JP2016178288A - 光電変換素子 - Google Patents

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Naomichi Kanei
直道 兼為
田中 裕二
Yuji Tanaka
裕二 田中
遼太 新居
Ryota Arai
遼太 新居
剛 松山
Takeshi Matsuyama
剛 松山
徳重 木野
Tokushige Kino
徳重 木野
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Abstract

【課題】高温高湿環境下であっても光電変換効率の低下を抑制できる光電変換素子の提供。
【解決手段】第一の基板と、前記第一の基板上に第一の電極と、前記第一の電極上にホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に光電変換層と、前記光電変換層上に第二の電極と、前記第二の電極上に第二の基板とを有する光電変換素子であって、前記第一の電極と前記第二の基板との間に、少なくとも前記光電変換層を封止する封止部材を有し、前記第一の電極が、貫通部を有し、前記封止部材が、前記貫通部を通じて前記第一の基板と接する光電変換素子である。
【選択図】図1A

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、μWオーダーの微弱な電力でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになった。前記センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として環境発電素子への応用が期待されており、その中でも光電変換素子の一種である太陽電池が注目を集めている。
前記太陽電池の中でも、固体型色素増感型太陽電池では、外気の水蒸気が内部に透過することにより、電流値が著しく低下してしまうことが知られている。このため、外気の水蒸気を内部に透過させないようにする封止技術が重要となる。有機EL素子でも同様に、外気の水蒸気により非発光領域(所謂ダークスポット)が発光領域に発生し、最終的には有機EL素子全体が非発光となってしまうことが知られている。
そこで、例えば、発光素子が形成された基板の外周に凹凸領域を設け、当該凹凸領域上に導電性ペーストからなる接続電極を形成し、凹凸領域、及び導電性ペーストを介してシール材を用いて封止を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、高温高湿環境下であっても光電変換効率の低下を抑制できる光電変換素子を提供することを目的とする。なお、前記高温高湿環境とは、温度が40℃以上90℃以下で相対湿度が80%以上95%以下を意味する。
前記課題を解決するための手段としての本発明の光電変換素子は、第一の基板と、前記第一の基板上に第一の電極と、前記第一の電極上にホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に光電変換層と、前記光電変換層上に第二の電極と、前記第二の電極上に第二の基板とを有する光電変換素子であって、
前記第一の電極と前記第二の基板との間に、少なくとも前記光電変換層を封止する封止部材を有し、
前記第一の電極が、貫通部を有し、
前記封止部材が、前記貫通部を通じて前記第一の基板と接する。
本発明によると、高温高湿環境下であっても光電変換効率の低下を抑制できる光電変換素子を提供することができる。
図1Aは、本発明の光電変換素子の一例を示す概略断面図である。 図1Bは、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略断面図である。 図1Cは、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略断面図である。 図2Aは、図1A及び図1Bに示した光電変換素子における第一の電極の貫通部の位置を示す概略上面図である。 図2Bは、図1Cに示した光電変換素子におけるホールブロッキング層の貫通部の位置を示す概略上面図である。 図2Cは、図1A〜図1Cに示した光電変換素子における封止部材の位置を示す概略上面図である。 図3Aは、本発明の光電変換素子における貫通部の一例を示す拡大上面図である。 図3Bは、本発明の光電変換素子における貫通部の他の一例を示す拡大上面図である。 図3Cは、本発明の光電変換素子における貫通部の他の一例を示す拡大上面図である。 図3Dは、本発明の光電変換素子における貫通部の他の一例を示す拡大上面図である。 図4Aは、実施例1の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図である。 図4Bは、実施例1の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図5は、実施例1の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。 図6Aは、実施例2の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図である。 図6Bは、実施例2の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図7は、実施例2の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。 図8Aは、実施例3の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図である。 図8Bは、実施例3の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図9は、実施例3の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。 図10Aは、実施例4の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図である。 図10Bは、実施例4の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図11は、実施例4の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。 図12Aは、実施例5の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図である。 図12Bは、実施例5の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図13は、実施例5の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。 図14Aは、実施例6の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図である。 図14Bは、実施例6の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図15は、実施例6の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。 図16Aは、比較例1の光電変換素子を示す概略上面図である。 図16Bは、比較例1の光電変換素子において封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図17Aは、比較例2の光電変換素子における穴部を示す概略上面図である。 図17Bは、比較例2の光電変換素子において穴部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図18Aは、比較例3の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図である。 図18Bは、比較例3の光電変換素子において貫通部に銀ペーストを塗布した後の状態を示す概略上面図である。 図18Cは、比較例3の光電変換素子において銀ペーストを塗布した後に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。 図19は、比較例3の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。 図20Aは、比較例4の光電変換素子を示す概略上面図である。 図20Bは、比較例4の光電変換素子において封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。
(光電変換素子)
本発明の光電変換素子は、第一の基板と、前記第一の基板上に第一の電極と、前記第一の電極上にホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に光電変換層と、前記光電変換層上に第二の電極と、前記第二の電極上に第二の基板とを有する光電変換素子であって、
前記第一の電極と前記第二の基板との間に、少なくとも前記光電変換層を封止する封止部材を有し、
前記第一の電極が、貫通部を有し、
前記封止部材が、前記貫通部を通じて前記第一の基板と接する。
本発明の光電変換素子は、前記第一の電極と前記封止部材との間に前記ホールブロッキング層が配置され、前記ホールブロッキング層が、前記第一の電極の前記貫通部と接続する貫通部を有し、前記封止部材が、前記ホールブロッキング層の前記貫通部及び前記第一の電極の前記貫通部を通じて前記第一の基板と接することが好ましい。
