以下、本発明に係る光電変換素子モジュールの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光電変換素子モジュールを示す概略断面図である。
図1に示すとおり、光電変換素子モジュール200は、共通基板としての透明基材2と、透明基材2上に設けられる互いに隣り合う一組の光電変換素子100、100と、光電変換素子100、100を接続する導電部材としての高融点はんだ9と、絶縁部材15とを主な構成要素として備える。
透明基材2は、光透過性の材料からなる基板により構成される。このような材料としては、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられ、通常、光電変換素子の透明基材として用いられる材料であればいかなるものでも用いることができる。透明基材2は、これらの中から電解質への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材2は、できる限り光透過性に優れる基材が好ましく、光透過率が90%以上の基材がより好ましい。
次に、光電変換素子100、100について説明する。なお、一組の光電変換素子100、100は互いに同じ構成であるため、一方の光電変換素子100についてのみ説明する。
光電変換素子100は、作用極11と、作用極11と対向するように配置される対極12と、作用極11と対極12との間に配置される電解質5と、電解質5を包囲する封止材14とを主な構成要素として備える。
(作用極)
作用極11は、透明基材2の一方の面に設けられる透明導電体1から成る第2電極20と、透明導電体1上に設けられ、光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層3とを備える。
透明導電体1は、透明導電膜であり、透明基材2の一方の面の一部に形成される薄膜である。作用極11の透明性を著しく損なわない構造とするために、透明導電体1は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。このような導電性金属酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO2)などが挙げられる。また、透明導電体1は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電体1が単層で構成される場合、透明導電体1は、成膜が容易かつ製造コストが安価であるという観点から、ITO、FTOが好ましく、また、高い耐熱性及び耐薬品性を有する観点から、FTOで構成されることがより好ましい。
また、透明導電体1が複数の層で構成される積層体により構成されると、各層の特性を反映させることが可能となることから好ましい。中でも、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜であることが好ましい。この場合、高い導電性、耐熱性及び耐薬品性を持つ透明導電体1が実現でき、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。また、透明導電体1の厚さは例えば0.01μm〜2μmの範囲にすればよい。
多孔質酸化物半導体層3を形成する酸化物半導体としては、特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)酸化インジウム(In3O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タリウム(Ta2O5)、酸化ランタン(La2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ホルミウム(Ho2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)が挙げられ、これらの2種以上で構成される酸化物半導体であっても良い。
これら酸化物半導体の粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが、色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなり、即ち光電変換を行う場が広くなり、より多くの電子を生成することができることから好ましい。また、多孔質酸化物半導体層3は、粒度分布の異なる酸化物半導体粒子を積層させて構成されることが好ましい。この場合、半導体層内で繰り返し光の反射を起こさせることが可能となり、多孔質酸化物半導体層3の外部へ逃がす入射光を少なくして、効率よく光を電子に変換することができる。多孔質酸化物半導体層3の厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。なお、多孔質酸化物半導体層3は、異なる材料からなる複数の酸化物半導体の積層体で構成することもできる。
多孔質酸化物半導体層3を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレー塗布法など公知の塗布方法により塗布した後、加熱処理などにて空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
