JP5114499B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池等に用いる光電変換素子に関する。
本願は、2008年6月6日に、日本に出願された特願2008−149922号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い光電変換効率が得られる光電変換素子として着目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
図7は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池100は、増感色素が担持された多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基板101と;導電膜104が形成された第二基板105と;これらの間に封入された例えばヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む電解質106と;を主な構成要素としている。
第一基板101としては、光透過性の板材が用いられ、第一基板101の色素増感半導体電極103と接する面には、導電性を持たせるために透明導電層102が配置されている。これら第一基板101、透明導電層102及び色素増感半導体電極103により、作用極(窓極)108が構成されている。
一方、第二基板105の電解質106と接する側の面には、導電性を持たせるために、例えば炭素や白金からなる導電層104が設けられている。これら第二基板105及び導電層104により対極109が構成されている。
そして、この色素増感型太陽電池100では、色素増感半導体電極103と導電層104とが対向するように、第一基板101と第二基板105とが所定の間隔をおいて配置され、両基板間の周辺部に例えば熱可塑性樹脂からなる封止剤107が設けられている。そして、この封止剤107を介して第一基板101と第二基板105とが貼り合わされて、セルが組み上げられている。また、電解液の注入口110を通して、両極108、109間にヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む有機電解液が充填され、電荷移送用の電解質106が形成されている。
このような色素増感型太陽電池100は、特に光が入射する側の電極(窓極108)には、可視光の透過性と、高い伝導性が要求される。そのため、窓極108として、第一基板101(例えばガラス基板やプラスチック基板)上に、スズドープ酸化インジウム(ITO)や、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)といった透明導電性金属酸化物を塗布した基板(導電性基板)が用いられてきた。
しかしながら、上述した導電性基板に用いられているインジウム(In)等は、希少金属であり、昨今の価格の高騰からも、光電変換素子の低コスト化を阻害する要因となっている。したがって、導電性基板を必要とせず、希少金属の使用量を抑制できる構造とした色素増感型の光電変換素子が実現すれば、大幅な低コスト化が図れることから、その開発が期待されていた。ただし、その際には、受光効率を犠牲にしないことが同時に満たされる必要がある。
特開平1−220380号公報
M.Graetzel et al., Nature, 737, p.353, 1991
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、導電性基板を不要とし、低コスト化が図れるとともに、優れた受光効率を備えることが可能な、新しい構造を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
(1)本発明の光電変換素子は、線状をなす第一電極と、第二電極と、電解質と、を有する光電変換素子であって、前記第一電極と前記第二電極とが前記電解質を介して配置され、前記第一電極は、銅線及びこの銅線を被覆する被覆金属からなる第一線材と、この第一線材の外周に配され、色素が担持された多孔質酸化物半導体層と、からなり、前記第一線材の電圧降下量が300mV以下であり、前記銅線の前記被覆金属に対する面積比率が、前記電圧降下量が300mV以下となるような面積比率で、前記銅線が前記被覆金属に被覆されている。
上記(1)に記載の光電変換素子によれば、導電性基板が不要となり、低コスト化が図れる。また、中心金属に銅線を用い、その外周に被覆金属が配置された構造とすることにより、中心金属を単一の金属線材とするよりも、耐食性に優れ、導電線の導電率を高めかつ低コスト化を図ることができる。また、線状をなす第一電極の外周面が受光面となるため、照射光に対する投影面積を増大でき、かつ光入射角度依存性が少なくなる。
また、上記(1)に記載の光電変換素子によれば、光電変換素子の発電効率の向上が図れる。
また、上記(1)に記載の光電変換素子によれば、銅線の表面の均一性が維持され、かつ銅線の酸化を防止した状態で、光電変換素子の発電効率の向上が図れる。