本発明の光電変換素子は、従来の封止技術において、基板の外周に設けた凹凸領域に導電性ペーストを介してシール材で封止しただけでは、高温高湿環境下における光電変換効率の低下を抑制することができず、満足できるものが得られていないという知見に基づくものである。
<第一の基板>
前記第一の基板としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、透明な材質のものが好ましい。前記第一の基板としては、例えば、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられる。
<第一の電極>
前記第一の電極としては、可視光に対して透明な導電性物質であり、前記貫通部を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の光電変換素子、あるいは液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。
前記第一の電極の材料としては、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」と称すこともある)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と称すこともある)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と称すこともある)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物、グラフェンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して積層してもよい。
前記第一の電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上100μm以下が好ましく、50nm以上10μm以下がより好ましい。
前記第一の電極は、一定の硬性を維持するため、可視光に透明な材質を含む前記第一の基板上に設けることが好ましい。前記第一の電極と前記第一の基板とが一体となっている公知のものを用いることもでき、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜などが挙げられる。また、前記第一の電極と前記第一の基板とが一体となっている公知のものの他の例として、酸化スズ若しくは酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、又は、メッシュ状、ストライプ状などの光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して混合及び積層したものでもよい。また、電気的抵抗値を下げる目的で、金属リード線などを併用してもよい。
前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属などが挙げられる。前記金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法により形成できる。
<<貫通部>>
前記貫通部としては、前記封止部材が前記貫通部を通じて前記第一の基板と接するように配置されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数の貫通孔を有し、前記貫通孔が前記第一の電極のうち少なくとも前記封止部材と接合する領域に形成されることが好ましい。
前記貫通部としては、等間隔で配置されているドットパターン状の貫通孔を有することが好ましい。前記等間隔で配置されているとは、前記貫通孔の最小開口長さをAとし、隣接する前記貫通孔間の最小距離をBとしたとき、A及びBがそれぞれ一定の長さでかつ周期的に配置されていることを意味する。
前記貫通部は、前記第一の電極上の前記ホールブロッキング層が有する貫通部に接続されていてもよい。なお、前記第一の電極が前記封止部材と接合する部分は、凹状に抉れていてもよい。
−貫通孔−
前記貫通孔としては、前記第一の電極を貫通していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記貫通孔の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ライン状、テーパー状、円形状などが挙げられる。これらの中でも、円形状が好ましい。前記貫通孔の開口形状が円形状であると、前記封止部材が、前記貫通部を通じて前記第一の基板と接しやすくなることにより、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との接合面積が広くなるため、密着性が高まる点で有利である。
なお、前記貫通孔の開口形状をライン状にすると、例えば、電極取出し部(端子部)が複数の方向に配置されている場合、レーザーなどを一方向に掃引して前記貫通孔を形成するときに、電気的に絶縁される箇所が発生することがある点からも円形状が好ましい。
前記貫通孔が等間隔でドットパターン状に配置されている場合、次式、A>Bを満たすことが好ましい。次式、A>Bを満たすと、前記貫通孔の密度が高くなり、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との接合面積が広くなるため、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との密着性が高まり、封止効果を十分に発揮することができる点で有利である。
前記貫通孔の最小開口長さAとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上500μm以下が好ましい。前記最小開口長さAが前記好ましい範囲内であると、前記貫通孔の密度が高くなり、前記封止部材との接合面積が広くなるため封止効果を十分に発揮する点で有利である。
隣接する前記貫通孔間の最小距離Bとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上400μm以下が好ましい。前記最小距離Bが前記好ましい範囲内であると、十分な導電性を有すると共に、前記貫通孔の密度が高くなり、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との接合面積が広くなるため、封止効果を十分に発揮する点で有利である。
前記貫通部の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨紙、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。これらの中でも、より微細な貫通孔を簡便に任意のパターニングで形成できる点から、レーザー加工法が好ましい。
<光電変換層>
前記光電変換層としては、電子輸送層と、ホール輸送層とを含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<電子輸送層>>
前記電子輸送層は、前記ホールブロッキング層上に配置され、一般的に多孔質状の層として構成され、半導体粒子などの電子輸送性材料を含む。
また、前記電子輸送層は、単層であってもよく、多層であってもよい。多層の場合、粒径の異なる半導体粒子の分散液を多層塗布してもよく、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布してもよい。一度の塗布で平均厚みが不足する場合には、前記多層塗布は、有効な手段である。
−電子輸送性材料−
前記電子輸送性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、粒状、ロッド状、チューブ状等の半導体材料などが挙げられる。これらの中でも、粒状の半導体粒子が好ましく、前記半導体粒子に後述する光増感化合物が吸着されているものがより好ましい。
前記半導体粒子としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができ、例えば、単体半導体、化合物半導体、ペロブスカイト構造を有する化合物などが挙げられる。
前記単体半導体としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどが挙げられる。
前記化合物半導体としては、例えば、金属のカルコゲニド;亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物;ガリウム砒素;銅−インジウム−セレン化物;銅−インジウム−硫化物などが挙げられる。
前記金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル等の酸化物;カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマス等の硫化物;カドミウム、鉛等のセレン化物;カドミウム等のテルル化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト構造を有する化合物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酸化物半導体が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化ニオブのうち少なくともいずれかがより好ましい。
前記半導体粒子の結晶型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単結晶でも多結晶でもよく、非晶質でもよい。
