JP5412136B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。
色素増感太陽電池は、スイスのグレッツェルらにより開発されたものであり、光電変換効率が高く、製造コストが安い利点を持ち、新しいタイプの太陽電池として注目を集めている。
色素増感太陽電池の概略構成は、透明導電膜が設けられた透明基材上に、光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層が設けられた作用極と、この作用極に対向して設けられた対極とを備え、これら作用極と対極との間に、酸化還元対を含有する電解質が充填されたものである。
この種の色素増感太陽電池は、太陽光などの入射光を吸収した光増感色素により発生する電子が酸化物半導体微粒子に注入され、作用極と対極の間に起電力が生じることにより、光エネルギーを電力に変換する光電変換素子として機能する。
電解質としては、I/I3−などの酸化還元対をアセトニトリル等の有機溶剤に溶解させた電解液を用いることが一般的であり、このほか、不揮発性のイオン液体を用いた構成、液状の電解質を適当なゲル化剤でゲル化させ、擬固体化させた構成、及びp型半導体などの固体半導体を用いた構成等が知られている。
対極は、電解質との化学反応による腐食が抑制される材質を用いる必要がある。このような材質としては、白金を製膜したチタン基板、白金を製膜したガラス電極基板等を用いることができる。
しかし、白金からなる導電層を形成したガラス電極基板は、対極の作用極側とは反対側がガラスであるため、対極の作用極側とは反対側にリード線と接続するための端子を設けることができない。一方、対極がチタン或いはチタンを含む合金からなる金属板により構成されれば、対極は、対極の作用極側とは反対側の表面において導電性を有するため、対極の作用極側とは反対側においてリード等を接続することが可能である。
下記特許文献1においては、対極の作用極側とは反対側の表面においてリード線等を接続するために、チタン基板により構成される電極の表面上に、はんだ付けが容易な異種金属(Cuなど)からなる被膜をスパッタリング法などにより形成する光電変換素子が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−280849号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光電変換素子において、対極の被膜上にはんだ付けを行うと、はんだを溶融するための熱が対極を介して光電変換素子の光増感色素や電解液に伝導し、この熱により光増感色素や電解液の劣化が生じる場合があるという問題があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、はんだ付け等の熱を伴う接続方法により、電極上の端子に導電部材等を接続する際、接続に伴う熱による光増感色素や電解質の劣化を抑制することができる光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の光電変換素子は、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極または前記第2電極上に設けられる光増感色素を担持する多孔質酸化物半導体層と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電解質と、前記第1電極と前記第2電極との間において、前記多孔質酸化物半導体層及び前記電解質を包囲して封止する封止材と、前記第2電極における前記第1電極側の表面上において、金属からなり、前記封止材の外周により包囲される領域から前記封止材の外周の外側の領域にかけて設けられる集電配線と、前記第1電極における前記第2電極とは反対側の表面上に設けられ、熱を伴う接続方法により導電部材が接続される端子と、を備え、前記端子は、前記第1電極の表面に対して垂直な方向から前記第1電極を見た場合に、前記封止材の外周により包囲される領域における前記集電配線と重なる位置に形成されることを特徴とするものである。
このような光電変換素子は、第2電極における第1電極側の表面上において、金属からなり、封止材の外周により包囲される領域から封止材の外周の外側の領域にかけて設けられる集電配線を備える。この集電配線は、金属からなるため熱伝導性に優れる。また、端子は、第1電極の表面に対して垂直な方向から第1電極を見た場合に、封止材の外周により包囲される領域における集電配線と重なる位置形成される。従って、端子の形成位置と集電配線の位置が近く、端子に導電線等の導電部材をはんだ付け等の熱を伴う接続方法により接続する際、第1電極を介して封止材の外周の内側に伝導する熱は、集電配線に伝導し易い。そして、集電配線に伝導する熱は、集電配線の優れた熱伝導により、封止材の外周の外側に放出される。こうして、端子にはんだ付けをする際、第1電極を介して伝導する熱により、多孔質酸化物半導体層に担持される光増感色素や電解質が劣化することを抑制することができる。
また、上記光電変換素子において、前記多孔質酸化物半導体層は、前記透明導電体上に形成されても良い。
或いは、上記光電変換素子において、前記集電配線は、前記封止材の内周により包囲される領域から前記封止材の外周の外側にかけて設けられることが好ましい。
