JP2022086058A - 光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール - Google Patents

光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】優れた発電力を有する光電変換素子の提供。【解決手段】第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、前記光電変換層を封止する封止部と、を有する光電変換素子であって、前記封止部は、ガラス材料からなり、前記封止部と前記第1の電極の間に封止部用保護層を有し、前記封止部用保護層は前記第1の電極と異なる金属酸化物を含む光電変換素子である。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジュールに関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになっている。また、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立型電源として環境発電素子への応用が期待されている。これらの中でも、光電変換素子の一種である太陽電池は、光があれば、微弱光であっても、どこでも発電できる素子として注目を集めている。
このような光電変換素子としては、色素増感太陽電池などの光電変換素子をなす基板を接合、封止する際に、簡単な操作により、耐久性、安全性等に優れた封止を提供するために、作用極をなす第1の基板1と対極をなす第2の基板5とを重ね合わせ、その周縁部において封止して、光電変換素子を製造する際に、いずれか一方もしくは両方の基板1、5の周縁部にガラスフリット層11を配し、いずれかの基板1(5)を透過して該ガラスフリット層11にレーザー光12を照射し、ガラスフリット層11を溶融して基板を接合、封止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、優れた発電力を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の光電変換素子は、第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、前記光電変換層を封止する封止部と、を有する光電変換素子であって、前記封止部は、ガラス材料からなり、前記封止部と前記第1の電極の間に封止部用保護層を有し、前記封止部用保護層は前記第1の電極と異なる金属酸化物を含む。
本発明によると、優れた発電力を有する光電変換素子を提供することができる。
図1は、第1の実施形態の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図2は、図1の概略平面図である。 図3は、第2実施形態の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図4は、第3実施形態の光電変換素子の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の光電変換モジュールの一例を示す概略図である。 図6は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用マウスのブロック図である。 図7は、図6に示したマウスの一例を示す概略外観図である。 図8は、本発明の電子機器の一例としてのパソコン用キーボードのブロック図である。 図9は、図8に示したキーボードの一例を示す概略外観図である。 図10は、図8に示したキーボードの他の一例を示す概略外観図である。 図11は、本発明の電子機器の一例としてのセンサのブロック図である。 図12は、本発明の電子機器の一例としてのターンテーブルのブロック図である。 図13は、本発明の電子機器の一例を示すブロック図である。 図14は、図13に示した電子機器に電源ICを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。 図15は、図14に示した電子機器に蓄電デバイスを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。 図16は、本発明の電源モジュールの一例を示すブロック図である。 図17は、図16に示した電源モジュールに蓄電デバイスを更に組み込んだ一例を示すブロック図である。
(光電変換素子)
光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる素子のことを示し、太陽電池やフォトダイオードなどに応用されている。
本発明の光電変換素子は、第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、前記光電変換層を封止する封止部と、を有する光電変換素子であって、前記封止部は、ガラス材料からなり、前記封止部と前記第1の電極の間に封止部用保護層を有し、前記封止部用保護層は前記第1の電極と異なる金属酸化物を含み、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
従来技術では、ガラス材料を溶融させるための熱により、電極の劣化や、光電変換層の劣化が生じることが確認されている。また、封止部のガラス材料からイオンが拡散し、電極を汚染する可能性がある。その結果、従来技術では、良好な耐久性と低照度及び高照度における良好な光電変換特性との両立は困難であるという問題がある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見出した。優れた耐久性を得るためには、酸素や湿度の侵入を防ぐ必要がある。そのため、封止部を設けることが必要であり、特にガラス材料からなる封止部は非常に高い耐久性を得ることができる。
したがって、本発明の光電変換素子は、第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、前記光電変換層を封止する封止部と、を有し、前記封止部は、ガラス材料からなり、前記封止部と前記第1の電極の間に封止部用保護層を有し、前記封止部用保護層は前記第1の電極と異なる金属酸化物を含むことによって、良好な耐久性と低照度及び高照度における良好な光電変換特性を両立することができる。
<封止部>
少なくとも光電変換層を、外部環境から遮蔽する封止部を有することが好ましい。
封止部が一対の基板に挟持されてなり、少なくとも光電変換層が、外部環境から遮蔽されていればよく、前記光電変換素子の封止部に気泡を有していてもよい。
酸素や湿度の侵入を防ぐためには気泡は無い方が好ましいが、クラックなどが発生した場合に、クラックが気泡部で止まることで封止部の破損を防ぐこともできるため、必要に応じて気泡の有無をコントロールすることは有用である。
封止部の位置としては、少なくとも光電変換層を外部環境から遮蔽する位置に配されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第2の電極の上方に第2の基板を配し、封止部を前記第2の基板の外縁に設け、第1の基板、第1の電極及び封止部用保護層の少なくともいずれかと接着させてもよい。
第2基板を配し、その外縁に封止部を設ける構成は、光電変換素子、又は光電変換モジュールの内部に空隙部を設けることができる。空隙部は、酸素や湿度を制御することが可能であり、出力の向上や耐久性の向上に有効である。
空隙部を設ける場合、光電変換層の酸化劣化を抑制する場合は窒素やアルゴンなどの不活性ガスを充填することが好ましい。一方、酸化反応を促すことで発電特性が向上する場合や経時安定性が向上する場合には、酸素などを含有させてもよい。酸素が含有していれば効果が得られるが、1.0体積%以上21.0体積%以下が好ましく、3.0体積%以上15.0体積%以下がより好ましい。
前記空隙部の酸素濃度は、酸素濃度を設定したグローブボックス内で封止を行うことにより制御することができる。酸素濃度の設定は、特定の酸素濃度を有するガスボンベを使用する方法や、窒素ガス発生装置を用いる方法によって行うことができる。グローブボックス内の酸素濃度は、市販されている酸素濃度計あるいは酸素モニターを用いて測定される。
封止によって形成された前記空隙部内の酸素濃度の測定は、例えば、大気圧イオン化質量分析計(API-MS)によって行うことができる。具体的には、光電変換素子、又は光電変換モジュールを不活性ガスで満たしたチャンバー内に設置し、チャンバー内で封止を開封し、チャンバー内の気体をAPI-MSで定量分析することにより、空隙部内に含まれる気体中のすべての成分を定量し、その総和に対する酸素の割合を算出することにより、酸素濃度を求めることができる。
窒素、アルゴン、水素、水分、炭酸ガス、その他ガス成分の濃度についても同様に測定することができる。
封止を行う際、酸素濃度とともに、露点を制御することが好ましく、出力やその耐久性向上に有効である。
露点とは、水蒸気を含む気体を冷却した時、凝結が開始される温度として定義される。 露点としては、0℃以下が好ましく、-20℃以下がより好ましい。下限としては、-50℃以上が好ましい。
また、第2の電極の上に光電変換層を被覆するパッシベーション層を設けてもよい。前記パッシベーション層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどが挙げられ、これらの組み合わせでもよい。前記パッシベーション層は単層でもよく、積層でもよい。積層の場合は、無機層と有機層の多積層でもよい。有機層は緻密なバリア層であれば特に制限なく選択できるが、ポリマー系が好ましい。
前記空隙部内にガスを吸収するゲッター剤を設けてもよい。ゲッター剤は目的に応じて選択することができ、例えば水分を吸着する目的で乾燥剤を設けることができる。
前記封止部と前記光電変換層や第2の電極が接触している場合や近接している場合、機械的応力により光電変換素子が変形したとき、封止部の伸縮による光電変換層や第2の電極が破損(剥がれ、クラック)する可能性がある。
そのため、本発明においては、前記封止部は、前記光電変換層の周囲を囲うように配置され、各辺に配置された封止部の幅は、幅方向に対し、最大幅Aを有し、封止部と第2の電極の最短距離Bを有し、B≧Aであることが好ましく、B≧A×1.5がより好ましく、B≧A×2が更に好ましい。前記好ましい範囲であれば、封止部の伸縮による光電変換層や第2の電極が破損することを抑制でき、また、ガラス材料を溶融させるための熱による、電極の劣化や光電変換層の劣化を防ぐことができるため、良好な耐久性と低照度及び高照度における良好な光電変換特性を両立することができる。
前記最大幅A、最短距離Bは、例えば、光学顕微鏡やマイクロスコープにより測定することができる。
前記最大幅Aは酸素や湿度の侵入を防ぐことができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、10μm以上5mm以下が好ましく、100μm以上2mm以下がより好ましい。封止部が幅広すぎると、製品面積当たりの発電量が低下することがある。
封止部は、単線でもよく、最も光電変換層に近い封止部において前記(B≧A)の範囲を示すものであれば、2以上の複線でもよい。
前記封止部の幅方向の形状は、前記(B≧A)の範囲を示すものであれば特に限定されるものではないが、例えば、湾曲形状、矩形形状、楔形形状が挙げられる。これらは一種でもよく、複数の形状が混合されたものでもよい。形状の周期性は特に制限されるものでなく、ランダムに存在してもよく、周期的に配置されてもよい。
前記封止部と接触する部材の界面形状は特に限定されるものではなく目的に応じて適宜選択することができる。前記界面形状は、平坦でもよく、微細な凹凸が形成されていてもよい。微細な凹凸が形成されていると、アンカー効果により封止部との密着力が高まり、高い高温高湿耐性を維持しながら機械的応力に対する耐久性を向上することができる。
前記封止部は、光電変換層を囲うように配置されていれば、光電変換素子の角部における構造は特に限定されるものでなく適宜選択することができる。例えば、直角構造であってもよく、湾曲構造であってもよく、光電変換層側と外部環境側で角度が異なっていてもよい。
本発明においては、図2に示すように、封止部が湾曲している方が好ましい。湾曲構造であると、赤外線のレーザー光を走査しやすく均一に照射することができるため、硬化時の応力による剥がれやクラックを抑制することができ、高い高温高湿耐性を維持することができる。
封止部の平均高さは100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、6μm以下がより好ましい。前記封止部の平均高さが100μm以下であると、赤外線のレーザー光による溶融及び硬化時の応力による剥がれやクラックを抑制することができ、高い高温高湿耐性を維持することができる。
封止部の平均高さは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)などを用いて測定することができる。
