JP5706786B2 - 色素増感太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感太陽電池の製造方法に関する。
光電変換素子として、安価で、高い光電変換効率が得られることから色素増感太陽電池が注目されており、色素増感太陽電池に関して種々の開発が行われている。
色素増感太陽電池は一般に、酸化物半導体層を有する作用極と、対極と、作用極の酸化物半導体層に担持される光増感色素と、作用極と対極とを連結する封止部と、作用極、対極及び封止部によって包囲される空間に配置される電解質とを備えている。
電解質としては、I/I3−などの酸化還元対をアセトニトリル等の有機溶剤に溶解させた電解液を用いることが一般的であり、このほか、不揮発性のイオン液体を用いた構成、液状の電解質を適当なゲル化剤でゲル化させ、擬固体化させた構成等が知られている。
対極は、電解質との化学反応による腐食が抑制される材質を用いる必要がある。このような材質としては、表面に不動態を形成する金属基板を用いることができる。しかし、表面に不動態を形成する金属基板は、他のセルとの接続や外部に電力を取り出すためのリード線等を金属基板に直接接続することが困難である。
そこで、表面に不動態を形成する金属基板を用いる場合、他のセルとの接続や外部に電力を取り出す方法として、金属基板の裏面側に、高融点はんだからなる端子を設け、この高融点はんだにリード線等を接続することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2010−198833号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法は以下の課題を有していた。
上記特許文献1記載の色素増感太陽電池において、金属基板と端子とは、端子に熱を加えることで固定している。また、作用極と対極とを連結する封止部は、封止部を構成する封止部材に熱を加え、作用極と対極に封止部材を接着させることにより形成される。特許文献1では、端子の固定と、封止部の形成とを別々の工程で行っている。通常、色素や電解質は、熱に弱く、熱が加わる回数が少なかったり、熱が加わる時間が短かったりすれば、色素や電解質の熱による劣化を防ぐこと出来るが、上記のように複数回に渡って、別々に熱が色素や電解質に加わると、色素や電解質が劣化する可能性が高まる。
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、色素や電解質の劣化を抑制することができる色素増感太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、透明基板及び前記透明基板上に設けられる透明導電膜を有する第1電極の表面上、又は、不動態を形成する金属基板を含み前記第1電極に対向して設けられる第2電極の表面上に、酸化物半導体層を形成する半導体形成工程と、前記酸化物半導体層に光増感色素を担持させる色素担持工程と、前記色素が担持した前記酸化物半導体層上に電解質を配置する電解質配置工程と、少なくとも前記第1電極の表面上又は前記第2電極の表面上に封止部材を配置し、前記酸化物半導体層及び前記電解質を包囲すると共に前記第1電極と前記第2電極とを前記封止部材で連結し封止部を形成する封止部形成工程と、前記金属基板の表面であって、前記第1電極と対向する対向面の裏面に端子を固定する端子固定工程と、を備え、前記端子固定工程は前記端子に熱を加える第1加熱工程を有し、前記封止部形成工程は前記封止部材に熱を加える第2加熱工程を有し、前記第1加熱工程と前記第2加熱工程を同時に行うことを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法である。
この製造方法によれば、端子固定工程は端子に熱を加える第1加熱工程を有し、封止部形成工程は封止部材に熱を加える第2加熱工程を有しているが、第1加熱工程と第2加熱工程を同時に行うことにより、加熱回数を少なくすることができる。また、加熱時間も第1加熱工程と第2加熱工程を同時に行うことにより、第1加熱工程と第2加熱工程を別々に行った場合に比べ、短くすることができる。従って、色素や電解質に熱が加わる回数を少なくでき、かつ、熱が加わる時間も少なくすることができるため、光増感色素や電解質の劣化を十分に抑制することができる。
前記端子は、前記色素増感太陽電池を平面視した場合、少なくとも前記封止部と重なる位置に設けられることが好ましい。
封止部と端子とは、熱を伝えやすい金属基板を含む第2電極を介して繋がっており、端子は封止部の直上にあるため、第1加熱工程と第2加熱工程のいずれか一方の加熱工程の熱を、他方の加熱工程に利用することができる。すなわち、第1加熱工程及び第2加熱工程の加熱温度が高い方の熱を他方の加熱工程に、利用することができるため、他方の加熱工程においては、更に加熱をしなくて良いか、更に加熱をしても、別々に加熱工程を行う場合の熱量よりも少ない熱量で加熱工程を行うことができる。従って、供給する総熱量は少なくなるため、光増感色素や電解質の劣化をより抑制しつつ、コストも抑えることができる。
また、色素増感太陽電池を平面視した場合、端子は封止部と重なる位置、すなわち直上にあるので、第1加熱工程と第2加熱工程とを同時に行う際に、色素増感太陽電池全体ではなく、この重なる位置を中心に局所的に加熱をすればよいため、色素増感太陽電池全体には熱が伝わりにくくなる。その結果、色素や電解質にも熱が伝わりにくくなり、より光増感色素や電解質の劣化を抑制することができる。