(2)前記被覆金属が、チタン、ニッケル、タングステン、ロジウム、モリブデンから選ばれたいずれか一の金属からなってもよい。
(3)前記被覆金属の膜厚が2μm以上であってもよい。
上記(3)の場合、被覆金属にピンホールが発生するのを抑制でき、銅線と光電変換素子の電解液とが反応して、電解液の組成が変化するのを抑制できる。この結果、光電変換素子の光電変換効率が低下するのを防止できる。
(4)本発明の光電変換素子は、線状をなす第一電極と、第二電極と、電解質と、を有する光電変換素子であって、前記第一電極と前記第二電極とが前記電解質を介して配置され、前記第一電極は、銅線及びこの銅線を被覆する被覆金属からなる第一線材と、この第一線材の外周に配され、色素が担持された多孔質酸化物半導体層と、からなり、前記第二電極が線状をなし、前記第一電極と前記第二電極とが交互に配置されている
上記(4)の場合、得られる光電変換素子が線状となり、この光電変換素子を多様な部位に容易に配置することができる。
上記(1)に記載の光電変換素子は、導電性を有する第一線材と、この第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層と、から構成された第一電極を用いることにより、導電性基板が不要となり、新しい構造を有した光電変換素子となる。また、導電性基板が不要なため、低コスト化が図れる。さらに、線状をなす第一電極の外周面が受光面となるため、照射光に対する投影面積を増大でき、光入射角度への依存性が少なくなる。
特に、第一線材の構成として、中心金属に銅線を用い、その外周が例えばチタン等で被覆された構造とすることにより、中心金属を、例えばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)等から選択された単一の金属線材とするよりも、耐食性に優れ、第一線材の導電率を高めかつ低コスト化が図れる。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子の電極(第一電極)の一例を示す斜視断面図である。 同第一電極の上半部に光が入射した際の模式図である。 本発明の一実施形態に係る光電変換素子の一例を示す断面図である。 図3の上面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の実施形態を示す断面図である。 従来の光電変換素子の一例を示す断面図である。 本発明の光電変換素子で用いている電極(第一電極)の変形例を示す斜視断面図である。 本発明の光電変換素子で用いている電極(第一電極)の他の変形例を示す斜視断面図である。 実施例1の光電変換素子において、電流電位曲線を測定した結果を示した図である。 実施例2及び実施例3の光電変換素子を模式的に示した図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1が、本発明の一実施形態に係る光電変換素子に用いている電極(第一電極)の一例を示す断面図である。図3が、本実施形態の光電変換素子の一例を示す断面図であり、図4が図3の上面図である。
本実施形態の光電変換素子1A(1)は、図3に示すように、線状の第一電極10と;線状の第二電極20と;電解質17と;一対の透明基材18,18と;これら一対の透明基材18,18の周縁部に配置されたスペーサー19と;を有する。また、第一電極10と第二電極10とが電解質17を介して交互に、一方の透明基材18上に配置されている。これら第一電極10と第二電極20と電解質17とが、一対の透明基材18,18とスペーサー19とにより封止されている。
図1及び図3に示すように、本実施形態で用いている第一電極10は、銅線11Aとこの銅線11Aを被覆する被覆金属11B(例えばチタン等)とからなる第一線材11と;この第一線材11の外周に配され、増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層12と;から構成されている。
従来の光電変換素子では、その第一電極(作用極)として、ガラス、プラスチック等からなる透明基材上に、FTOやITOなどの透明導電膜が形成されてなる透明導電性基板が用いられている。そのため、透明基材の耐熱性の問題から、透明基材としてガラスを用いた場合ではおよそ600℃以上、透明基材としてプラスチックを用いた場合ではおよそ150℃以上の温度でこれらを焼成して、多孔質酸化物半導体層を形成するのが難しかった。
これに対して、本実施形態の第一電極10では、第一線材11に金属線を採用したことにより、上記のような問題がなく、高温でも十分に焼成できる。そのため、光電変換素子用の電極(作用極)として好適である。
また、第一電極10として基板を用いずに線材を用いているので、本実施形態の第一電極10は、フレキシブル性を有し、様々な構造の光電変換素子用電極として利用することができる。
さらに、従来の電極のようにガラス基板や、透明導電膜を用いないため、安価にこの第一電極10を製造することができる。
