JP6657841B2 - 光電変換素子及び太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は光電変換素子及び太陽電池に関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになった。さらに、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源(環境発電素子)への応用が期待されており、その中でも太陽電池は光があればどこでも発電できる素子として注目を集めている。小型な環境発電素子は、様々な場所に配置することが可能となり、二次電池と組合せることで、交換不要な一次電池となり得る。発電性能向上は、更なる小型や、センサ情報を無線通信にて送信する回数を増やすことが可能となる。
太陽電池の中でも、スイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表した色素増感型太陽電池は、微弱な室内光環境化においてアモルファスシリコン太陽電池以上の高い光電変換特性を有することが報告されている(非特許文献1参照)。通常、LEDライトや蛍光灯などの室内光の照度は200Luxから1000Lux程度であり、太陽の直射光(およそ100000Lux)と比較し、非常に微弱な光である。
この太陽電池の構造は、透明導電性ガラス基板上に多孔質な金属酸化物半導体を設け、その表面に吸着した色素と、酸化還元対を有する電解質と、対向電極とからなる。Graetzelらは、酸化チタン等の金属酸化物半導体電極を多孔質化して表面積を大きくしたこと、並びに色素としてルテニウム錯体を単分子吸着させたことにより光電変換効率を著しく向上させた(例えば、特許文献1、非特許文献2、3参照)。
発電性能が高い従来の電解液を用いた色素増感型太陽電池は、電解液の揮発や漏れ等の懸念がある。そこで、実用化を想定した際には、電解液の固体化が望まれる。従来から、次に示されるような発電性能の高い固体型色素増感型太陽電池の報告がされている。
1)無機半導体を用いたもの(例えば、非特許文献4参照)
2)低分子有機ホール輸送材料を用いたもの(例えば、特許文献2、非特許文献5、6参照)
3)導電性高分子を用いたもの(例えば、特許文献3、非特許文献7参照)
非特許文献5記載の太陽電池は、吸光係数の大きな有機色素とスピロ型のホール輸送材料を用いた固体型色素増感太陽電池である。非特許文献6記載の太陽電池は、ベンジジン型のホール輸送材料を用いており、非特許文献5記載の太陽電池に用いられているスピロ型のホール輸送材料より安価に合成することができる。低コスト材料ではあるが、スピロ型のホール輸送材料より発電性能に劣る。いずれも、塩基性材料に、4−ターシャルブチルピリジンを用いており、太陽光における発電性能は高いが、室内光における発電性能は報告されていない。
以上、これまでに検討されてきた固体型光電変換素子は、何れも擬似太陽光における発電性能のみ報告されており、室内光における発電性能は報告されていない。また、非特許文献1において、液体型色素増感型太陽電池の環境試験結果は報告されているが、固体型色素増感型太陽電池は報告されていない。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、室内光のような微弱な照射光の場合であっても、良好な光電変換性が得られる光電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光電変換素子は、 第一の電極と、ホールブロッキング層と、電子輸送層と、ホール輸送層と、第二の電極とを有し、前記電子輸送層は、増感色素及び下記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物を少なくとも1つ含み、前記ホール輸送層は、下記一般式(2)で表される塩基性化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする。
Figure 0006657841
(式中、R、Rはそれぞれ炭素数1から6のアルキル基、またはベンジル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1、R2は互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
(式中、R 、R は置換もしくは無置換のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R 、R は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。)
本発明によれば、室内光のような微弱な照射光の場合であっても、良好な光電変換性が得られる光電変換素子を提供することができる。
本発明に係る光電変換素子の構造の一例を表わす概略断面図である。
以下、本発明に係る光電変換素子及び太陽電池について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。本明細書において光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子あるいは電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を表し、具体的には太陽電池あるいはフォトダイオード等が挙げられる。
光電変換素子及び太陽電池の構成について図1に基づいて説明する。図1は本発明に係る光電変換素子の構造の一例を表わす概略断面図である。
図1に示す態様においては、基板1上に第一の電極2が形成され、第一の電極2上にホールブロッキング層3が形成され、ホールブロッキング層3上に電子輸送層4が形成され、電子輸送層4における電子輸送性材料に光増感化合物5が吸着し、第一の電極2と対向する第二の電極7との間にホール輸送層6が挟み込まれた構成の例が図示されている。また、図1では、第一の電極2と第二の電極7が導通するようにリードライン8、9が設けられている構成の例が図示されている。以下、詳細を説明する。
<基板>
本発明に用いられる基板1としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。基板1は透明な材質のものが好ましく、例えばガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。
<第一の電極>
本発明に用いられる第一の電極2としては、可視光に対して透明な導電性物質であれば特に限定されるものではなく、通常の光電変換素子、あるいは液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。