前記酸化物半導体層は、前記第1電極の表面上に形成されることが好ましい。
この場合、光増感色素は、第1電極の表面上に形成された酸化物半導体層に吸着されているので、第2電極の金属基板上で行われる第1加熱工程の熱が光増感色素に届きにくくなり、より光増感色素の劣化を抑制することができる。
前記第1電極における前記第2電極側の表面上であって、少なくとも前記封止部内に金属材料を含む配線部が設けられることが好ましい。
この場合、熱伝導性に優れた金属材料を含んでいる配線部が、封止部内に設けられているので、第1加熱工程及び第2加熱工程で発生した熱は、光増感色素や電解質よりも、配線部に伝わりやすい。従って、より光増感色素や電解質に熱が伝わりにくくなり、光増感光増感色素や電解質の劣化を抑制することができる。
前記端子固定工程が、更に、超音波を印加する超音波印加工程を有することが好ましい。
金属基板に不動態膜が形成されていると、端子を金属基板に接合させることが困難になるが、超音波が印加されるため、端子の金属基板表面に対する濡れ性が向上する。従って、金属基板に、端子を強固に固定することができる。これにより、端子が剥離しにくくなり、かつ、金属基板と端子とは強固に固定しているため、接触抵抗も低下する。
また、端子の金属基板表面に対する濡れ性が向上することによって、端子に加える熱量を少なくしても、金属基板に端子を固定することができるため、光増感色素や電解質の劣化をより抑制することができる。
前記端子は、前記金属基板より抵抗の低い金属からなり、前記第1加熱工程は、前記端子を抵抗溶接により加熱する工程を含み、前記端子固定工程は、前記抵抗溶接により、前記端子を前記金属基板に固定することが好ましい。
抵抗溶接は、2本の電極を端子及び金属基板又はそのいずれか一方に押し当てて、両者間に電流を流すことにより、端子と金属基板との接触部分で熱を発生させ、この熱により端子及び金属基板の両方を溶融させて両者を接続し固定させる方法である。このとき、熱は金属基板と端子の接触部分周辺にしか発生しない。また、抵抗溶接においては、電流を流す時間は短時間(数ミリ秒)であるため、熱が発生する時間も短い。このため、熱が加えられる場所を局所領域に抑えることができる。従って、光増感色素や電解質の劣化を十分に抑制することができる。
また、不動態を形成する金属基板であっても、金属基板と端子とを溶融させて接合し固定させるため、両者の間に合金部が形成される。このため、端子を強固に固定させることができる。これにより、端子が剥離しにくくなり、かつ、金属基板と端子とは強固に固定しているため、接触抵抗も低下する。
本発明によれば、光増感色素や電解質の劣化を十分に抑制することができる色素増感太陽電池の製造方法を提供することができる。
本発明に係る色素増感型太陽電池の製造方法の実施形態により得られる色素増感太陽電池を示す部分断面図である。 実施形態の変形例によって得られる色素増感太陽電池の端子と対極との接合部の拡大図である。 図2の端子を金属基板に接合している工程を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明に係る色素増感型太陽電池の製造方法の実施形態について説明する。図1は、本実施形態によって得られる色素増感太陽電池を示す部分断面図である。
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、作用極10と、作用極10に対向する対極20と、作用極10及び対極20を連結させる封止部30と、作用極10、対極20及び環状の封止部30によって形成されるセル空間に充填される電解質40とを備えている。
作用極10は、透明基板11及び透明基板11の上に設けられる透明導電膜12からなる透明導電性基板15と、透明導電性基板15の透明導電膜12の上に設けられる酸化物半導体層13と、透明導電膜12の上において封止部30の内部に設けられる配線部17とを有している。配線部17は、透明導電膜12上に設けられる集電配線14と、集電配線14を覆う配線保護層16とを有している。酸化物半導体層13には光増感色素が担持されている。また、透明導電膜12上であって封止部30で包囲される領域の外側には、集電配線14に接続される集電極80が設けられている。また図1に示すように、集電極80の上にははんだ70が設けられている。色素増感太陽電池100では、透明導電性基板15及び配線部17によって第1電極が構成されている。
一方、対極20は、不動態を形成する金属基板21と金属基板21の作用極10側に設けられて触媒反応を促進する触媒層22とを備えている。また対極20の金属基板21には、作用極10と対向する対向面の裏面に端子60が設けられている。また図1に示すように、端子60の上には、はんだ70が設けられている。色素増感太陽電池100では、対極20によって第2電極が構成されている。
色素増感太陽電池100を用いて、色素増感太陽電池モジュールを作成する際には、複数の色素増感太陽電池100を準備し、複数の色素増感太陽電池100を直列且つ電気的に接続することで色素増感太陽電池モジュールを作成することができる。具体的には、色素増感太陽電池100と隣接する他の色素増感太陽電池(図示せず)とは導電線(図示せず)によって接続される。導電線の一端は、色素増感太陽電池100の端子60にはんだ70によって接続され、導電線の他端は、隣接する色素増感太陽電池の集電極にはんだによって接続されている。