このような構成の光電変換素子によれば、集電配線は、封止材の内周により包囲される領域から封止材の外周の外側にかけて設けられるため、集電配線が光増感色素や電解質の近くに設けられる。従って、端子にはんだ付けをする際、光増感色素や電解質が高温になり劣化することをより抑制することができる。
或いは、上記光電変換素子において、前記集電配線は、前記封止材と重なる領域から前記封止材の外周の外側にかけて設けられてもやはり好ましい。
このような構成の光電変換素子によれば、第1電極を介して封止材に伝わる熱により、封止材が劣化することや、封止材を介して光増感色素や電解質中に熱が伝導することにより、光増感色素や電解質が劣化することを抑制することができる。
本発明によれば、電極上の端子に導電部材等を接続する際、接続に伴う熱による光増感色素や電解質の劣化を抑制することができる光電変換素子が提供される。
本発明の第1実施形態に係る光電変換素子を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る光電変換素子を示す断面図である。 図1に示す光電変換素子の変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る光電変換素子の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光電変換素子を示す概略断面図である。
図1に示すとおり、光電変換素子100は、作用極11と、作用極11と対向するように配置される対極12と、作用極11と対極12との間に配置される電解質5と、電解質5を包囲する封止材14と、作用極11の表面上に設けられる集電配線35と、対極12の作用極11とは反対側の表面に形成される端子7とを主な構成要素として備える。
(作用極)
作用極11は、透明基材2及び透明基材2の一方の面に設けられる透明導電体1とから成る第2電極20と、透明導電体1上に設けられ、光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層3とを備える。
透明基材2は、光透過性の材料からなる基板により構成される。このような材料としては、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられ、通常、光電変換素子の透明基材として用いられる材料であればいかなるものでも用いることができる。透明基材2は、これらの中から電解質への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材2は、できる限り光透過性に優れる基材が好ましく、光透過率が90%以上の基材がより好ましい。
透明導電体1は、透明導電膜であり、透明基材2の一方の面の一部、または、全面に形成される薄膜である。作用極11の透明性を著しく損なわない構造とするために、透明導電体1は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。このような導電性金属酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)などが挙げられる。また、透明導電体1は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電体1が単層で構成される場合、透明導電体1は、成膜が容易かつ製造コストが安価であるという観点から、ITO、FTOが好ましく、また、高い耐熱性及び耐薬品性を有する観点から、FTOで構成されることがより好ましい。
また、透明導電体1が複数の層で構成される積層体により構成されると、各層の特性を反映させることが可能となることから好ましい。中でも、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜であることが好ましい。この場合、高い導電性、耐熱性及び耐薬品性を持つ透明導電体1が実現でき、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。また、透明導電体1の厚さは例えば0.01μm〜2μmの範囲にすればよい。
多孔質酸化物半導体層3は、一組の多孔質酸化物半導体層3a、3bから構成される。多孔質酸化物半導体層3a、3bを形成する酸化物半導体としては、特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体層を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)が挙げられ、これらの2種以上で構成される酸化物半導体であっても良い。
これら酸化物半導体の粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが、色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなり、即ち光電変換を行う場が広くなり、より多くの電子を生成することができることから好ましい。また、多孔質酸化物半導体層3a、3bは、粒度分布の異なる酸化物半導体粒子を積層させて構成されることが好ましい。この場合、半導体層内で繰り返し光の反射を起こさせることが可能となり、多孔質酸化物半導体層3a、3bの外部へ逃がす入射光を少なくして、効率よく光を電子に変換することができる。多孔質酸化物半導体層3a、3bの厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。なお、多孔質酸化物半導体層3は、異なる材料からなる複数の酸化物半導体の積層体で構成することもできる。