第一の電極の材料としては、例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、ITOと称す)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOと称す)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、ATOと称す)、インジウム・亜鉛酸化物、ニオブ・チタン酸化物、グラフェン等が挙げられ、これらが単独あるいは複数積層されていてもよい。
第一の電極の厚さは5nm〜10μmが好ましく、50nm〜1μmがさらに好ましい。
また、第一の電極は一定の硬性を維持するため、可視光に透明な材質からなる基板1上に設けることが好ましく、基板としては、例えば上記のように、ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが用いられる。
第一の電極と基板とが一体となっている公知のものを用いることもでき、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜等が挙げられる。
また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状等、光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものでもよい。
これらは単独あるいは2種以上の混合、または積層したものでも構わない。また抵抗を下げる目的で、金属リード線等を併用してもよい。
前記金属リード線の材質は、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法により形成できる。
<ホールブロッキング層>
本発明で用いられるホールブロッキング層3としては、可視光に対して透明であり、かつ電子輸送性材料であれば特に限定されるものではないが、特に酸化チタンが好ましい。また、ホールブロッキング層3は、電解質が電極と接して、電解質中のホールと電極表面の電子が再結合(いわゆる逆電子移動)することによる電力低下を抑制するために設けられる。このホールブロッキング層3の効果は、固体型色素増感型太陽電池において特に顕著である。これは、電解液を用いた湿式色素増感太陽電池と比較し、有機ホール輸送性材料等を用いた固体型色素増感型太陽電池はホール輸送性材料中のホールと電極表面の電子の再結合(逆電子移動)速度が速いことに起因している。
ホールブロッキング層3の製膜方法は限定しないが、室内光における損失電流を抑制するためには、高い内部抵抗が必要であり、製膜方法も重要である。一般的には、湿式製膜となるゾルゲル法が挙げられるが、膜密度が低く十分に損失電流を抑制できない。そのため、より好ましくは、スパッタリング法などの乾式製膜であり、膜密度が十分に高く損失電流を抑制できる。
このホールブロッキング層3は、第一の電極2とホール輸送層6との電子的コンタクトを防ぐ目的でも形成される。このホールブロッキング層3の膜厚は特に制限はないが、5nm〜1μmが好ましく、湿式製膜では500〜700nmがより好ましく、乾式製膜では10nm〜30nmがより好ましい。
<電子輸送層>
本発明の光電変換素子及び太陽電池は、上記のホールブロッキング層3上に多孔質状の電子輸送層4を形成するものであり、単層であっても多層であってもよい。
多層の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
一度の塗布で膜厚が不足する場合には、多層塗布は有効な手段である。
一般的に、電子輸送層の膜厚が増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感材料量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。
したがって、電子輸送層4の膜厚は100nm〜100μmが好ましい。
前記半導体としては特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
具体的には、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、あるいは金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、またはペロブスカイト構造を有する化合物等を挙げることができる。
金属のカルコゲニドとしてはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、あるいはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。
他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が好ましい。
また、ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等が好ましい。
これらの中でも酸化物半導体が好ましく、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブが好ましく、単独、あるいは2種以上の混合で使用しても構わない。これらの半導体の結晶型は特に限定されるものではなく、単結晶でも多結晶でも、あるいは非晶質でも構わない。
半導体微粒子のサイズに特に制限はないが、一次粒子の平均粒径は1〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。
また、より大きい平均粒径の半導体微粒子を混合あるいは積層して入射光を散乱させる効果により、効率を向上させることも可能である。この場合の半導体の平均粒径は50〜500nmが好ましい。
電子輸送層4の作製方法には特に制限はなく、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法が挙げられる。
製造コスト等を考慮した場合、特に湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾルを分散したペーストを調製し、電子集電電極(第一の電極)基板上に塗布する方法が好ましい。
この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法にしたがって行なうことができる。
例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
半導体微粒子の分散液を機械的粉砕、あるいはミルを使用して作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、あるいは半導体微粒子と樹脂の混合物を水あるいは有機溶剤に分散して形成される。
このときに使用される樹脂としては、たとえば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
半導体微粒子を分散する溶媒としては、たとえば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