光増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポリフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などが挙げられ、これらの中から、用途、使用半導体に適した挙動を示すものを特に限定なく選ぶことができる。具体的には、N3、N719、ブラックダイ(Black dye)などを使用することができる。
(電解質)
電解質5は、多孔質酸化物半導体層3内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層3内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層3と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン性液体、酸化物半導体粒子若しくは導電性粒子を含むゲル状の電解質を用いることができる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリ−ブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されてなるものが用いられる。この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
上記イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンまたはアニオンとした常温溶融性塩が挙げられる。常温溶融性塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。常温溶融塩のアニオンとしては、BF4−、PF6−、F(HF)n−、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CF3SO2)2−]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。イオン性液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどが特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和製に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質の導電性を低下させることがなく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO2、SnO2、WO3、ZnO、Nb2O5、In2O3、ZrO2、Ta2O5、La2O3、SrTiO3、Y2O3、Ho2O3、Bi2O3、CeO2、Al2O3からなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、二酸化チタン微粒子(ナノ粒子)が特に好ましい。この二酸化チタンの平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性粒子としては、導電体や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。この導電性粒子の比抵抗の範囲は、好ましくは1.0×10−2Ω・cm以下であり、より好ましくは、1.0×10−3Ω・cm以下である。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン性液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。このような導電性粒子には、電解質中において導電性が低下しにくく、電解質に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが求められる。特に、電解質がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応などによる劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
(対極)
対極12は、第1電極10により構成される。第1電極は、チタンまたはチタン合金からなる金属板4と触媒層6とで構成される。なお、還元反応を促進する触媒層6は、金属板4における作用極11側の表面に形成される。触媒層6は、白金や炭素などからなる。
(封止材)
封止材14は、作用極11と対極12とを連結しており、作用極11と対極12との間の電解質5は、封止材14によって包囲されて封止される。封止材14を構成する材料としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体が挙げられる。なお、封止材14は樹脂のみで構成されてもよいし、樹脂と無機フィラーとで構成されていてもよい。
(端子)