前記半導体粒子の一次粒子の個数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。また、前記個数平均粒径よりも大きい前記個数平均粒径の半導体粒子を混合及び積層させ、入射光を散乱させる効果により、効率を向上させてもよい。この場合の前記個数平均粒径は、50nm以上500nm以下が好ましい。
前記電子輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以上100μm以下が好ましく、100nm以上50μm以下がより好ましく、100nm以上10μm以下が更に好ましい。前記電子輸送層の平均厚みが前記好ましい範囲内であると、単位投影面積当たりの担持光増感化合物の量が適切となり、光の捕獲率が高くなるとともに、注入された電子の拡散距離も増えにくく、電荷の再結合によるロスを少なくできる点で有利である。
前記電子輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストの観点から、湿式製膜法が好ましく、前記半導体粒子の粉末あるいはゾルを分散したペーストを調製し、電子集電電極基板としての前記第一の電極上、あるいは前記ホールブロッキング層上に塗布する方法がより好ましい。
前記湿式製膜法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法などが挙げられる。更に、湿式印刷方法としては、例えば、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷などの様々な方法を用いることができる。
前記半導体粒子の分散液を、ミルなどを用いて機械的粉砕して作製する場合、少なくとも前記半導体粒子単独、又は前記半導体粒子と樹脂の混合物を、水又は溶媒に分散して形成される。
前記樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記半導体粒子の分散液、又はゾル−ゲル法等によって得られた前記半導体粒子のペーストには、粒子の再凝集を防ぐため、酸、界面活性剤、キレート化剤などを添加してもよい。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記キレート化剤としては、例えば、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、製膜性を向上させる目的で、増粘剤を添加することも有効な手段である。
前記増粘剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられる。
前記半導体粒子は、塗布した後に前記半導体粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性の向上のために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、又はレーザー光照射を行うことが好ましい。これらの処理は、1種単独で行ってもよく、2種類以上組み合わせて行ってもよい。
前記半導体粒子を焼成する場合、焼成温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることがある点で、30℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上600℃以下がより好ましい。また、焼成時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上10時間以下が好ましい。
前記半導体粒子をマイクロ波照射する場合、前記電子輸送層が形成されている面側から照射してもよく、前記電子輸送層が形成されていない面側から照射してもよい。照射時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。
前記半導体粒子の焼成後、前記半導体粒子の表面積の増大や、後述する光増感化合物から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
直径が数十nmの前記半導体粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を有し、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
前記ラフネスファクターは、前記第一の基板に塗布した前記半導体粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表わす数値である。したがって、前記ラフネスファクターとしては、大きいほど好ましいが、前記電子輸送層の平均厚みとの関係から、20以上が好ましい。
−光増感化合物−
光電変換効率の更なる向上のため、前記光増感化合物を前記半導体粒子の表面に吸着させてもよい。
前記光増感化合物は、使用される励起光により光励起される化合物であれば特に制限はなく、公知のものを用いることができ、具体的には以下の化合物が挙げられる。
特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物、同特開2004−95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物、特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物、特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物、特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。これらの中でも、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物が好ましく、三菱製紙株式会社製の下記構造式(1)で表されるD131、下記構造式(2)で表されるD102、下記構造式(3)で表されるD358がより好ましい。
(D131)
(D102)
(D358)
前記電子輸送性半導体に前記光増感化合物を吸着させる方法としては、光増感化合物溶液中、又は前記光増感化合物分散液中に前記半導体粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法、前記光増感化合物溶液、又は前記光増感化合物分散液を前記電子輸送層に塗布して吸着させる方法などを用いることができる。
前記光増感化合物溶液中、又は前記光増感化合物分散液中に前記半導体粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などを用いることができる。
前記光増感化合物溶液、又は前記光増感化合物分散液を前記電子輸送層に塗布して吸着させる方法の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法などを用いることができる。
また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させてもよい。
前記光増感化合物を前記半導体粒子に吸着させる際に、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤としては、前記半導体粒子の表面に物理的若しくは化学的に前記光増感化合物を結合させるような触媒的作用をするもの、又は化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるもののいずれであってもよい。
更に、縮合助剤として、チオールやヒドロキシ化合物などを添加してもよい。
前記光増感化合物を溶解、又は分散する溶媒としては、例えば、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用してもよい。
前記凝集解離剤としては、特に制限はなく、用いる色素に対して適宜選択することができるが、コール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸または長鎖アルキルホスホン酸が好ましい。
前記凝集解離剤の含有量としては、前記光増感化合物1質量部に対して0.01質量部以上500質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましい。
前記半導体粒子に、前記光増感化合物、又は、前記光増感化合物及び前記凝集解離剤を吸着させる際の温度としては、−50℃以上200℃以下が好ましい。
吸着時間としては、5秒間以上1,000時間以下が好ましく、10秒間以上500時間以下がより好ましく、1分間以上150時間が更に好ましい。
前記吸着は、暗所で行うことが好ましい。また、前記吸着は、静置して行ってもよく、攪拌しながら行ってもよい。
前記攪拌は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、超音波分散などを用いた方法が挙げられる。
<<ホール輸送層>>
前記ホール輸送層の材料としては、例えば、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送材料、有機ホール輸送材料などが挙げられる。これらの中でも、有機ホール輸送材料が好ましい。
なお、以下、前記有機ホール輸送材料を例として説明する箇所があるが、これに限られるものではない。
前記ホール輸送層は、単一材料からなる単層構造でもよく、複数の化合物を含む積層構造でもよい。前記ホール輸送層が積層構造の場合、前記第二の電極に近い前記ホール輸送層に高分子材料を用いることが好ましい。製膜性に優れる高分子材料を用いると、多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上することができる点で有利である。
