JP2003297446A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

色素増感太陽電池

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JP2003297446A JP2002331076A JP2002331076A JP2003297446A JP 2003297446 A JP2003297446 A JP 2003297446A JP 2002331076 A JP2002331076 A JP 2002331076A JP 2002331076 A JP2002331076 A JP 2002331076A JP 2003297446 A JP2003297446 A JP 2003297446A
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Mitsunobu Takahashi
光信 高橋
Kiyoaki Imoto
清明 井元
Junichi Nakamura
潤一 中村
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度な電池性能を有する色素増感太陽電池を
提供する。 【解決手段】 増感色素を吸着させた半導体電極、電荷
移動層及び対極を構成要素として含む色素増感太陽電池
であって、該対極は、フェロセンの酸化還元電位を基準
とするサイクリックボルタンメトリー測定により、−
0.7V以上0V未満の負電位域で求められる酸化還元
電流値差をa(mA)とし、0V以上0.7V以下の正
電位域で求められる酸化還元電流値差をb(mA)とす
ると、b>aの関係を満たすものである色素増感太陽電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増感色素を有する
半導体電極を用いてなる色素増感太陽電池に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近、色素を吸着させた半導体電極を有
する色素増感太陽電池が注目されている。このような色
素増感太陽電池としては、現在、対極にPt電極を採用
したものが主流である(例えば、非特許文献1参
照。)。これは主に、対極にPt電極を用いた場合、該
Pt電極上では電荷移動媒体中の電解質の酸化還元反応
速度が非常に大きいため、優れた電池性能を確保し得る
ことを理由としている。ところが、Pt電極はコストが
高いといった欠点も有している。
【0003】そこで、コストダウンを目的として、対極
に他の素材を用いる研究も行われている。しかしなが
ら、従来のPt以外の素材を用いた対極の多くは、Pt
電極よりも電解質の酸化還元速度が小さいため、充分な
電池性能を確保できない場合が多い。従って、高度な電
池性能を発揮することが可能であり、しかも廉価な色素
増感太陽電池を実現するための工夫の余地があった。
【0004】
【非特許文献1】「ネイチャー(Nature)」(英
国)、1991年、第353巻、p.737
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、高度な電池性能を有する色
素増感太陽電池を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、増感色素
を吸着させた半導体電極、電荷移動層及び対極を構成要
素として含む色素増感太陽電池について種々検討した結
果、対極の素材として、(1)酸化還元に関する特性、
(2)ラフネスファクター、(3)構成素材、(4)比
表面積のいずれかを特定し、従来のものとは特性が異な
る新たなものを用いると、高度な電池性能を有すること
が可能であることを見いだした。すなわち(1)対極の
特性が、フェロセンの酸化還元電位を基準とするサイク
リックボルタンメトリー測定により特定されたものであ
ると、色素増感太陽電池の開放光電圧を高めてエネルギ
ー変換効率を向上することが可能となり、(2)対極の
ラフネスファクターを大きくして特定すると、実質的に
作用し得る対極面積が大きく、高度なエネルギー変換効
率を確保することが可能となり、(3)対極の構成素材
の一部又は全部を活性炭とすると、また、(4)対極の
構成素材の一部又は全部について比表面積を大きくして
特定すると、エネルギー変換効率が向上し、優れた電池
性能を発揮することが可能となることを見いだした。ま
た、製造コストを低減して色素増感太陽電池を供給する
ことが可能となることを見いだし、本発明に到達したも
のである。なお、本発明においては、これら(1)〜
(4)の形態を適宜組み合わせることが可能であり、こ
れにより本発明の作用効果をより充分に発揮することが
可能となる。
【0007】すなわち本発明は、増感色素を吸着させた
半導体電極、電荷移動層及び対極を構成要素として含む
色素増感太陽電池であって、上記対極は、フェロセンの
酸化還元電位を基準とするサイクリックボルタンメトリ
ー測定により、−0.7V以上0V未満の負電位域で求
められる酸化還元電流値差をa(mA)とし、0V以上
0.7V以下の正電位域で求められる酸化還元電流値差
をb(mA)とすると、b>aの関係を満たすものであ
る色素増感太陽電池である(第1の態様ともいう)。
【0008】本発明はまた、増感色素を吸着させた半導
体電極、電荷移動層及び対極を構成要素として含む色素
