JP5604090B2 - 色素増感型光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感太陽電池などに用いられる光電変換素子に関する。より詳しくは、発電極を構成する作用極として、線状の基材が網目状に編まれてなるテキスタイル構造の電極を用いた光電変換素子において、発電極の集電部の短絡を防止する構造を備えた色素増感型光電変換素子に関する。
色素増感太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(例えば、非特許文献1を参照)。
色素増感太陽電池は、シリコン系の従来型の太陽電池と比較して大幅な低価格化が可能とされているが、発電部に使用される導電性基板の価格が低価格化の障害となっている。従来構造の色素増感太陽電池においては、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透過性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基板上にスズドープ酸化インジウムやフッ素ドープ酸化スズといった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。したがって、このような透明導電性基板を用いていない、全く新しい構造の色素増感太陽電池が実現するならば、太陽電池の大幅な低価格化が可能であるとして研究開発が進められている。
従来の色素増感太陽電池は、平板型、あるいは積層型のものが大半であり、その多くは、透明導電性基板上に順次、各機能材料を積み上げるような形状を有している。例えば特許文献1には、円筒型の透明セルの内部に、各機能材料を積層した構成の色素増感太陽電池が開示されている。
また、金属線を発電部の作用極に用いる新規な素子構造が提案されている(特許文献2〜4参照)。しかし、これらの構造においては、作用極に金属線を採用したがゆえに、大面積の太陽電池モジュールの構成が困難となり、本来、色素増感太陽電池が有する、大面積化が容易であるという利点を損なう結果となった。そのため、上記の利点を損なうことのない素子構造の開発が必要とされている。
大面積素子を可能とする構造として、特許文献5〜8に記載されたようなものがある。この構造は、例えば作用極をなす金属線を、複数の金属線が網目状に編まれてなるテキスタイル構造としたものであって、このような構造の作用極を用いることによって、大面積素子を構成するとともに、フレキシブルな構造の色素増感型光電変換素子の提供を可能とするものである。
図5にテキスタイル構造の作用極を備える構造の色素増感型光電変換素子の一例を示す。図5(a)は、その平面図であり、図5(b)は、図5(a)のH−H線に沿う断面図、図5(c)は、図5(a)のJ−J線に沿う断面図である。
この色素増感型光電変換素子101の発電極102は、テキスタイル構造の作用極103と金属板からなる対極104とから構成されている。作用極103は対極104と重ね合わされた上で、透明のフィルム105と対極104の周縁部を貼り合わせることによって形成された空間R内に封入されている。図5(b)に示すように、空間Rには、電解質も封入されている。
この構造においては、集電効率を向上させるために、作用極103を構成する第一金属線108及び/又は第二金属線109の全ての金属線を電極外部に引き出すことによって、集電部107とすることが好適であり、本例においても、第二金属線109の全てが集電部107として発電極102の外部に引き出される構成となっている。
特開2003−77550号公報 特開2005−196982号公報 特表2005−516370号公報 特開2008−108508号公報 特開2001−283944号公報 特開2001−283945号公報 特表2006−521700号公報 特表2006−523369号公報
O'Regan B., Graetzel M., Alow cost, high-efficiency solar cell based on dye-sensitized colloidal TiO2 films, Nature, 1991年, 353号, 737-739ページ
ところで、上述したような構造の色素増感型光電変換素子101の場合、電解質を封止するため、フィルム105の四辺に熱可塑性樹脂106を配置し、加熱することで対極104に直接貼り付けており、これにより発電極2の四辺に電解質を封入するための封止部Sを形成している。集電部107は、この封止部Sを貫通するように空間Rの内部から外部へ延在している。