半導体微粒子の分散液、あるいはゾル−ゲル法等によって得られた半導体微粒子のペーストは、粒子の再凝集を防ぐため、塩酸、硝酸、酢酸等の酸、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等の界面活性剤、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン等のキレート化剤等を添加することができる。
また、製膜性を向上させる目的で増粘剤を添加することも有効な手段である。
このとき加える増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子、エチルセルロース等の増粘剤等が挙げられる。
半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、あるいはレーザー光照射を行なうことが好ましい。これらの処理は単独で行なってもあるいは二種類以上組み合わせて行なってもよい。
焼成する場合、焼成温度の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過ぎると基板の抵抗が高くなったり、溶融したりすることもあるため、30〜700℃が好ましく、100〜600℃がより好ましい。また、焼成時間にも特に制限はないが、10分〜10時間が好ましい。
前記マイクロ波照射は、電子輸送層形成側から照射しても、裏側から照射しても構わない。
照射時間には特に制限がないが、1時間以内で行なうことが好ましい。
焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感材料から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行なってもよい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
このラフネスファクターは、基板に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表わす数値である。したがって、ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、電子輸送層の膜厚との関係もあり、本発明においては20以上が好ましい。
<光増感化合物>
本発明では変換効率のさらなる向上のため、光増感化合物5を電子輸送層4である電子輸送性半導体の表面に吸着させるのが好ましい。
光増感化合物5は、使用される励起光により光励起される化合物であれば上記に限定されないが、具体的には以下の化合物も挙げられる。
特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J.Phys.Chem.C,7224,Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物、同特開2004−95450号公報、Chem.Commun.,4887(2007)等に記載のポリエン化合物、特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J.Am.Chem.Soc.,12218,Vol.126(2004)、Chem.Commun.,3036(2003)、Angew.Chem.Int.Ed.,1923,Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J.Am.Chem.Soc.,16701,Vol.128(2006)、J.Am.Chem.Soc.,14256,Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物、特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物、特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J.Phys.Chem.,2342,Vol.91(1987)、J.Phys.Chem.B,6272,Vol.97(1993)、Electroanal.Chem.,31,Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J.Porphyrins Phthalocyanines,230,Vol.3(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,373,Vol.46(2007)、Langmuir,5436,Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物等を挙げることができる。特にこの中で、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物を用いることが好ましい。
更に好ましくは、三菱製紙社製の下記構造式(5)で表されるD131、下記構造式(6)で表されるD102、下記構造式(7)で表されるD358が挙げられる。
Figure 0006657841
Figure 0006657841
Figure 0006657841
電子輸送層4に光増感化合物5を吸着させる方法としては、光増感化合物溶液中あるいは分散液中に半導体微粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法、光増感化合物溶液あるいは分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法を用いることができる。
前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等を用いることができる。
後者の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等を用いることができる。
また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
光増感化合物を吸着させる際、縮合剤を併用してもよい。
前記縮合剤は、無機物表面に物理的あるいは化学的に光増感化合物と電子輸送化合物を結合すると思われる触媒的作用をするもの、または化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
さらに、縮合助剤としてチオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
光増感化合物を溶解、あるいは分散する溶媒としては、たとえば、水、メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、
ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができ、これらは単独、あるいは2種以上の混合として用いることができる。
また、光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。
