JP2011060661A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、発電電極と対極を織物状として1枚の織物構造とすることで、フレキシブル性が高く、大幅な低価格化を実現可能な光電変換素子の提供を1つの目的とする。
【解決手段】本発明は、別体をなす第1の電極導体1と第2の電極導体2とが、少なくとも1つずつ、電解質を介し配置されてなる光電変換素子であって、前記第1の電極導体1と第2の電極導体2がいずれも線状とされ、前記第1の電極導体1の外周に色素を担持した多孔質酸化物半導体層が形成されて発電極とされ、前記第2の電極導体2が対極とされるとともに、前記第1の電極導体1と第2の電極導体2が絶縁体を介し間隔をあけて編み込まれてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン系の従来型の太陽電池に比べて大幅な低価格化が可能とされている色素増感型太陽電池などの光電変換素子に関する。
シリコン系の従来型の太陽電池に比べて大幅な低価格化が可能とされ、実用化が待たれている色素増感型太陽電池において、価格低減の阻害となっているのは、導電性基板の価格である。しかし、従来構造の色素増感型太陽電池では、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板上に、スズドープ酸化インジウムやフッ素ドープ酸化スズといった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。従って、このような透明導電性基板を用いていない、全く新しい構造の色素増感型太陽電池が実現するならば、太陽電池の大幅な低価格化が可能であるとして研究開発が進められている。
これまでの一般的な色素増感型太陽電池は、平板、積層型の構造体が大半であり、その多くは、透明導電性基板上に順次各種の機能材料を積層したような構造とされている。(非特許文献1、2、3参照、特許文献1参照)また、例えば、基材の一面に透明導電膜を備えた窓極を備え、対極として色素を担持した多孔質酸化物半導体層を備え、これらの間に電解質層を備えた構造の色素増感太陽電池が知られている(特許文献2参照)。
一方、透明導電性基板以外に、金属板や箔を電極に用いる構造の色素増感型太陽電池が知られているが、これらの色素増感型太陽電池においても作用極、対極のいずれか一方のみが金属板や箔の電極であり、光入射面には必ず透明導電性基板が用いられている。(特許文献2、3、4参照)
更に、他の構造の色素増感型太陽電池として、電極の面が2面あるいはそれ以上の複数の面を持つ構造(特許文献3、4参照)、一部金属線や金属線の網状構造を電極線として用いた構造(特許文献5、6、7、8参照)、棒状対極に金属線電極を巻き付け、その周囲に電解質を設けた構造(特許文献9参照)などが知られている。
特開2003−077550号公報 特開2007−012448号公報 特開2007−172916号公報 特開2007−172917号公報 特開2008−181690号公報 特開2008−181691号公報 特開2005−196982号公報 特表2005−516370号公報 特開2008−108508号公報
O’Regan B.、Graetzel M.、Alow cost、high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal Tio2 films、 Nature、1991年、353号、737〜739ページ 日本国特許庁:標準技術集、:「色素増感太陽電池」 日本国特許庁:特許出願技術動向調査:平成17年度「色素増感太陽電池」
色素増感型太陽電池については前述した如く種々の構造が提案されているが、いずれの構造の色素増感型太陽電池においても光入射面には必ず透明導電性基板が用いられているので、低価格化には限界があった。
また、透明導電性基板に他の基板や層を積層した構造の色素増感型太陽電池にあっては、基板に撓曲性を付与することが難しく、フレキシブル性に優れた色素増感太陽電池を得ることが難しかった。なお、一部金属線や金属線の網状構造を電極線として用いた構造、あるいは、棒状対極に金属線電極を巻き付け、その周囲に電解質を設けた構造の色素増感型太陽電池においても、棒状対極と金属線電極の周囲に電解質を設けているので、小型化には限界があり、フレキシブル性に関し配慮された構造ではない。
本発明は、上述の実情に鑑み創案されたものであり、発電電極と対極を織物状として1枚の織物構造とすることで、フレキシブル性が高く、大幅な低価格化を実現可能な光電変換素子の提供を1つの目的とする。
上記の課題を解決するため本発明は、別体をなす第1の電極導体と第2の電極導体とが、少なくとも1つずつ、電解質を介し配置されてなる光電変換素子であって、前記第1の電極導体と第2の電極導体がいずれも線状とされ、前記第1の電極導体の外周に色素を担持した多孔質酸化物半導体層が形成されて発電極とされ、前記第2の電極導体が対極とされるとともに、前記第1の電極導体と第2の電極導体が絶縁体を介し間隔をあけて編み込まれてなることを特徴とする。