しかしながら、この方法により封止部Sを形成する場合、封止部Sを形成する熱可塑性樹脂106の層の厚みが熱圧着の際に薄くなることによって、集電部107と対極104とが短絡し、太陽電池として機能しなくなることがあるという問題がある。
図5(c)を参照すると、封止部Sにおいて、集電部107と対極104とが接触し、短絡してしまっていることがわかる。この状態では、色素増感型光電変換素子101が正常に機能しないことは言うまでもない。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、複数の金属線が網目状に編まれてなるテキスタイル構造の作用極を有する色素増感型光電変換素子において、作用極の集電部と対極との短絡を防ぐ構造を有する光電変換素子を提供することにある。
本発明は、可視光の透過性を有する第一フィルムと、対極として機能する第二フィルムとを重ねて配し、かつ、その間に空間が設けられるように両者の周縁部が熱可塑性樹脂を介して熱圧着されてなる収容体、前記収容体の前記空間内に電解質ともに封入され、導電性を有する複数の線材が網目状に編まれてなる構造の作用極、及び、前記作用極と電気的に接続され、前記熱可塑性樹脂からなる封止部の内部を貫通して前記空間内から外部へ延在する集電部、を少なくとも備えた色素増感型光電変換素子であって、前記封止部において、前記集電部と前記第二フィルムとの間に、耐熱性樹脂からなる第三フィルムを配した色素増感型光電変換素子を提供する。前記第三フィルムは、前記封止部において、前記第一フィルム/前記集電部の間、および前記集電部/前記第二フィルムの間、のうち、前記集電部/前記第二フィルムの間のみに配されていることが好ましい。
前記封止部は、平面視矩形に形成され、前記第三フィルムは、前記封止部の4つの辺部のうち集電部が封止部の内部を貫通している辺部のみに形成されていることが好ましい。
本発明は、導電性を有する複数の線材が網目状に編まれてなる構造の作用極と、対極として機能する第四フィルムと、前記作用極と電気的に接続された集電部と、可視光の透過性を有する透過性フィルムからなる袋体とを少なくとも備え、前記袋体の開口部が熱可塑性樹脂を介して熱圧着されることによって、前記作用極及び前記第四フィルムが電解質とともに前記袋体中に封入され、前記対極の少なくとも一部及び前記集電部が、前記熱可塑性樹脂からなる封止部の内部を貫通して前記袋体の外部へ延在されてなる色素増感型光電変換素子であって、前記封止部において、前記第四フィルムと前記集電部との間に前記熱可塑性樹脂とともに耐熱性樹脂からなる第五フィルムを配置する色素増感型光電変換素子を提供する。
前記第五フィルムは、前記封止部において、前記透過性フィルム/前記集電部の間、および前記集電部/前記第四フィルムの間、のうち、前記集電部/前記第四フィルムの間のみに配置されていることが好ましい。
前記袋体は、平面視矩形に形成され、前記第五フィルムは、前記袋体の4つの辺部のうち集電部が封止部の内部を貫通している辺部のみに形成されていることが好ましい。
本発明の色素増感型光電変換素子は、封止部において集電部と対極として機能する第二フィルムとの間に、熱可塑性樹脂とともに耐熱性樹脂からなる第三フィルムを配置する構成とした。この構成によって、集電部と対極として機能する第二フィルムとの間の絶縁が確実となり、両極間の短絡を防止することができる。
本発明に係る第1の実施形態の概略構成図である 本発明に係る第1の実施形態の分解斜視図である。 本発明に係る第2の実施形態の概略構成図である。 本発明に係る第3の実施形態の概略構成図である。 テキスタイル構造の作用極を備える色素増感型光電変換素子の概略構成図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態の光電変換素子を示す概略構成図であり、図1(a)はその平面図である。図1(b)は、図1(a)のB−B線に沿う光電変換素子の発電部の断面図、図1(c)は、図1(a)のC−C線に沿う光電変換素子の封止部の断面図である。また、図2は、光電変換素子の分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の光電変換素子1は、発電極2を構成する作用極3が線状をなす複数の第一基材8(線材)および第二基材9(線材)を網目状に編み込んだテキスタイル構造である。
発電部2は、主として作用極3と板状の対極4(第二フィルム)と可視光の透過性を有する第一フィルム5とから構成されている。図2の分解斜視図に示すように、本実施形態の構成は、第一フィルム5と対極4とで、作用極3を挟み込む構成である。第一フィルム5は、板状の対極4と略同形状をなしており、その周縁部が対極4に貼り付けられている。この接着により、第一フィルム5と対極4とによって空間Rが形成されている。作用極3は、この空間Rの中に電解質11とともに封入されており、対極4と重ねられている。