次に、本発明の実施形態である色素増感太陽電池100の製造方法について説明する。
まず作用極10と対極20とを準備する(準備工程)。
作用極10は、次の工程により得ることができる。最初に透明基板11の一方の面上に透明導電膜12を形成し、透明導電性基板15を得る。透明基板11上に透明導電膜12を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、スプレー熱分解法(SPD法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。
透明基板11は、光透過性の材料からなる基板により構成される。このような材料としては、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられ、通常、色素増感太陽電池の透明基材として用いられる材料であればいかなるものでも用いることができる。透明基板11は、これらの中から電解質40への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基板11は、できる限り光透過性に優れる基材が好ましく、光透過率が90%以上の基材がより好ましい。
透明導電膜12は、作用極10の透明性を著しく損なわない構造とするために、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。このような導電性金属酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)などが挙げられる。また、透明導電膜12は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜12が単層で構成される場合、透明導電膜12は、成膜が容易かつ製造コストが安価であるという観点から、ITO、FTOが好ましく、高い耐熱性及び耐薬品性を有する観点から、FTOで構成されることがより好ましい。また、透明導電膜12の厚さは例えば0.01μm〜2μmの範囲にすればよい。
次に、透明導電性基板15における透明導電膜12上に酸化物半導体層13を形成する(酸化物半導体層形成工程)。
酸化物半導体層13を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレー塗布法など公知の塗布方法により塗布した後、加熱処理などにて空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
酸化物半導体層13を形成する酸化物半導体としては、特に限定されず、通常、色素増感太陽電池用の酸化物半導体層を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら酸化物半導体の粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが、光増感色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなり、即ち光電変換を行う場が広くなり、より多くの電子を生成することができることから好ましい。また、酸化物半導体層13は、粒度分布の異なる酸化物半導体粒子を積層させて構成されることが好ましい。この場合、半導体層内で繰り返し光の反射を起こさせることが可能となり、酸化物半導体層13の外部へ逃がす入射光を少なくして、効率よく光を電子に変換することができる。酸化物半導体層13の厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。なお、酸化物半導体層13は、異なる材料からなる複数の酸化物半導体の積層体で構成することもできる。
次に、透明導電性基板15における透明導電膜12上に配線部17を形成する(配線部形成工程)。
配線部17を形成する方法としては、例えば、金属ペーストを印刷等により塗布し、加熱・焼成させて集電配線14を形成し、その後、無機絶縁材料などに、必要に応じて増粘剤、結合剤、分散剤、溶剤などを配合してなるペーストを、スクリーン印刷法などにより集電配線14の全体を被覆するように塗布し、加熱し焼成することによって配線保護層16を形成することで得ることができる。配線部形成工程は、後述する色素担持工程の前に行うことが好ましい。
集電配線14を構成する材料としては、透明導電膜12よりも低い抵抗を有する材料であればよく、このような材料としては、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウム、チタン及びニッケルなどの金属が挙げられる。配線保護層16を形成する材料としては、例えば非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料や、ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、作用極10における透明導電膜12上であって、封止部30で包囲される領域の外側に集電極80を形成する。集電極80を形成する方法としては、例えば、集電配線14と同一の材料及び同一の形成方法で同時に形成することができる。
次に、作用極10の配線部17上に、封止部30を構成する封止部材を設置する(封止部準備工程)。