封止部の平均高さを光電変換層の厚みよりも薄くしたい場合は、第2の基板として凹形状の基材を用いることも有用である。凹形状の基材は、例えば、掘り込みガラスや、基板にガラスペーストを枠形状に塗布して焼結したものなどが挙げられる。
封止部材としては、外気の水蒸気の侵入を阻害するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラスペーストや低融点フリットガラスなどのガラス材料、エポキシ樹脂、又はアクリル樹脂などの紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、上記のような構成材料に加え、より水蒸気の浸入を阻害するため、乾燥剤を混合してもよい。
本発明においては、封止部材としてガラス材料を用いることが好ましい。
封止部材としてガラス材料を用い、かつ封止部と第1の電極の間に保護層を有することにより良好な耐久性と低照度及び高照度における良好な光電変換特性を両立することができる。
ガラス材料としては、熱により溶融し、硬化することで封止され、酸素や湿度の侵入を防ぐことができればよく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ガラスフリットやガラスペーストが挙げられる。基材への塗布のし易さ、パターニングのし易さから、ガラスペーストが好ましい。
ガラスペーストは、ガラスフリットと、目的に応じて溶剤や樹脂成分を含み、レーザーシーリングを行う場合には、これらに加えレーザー吸収剤を更に含んでもよい。また、熱膨張などを調整する目的で、フィラー材料を含んでもよく、絶縁性を十分に保てるのであればカーボン材料を混合してもよい。カーボン材料を含むことで封止性能が向上することが知られている。
ガラスフリットとしては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、SiO、B、Bi、Al、ZnO、PbO、CaO、BaO、MgO、CaO、SrO、LiO、NaO、KO、TiO、SnO、P、TeO、V、La、ZrO、などを主成分として、目的に応じて成分を組み合わせることができ、その他成分を含んでいてもよい。
低融点のガラスフリットとしては、例えば、SiO、B、PbO、Bi、ZnO、TeO、V、SnO、P、TiO、Al、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrOなどを主成分とした組み合わせが挙げられ、目的によりその他成分を含んでいてもよい。
成分の組み合わせにより、ガラスフリットは赤外線を吸収して発熱し、溶融する特性を有するため、赤外線などのレーザーを照射することによりシーリングすることができる。
ガラスフリットの平均粒子径は、特に制限なく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、10nm以上20μm以下が好ましい。
ガラス転移温度及び軟化温度としては1,000℃以下が好ましく、600℃以下がより好ましく、500℃以下が更に好ましい。ここで言う低融点とは600℃以下を指す。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース樹脂、シアネートエステル樹脂、マレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α-テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
その他、例えば、ブチルカルビトールアセテート、ジブチルフタレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
レーザー吸収剤としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、Mn、Fe、V、Cr、Ni、Co、Cuなどが挙げられる。
フィラー材料としては、例えば、チタン酸カリウム、炭化珪素、シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコン、フォステライト、ステアライト、炭酸カルシウム、窒化アルミ、スピレル、ムライト、チタニアなどが挙げられる。
前記ガラス材料の製膜方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ディスペンサー法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。微細なパターンの形成においてはフォトリソグラフィや、塗布後に選択除去することも有用である。
ガラス材料を製膜後、ペースト内の溶剤や樹脂成分を除去するため、乾燥工程、脱バインダー工程を含んでもよく、その後焼成を行うことでシーリング前の前駆体を得ることができる。
乾燥工程は、溶剤を除去することができればよく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、常温でもよく、積極的に溶剤を除去する場合は、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、100℃以上が更に好ましい。乾燥時間は30秒間以上が好ましく、5分間以上がより好ましい。
脱バインダー工程は、樹脂成分を除去することができればよく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、100℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、300℃以上が更に好ましい。脱バインダー時間は30秒間以上が好ましく、5分間以上がより好ましい。
焼成工程は、300℃以上が好ましく、400℃以上がより好ましく、450℃以上が更に好ましい。前記好ましい範囲であると、緻密でかつ表面平滑性の良好なシーリング前駆体を得ることができる。
シーリングの方法としては、目的に応じて選択できるが、電気炉や加熱乾燥炉による焼成や、レーザーによるレーザーシーリングなどが挙げられる。
本発明におけるシーリングは、赤外線のレーザー光によって溶融することでシーリングを行うレーザーシーリングが好ましい。レーザーの波長は、吸収波長により適宜選択されるが、750nm以上1400nm以下が好ましい。
<保護層>
本発明においては、封止部と第1の電極の間に封止部用保護層を有することで、封止部のガラス材料を溶融させるための熱による、電極の劣化を防ぎ、また、封止部のガラス材料からイオンが拡散し、電極を汚染することを抑制することで良好な耐久性と低照度及び高照度における良好な光電変換特性を両立することができる。
前記封止部用保護層は第1の電極と封止部との間に配置されるが、第1の電極と光電変換層との間に光電変換層用保護層を有していてもよい。第1の電極と光電変換層との間に光電変換層用保護層を有することにより、第1の電極からの熱伝導を阻害し、光電変換層が劣化することを防ぐことができる。封止部用保護層は、第1の電極と光電変換層との間まで延在させてもよい。封止部用保護層が第1の電極と光電変換層との間まで延在することにより、第1の電極からの熱伝導を阻害し、光電変換層が劣化することを更に防ぐことができる。
前記封止部用保護層及び光電変換層用保護層としては、その形状、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記封止部用保護層及び光電変換層用保護層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一層構造であってもよいし、複数の材料を積層する構造であってもよい。
なお、第1の電極と封止部との間の封止部用保護層と、第1の電極と光電変換層との間の光電変換層用保護層は異なる材料であってもよい。
前記封止部用保護層及び光電変換層用保護層が積層構造である場合、第1の電極側に最も近い保護層を第1の保護層とし、次に近い保護層を第2の保護層とし、更に保護層を積層してもよい。また、3層以上の各々の層が互いに異なる材料で構成されていてもよい。
前記封止部用保護層及び光電変換層用保護層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm以上100μm以下が好ましく、5nm以上10μm以下がより好ましく、5nm以上1μm以下が更に好ましい。
厚みがナノメートルオーダーの積層膜である場合、体積当たりの異相界面の面積が増大することで安定化することが知られている。これにより、内部応力が低減できるため積層による厚膜化が容易になる。そのため、異種材料の積層が好ましい。
異種材料の積層であると、厚膜化が容易であるとともに、熱による応力低減や、クラックの阻害、機械的な強度向上などの効果があり、良好な耐久性と低照度及び高照度における良好な光電変換特性を両立することができる。
前記封止部用保護層は、第1の電極材料とは異なる金属酸化物であり、保護層の積層構造においても異なる材料の積層が好ましい。例えば、前記第1の保護層と、第2の保護層は異なる材料である方が好ましい。
前記封止部用保護層及び光電変換層用保護層の材料としては、特に制限は無いが、可視光及び赤外光に対する透明性を有するものが好ましい。これにより、前記レーザーシーリングによる赤外線のレーザーを阻害することなく効率よくシーリングが可能である。
また、第1の電極と光電変換層との間にも存在する場合には導電性や、電子ブロッキング性、ホールブロッキング性を有する方が好ましい。
前記封止部用保護層及び光電変換層用保護層の材料としては、例えば、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、ニオブドープ酸化スズ(以下、「NTO」と称する)、ニオブ・チタン酸化物、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物;カドミウムのテルル化物などが挙げられる。他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素、銅-インジウム-セレン化物、銅-インジウム-硫化物などが挙げられる。
ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
前記保護層が、積層構造である場合、第1の保護層は、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、ニオブドープ酸化スズ(NTO)、及びニオブ・チタン酸化物から選択される少なくとも1種を含み。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用、混合してもよい。更に、第2の保護層は、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズがより好ましく、酸化チタンが更に好ましい。
保護層とガラス材料と濡れ性が良好であると、封止部の密着性がよくなり、耐久性が向上する。そのため、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用、混合してもよい。
前記封止部用保護層及び光電変換層用保護層の製膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式製膜のゾルゲル法、スプレー法、塗布法、四塩化チタンからの加水分解法、乾式製膜のスパッタリング法、蒸着法、CVD法、ALD法などが挙げられるが、これらの中でも、スパッタリング法が好ましい。
<基板>
前記基板としては、その形状、構造、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基板の材質としては、透光性及び絶縁性を有するものが好ましい。そのような材質としては、例えば、ガラス、プラスチック板、プラスチックフィルム、プラスチック膜、セラミック、無機物透明結晶体等の基板が挙げられる。これらの中でも、電子輸送層を形成する際に焼成する工程を含む場合は、焼成温度に対して耐熱性を有する材質のものが好ましい。また、基板としては、可とう性を有するものが好ましい。
前記基板の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上10mm以下などが挙げられる。
<第1の電極>
前記第1の電極としては、その形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1の電極の材質としては、可視光に対する透明性及び導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明導電性金属酸化物、カーボン、金属などが挙げられる。
前記透明導電性金属酸化物としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、「ITO」と称する)、FTO、アルミドープ酸化亜鉛、インジウム・亜鉛酸化物などが挙げられる。
前記カーボンとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、アルミニウム、ニッケル、インジウム、タンタル、チタンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合してもよい。これらの中でも、透明性が高い透明導電性金属酸化物が好ましく、ITO、FTOがより好ましい。