本発明において、前記第1の電極導体と第2の電極導体とを編み込み形成した編み込み構造部において、第1の電極導体と第2の電極導体がセパレート用線材を介し相互絶縁された状態に編み込まれ、編み込み構造部において、これら第1の電極導体と第2の電極導体とが電解質を介し配置されてなることを特徴とする構成でも良い。
本発明において、前記第1の電極導体のうち、長さ方向の少なくとも一部が編み込み構造部とされて電解質の内部に収容され、他の部分が電解質の外部に出されて集電部とされ、前記第2の電極導体のうち、長さ方向の少なくとも一部が編み込み構造部とされて電解質の内部に収容され、他の部分が電解質の外部に出されて集電部とされてなることを特徴とする構成でも良い。
本発明において、前記第1の電極導体の少なくとも一部と前記第2の電極導体の少なくとも一部が電解質の外部に延出されて第1の電極導体の一部が第1の集電部に、第2の電極導体の一部が第2の集電部とされてなることを特徴とする構成でも良い。
本発明において、前記第1の集電部と第2の集電部の少なくとも一方が、第1の集電部においては第1の電極導体を集電用導体により編み込みしてなる編み込み構造に、第2の集電部においては第2の電極導体を集電用導体により編み込みしてなる編み込み構造にされてなることを特徴とする構成でも良い。
本発明において、前記第1の電極導体と第2の電極導体と絶縁体からなる編み込み構造部が、対になるフィルムに挟まれて配置され、これらのフィルム間に電解質が収容されて該電解質に前記編み込み構造部が接触されてなることを特徴とする構造でも良い。
本発明では、第1の電極と第2の電極を電解質を介し配置してなる光電変換素子であり、外周に色素を担持した多孔質酸化物半導体層を形成した第1の電極を発電極とし、これに対し第2の電極を対極として絶縁体を介し編み込み構造としたので、編み込み構造とした第1の電極と第2の電極とにより光電変換効果を得ることができる。また、第1の電極と第2の電極を編み込み構造とすることにより、光電変換素子としてフレキシブル性を付与することができる。また、編み込み構造を採用することで薄型化を実現できる。
第1の電極と第2の電極を絶縁体で絶縁しているので、編み込み構造としてフレキシブル性を付与しても第1の電極と第2の電極を短絡させることがなく、光電変換素子として確実な動作を確保することができる。
第1の電極と第2の電極の少なくとも一部を編み込み構造部として電解質の内部に収容し、他の部分を電解質の外部に出して集電部として構成するならば、発電部分と集電部分を別体として個別に作り込むことができ、構造の自由度が向上する。
また、編み込み構造部に電解質を設ける場合、電解質を収容する部分に透明導電性基材を配置する必要が無くなり、透光性のみを有するフィルムを適用可能となるので、その場合に大幅な価格低減をなし得る。
図1は本発明に係る第1実施形態の光電変換素子の全体構造を示す平面図。 図2は同光電変換素子の部分構造を示す平面図。 図3は同光電変換素子の部分断面図。 図4は同光電変換素子に適用される第1の電極導体の一例の断面図。
以下に本発明に係る光電変換素子の一実施形態について説明するが、本発明が以下に説明する実施形態に制限されるものではないことは勿論である。
図1は、本発明に係る光電変換素子(色素増感型太陽電池モジュール)の全体構造を示す構成図、図2は同光電変換素子の部分構造を示す構成図である。
図1に示す如く本実施形態の光電変換素子(色素増感型太陽電池モジュール)Aは、発電極を構成する線状の第1の電極導体1と、対極を構成する線状の第2の電極導体2と、これらとともに編み組みされた第1のセパレート用線材3及び第2のセパレート用線材4を有し、前記電極1、2及びセパレート用線材(絶縁体)3、4からなる編み込み構造部5と、この編み込み構造部5を覆って設けられた電解質部6と、この電解質部6の側部に設けられた第1の集電部7、第2の集電部8を主体として構成されている。
この実施形態の光電変換素子Aにおいて、第1の電極導体1はその一部分を蛇行状の往復折曲形状に形成した集合部10と、この集合部10から間欠的に側方に所定の長さU字状に突出するように形成した複数の発電用導体部11とを構成するような折曲形状に形成されている。なお、図1と図2に示す実施形態の発電用導体部11において、編み込み構造部5の端部側の第1の電極導体1は完全なU字状ではなく、その先端1aをU字の途中で止めた形状とされているが、先端1aの位置は特に規定されるものではなく、先端1aはそのまま延長して集合部10まで戻るように形成しても差し支えない。この実施形態では左右に位置する集電部7、8の縦幅を揃えるために、一例として電解質部6の端部に位置した第1の電極導体1の端部1aを単に途中で止めた構造としている。また、電解質部6の内部に設ける発電用導体部11の個数も必要とする光電変換素子Aの大きさに応じて必要個数設けることができる。