光増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポリフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などが挙げられ、これらの中から、用途、使用半導体に適した挙動を示すものを特に限定なく選ぶことができる。具体的には、N3、N719、ブラックダイ(Black dye)などを使用することができる。
(電解質)
電解質5は、多孔質酸化物半導体層3a、3b内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層3a、3b内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層3a、3bと一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン性液体、酸化物半導体粒子若しくは導電性粒子を含むゲル状の電解質を用いることができる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリ−ブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されてなるものが用いられる。この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンまたはアニオンとした常温溶融性塩が挙げられる。常温溶融性塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。常温溶融塩のアニオンとしては、BF−、PF−、F(HF)n−、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CF3SO2)2−]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。イオン性液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和製に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、WO、ZnO、Nb、In、ZrO、Ta、La、SrTiO、Y、Ho、Bi、CeO、Alからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、二酸化チタン微粒子(ナノ粒子)が特に好ましい。この二酸化チタンの平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。この導電性粒子の比抵抗の範囲は、好ましくは1.0×10−2Ω・cm以下であり、より好ましくは、1.0×10−3Ω・cm以下である。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。このような導電性粒子には、電解質中において導電性が低下しにくく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが求められる。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応などによる劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
(集電配線)
集電配線35は、封止材14により包囲される領域19から封止材14の外周の外側にかけて設けられ、封止材14の内周で包囲される領域においては、多孔質酸化物半導体層3a、3bの間に設けられる。
また、集電配線35は、配線保護層36によって全体を覆われ、電解質5と集電配線35との接触が防止されている。なお、配線保護層36は、集電配線35の全体を覆っている限り、作用極11の透明導電体1に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
集電配線35を構成する材料は、透明導電体1よりも低い抵抗を有する金属であればよく、このような材料としては、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウム、チタン及びニッケルなどの金属が挙げられる。
配線保護層36を構成する材料としては、例えば非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料が挙げられる。
配線保護層36は、より長期間に渡って電解質5と集電配線35との接触を防止するため、また、電解質5が配線保護層36と接触した場合の配線保護層36の溶解成分の発生を防ぐために、ポリイミド、フッ素樹脂、アイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体等の耐薬品性樹脂(図示せず)で被覆されていることが好ましい。
(対極)
対極12は、第1電極10により構成される。第1電極は、チタンまたはチタン合金からなる金属板4と触媒層6とで構成される。なお、還元反応を促進する触媒層6は、金属板4における作用極11側の表面に形成される。触媒層6は、白金や炭素などからなる。
(封止材)
封止材14は、作用極11と対極12とを連結しており、作用極11と対極12との間の電解質5は、封止材14によって包囲されることで封止される。封止材14を構成する材料としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体が挙げられる。なお、封止材14は樹脂のみで構成されてもよいし、樹脂と無機フィラーとで構成されていてもよい。