封止部材を設置する方法としては、例えば、封止部材が熱可塑性樹脂である場合には、溶融させた熱可塑性樹脂を配線部17上に塗布した後に室温で自然冷却するか、フィルム状の熱可塑性樹脂を配線部17に接触させ、外部の熱源によって熱可塑性樹脂を加熱溶融させた後に室温で自然冷却することにより設置することができる。また、封止部材がガラスフリットなどの無機材料である場合には、必要に応じて増粘剤、結合剤、分散剤、溶剤などを配合してなるペーストを、スクリーン印刷法などにより、配線部17上に、塗布することにより設置することができる。
封止部材を構成する材料としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及び、ビニルアルコール重合体などの熱可塑性樹脂や、低融点ガラスフリットなどの無機材料などが挙げられる。なお、封止部材が熱可塑性樹脂などの樹脂を用いる場合、樹脂のみで構成されてもよいし、樹脂と無機フィラーとで構成されていてもよい。
なお、封止部30を構成する封止部材は、熱可塑性樹脂からなり、融点が後述する端子60の融点以下であるものが好適である。封止部材の融点を端子60の融点以下であるものを用いることで、端子60を溶融する際の熱を利用して、封止部材も溶融させることが可能になるからである。封止部材の融点は、好ましくは、80〜160℃である。融点を80℃以上にすることで、色素増感太陽電池として、屋外で使用して、高温になった際でも、封止性能を維持することができる。一方、融点を160℃以下とすることで、端子60を溶融する際の熱のみだけを利用し場合であっても、全体を溶融させることができ、作用極10や対極20と封止部材を強力に接着させることができる。
次に、酸化物半導体層13に光増感色素を担持させる(色素担持工程)。
酸化物半導体層13に光増感色素を担持させる方法としては、まず、色素担持用の色素溶液、例えば、アセトニトリルとt−ブタノールを容積比で1:1とした溶媒に対して極微量のN3色素粉末を加えて調整した溶液を予め準備しておく。
次に、容器内に入れた光増感色素を溶媒として含有する溶液中に、酸化物半導体層13が形成された作用極10を浸した状態とし、暗所にて一昼夜(およそ20時間)程度浸漬する。その後、光増感色素を含有する溶液から酸化物半導体層13が形成された作用極10を取り出し、アセトニトリルとt−ブタノールからなる混合溶液を用い洗浄する。これによって、光増感色素を担持した酸化物半導体層13を有する作用極10を得る。
光増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポリフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などが挙げられ、これらの中から、用途、使用半導体に適した挙動を示すものを特に限定なく選ぶことができる。具体的には、N3、N719、N749などを使用することができる。
一方、対極20を準備するには、まず、不動態を形成する金属基板21を準備する。そして、準備した金属基板21の表面上に触媒層22を形成する。触媒層22の形成は、スパッタリング法などにより形成する。これにより金属基板21と触媒層22とを有する対極20を得ることができる。
金属基板21を構成する金属としては、例えばチタン、ニッケル、ニオブ、アルミニウム、タングステン、SUSなどの電解質40に耐久性のあるものを用いることができる。触媒層22は、白金や炭素などからなる。
次に、酸化物半導体層13の上であって、作用極10の配線部17上に設置された封止部材で包囲された領域に電解質40を印刷等により塗布し電解質40を充填する(電解質配置工程)。
電解質40は例えばI/I などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/I のほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。なお、上記揮発性溶媒にはゲル化剤を加えてもよい。また電解質40は、有機溶媒に変えて、イオン液体を用いてもよい。また、有機溶媒とイオン液体を含む混合溶媒で構成されてもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドが好適に用いられる。また電解質40は、LiI、4−t−ブチルピリジンなどを更に含んでいてもよい。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体や、酸化物半導体粒子若しくは導電性粒子が挙げられる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。このような酸化物半導体粒子としては、SiO、TiO、SnO、WO、ZnO、Nb、In、ZrO、Ta、La、SrTiO、Y、Ho、Bi、CeO、Alからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、二酸化チタン微粒子(ナノ粒子)が特に好ましい。この二酸化チタンの平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。この導電性粒子の比抵抗の範囲は、好ましくは1.0×10−2Ω・cm以下であり、より好ましくは、1.0×10−3Ω・cm以下である。このような導電性粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