本実施形態においては、図1に示す集合部10において蛇行状に配置されている第1の電極導体1において横向きの部分に対し、それらとほぼ直交する方向に複数本の集電用導体12を各第1の電極導体1と1本おきに表裏交互に交差するように平織りしてなる編み込み構造部からなる集電部7が構成されている。
本実施形態の光電変換素子Aにおいて、第2の電極導体2も先の第1の電極導体1と類似の形状にされている。即ち、第2の電極導体2は、その一部分を蛇行状の往復折曲形状に形成した集合部15と、この集合部15から間欠的に側方に所定の長さU字型に突出するように形成した複数の発電用導体部16とを構成するような折曲形状に形成されている。そして、第2の電極導体2が構成するU字状の発電用導体部16は、平面視、先の第1の電極導体1が構成する複数の発電用導体部11の間に位置するように延出形成されている。
更に、前記集合部15において蛇行状に配置されている第2の電極導体2において横向きの部分に対し、それらとほぼ直交する方向に複数本の集電用導体17を各第2の電極導体2と1本おきに表裏交互に交差するように平織りしてなる編み込み構造部からなる集電部8が構成されている。
次に、第1の電極導体1からなるU字状の発電用導体部11と、第2の電極導体2からなるU字状の発電用導体部16とが交互に配置された部分には、セパレート用線材3が発電用導体部11と発電用導体部16との間に沿って蛇行状態で配置され、更に、それぞれ蛇行状態に配置されているセパレート用線材3と発電用導体部11と発電用導体部16における横向きの部分に対して直交するように複数本のセパレート用線材4をこれらの線材3や導体部11、16と1本おきに表裏交互に交差するように平織りして編み込み構造部5が構成されている。
次に、前記編み込み構造部5を上下両面から覆うように矩形状の2枚の対になる透光性の絶縁性のフィルム19が配置され、両フィルム19の周縁部分が接着などの接合手段により一体化されるとともに、両フィルム間に電解質18が収容され、発電部6が構成されている。先の構造の透光性のフィルム19は、導電性基板などである必要はなく、単なる透光性かつ絶縁性の樹脂のフィルムで良い。フィルムの構成材料としてPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンアフタレート)、ポリ4フッ化エチレン(登録商標:テフロン)などの樹脂フィルムを適用することができる。このような樹脂フィルムは極めて安価に得ることができ、従来のこの種の色素増感型太陽電池モジュールに使用されていた透明導電性基材に比較すると遙かに安価であるがために、大幅な低価格化を図ることができる。
本実施形態の光電変換素子1において、第1の電極導体1は、Ti、Ni、W、Rh、Moのいずれか、または、これらの合金からなるワイヤや、中空の線材などを例示することができる。また、導電性を有し、かつ、後述の電解質に対して電気化学的に不活性な物質からなる線状基材を、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moのいずれか、または、これらの合金で被覆したものを第1の電極導体1としても良い。
更に、第1の電極導体1として、Ti被覆金属線を用いることができる。Ti被覆金属線としてのTi被覆銅線の製造方法の一例を説明すると、まずTiを押出成型等によってパイプ状に形成すると共に、銅を押出成型等によって線状に形成し、これらTiパイプと銅線を同時に走行させつつTi製パイプの内部に銅線を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆銅線を得る。
以上のような、第1の電極導体1の太さ(直径)としては、特に限定されるものではないが、例えば、10μm〜5mm程度とすることができる。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、第1の電極導体1の太さは細い方が好ましい。
また、第1の電極導体1の断面形状は、丸形に限らず、平角型、多角型などの形状の異形線であっても良い。異形線を用いた場合は綿密に織り込むことができるので、端子の形成や端子の取り付けも容易となる。
前記第1の電極導体1の外周には図4に示す如く多孔質酸化物半導体層20が設けられている。この多孔質酸化物半導体層20は、第1の電極導体1を被覆するように設けられており、その表面には少なくとも一部に増感色素が担持されている。
なお、多孔質酸化物半導体層20は、第1の電極導体1の外周の一部のみを覆うものであってもよいが、光収集能力の低下、逆電子移動反応の促進などがあるため、第1の電極導体1の外周を完全に覆うことが好ましい。