また、前記高分子材料は、多孔質状の前記電子輸送層内部へ浸透しにくいことから、多孔質状の前記電子輸送層表面の被覆に優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果を発揮するため、より高い性能を得ることが可能となる。
前記ホール輸送層を単層構造としたときに用いられる有機ホール輸送材料としては、公知の有機ホール輸送性化合物が用いられる。
その具体例としては、特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報あるいは特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物などを挙げることができる。
これらの中でも、Adv.Mater.,813,vol.17,(2005)に記載のホール輸送材料(2,2’,7,7’−tetrakis(N,N−di−p−methoxyphenylamino)−9,9’−spirobifluorene:spiro−OMeTAD)が特に好ましい。
前記spiro−OMeTADは、高いホール移動度を有している他に、2つのベンジジン骨格分子が捻れて結合している。このため、球状に近い電子雲を形成しており、分子間におけるホッピング伝導性が良好であることにより優れた光電変換特性を示す。また可溶性も高く各種有機溶媒に溶解し、アモルファス(結晶構造をもたない無定形物質)であるため、多孔質状の前記電子輸送層に密に充填されやすく、固体型色素増感型太陽電池にとって有用な特性を有している。更に、450nm以上の光吸収特性を有さないために、前記光増感化合物に効率的に光吸収をさせることができ、固体型色素増感型太陽電池にとって有用な特性を有している。
前記spiro−OMeTADからなるホール輸送層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多孔質状の電子輸送層の細孔に入り込んだ構造を有することが好ましく、前記電子輸送層上に0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上10μm以下がより好ましい。
前記ホール輸送層を積層構造としたときに用いられ、前記第二の電極に近い位置に配置される高分子材料としては、公知のホール輸送性高分子材料が用いられる。
前記ホール輸送性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物、ポリアリールアミン化合物、ポリチアジアゾール化合物などが挙げられる。
前記ポリチオフェン化合物としては、例えば、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−n−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’−ジオクチル−フルオレン−コ−ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’−ジドデシル−クォーターチオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(2,5−ビス(3−デシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−ビチオフェン)などが挙げられる。
前記ポリフェニレンビニレン化合物としては、例えば、ポリ[2−メトキシー5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシー5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(2−エチルフェキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)−コ−(4,4’−ビフェニレン−ビニレン)]などが挙げられる。
前記ポリフルオレン化合物としては、例えば、ポリ(9,9’−ジドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(4,4’−ビフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−(2,5−ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]などが挙げられる。
前記ポリフェニレン化合物としては、例えば、ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシー1,4−フェニレン]などが挙げられる。
前記ポリアリールアミン化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ジフェニル)−N,N’−ジ(p−ヘキシルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[p−トリルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ−1,4−ビフェニレン]などが挙げられる。
前記ポリチアジアゾール化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)などが挙げられる。
これらの中でも、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルの観点から、ポリチオフェン化合物及びポリアリールアミン化合物が好ましい。
また、前記有機ホール輸送材料に各種添加剤を加えてもよい。
前記添加剤としては、ヨウ素、金属ヨウ化物、4級アンモニウム塩、金属臭化物、金属塩化物、酢酸金属塩、金属硫酸塩、金属錯体、イオウ化合物、Inorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、リチウム化合物、塩基性化合物などが挙げられる。
前記金属ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀などが挙げられる。
前記4級アンモニウム塩としては、例えば、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウムなどが挙げられる。
前記金属臭化物としては、例えば、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウムなどが挙げられる。
前記金属塩化物としては、例えば、臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、塩化銅、塩化銀などが挙げられる。
前記酢酸金属塩としては、例えば、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウムなどが挙げられる。
前記金属硫酸塩としては、例えば、硫酸銅、硫酸亜鉛などが挙げられる。
前記金属錯体としては、例えば、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオンなどが挙げられる。
前記イオウ化合物としては、例えば、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどが挙げられる。
Inorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体としては、例えば、ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミドなどが挙げられる。
前記リチウム化合物としては、例えば、リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムジイソプロピルイミドなどが挙げられる。
前記塩基性化合物としては、例えば、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ベンズイミダゾール、下記一般式(A)で表される化合物などが挙げられる。これらの中でも、下記一般式(A)で表される化合物が好ましい。前記有機ホール輸送材料に下記一般式(A)で表される化合物を添加すると、前記光電変換素子における内部抵抗が高くなるため、室内光等の微弱光における損失電流を低減することができ、より高い開放電圧を得られる点で有利である。
ただし、前記一般式(A)中、R及びRは置換もしくは無置換のアルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R及びRは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
前記一般式(A)で表される化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(A−1)から(A−9)で表される化合物などが挙げられる。
なお、前記構造式(A−1)から(A−5)で表される化合物の日化辞(日本化学物質辞書)番号は、以下のように対応する。
<化合物No.1−1、日化辞番号:J31.394G>
<化合物No.1−2、日化辞番号:J2.748.250C>
<化合物No.1−3、日化辞番号:J174K>
<化合物No.1−4、日化辞番号:J880.4591>
<化合物No.1−5、日化辞番号:J1.983.963J>
<化合物No.1−6>
<化合物No.1−7>
<化合物No.1−8>
<化合物No.1−9>
従来から、前記一般式(A)で表される化合物である前記構造式(A−1)で表される化合物自体は知られている。また、その一部の化合物は、ヨウ素電解液を用いた液体型色素増感型太陽電池においては、塩基性化合物として用いることが知られている。