次に、作用極10の配線部17上に設置された封止部30を構成する封止部材と対極20とを対向させて、対極20における金属基板21のうち作用極10と対向する対向面の裏面に、高融点はんだからなる端子60を固定しつつ、封止部30も形成する(端子固定工程、及び、封止部形成工程)。この時、端子60は、色素増感太陽電池100を平面視した場合、封止部材と重なる位置に固定される。
まず、作用極10上に設置された封止部材と対極20と対向させて重ね合わせる。次に、対極20における金属基板21のうち作用極10と対向する対向面の裏面において、金属基板21と、高融点はんだと、はんだごてなどからなる加熱部材の先端部とを接するように配置する。
そして、加熱部材の先端部を、高融点はんだが溶融可能な温度に加熱して、高融点はんだに押し当てることで、高融点はんだに熱が加わり、高融点はんだを溶融する(第1加熱工程)。
このとき、高融点はんだは、封止部材の直上にあるため、高融点はんだに伝わった熱は、対極20を介して封止部材にも伝わり、封止部材は溶融する(第2加熱工程)。
これにより、第1加熱工程と第2加熱工程は同時に行われる。
また、第1加熱工程または第2加熱工程で、熱が多量に発生した場合には、熱は封止部材内に設けられた、配線部17に伝わる。これにより、熱を光増感色素や電解質40に伝わりにくくすることができる。
なお、加熱部材の先端部の温度は、高融点はんだを溶融可能であれば、特に制限されないが、例えば、200〜450℃であることが、はんだを十分に溶かす観点から好ましく、250〜350℃であることが、はんだの酸化防止、及び、光増感色素の熱による劣化を防止する観点からより好ましい。
一方、封止部30には別の手段により更に熱を加えても良いが、封止部30の融点を高融点はんだの融点よりも、低くすることで、高融点はんだから伝わった熱のみで、封止部を溶融させることができる。
また、加熱部材の先端部からは超音波を発生させることが好ましい。超音波を発生させることで、高融点はんだの対極20の表面に対する濡れ性が向上し、対極20が不動態を形成する金属基板であっても、高融点はんだを容易にかつ強固に固定させることができる。また、端子の金属基板表面に対する濡れ性が向上することによって、端子に加える熱量を少なくしても、金属基板に端子を固定することができるため、光増感色素や電解質の劣化を抑制することもできる。なお、振動周波数は、10〜200kHzであることが好ましく、20〜100kHzであることが対極20に傷をつけることを防止する観点からより好ましい。
次に、溶融した高融点はんだから加熱部材を離し、高融点はんだを冷却することで端子60が固定される。同様に、溶融した封止部部材を冷却することで封止部材は作用極10及び対極20と接着し、封止部30が形成される。
端子60である高融点はんだとしては、融点が200℃以上(例えば210℃以上)であるものを用いることが好適である。このような高融点はんだとしては、Sn−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Au系、Sn−Sb系、Sn−Pb系(Pb含有量は例えば85質量%超)などを挙げることができ、これらのうち1つを単独で使用してもよいし、2以上を併用してもよい。
なお、端子60上及び集電極80上のはんだ70は、はんだ70を端子60上及び集電極80上で溶融させて、その後、凝固させることにより形成される。
はんだ70としては、特に制限はされないが、端子60が高融点はんだである場合には、高融点はんだより融点が低いはんだ(以下、低融点はんだということがある)が好適である。低融点はんだとしては、例えば融点が200℃未満であるものを用いるのが好適である。この様なはんだとしては、共晶タイプ(例えばSn−Pb等)や、鉛フリータイプ(例えばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Cu、Sn−Zn、Sn−Zn―B等)などが挙げられる。
低融点はんだを使用することによって、導電線等と端子60及び集電極80上とのはんだ付けの際に酸化物半導体層13に担持される光増感色素や、電解質40が高温になることが抑制でき、光増感色素や電解質40が劣化することを抑制することができる。
こうして、図1に示す色素増感太陽電池100を得る。
上記実施形態によれば、第1加熱工程と第2加熱工程を同時に行うことにより、加熱回数を少なくすることができる。また、加熱時間も第1加熱工程と第2加熱工程を別々に行った場合に比べ、短くすることができる。従って、光増感色素や電解質40に熱が加わる回数を少なくでき、かつ、熱が加わる時間も少なくすることができるため、光増感色素や電解質40の劣化を十分に抑制することができる。
また、封止部30と端子60とは、間に対極20を介しているのみであり、対極20は熱を伝えやすい金属基板21を含んでおり、端子60は、色素増感太陽電池100を平面視した場合、封止部30と重なる領域に設けられるため、第1加熱工程の熱を、第2加熱工程に利用することができる。すなわち、封止部材よりも高い融点を持つ端子60を溶融させるための熱を、封止部材を溶融させるために利用することができる。従って、封止部材を、更に加熱をしなくて良いか、加熱したとしても、第1加熱工程と第2加熱工程を別々に行う場合の熱量よりも少ない熱量で加熱工程を行うことができる。よって、供給する総熱量は少なくなるため、光増感色素や電解質の劣化をより抑制しつつも、コストも安く抑えることができる。