第一フィルム5と対極4との接着は、熱可塑性樹脂6を第一フィルム5及び対極4の周縁部に配置し、両者を貼り合わせた上で熱圧着して行う。以下、熱可塑性樹脂6を用いて第一フィルム5と対極4を接着している部分を封止部Sと称する。
作用極3を構成する第一基材8及び第二基材9のうち一方(本実施形態では第二基材9)は、前記空間Rから封止部Sを貫通して延在することで集電部7となっており、集電端10に接続されている。集電部7として第二基材9を構成する線材の全てが引き出されることが好ましいが、発電極2において発生した電子を集電することができれば、本数は問わない。このように、発電部2において発生した電子は、集電部7を介して集電端10において集電される。
本発明の第1実施形態に係る光電変換素子1は、集電部7が空間Rの内部から、封止部Sを貫通する部分において、集電部7と対極4との間に、絶縁のための耐熱性樹脂からなる第三フィルム12を配置する。図1(c)は、封止部Sの断面図であり、集電部7と対極4との間に、第三フィルム12が配置され、その周囲に熱可塑性樹脂6がそれらの間を埋めるように配されていることがわかる。
耐熱性樹脂フィルム12は、図1(a)に最も明瞭に示されるように、全ての集電部7と対極4とを絶縁するのに十分な長さ(図1(a)の上下方向の長さ)を有する。また、封止部Sを構成する熱可塑性樹脂6の幅(図1(a)の左右方向の幅)よりも広い幅を有する。
以下、本発明の色素増感型光電変換素子1の構成要素について詳細を述べる。
第一基材8および第二基材9は直径50μmのTiからなるワイヤである。作用極3は、所定本数の第一基材8および第二基材9が互いに網目状に編まれてなる構造を有している。第一基材8と第二基材9とは、重複部において互いが十分接触するように編まれ、矩形をなすテキスタイル構造を有している。
第一基材8及び第二基材9としてはTiに限ることはなく、WやPtなど耐食性の高い金属およびそれらの合金も使用可能である。また、導電性を有し、かつ、電解質11に対して電気化学的に不活性な材質からなる線状基材を、例えば、Tiなどによって被覆したTi被覆金属線なども第一基材8及び第二基材9として用いることができる。
以下、Ti被覆金属線としてTi被覆Cu線の製造方法の一例を記す。
まず、Tiを押出成型等によってパイプ状に形成すると共に、Cuを押出成型等によって線状に形成し、これらTiパイプとCu線を同時に走行させつつTi製パイプの内部にCu線を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆Cu線を得る。
このような第一基材8の太さ(直径)は、例えば、10μm〜10mmとするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、第一基材8の太さは細いほどよい。
第一基材8および第二基材9のうち、テキスタイル構造をなす部分には、その表面に多孔質酸化物半導体層13が配されており、その表面には少なくとも一部に増感色素及び電解質11が担持されている。ただし、第二基材9のうち、集電部7には多孔質酸化物半導体層13が配されることはない
多孔質酸化物半導体層13を形成する半導体は、酸化チタン(TiO)である。この酸化チタンの膜厚は約5μmとしたが、特に限定されるものではなく、例えば、1μm〜50μmであってよい。
多孔質酸化物半導体層13を形成する半導体としては酸化チタンに限ることはなく、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)など様々な半導体電極が制限なく使用可能である。
増感色素としては、例えば、N719、N3、ブラックダイなどのルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニン等の有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
多孔質酸化物半導体層13内には、電解液が含浸されており、この電解液も前記電解質11の一部を構成している。この場合、多孔質酸化物半導体層13内の電解質11は、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層13内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層13と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