一般的には、前記凝集解離剤としてはコール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸または長鎖アルキルホスホン酸が好ましく、用いる色素に対して適宜選ばれる。しかしながら、上記凝集解離剤は主に、ホール輸送層にヨウ素系電解液を用いた際に、特に発電性能が向上されることが広く知られているが、有機P型半導体とより好適な凝集解離剤があることが判明した。
従来の凝集解離剤は、長鎖アルキルを有するカルボン酸もしくはホスホン酸であり、分子が非常に小さいヨウ素が酸化チタンに接触することを抑制することが可能であった。しかしながら、アルキル鎖が長すぎると、有機P型半導体と色素との電荷授受を妨げ、短絡電流密度を低下しやすくなる。とりわけ、室内光等の微弱な照度下においては、より顕著である。
本発明者は鋭意検討を重なる中で、有機P型半導体を用いる際には、凝集解離剤として、下記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物が、特に室内光環境下において、優れた発電性能を得ることが明らかになった。更に、安息香酸基を有し、塩基性が強いアルキル鎖やジベンジル基を有するアミノ化合物を用いることで、高温環境下における発電性能が高くなることが明らかになった。
Figure 0006657841
(式中、R、Rはそれぞれ炭素数1から6のアルキル基、またはベンジル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1、R2は互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
なお、ジフェニルアミノ安息香酸は、増感色素として知られているが、フェニル基はアルキル基やジベンジル基より塩基性が非常に弱く、上記のような高温環境下における発電性を高める効果はなかった。理由は定かではないが、本発明者は、酸化チタンに吸着される化合物の塩基性の強弱により、酸化チタンのフェルミ準位が変化することは知られている。塩基性の高い材料が吸着することで、開放電圧が高くなると、考えている。
以下に前記一般式(1)における具体的な例示化合物を下記に記すが、何らこれらに限定されるものではない。
Figure 0006657841
これら凝集解離剤の添加量は、光増感化合物1質量部に対して0.01〜500質量部が好ましく、0.1〜100質量部がより好ましい。これらを用い、電子輸送層4に光増感化合物および凝集解離剤を吸着する際の温度としては、−50℃以上、200℃以下が好ましい。
また、この吸着は静置しても攪拌しながら行なっても構わない。
前記攪拌する場合の方法としては、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、あるいは超音波分散等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
吸着に要する時間は、5秒以上、12時間以下が好ましく、1分以上、1時間以下がさらに好ましい。
また、吸着は暗所で行なうことが好ましい。
<ホール輸送層>
一般的にホール輸送層としては、酸化還元対を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、無機ホール輸送性材料、有機ホール輸送性材料等が用いられるが、本発明のホール輸送層6は、下記一般式(2)で表される塩基性化合物および/または下記構造式(3)で表される化合物等の有機ホール輸送性材料を含有するのが好ましい。
Figure 0006657841
式中、R、Rは置換もしくは無置換のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。R、Rのアルキル基としては、炭素数1〜5であるものが好ましい。芳香族炭化水素基としては、ベンジル基、フェニル基、トリル基等が好ましい。
Figure 0006657841
本発明におけるホール輸送層6は、単層構造でも異なる化合物からなる積層構造でも構わない。積層構造の場合、第二の電極7に近いホール輸送層6に高分子材料を用いることが好ましい。
ホール輸送層6に製膜性に優れる高分子材料を用いることで多孔質状の電子輸送層の表面をより平滑化することができ、光電変換特性を向上することができるためである。
また、高分子材料は多孔質状の電子輸送層内部へ浸透することが困難であるため、逆に多孔質状の電子輸送層表面の被覆にも優れ、電極を設ける際の短絡防止にも効果を発揮するため、より高い性能を得ることが可能となる。
単層構造において、ホール輸送層6に用いられる有機ホール輸送性材料としては、公知の有機ホール輸送性化合物が用いられる。
その具体例としては特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報あるいは特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物等を挙げることができる。
その中でも、非特許文献5記載の前記構造式(3)で表される有機ホール輸送性材料や、非特許文献6記載の有機ホール輸送性材料は特に優れた光電変換特性を示す。
ホール輸送層6が積層構造である場合、第二の電極7に近い有機ホール輸送性材料としては、前記のように高分子材料が好ましく、該高分子材料としては、公知のホール輸送性高分子材料が用いられる。
その具体例としては、ポリ(3−n−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−n−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(9,9’−ジオクチル−フルオレン−コ−ビチオフェン)、ポリ(3,3’’’−ジドデシル−クォーターチオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(2,5−ビス(3−デシルチオフェン−2−イル)チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チエノ[3,2−b]チオフェン)、ポリ(3,6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−チオフェン)、ポリ(3.6−ジオクチルチエノ[3,2−b]チオフェン−コ−ビチオフェン)等のポリチオフェン化合物、
ポリ[2−メトキシー5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[2−メトキシー5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ[(2−メトキシ−5−(2−エチルフェキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)−コ−(4,4’−ビフェニレンービニレン)]等のポリフェニレンビニレン化合物、