しかし、ヨウ素電解液を用いた従来の液体型色素増感型太陽電池において前記塩基性化合物を用いると、開放電圧が高いが、短絡電流密度が大幅に減少し、光電変換特性は著しく悪化することが知られている。
前記ホール輸送層の材料として前記有機ホール輸送材料を用いた固体型色素増感型太陽電池において前記塩基性化合物を用いると、短絡電流密度の低下量が少なく、高い開放電圧が得られることで、優れた光電変換特性を得ることができる。更に、報告例が少ない室内光等の微弱光における光電変換において、特に際立って優位性が現れる。
前記ホール輸送層における前記一般式(A)で表される化合物の含有量としては、前記有機ホール輸送材料100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、5質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。
導電性を向上させる目的で、前記有機ホール輸送材料の一部をラジカルカチオンにするための酸化剤を添加してもよい。
前記酸化剤としては、例えば、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、コバルト錯体化合物などが挙げられる。
前記酸化剤の添加によってすべての有機ホール輸送材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていればよい。また、添加した前記酸化剤は、添加した後、系外に取り出してもよく、取り出さなくてもよい。
前記ホール輸送層は、前記光増感化合物が含まれる前記電子輸送層の上に直接形成することができる。
前記ホール輸送層の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法、湿式製膜法などが挙げられる。これらの中でも、製造コストなどの点で、特に湿式製膜法が好ましく、前記電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合、塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。また、超臨界流体又は臨界点より低い温度及び圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
前記超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒、エーテル溶媒などが挙げられる。
前記アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記ハロゲン溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、二酸化炭素が、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるとともに、不燃性で取扱いが容易である点で好ましい。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、前記亜臨界流体としても好適に使用することができる。
前記超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度としては、−273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下がより好ましい。
更に、前記超臨界流体及び前記亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。前記有機溶媒及び前記エントレーナーの添加により、前記超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン溶媒、エステル溶媒、エーテル溶媒、アミド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、炭化水素溶媒などが挙げられる。
前記ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
前記エステル溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記エーテル溶媒としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサンなどが挙げられる。
前記アミド溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
前記ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
前記炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記光増感化合物を吸着した前記電子輸送性材料が含まれる前記電子輸送層上に、前記有機ホール輸送材料を設けた後、プレス処理工程を施しても構わない。前記プレス処理を施すことによって、前記有機ホール輸送材料がより多孔質電極である前記電子輸送層と密着するため効率が改善すると考えている。
前記プレス処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、IR錠剤成形器に代表されるような平板を用いたプレス成形法、ローラー等を用いたロールプレス法などを挙げることができる。
圧力としては、10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。
前記プレス処理する時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以下が好ましい。また、前記プレス処理時に熱を加えてもよい。
前記プレス処理の際、プレス機と電極との間に離型剤を挟んでもよい。
前記離型剤としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記プレス処理工程を行った後、前記第二の電極を設ける前に、前記有機ホール輸送材料と前記第二の電極との間に金属酸化物を設けてもよい。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に酸化モリブデンが好ましい。
前記金属酸化物を前記ホール輸送層上に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、スパッタリング、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法などが挙げられる。
前記湿式製膜法としては、金属酸化物の粉末又はゾルを分散したペーストを調製し、前記ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
前記湿式製膜法を用いた場合の塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
塗布された前記金属酸化物の平均厚みとしては、0.1nm以上50nm以下が好ましく、1nm以上10nm以下がより好ましい。
<第二の電極>
前記第二の電極は、前記ホール輸送層上に、又は前記ホール輸送層における前記金属酸化物上に形成することができる。また、前記第二の電極は、通常前記第一の電極と同様のものを用いることができ、強度や密封性が十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要ではない。
前記第二の電極の材料としては、例えば、金属、炭素化合物、導電性金属酸化物、導電性高分子などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
前記炭素化合物としては、例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられる。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、ITO、FTO、ATOなどが挙げられる。
前記導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第二の電極の形成については、用いられる材料の種類や前記ホール輸送層の種類により、適宜前記ホール輸送層上に塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせなどの手法により形成可能である。
本発明の光電変換素子においては、前記第一の電極と前記第二の電極の少なくともいずれかは実質的に透明でなければならない。本発明においては、前記第一の電極側が透明であり、入射光を前記第一の電極側から入射させる方法が好ましい。この場合、前記第二の電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック、あるいは金属薄膜が好ましく用いられる。また、入射光側に反射防止層を設けることも有効な手段である。
<第二の基板>
前記第二の基板としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができ、例えば、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられる。
前記第二の基板と前記封止部材との接合部は密着性を上げるため、凹凸部を形成してもよい。前記凹凸部の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、サンドブラスト法、ウオーターブラスト法、研磨紙、化学エッチング法、レーザー加工法などが挙げられる。
