JP2010015830A - 光電変換素子 - Google Patents

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顕一 岡田
Takayuki Kitamura
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Nobuo Tanabe
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Abstract

【課題】導電性基板を不要とし、低コスト化とともに、形状安定な大面積素子を構成することが可能で、かつ光電変換特性の向上が図れる光電変換素子を提供すること。
【解決手段】本発明に係る光電変換素子は、導電性を有した第一基材2と、少なくとも一部に色素が担持された多孔質酸化物半導体層3とからなる積層体4を備えた作用極6、導電性を有した第二基材7からなる対極8、作用極6と対極8を挟むように配され少なくとも一方が透明性を有する一対の基板9,10、及び、一対の基板9,10間の少なくとも一部に配された電解質5、から少なくとも構成される光電変換素子であって、作用極6をなす第一基材2及び対極8をなす第二基材7の少なくとも一方は複数の開口部Hを二次元的に配置した構造をなすことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子に関する。より詳しくは、新しい構造により、優れた形状安定性を有し、光電変換特性の向上を図った光電変換素子に関する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照。)。
図5は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池100は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基板101と、導電膜104が形成された第二基板105と、これらの間に封入された例えばヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む電解質層106を主な構成要素としている。
第一基板101としては光透過性の板材が用いられ、第一基板101の色素増感半導体電極103と接する面には導電性を持たせるために透明導電層102が配置されており、第一基板101、透明導電層102及び色素増感半導体電極103により作用極(窓極)108をなす。
一方、第二基板105としては、電解質層106と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層104が設けられ、第二基板105及び導電層104により対極109を構成している。
色素増感半導体電極103と導電層104が対向するように、第一基板101と第二基板105を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に例えば熱可塑性樹脂からなる封止剤107を設ける。そして、この封止剤107を介して2つの基板101、105を貼り合わせてセルを組み上げ、電解液の注入口110を通して、両極108、109間にヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層106を形成したものが挙げられる。
このような色素増感型の光電変換素子は、従来型の光電変換素子に比べて、大幅な低コスト化が可能と言われており、早期実用化が待たれる。従来構造の光電変換素子では、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い導電性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板上に、スズドープ酸化インジウム(ITO)や、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)といった透明導電性金属酸化物層を形成した基板が用いられてきた。
しかしながら、例えばここで使用されるインジウム(In)は、希少金属であり、昨今の価格の急騰からも明らかなように、光電変換素子の低コスト化を阻害する要因となる。また、FTOを用いた場合にも材料コスト中に占める透明導電性基板の割合は、やはり大きい。したがって、このような導電性基板を必要としない、全く新しい構造の色素増感型光電変換素子が実現すれば、さらに大幅な低コスト化が図れることから、その開発が期待される。
また、素子へ入射する光を有効利用するために、異なる方向を向いた複数の電極面を有する構造の素子も提案されている。また、平板型ではないが、同心円状に各機能材料を積層した円筒型の素子も提案されている(例えば非特許文献2を参照。)。しかしこの場合、ガラス管の内壁面に透明導電膜を形成する工程が必須であり、実質的に透明導電性基板を用いていることに変わりはない。