(端子)
対極12における作用極11側とは反対側の表面上であって、対極12の表面に対して垂直な方向から対極12を見た場合に、封止材14の外周で包囲される領域19における集電配線35と重なる位置には、端子7が形成される。端子7は、高融点はんだや銅及びニッケルの少なくとも一方を含む金属部材から構成される。
高融点はんだとしては、融点が200℃以上(例えば210℃以上)であるものを用いることが好適である。このような高融点はんだとしては、Sn−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Au系、Sn−Sb系、Sn−Pb系(Pb含有量は例えば85質量%超)などを挙げることができ、これらのうち1つを単独で使用してもよいし、2以上を併用してもよい。
金属部材を構成する材料としては、銅、ニッケルの単体の他、銅、ニッケルに他の金属を含有する合金が挙げられる。
なお、端子7上に、導電線等と端子7とを接続するためのはんだ13を形成しても良い。はんだ13としては、特に制限はされないが、低融点はんだが好適である。低融点はんだとしては、例えば融点が200℃未満であるものを用いるのが好適である。この様なはんだとしては、共晶タイプ(例えばSn−Pb等)や、鉛フリータイプ(例えばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Cu、Sn−Zn、Sn−Zn―B等)などが挙げられる。
なお、作用極11の対極12側の表面における封止材14の外周で包囲される外側の領域には端子8が形成される。端子8は、集電配線35が封止材14の外周の外側に延在することで、集電配線35と接続される。端子8を構成する材料としては、金、銀、銅、白金、アルミニウムなどの金属が挙げられる。また、端子8上に、導電線等と端子8とを接続するためのはんだ13を形成して良い。端子8上のはんだ13は、端子7上のはんだ13と同様である。
本実施形態による光電変換素子100によれば、対極12における作用極11側の表面上において、金属からなり、封止材14の外周により包囲される領域19から封止材14の外周の外側の領域にかけて設けられる集電配線35を備える。また、端子7は、対極12の表面に対して垂直な方向から対極12を見た場合に、封止材14の外周により包囲される領域19における集電配線35と重なる位置形成される。従って、端子7の形成位置と集電配線35との距離が近く、端子7にはんだ付けをする際、対極12を介して封止材14の外周の内側に伝導する熱は、集電配線35に伝導し易い。この集電配線35は、金属からなるため熱伝導性に優れる。従って、集電配線35に伝導する熱は、集電配線35の優れた熱伝導により、封止材14の外周の外側に放出される。こうして、端子7にはんだ付けをする際、対極12を介して伝導する熱により、多孔質酸化物半導体層3に担持される光増感色素や電解質5が劣化することを抑制することができる。
次に、図1に示す光電変換素子100の製造方法について説明する。
まず、作用極11と、対極12とを準備する(準備工程)。
作用極11は、次の工程により得ることができる。最初に透明基材2の一方の面上に透明導電体1を形成し第2電極20とする。次に、第2電極20における透明導電体1上に多孔質酸化物半導体層3を形成する。次に集電配線35及び配線保護層36を形成する。次に、光増感色素を担持させる。
透明基材2上に透明導電体1を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、スプレー熱分解法(SPD法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。なかでも、スプレー熱分解法が好ましい。透明導電体1を、スプレー熱分解法により形成することで、容易にヘーズ率を制御することができる。また、スプレー熱分解法は、真空システムが不要なため、製造工程の簡素化低コスト化を図ることができるので好ましい。
透明導電体1上に多孔質酸化物半導体層3を形成する方法としては、主に塗布工程と乾燥・焼成工程からなる。塗布工程としては、例えばTiO粉末と界面活性剤および増粘剤を所定の比率で混ぜ合わせてなるTiOコロイドのペーストを、親水性化を図った透明導電体1の表面に塗布することが挙げられる。その際、多孔質酸化物半導体層3a、3bが形成されるように、多孔質酸化物半導体層3a、3bが形成されるそれぞれの場所に塗布を行う。塗布法としては、加圧手段(例えば、ガラス棒)を用いて前記コロイドを透明導電体1上に押し付けながら、塗布されたコロイドが均一な厚さを保つように、加圧手段を透明導電体1の上を移動させる方法が挙げられる。乾燥・焼成工程としては、例えば大気雰囲気中におよそ30分間、室温にて放置し、塗布されたコロイドを乾燥させた後、電気炉を用いおよそ60分間、450℃の温度にて焼成する方法が挙げられる。こうして、透明導電体1上に多孔質酸化物半導体層3a、3bから成る多孔質酸化物半導体層3が形成される。
集電配線35及び配線保護層36の形成は、先ず集電配線35を形成して、次に配線保護層36を形成する。集電配線35は、多孔質酸化物半導体層3を形成した後、多孔質酸化物半導体層3a、3bの間に集電配線35を構成する金属の粒子を塗膜し、加熱して焼成することによって得ることができる。