前記第1の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上100μm以下が好ましく、50nm以上10μm以下がより好ましい。なお、第1の電極の材質がカーボンや金属の場合には、第1の電極の平均厚みとしては、透光性を得られる程度の平均厚みにすることが好ましい。
前記第1の電極は、スパッタ法、蒸着法、スプレー法等の公知の方法などにより形成することができる。
また、前記第1の電極は、前記基板上に形成されることが好ましく、予め基板上に第1の電極が形成されている一体化された市販品を用いることができる。
一体化された市販品としては、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、FTOコート透明プラスチックフィルム、ITOコート透明プラスチックフィルムなどが挙げられる。他の一体化された市販品としては、例えば、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又はメッシュ状やストライプ状等の光が透過できる構造にした金属電極を設けたガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
また、一体化された市販品における電極を適宜加工して、後述する光電変換モジュールを作製するために、複数の第1の電極が形成された基板を作製してもよい。
前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケルなどが挙げられる。
前記金属リード線は、例えば、蒸着、スパッタリング、圧着などで基板に形成し、その上にITOやFTOの層を設ける、あるいはITOやFTOの上に設けることにより併用することができる。
<光電変換層>
前記光電変換層は、電子輸送層と、ホール輸送層とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<<電子輸送層>>
前記電子輸送層は、電子輸送性半導体を有する。
前記電子輸送層は、表面に光増感化合物を吸着させた電子輸送性半導体を有することが好ましい。
電子輸送層は、光増感化合物で生成された電子を第1の電極あるいはホールブロッキング層まで輸送する目的で形成される。このため、電子輸送層は、第1の電極あるいはホールブロッキング層に隣接して配置されることが好ましい。
前記電子輸送層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
前記電子輸送性半導体としては、電子輸送性半導体微粒子が好ましく用いられる。
多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
なお、一度の塗布で膜厚が不足する場合には、前記多層塗布は有効な手段である。
一般的に、前記電子輸送層の平均厚みが増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感材料量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため、電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。したがって、前記電子輸送層の平均厚みは、50nm以上100μm以下が好ましく、100nm以上50μm以下がより好ましく、120nm以上10μm以下が更に好ましい。
前記電子輸送性半導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の単体半導体、金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタルの酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物;カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウム等のテルル化物などが挙げられる。
他の化合物半導体としては、例えば、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム砒素、銅-インジウム-セレン化物、銅-インジウム-硫化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
前記電子輸送性半導体の中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブがより好ましい。
前記電子輸送性半導体の結晶型については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単結晶、多結晶、及び非晶質のいずれでも構わない。
前記半導体微粒子のサイズとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一次粒子の平均粒径は1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。
また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合又は積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合、前記半導体微粒子の平均粒径は50nm以上500nm以下が好ましい。
前記電子輸送層の作製方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コスト等を考慮した場合、湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子又はゾルを分散したペーストを調製し、前記第1の電極の上、又は前記ホールブロッキング層上に塗布する方法が特に好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法として、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
前記半導体微粒子の分散液を機械的粉砕、又はミルを使用して作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、又は半導体微粒子と樹脂の混合物を水又は有機溶剤に分散して形成される。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α-テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記半導体微粒子の分散液、あるいはゾルゲル法等によって得られた前記半導体微粒子のペーストには、粒子の再凝集を防ぐため、酸、界面活性剤、キレート化剤などを添加してもよい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2-アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
前記半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、レーザー光照射を行うことが好ましい。これらの処理は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
前記焼成する場合、焼成温度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがあるため、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。焼成時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
前記マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。前記マイクロ波の照射時間については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以内で行うことが好ましい。
焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
前記ラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表す数値である。したがって、前記ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係から、20以上が好ましい。
-光増感化合物-
本発明においては、変換効率の更なる向上のため、光増感化合物を電子輸送層の電子輸送性半導体の表面に吸着させることが好ましい。
前記光増感化合物は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特表平7-500630号公報、特開平10-233238号公報、特開2000-26487号公報、特開2000-323191号公報、特開2001-59062号公報等に記載の金属錯体化合物;特開平10-93118号公報、特開2002-164089号公報、特開2004-95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物;特開2004-95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物;特開2003-264010号公報、特開2004-63274号公報、特開2004-115636号公報、特開2004-200068号、特開2004-235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物;J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物;特開平11-86916号公報、特開平11-214730号公報、特開2000-106224号公報、特開2001-76773号公報、特開2003-7359号公報等に記載のシアニン色素;特開平11-214731号公報、特開平11-238905号公報、特開2001-52766号公報、特開2001-76775号公報、特開2003-7360号公報等に記載メロシアニン色素;特開平10-92477号公報、特開平11-273754号公報、特開平11-273755号公報、特開2003-31273号公報等に記載の9-アリールキサンテン化合物;特開平10-93118号公報、特開2003-31273号公報等に記載のトリアリールメタン化合物;特開平9-199744号公報、特開平10-233238号公報、特開平11-204821号公報、特開平11-265738号公報、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006-032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製の下記構造式(1)、下記構造式(2)、下記構造式(3)で表される化合物、更に下記一般式(3)を含む化合物がより好ましい。なお、これらの光増感化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いることもできる。
Figure 2022086058000002
Figure 2022086058000003
Figure 2022086058000004
Figure 2022086058000005
前記一般式(3)において、X、及びXは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。
は置換基を有していてもよいメチン基を表す。その置換基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基、フリル基などのヘテロ環が挙げられる。
は置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、2-プロピル基、2-エチルヘキシル基等、アリール基及びヘテロ環基としては前述のものが挙げられる。
はカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ボロン酸、フェノール類などの酸性基を表す。Rは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
Z1、及びZ2は、それぞれ独立して、環状構造を形成する置換基を表す。
Z1は、ベンゼン環、ナフタレン環などの縮合炭化水素系化合物、チオフェン環、フラン環などのヘテロ環が挙げられ、それぞれ置換基を有していてもよい。その置換基の具体例としては前述のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、2-イソプロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
Z2は、それぞれ下記に示す(A-1)~(A-22)が挙げられる。
Figure 2022086058000006