作用極11の第1電極側の表面における封止材14の外周で包囲される外側の領域において、透明導電体1上に端子8が形成される。端子8を構成する材料としては、金、銀、銅、白金、アルミニウムなどの金属が挙げられる。
次に絶縁部材15について説明する。
絶縁部材15は、一方の光電変換素子100の作用極11における他方の光電変換素子100側の表面11aを覆うように形成される。さらに本実施形態においては、絶縁部材15は、一方の光電変換素子100の作用極11と他方の光電変換素子の作用極11との間の領域25が絶縁部材15により覆われており、さらに他方の光電変換素子100の作用極11における一方の光電変換素子100側の表面11bも絶縁部材15により覆われている。
絶縁部材15は、絶縁性の無機材料から成り、このような無機材料としては、例えば、透明な低融点ガラスフリットや、酸化チタン(TiO2)、アルミナ(Al2O3)等の酸化物や、炭化チタン(TiC)、炭化シリコン(SiC)等の炭化物や、窒化アルミ(AlN)等の窒化物等が挙げられる。
次に光電変換素子100同士の接続について説明する。
図1に示すように光電変換素子モジュール200は、一組の光電変換素子100、100が透明基材2上に互いに隣り合うように設けられている。このような光電変換素子モジュール200における一方の光電変換素子100の対極12における金属板4は、高融点はんだ9と接続されている。また、他方の光電変換素子100の作用極11上の端子8も高融点はんだ9と接続されている。こうして、一組の光電変換素子100、100は、直列に接続される。
高融点はんだ9としては、融点が200℃以上(例えば210℃以上)であるものを用いることが好適である。このような高融点はんだ9としては、Sn−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Au系、Sn−Sb系、Sn−Pb系(Pb含有量は例えば85質量%超)などを挙げることができ、これらのうち1つを単独で使用してもよいし、2以上を併用してもよい。
また、一方の光電変換素子100の作用極11における他方の光電変換素子100側の表面は絶縁部材15で覆われているため、一方の光電変換素子100の作用極11と高融点はんだ9との間には、絶縁部材15が介在する。このため、一方の光電変換素子100の作用極11と高融点はんだ9との接触が防止されている。
本実施形態における光電変換素子モジュール200によれば、透明基材2上にそれぞれの光電変換素子100の作用極11が離間して形成されて、光電変換素子100、100が配列される。そして、高融点はんだ9が互いに隣り合う光電変換素子100、100における一方の光電変換素子100の対極12と他方の光電変換素子100の作用極11とを接続する。こうして、一組の光電変換素子100、100の導通がとれる。このとき、一方の光電変換素子100の作用極11における他方の光電変換素子100側の表面11aは、絶縁部材15により覆われるため、導電性の異物や水分等が侵入したり、付着したりする場合においても、一方の光電変換素子100における作用極11と対極12との短絡や、一方の光電変換素子100の作用極11と他方の光電変換素子100の作用極11との短絡が防止される。また、導電性の異物や水分等による、一方の光電変換素子100における作用極11と高融点はんだとの短絡が防止される。さらに、この絶縁部材15は、無機材料から成るため、光電変換素子モジュール200に光が長時間照射されても、絶縁部材15は、殆ど劣化することがない。従って、光電変換素子モジュール200は耐久性に優れる。
次に、図1に示す光電変換素子モジュール200の製造方法について説明する。
まず、一組の光電変換素子100、100を準備する(光電変換素子準備工程)。
光電変換素子モジュール200は、一組の光電変換素子100、100が、透明基材2上に形成されるため、それぞれの光電変換素子100、100を同時に製造する。以下、一方の光電変換素子100の製造についてのみ説明する。
まず、作用極11と、対極12とを準備する(準備工程)。
作用極11は、次の工程により得ることができる。最初に透明基材2の一方の面上に透明導電体1を形成し第2電極20とする。次に、透明導電体1上に多孔質酸化物半導体層3を形成する。次に、次に多孔質酸化物半導体層3に光増感色素を担持させる。
透明基材2上に透明導電体1を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、スプレー熱分解法(SPD法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。なかでも、スプレー熱分解法が好ましい。透明導電体1を、スプレー熱分解法により形成することで、容易にヘーズ率を制御することができる。また、スプレー熱分解法は、真空システムが不要なため、製造工程の簡素化低コスト化を図ることができるので好ましい。