また、揮発性電解質溶液に代えて、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、溶媒がイオン液体であるものやゲル化したものだけではなく、p型無機半導体や有機ホール輸送層といった固体であっても制限なく使用可能である。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF ,PF ,(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質11の半導電性を低下させることがなく、電解質11に含まれる他の共存成分に対する科学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質11がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。
また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されるものではないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質11に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。
特に、電解質11がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
対極4(第二フィルム)は、導電性を有する板状をなし、その表面が不導態となるTi板から構成される。また、対極4は、作用極3と対面する表面にPtからなる触媒膜(不図示)を有している。
対極4の構成は、上述したようなPt被膜Ti板に限るものではなく、Pt板、またはPtを被膜した金属板であってよい。あるいは、カーボン板、またはカーボンを被膜した金属板であってよい。
また、作用極3と対極4との間に、作用極5と対極6との短絡を防止するためのセパレータを挿入してもよい。セパレータの材質は、ポリエチレンなどの非導電性の材料から形成されており、厚さは20μm以下であることが好ましいが、電解液に耐え、作用極3と対極4とを絶縁可能であれば、これらに限定はされない。
可視光の透過性を有する第一フィルム5は、PETを基板とする高ガスバリア透明フィルムにより形成されているが、PET基板の他に、ポリエチレンナフタレートやフッ素樹脂など、色素増感太陽電池に用いられる樹脂ならば際限なく使用可能である。
第一フィルム5と対極4とを接着するための熱可塑性樹脂6としては、極性基を有する樹脂や、極性基を導入した変性樹脂のフィルム、例えば、EMAAやアイオノマーなどの分子鎖中に極性基を有するエチレン系共重合体や、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンの酸変性物などを使用することができる。具体的には、ハイミラン、ニュクレル(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)、アドテックス(日本ポリエチレン社製)、プリマコール(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
耐熱性樹脂からなる第三フィルム12は、ポリイミドフィルムから形成されることが好ましい。ポリイミドフィルムの他には、アラミド樹脂やフッ素樹脂等、耐薬品性に優れた樹脂であれば、様々な材料を採用可能である。
集電端10は、集電部7の端部を電気的に接続させたものである。接続の方法としては、金属箔を重ね合わせた上で、抵抗溶接法により結合する方法が好ましい。ただし、結合の方法はこの方法に限ることはなく、複数の第二線材同士を撚り合わせた上で溶接する方法など、発電部2において発生した電子を確実に集電することが可能な方法であればよい。
一方、対極4の集電は、露出した部分からであれば、何れの場所からも集電が可能である。
なお、本実施形態においては、対極4と第一フィルム5の大きさと略同一の大きさとしたが、第一フィルム5と対極4とで作用極3を収容する空間Rを形成可能であれば異なる大きさとしてもよい。また、その形状に関しても、本実施形態のような矩形に限らず、円形や多角形のような形状でも実現可能である。
本実施形態は、上述したような構成をすることによって、集電部7と対極4との短絡を防止することができる。