前記第二の基板と前記封止部材との密着性を上げる手段としては、例えば、表面の有機物を除去してもよく、親水性を向上させてもよい。前記第二の基板の表面の有機物を除去する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UVオゾン洗浄、酸素プラズマ処理などが挙げられる。
<封止部材>
前記封止部材としては、外気の水蒸気の侵入を阻害するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低融点フリットガラス、エポキシ又はアクリルなどの紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、上記のような構成材料に加え、より水蒸気の浸入を阻害するため、乾燥剤を混合してもよい。
前記乾燥剤としては、例えば、酸化カルシウムやシリカゲルなどの無機吸水材料が挙げられる。また、前記封止部材の平均厚みを制御するため、ギャップ剤を混合してもよい。
前記ギャップ剤としては、通常数μmから数十μmの粒子径から選択され、有機樹脂ギャップ剤やシリカゲルなどの無機ギャップ剤が用いられる。また、基板との界面をより強固に結合するため、水酸基と反応するシランカップリング剤等の添加剤を混合してもよい。
前記封止部材の配置としては、前記第一の電極と前記第二の基板との間であって、前記第一の電極が有する前記貫通部、又は前記ホールブロッキング層が有する前記貫通部を通じて、前記第一の基板に少なくとも一部が接するように配置されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明では、前記封止部材が前記貫通部を通じて前記第一の基板と接していることにより、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との接合面積が広くなり、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との密着性が高まるため、外気の水蒸気が侵入することによる素子の劣化を抑え、高温高湿環境下であっても光電変換効率の低下を抑制できる。
例えば、前記封止部材に水酸基と反応して結合するシランカップリング剤などを含んだ場合、前記封止部材が前記第一の電極としてのITO導電膜などに接合するよりも、表面官能基に水酸基を多く持つ前記第一の基板としてのガラス基板などに接するようにすると、より強く固着するため封止効果が向上する。
また、前記封止部材が、前記第一の電極が有する前記貫通部、又は前記ホールブロッキング層が有する前記貫通部を通じて、前記第一の基板に少なくとも一部が接するように配置されていれば、前記封止部材は、前記第二の電極と前記第二の基板との間に存在してもよい。
更に、前記第二の電極と前記封止部材との間にパッシベーション層を設けてもよい。前記パッシベーション層としては、前記封止部材が前記第二の電極に接しないように配置されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどが好ましい。
前記封止部材の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、ディスペンス法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、凸版、オフセット、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
<ホールブロッキング層>
前記ホールブロッキング層は、一般的に、電解質が電極と接して、電解質中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。前記ホールブロッキング層の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池は、ホール輸送材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
前記ホールブロッキング層の材料としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して積層又は混合してもよい。
前記ホールブロッキング層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第一の電極の貫通部と接続する貫通部を有することが好ましい。前記ホールブロッキング層が貫通部を有すると、前記封止部材が、前記ホールブロッキング層の貫通部及び前記第一の電極の貫通部を通じて前記第一の基板と接することができ、前記第一の電極、前記第一の基板、及び前記ホールブロッキング層と、前記封止部材との接合面積が広くなるため、密着性が高まり、封止効果を十分に得ることができるため、高温高湿環境下であっても光電変換効率の低下を抑制できる点で有利である。
前記ホールブロッキング層においては、室内光における損失電流を抑制するため、高い内部抵抗が必要であり、製膜方法も重要である。
前記ホールブロッキング層の製膜方法としては、一般的には、湿式製膜となるゾルゲル法などが挙げられるが、膜密度が低く十分に損失電流を抑制できない。このため、スパッタリング法などの乾式製膜が好ましく、膜密度が十分に高く損失電流を抑制できる点で有利である。
前記ホールブロッキング層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm以上1μm以下が好ましく、湿式製膜では500nm以上700nm以下がより好ましく、乾式製膜では10nm以上30nm以下がより好ましい。
<用途>
本発明において光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子又は電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を表し、具体的には、太陽電池、フォトダイオードなどが挙げられる。
本発明の光電変換素子は、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。前記電源装置を利用している機器類として、例えば、電子卓上計算機や腕時計が挙げられる。その他、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等に本発明の光電変換素子を有する電源装置を適用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として本発明の光電変換素子を有する電源装置を用いることもできる。
つぎに、本発明における光電変換素子の一例について図面を参照して説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
図1Aは、本発明の光電変換素子の一例を示す概略断面図である。
図1Aに示すように、光電変換素子101には、第一の基板1上に第一の電極2が形成され、第一の電極2上にホールブロッキング層3が形成され、ホールブロッキング層3上に光電変換層10が形成され、光電変換層10上に第二の電極7が形成され、第二の電極7上に第二の基板8が形成されている。
光電変換層10は、電子輸送層4、ホール輸送層6を含み、電子輸送層4における電子輸送性材料に光増感化合物5が吸着している。
このような光電変換素子101には、第一の電極2と第二の基板8との間に、少なくとも光電変換層10を封止する封止部材9を有しており、第一の電極2が貫通部2bを有し、封止部材9が貫通部2bを通じて第一の基板1と接している。
図1B〜図1Cは、本発明の光電変換素子の他の一例を示す概略断面図である。
図1Bは、図1Aにおいて、貫通部2bを複数設けている以外は、図1Aと同様の概略断面図である。
図1Cは、図1Bにおいて、ホールブロッキング層3にも貫通部3bが設けられ、貫通部3bと貫通部2bが接続し、封止部材9が貫通部3bと貫通部2bを通じて第一の基板1と接している以外は、図1Bと同様の概略断面図である。
図2A及び図2Bは、図1A及び図1Bに示した光電変換素子における貫通部の位置を示す概略上面図である。
図2Cは、図1A〜図1Cに示した光電変換素子における封止部材の位置を示す概略上面図である。
図2Aに示すように、第一の電極2の貫通部2aは、少なくとも封止部材を設ける位置に配置されている。
図2Bに示すように、ホールブロッキング層3の貫通部3aは、図2Aで示した第一の電極2の貫通部2aのうち少なくとも光電変換層10形成側の貫通部2aに重ねて配置されている。
図2Cに示すように、封止部材9は、図2A及び図2Bで示した貫通部2a及び貫通部3aに重ねて配置されている。
図3Aは、本発明の光電変換素子における貫通部の一例を示す拡大上面図である。図3B〜図3Dは、本発明の光電変換素子における貫通部の他の一例を示す拡大上面図である。
図3Aに示すように、第一の電極2の貫通部2aには、ライン状の貫通孔2bが設けられている。
図3Bに示すように、第一の電極2の貫通部2aには、等間隔で配置されているドットパターン状の貫通孔2bが設けられている。
図3Cに示すように、第一の電極2の貫通部2aには、等間隔で配置されているドットパターン状の貫通孔2bが設けられている。
図3Dに示すように、ホールブロッキング層3の貫通部3aには、等間隔で配置されているドットパターン状の貫通孔3bが設けられている。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される
実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<酸化チタン半導体電極(電子輸送層)の作製>