第一線材11は線状をなしており、銅線11Aと、この銅線11Aを被覆する被覆金属11Bと、からなる。
被覆金属11Bとしては、中心金属(銅線11A)の表面の均一性の維持や、酸化防止率を向上させるために、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなるTi等を用いるのが好ましい。また、被覆金属11Bとして、Tiの他、Ni、W、Rh、Moを用いることが出来る。なお、これらの合金を用いても良い。
銅線11Aは、純銅が好ましい。
被覆金属11Bの厚みは、薄いほどよい。しかし、その厚さが薄すぎると、第一線材11の作製時における伸線加工の際に、被覆金属11Bにピンホール等が発生する確率が高くなる。被覆金属11Bにピンホールが存在すると、被覆金属11B内側の銅線11A(銅)と光電変換素子の電解液とが反応して、電解液の組成が変化してしまう。これにより、光電変換素子の光電変換効率が低下してしまう。
一方、被覆金属11Bの厚さを厚くすると、第一線材11の作製時にピンホールが発生する頻度は低下する。しかしながら、より多くの被覆金属11を必要とするため、例えば高価なTi等を用いた場合では、コストアップにつながる。また、被覆金属11Bは、銅線11Aよりも導電率が低いため、この被覆金属11Bが厚いと光電変換素子の導電率が低下し、結果として光電変換効率が低下してしまう。
したがって、被覆金属11Bの厚さは、伸線時にピンホールが発生しない範囲で、薄くするのが好ましい。そこで、最適な被覆金属11Bの厚さを決定するため、以下の実験を行なった。
被覆金属11BとしてTiを用い、線径φ0.05mm、φ0.2mm、φ0.5mmの第一線材11をそれぞれ作製した。この際、各線径の第一線材11のTi層の厚みを、それぞれ0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、3.0μmとした。
各第一線材11をボビンに巻いた後、濃硝酸中に投入し、一昼夜放置した。その後、濃硝酸中からボビンを取り出して、ボビンの洗浄、乾燥を行った。次いで、一定の張力(第一線材11の健全部の破断張力の1/2となる荷重)を加えて巻き返しを行なった。Ti層にピンホールが存在する箇所では、硝酸によって内部の銅(銅線11A)が溶けているため、破断張力が低下し、断線する。よって、巻き返しを行った際の断線頻度を記録することで、どの程度のピンホールが被覆金属11Bに存在しているかを調査できる。結果を、表1に示す。
表1から、ピンホール頻度は、Ti層(被覆金属11B)の厚みに大きく関与していることが確認された。また、Ti層の厚みが2μm以上となると、ピンホールが発生しなかった。Ti層の厚みが同等の場合、第一線材11を細径化すると、ピンホールの発生頻度が高くなった。これは、伸線加工の際に、第一線材11の長手方向に、Ti層の厚み分布が発生したため、より加工度の高い(荷重により負荷の生じ易い)細径の第一線材11ほど、その長手方向のピンホールの発生頻度が高くなったと考えられる。
よって、光電変換素子に適用できる第一線材11の条件として、Ti層(被覆金属11B)の厚さは、2μm以上が好ましいと考えられる。なお、被覆金属11Bとして他の金属(Ni、W、Rh、Mo)を用いた場合も同様である。
光電変換素子の場合、この光電変換素子で発電された電流が集電部に到着するまでの抵抗が高いと、電圧降下により電圧低下が生じる。その結果、光電変換素子の発電効率が悪くなってしまう。
チタン等の被覆金属11Bで銅線11Aが被覆された第一線材11の場合、第一線材11に焼結されたTiO等の多孔質酸化物半導体層12により発生された電流が、第一線材11の内部を通り、集電部に到着する。よって、第一線材11の抵抗が低いほど電圧降下が抑制され、太陽電池の性能は高くなる。一般に、このときの電圧降下は300mV以内であることが実用上望ましい。
ここで、光電変換効率に寄与する各種要因と、抵抗との関係について記載する。
(1)第一線材11の線径については、線径が小さくなると抵抗が高くなる。また、この線径が小さいと、第一電極10での受光面積が低下し、発電電流の絶対量が低くなる。
(2)第一線材11の長さは、短いと抵抗が低くなる。ゆえに、短い方が好ましい。
(3)チタン等の被覆金属11Bは、銅に比べると抵抗が高いため、被覆金属11Bの面積は少なくする必要がある。
すなわち、第一線材11の線径や長さ、導電率、発電電流密度により、電圧降下量は変動することになる。例えば、図2に示すように、第一電極10の上半部にのみ光が入射し、発電が行なわれる場合について考える。図2において、rが第一線材11の半径、lが第一線材11の長さ、dxが、第一線材11のx地点での幅を示している。この場合、幅dxで発生する電流量I(x)は、以下の式(1)で表される。
また、第一線材11の一端からx地点までの抵抗値R(x)は、以下の式(2)で表される。なお、ρは第一線材11の導電率を示している。
また、x地点から第一線材11の一端までの電圧降下量V(x)は、以下の式(3)で表される。