透明導電体1上に多孔質酸化物半導体層3を形成する方法としては、主に塗布工程と乾燥・焼成工程からなる。塗布工程としては、例えばTiO2粉末と界面活性剤および増粘剤を所定の比率で混ぜ合わせてなるTiO2コロイドのペーストを、親水性化を図った透明導電体1の表面に塗布することが挙げられる。その際、塗布法としては、加圧手段(例えば、ガラス棒)を用いて前記コロイドを透明導電体1上に押し付けながら、塗布されたコロイドが均一な厚さを保つように、加圧手段を透明導電体1の上を移動させる方法が挙げられる。乾燥・焼成工程としては、例えば大気雰囲気中におよそ30分間、室温にて放置し、塗布されたコロイドを乾燥させた後、電気炉を用いおよそ60分間、450℃の温度にて焼成する方法が挙げられる。
多孔質酸化物半導体層3に光増感色素を担持させる方法としては、まず、色素担持用の色素溶液、例えば、アセトニトリルとt−ブタノールを容積比で1:1とした溶媒に対して極微量のN3色素粉末を加えて調整した溶液を予め準備しておく。
次に、シャーレ状の容器内に入れた光増感色素を溶媒として含有する溶液中に、別途電気炉にて120〜150℃程度に加熱処理をし、多孔質酸化物半導体層3が形成された第2電極20を浸した状態とし、暗所にて一昼夜(およそ20時間)浸漬する。その後、光増感色素を含有する溶液から多孔質酸化物半導体層3が形成された第2電極20を取り出し、アセトニトリルとt−ブタノールからなる混合溶液を用い洗浄する。これによって、光増感色素を担持したTiO2薄膜からなる多孔質酸化物半導体層3を有する作用極11を得る。
なお、作用極11の第2電極20上に形成される端子8は、例えば、銀ペーストを印刷等により塗布し、加熱・焼成させて形成される。この端子8の形成は、光増感色素を多孔質酸化物半導体層3に担持させる工程の前に行うことが好ましい。
また、絶縁部材15は、例えば、上述した低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料に、必要に応じて増粘剤、結合剤、分散剤、溶剤などを配合してなるペーストを、スクリーン印刷法などにより一方の光電変換素子100の作用極11における他方の光電変換素子100側の表面11aを覆うように塗布し、加熱し焼成することによって得ることができる。絶縁部材15の形成は、光増感色素を多孔質酸化物半導体層3に担持させる工程の前に行うことが好ましい。
一方、対極12を準備するには、まず、チタンまたはチタン合金からなる金属板4を準備する。そして、準備した金属板4の表面上に白金などからなる触媒層6を形成する。触媒層6の形成は、スパッタリング法などにより形成する。これにより金属板4と触媒層6とを有する第1電極10を得ることができ、第1電極10がそのまま対極12となる。
次に、作用極11と対極12との間に電解質5を封止材14により包囲して封止する(封止工程)。
封止を行うには、まず、作用極11の上に、封止材14となるための樹脂またはその前駆体を形成する。このとき樹脂またはその前駆体は、作用極11の多孔質酸化物半導体層3を包囲する様に形成する。樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、溶融させた樹脂を作用極11上に塗布した後に室温で自然冷却するか、フィルム状の樹脂を作用極11に接触させ、外部の熱源によって樹脂を加熱溶融させた後に室温で自然冷却することにより樹脂を得ることができる。熱可塑性の樹脂としては、例えばアイオノマーやエチレン−メタクリル酸共重合体が用いられる。樹脂が紫外線硬化樹脂である場合は、樹脂の前駆体である紫外線硬化性樹脂を作用極11上に塗布する。樹脂が水溶性樹脂である場合は、樹脂を含む水溶液を作用極11上に塗布する。水溶性の樹脂として、例えばビニルアルコール重合体が用いられる。
次に、対極12の上に封止材14となるための樹脂またはその前駆体を形成する。対極12上の樹脂またはその前駆体は、作用極11と対極12とを対向させる際に、作用極11上の樹脂またはその前駆体と重なる位置に形成する。また、対極12上の樹脂またはその前駆体の形成は、作用極11の上に形成される樹脂またはその前駆体と同様にして行えば良い。
次に、作用極11上の樹脂またはその前駆体で包囲された領域に電解質を充填する。
そして、作用極11と対極12とを対向させ、対極12上の樹脂と作用極11とを重ね合わせる。その後、減圧環境下において、樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、樹脂を加熱溶融させ、作用極11と対極12とを接着させる。こうして封止材14が得られる。樹脂が紫外線硬化樹脂である場合は、対極12上の樹脂の紫外線硬化性樹脂と作用極11とを重ね合わせた後に紫外線により、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、封止材14が得られる。樹脂が水溶性樹脂である場合は、積層体を形成した後に室温にて触指乾燥させた後、低湿環境下で乾燥させ、封止材14が得られる。
こうして、図1に示す絶縁部材15を有する光電変換素子100を得る。
次に、一組の光電変換素子100、100を高融点はんだ9により接続する(接続工程)。一組の光電変換素子100、100の接続は、上記において得られる一方の光電変換素子100における対極12の金属板4と高融点はんだとの接続、及び、他方の光電変換素子100の作用極11上の端子8と高融点はんだとの接続が同時に行われる。