金属チタンからなるターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタにより、前記第一の電極としてのITO導電膜を前記第一の基板としてのガラス基板上に載せて一体としたITOコートガラス上に酸化チタンの緻密なホールブロッキング層を形成した。
次に、酸化チタン(P90、日本アエロジル株式会社製)3g、アセチルアセトン0.2g、及び界面活性剤(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、和光純薬工業株式会社製)0.3gを水5.5g、エタノール1.0gとともにビーズミル処理を12時間施し、酸化チタン分散液を得た。得られた酸化チタン分散液にポリエチレングリコール(#20,000、和光純薬工業株式会社製)1.2gを加えてペーストを作製した。
得られたペーストを、前記ホールブロッキング層上に平均厚みが1.5μmになるように塗布し、室温で乾燥後、空気中、500℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層を形成した。以上により、酸化チタン半導体電極を作製した。
<光電変換層の作製>
前記酸化チタン半導体電極を、下記構造式(3)で表される三菱製紙株式会社製D358(0.5mM、アセトニトリル/t−ブタノール(体積比1:1)溶液)に浸漬した後、1時間暗所で静置して光増感材料を吸着させた。
次に、下記構造式(4)で表される有機ホール輸送材料(銘柄:2,2’,7,7’−tetrakis(N,N−di−p−methoxyphenylamino)−9,9’−spirobifluorene、品番:SHT−263、メルク株式会社製;CAS番号207739−72−8):183.8mgのクロロベンゼン溶液:1mLに、下記構造式(5)で表される化合物(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、関東化学株式会社製):12.87mg、前記一般式(4)で表される化合物:22.98mgを加えて、ホール輸送層塗布液を調整した。
次に、前記光増感材料を担持した半導体電極上に、前記ホール輸送層塗布液をスピンコートしてホール輸送層を製膜した。以上により、光電変換層を形成した。
次に、前記光電変換層上に銀を100nm真空蒸着して第二の電極を形成した。
<封止>
前記光電変換層の外周に沿って前記第一の電極としての前記ITO導電膜をレーザーにより衝撃剥離させ、貫通孔を形成した。前記貫通孔の形状をライン状とし、前記貫通孔の最小開口長さAを25μm、隣接する前記貫通孔間の最小距離Bを50μmとした。レーザー装置としては、オムロンレーザーフロント株式会社製レーザーパターニング装置を用い、発振器をTHG(Third Harmonic Generation)発振器、出力を120mW、波長を349nmとした。前記レーザーパターニング装置の加工周波数、加工速度、及び加工ピッチを制御することにより、前記貫通孔の最小開口長さA、及び隣接する前記貫通孔間の最小距離Bを任意に設定できる。前記貫通部上にUV硬化樹脂(TB3035B、株式会社スリーボンドホールディングス製)をディスペンサー(2300N、株式会社サンエイテック製)を用いて塗布し、カバーガラスで挟み込み、UV照射を行い硬化させ、実施例1の光電変換素子を得た。
なお、図4Aは、実施例1の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図であり、図4Bは、実施例1の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。また、図5は、実施例1の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。
<光電変換素子の評価>
得られた光電変換素子について、高温高湿環境下(60℃、90%RH)に500時間放置して、白色LED照射下(1,000Lux:0.24mW/cm)における光電変換効率を測定した。結果を表1に示す。
なお、光電変換効率に測定には、白色LEDとして高演色性LEDデスクランプ(CDS−90α、株式会社コスモテクノ製デスクランプ;スタディーモード)、評価機器として太陽電池評価システム(As−510−PV03、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用いた。
(実施例2)
実施例1において、前記最小開口長さAを25μm、前記最小距離Bが一定の長さにならないように(等間隔でないように)レーザーパターニング装置で加工した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の光電変換素子を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、図6Aは、実施例2の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図であり、図6Bは、実施例2の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。また、図7は、実施例2の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。
(実施例3)
実施例1において、貫通孔の形状を円形状とし、前記最小開口長さAを25μm、前記最小距離Bを50μmになるようにレーザーパターニング装置で加工した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の光電変換素子を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、図8Aは、実施例3の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図であり、図8Bは、実施例3の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。また、図9は、実施例3の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。
(実施例4)
実施例1において、貫通孔の形状を円形状とし、前記最小開口長さAを25μm、前記最小距離Bを25μmになるようにレーザーパターニング装置で加工した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の光電変換素子を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、図10Aは、実施例4の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図であり、図10Bは、実施例4の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。また、図11は、実施例4の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。
(実施例5)
実施例1において、貫通孔の形状を円形状とし、前記最小開口長さAを25μm、前記最小距離Bを10μmになるようにレーザーパターニング装置で加工した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の光電変換素子を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、図12Aは、実施例5の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図であり、図12Bは、実施例5の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。また、図13は、実施例5の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。
(実施例6)
実施例5において、前記第一の電極としてのITO導電膜の貫通部のうち、光電変換層を設けた側の貫通部と同様の面積のホールブロッキング層を製膜し、前記第一の電極と同様に、前記ホールブロッキング層にも貫通部を設けた以外は、実施例4と同様にして、実施例6の光電変換素子を作製し、実施例4と同様に評価した。結果を表1に示した。
なお、図14Aは、実施例6の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図であり、図14Bは、実施例6の光電変換素子において貫通部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。また、図15は、実施例6の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。
(比較例1)
実施例1において、貫通部を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の光電変換素子を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
なお、図16Aは、比較例1の光電変換素子を示す概略上面図であり、図16Bは、比較例1の光電変換素子において封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。
(比較例2)