これらの式(1)〜式(3)を用いると、第一線材11全体の電圧降下量は、以下の式(4)で表される。
これらの式(1)〜式(4)を用いて、第一線材11全体の電圧降下量Vが300mV以下となるように、発電電流密度、線材の長さ、線径、導電率を調整する。
例えば、第一線材11の線径が200μm、長さが4m、発電電流密度が10mA/cmの場合、導電率は67%以上にする必要がある。この値を達成するためには、第一線材11の銅の面積比率が、被覆金属11Bに対して65%以上となるように、被覆金属11Bを銅線11Aに形成する必要がある。
このように、被覆金属11Bは、第一線材11の長さや線径に応じ、電圧降下が300mV以下となるように、銅と被覆金属11Bとの面積比率を適宜調整するのが好ましい。
次に、第一線材11の製造方法の一例を、例えば被覆金属11BをTiとした場合について説明する。まずTiを押出成型等によってパイプ状に形成し、Ti製パイプを作製する。また、銅を押出成型等によって線状に形成し、銅線を作製する。そして、これらTiパイプと銅線とを同時に走行させつつ、Ti製パイプの内部に銅線を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆銅線を得る。以上で、第一線材11(Ti被覆銅線)が得られる。
次に、この第一線材11を第一電極10とするには、Ti被覆銅線をTiOペースト中に侵漬した後、引き上げ、乾燥を行なう。この工程を合計3回繰り返して、TiOペーストをTi被覆銅線の表面に塗布する。その後、さらにTi被覆銅線の表面にTiO微粉末を付着させ、電気炉にて500℃で1時間焼結する。これにより、多孔質TiO膜付きTi被覆銅線が得られる。次に、この多孔質TiO膜付きTi被覆銅線に増感色素を担持させる。以上で、第一電極10が作製される。なお、被覆金属11BとしてTiを用いた場合を説明したが、Ni、W、Rh、Moを用いた場合も同様である。
多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の周囲に設けられており、その表面の少なくとも一部に増感色素が担持されている。
多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の外周の一部のみを覆うものであってもよいが、光収集能力の低下、逆電子移動反応の促進等があるため、第一線材11の外周を完全に覆うことが好ましい。
多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層12を形成する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液に、必要に応じて所望の添加剤を添加する。その後、浸漬、塗布、押し出し等の方法により前記第一線材11の外周にこの溶液を配した後、焼成することにより、第一線材11の外周に多孔質酸化物半導体層12が形成される。
このような多孔質酸化物半導体層12の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜50μmが好ましい。
増感色素としては、N3、ブラックダイなどのルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
第二電極20は、線状をなし、例えば白金(Pt)、Pt被覆したTi線及びTi複合線、カーボン、カーボン被覆したTi線及びTi複合線、または導電性高分子等から構成される。
また、導電性を有し、かつ、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材をPtで被覆したものや、前記線状基材をカーボンや導電性高分子で被覆したものも第二電極20として用いられる。このような第二電極20では、電解質との電荷の授受が速やかに進行する。
この線状基材としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moなどの不活性金属、あるいは炭素繊維などが挙げられる。
第二電極20として、板状のものを用いてもよい。この場合、板状の第二電極20の外周に、例えば網状のナイロン繊維等のセパレータを介して、増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層を有する第一電極10を巻きつけることで、光電変換素子が作製される(図10参照)。
上記カーボンとしては、具体的には、例えば、グラファイト化(結晶化)カーボン、非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバなどが挙げられる。あるいは、カーボンブラックなどの粒子をペースト化し、線状基材やTi線等に塗布してもよい。このようなカーボンを使用する場合には、加熱、焼成処理などにより、不要な吸着物を除去して用いた方が、ヨウ素レドックス対の電極反応が円滑に進むようになるので好ましい。