配線保護層36は、例えば、上述した低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料に、必要に応じて増粘剤、結合剤、分散剤、溶剤などを配合してなるペーストを、スクリーン印刷法などにより集電配線35の全体を被覆するように塗布し、加熱し焼成することによって得ることができる。
なお、配線保護層36が、上述した耐薬品性の樹脂で被覆される場合は、溶融させた耐薬品性樹脂を配線保護層36に塗布した後に室温で自然冷却するか、フィルム状の耐薬品性樹脂を配線保護層36に接触させ、外部の熱源によってフィルム状の耐薬品性樹脂を加熱溶融させた後に室温で自然冷却することによって耐薬品性樹脂を得ることができる。熱可塑性の耐薬品性樹脂としては、例えばアイオノマーやエチレン−メタクリル酸共重合体が用いられる。耐薬品性樹脂が紫外線硬化樹脂である場合は、耐薬品性樹脂の前駆体である紫外線硬化性樹脂を配線保護層36に塗布した後、紫外線により、上述した紫外線硬化性樹脂を硬化させることにより耐薬品性樹脂を得ることができる。耐薬品性樹脂が水溶性樹脂である場合は、耐薬品性樹脂を含む水溶液を配線保護層36上に塗布することにより耐薬品性樹脂を得ることができる。
多孔質酸化物半導体層3に光増感色素を担持させる方法としては、まず、色素担持用の色素溶液、例えば、アセトニトリルとt−ブタノールを容積比で1:1とした溶媒に対して極微量のN3色素粉末を加えて調整した溶液を予め準備しておく。
次に、シャーレ状の容器内に入れた光増感色素を溶媒として含有する溶液中に、別途電気炉にて120〜150℃程度に加熱処理をし、多孔質酸化物半導体層3が形成された第2電極20を浸した状態とし、暗所にて一昼夜(およそ20時間)浸漬する。その後、光増感色素を含有する溶液から多孔質酸化物半導体層3が形成された第2電極20を取り出し、アセトニトリルとt−ブタノールからなる混合溶液を用い洗浄する。これによって、光増感色素を担持したTiO薄膜からなる多孔質酸化物半導体層3を有する作用極11を得る。
また、作用極11上に形成される端子8は、例えば、銀ペーストを印刷等により塗布し、加熱・焼成させて形成される。この端子8の形成は、色素担持工程の前に行うことが好ましく、集電配線35の形成と同時に形成することが好ましい。
一方、対極12を準備するには、まず、チタンまたはチタン合金からなる金属板4を準備する。そして、準備した金属板4の表面上に白金などからなる触媒層6を形成する。触媒層6の形成は、スパッタリング法などにより形成する。これにより金属板4と触媒層6とを有する第1電極10を得ることができ、第1電極10がそのまま対極12となる。
次に、作用極11と対極12との間に電解質5を封止材14により包囲して封止する(封止工程)。
まず、作用極11の上に、封止材14となるための樹脂またはその前駆体を形成する。このとき樹脂またはその前駆体は、作用極11の多孔質酸化物半導体層3を包囲する様に形成する。樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、溶融させた樹脂を作用極11上に塗布した後に室温で自然冷却するか、フィルム状の樹脂を作用極11に接触させ、外部の熱源によって樹脂を加熱溶融させた後に室温で自然冷却することにより樹脂を得ることができる。熱可塑性の樹脂としては、例えばアイオノマーやエチレン−メタクリル酸共重合体が用いられる。樹脂が紫外線硬化樹脂である場合は、樹脂の前駆体である紫外線硬化性樹脂を作用極11上に塗布する。樹脂が水溶性樹脂である場合は、樹脂を含む水溶液を作用極11上に塗布する。水溶性の樹脂として、例えばビニルアルコール重合体が用いられる。
次に、対極12の上に封止材14となるための樹脂またはその前駆体を形成する。対極12上の樹脂またはその前駆体は、作用極11と対極12とを対向させる際に、作用極11上の樹脂またはその前駆体と重なる位置に形成する。また、対極12上の樹脂またはその前駆体の形成は、作用極11の上に形成される樹脂またはその前駆体と同様にして行えば良い。
次に、作用極11上の樹脂またはその前駆体で包囲された領域に電解質を充填する。
そして、作用極11と対極12とを対向させ、対極12上の樹脂と作用極11とを重ね合わせる。その後、減圧環境下において、樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、樹脂を加熱溶融させ、作用極11と対極12とを接着させる。こうして封止材14が得られる。樹脂が紫外線硬化樹脂である場合は、対極12上の樹脂の紫外線硬化性樹脂と作用極11とを重ね合わせた後に紫外線により、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、封止材14が得られる。樹脂が水溶性樹脂である場合は、積層体を形成した後に室温にて触指乾燥させた後、低湿環境下で乾燥させ、封止材14が得られる。
次に、対極12における作用極11側とは反対側の表面上、すなわち第1電極10における金属板4上に端子7を形成する(端子形成工程)。端子7は、対極12の表面に対して垂直な方向から対極12を見た場合に、封止材14の外周で包囲される領域19における集電配線35と重なる位置に形成する。
端子7が、高融点はんだにより構成される場合には、まず、対極12における作用極11側とは反対側の表面上の領域19において、対極12の表面に垂直な方向から対極12を見た場合に集電配線35と重なる位置に、高融点はんだと、はんだこての先端部とを接するように配置する。