さらに、端子60は、封止部30と重なる領域に設けられるため、第1加熱工程と第2加熱工程とを同時に行う際に、全体ではなく、この重なる領域のみを加熱すればよく、光増感色素や電解質40に熱を伝わりにくくすることができ、より光増感色素や電解質40の劣化を抑制することができる。
また、酸化物半導体層13が、透明導電性基板15の表面上に形成されているので、酸化物半導体層13に吸着されている光増感色素は、酸化物半導体層13を介して、対極20と接することがない。従って、対極20の金属基板上で行われる第1加熱工程の熱が光増感色素に届きにくくなり、より光増感色素の劣化を抑制することができる。
また、透明導電性基板15における対極20側の表面上であって、封止部30内に金属材料を含む配線部17が設けられており、金属材料は熱伝導性に優れるため、第1加熱工程及び第2加熱工程で発生した熱は、光増感色素や電解質よりも、配線部17に伝わりやすい。従って、より光増感色素や電解質40に熱が伝わりにくくなり、光増感色素や電解質40の劣化を防ぐ。
端子固定工程が、前記第1加熱工程に加え、超音波を印加して固定しているため、端子60の金属基板表面に対する濡れ性が向上する。従って、不動態が形成された金属基板の表面と端子60とを強固に接合させることができる。これにより、端子60が剥離しにくくなり、かつ、金属基板と端子60とは強固に接合しているため、接触抵抗も低下する。また、端子の金属基板表面に対する濡れ性が向上することによって、端子に加える熱量を少なくしても、金属基板に端子を固定することができるため、光増感色素や電解質の劣化を抑制することもできる。
<変形例>
次に、上記実施形態の変形例について説明する。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本変形例は、端子固定工程において、抵抗溶接を用いる点で上記実施形態と相違する。
図2は、本変形例によって得られる色素増感太陽電池の端子60と対極20との接合部の拡大図である。図に示すように、端子60と対極20の金属基板21との間には、金属基板21を構成する金属と端子60を構成する金属との合金からなる合金部65が設けられている。
このため、対極20と端子60との接続強度が大きくなり、優れた接続信頼性を有する。また、対極20と端子60との間に合金部65が設けられることで、対極20と端子60との間の接触抵抗も低下させることができる。
本変形例における端子60を構成する金属としては、金属基板21よりも低い抵抗を有する金属であればよいが、例えば、銅、銀、ニッケルなどが挙げられ、導電性及び濡れ性に優れることから、銅を用いることが好ましい。
上述した色素増感太陽電池は、次のようにして製造される。
まず、準備工程から電解質配置工程までは、上記実施形態と同様にして行えばよい。
次に、作用極10の配線部17上に設置された封止部30を構成する封止部材と対極20とを対向させて、対極20における金属基板21のうち作用極10と対向する対向面の裏面に、金属基板21よりも低い抵抗を有する端子60を固定しつつ、封止部30を形成する(端子固定工程、及び、封止部形成工程)。
まず、作用極10の配線部17上に設置された封止部材と対極20と対向させて重ね合わせる。次に、対極20における金属基板21のうち作用極10と対向する対向面の裏面に、端子60を配置する。
そして、抵抗溶接により、金属基板21と端子60とを接合する。ここで、図3に示すように、抵抗溶接は、2本の抵抗溶接用電極110A,110Bを端子60及び金属基板21又はそのいずれか一方に押し当てて、両者間に電流を流すことにより、端子60と金属基板21との接触部分で熱を発生させ、この熱により端子60及び金属基板21の両方を溶融させて両者を接続させる方法である(第1加熱工程)。
このとき、端子60は、封止部材の直上にあるため、端子60に伝わった熱は、対極20を介して、封止部材にも伝わり、封止部材は溶融する(第2加熱工程)。
これにより、第1加熱工程と第2加熱工程は同時に行われる。
また、第1実施形態と同様に第1加熱工程と第2加熱工程で、熱が多量に発生した場合には、熱は封止部材内に設けられた、配線部17に伝わるため、熱を光増感色素や電解質40に伝わりにくくすることができる。
なお、抵抗溶接法を用いる第1加熱工程においては、電流を流す時間は短時間(数ミリ秒)であるため、熱が発生する時間が短い。このため、熱が加えられる場所を局所領域に抑えることができる。
またこのとき、金属基板21は不動態を形成しているため、金属基板21より低い抵抗を有する端子60を使用すると、金属基板21と端子60との間での接触抵抗が大きくなる。このため、金属基板21と端子60とが互いに接触する部分が熱により溶融しやすくなる。そして、2本の電極110A,110Bの間に印加する電圧をオフにすると、溶融した部分が凝固して合金部65を形成することで、端子60が固定される。従って、金属基板21と端子60との接合強度を十分に向上させることができる。
また対極20と端子60とを抵抗溶接により接続する際に、2つの抵抗溶接用電極110A,110Bを対極20のうち作用極10側の表面には触れないため、抗溶接用電極の溶着を防止できるという利点がある。