接続は、まず、高融点はんだと、一方の光電変換素子100における対極12の金属板4、及び、他方の光電変換素子100における作用極11上の端子8とが接し、さらに高融点はんだと、はんだこての先端部とが接するように配置する。
このとき、はんだこての先端部は、高融点はんだが溶融可能に加熱されると共に、超音波を発生する。こうして、高融点はんだは、はんだこて先端部から伝送される熱により溶融し、はんだこて先端部からの超音波により振動する。従って、高融点はんだは、金属板4との濡れ性が向上して、金属板4上に付着し、また、溶融した高融点はんだは、端子8に付着する。
このとき、はんだこて先端部の温度は、高融点はんだを溶融可能であれば、特に制限されないが、例えば、200〜450℃であることが、はんだを十分に溶かす観点から好ましく、250〜350℃であることが、はんだの酸化防止、及び、光増感色素の熱による劣化を防止する観点からより好ましい。また、はんだこての先端部から発生する超音波の振動周波数は、10kHz〜200kHzであることが好ましく、20kHz〜100kHzであることが金属板4に傷をつけることを防止する観点からより好ましい。
次に、溶融した高融点はんだからはんだこてを離し、高融点はんだを冷却固化することで、高融点はんだ9は、一方の光電変換素子100における対極12の金属板4、及び、他方の光電変換素子100における作用極11上の端子8と接続される。
このとき、一方の光電変換素子100の作用極11における他方の光電変換素子100側の表面11aは、絶縁部材15により覆われる。従って、一方の光電変換素子100の作用極11と高融点はんだ9との接触が防止されて、高融点はんだ9は、一方の光電変換素子100における対極12の金属板4、及び、他方の光電変換素子100における作用極11上の端子8と接続される。こうして、高融点はんだ9を介した、一方の光電変換素子100における作用極11と対極12との短絡や、一方の光電変換素子100の作用極11と他方の光電変換素子100の作用極11との短絡が防止される。
こうして、光電変換素子モジュール200を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の光電変換装置の第2実施形態について図2を用いて説明する。なお、図2において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図2は、本実施形態の光電変換装置モジュールを示す概略断面図である。
図2に示すように、光電変換素子モジュール210は、共通基板としての透明基材2と、透明基材2上に設けられる互いに隣り合う一組の光電変換素子110、110と、光電変換素子110、110を接続する導電部材としての高融点はんだ9と、絶縁部材15とを備える。
また、それぞれの光電変換素子110は、作用極11上に集電配線35と、集電配線35を被覆する配線保護層36とを有している点で、光電変換素子110は、第1実施形態における光電変換素子100と異なる。
集電配線35は、封止材14と重なる領域から封止剤の外周の外側にかけて延在するように設けられ、端子8と接続されている。また、集電配線35は、集電配線35を覆う配線保護層36によって、電解質5との接触が防止されている。
さらに配線保護層36は、一方の光電変換素子110の作用極11における他方の光電変換素子110側の表面11aを覆うように延在しており、絶縁部材15を兼ねている。このように、配線保護層36は、封止材14と重なる領域に設けられ、封止材の一部を構成すると共に、絶縁部材15を構成している。このようにして、本実施形態では、絶縁部材15が、封止材の一部を兼ねている。
集電配線35を構成する材料は、透明導電体1よりも低い抵抗を有する材料であればよく、このような材料としては、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウム、チタン及びニッケルなどの金属が挙げられる。
配線保護層36を構成する材料としては、耐薬品性を有し、かつ、絶縁性を有するため、例えば非鉛系の透明な低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料が挙げられる。
本実施形態における光電変換素子モジュール210によれば、絶縁部材15は、封止材の少なくとも一部を兼ねているため、封止材14と絶縁部材15との間に隙間が生じない。従って、封止材14と絶縁部材15との間に透明導電体1が露出することがなく、高い絶縁性能を有する。
また、封止材の少なくとも一部が無機材料15からなる絶縁部材15により構成されるため、封止材が絶縁部材15により構成される部分においては、高い封止能を有する。このため、電解液の漏洩等が少なくなり、光電変換素子モジュール210は、長寿命化を実現することができる。
さらに、集電配線35は、封止材14と重なる位置に設けられているため、集電配線35の少なくとも一部は、封止材14で包囲される領域とは反対側に設けられておらず、さらに、封止材14で包囲される領域側に設けられていない。このため、集電配線35と封止材14とが占める面積を少なくすることができ、集電配線35と封止材14とにより遮蔽される入射光を最小限に留めることができる。従って、集電配線35の働きにより抵抗を低く抑えつつ、多孔質酸化物半導体層3の面積を拡大することができる。