また、第二電極20の材料を構成する導電性高分子としては、例えば、PEDOT[Poly(3,4-ethylenedioxythiophene):「ポリエチレンジオキシチオフェン」]誘導体や、PANI[Polyaniline]誘導体などが挙げられる。
本実施形態のように、第一電極10と第二電極20との双方が線状をなす場合、第二電極20の直径は、第一電極10の直径の1/4以下であることが好ましい。これにより、複数の第一電極10を隙間なく配置し、その間隙に第二電極20を設けることができる。
しかし、第二電極20が細くなると抵抗が増加するため、より太い方が好ましい。よって、第二電極20の直径は、第一電極10の直径の1/4程度とすることが好ましい。
また、図4に示すように、第一線材11は、素子の外部へと引き出されていることが好ましい。これにより、発電した電気を容易に外部へと取り出すことが可能である。
電解質17は、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させてなるもの;多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層12と一体に形成されたもの;イオン液体をベースとしたもの;あるいは、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質;などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
また、揮発性電解質溶液に代えて、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、溶媒がイオン液体であるものやゲル化したものだけではなく、p型無機半導体や有機ホール輸送層といった固体であっても制限なく使用可能である。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFS0 ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンや、ヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の半導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。酸化物半導体粒子の平均粒径は、2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
透明基材18としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、無アルカリガラス基板、その他のガラス基板、樹脂基板、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。透明基材18は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材18としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、光透過率が85%以上の基板がより好ましい。
スペーサー19としては、透明基材18に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)の他に、UV硬化可能な材料[例えば、31X-101(スリーボンド社製)]などが挙げられる。
本実施形態の光電変換素子1では、導電性基板を必要としない、従来とは全く異なる光電変換素子1の構造である。
導電性は耐食性の良い例えば金属線(第一線材11)に担わせ、電解質17を封止するために、透明だが導電性を持たない透明基材18を用いた。そのため、従来の電極のようにガラス基板や、透明導電膜を用いないため、安価に電極(第一電極や第二電極)を製造できる。また、第一線材11の中心線として、高耐食性、高導電率、かつ低コストな銅線を用い、この中心線がTi等で被覆された金属複合線(第一線材)を用いることにより、この金属複合線の耐食性を高めておきながら導電率を高く保持することができ、かつそのコストを低く抑えることもできる。
また、線状をなす第一電極10の外周面が受光面となる(例えば図4参照)ため、照射光に対する投影面積を増大することができ、かつ光入射角度依存性が少なくなる。
また、本実施形態の光電変換素子1によれば、第二電極20も線状にし、第一電極10間の間隙部にこの第二電極20を配することにより、光電変換素子1内のスペースをより有効に利用できる。この結果、さらに薄型の光電変換素子が得られる。
また、本実施形態の光電変換素子1によれば、入光側のガラス板(透明基板)と発電部(多孔質酸化物半導体層)表面との距離を短くできることから、発電量の向上が期待できる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態に係る光電変換素子1を、図5に基づいて説明する。
図5は、本実施形態に係る光電変換素子1B(1)を示す断面図である。本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