多孔質酸化物半導体層20を形成する半導体としては特に限定されず、一般的な色素増感型太陽電池用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層20を第1の電極導体1の外周に形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液に、必要に応じて所望の添加剤を添加してから、浸漬、塗布、押し出しなどの方法により前記第1の電極導体1の外周に配した後、焼成することにより形成する手法が挙げられる。
このような多孔質酸化物半導体層20の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜50μmとすることができる。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
第2の電極導体2は、線状をなし、例えば白金(Pt)、カーボン、導電性高分子から構成される。また、導電性を有し、かつ、電解質に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材をPtで被覆したものや、上記線状基材をカーボンや導電性高分子で被覆したものも第2の電極導体2として用いることができる。このような第2の電極導体2では電解質との電荷の授受が速やかに進行する。
このような線状基材としては、具体的には、例えば、Ti、Ni、W、Rh、Moなどの不活性金属、あるいは炭素繊維などが挙げられる。また、先に説明したTi被覆銅線を用いても良い。
上記カーボンとしては、具体的には、例えば、グラファイト化(結晶化)カーボンあるいは非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子をペースト化し、塗布してもよい。このようなカーボンを使用する場合には、加熱、焼成処理などにより不要吸着物を除去して用いたほうが、ヨウ素レドックス対の電極反応が円滑に進むようになるので好ましい。
また、第2の電極導体2の材料を構成する導電性高分子としては、例えば、PEDOT[Poly(3,4-ethylenedioxythiophene):「ポリエチレンジオキシチオフェン」]誘導体や、PANI[Polyaniline]誘導体などが挙げられる。
前記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、後述する電解質のイオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の半導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nmとすることができる。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
電解質層18は電解液あるいはゲル状電解質、イオン液体などを用いることができる。
電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン性液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFS0 ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
以上構成の光電変換素子Aは、集電部7、8に電気機器などを接続導体を介して接続した場合、透光性のフィルム19を介して太陽光などの光線を入射させると、編み込み構造部5に配置されている第1の電極導体1の外周の色素が光を吸収し、電子を放出するので、この電子が多孔質酸化物半導体層20に移動し、第1の電極導体1を通って集電部7に移動するとともに、集電部7に接続されている電気機器の接続導体を介して集電部8に回り、編み込み構造部5に配置されている第2の電極導体2を介して電解質18のイオンを還元し、この還元されたイオンが色素上で再び酸化される、という光電変換現象を繰り返して電気が流れ、光電変換素子として利用することができる。
この実施形態の光電変換素子Aにあっては、発電の主体となる構造部分が編み込み構造部5とフィルム19、19と電解質18からなるので、フレキシブル性に優れる。また、この実施形態の光電変換素子Aは、集電部7、8も編み込み構造とされているので、集電部7、8においてもフレキシブル性に優れる。従って、本実施形態の光電変換素子Aは全体がフレキシブル性に優れる。また、この実施形態の光電変換素子Aはほぼ全体が編み込み構造であるので、薄型化できる構造となっている。
また、編み込み構造部5において、第1の電極導体1と第2の電極導体2はそれらの間に絶縁性のセパレート用線材3を介在させ、これらに対して絶縁性のセパレート用線材4も含めて編み込み構造とされているので、第1の電極導体1と第2の電極導体2は確実に相互絶縁されるので、発電極となる第1の電極導体1と対極となる第2の電極導体2の短絡を防止できる特長を有する。特に、編み込み構造部5がフレキシブル性を有し、変形した場合であっても、第1の電極導体1と対極となる第2の電極導体2の短絡を確実に防止することができる。