このとき、はんだこての先端部は、高融点はんだが溶融可能に加熱されると共に、超音波を発生する。こうして、高融点はんだは、はんだこて先端部から伝送する熱により溶融し、はんだこて先端部からの超音波により振動する。従って、高融点はんだは、金属板4との濡れ性が向上されて、金属板4の表面上に固定する。こうして、端子7が対極12の表面上に形成される。このとき対極12を介して封止材14の内周で包囲される領域に伝導される熱の一部は、集電配線35を介して封止材14の外周の外に放出される。
なお、はんだこて先端部の温度は、高融点はんだを溶融可能であれば、特に制限されないが、例えば、200〜450℃であることが、はんだを十分に溶かす観点から好ましく、250〜350℃であることが、はんだの酸化防止、及び、光増感色素の熱による劣化を防止する観点からより好ましい。また、はんだこての先端部から発生する超音波の振動周波数は、10kHz〜200kHzであることが好ましく、20kHz〜100kHzであることが金属板4に傷をつけることを防止する観点からより好ましい。
次に、溶融した高融点はんだからはんだこてを離し、高融点はんだを冷却することで端子7が形成される。
一方、第1端子7が銅及びニッケルの少なくとも一方を含む金属部材から構成される場合には、まず、対極12における作用極11側とは反対側の表面上の領域19において、対極12の表面に垂直な方向から対極12を見た場合に集電配線35と重なる位置に、金属部材が配置され、金属部材が対極12に押し付けられるように加圧される。この加圧は、金属部材の自重により金属板に圧力がかかる場合を含む。そして、金属部材が加圧される状態で、金属部材に超音波振動を印加する。こうして、対極12と金属部材との間において、対極12と金属部材とは、超音波振動によって互いに擦れ合い、不要な酸化皮膜のすくなくとも一部が取り除かれて、加圧による塑性変形により固相状態で接合される。こうして、端子7が対極12の表面上に接合されて形成される。
このとき、対極12と金属部材との間の圧力は、0N/mより大きく300N/m以下であることが対極12と金属部材とを密着させる観点で好ましく、1〜100N・mであることが対極12の変形を防止する観点でより好ましい。
また、金属部材に与える超音波は、対極12と金属部材とが接合される面に平行な方向に与えることが好ましい。さらに超音波の振動周波数は、1kHz〜200kHzであることが対極12と金属部材とを良好に接合する観点から好ましく、10kHz〜100kHzであることが対極12に傷をつけることを抑制する観点からより好ましい。また、超音波の振動振幅は、0.01〜50μmであることが、接合の観点から好ましく、0.1〜10μmであることが、金属部材及び金属板4に傷を与えることを抑制するの観点からより好ましい。
なお、金属部材を接合する際に、金属部材に対して加熱を行えば、より接合の強度が向上するため好ましい。このときの金属部材の温度は、例えば、10〜500℃であることが、対極12と金属部材とを容易に接合させる観点から好ましく、20〜200℃であることが、色素及び電解液を良好な状態に保つ観点からより好ましい。なお、このとき対極12を介して封止材14の内周で包囲される領域に伝導される熱の一部は、集電配線35を介して封止材14の外周の外に放出される。
なお、端子7上及び端子8上のはんだ13を配置する場合は、はんだを端子7、8上で溶融させて、その後、凝固させることにより形成される。はんだ13を端子7上に形成するとき、対極12を介して封止材14の内周で包囲される領域に伝導される熱の一部は、集電配線35を介して封止材14の外周の外に放出される。
こうして、図1に示す光電変換素子100を得る。
(第2実施形態)
次に、本発明の光電変換装置の第2実施形態について図2を用いて説明する。なお、図2において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図2は、本実施形態の光電変換装置を示す概略断面図である。図2に示すように、光電変換素子110において、多孔質酸化物半導体層3は1つの多孔質酸化物半導体層からなる。また、集電配線35は、封止材14と重なる位置から封止材14の外周の外側にかけて設けられており、端子7は、対極12の作用極11側とは反対側の表面において、対極12の表面に対して垂直な方向から対極12を見た場合に、封止材14と集電配線35とが重なる位置に形成される。これらの点で、第1実施形態と異なる。
このような光電変換素子110によれば、端子7にはんだ付けする際に対極12を介して封止材14に伝わる熱は、集電配線35に伝導し易い。そして、集電配線35に伝導する熱は、集電配線35の優れた熱伝導性により、封止材14の外周で包囲される領域の外側に伝導されて放出される。こうして、端子7にはんだ付けする際に対極12を介して封止材14に伝わる熱により、封止材14が劣化することや、封止材14を介して光増感色素や電解質5中に熱が伝導することで、光増感色素や電解質5が劣化することが抑制できる。
このような光電変換素子110は、次のようにして製造される。
まず、多孔質酸化物半導体層3を第2電極上に形成する。多孔質酸化物半導体層3は、第1実施形態と同様の方法で多孔質酸化物半導体層を1つ形成すれば良い。次に、集電配線35を封止材14が形成される位置と重なる位置に形成する。
集電配線35を形成するには、まず、多孔質酸化物半導体層3の周囲で、封止材14の形成が予定される場所に集電配線35を形成する。集電配線35の形成は、第1実施形態の集電配線35と同様の方法で形成すれば良い。次に第1実施形態と同様の方法で配線保護層36を形成する。