第二実施形態の光電変換素子1B(1)では、第二電極20が第一電極10の上下に配されており(一対の透明基材18,18上に配されており)、この点以外は第一実施形態とほぼ同様である。
本実施形態のように第二電極20を第一電極10の上下に配することで、第一電極10と第二電極20との間で距離の離れている部分を少なくできる。ゆえに、光電変換効率の向上が図れる。鉛直方向からの光入射に対しては、対極として機能する第二電極20の数を増やしても、光電変換効率の低下は殆ど生じない。
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態に係る光電変換素子1を、図6に基づいて説明する。
図6は、本実施形態に係る光電変換素子1C(1)を示す断面図である。本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
第三実施形態の光電変換素子1C(1)では、第一電極10とほぼ同様の径を有する第二電極20が、第一電極10の左右交互に配されており、この点以外は第一実施形態とほぼ同様である。
本実施形態のように第一電極10とほぼ同様の径を有する第二電極20を、第一電極10の左右交互に配することで、得られる光電変換素子1Cが線状となり、この光電変換素子1Cを多様な部位に容易に配置できる。
図8A及び図8Bに示すように、第一電極10及び第二電極(不図示)の形状を、平角線、3角形以上の多角線形などの異形線とすることも可能である。
以下の実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されるものではない。
<実施例1>
まず、直径1.0mmのTi被覆銅線(第一線材)を、上述した方法で作製した。次に、このTi被覆銅線をTiOペースト(Solaronix社製、Ti Nanoxide-T)に浸漬し、その後引き上げ、乾燥を行なった。この工程を合計3回行なって、Ti被覆銅線の表面にTiOペーストを塗布した後、電気炉で500℃、1時間焼結して、TiO膜付きTiワイヤを作製した。TiOの塗布範囲は長さ5cmとし、TiO膜の厚さはおよそ6μmであった。
次に、アセトニトリルとtert−ブタノールとが1:1で混合した混合溶液にルテニウム色素(Solaronix社製、Ruthenium535-BisTBA、一般にはN719と呼ばれる)を溶解して、0.3mMのルテニウム色素溶液を作製した。そして、このルテニウム色素溶液に上記TiO膜付きTiワイヤを浸漬し、室温にて24時間放置して、TiO表面にルテニウム色素を担持させた。次いで、このルテニウム色素溶液からTiO膜付きTiワイヤを引き上げた後、上記混合溶液で洗浄し、これを作用極(第一電極)とした。この作用極を、同様な工程で5本作製した。
対極として直径0.08mmのPtワイヤ6本を用意し、これら6本の対極と、5本の上記作用極とを交互に無アルカリガラス基板上に並べた。次いで、厚さ1.0mmのPETフィルムをスペーサーとして上記無アルカリガラス基板の周縁部に配置し、これらを、メトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質に浸した。次いで、スペーサーを介して無アルカリガラスを上面に被せて、図3に示す実施例1の光電変換素子を作製した。
本実施例については、金属ワイヤ(作用極及び対極)を特に制御することなく並べたものであるので、セルの受光面積は、ワイヤ間の隙間が占める面積も含めて、およそ5cm×0.15cm=0.75cm程度である。作用極の受光面積(アクティブエリア)は、色素担持TiO膜付きTiワイヤの投影面積なので、5cm×0.0212cm×5本=0.53cmとすることが可能であり、短絡電流密度の見積もりに1.5倍程度の誤差を含む。
上記のようにして作製された実施例1の光電変換素子に、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)を用いて光を照射し、電流電位曲線を測定した。その結果を、図9に示す。
図9より、Jsc=2.4mA/cm、VOC=730mV、ff=0.71であり、光電変換効率は、1.25%を示した。
<実施例2>
直径0.2mmまで伸線したTi被覆銅線(第一線材)を、8m用意した。この際、チタンに対する銅の面積率を40%(チタンの面積率は60%)とした。次に、このTi被覆銅線を、TiOペースト(Solaronix社製、Ti Nanoxide-T)に浸漬し、その後引き上げ、乾燥を行なった。この工程を合計3回行なってTi被覆銅線の表面にTiOペーストを塗布した後、500℃の電気炉にて、1時間焼結して、多孔質TiO膜付きTiワイヤを得た。TiOの膜厚は、およそ6μmであった。
次に、アセトニトリルとtert−ブタノールとが1:1で混合した混合溶液にルテニウム色素(Solaronix社製、Ruthenium535-BisTBA)を溶解して、0.3mMのルテニウム色素溶液を作製した。そして、このルテニウム色素溶液に上記TiO膜付きTiワイヤを浸漬し、室温にて24時間放置して、TiO表面にルテニウム色素を担持させた。次いで、このルテニウム色素溶液からTiO膜付きTiワイヤを引き上げた後、上記混合溶液で洗浄し、これを作用極(第一電極)とした。