また抵抗溶接は3〜20ミリ秒時間行うことが好ましく、5〜7ミリ秒時間行うことがより好ましい。この場合、対極20と端子60との接続強度をより十分に向上させることができると共に、合金部の厚さが適度になり、接合部抵抗の低い良好な接合部になるという利点もある。
なお、変形例においては、金属基板21の厚さは特に制限されるものではないが、9〜200μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい、金属基板21の厚さが9μm以上であると、9μm未満である場合に比べて強度が十分に向上し、抵抗溶接に際して変形しにくくなる。一方、金属基板21の厚さが、200μm以下であると、200μmを超える場合に比べて、より封止部材に熱を伝えやすくなるため、封止部材に更に熱を加える必要が低くなる。また対極20に可撓性を持たせることができる。
端子60の厚さも特に制限されるものではないが、9〜200μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。
この場合、端子60の厚さが9μm以上であると、9μm未満である場合に比べて強度が十分に向上し、抵抗溶接に際して変形しにくくなる。一方、端子60の厚さが、200μm以下であると、200μmを超える場合に比べてより短時間で金属基板21と端子60とを接続できる。金属基板21のうち作用極10と対向する対向面の裏面の凹凸を少なくすることができ、平坦な面上に安定して設置できる。
なお、2つの抵抗溶接用電極110A,110B間に印加する電流は、端子60と金属基板21との組合せにも依存するため一概には言えないが、通常は0.5〜5kAであり、1〜3kAであることが好ましい。
また電流の印加時間も一概には言えないが、通常は3〜20ミリ秒であり、5〜10ミリ秒であることが好ましい。
さらに抵抗溶接用電極間の間隔も一概には言えないが、通常は、0.5〜20mmであり、1〜10mmであることが好ましい。
一方、上記実施形態と同様に、封止部30は、溶融した封止部材を冷却することで形成される。
なお、上記実施形態と同様に封止部30を形成する際に、封止部材には別の手段により、更に熱を加えても良いが、封止部材の融点を抵抗溶接の際に端子60に加わる温度より低くすることで、端子60伝わった熱のみで、封止部材を溶融させることができる。
端子60上及び集電極80上のはんだ70は、上記実施形態と同様に形成される。
こうして、色素増感太陽電池を得る。
本変形例も、上記実施形態と同様に、第1加熱工程と第2加熱工程を同時に行うことにより、加熱回数を少なくすることができる。また、加熱時間も第1加熱工程と第2加熱工程を別々に行った場合に比べ、短くすることができる。従って、光増感色素や電解質40に熱が加わる回数を少なくでき、かつ、熱が加わる時間も少なくすることができるため、光増感色素や電解質40の劣化を十分に抑制することができる。
また、封止部30と端子60とは、間に対極20を介しているのみであり、対極20は熱を伝えやすい金属基板を含んでいるおり、端子60は、色素増感太陽電池100を平面視した場合、封止部30と重なる領域に設けられるため、第1加熱工程の熱を、第2加熱工程に利用することができる。すなわち、封止部材よりも高い融点を持つ端子60を溶融させるための熱を、封止部材を溶融させるために利用することができる。従って、封止部材を、更に加熱をしなくて良いか、加熱したとしても、第1加熱工程と第2加熱工程を別々に行う場合の熱量よりも少ない熱量で加熱工程を行うことができる。よって、供給する総熱量は少なくなるため、光増感色素や電解質の劣化をより抑制しつつも、コストも安く抑えることができる。
さらに、端子60は、封止部30と重なる領域に設けられるため、第1加熱工程と第2加熱工程とを同時に行う際に、全体ではなく、この重なる領域のみを加熱すればよく、光増感色素や電解質40に熱を伝わりにくくすることができ、より光増感色素や電解質40の劣化を抑制することができる。
また、酸化物半導体層13が、透明導電性基板15の表面上に形成されているので、酸化物半導体層13に吸着されている光増感色素は、酸化物半導体層13を介して、対極20と接することがない。従って対極20の金属基板上で行われる第1加熱工程の熱が光増感色素に届きにくくなり、より光増感色素の劣化を抑制することができる。
また、透明導電性基板15における対極20側の表面上であって、封止部30内に金属材料を含む配線部17が設けられており、金属材料は熱伝導性に優れるため、第2加熱工程及び第2加熱工程で発生した熱は、光増感色素や電解質よりも、配線部17に伝わりやすい。従って、より光増感色素や電解質40に熱が伝わりにくくなり、光増感色素や電解質40の劣化を防ぐ。
また、本変形例では抵抗溶接を用いており、抵抗溶接とは、2本の電極を端子及び金属基板又はそのいずれか一方に押し当てて、両者間に電流を流すことにより、端子と金属基板との接触部分で熱を発生させ、この熱により端子及び金属基板の両方を溶融させて両者を接続し固定させる方法である。このとき、熱は金属基板と端子の接触部分周辺にしか発生しない。また、抵抗溶接においては、電流を流す時間は短時間(数ミリ秒)であるため、熱が発生する時間も短い。このため、熱が加えられる場所を局所領域に抑えることができる。従って、光増感色素や電解質の劣化を十分に抑制することができる。