上記一般式(3)を含む光増感化合物の具体例としては、以下に示す(B-1)~(B-36)が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
Figure 2022086058000007
Figure 2022086058000008
Figure 2022086058000009
Figure 2022086058000010
前記電子輸送性半導体に前記光増感化合物を吸着させる方法としては、例えば、光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を含む電子輸送層を浸漬する方法、光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法などを用いることができる。
光増感化合物の溶液中、又は光増感化合物の分散液中に、半導体材料を形成した電子輸送層を浸漬する方法としては、例えば、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などが挙げられる。
光増感化合物の溶液、又は光増感化合物の分散液を、電子輸送層に塗布して吸着させる方法としては、例えば、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などが挙げられる。
また、二酸化炭素等を用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
前記光増感化合物を吸着させる際には、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤は、電子輸送性半導体表面に物理的又は化学的に光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、及び化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
前記光増感化合物を溶解、又は分散する溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に応じて適宜選択することができ、例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸等のステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸又は長鎖アルキルホスホン酸などが挙げられる。
前記凝集解離剤の添加量は、前記光増感化合物1質量部に対して、0.01質量部以下500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
これらを用い、前記光増感化合物又は前記光増感化合物と前記凝集解離剤を吸着する際の温度としては、-50℃以上200℃以下が好ましい。
なお、前記吸着は静置しても撹拌しながら行っても構わない。
前記撹拌する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散などが挙げられる。
前記吸着に要する時間は、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間以下が更に好ましい。
なお、前記吸着は暗所で行うことが好ましい。
<<ホール輸送層>>
前記ホール輸送層の構成材料としては、例えば、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料などが挙げられる。
無機ホール輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CuSCN、CuI、CuBr、NiO、V、酸化グラフェンなどが挙げられる。
これらの中でも、有機ホール輸送材料が好ましい。なお、以下、有機ホール輸送材料を例として説明する箇所があるが、これに限られるものではない。
有機ホール輸送材料などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特公昭34-5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45-555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52-4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55-42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56-123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54-58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58-65440号公報又は特開昭60-98437号公報に示されているスチルベン化合物、スピロ型化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スピロ型化合物が好ましい。
スピロ型化合物としては、例えば、下記一般式(4)を含む化合物などが挙げられる。
Figure 2022086058000011
ただし、前記一般式(4)中、RからRは、それぞれ独立して、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチル-4-トリルアミノ基などの置換アミノ基を表す。
スピロ型化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示す例示化合物D-1からD-20などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2022086058000012
Figure 2022086058000013
Figure 2022086058000014
Figure 2022086058000015
Figure 2022086058000016
Figure 2022086058000017
Figure 2022086058000018
スピロ型化合物は、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合しているため、球状に近い電子雲を形成し、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより、優れた光電変換特性を示す。また、溶解性が高いため、各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であり、多孔質状の電子輸送層に密に充填されやすい。更に、450nm以上の光吸収特性を有さないため、光増感化合物に効率的に光吸収を行わせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって特に好ましい。
<<塩基性化合物>>
ホール輸送層は、塩基性化合物を有する。
塩基性化合物は、電子輸送層近傍の界面に存在すると考えられ、電子輸送層からの逆電子移動(即ち、電子輸送層からホール輸送層への電子移動)を抑制していると考えられる。
塩基性化合物としては、下記一般式(A)又は一般式(B)からなる塩基性化合物が好ましく下記一般式(1)、及び一般式(2)で示される3級アミン化合物が更に好ましい。ホール輸送層に下記一般式(A)又は一般式(B)の塩基性化合物を含有すると、高い開放電圧が得られ、高い光電変換特性が得られる点で有利である。更に、ホール輸送層が一般式(1)、及び一般式(2)で示される3級アミン化合物の少なくともいずれかを有することにより、低照度光においても、高い光電変換性と、経時安定性とを両立することができる。
Figure 2022086058000019
ただし、前記一般式(A)中、R、Rは、それぞれ独立に、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一又は異なる基を表すか、若しくは、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を表す。
Figure 2022086058000020
ただし、前記一般式(B)中、R、Rは、それぞれ独立に、アルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一又は異なる基を表すか、若しくは、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を表す。
Figure 2022086058000021
Figure 2022086058000022
ただし、前記一般式(1)、及び前記一般式(2)中、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、前記Ar及び前記Arは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合してもよい。
以下に、前記一般式(A)、及び前記一般式(B)の塩基性化合物の具体的な例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2022086058000023
Figure 2022086058000024
次に、上記一般式(1)及び一般式(2)で示される3級アミン化合物の具体例としては、例えば、以下に示す例示化合物C-1からC-20などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2022086058000025
Figure 2022086058000026
Figure 2022086058000027
Figure 2022086058000028
ホール輸送層における塩基性化合物の含有量は、ホール輸送材料の全量に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましい。塩基性化合物の含有量が好ましい範囲であることにより、高い開放電圧を維持でき、高い出力が得られ、かつ様々な環境で長期使用しても高い安定性と耐久性が得られる。
<<<酸化剤>>>
ホール輸送層は、酸化剤を含有することが好ましい。ホール輸送層が酸化剤を含有することにより、有機ホール輸送材料の一部がラジカルカチオンになることで、導電性が向上し、出力特性の耐久性や安定性を高めることができる。
酸化剤により有機ホール輸送材料が酸化されることにより、良好なホール伝導性を示すとともに、光電変換層の周囲環境の影響による酸化状態の解除(還元)を抑制することができることで良好な経時安定性を示す。
酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4-ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、金属錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、金属錯体が好ましい。
金属錯体としては、例えば、金属カチオン、配位子、アニオンから構成される構成などが挙げられる。
金属カチオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロム、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、バナジウム、金、白金などのカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、マンガン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、銀、バナジウムのカチオンが好ましく、コバルトのカチオンがより好ましい。即ち金属錯体はコバルト錯体がより好ましい。
配位子としては、少なくとも一つの窒素を含有する5及び/又は6員複素環を含むものが好ましく、置換基を有していてもよい。具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2022086058000029
Figure 2022086058000030
Figure 2022086058000031
