方、市販のITO膜付きPETフィルム(トービ社製、50Ω/□)に、メンディングテープ(3M社製)をスペーサにして、酸化チタンペースト(ペクセルテクノロジーズ社製、PECC001)を塗布し、150℃で焼結して、多孔質酸化チタン膜付きの電極を得た。酸化チタンの塗布範囲は10mm×50mmの矩形で、厚さは5μmとした。
これを、ルテニウム色素(N719)の0.3mM、エタノール溶液に浸漬し、室温で24時間放置して酸化チタンの表面に色素を担持した。色素溶液から引き上げた後、エタノール溶液で洗浄し作用極を得た。
前記対極を、前記作用極と、加工の施されていないPETフィルムで挟み込んだ。それ以外は実施例1と同様にして、図4に示すような光電変換素子を作製した。
Claims (3)
- 導電性を有する第一基材と、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層とからなる積層体を備える作用極、
導電性を有する第二基材を備える対極、
前記作用極と前記対極を挟むように配され少なくとも一方が透明性を有する一対の基板、
及び、前記一対の基板間の少なくとも一部に配された電解質、から少なくとも構成される光電変換素子であって、
前記作用極において、前記第一基材が線状をなすとともに、該第一基材と、該第一基材の外周に前記多孔質酸化物半導体層が配されてなる電極線を複数備え、
前記対極において、前記第二基材が線状をなし、
前記作用極をなす複数の電極線と、前記対極をなす複数の第二基材とが、互いに交差するように網目状に編まれてなる構造を有することを特徴とする光電変換素子。 - 前記第一基材は、Ti、Ni、W、Rh、Mo、及びそれらを含む合金、又は、導線をTi、Ni、W、Rh、Mo、及びそれらを含む合金で被覆したものからなることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記第二基材は、Pt、カーボン繊維、導電性高分子繊維、又は、線状体をPt、カーボンあるいは導電性高分子で被覆したものからなることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
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