また、第一フィルム5を金属板からなる対極4に直接貼り付けることで、第一フィルム5と対極4との間に空間Rを形成し、該空間Rに作用極3及び電解質11を封入する構造とした。この構成は、片側を金属板としたことでガスバリア性が向上した。
さらに、本実施形態の構造は、対極4の片側の面が露出される構造であるため、露出されている対極4の何れの箇所からも集電することができるため、対極4からの集電が容易である。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る光電変換素子の概略構成図であり、図3(a)は、その平面図である。図3(b)は、図3(a)のD−D線に沿う断面図であり、図3(c)は、図3(a)のE−E線に沿う断面図である。
第2実施形態は、第1実施形態と比較して、作用極3からの集電方法が異なる。第1実施形態が、作用極3を構成する第二基材9を空間Rの外部に延在させることで作用極3からの集電を行っていた。これに対し、第二実施形態においては、空間Rの内部において、作用極3に金属箔7aを抵抗溶接法を用いて結合させている。該金属箔7aが封止部Sを貫通することで、集電部として機能していることが、第2実施形態の特徴である。
つまり、第2実施形態の封止部Sは、図3(c)に示すように、集電用金属箔7aと対極4との間に耐熱性樹脂からなる第三フィルム12を配置している。封止部Sは、熱可塑性樹脂6を熱圧着することにより接着されている。
第2実施形態の光電変換素子1aは、金属箔7aを集電部とし、金属箔7aを熱可塑性樹脂接着剤6で封止する構造としたことによって、第1実施形態の構造と比較して、熱可塑性樹脂6と集電部(金属箔)7aとの界面がより滑らかとなるため、液密性がより向上する。
<第3実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係る光電変換素子の概略構成図であり、図4(a)は、その平面図である。図4(b)は、図4(a)のF−F線に沿う断面図、図4(c)は、図4(a)のG−G線に沿う断面図である。
第3実施形態は、樹脂製の可視光の透過性を有するフィルムからなる平面視矩形の袋状の袋体15の内部に、テキスタイル構造の作用極3と板状の対極4b(第四フィルム)とを重ね合わせた上で挿入した構造である。作用極3からは、第1実施形態と同様に、第二線材9が延在することで集電部7とされている。
対極4bに関しては、第1実施形態の対極4とは形状が異なる。本実施形態の対極4bは図4(a)に最もよく示されているように、袋体15の開口部15aを介して外部まで延在するような形状を有している。対極4bの集電は、袋体15の外部において対極4bが露出されている箇所において行われる。なお、集電端10と対極4bとは、間にセパレータを介在させるなどして絶縁処理を行うことが好ましい。
封止部S3は、図4(c)に示すように、集電部7と対極4bとの間に、耐熱性樹脂からなる第五フィルム12が配置された上で、熱可塑性樹脂6を配置し熱圧着することにより封止されている。
この構造は、袋状の袋体15を使用することにより、封止箇所が封止部S3の一箇所で済むという利点がある。
(実施例)
図1に示す構造の光電変換素子を作製した。
まず、直径50μmのTi線8,9(線材)を、織機により布状(テキスタイル)に製織した。縦横のTi線が織り重ねられる矩形部分(テキスタイル部)のサイズは5cm×5cmとし、Ti線の本数は縦横それぞれ180本とした。
縦横に織られるTi線のうち一方は、集電部7として、布上部に対して外方に引き出されるように、他方のTi線に対して十分長くなるように製織した。
このテキスタイル部にTiOペースト(触媒化成製)を塗布した後、電気炉で500℃、1時間焼結して多孔質TiO膜付きTiテキスタイル部を得た。TiOの膜厚はおよそ12μmであった。
次に、上記電極を、ルテニウム色素(N719と呼ばれる)の0.3mM、アセトニトリル/tert-ブタノール=1:1溶液に浸漬し、室温で24時間放置してTiO表面に色素を担持した。色素溶液から引き上げた後、上記混合溶媒で洗浄し、これを作用極3とした。
一方、三元RFスパッタ装置を用いてTi板上にPtを蒸着させたものを対極4とした。対極4のサイズは5.6cm×5.6cmとした。
対極4と同様に5.6cm×5.6cmのサイズとしたPETを基板とする高ガスバリア透明フィルム5(第一フィルム)の四辺に接着剤として熱可塑性樹脂6(アイオノマー樹脂)を幅2mmとなるように配置した。集電部7が引き出される辺においては、集電部7と対極4との間に耐熱性樹脂からなるフィルム12(ポリイミドフィルム、第三フィルム)を配置した。さらに、該耐熱性樹脂フィルムの表裏に熱可塑性樹脂6を配置し、加熱することで、透明フィルム5と対極4との間に集電部7と耐熱性樹脂フィルム12を挟んだ上で封止した。