アニオンとしては、例えば、水素化物イオン(H)、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)、水酸化物イオン(OH)、シアン化物イオン(CN)、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、次亜塩素酸イオン(ClO)、亜塩素酸イオン(ClO )、塩素酸イオン(ClO )、過塩素酸イオン(ClO )、過マンガン酸イオン(MnO )、酢酸イオン(CHCOO)、炭酸水素イオン(HCO )、リン酸二水素イオン(HPO )、硫酸水素イオン(HSO )、硫化水素イオン(HS)、チオシアン酸イオン(SCN)、テトラフロオロホウ素酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、テトラシアノホウ素酸イオン(B(CN) )、ジシアノアミンイオン(N(CN) )、p-トルエンスルホン酸イオン(TsO)、トリフルオロメチルスルホン酸イオン(CFSO2-)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン(N(SOCF )、テトラヒドロキソアルミン酸イオン([Al(OH)、あるいは[Al(OH)(HO))、ジシアノ銀(I)酸イオン([Ag(CN))、テトラヒドロキソクロム(III)酸イオン([Cr(OH))、テトラクロロ金(III)酸イオン([AuCl)、酸化物イオン(O-)、硫化物イオン(S )、過酸化物イオン(O 2-)、硫酸イオン(SO 2-)、亜硫酸イオン(SO 2-)、チオ硫酸イオン(S 2-)、炭酸イオン(CO 2-)、クロム酸イオン(CrO 2-)、二クロム酸イオン(Cr 2-)、リン酸一水素イオン(HPO 2-)、テトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオン([Z(OH)2-)、テトラシアノ亜鉛(II)酸イオン([Zn(CN)2-)、テトラクロロ銅(II)酸イオン([CuCl2-)、リン酸イオン(PO 3-)、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオン([Fe(CN)3-)、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン([Ag(S3-)、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオン([Fe(CN)4-)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、テトラフロオロホウ素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラシアノホウ素酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミンイオン、過塩素酸イオンが好ましい。
前記金属錯体としては、下記一般式(5)で示される3価のコバルト錯体が特に好ましい。金属錯体が3価のコバルト錯体であると、酸化剤としての機能が優れる点で有利である。
Figure 2022086058000032
ただし、前記一般式(5)中、R~R10は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に、前記一般式(5)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2022086058000033
Figure 2022086058000034
また、前記金属錯体としては、下記一般式(6)で示される3価のコバルト錯体も有効に用いられる。
Figure 2022086058000035
ただし、前記一般式(6)中、R11~R12は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、ターシャルブチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Xは、上記1価のアニオンから選択されるいずれかを示す。
以下に前記一般式(6)で表されるコバルト錯体の具体例を記載する。ただし、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2022086058000036
酸化剤の含有量は、ホール輸送材料100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上30質量部以下がより好ましい。酸化剤の添加によって、すべてのホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていれば有効である。
<<<アルカリ金属塩>>>
ホール輸送層は、添加剤として、アルカリ金属塩を有することが好ましい。これにより、電荷の移動がスムーズになり、良好な光電変換特性を得られる点で有利である。
アルカリ金属塩のカチオンは、電子輸送層近傍の界面に存在すると考えられ、アルカリ金属塩のアニオンは、ホール輸送層中にドープされると考えられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミド、酢酸リチウム、テトラフルオロホウ素酸リチウム、ペンタフルオロリン酸リチウム、テトラシアノホウ素酸リチウム等のリチウム塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、酢酸ナトリウム、テトラフルオロホウ素酸ナトリウム、ペンタフルオロリン酸ナトリウム、テトラシアノホウ素酸ナトリウム等のナトリウム塩、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、過塩素酸カリウム等のカリウム塩などが挙げられる。これらの中でも、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)ジイミド、リチウムジイソプロピルイミドが好ましい。
アルカリ金属塩の含有量は、ホール輸送材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上30質量部以下がより好ましい。
ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもよく、複数の化合物を含む積層構造であってもよい。ホール輸送層が積層構造の場合には、第2の電極に近いホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いると、多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上させることができる点で有利である。また、高分子材料は、多孔質状の電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の電子輸送層表面の被覆性に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果が得られる場合がある。
ホール輸送層に用いられる高分子材料としては、特に制限はなく、公知のホール輸送性高分子材料などが挙げられる。
ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
ポリチオフェン化合物としては、例えば、ポリ(3-n-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-n-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’-ジオクチル-フルオレン-コ-ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’-ジドデシル-クォーターチオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(2,5-ビス(3-デシルチオフェン-2-イル)チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チエノ[3,2-b]チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-チオフェン)、ポリ(3,6-ジオクチルチエノ[3,2-b]チオフェン-コ-ビチオフェン)などが挙げられる。
ポリフェニレンビニレン化合物としては、例えば、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[2-メトキシ-5-(3,7-ジメチルオクチルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[(2-メトキシ-5-(2-エチルフェキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン)-コ-(4,4’-ビフェニレン-ビニレン)]などが挙げられる。
ポリフルオレン化合物としては、例えば、ポリ(9,9’-ジドデシルフルオレニル-2,7-ジイル)、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(9,10-アントラセン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(4,4’-ビフェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレン)-alt-コ-(2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン)]、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジイル)-コ-(1,4-(2,5-ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]などが挙げられる。
ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレン]、ポリ[2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ-1,4-フェニレン]などが挙げられる。
ポリアリールアミン化合物としては、例えば、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ジフェニル)-N,N’-ジ(p-ヘキシルフェニル)-1,4-ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-オクチルオキシフェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’-ビス(4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン-N,N’-(1,4-ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジオクチルオキシ-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[p-トリルイミノ-1,4-フェニレンビニレン-2,5-ジ(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン-1,4-フェニレン]、ポリ[4-(2-エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ-1,4-ビフェニレン]などが挙げられる。
ポリチアジアゾール化合物としては、例えば、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4-ジデシルチオフェン-コ-(1,4-ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)などが挙げられる。
これらの中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルの観点から、ポリチオフェン化合物及びポリアリールアミン化合物が好ましい。
ホール輸送材料に各種添加剤を加えても構わない。
添加剤としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫酸塩、フェロシアン酸塩-フェリシアン酸塩、フェロセン-フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール-アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2-ジメチル-3-n-プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1-メチル-3-n-ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2-ジメチル-3-エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1-メチル-3-エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド等のInorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、ピリジン、4-t-ブチルピリジン、ベンズイミダゾール、又はこれらの誘導体等の塩基性化合物、アルカリ金属塩などが挙げられる。
ホール輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多孔質状の電子輸送層の細孔に入り込んだ構造を有することが好ましく、電子輸送層上に0.01μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上10μm以下がより好ましく、0.2μm以上2μm以下が更に好ましい。