このような光電変換素子モジュール210は、次のようにして製造することができる。
まず、一組の光電変換素子110、110を準備する(光電変換素子準備工程)。
一組の光電変換素子110、110の準備は、第1実施形態の準備工程における多孔質酸化物半導体層に色素を担持させる工程の前において、集電配線35と配線保護層36とを作用極11上に形成する。
集電配線35は、多孔質酸化物半導体層3を形成した後、封止材14が形成される位置に、集電配線を構成する金属の粒子を塗膜し、加熱して焼成することによって得ることができる。
また、配線保護層36は、例えば、上述した低融点ガラスフリットなどの無機絶縁材料に、必要に応じて増粘剤、結合剤、分散剤、溶剤などを配合してなるペーストを、スクリーン印刷法などにより集電配線35の全体、及び、一方の光電変換素子110の作用極11における他方の光電変換素子110側の表面11aを覆うように塗布し、加熱し焼成することによって得ることができる。こうして配線保護層36と絶縁部材15とを同時に形成する。準備工程におけるその他の工程は第1実施形態における準備工程と同様に行えばよい。
次に、封止工程において、封止材14と集電配線35とが重なるように、作用極11と対極12とを重ねて封止する。封止の方法は、第1実施形態における封止工程と同様に行えば良い。
その他の工程は、第1実施形態と同様に行えばよく、こうして光電変換素子モジュール210を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の光電変換装置の第3実施形態について図3を用いて説明する。なお、図3において、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図3は、本実施形態の光電変換装置モジュールを示す概略断面図である。
図3に示すように、光電変換素子モジュール220は、共通基板としての透明基材2と、透明基材2上に設けられる互いに隣り合う一組の光電変換素子120、120と、光電変換素子120、120を接続する導電部材としての導電性接着剤9aと、絶縁部材15とを備える。
また、それぞれの光電変換素子120は、対極12上に端子7を有する点で第2実施形態における光電変換素子110と異なる。
端子7は、高融点はんだや銅及びニッケルの少なくとも一方を含む金属部材から構成される。
高融点はんだとしては、融点が200℃以上(例えば210℃以上)であるものを用いることが好適である。このような高融点はんだとしては、Sn−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Au系、Sn−Sb系、Sn−Pb系(Pb含有量は例えば85質量%超)などを挙げることができ、これらのうち1つを単独で使用してもよいし、2以上を併用してもよい。
また、金属部材を構成する材料としては、銅、ニッケルの単体の他、銅及びニッケルの少なくとも一方に、他の金属を含む金属材料等が挙げられる。
導電性接着剤9aは、一方の光電変換素子120の対極12上の端子7と、他方の光電変換素子120の作用極11上の端子8とを接続する。
導電性接着剤9aとしては、銀ペーストなどの各種金属ペーストやカーボンペーストなどが使用できる。
本実施形態による光電変換素子モジュール220によれば、高融点はんだが端子7のみに使用され、光電変換素子120同士の接続には、導電性接着剤9aが用いられるため、高融点はんだの使用が限定的であり、封止材14や、多孔質酸化物半導体3に担持される光増感色素や、電解質5の熱による劣化を抑制することができる。
このような、光電変換素子モジュール220は、次のようにして製造することができる。
まず、第2実施形態と同様の方法で、一組の光電変換素子を準備する。その後、少なくとも一方の光電変換素子120の対極12上に端子7を形成する。
端子7が、高融点はんだにより構成される場合には、対極12における作用極11側とは反対側の表面上において、対極12と、高融点はんだと、はんだこての先端部とを接するように配置する。
このとき、はんだこての先端部は、高融点はんだが溶融可能に加熱されると共に、超音波を発生する。こうして、高融点はんだは、はんだこて先端部から伝送する熱により溶融し、はんだこて先端部からの超音波により振動する。従って、高融点はんだは、金属板4との濡れ性が向上されて、金属板4の表面上に固定する。こうして、端子7が対極12の表面上に形成される。
なお、はんだこて先端部の温度や、はんだこての先端部から発生する超音波の振動周波数は、第1実施形態において、高融点はんだを対極12上に接続する工程と同様にすればよい。
次に、溶融した高融点はんだからはんだこてを離し、高融点はんだを冷却することで端子7が形成される。