熱圧着されていない箇所から、メトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質を注入した。最後に電解液注入部を熱圧着することによって、発電部を封止した。
以上のようにして作製された光電変換素子に、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)にて光を照射し、電流電位曲線を測定した。その結果、光電変換効率は、2.7%であった。また、対極と集電部との間で短絡は発生しなかった。
(比較例)
耐熱性樹脂フィルムを対極と集電部との間に介在させない構成の色素増感型光電変換素子を作製した。しかし、作製した5個のうち2個において、集電部と対極との間で短絡が発生し、太陽電池として機能しなかった。
以上のことから、本発明により、テキスタイル構造の作用極を用いた色素増感型光電変換素子において、集電部と対極との短絡を防止することができる色素増感型光電変換素子を提供できることが判明した。
本発明は、金属線を電極に用いた光電変換素子に広く適用可能である。
R…空間、S…封止部、1…光電変換素子、2…発電部、3…作用極、4…対極(第二フィルム)、5…第一フィルム、6…熱可塑性樹脂、7…集電部、8…第一基材、9…第二基材、10…集電端、11…電解質、12…第三フィルム、13…多孔質酸化物半導体層、15…袋体。

Claims (6)

  1. 可視光の透過性を有する第一フィルムと、対極として機能する第二フィルムとを重ねて配し、かつ、その間に空間が設けられるように両者の周縁部が熱可塑性樹脂を介して熱圧着されてなる収容体、
    前記収容体の前記空間内に電解質ともに封入され、導電性を有する複数の線材が網目状に編まれてなる構造の作用極、
    及び、前記作用極と電気的に接続され、前記熱可塑性樹脂からなる封止部の内部を貫通して前記空間内から外部へ延在する集電部、
    を少なくとも備えた色素増感型光電変換素子であって、
    前記封止部において、前記集電部と前記第二フィルムとの間に、耐熱性樹脂からなる第三フィルムを配したことを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  2. 前記第三フィルムは、前記封止部において、前記第一フィルム/前記集電部の間、および前記集電部/前記第二フィルムの間、のうち、前記集電部/前記第二フィルムの間のみに配されていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  3. 前記封止部は、平面視矩形に形成され、
    前記第三フィルムは、前記封止部の4つの辺部のうち集電部が封止部の内部を貫通している辺部のみに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感型光電変換素子。
  4. 導電性を有する複数の線材が網目状に編まれてなる構造の作用極と、
    対極として機能する第四フィルムと、
    前記作用極と電気的に接続された集電部と、
    可視光の透過性を有する透過性フィルムからなる袋体とを少なくとも備え、
    前記袋体の開口部が熱可塑性樹脂を介して熱圧着されることによって、前記作用極及び前記第四フィルムが電解質とともに前記袋体中に封入され、
    前記対極の少なくとも一部及び前記集電部が、前記熱可塑性樹脂からなる封止部の内部を貫通して前記袋体の外部へ延在されてなる色素増感型光電変換素子であって、
    前記封止部において、前記第四フィルムと前記集電部との間に前記熱可塑性樹脂とともに耐熱性樹脂からなる第五フィルムを配置することを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  5. 前記第五フィルムは、前記封止部において、前記透過性フィルム/前記集電部の間、および前記集電部/前記第四フィルムの間、のうち、前記集電部/前記第四フィルムの間のみに配置されていることを特徴とする請求項4に記載の色素増感型光電変換素子。
  6. 前記袋体は、平面視矩形に形成され、
    前記第五フィルムは、前記袋体の4つの辺部のうち集電部が封止部の内部を貫通している辺部のみに形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の色素増感型光電変換素子。
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