ポリ(9,9’−ジドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(4,4’−ビフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレン)−alt−コ−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−(2,5−ジヘキシルオキシ)ベンゼン)]等のポリフルオレン化合物、
ポリ[2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレン]、ポリ[2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシー1,4−フェニレン]等のポリフェニレン化合物、
ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ジフェニル)−N,N’−ジ(p−ヘキシルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−オクチルオキシフェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[(N,N’−ビス(4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル)ベンジジン−N,N’−(1,4−ジフェニレン)]、ポリ[フェニルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジオクチルオキシ−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[p−トリルイミノ−1,4−フェニレンビニレン−2,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン−1,4−フェニレン]、ポリ[4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニルイミノ−1,4−ビフェニレン]等のポリアリールアミン化合物、
ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール]、ポリ(3,4−ジデシルチオフェン−コ−(1,4−ベンゾ(2,1’,3)チアジアゾール)等のポリチアジアゾール化合物を挙げることができる。
この中で、キャリア移動度やイオン化ポテンシャルを考慮するとポリチオフェン化合物とポリアリールアミン化合物が特に好ましい。
また、上記に示した有機ホール輸送性材料に各種添加剤を加えても構わない。
添加剤としては、ヨウ素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銅、ヨウ化鉄、ヨウ化銀等の金属ヨウ化物、
ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム等の4級アンモニウム塩、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の金属臭化物、
臭化テトラアルキルアンモニウム、臭化ピリジニウム等の4級アンモニウム化合物の臭素塩、
塩化銅、塩化銀等の金属塩化物、酢酸銅、酢酸銀、酢酸パラジウム等の酢酸金属塩、
硫酸銅、硫酸亜鉛等の金属硫酸塩、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、
ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、
ビオロゲン色素、ヒドロキノン等、ヨウ化1,2−ジメチル−3−n−プロピルイミダゾイニウム塩、ヨウ化1−メチル−3−n−ヘキシルイミダゾリニウム塩、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムトリフロオロメタンスルホン酸塩、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムノナフルオロブチルスルホン酸塩、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド、1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等のInorg.Chem.35(1996)1168に記載のイオン液体、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ベンズイミダゾール等の塩基性化合物、
リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムジイソプロピルイミド等のリチウム化合物を挙げることができる。
中でも、イオン液体のイミダゾリウム化合物が好ましく、該化合物は、有機ホール輸送性材料に対し、1〜20質量%の割合で使用するのが好ましい。
本発明においては、ホール輸送層6に前記一般式(2)で表される塩基性化合物を添加することで、特に高い開放電圧を得ることができる。
また、光電変換素子における内部抵抗が高まり、室内光等の微弱光における損失電流を低減することができる。よって、従来の塩基性化合物より高い開放電圧を得られる。
従来から前記一般式(2)と類似構造である化合物自体は知られている。また、その一部の化合物は、ヨウ素電解液型色素増感太陽電池においては、塩基性化合物として用いることが知られている。しかし、これは開放電圧が高いが、短絡電流密度が大幅に減少し、光電変換特性は著しく悪化することが報告されている。
本発明のホール輸送層の前記形態では、有機ホール輸送性材料を用いるものであり、前記ヨウ素電解液等による正孔輸送モデルとは異なるものである。したがって、短絡電流密度の低下量が少なく、高い開放電圧が得られることで、優れた光電変換特性を得ることができる。さらに、報告例が少ない室内光等の微弱光における光電変換する際に、特に際立って優位性が現れることを検証することができた。
以下に前記一般式(2)における具体的な化合物を下記に記すが、何らこれらに限定されるものではない。
Figure 0006657841
なお、上記構造式の横に番号がある場合、該番号は独立行政法人科学技術振興機構が公開している化学物質データベース「日本化学物質辞書」中の化合物番号を意味する。
なお、前記一般式(2)で表される塩基性化合物の合成は公知の方法により行うことができ、例えば非特許文献8に記載のように、下記ルートから容易に合成することができる。
Figure 0006657841
(式中、R、Rは置換もしくは無置換のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R、Rは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。Xは、ハロゲン元素を表す。)
前記一般式(2)で表される塩基性化合物のホール輸送層中の添加量は、有機ホール輸送性材料100質量部に対して、1重量部以上20重量部以下であることが好ましく、5重量部以上15重量部以下であることがより好ましい。