また、透明導電性プラスチック基板は熱に弱く、その上に多孔質酸化チタン電極を焼成する際に十分な温度で焼結することができない。
特開平1−220380号公報 M.Graetzel et al., Nature, 737, p.353, 1991 B.Baps,M.Eber-Koyuncu,M,Cermic based solar cells in fiber from,Key Engineering Materials,2002年,206-213号,937-940頁
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、導電性基板を不要とし、低コスト化とともに、形状安定な大面積素子を構成することが可能で、かつ光電変換特性の向上が図れる光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の光電変換素子は、導電性を有した第一基材と、少なくとも一部に色素が担持された多孔質酸化物半導体層とからなる積層体を備えた作用極、導電性を有した第二基材からなる対極、前記作用極と前記対極を挟むように配され少なくとも一方が透明性を有する一対の基板、及び、前記一対の基板間の少なくとも一部に配された電解質、から少なくとも構成される光電変換素子であって、前記作用極をなす第一基材及び前記対極をなす第二基材の少なくとも一方は複数の開口部を二次元的に配置した構造をなすことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記第一基材は、Ti、Ni、W、Rh、Mo、及びそれらを含む合金からなるシート体であることを特徴とする。
本発明では、作用極を、導電性を有する複数の第一基材と多孔質酸化物半導体層とからなる積層体を備える構成とし、対極を、導電性を有する第二基材を備える構成とし、前記作用極をなす第一基材及び前記対極をなす第二基材の少なくとも一方は、複数の開口部を二次元的に配置した構造をなしている。そのため、透明導電性基板を不要とし、低コスト化とともに、形状安定な大面積素子を構成することが可能な光電変換素子を提供することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光電変換素子1A(1)の一例を示す模式的な断面図である。
本発明の光電変換素子1A(1)は、導電性を有した第一基材2と、少なくとも一部に色素が担持された多孔質酸化物半導体層3とからなる積層体4を備えた作用極6、導電性を有した第二基材7からなる対極8、作用極6と対極8を挟むように配され少なくとも一方が透明性を有する一対の基板9,10、及び、一対の基板9,10間の少なくとも一部に配された電解質5、から概略構成されている。
そして本発明の光電変換素子1A(1)は、図2の平面図に示すように、作用極6をなす第一基材2及び対極8をなす第二基材7の少なくとも一方は、複数の開口部Hを二次元的に配置した構造をなしていることを特徴とする。但し、図1には、作用極6をなす第一基材2及び対極8をなす第二基材7の両方が複数の開口部Hを二次元的に配置した構成例を示している。
本発明では、作用極6をなす第一基材2及び対極8をなす第二基材7の少なくとも一方を、複数の開口部Hを二次元的に配置した構造することで、導電性基板を不要とし、低コスト化とともに、フレキシブル化も可能である。また、金属線を編んだ作用極あるいは対極のように金属線が部分的に重なり合って、作用極あるいは対極の厚みが異なる部位が存在しないため、光電変換特性の低下を抑えることができる。更に、第一基材2や第二基材7として金属シート体などの平板状のものを用いることで自己支持可能であるため、形状安定な大面積素子を構成することも可能な光電変換素子1を提供することができる。
図1に示す光電変換素子1A(1)では、作用極6において、第一基材2と、該第一基材2の少なくとも一面に多孔質酸化物半導体層3が配されており、第一基材2には複数の開口部Hが二次元的に配置された構造をなしている。また、対極8においても同様に、第二基材7には複数の開口部Hが二次元的に配置された構造をなしている。
このように、作用極6をなす第一基材2及び対極8をなす第二基材7には複数の開口部Hが二次元的に配置された構造をなしているので、可撓性に優れた光電変換素子1が構築可能である。
図1では、作用極6をなす第一基材2に複数の開口部Hが二次元的に配置された状態を示しているが、対極8においても同様に、対極8をなす第二基材7に複数の開口部Hが二次元的に配置した構造をなしている。
また、図1及び2では、開口部Hが均一な場合を示しているが、これに限定されることなく、両極の距離があまり大きくならず、しかも作用極6が対極8により影になる部分が大きくならない構成であればよい。また、発電した電気を外部へと取り出すための電極端子(図示略)を、両極の末端で形成できる限りにおいて、ランダムな開口部を有した複数の開口部Hを二次元的に配置した構造をなしていても構わない。