前記ホール輸送層は、前記光増感化合物が含まれる前記電子輸送層の上に直接形成することができる。
前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、前記電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
また、超臨界流体あるいは臨界点より低い温度・圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-ブタノールなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3-ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で特に好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記臨界温度としては、-273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下が特に好ましい。
更に、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。前記有機溶媒及び前記エントレーナーの添加により、前記超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1-クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン、1,5-ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記光増感化合物を吸着した前記電子輸送性材料が含まれる前記電子輸送層上に、前記有機ホール輸送材料を設けた後、プレス処理を施しても構わない。前記プレス処理を施すことによって、前記有機ホール輸送材料がより多孔質電極である前記電子輸送層と密着するため効率が改善すると考えている。
前記プレス処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラ等を用いたロールプレス法などが挙げられる。
前記プレス処理の圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。
前記プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。なお、前記プレス処理時に熱を加えてもよい。
前記プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型剤を挟んでもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレス処理を行った後、前記第2の電極を設ける前に、前記有機ホール輸送材料と前記第2の電極との間に金属酸化物を設けてもよい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物を前記ホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末、又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。また、湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などが挙げられる。
塗布された前記金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
<第2の電極>
前記第2の電極は、前記ホール輸送層上に、又は前記ホール輸送層における金属酸化物上に形成することができる。
前記第2の電極は、通常前記第1の電極と同様のものを用いることができ、強度や密封性が充分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要ではない。
前記第2の電極の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、炭素化合物、導電性金属酸化物、導電性高分子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
前記炭素化合物としては、例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられる。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、ITO、FTO、ATOなどが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが挙げられる。
前記第2の電極の形成については、用いられる材料の種類や前記ホール輸送層の種類により、適宜ホール輸送層上に、例えば、塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせ等の手法により形成可能である。
光電変換素子においては、第1の電極と第2の電極の少なくともいずれかは実質的に透明であることが好ましい。第1の電極側が透明であり、入射光を第1の電極側から入射させる方法が好ましい。この場合、第2の電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック、あるいは金属薄膜が好ましく用いられる。また、入射光側に反射防止層を設けることも有効な手段である。
以下に、本発明の光電変換素子の一例について、図面を用いて説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、下記構成部材の数、位置、形状等について、本実施の形態に記載されていないものについても、本発明の範疇に含まれる。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。この図1の光電変換素子は、第1の基板1上に第1の電極2が形成され、第1の電極2上には封止部用保護層10が形成される。封止部用保護層10上には光電変換層用保護層14が形成される。光電変換層用保護層14上には電子輸送層3が形成され、電子輸送層3を構成する電子輸送性材料の表面に光増感化合物4が吸着される。電子輸送層3の上部及び内部にはホール輸送層5が形成され、ホール輸送層5の上に第2の電極7が形成される。前記第2の電極7の上方には第2の基板8が配置され、第2の基板8は封止部用保護層10との間で封止部材9によって固定される。
なお、図示しないが、第1の電極2及び第2の電極7は、各々電極取出し端子まで導通する経路を有することができる。
図2は、図1の第1の実施形態の光電変換素子の概略平面図である。図2に示すように、第2の電極の外周部に封止部9が配置される。封止部9は光電変換素子の角部で湾曲し、最大幅Aを有し、第2の電極と封止部9との間には最短距離Bを有する。
このような構成にすることにより、ガラス材料を溶融させるための熱による、電極の劣化や光電変換層の劣化を防ぎ、また、封止部のガラス材料からイオンが拡散し、電極を汚染することを抑制することで良好な耐久性と低照度及び高照度における良好な光電変換特性を両立することができる。
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。この図3の光電変換素子は、封止部用保護層10上に光電変換層6が形成された以外は、第1の実施形態の光電変換素子と同様である。
なお、第2の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する
<第3の実施形態>
図4は、第3の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。この図4の光電変換素子は、第1の電極2上に設けた封止部用保護層10が、第1の電極2上に形成された第1の保護層11と、第1の保護層11上に形成された第2の保護層12からなり、第2の基板8は第2の保護層12との間で封止部材9によって固定されることとした以外は、第1の実施形態の光電変換素子と同様である。
なお、第3の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する
(光電変換モジュール)
本発明の光電変換モジュールは、複数の光電変換素子が隣接して配置された光電変換素子配置領域を有し、前記複数の光電変換素子が、第1の電極と、光増感化合物を有する電子輸送層と、ホール輸送層と、第2の電極とを少なくとも有し、前記光電変換素子配置領域の外縁に配置され、かつ前記電子輸送層を前記光電変換素子の外部環境から遮蔽する、封止部を有し、必要に応じて、その他の層を有する。各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
また、本発明の光電変換モジュールは、前記光電変換素子を、複数有する構成とすることができる。
光電変換モジュールの各層の構成としては、前記光電変換素子と同様の構成とすることができる。
光電変換モジュールとしては、複数の光電変換素子が、直列又は並列に接続される構成などが挙げられる。
光電変換モジュールは、互いに隣接する少なくとも2つの前記光電変換素子において、少なくとも前記ホール輸送層どうしが互いに延設された連続層の形態であってもよい。
光電変換モジュールは、一対の基板を有し、前記一対の基板の間に前記光電変換素子配置領域を有し、前記封止部材が前記一対の基板に挟持された構成とすることができる。
以下に、本発明の光電変換モジュールの一例について、図面を用いて説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、下記構成部材の数、位置、形状等について、本実施の形態に記載されていないものについても、本発明の範疇に含まれる。
図5は、本発明の光電変換モジュールの一例を示す概略図であり、複数の光電変換素子を含み、それらが直列に接続された光電変換モジュールのある一部の断面を示す一例である。
図5は、ホール輸送層6を形成した後、貫通部13を形成し、その後、第2の電極7を形成することによって、貫通部13の内部に第2の電極材料が導入され、隣接するセルの第1の電極2と導通させることができる。なお、図5には図示しないが、第1の電極2及び第2の電極7は、更に隣接するセルの電極、あるいは出力取出し端子まで導通する経路を有する。
貫通部13は、第1の電極2を貫通し、第1の基板1まで達していてもよいし、第1の電極2の内部で加工をやめ、第1の基板1にまで達していなくてもよい。
貫通部13の形状を第1の電極2を貫通し、第1の基板1まで到達する微細孔とする場合、貫通部13の面積に対して微細孔の開口面積合計が大きくなりすぎると、第1の電極2の膜断面積が減少することで抵抗値が増大してしまい、光電変換効率の低下を引き起こす場合がある。そのため、前記貫通部13の面積に対する微細孔の開口面積合計の比率としては、5/100以上60/100以下が好ましい。
貫通部13の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨法、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、レーザー加工法が好ましい。これにより、微細な孔をサンドやエッチング、レジスト等を使うことなく形成でき、また、清浄に再現性よく加工することが可能となる。また、貫通部13を形成する場合に、封止部用保護層10、電子輸送層3、ホール輸送層5、及び第1の電極2のうち少なくとも一つをレーザー加工法による衝撃剥離によって除去することが可能になる。これにより、積層時にマスクを設ける必要がなく、また、除去と微細な貫通部13の形成を一度に簡易的に行うことができる。
(電子機器)
本発明の電子機器は、本発明の光電変換素子及び光電変換モジュールの少なくともいずれかと、前記光電変換素子及び光電変換モジュールの少なくともいずれかが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
(電源モジュール)
本発明の電源モジュールは、本発明の光電変換素子及び光電変換モジュールの少なくともいずれかと、電源ICと、を有し、更に必要に応じてその他の装置を有する。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の具体的な実施形態について説明する。
図6には、前記電子機器として、マウスを用いた一例を示す。
図6に示すように、光電変換素子、及び光電変換モジュールと電源IC、更に蓄電デバイスとを組み合わせ、供給される電力をマウスの制御回路の電源に接続する。これにより、マウスを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でマウスを動作させることができ、配線や電池交換が不要なマウスを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図7には、マウスに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはマウス内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。また、マウスの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではなく、例えばマウスを手で覆っていても光が照射される位置に配置することも可能であり、好ましい場合がある。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図8には、前記電子機器として、パソコンに用いられるキーボードを用いた一例を示す。