また、前記一般式(2)で表される塩基性化合物は、ホール輸送層6全体に対し、1〜10質量%含まれるのが好ましく、3〜8質量%含まれるのがさらに好ましい。
また、前記構造式(3)で表される有機ホール輸送性材料は、ホール輸送層6全体に対し、70〜90質量%含まれるのが好ましく、80〜90質量%含まれるのがさらに好ましい。
また導電性を向上させる目的で、有機ホール輸送性材料の一部をラジカルカチオンにするための酸化剤を添加しても構わない。
その酸化剤としては、ヘキサクロロアンチモン酸トリス(4−ブロモフェニル)アミニウム、ヘキサフルオロアンチモネート銀、ニトロソニウムテトラフルオボラート、硝酸銀、コバルト錯体系化合物等が挙げられる。
この酸化剤の添加によって全ての有機ホール輸送性材料が酸化される必要はなく、一部のみが酸化されていればよい。また添加した酸化剤は添加した後、系外に取り出しても、取り出さなくてもよい。
ホール輸送層6は電子輸送層4の上に直接形成するのが好ましい。ホール輸送層6の作製方法には特に制限はなく、真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法が挙げられる。製造コスト等を考慮した場合、特に湿式製膜法が好ましく、電子輸送層上に塗布する方法が好ましい。
この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法にしたがって行なうことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。また、超臨界流体あるいは臨界点より低い温度・圧力の亜臨界流体中で製膜してもよい。
前記超臨界流体は、気体と液体が共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝集性高密度流体として存在し、圧縮しても凝集せず、臨界温度以上、かつ臨界圧力以上の状態にある流体である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。
超臨界流体としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、n−ブタノールなどのエルコール系溶媒、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロトリフロロメタンなどのハロゲン系溶媒、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好適である。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力7.3MPa、臨界温度31℃であることから、容易に超臨界状態をつくり出せるともに、不燃性で取扱いが容易であり、特に好ましい。
また、これらの流体は、単独であっても二種以上の混合であっても構わない。
前記亜臨界流体としては、臨界点近傍の温度及び圧力領域において、高圧液体として存在する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述した超臨界流体として挙げられる化合物は、亜臨界流体としても好適に使用することができる。
超臨界流体の臨界温度及び臨界圧力は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度としては、−273℃以上300℃以下が好ましく、0℃以上200℃以下が特に好ましい。
さらに、上述の超臨界流体及び亜臨界流体に加え、有機溶媒やエントレーナーを併用することもできる。
有機溶媒及びエントレーナーの添加により、超臨界流体中での溶解度の調整をより容易に行なうことができる。
このような有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、
ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、
ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。
本発明では、第一の電極上にホール輸送層6を設けた後、プレス処理工程を施しても構わない。
このプレス処理を施すことによって、有機ホール輸送性材料がより多孔質電極と密着するため効率が改善すると考えている。
プレス処理方法に特に制限はないが、IR錠剤整形器に代表されるような平板を用いたプレス成型法、ローラーなどを用いたロールプレス法を挙げることができる。
圧力としては10kgf/cm以上が好ましく、30kgf/cm以上がより好ましい。プレス処理する時間に特に制限はないが、1時間以内で行なうことが好ましい。 また、プレス処理時に熱を加えても構わない。
また、上述のプレス処理の際、プレス機と電極間に離型材を挟んでも構わない。
前記離型材としては、ポリ四フッ化エチレン、ポリクロロ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレン四フッ化エチレン共重合体、エチレンクロロ三フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニルなどのフッ素樹脂を挙げることができる。
上記プレス処理工程を行った後、対極を設ける前に、有機ホール輸送性材料と第二の電極との間に金属酸化物を設けても良い。設けてもよい金属酸化物としては、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニッケルを挙げることができ、特に酸化モリブデンが好ましい。
これら金属酸化物をホール輸送性材料上に設ける方法としては特に制限はなく、スパッタリングや真空蒸着等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式成膜法が挙げることができる。
湿式製膜法においては、金属酸化物の粉末あるいはゾルを分散したペーストを調製し、ホール輸送層上に塗布する方法が好ましい。
この湿式成膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法にしたがって行なうことができる。
例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。膜厚としては0.1〜50nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。
<第二の電極>
第二の電極7は、ホール輸送層形成後あるいは上述の金属酸化物上に新たに付与する。
また第二の電極7は、通常前述の第一の電極2と同様のものを用いることができ、強度や密封性が充分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要ではない。
第二の電極材料の具体例としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム等の金属、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン等の炭素系化合物、ITO、FTO、ATO等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性高分子が挙げられる。