次に、封止材14と集電配線35とが重なるように、封止材14を形成して、作用極11と対極12とを重ねて封止する。封止の方法は、第1実施形態における封止工程と同様の方法で行えば良い。
次に、端子形成工程において、対極12の表面に対して垂直な方向から対極12を見た場合に、封止材14と集電配線35とが重なる位置に、端子7を形成する。端子7の形成は、第1実施形態と同様に形成すれば良い。
こうして、光電変換素子110を得る。
以上、本発明について、第1、第2実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、第1、第2実施形態において、端子形成工程は、封止工程の後に行うとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、封止工程の前に端子形成工程を行っても良い。
この場合、封止を行う前の対極12の一方の表面に端子7を形成する。端子7の形成は、第1実施形態における端子形成工程と同様に行えば良い。
次に、端子7が封止材により封止されないために、対極12における端子7が形成されていない側の表面が作用極11側を向くように、作用極11と対極12とを対面させて封止を行えば良い。封止の方法は、第1実施形態における封止工程と同様に行えば良い。
このように、端子形成工程を封止工程の前に行うことにより、端子形成工程において、熱が加えられる場合においても、多孔質酸化物半導体層3と電解質5とが封止される前であるため、端子形成工程における熱が光増感色素や電解質5に伝達して、光増感色素や電解質5を劣化されることが防止できる。
また、第1、2実施形態において、多孔質酸化物半導体層3は、第2電極20上に形成されるものとした。そして、作用極11は、第2電極20と光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層3とで構成され、対極12は、第1電極10で構成するものとした。しかし、本発明はこれらに限らず、多孔質酸化物半導体層3は、第1電極10上に形成され、作用極11は、第1電極10と光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層3とで構成され、対極12は、第2電極20で構成するものとしてもよい。図3は、図1に示す光電変換素子100のこのような変形例を示す断面図である。この場合、第1電極10は、金属板4で構成され、作用極11は、第1電極10と光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層3とで構成される。また、第2電極20は透明基材2と透明導電体1と透明導電体1上に設けられる触媒層6とから構成され、対極12は、第2電極20で構成される。なお、触媒層6は、例えば、光が透過する程度に薄く製膜された白金等からなる。
光電変換素子120の製造は、次のように行われる。まず、金属板4から構成される第1電極10を準備する。次に第1電極10上に多孔質酸化物半導体層3を形成する。多孔質酸化物半導体層3を形成する方法は、第1実施形態において多孔質酸化物半導体層3を形成する工程と同様にして行えば良い。次に多孔質酸化物半導体層3に光増感色素を担持させる。光増感色素の担持は、第1実施形態において、光増感色素を担持させる工程と同様にして行えば良い。こうして、第1電極10上に多孔質酸化物半導体層3が形成された作用極11を得る。
次に対極12を準備する。対極12の準備は、透明基材2上に透明導電体1を形成し、集電配線35及び配線保護層36の形成が予定される領域を除いて、透明導電体1上に触媒層6を形成して第2電極とする。透明導電体1を形成する方法は、第1実施形態において、透明基材2上に透明導電体1を形成する方法と同様にして行えば良い。透明導電体1上に触媒層を形成するには、第1実施形態において、金属板4上に触媒層を形成した方法と同様の方法で行えばよい。こうして得られる第2電極が対極12となる。
次に集電配線35及び配線保護層36を透明導電体1上に形成する。集電配線35および配線保護層36の形成は、第1実施形態において、集電配線35および配線保護層36を形成する方法と同様の方法で形成すれば良い。こうして集電配線35が形成される第2電極が得られる。
次に作用極11と対極12との間において、多孔質酸化物半導体層3と電解質5とを封止材14で封止する。封止の方法は、第1実施形態における封止工程と同様にして行えば良い。次に端子7を形成する。端子7の形成は、第1実施形態における端子形成工程と同様にして行えば良い。また、その他の工程は、第1実施形態と同様である。
こうして、光電変換素子120を得る。
また、光電変換素子120の製造において、上記では端子7を封止工程の後に形成したが、端子7の形成を封止工程の前に行っても良い。こうすることで端子形成工程において、熱を加える場合でも、熱が電解質5に伝導することがなく、端子形成工程による熱による電解質5の劣化を防止することができる。
さらに、光電変換素子120の製造において、端子7の形成を色素担持工程の前に行っても良い。こうすることで、端子形成工程において、熱を加える場合でも、熱が光増感色素に伝導することがなく、端子形成工程による熱による光増感色素の劣化を防止することができる。