ところで、図1と図2に示す光電変換素子Aの構造にあっては、第1の電極導体1と第2の電極導体2とセパレート用線材3、4を平織り状に折り込んだ構造としたが、折り方は平織りに限らず、第1の電極導体1と第2の電極導体2とが短絡しないようなフレキシブル性を付与できる織り方であれば形状は問わない。
図1に示す構造の光電変換素子を作製した。直径0.25mmのTi線をTiOペースト(触媒化成工業(株)製PST−21NR)中に浸漬した後に引き上げ、仮乾燥し、電気炉中にて500℃×1時間の条件で焼結し、多孔質TiO膜付きのTiワイヤ(第1の電極導体)を得た。このTiワイヤの多孔質TiO膜の膜厚は約15μmであった。この第1の電極導体をルテニウム色素(N719)0.3mM、アセトニトリル/Tert-ブタノール=1:1溶液に浸漬し、多孔質TiO膜に色素を担持させてこれを作用極として用いた。
対極として三元RFスパッタ装置を用いて同じく直径0.25mmのTi線上に白金を蒸着したもの(第2の電極導体)を用いた。絶縁用のセパレート用線材としては、直径0.25mmに撚り合わせたポリエステル線材を用いた。また、集電用の線材には直径0.25mmのCu線を用いた。
上記の第1の電極導体と第2の電極導体と、セパレート用線材と集電用の線材を用いて図1の構造の折り込み構造を作製し、1枚の織物とした。
更にこの織物の一部を2枚のPETフィルムでラミネートし、2枚のPETフィルムの周縁部分を注入口を残して接着し、注入口からメトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質を注入し、注入口はUV接着剤にて封止した。
発電部の折り込み構造部のサイズは、50×50mm、この範囲に第1の電極導体をU字状に折り曲げた部分を60本、第2の電極導体を60本配置した構造としてある。
以上構成の光電変換素子をソーラーシュミレータ(AM1.5、100mW/cm)にて光を照射し、電流電位曲線を測定したところ、変換効率は1.1%であることが判明した。
また、この光電変換素子を折り曲げてみた所、変換効率は変動することなく、一定値を維持した。
以上のことから、フレキシブル性に富む、光電変換効率の良好な光電変換素子を提供できることが判明した。
A…光電変換素子(色素増感型太陽モジュール)、1…第1の電極導体、2…第2の電極導体、3、4…セパレート用線材(絶縁体)、5…編み込み構造部、6…電解質部、7…第1の集電部、8…第2の集電部、10、15…集合部、11、16…発電用導体部、12、17…集電用導体、18…電解質、19…フィルム、20…多孔質酸化物半導体層。

Claims (5)

  1. 別体をなす第1の電極導体と第2の電極導体とが、少なくとも1つずつ、電解質を介し配置されてなる光電変換素子であって、
    前記第1の電極導体と第2の電極導体がいずれも線状とされ、前記第1の電極導体の外周に色素を担持した多孔質酸化物半導体層が形成されて発電極とされ、前記第2の電極導体が対極とされるとともに、前記第1の電極導体と第2の電極導体が絶縁体を介し間隔をあけて編み込まれてなることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第1の電極導体と第2の電極導体とが編み込まれて形成された編み込み構造部において、第1の電極導体と第2の電極導体がセパレート用線材を介し相互絶縁された状態に編み込まれ、編み込み構造部において、これら第1の電極導体と第2の電極導体とが電解質を介し配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第1の電極導体のうち、長さ方向の少なくとも一部が編み込み構造部とされて電解質に接触され、他の部分が電解質の外部に出されて第1の集電部とされ、前記第2の電極導体のうち、長さ方向の少なくとも一部が編み込み構造部とされて電解質に接触され、他の部分が電解質の外部に出されて第2の集電部とされてなることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第1の集電部と第2の集電部の少なくとも一方が、第1の集電部においては第1の電極導体を集電用導体により編み込みしてなる編み込み構造に、第2の集電部においては第2の電極導体を集電用導体により編み込みしてなる編み込み構造にされてなることを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 前記第1の電極導体と第2の電極導体と絶縁体からなる編み込み構造部が、対になるフィルムに挟まれて配置され、これらのフィルム間に電解質が収容されて該電解質に前記編み込み構造部が接触されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
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