第二の電極7の膜厚には特に制限はなく、また単独あるいは2種以上の混合で用いても構わない。
第二の電極7の塗設については、用いられる材料の種類やホール輸送層の種類により、適宜ホール輸送層上に塗布、ラミネート、蒸着、CVD、貼り合わせ等の手法により形成可能である。
本発明の光電変換素子を色素増感型太陽電池として動作するためには、第一の電極と第二の電極の少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。
本発明の太陽電池においては、第一の電極側が透明であり、太陽光を第一の電極側から入射させる方法が好ましい。この場合、第二の電極側には光を反射させる材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物を蒸着したガラス、プラスチック、あるいは金属薄膜が好ましい。
また、太陽光の入射側に反射防止層を設けることも有効な手段である。
本発明では、高い耐熱安定性を有することにより、高温環境下においても変換効率の低下が抑えられた太陽電池を提供することができる。
<用途>
本発明の光電変換素子は、例えば色素増感型太陽電池およびこれを備えた電源装置に応用できる。
応用例としては、従来から太陽電池やそれを用いた電源装置を利用している機器類であれば、いずれのものでも可能である。
例えば電子卓上計算機や腕時計用の太陽電池に用いてもよいが、本発明の光電変換素子の特徴を活用する一例として、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等の電源装置が挙げられる。また充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として用いることもできる。更には、センサ用の自立型電源として、二次電池と組み合わせた一次電池代替としても用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、実施例18、19とあるのは本発明に含まれない参考例18、19とする。
実施例1
(酸化チタン半導体電極の作製)
金属チタンからなるターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタにより、ITO系ガラス基板上に酸化チタンの緻密なホールブロッキング層3を形成した。
次に、酸化チタン(日本エアロジル社製P90)3g、アセチルアセトン0.2g、界面活性剤(和光純薬社製ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)0.3gを水5.5g、エタノール1.0gと共にビーズミル処理を12時間施した。
得られた分散液にポリエチレングリコール(#20,000)1.2gを加えてペーストを作製した。
このペーストを、上記ホールブロッキング層上に膜厚1.5μmになるように塗布し、室温で乾燥後、空気中500℃で30分間焼成し、多孔質状の電子輸送層4を形成した。
(色素増感型太陽電池の作製)
上記酸化チタン半導体電極を、増感色素として前記構造式(7)で表される三菱製紙社製D358(0.5mM)と、前記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物No.1−1(1.0mM)を、アセトニトリル/t-ブタノール溶液(体積比1:1)に浸漬し、1時間暗所にて静置し光増感化合物5を吸着させた。
前記構造式(3)で表される有機ホール輸送性材料(メルク株式会社製、銘柄:2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミノ−9,9’−スピロビフルオレン、品番:SHT−263):95mmol(固形分14質量%)をクロロベンゼン溶液に溶解させた。更に、関東化学社製リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド:28mmol(固形分1質量%)、前記一般式(2)で表される塩基性化合物No.2−1:98mmol(固形分1.4質量%)を加えて得た溶液を、光増感剤を担持した半導体電極上にスピンコートにてホール輸送層6を成膜した。この上に銀を100nm真空蒸着して第二の電極7を作製し、太陽電池を作製した。
(色素増感型太陽電池の評価)
上記のようにして得た色素増感型太陽電池の白色LED照射下(300ルクス、75uW/cm)における光電変換効率を測定した。白色LEDはコスモテクノ社製デスクランプCDS-90α(スタディーモード)、評価機器はNF回路設計ブロック社製太陽電池評価システムAs-510-PV03にて測定した。その結果、開放電圧=0.877V、短絡電流密度24.2μA/cm、形状因子=0.79、変換効率=19.73%という優れた初期特性を示した。
初期特性評価後、加熱乾燥機にて85℃1000時間放置し、取り出し後室温下で24時間放置したのち、再度AS-510-PV03にて測定した。その結果、開放電圧=0.845V、短絡電流密度23.8μA/cm、形状因子=0.78、変換効率=18.45%という特性を示し、初期特性と比べると変換効率低下率(初期特性に対する変換効率の割合)は93.6%であった。
実施例2〜8
実施例1における前記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物を、表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例9〜16
実施例1における前記一般式(2)で表される塩基性化合物を、表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例17
実施例1における前記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物を前記化合物No.1−8に、前記一般式(2)で表される塩基性化合物を化合物No.2−3に変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例18
実施例1における前記構造式(3)で表される有機ホール輸送性材料(メルク株式会社製、銘柄:2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミノ−9,9’−スピロビフルオレン、品番:SHT−263)を、有機ホール輸送性材料(Luminescence Technology社製、銘柄:N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン、品番:LT-N212)に変更した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
実施例19
実施例1における化合物No.2−1を、アルドリッチ社製ターシャルブチルピリジンに変更した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。