作用極6をなす第一基材2及び対極8をなす第二基材7をそれぞれ、複数の開口部Hを二次元的に配置した構造とし、それらを対向させて配し電極対とする。この電極対を、電解質溶液に浸し、少なくとも一方が透明性を有する一対の基板9,10の間に挟み、発電した電気を外部へと取り出すための電極端子(図示略)を残して封止することで、本発明の光電変換素子1が構成される。
なお、図1に示す例では、作用極6と対極8との両方に、複数の開口部Hを二次元的に配置した場合を示しているが、いずれか一方のみでも構わない。例えば図3に示す光電変換素子1B(1)のように、作用極6を、上述したような複数の開口部Hを有した構造とし、対極8として板状をなす第二基材7を使用してもよい。また、対極8を、複数の開口部Hを二次元的に配置した構造とし、作用極6として板状をなす第一基材2を使用してもよい。
作用極6は、導電性を有する第一基材2と、少なくとも一部に色素を担持した多孔質酸化物半導体層3とからなる積層体4からなる。そして、作用極6において、第一基材2には複数の開口部Hが二次元的に配されている。本実施形態において、作用極6は板状のものを例示しているが、筒状、柱状、球状など立体的に構成することも可能である。
作用極6(多孔質酸化物半導体層3が形成された第一基材2)は、自己支持可能であることが望ましい。これにより、基材9,10として樹脂フィルムなどの薄く柔軟なものを適用することもできる。
第一基材2としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Zr、Moのいずれか、又はこれらの合金からなる金属シート体などが挙げられる。また、任意の線材表面を、Ti、Ni、W、Zr、Moのいずれか、又はこれらの合金で緻密に被覆したものでもよい。
このような第一基材2の厚さとしては、特に限定されるものではないが、例えば、10μm〜100μmとするのが好ましく、より好ましくは10μm〜50μmである。
開口部Hとしては、図2では、略菱形とした場合を挙げたが、特にこの形状に限定されるものではなく、例えば他に三角形、四角形、星型、その他の多角形や円、楕円などが挙げられ、その形状を問わない。
また、開口部Hの配置としては、特に限定されるものではないが、例えば、図2に示した千鳥状(例えば、60°千鳥状、45°千鳥状、角穴千鳥状、丸穴千鳥状、長穴千鳥状など)に加え、例えば並列状(例えば角穴並列状、角穴並列状など)に配置することができる。
開口部Hにおける開口率は、光入射と電解質中のイオン拡散を過剰に阻害せず、かつ、分離された電子の集電効率を著しく損なわない範囲で適宜設定することができる。
開口部Hを複数有した第一基材2としては、例えばシート体の第一基材2にスリットを千鳥状に形成し、二次元方向に引っ張ることで、図2に示したような複数の開口部Hが二次元的に配置された第一基材2(エキスパンドメタル)が得られる。または、金属シート体に穴をあけることで、図2に示したような複数の開口部Hが二次元的に配置された第一基材2(パンチングメタル)が得られる。このようにエキスパンドメタルあるいはパンチングメタルを用いることで、可撓性を有すると共に、自己支持可能な第一基材2を簡便に得ることができる。
なお、第一基材2として金属線を編み込んだ構造とした場合、金属線の重なり部の厚さが単線部の厚さよりも厚くなるため、第一基材2内に厚い部分と薄い部分とが混在した状態となる。この際、対極8は平板やメッシュ状であるため、局所的に電解質層が厚くなる部分が発生し、電解質中におけるイオンの拡散距離が不均一となって、発電特性を損なう虞がある。
また、第一基材2として印刷やめっきで形成した金属メッシュを用いた場合では、自己支持が困難であり、この金属メッシュを光電変換素子に適用した際には、第一基材2を支えるために強度のある支持基板が他に必要となる。そのため、該支持基板を備えることで光電変換素子のサイズが大きくなってしまう。あるいは、基材9,10として強度が高いものが必要となり、得られる光電変換素子の可撓性が低下する。
本発明のように、平坦なシート体であり、かつ複数の開口部Hが二次元的に設けられた構造の第一基材2を用いることで、入射光のロスが抑制され、光電変換効率に優れると共に、可撓性を有した光電変換素子を得ることができる。また、第一基材2は自己支持可能であるため、形状安定な大面積素子を構成することが可能である。
第一基材2において、各開口部H間に配され、線状となった第一基材2の部位2aの線幅2cは、例えば10μm以上500μm以下である。
なお、この第一基材2の部位2aの線幅2cを均一とすることもできる。線幅2cを均一とすることで、美観に優れた光電変換素子を得ることができる。
多孔質酸化物半導体層3は、第一基材2の少なくとも一面に設けられており、その表面には少なくとも一部に増感色素が担持されている。