また、本変形例によれば、対極20と端子60との間に、対極20の金属基板を構成する金属と端子60との合金からなる合金部65が設けられている。このため、対極20と端子60との接続強度が大きくなり、優れた接続信頼性を有する。対極20と端子60との間に合金部65が設けられることで、対極20と端子60との間の接触抵抗も低下させることができる。
本発明は、上記実施形態や上記変形例に限定されるものではない。例えば、端子固定工程として、上記実施形態では、高融点はんだを用い、溶融させて固定しており、上記変形例では、金属を抵抗溶接により固定しているが、対極20における作用極10とは反対側の表面上に、銀ペースト等を印刷等により塗布し、加熱・焼成(第1加熱工程)させて固定してもよい。この場合であっても、第1加熱工程と第2加熱工程を同時に行うことにより、加熱回数は1回に抑えられる。また、加熱時間も第1加熱工程と第2加熱工程を別々に行った場合に比べ、短くすることができる。
また、上記実施形態及び上記変形例では、はんだ70を形成しているが、はんだ70を用いずに、端子60を延設することによって、直接端子60を隣接する色素増感太陽電池の集電極80と接続させても良い。端子60と集電極80との接続方法としては、記実施形態及び上記変形例の端子60と対極20の接続方法をそれぞれ用いることができる。この場合、間にはんだ70を介さないで隣接する色素増感太陽電池と接続することが可能になるために電圧降下がほとんど起こらないという利点がある。
また、上記実施形態及び上記変形例では、酸化物半導体層13は、透明導電膜12の上に設けられているが、金属基板21の上に設けられてもよい。この場合、酸化物半導体層13と金属基板21とで作用極が構成され、透明基板11と透明導電膜12とで対極が構成される。
また、上記実施形態及び上記変形例では、封止部30内に配線部17を有しているが、配線部17を有さない構成とすることができる。
また、上記実施形態及び上記変形例では、端子60は、色素増感太陽電池を平面視した場合、封止部30と重なる領域に設けられているが、重ならない位置に設けても良い。
この場合であっても、第1加熱工程と第2加熱工程を同時に行うことにより、加熱回数は1回に抑えられる。
また、上記実施形態及び上記変形例では、配線部17が配線保護層16を有しているが、配線保護層16をなくしてもよい。
10…作用極
11…透明基板
12…透明導電膜
13…酸化物半導体層
15…透明導電性基板
60…端子
20…対極
21…金属基板
30…封止部
40…電解質
80…集電極
100…色素増感太陽電池

Claims (5)

  1. 透明基板及び前記透明基板上に設けられる透明導電膜を有する第1電極の表面上、又は
    、不動態を形成する金属基板を含み前記第1電極に対向して設けられる第2電極の表面上
    に、酸化物半導体層を形成する半導体形成工程と、
    前記酸化物半導体層に光増感色素を担持させる色素担持工程と、
    前記色素が担持した前記酸化物半導体層上に電解質を配置する電解質配置工程と、
    少なくとも前記第1電極の表面上又は前記第2電極の表面上に封止部材を配置し、前記酸化物半導体層及び前記電解質を包囲すると共に前記第1電極と前記第2電極とを前記封止部材で連結し封止部を形成する封止部形成工程と、
    前記金属基板の表面であって、前記第1電極と対向する対向面の裏面に端子を固定する端子固定工程と、を備え、
    前記端子は、前記色素増感太陽電池を平面視した場合、前記封止部と重なる領域に設けられ、
    前記端子固定工程は前記端子に熱を加える第1加熱工程を有し、前記封止部形成工程は前記封止部材に熱を加える第2加熱工程を有し、
    前記第1加熱工程の第1加熱温度は、前記封止部材の融点以上であり、
    前記第1電極の表面上又は前記第2電極の表面上に設置された前記封止部材と前記第2電極又は前記第1電極とを対向させて重ね合わせ、前記端子を前記金属基板の表面に配置した状態で、前記端子に前記第1加熱温度を加えることにより、前記端子に伝わった熱を、前記金属基板を介して前記封止部材に伝え、前記封止部材を溶融することで、前記第1加熱工程と前記第2加熱工程を同時に行うことを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  2. 前記酸化物半導体層は、前記第1電極の表面上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  3. 前記第1電極における前記第2電極側の表面上であって、少なくとも前記封止部内に配線部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  4. 前記端子固定工程が、更に、超音波を印加する超音波印加工程を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  5. 前記端子は、前記金属基板より抵抗の低い金属からなり、
    前記第1加熱工程は、前記端子を抵抗溶接により加熱する工程を含み、
    前記端子固定工程は、前記抵抗溶接により、前記端子を前記金属基板に固定することを
    特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
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