一方、端子7が銅及びニッケルの少なくとも一方を含む金属部材から構成される場合には、まず、対極12における作用極11側とは反対側の表面上に金属部材が配置され、金属部材が対極12に押し付けられるように加圧される。この加圧は、金属部材の自重により対極12との間に圧力が生じる場合を含む。そして、金属部材が加圧される状態で、金属部材に超音波振動を印加する。こうして、対極12と金属部材との間において、対極12と金属部材とは、超音波振動によって互いに擦れ合い、不要な酸化皮膜のすくなくとも一部が取り除かれて、加圧による塑性変形により固相状態で接合される。こうして、端子7が対極12の表面上に接合されて形成される。
このとき、対極12と金属部材との間の圧力が0N/m2より大きく300N/m2以下であることが対極12と金属部材とを密着させる観点から好ましく、1〜100N・m2であることが対極12の変形を防止する観点からより好ましい。
また、金属部材に与える超音波は、対極12と金属部材とが接合される面に平行な方向に与えることが好ましい。さらに超音波の振動周波数は、1kHz〜200kHzであることが対極12と金属部材とを良好に接合する観点から好ましく、10kHz〜100kHzであることが対極12に傷をつけることを抑制する観点からより好ましい。また、超音波の振動振幅は、0.01〜50μmであることが、接合の観点から好ましく、0.1〜10μmであることが、金属部材及び金属板4に傷を与えることを抑制する観点からより好ましい。
なお、金属部材を接合する際に、金属部材に対して加熱を行えば、より接合の強度が向上するため好ましい。このときの金属部材の温度は、例えば、10〜500℃であることが、対極12と金属部材とを容易に接合させる観点から好ましく、20〜200℃であることが、色素及び電解液を良好な状態に保つ観点からより好ましい。
次に、一方の光電変換素子120の対極12上の端子7と、他方の光電変換素子120の作用極11上の端子8とを導電性接着剤9aにより接続する(接続工程)。
こうして、光電変換素子モジュール220を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の光電変換装置の第4実施形態について図4を用いて説明する。なお、図4において、第3実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図4は、本実施形態の光電変換装置モジュールを示す概略断面図である。
図4に示すように、光電変換素子モジュール230は、互いに隣り合う一組の光電変換素子120、120とが、導電部材としての導電線9bにより接続されている点で、第3実施形態と異なる。
導電線9bは、一端が一方の光電変換素子120の対極12上の端子7と接続用のはんだ13により接続され、他端が他方の光電変換素子120の作用極11上の端子8と接続用のはんだ13により接続される。
導電線9bとしては、銅、半田などの金属等の導電性材料からなる線材であって、リード線、半田リボン線などが使用できる。
このような光電変換素子モジュール230は、次のように製造することができる。まず、第3実施形態と同様にして、光電変換素子120、120を準備する。そして、導電線9bの一端を一方の光電変換素子120の対極12上の端子7とはんだ13により接続し、他端を他方の光電変換素子120の作用極11上の端子8とはんだ13により接続する。こうして、光電変換素子モジュール230を得る。
以上、本発明について、第1〜第4実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、第1、第2実施形態において、対極12は、チタンまたはチタン合金からなる金属板4と触媒層6とで構成されるものとして、導電部材として高融点はんだ9により、一方の光電変換素子の対極12と他方の光電変換素子の作用極11とを接続した。しかし本発明は、これに限らない。例えば、対極12の金属板4が白金やニッケル等により構成され、導電部材が導電性接着剤や低融点はんだにより構成されるものとしても良い。
低融点はんだとしては、特に制限はされないが、端子7が高融点はんだである場合には、高融点はんだより融点が低いはんだが好適である。この様な低融点はんだとしては、例えば融点が200℃未満であるものを用いるのが好適であり、この様なはんだとしては、共晶タイプ(例えばSn−Pb等)や、鉛フリータイプ(例えばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Cu、Sn−Zn、Sn−Zn―B等)などが挙げられる。
さらに第3実施形態において、導電性接着剤9aに代えて、導電部材が低融点はんだにより構成されても良い。低融点はんだとしては、上記低融点はんだを用いれば良い。
また、第2、第3実施形態において、集電配線35は、封止材14と重なる位置に形成されるものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、封止材14の外周の外側に集電配線35を形成して、集電配線35を被覆する配線保護層36を設けて、配線保護像36が絶縁層15を兼ねるよう構成しても良い。
また、第3、第4実施形態において、端子形成工程は、封止工程の後に行うとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、封止工程の前に端子形成工程を行っても良い。