多孔質酸化物半導体層3を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層3を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液に、必要に応じて所望の添加剤を添加してから、浸漬、塗布、押し出し等の方法により前記第一基材2の少なくとも一面に配した後、例えば400℃〜550℃で焼成することにより形成する手法が挙げられる。
このような多孔質酸化物半導体層3の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜50μmが好ましい。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
対極8は第二基材7からなり、本実施形態においては、図2に示す作用極6と同様に、複数の開口部Hを二次元的に配置した構造である。また、対極8は板状のものを例示しているが、筒状、柱状、球状など立体的に構成することも可能である。
第二基材7としては、例えば白金(Pt)やカーボン、導電性高分子等を表面に有した基板で複数の開口部Hを形成したものから構成される。このような対極8では電解質5との電荷の授受が速やかに進行する。導電性高分子としては、具体的には、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリアニリンなどの誘導体が挙げられる。
開口部Hを配置した第二基材7としては、作用極6と同様にエキスパンドメタルやパンチングメタルを用いることが好ましい。第一基材2と同様に、可撓性を有すると共に、自己支持可能な第二基材7を簡便に得ることができる。ゆえに、入射光のロスが抑制され、光電変換効率に優れると共に、可撓性を有した光電変換素子を得ることができる。また、第二基材7は自己支持可能であるため、形状安定な大面積素子を構成することが可能である。
一対の基板9,10としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。
基板9,10は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、基板9,10としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が85%以上の基板がより好ましい。
なお、上記一対の基板9,10のうち、何れか一方は透明でなくてもよい。但し、図3に示したように、例えば第二基材が板状であった場合は、基板9,10のうち、第二基材7側に配された基板10は透明でなくてもよいが、開口部Hを備えた第一基材2側に配された基板9は透明である必要がある。
電解質5は、多孔質酸化物半導体層3内に電解液を含浸させてなるものか、又は、多孔質酸化物半導体層3内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層3と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び/又は導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素/ヨウ化物イオンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。本発明の構造は、イオン液体中に高濃度のヨウ素系酸化還元対を含有させたような、濃く着色して粘度の高い電解液を適用する場合、すなわち、光を多く吸収し、電荷輸送キャリアの物理拡散速度が制限されるような場合に有効である。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFS0 ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオン又はビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi及びCeOからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
封止部材(スペーサー)12としては、一対の基材9,10に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)、ニュクレル(三井デュポンポリケミカル社製)などの他に、紫外線硬化樹脂として、例えば、31X−101(スリーボンド社製)などが挙げられる。
<第2実施形態>
図4は、本実施形態に係る光電変換素子1C(1)の一例を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態では、上述した第1実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。本実施形態は、光電変換素子1が備える作用極6の構造が異なること以外は、第1実施形態とほぼ同様である。
すなわち、本実施形態の光電変換素子1C(1)が、第1実施形態の光電変換素子1Aと異なる点は、作用極6において、第一基材2が多孔質酸化物半導体層3中に配されている点である。