実施例20
実施例1における、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを1−n−ヘキシル−3−メチルイミダゾリニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドに変更した以外は、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を作製し、評価した。
比較例1
実施例1における化合物No.1−1を用いない他は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
比較例2
実施例1における化合物No.1−1を下記ジフェニルアミノ安息香酸に変更した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0006657841
比較例3
実施例1における化合物No.1−1をケノデオキシコール酸(TCl社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0006657841
Figure 0006657841
実施例1における化合物No.1−1を用いない比較例1の太陽電池と、実施例における化合物No.1−1をケノデオキシコール酸(TCl社製)に変更した比較例3の太陽電池は、初期特性は実施例1〜20とほぼ同等であるものの、85℃1000時間後の変換効率は低下量が大きい。また、化合物No.1−1を塩基性の弱いジフェニルアミノ安息香酸に変更した比較例2の太陽電池は、初期特性の時点から変換効率が低く、85℃1000時間後では変換効率が著しく低下している。
これに対し、実施例1〜20の太陽電池は、材料種による初期特性は優劣があるものの、85℃1000時間後の変換効率低下率は優れており、耐熱性は非常に高いことが明らかになった。これは、前記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物の強い塩基性に起因する高い開放電圧、および、安息香酸に起因する色素の凝集解離効果が、85℃下であっても低下することがなく、発電性能を維持できたためであると考えられる。さらに、前記一般式(2)で表される塩基性化合物および構造式(3)で表されるホール輸送性材料と、前記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物とを併用することにより、初期特性から優れた発電性能が得られ、85℃1000時間後であっても、その発電性能を良好に維持できることが分かった。
以上から、本発明の光電変換素子及び太陽電池は優れた耐熱性と光電変換特性を示すことがわかる。
1 基板
2 第一の電極
3 ホールブロッキング層
4 電子輸送層
5 光増感化合物
6 ホール輸送層
7 第二の電極
8、9 リードライン
特許第2664194号公報 特開平11−144773号公報 特開2000−106223号公報
パナソニック電工技報, 56 (2008) 87 Nature, 353 (1991) 737 J. Am. Chem. Soc., 115 (1993) 6382 Nature, 485 (2012) 486 J. Am. Chem. Soc., 133 (2011) 18042 J. Am. Chem. Soc., 135 (2013) 7378 J. Phys. Chem. C, 116 (2012) 25721 J. Org .Chem., 67 (2002) 3029

Claims (8)

  1. 第一の電極と、ホールブロッキング層と、電子輸送層と、ホール輸送層と、第二の電極とを有し、前記電子輸送層は、増感色素及び下記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物を少なくとも1つ含み、前記ホール輸送層は、下記一般式(2)で表される塩基性化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする光電変換素子。
    Figure 0006657841
    (式中、R、Rはそれぞれ炭素数1から6のアルキル基、またはベンジル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1、R2は互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
    Figure 0006657841
    (式中、R 、R は置換もしくは無置換のアルキル基または芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R 、R は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。)
  2. 前記ホール輸送層は、下記構造式(3)で表されるホール輸送性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 0006657841
  3. 第一の電極と、ホールブロッキング層と、電子輸送層と、ホール輸送層と、第二の電極とを有し、前記電子輸送層は、増感色素及び下記一般式(1)で表される安息香酸基を有するアミノ化合物を少なくとも1つ含み、前記ホール輸送層は、下記構造式(3)で表されるホール輸送性材料を含むことを特徴とする光電変換素子。
    Figure 0006657841
    (式中、R、Rはそれぞれ炭素数1から6のアルキル基、またはベンジル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1、R2は互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を形成してもよい。)
    Figure 0006657841
  4. 前記電子輸送層に含まれる電子輸送性材料が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブの群から選択される少なくとも1つの材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  5. 前記ホールブロッキング層は、酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  6. 前記ホールブロッキング層がスパッタリング法によって製膜されたものであることを特徴とする請求5記載の光電変換素子。
  7. 前記ホール輸送層は、イオン液体のイミダゾリウム化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光電変換素子を具備するものであることを特徴とする太陽電池。
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