この場合、封止を行う前の対極12の一方の表面に端子7を形成する。端子の形成は、第1実施形態における端子形成工程と同様に行えば良い。
次に、端子7が封止材により封止されないために、対極12における端子7が形成されていない側の表面が作用極11側を向くように、作用極11と対極12とを対面させて封止を行えば良い。封止の方法は、第1実施形態における封止工程を同様に行えば良い。
このように、端子形成工程を封止工程の前に行うことにより、端子形成工程において、熱が加えられる場合においても、多孔質酸化物半導体層3と電解質5とが封止される前であるため、端子形成工程における熱が光増感色素や電解質5に伝達して、光増感色素や電解質5を劣化されることが防止できる。
また、第4実施形態において、導電線9bは、対極12上の端子7と一端が接続されることとしたが、対極12上に高融点はんだ等を用いて直接接続しても良い。
また、例えば、第1〜第4実施形態において、多孔質酸化物半導体層3は、第2電極の透明導電体1上に形成されるものとした。そして、作用極11は、第2電極20と、光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層3とで構成され、対極12は、第1電極により構成されるものとした。しかし、本発明は、これらに限らない。図5は、図1に示す光電変換素子モジュール200の変形例を示す断面図である。図5に示す光電変換素子モジュール240における光電変換素子140のように、第1電極10が金属板4から構成され、第1電極10上に多孔質酸化物半導体層3が形成されるものとしても良い。この場合、透明導電体1上に触媒層6が形成され、第2電極20は、透明導電体1と触媒層6とから構成される。そして、作用極11は、第1電極10と、光増感色素が担持される多孔質酸化物半導体層3とで構成され、対極12は、第2電極20により構成される。なお、触媒層6は、例えば、光が透過する程度に薄く製膜された白金等からなる。
光電変換素子モジュール240は、一組の光電変換素子140、140を準備して、一方の光電変換素子140の作用極11の金属板4と他方の光電変換素子140の対極12上の端子8とが、高融点はんだ9により接続される。
光電変換素子140の製造は、次のように行われる。まず、金属板4から構成される第1電極10を準備する。次に第1電極10上に多孔質酸化物半導体層3を形成する。第1電極10上に多孔質酸化物半導体層3を形成する方法は、第1実施形態において多孔質酸化物半導体層3を形成する工程と同様にして行えば良い。次に多孔質酸化物半導体層3に光増感色素を担持させる。光増感色素の担持は、第1実施形態において光増感色素を多孔質酸化物半導体層3に担持させる工程と同様にして行えば良い。こうして、第1電極10上に多孔質酸化物半導体層3が形成された作用極11を得る。
次に対極12を準備する。対極12の準備は、透明基材2上に透明導電体1を形成した後、透明導電体1上に触媒層6を形成して、第2電極20とする。透明導電体1を形成する方法は、第1実施形態において、透明基材2上に透明導電体1を形成する方法と同様にして行えば良い。透明導電体1上に触媒層を形成するには、第1実施形態において、金属板4上に触媒層を形成した方法と同様の方法で行えばよい。こうして得られる第2電極が対極12となる。
次に作用極11と対極12との間において、多孔質酸化物半導体層3と電解質5とを封止材14で封止する。封止の方法は、第1実施形態における封止工程と同様にして行えば良い。次に端子7を形成する。端子7の形成は、第1実施形態における端子形成工程と同様にして行えば良い。また、その他の工程は、第1実施形態と同様である。
こうして、光電変換素子140を得る。
また、光電変換素子140の製造において、上記では端子7を封止工程の後に形成したが、端子7の形成を封止工程の前に行っても良い。こうすることで端子形成工程における熱が電解質5に伝導することがなく、端子形成工程による熱による電解質5の劣化を防止することができる。
さらに、光電変換素子140の製造において、端子7の形成は、光増感色素を多孔質酸化物半導体層3に担持させる工程の前に行っても良い。こうすることで、端子形成工程における熱が光増感色素に伝導することがなく、端子形成工程による熱による光増感色素の劣化を防止することができる。
また、例えば、第1〜第4実施形態において、光電変換素子モジュールは、一組の光電変換素子を備えるが、本発明の光電変換素子モジュールは、3つ以上の光電変換素子を備えていてもよい。
また、第1〜第4実施形態において、導電部材と第2電極との接続は端子8を介して接続しているが、第2端子8は必ずしも必要ではなく、導電部材と透明導電体1とを直接接続しても良い。このような光電変換素子モジュールによれば、端子8が形成されない分だけ簡易な構成とすることができ、安価に光電変換素子モジュールを構成とすることができる。
また、第1〜第4実施形態において、金属板4と触媒層6との代わりに白金板を用いても良い。この場合、触媒層6を形成する必要がなくなる。