図8に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をキーボードの制御回路の電源に接続する。これにより、キーボードを使用していない時に蓄電デバイスに充電し、その電力でキーボードを動作させることができ、配線や電池交換が不要なキーボードを得ることができる。また、電池が不要になることで軽量化も可能となり、有効である。
図9には、キーボードに光電変換素子を実装させた概略図を示した。光電変換素子及び電源IC、蓄電デバイスはキーボード内部に実装されるが、光電変換素子に光が当たるように光電変換素子の上部は透明の筐体で覆われている。キーボードの筐体すべてを透明な樹脂で成形することも可能である。光電変換素子の配置はこれに限られるものではない。
光電変換素子を組み込むスペースが小さい小型のキーボードの場合には、図10に示すように、キーの一部に小型の光電変換素子を埋め込むことも可能であり、有効である。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図11には、前記電子機器として、センサを用いた一例を示す。
図11に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をセンサ回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、センサモジュールを構成することが可能となる。センシング対象としては、温湿度、照度、人感、CO、加速度、UV、騒音、地磁気、気圧など、様々なセンサに応用でき、有効である。センサモジュールは、図11中Aに示すように、定期的に測定対象をセンシングし、読み取ったデータをPCやスマートフォンなどに無線通信で送信する構成になっている。
IoT社会の到来により、センサは急増することが予想されている。この無数のセンサの電池を一つ一つ交換するには大きな手間がかかり、現実的ではない。またセンサは、天井や壁など、電池交換しにくい場所にあることも作業性を悪くしている。光電変換素子により電力供給できることもメリットは非常に大きい。また、本発明の光電変換素子は、低照度でも高い出力を得ることができ、かつ出力の光入射角依存性が小さいことから、設置自由度が高いといったメリットも得られる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器の他の実施形態について説明する。
図12には、前記電子機器として、ターンテーブルを用いた一例を示す。
図12に示すように、光電変換素子と電源IC、蓄電デバイスを組み合わせ、供給される電力をターンテーブル回路の電源に接続する。これにより、外部電源に接続する必要がなく、また電池交換を行う必要もなく、ターンテーブルを構成することが可能となる。
ターンテーブルは、例えば、商品を陳列するショーケースなどに用いられるが、電源の配線は見栄えが悪く、また電池交換の際には陳列物を撤去しなければならず、大きな手間がかかっていた。本発明の光電変換素子を用いることで、そのような不具合を解消でき、有効である。
<用途>
以上、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、これらが発電することによって得られた電力により動作する装置を有する電子機器、及び電源モジュールについて説明したが、これらはごく一部であり、本発明の光電変換素子、あるいは光電変換モジュールが、これらの用途に限定されるものではない。
光電変換素子、及び光電変換モジュールは、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより、例えば、電源装置に応用できる。
電源装置を利用している機器類としては、例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどが挙げられる。
また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として、光電変換素子を有する電源装置を用いることができる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、自立型電源として機能させることができ、光電変換によって発生した電力を用いて、装置を動作させることが可能である。本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、光が照射されることにより発電することが可能であるため、電子機器を電源に接続したり、あるいは電池交換したりする必要がない。そのため、電源設備がない場所でも電子機器を動作させたり、身に着けて持ち歩いたり、電池交換が困難な場所でも電池を交換することなく、電子機器を動作させたりすることが可能である。また、乾電池を用いる場合は、その分、電子機器が重くなったり、サイズが大きくなったりするため、壁や天井への設置、あるいは持ち運びに支障を来すことがあるが、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、軽量で薄いため、設置自由度が高く、身に着けたり、持ち歩く上でもメリットが大きい。
このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、自立型電源として使用でき、様々な電子機器に組み合わせることができる。例えば、電子卓上計算機、腕時計、携帯電話、電子手帳、電子ペーパーなどの表示機器、マウスやキーボードなどのパソコンの付属機器、温湿度センサや人感センサなどの各種センサ機器、ビーコンやGPSなどの発信機、補助灯、リモコン等数多くの電子機器と組み合わせて使用することができる。
本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールは、特に低照度の光でも発電できるため、室内でも、更に薄暗い影のところでも発電することが可能であるため、適用範囲が広い。また、乾電池のように液漏れがなく、ボタン電池のように誤飲することもなく安全性が高い。更に、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることができる。このように、本発明の光電変換素子、及び光電変換モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせることで、軽量で使い勝手がよく、設置自由度が高く、交換が不要で、安全性に優れ、かつ環境負荷低減にも有効な電子機器に生まれ変わることができる。
本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、それが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置とを組み合わせた電子機器の基本構成図を図13に示す。これは、光電変換素子に光が照射されると発電し、電力を取り出すことができる。機器の回路は、その電力によって動作することが可能になる。
しかし、光電変換素子は周囲の照度によって出力が変化するため、図13に示す電子機器は安定に動作することができない場合がある。この場合、図14に示すように、回路側に安定した電圧を供給するために、光電変換素子と機器の回路の間に光電変換素子用の電源ICを組み込むことが可能であり、有効である。
しかし、光電変換素子は十分な照度の光が照射されていれば発電できるが、発電するだけの照度が足りなくなると、所望の電力が得られなくなり、これが光電変換素子の欠点でもある。この場合には、図15に示すように、キャパシタ等の蓄電デバイスを電源ICと機器回路の間に搭載することによって、光電変換素子からの余剰電力を蓄電デバイスに充電することが可能となり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない場合でも、蓄電デバイスに蓄えられた電力を機器回路に供給することが可能になり、安定に動作させることが可能となる。
このように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、機器回路とを組み合わせた電子機器において、電源ICや蓄電デバイスを組み合わせることで、電源のない環境でも動作可能であり、また電池交換が不要で、安定に駆動させることが可能になり、光電変換素子のメリットを最大限に活かすことができる。
一方、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールは、電源モジュールとしても使用することが可能であり、有用である。例えば、図16に示すように、本発明の光電変換素子及び/又は光電変換モジュールと、光電変換素子用の電源ICを接続すると、光電変換素子が光電変換することによって発生した電力を電源ICにて一定の電圧レベルで供給することが可能な直流電源モジュールを構成することができる。
更に、図17に示すように、電源ICに蓄電デバイスを追加することにより、光電変換素子が発生させた電力を蓄電デバイスに充電することが可能になり、照度が低すぎる場合や、光電変換素子に光が当たらない状態になっても、電力を供給することが可能な電源モジュールを構成することができる。
図16及び図17に示した本発明の電源モジュールは、従来の一次電池のように電池交換をすることなく、電源モジュールとして使用することが可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<光電変換素子の作製>
まず、第1の基板としてのガラス基板上に、第1の電極としてのITO導電膜を平均厚み150nmになるようにスパッタ製膜し、次いで、ニオブドープ酸化錫(NTO)をスパッタ製膜して封止部用保護層を形成した(NTO平均厚み:100nm)。この時、封止部用保護層は光電変換層を塗布する領域にも製膜した。更に、酸化チタンをスパッタ製膜して光電変換層用保護層を形成した(TiO平均厚み:10nm)。光電変換層用保護層は光電変換層を塗布する領域のみに製膜されるよう、マスク保護によりパターニングした。
次に、酸化チタン(商品名:P90、日本アエロジル株式会社製)3g、アセチルアセトン0.2g、及び界面活性剤としてのポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製)0.3gを、水5.5g、エタノール1.0gとともに12時間ビーズミル処理を施し、酸化チタン分散液を作製した。作製した酸化チタン分散液にポリエチレングリコール(商品名:ポリエチレングリコール20,000、和光純薬工業株式会社製)1.2gを加えてペーストを作製した。作製したペーストを、前記ホールブロッキング層上に塗布し(平均厚み:1.5μm)、50℃で乾燥した後、空気中、500℃で30分間焼成し、多孔質状の酸化チタン層を形成した。
前記酸化チタン層を形成したガラス基板を、下記構造式(A)で表される光増感化合物(商品名:DN455、株式会社ケミクレア製)0.2mM、及びケノデオキシコール酸(CDCA、東京化成工業株式会社製)0.4mMのアセトニトリル/t-ブタノール(体積比1:1)溶液に浸漬し、1時間暗所で静置して、酸化チタン層の表面に光増感化合物を吸着させた。
Figure 2022086058000037
ただし、前記構造式(A)中、phはフェニル基を表す。
次に、上記D-7で表されるホール輸送材料(メルク株式会社製)246.5mgのクロロベンゼン溶液1mLに、添加剤としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:LiTFSI、東京化成工業株式会社製)37.0mg、上記C-1で表される塩基性化合物37.5mgを加えて溶解し、ホール輸送層塗布液を調製した。
次に、前記光増感化合物を吸着させた電子輸送層上に、前記ホール輸送層塗布液を用いたスピンコートにより、ホール輸送層を形成した(平均厚み:600nm)。
その後、ホール輸送層上に銀を真空蒸着し、第2の電極(平均厚み:100nm)を形成した。以上により、光電変換素子を作製した。
次に、第2の基板としてのガラス基板上に、封止部材としてのガラスペースト(BiO-B系、レーザーシール用ガラスペースト、日本電気硝子株式会社製)を、スクリーン印刷機(株式会社マイクロ・テック製)を用いて塗布した。幅方向の構造、位置はスクリーン印刷版(株式会社ソノコム製)の印刷パターン設計により、調整することができる。厚み方向は、スクリーン印刷版の開口率、スキージ速度、及びクリアランスによって調整することができる。
次に、フルテック株式会社製の電気炉で乾燥、焼成を行った。120℃で10分間保持し、その後、10℃/minで昇温し、350℃で10分間保持し、その後、5℃/minで昇温し、510℃で10分間保持し、その後、10℃/minで降温し、シーリング前駆体を作製した。