対極(第二電極)として、プラチナが200nmの厚さでスパッタされた10cm×10cmのTi板(厚さ1mm)を用意した。そして、図10に示すように、第一電極を第二電極に巻きつけた。この際、第一電極と第二電極とが直接接触すると短絡し、光電変換素子として機能しなくなる。そこで、第二電極の周囲には、厚さ16μmの網状のナイロン繊維を配置し、このナイロン繊維を介して、第一電極を第二電極に巻きつけた。
次に、この第一電極と第二電極とをメトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質(電解液)に浸し、実施例2の光電変換素子とした。なお、電解液を保持するケースとしては、透光性を有し、電解液に耐えられる材料であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンナフタレートやガラスを組み合わせて箱状に形成すればよい。
なお、本実施例では、巻きつけた第一電極の両端から集電を行なっているので、電圧降下が起きる第一電極の長さは、全長の半分を考慮すればよい。つまり、電圧降下量Vの計算には、全長8mの半分の4mを用いた。電圧降下量の計算には、発電電流密度として、10mA/cmを用いた。
上記のようにして作製した実施例2の光電変換素子に、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)を用いて光を照射し、電流電位曲線を測定した。その結果を、表2に示す。また表2には、上記式(4)で求めた本実施例の電圧降下量も示す。
<実施例3>
実施例2のTi被覆銅線(第一線材)に関し、チタンに対する銅の面積率を80%(チタンの面積率は20%)としたこと以外は、実施例2と同様にして作製し、これを実施例3の光電変換素子とした。
実施例3の光電変換素子に、実施例2と同様にソーラーシミュレータを用いて光を照射し、電流電位曲線を測定した。その結果を、表2に示す。また表2には、上記式(4)で求めた本実施例の電圧降下量も示す。
<比較例>
実施例2のTi被覆銅線(第一線材)に変わり、純チタン線を用いたこと以外は実施例2と同様に作製し、これを比較例1の光電変換素子とした。そして、比較例1の光電変換素子に、実施例2と同様にソーラーシミュレータを用いて光を照射し、電流電位曲線を測定した。その結果を、表2に示す。また表2には、上記式(4)で求めた比較例の電圧降下量も示す。
表2や実施例1のソーラーシミュレータの結果から、純チタン線の変わりに、被覆金属(チタン)で銅線が被覆された第一線材(Ti被覆銅線)を用いることで、光電変換効率が向上するのが確認された。また、実施例2,3の結果から、被覆金属(チタン)の面積率を下げて(銅線の面積率を上げて)、電圧降下量を300mV以下とすることで、更に光電変換効率の向上が図れ、高性能な光電変換素子が得られことが確認された。
1(1A,1B,1C) 光電変換素子
10 第一電極
11 第一線材
11A 銅線
11B 被覆金属
12 多孔質酸化物半導体層
20 第二電極
17 電解質
18 透明基材
19 封止材

Claims (4)

  1. 線状をなす第一電極と、第二電極と、電解質と、を有する光電変換素子であって、
    前記第一電極と前記第二電極とが前記電解質を介して配置され、
    前記第一電極は、銅線及びこの銅線を被覆する被覆金属からなる第一線材と、この第一線材の外周に配され、色素が担持された多孔質酸化物半導体層と、からなり、
    前記第一線材の電圧降下量が300mV以下であり、
    前記銅線の前記被覆金属に対する面積比率が、前記電圧降下量が300mV以下となるような面積比率で、前記銅線が前記被覆金属に被覆されてい
    ことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記被覆金属が、チタン、ニッケル、タングステン、ロジウム、モリブデンから選ばれたいずれか一の金属からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記被覆金属の膜厚が2μm以上である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 線状をなす第一電極と、第二電極と、電解質と、を有する光電変換素子であって、
    前記第一電極と前記第二電極とが前記電解質を介して配置され、
    前記第一電極は、銅線及びこの銅線を被覆する被覆金属からなる第一線材と、この第一線材の外周に配され、色素が担持された多孔質酸化物半導体層と、からなり、
    前記第二電極が線状をなし、前記第一電極と前記第二電極とが交互に配置されている
    ことを特徴とする光電変換素子。
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