また、第1実施形態、第2実施形態において、第2電極は、透明基材2及び透明基材2上に設けられる透明導電体1から構成されるとしたが、導電性ガラスにより構成されても良い。同様に第1電極は、チタン或いはチタンを含む合金と触媒層とにより構成されるものとしたが、ニッケルや白金板等に触媒層と設ける構成しても良い。特に白金板の場合、触媒層6を設けない構成とすることもでき、簡易な構成とすることができる。
また、端子7を構成する材料は、第1電極上に設けることのできる導電性の材料であれば特に制限されない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例1)
第1実施形態と同様の光電変換素子を作成した。このとき、多孔質酸化物半導体に担持される光増感色素としては、N719を用いた。また、対極上の端子を高融点はんだを用いて形成した。端子7に用いる高融点はんだとしては、セラソルザ#297(商品名:黒田テクノ株式会社製)を用いた。光電変換素子の作成後、外観を確認し、特に光増感色素の色について、異常は見当たらなかった。
(実施例2)
第2実施形態と同様の光電変換素子を作成した。このとき、封止材の材料として、ハイミラン(商品名、三井・デュポンポリケミカル社製)を用いた。その外は、実施例1と同様にした。光電変換素子の作成後、外観を確認し、特に光増感色素の色について、異常は見当たらなかった。
(比較例1)
集電配線および配線保護層を有しないこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作成した。光電変換素子の作成後、外観を確認し、特に光増感色素の色について、異常は見当たらなかった。
次に、実施例1、2、及び、比較例1の対極上の端子上に、端子と同じ材料からなる高融点はんだを用いてリード線をはんだ付けした。リード線としては、銅を用いた。このとき、はんだこての温度を300℃にして高融点はんだを溶融した。
次に、実施例1、2、及び、比較例1の光電変換素子の外観をはんだ付けの前の状態と比較し、さらに、光電変換効率の測定をした。その結果を表1に示す。
Figure 0005412136
表1に示すように、比較例1は、若干の脱色が確認され、光電変換効率が、実施例1、2と比べると悪い結果となった。
(実施例3)
実施例1と同様の光電変換素子を作成した。次に、端子上に低融点はんだ(共晶はんだ)を用いてリード線を接続した。リード線としては、銅を用いた。このときはんだこての温度を200℃にして低融点はんだを溶融した。
(実施例4)
実施例2と同様の光電変換素子を作成した。次に、実施例3と同様にしてリード線を接続した。
(比較例2)
比較例1と同様の光電変換素子を作成した。次に、実施例3と同様にしてリード線を接続した。
次に、実施例3、4、及び、比較例2の光電変換素子の外観をはんだ付けの前の状態と比較し、さらに、光電変換効率の測定をした。その結果を表2に示す。
Figure 0005412136
表2に示すように、比較例2は、若干の脱色が確認され、光電変換効率が、実施例3、4と比べると悪い結果となった。
以上より、集電配線が端子とリード線を接続する際に発生する熱を封止材の外周で包囲される領域の外に放出して、光増感色素や電解質が劣化することを抑制し、光電変換素子の光電変換効率を維持できるということが分かった。
本発明によれば、電極上の端子に導電部材等を接続する際、接続に伴う熱による光増感色素や電解質の劣化を抑制することができる光電変換素子が提供される。
1・・・透明導電体
2・・・透明基材
3、3a、3b・・・多孔質酸化物半導体層
5・・・電解質
7・・・端子
8・・・端子
10・・・第1電極
11・・・作用極
12・・・対極
14・・・封止材
20・・・第2電極
35・・・集電配線
100、110、120・・・光電変換素子

Claims (3)

  1. 互いに対向する第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極または前記第2電極上に設けられる光増感色素を担持する多孔質酸化物半導体層と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電解質と、
    前記第1電極と前記第2電極との間において、前記多孔質酸化物半導体層及び前記電解質を包囲して封止する封止材と、
    前記第2電極における前記第1電極側の表面上において、金属からなり、前記封止材の外周により包囲される領域から前記封止材の外周の外側の領域にかけて設けられる集電配線と、
    前記第1電極における前記第2電極とは反対側の表面上に設けられ、熱を伴う接続方法により導電部材が接続される端子と、
    を備え、
    前記端子は、前記第1電極の表面に対して垂直な方向から前記第1電極を見た場合に、前記封止材の外周により包囲される領域における前記集電配線と重なる位置に形成されることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記集電配線は、前記封止材の内周により包囲される領域から前記封止材の外周の外側にかけて設けられることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記集電配線は、前記封止材と重なる領域から前記封止材の外周の外側にかけて設けられることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
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