実施例1において、前記第一の電極としてのITO導電膜にレーザーを貫通させない穴部を形成し、前記穴部の形状を円形状とし、前記穴部の最小開口長さを25μm、前記穴部の最小距離を10μmとなるようにレーザーパターニング装置で加工した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の光電変換素子を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
なお、図17Aは、比較例2の光電変換素子における穴部を示す概略上面図であり、図17Bは、比較例2の光電変換素子において穴部に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。
(比較例3)
実施例1において、前記貫通部の上に銀ペースト(JELCON RKシリーズ L2、十条ケミカル株式会社製)を塗布し、封止部材が第一の基板に接していない以外は、実施例1と同様にして、比較例3の光電変換素子を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示した。
なお、前記銀ペーストは、スクリーン印刷により塗布し、80℃で30分間乾燥させ、平均厚みを2μmとした。
図18Aは、比較例3の光電変換素子における貫通部を示す概略上面図であり、図18Bは、比較例3の光電変換素子において貫通部に銀ペーストを塗布した後の状態を示す概略上面図であり、図18Cは、比較例3の光電変換素子において銀ペーストを塗布した後に封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。また、図19は、比較例3の光電変換素子における貫通部を示す拡大上面図である。
(比較例4)
実施例1において、光電変換層の外周に沿って前記第一の電極としてのITO導電膜をすべてレーザーにより衝撃剥離させた以外は、実施例1と同様にして、比較例4の光電変換素子を作製し、同様に評価した。その結果、前記ITO導電膜をすべて除去したため、発生した電力を外部に取り出すことができなかった。結果を表2に示した。
なお、図20Aは、比較例4の光電変換素子を示す概略上面図であり、図20Bは、比較例4の光電変換素子において封止部材を設けた後の状態を示す概略上面図である。
表1及び表2の結果より、比較例1〜3の光電変換素子と比較すると、実施例1〜6の光電変換素子では、光電変換効率の低下が抑制されていることがわかった。これは、前記第一の電極に前記貫通部が設けられ、前記貫通部を通じて前記封止部材が前記第一の基板に接するように配置されることにより、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との接合面積が広くなるため、前記第一の電極及び前記第一の基板と、前記封止部材との密着性が高まり、前記第一の電極と前記封止部材との界面の封止効果が向上したと考えられる。
以上、明らかなように、本発明の光電変換素子は優れた光電変換特性を示すことがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第一の基板と、前記第一の基板上に第一の電極と、前記第一の電極上にホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に光電変換層と、前記光電変換層上に第二の電極と、前記第二の電極上に第二の基板とを有する光電変換素子であって、前記第一の電極と前記第二の基板との間に、少なくとも前記光電変換層を封止する封止部材を有し、前記第一の電極が、貫通部を有し、前記封止部材が、前記貫通部を通じて前記第一の基板と接することを特徴とする光電変換素子である。
<2> 前記貫通部が、等間隔で配置されているドットパターン状の貫通孔を有する前記<1>に記載の光電変換素子である。
<3> 前記貫通孔の最小開口長さをAとし、隣接する前記貫通孔間の最小距離をBとしたとき、次式、A>B、を満たす前記<2>に記載の光電変換素子である。
<4> 前記最小開口長さAが、5μm以上500μm以下である前記<3>に記載の光電変換素子である。
<5> 前記最小距離Bが、1μm以上400μm以下である前記<3>から<4>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<6> 前記第一の電極の平均厚みが、5nm以上100μm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<7> 前記第一の電極の平均厚みが、50nm以上10μm以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<8> 前記第一の電極と前記封止部材との間に前記ホールブロッキング層が配置され、前記ホールブロッキング層が、前記第一の電極の前記貫通部と接続する貫通部を有し、前記封止部材が、前記ホールブロッキング層の前記貫通部及び前記第一の電極の前記貫通部を通じて前記第一の基板と接する前記<1>から<7>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<9> 前記ホールブロッキング層の平均厚みが、5nm以上1μm以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<10> 前記光電変換層が、電子輸送層及びホール輸送層を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<11> 前記電子輸送層の平均厚みが、100nm以上100μm以下である前記<10>に記載の光電変換素子である。
<12> 前記電子輸送層が、半導体粒子を有する前記<10>から<11>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<13> 前記半導体粒子の一次粒子の個数平均粒径が、1nm以上100nm以下である前記<12>に記載の光電変換素子である。
<14> 前記半導体粒子に、前記光増感化合物及び前記凝集解離剤の少なくともいずれかを吸着させる時間が、5秒間以上1,000時間以下である前記<12>から<13>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<15> 前記電子輸送層が、光増感化合物を有する前記<10>から<14>に記載の光電変換素子である。
<16> 前記ホール輸送層が、有機ホール輸送材料を有する前記<10>から<15>のいずれかに記載の光電変換素子である。
<17> 前記有機ホール輸送材料が、下記一般式(A)で表される化合物を含む前記<16>に記載の光電変換素子である。
ただし、前記一般式(A)中、R及びRは置換もしくは無置換のアルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R及びRは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
<18> 前記ホール輸送層における前記一般式(A)で表される化合物の含有量が、前記有機ホール輸送材料100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下である前記<17>に記載の光電変換素子である。
<19> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の光電変換素子を有することを特徴とする太陽電池である。
前記<1>から<18>のいずれかに記載の光電変換素子、前記<19>に記載の太陽電池によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2010−198821公報
1 第一の基板
2 第一の電極
2a 貫通部
2b 貫通孔
2c 穴部形成領域
2d 銀ペースト塗布領域
3 ホールブロッキング層
3a 貫通部
3b 貫通孔
4 電子輸送層
5 光増感化合物
6 ホール輸送層
7 第二の電極
8 第二の基板
9 封止部材
10 光電変換層
11、12 端子部
101〜103 光電変換素子

Claims (4)

  1. 第一の基板と、前記第一の基板上に第一の電極と、前記第一の電極上にホールブロッキング層と、前記ホールブロッキング層上に光電変換層と、前記光電変換層上に第二の電極と、前記第二の電極上に第二の基板とを有する光電変換素子であって、
    前記第一の電極と前記第二の基板との間に、少なくとも前記光電変換層を封止する封止部材を有し、
    前記第一の電極が、貫通部を有し、
    前記封止部材が、前記貫通部を通じて前記第一の基板と接することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記貫通部が、等間隔で配置されているドットパターン状の貫通孔を有する請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記貫通孔の最小開口長さをAとし、隣接する前記貫通孔間の最小距離をBとしたとき、次式、A>B、を満たす請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第一の電極と前記封止部材との間に前記ホールブロッキング層が配置され、
    前記ホールブロッキング層が、前記第一の電極の前記貫通部と接続する貫通部を有し、
    前記封止部材が、前記ホールブロッキング層の前記貫通部及び前記第一の電極の前記貫通部を通じて前記第一の基板と接する請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。

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