次に、上記光電変換素子と、シーリング前駆体を製膜した第2の基板を付け合わせ、シーリング前駆体に赤外線レーザーを照射することにより封止した。レーザー溶着機としては、浜松ホトニクス株式会社製のLD-HEATER L10060を使用した。レーザー波長は940nm、レーザーパワーは12W、走査速度5mm/secで実施した。
得られた実施例1の光電変換素子における発電特性を表2に示した。
<封止部の平均高さ>
封止部の平均高さは、走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用い、4箇所の封止部の高さを測定し、これらの平均値を平均高さとした。
<保護層の平均厚み>
保護層の平均厚みは、走査型白色干渉顕微鏡(株式会社日立ハイテクサイエンス製)により、4箇所の保護層の厚みを測定し、これらの平均値を平均厚みとした。
<封止部の最大幅A、及び第2電極と封止部の最短距離B>
封止部の最大幅A及び第2電極と封止部の最短距離Bを、顕微鏡及びマイクロメータヘッド(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定を行った。
<初期最大出力電力(Pmax1、Pmax2)、及び耐久性維持率(Pmax3/Pmax1)>
作製した各光電変換素子について、200 lxに調整した白色LED照射下で、太陽電池評価システム(直流電圧・電流源/モニター、6241A、株式会社エーディーシー製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax1(μW/cm)を求めた。
次に、10,000 lxに調整した白色LED照射下で、太陽電池評価システム(直流電圧・電流源/モニター、6241A、株式会社エーディーシー製)を用いて、IV特性を評価し、初期最大出力電力Pmax2(μW/cm)を求めた。
更に、光電変換素子に対し、高温高湿試験を行い、その後、再度200 lxにおけるIV特性を評価し、高温高湿使用試験後の最大出力電力Pmax3(μW/cm)を求めた。高温高湿試験は、環境試験機(エスペック株式会社製)を用い、50℃90%RH環境下500時間の試験を行った。
得られたPmax3を初期値であるPmax1で除して100倍することにより、「耐久性維持率」(Pmax3/Pmax1)(%)を求めた。
(実施例2~8)
<光電変換素子の作製>
実施例1において、表2及び表3に示すように、第1の電極材料、封止部の平均高さ、封止部用保護層(材料、厚み)、光電変換層用保護層(材料、厚み)、封止部の最大幅A、及び第2の電極と封止部の最短距離Bを変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~8の光電変換素子を作製した。
なお、実施例4におけるTiO-Nbとは、金属チタンからなる第1ターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタと、酸化ニオブからなる第2ターゲットを用いたスパッタとを同時に行うことで、チタン原子とニオブ原子を含む金属酸化物からなる緻密な保護層を形成したものである。保護層中に含まれるチタン原子とニオブ原子の原子比(Ti:Nb)は1:2.5であった。前記保護層中に含まれるチタン原子とニオブ原子の原子比(Ti:Nb)は、X線光電子分光分析法により測定した。
次に、得られた各光電変換素子について、実施例1と同様にして、初期最大出力電力(Pmax1、Pmax2)、及び耐久性維持率(Pmax3/Pmax1)を測定した。結果を表2及び表3に示した。
(実施例9)
<光電変換素子の作製>
実施例1において、酸化チタン、ニオブドープ酸化錫(NTO)を順次スパッタ製膜して封止部用保護層を形成し(TiO平均厚み:10nm、NTO平均厚み:100nm)、更に、光電変換層を塗布する領域にニオブドープ酸化錫(NTO)、酸化チタンを順次スパッタ製膜して光電変換層用保護層を形成した(NTO平均厚み:100nm、TiO平均厚み:10nm)以外は、実施例1と同様にして、実施例9の光電変換素子を作製した。この時、封止部用保護層は光電変換層を塗布する領域以外に製膜されるよう、マスク保護によりパターニングし、光電変換層用保護層は光電変換層を塗布する領域のみに製膜されるよう、マスク保護によりパターニングした。
次に、得られた各光電変換素子について、実施例1と同様にして、初期最大出力電力(Pmax1、Pmax2)、及び耐久性維持率(Pmax3/Pmax1)を測定した。結果を表3に示した。
(実施例10~11)
<光電変換素子の作製>
実施例1において、表4に示すように、封止部用保護層(材料、厚み)、光電変換層用保護層(材料、厚み)、封止部の最大幅A、及び第2の電極と封止部の最短距離Bを変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例10~11の光電変換素子を作製した。
次に、得られた各光電変換素子について、実施例1と同様にして、初期最大出力電力(Pmax1、Pmax2)、及び耐久性維持率(Pmax3/Pmax1)を測定した。結果を表4に示した。
(実施例12)
<光電変換モジュールの作製>
実施例11において、レーザー装置により、第1の電極であるITO導電膜をレーザーエッチングし、6セル直列基板となるように加工した。ホール輸送層形成後、レーザー加工により、光電変換素子を直列に接続するための貫通孔を形成した。その後、ホール輸送層上に6セル直列となるようにパターニングされたマスクを用い、銀を真空蒸着して第2の電極(平均厚み:100nm)を形成した以外は、実施例11と同様にして、実施例12の光電変換モジュールを作製した。
次に、得られた実施例12の光電変換モジュールについて、実施例1と同様にして、初期最大出力電力(Pmax1、Pmax2)、及び耐久性維持率(Pmax3/Pmax1)を測定した。結果を表4に示した。
(比較例1~3)
<光電変換素子の作製>
実施例1において、表4に示すように、封止部の平均高さ、及び封止部用保護層(材料、厚み)、光電変換層用保護層(材料、厚み)を変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1~3の光電変換素子を作製した。
次に、得られた比較例1~3の光電変換素子について、実施例1と同様にして、初期最大出力電力(Pmax1、Pmax2)、及び耐久性維持率(Pmax3/Pmax1)を測定した。結果を表5に示した。
Figure 2022086058000038
Figure 2022086058000039
Figure 2022086058000040
Figure 2022086058000041
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、前記光電変換層を封止する封止部と、を有する光電変換素子であって、
前記封止部は、ガラス材料からなり、
前記封止部と前記第1の電極の間に封止部用保護層を有し、前記封止部用保護層は前記第1の電極と異なる金属酸化物を含むことを特徴とする光電変換素子である
<2> 前記封止部の最大幅をA、前記封止部と前記第2の電極との最短距離をBとすると、次式、B≧A、を充たす、前記<1>に記載の光電変換素子である。
<3> 前記封止部用保護層が積層構造からなる、前記<1>から<2>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<4> 前記積層構造におけるそれぞれの層は、互いに異なる材料で構成されている、前記<3>に記載の光電変換素子である。
<5> 前記封止部用保護層が積層構造からなり、第1の電極側に最も近い保護層を第1の保護層とし、前記第1の保護層がフッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びニオブドープ酸化スズ(NTO)から選択される少なくとも1種を含む、前記<3>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<6> 前記封止部用保護層が積層構造からなり、前記第1の保護層上の次の保護層を第2の保護層とし、前記第2の保護層が酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、及び酸化スズから選択される少なくとも1種を含む、前記<5>に記載の光電変換素子である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子を複数有することを特徴とする光電変換モジュールである。
<8> 複数の前記光電変換素子が直列又は並列に接続される、前記<7>に記載の光電変換モジュールである。
<9> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子及び前記<7>から<8>のいずれかに記載の光電変換モジュールの少なくともいずれかと、
前記光電変換素子及び前記光電変換モジュールの少なくともいずれかが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
を有することを特徴とする電子機器である。
<10> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子及び前記<7>から<8>のいずれかに記載の光電変換モジュールの少なくともいずれかと、
電源ICと、
を有することを特徴とする電源モジュールである。
前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子、前記<7>から<8>のいずれかに記載の光電変換モジュール、前記<9>に記載の電子機器、及び前記<10>に記載の電源モジュールは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 第1の基板
2 第1の電極
3 電子輸送層
4 光増感化合物
5 ホール輸送層
6 光電変換層
7 第2の電極
8 第2の基板
9 封止部
10 封止部用保護層
11 第1の保護層
12 第2の保護層
13 貫通孔
14 光電変換層用保護層
特開2004-172048号公報

Claims (10)

  1. 第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、前記光電変換層を封止する封止部と、を有する光電変換素子であって、
    前記封止部は、ガラス材料からなり、
    前記封止部と前記第1の電極の間に封止部用保護層を有し、前記封止部用保護層は前記第1の電極と異なる金属酸化物を含むことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記封止部の最大幅をA、前記封止部と前記第2の電極との最短距離をBとすると、次式、B≧A、を充たす、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記封止部用保護層が積層構造からなる、請求項1から2のいずれかに記載の光電変換素子。
  4. 前記積層構造におけるそれぞれの層は、互いに異なる材料で構成されている、請求項3に記載の光電変換素子。
  5. 前記封止部用保護層が積層構造からなり、第1の電極側に最も近い保護層を第1の保護層とし、前記第1の保護層がフッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びニオブドープ酸化スズ(NTO)から選択される少なくとも1種を含む、請求項3から4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記封止部用保護層が積層構造からなり、前記第1の保護層上の次の保護層を第2の保護層とし、前記第2の保護層が酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、及び酸化スズから選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の光電変換素子を複数有することを特徴とする光電変換モジュール。
  8. 複数の前記光電変換素子が直列又は並列に接続される、請求項7に記載の光電変換モジュール。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載の光電変換素子及び請求項7から8のいずれかに記載の光電変換モジュールの少なくともいずれかと、
    前記光電変換素子及び前記光電変換モジュールの少なくともいずれかが光電変換することによって発生した電力によって動作する装置と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  10. 請求項1から6のいずれかに記載の光電変換素子及び請求項7から8のいずれかに記載の光電変換モジュールの少なくともいずれかと、
    電源ICと、
    を有することを特徴とする電源モジュール。
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