本実施形態に示したように、多孔質酸化物半導体層3中に第一基材2が配されることによって、第一基材2の開口部Hにも多孔質酸化物半導体層3が配されることとなる。したがって、光収集能力の向上、逆電子移動反応の抑制、発電面積の増加などにより、光電変換効率の向上が図れる。
<実施例1>
桂田グレイチング社製チタンマイクロメッシュ(エキスパンドメタル;厚さ48μm、Ti線幅約55μm、開口率約77%)上に、酸化チタンペースト(触媒化成工業社製)を塗布した。メッシュ開口部までペーストを均一に充填するため、ペーストに浸したエキスパンドメタルシートを二本のガラス棒から成るギャップ間を通す要領で塗膜形成した。130℃で30分乾燥後、500℃で1時間焼成し、N719色素液中に24時間浸漬して色素を担持して非透明導電基板型の半導体多孔質電極(作用極)を得た。作用極の面積は8cm角とした。これを、平板状の対極(白金付きチタン箔)と積層したうえで、厚さ75μmのPENフィルムで挟み込み、端子を取り出した後に周囲をUV硬化樹脂で封止して試験セルとした。電解液は、イオン液体1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物をベースとしたもの、揮発性のメトキシプロピオニトリルをベースとしたものの2種類を用意し、積層時に多孔質膜上に塗布するか、封止の後、対極に設けた注液口から注入することにより充填し、図3に示すような光電変換素子を作製した。
<実施例2>
エキスパンドメタルの金属線部分のみにチタニア多孔質膜を形成し、対極として表面に白金層を形成した同エキスパンドメタルを用いたこと以外は、実施例1と同様の構造として図1に示すようなシースルー型の光電変換素子を作製した。
<比較例1>
作用極として透明導電ガラス(FTO、10Ω/□)を用い、この上に実施例1と同面積のチタニア多孔質層を形成した。その他の構成は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
<比較例2>
第一基材としてチタン線を編むことで金属メッシュ(線径70μm、網目部の厚さ140μm)を作製し、この金属メッシュ上に酸化チタンペーストを塗布したこと以外は実施例1と同様に作製し、光電変換素子を得た。
以上のように作製した実施例1〜2および比較例1〜2の光電変換素子に関して、いずれも色素増感型太陽電池として機能することが確認された。
比較例1の光電変換素子では、透明導電基板の導電性不足により発電時のフィルファクタ(FF)が著しく低くなった。なお、実施例1〜2の光電変換素子ではこのような問題は生じなかった。
また、比較例2の光電変換素子では、特にイオン液体をベースとした電解液系にて光電変換出力が実施例1の光電変換素子の6割程度にまで低下した。これは、比較例2の光電変換素子では、網目の頂点と単線部との厚さの差が70μmあり、電極間距離が増大したことが主要因であると推察される。
以上の結果により、本発明による光電変換素子の構造の有効性が確認された。
以上、本発明の光電変換素子について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。
本発明は、色素増感型太陽電池を代表とする湿式太陽電池(電解液を使用するタイプの太陽電池)に適用することができる。
本発明に係る光電変換素の一例を模式的に示した断面図である。 図1の光電変換素子において、作用極の第一基材を模式的に示す平面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を模式的に示した断面図である。 従来の光電変換素子の一例を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1(1A,1B,1C) 光電変換素子、2 第一基材、3 多孔質酸化物半導体層、4 積層体、5 電解質、6 作用極、7 第二基材、8 対極、9,10 基材、12 封止部材(スペーサー)、H 開口部。

Claims (2)

  1. 導電性を有した第一基材と、少なくとも一部に色素が担持された多孔質酸化物半導体層とからなる積層体を備えた作用極、
    導電性を有した第二基材からなる対極、
    前記作用極と前記対極とを挟むように配され、少なくとも一方が透明性を有する一対の基板、
    及び、前記一対の基板間の少なくとも一部に配された電解質、から少なくとも構成される光電変換素子であって、
    前記作用極をなす第一基材及び前記対極をなす第二基材の少なくとも一方は複数の開口部を二次元的に配置した構造をなすことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第一基材は、Ti、Ni、W、Rh、Mo、及びそれらを含む合金からなるシート体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
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