増感太陽電池であって、上記対極は、ラフネスファクタ
ーが5000以上のものである色素増感太陽電池でもあ
る(第2の態様ともいう)。以下に、本発明を詳述す
る。
【0009】本発明は、高度な電池性能を有する色素増
感太陽電池を提供するものであり、その対極に特徴を有
するものである。本発明の第1の態様は、フェロセンの
酸化還元電位を基準とするサイクリックボルタンメトリ
ー測定により、−0.7V以上0V未満の負電位域で求
められる酸化還元電流値差をa(mA)とし、0V以上
0.7V以下の正電位域で求められる酸化還元電流値差
をb(mA)とすると、b>aの関係を満たす対極を用
いる色素増感太陽電池である。このような対極を用いる
ことで、特に色素増感太陽電池の開放光電圧を高めるこ
とができる。
【0010】上記色素増感太陽電池の電池性能を表すエ
ネルギー変換効率η(%)は、開放光電圧Voc
(V)、短絡光電流密度Jsc(mA/cm2)、フィ
ルファクターFF及び入射光強度I(mW/cm2)か
ら、下記式(1)によって求められる。 η = 100 × Voc × Jsc × FF / I (1) よって、色素増感太陽電池のエネルギー変換効率を向上
させるには、開放光電圧、短絡光電流密度及びフィルフ
ァクターの1種以上を高める必要がある。本発明の第1
の態様では、これらのうち、特に開放光電圧を高めるこ
とで、色素増感太陽電池のエネルギー変換効率の向上を
図るものである。
【0011】なお、本明細書でいう「酸化還元電流値
差」は、後述する条件で行うCV測定によって得られる
サイクリックボルタンモグラム[電流(電流密度)−電
位曲線]の負側(−0.7V以上0V未満の負電位域)
及び正側(0V以上0.7V以下の正電位域)から、下
記(I)〜(IV)の手順で求められるものである。
(I)サイクリックボルタンモグラムの負側又は正側に
おいて、酸化還元ピーク(1対の酸化ピークと還元ピー
ク)が存在する場合、酸化還元電位(酸化ピーク電位と
還元ピーク電位の平均値)が負側にあれば「負電位域の
酸化還元ピーク」、正側にあれば「正電位域の酸化還元
ピーク」とする。それぞれの酸化還元ピークで求められ
る酸化ピーク電流値と還元ピーク電流値の差の絶対値が
「酸化還元電流値差」である。 (II)サイクリックボルタンモグラムの負側及び/又
は正側において、酸化ピーク又は還元ピークしか存在し
ない場合は、ピークが存在する電位において、酸化電流
値と還元電流値の差の絶対値を求め、「酸化還元電流値
差」とする。 (III)サイクリックボルタンモグラムの負側又は正
側において、酸化ピークも還元ピークも観察されない場
合は、「酸化還元電流値差」は0とする。 (IV)サイクリックボルタンモグラムの負側及び/又
は正側において、2以上の酸化還元電流値差が求められ
る場合は、最も数値の大きなものを、負側及び/又は正
側の酸化還元電流値差とする。
【0012】また、上記CV測定は、下記の方法で行わ
れる。参照電極、塩橋及び測定用の各溶媒には、水素化
カルシウムで脱水し、その後精留したアセトニトリルを
用いる。参照電極には、Ag/AgNO3アセトニトリ
ル溶液(0.1mol/L)を用いる。また、作用極は
本発明の色素増感太陽電池に係る対極とし、測定用の対
極にはPt電極を用いる。なお、作用極の面積は0.2
cm2とする。電解液(0.001mol/Lのヨウ
素、0.001mol/Lのヨウ化リチウム及び0.1
mol/Lの過塩素酸テトラエチルアンモニウムを含む
アセトニトリル溶液)を入れたセルを用意する。このセ
ルに作用極及び測定用対極を入れる。このセルと参照電
極を、塩橋(0.1mol/Lの過塩素酸テトラエチル
アンモニウムを含むアセトニトリル溶液)で接続する。
参照電極、作用極及び測定用対極はポテンシオスタット
に接続する。ポテンシオスタットにはファンクションジ
ェネレーターを接続しておく。ポテンシオスタットとし
ては、北斗電工社製、商品名「HA−151」が好適で
あり、ファンクションジェネレーターとしては、北斗電
工社製、商品名「HB−11」が好適である。
【0013】セル内の溶液を、CV測定前に30分間N
2ガスを用いて脱気する。ファンクションジェネレータ
ーで電位挿引速度を50mV/secに設定し、ポテン
シオスタットを用いて、作用極−対極の電位(−0.7
〜0.7V)を該電位挿引速度で走査させる。この電位
走査時に参照電極で測定される電流・電位をポテンシオ
スタットに取り込み、XYプロッター等でグラフ化して
サイクリックボルタンモグラムを得る。
【0014】なお、上記CV測定は、フェロセンの酸化
還元電位を基準とする。すなわち、上記CV測定におけ
る基準電位である「0V」を、上記CV測定法における
作用極をガラス状炭素電極に変更し、更に電解液を0.
001mol/Lのフェロセンと0.1mol/Lの過
塩素酸テトラエチルアンモニウムを含むアセトニトリル
溶液に変更して、上記と同じ条件で測定されるフェロセ
ンの酸化還元電位(酸化ピーク電位と還元ピーク電位の
平均値)とする。
【0015】上記のようにして得られるサイクリックボ
ルタンモグラムの代表例を図1及び図2に示す。図1は
従来の色素増感太陽電池の対極に採用されているPt電
極を作用極として測定したもの、図2は本発明に係る対
極を作用極として測定したものである。
【0016】図1のサイクリックボルタンモグラムで
は、正側、負側のいずれにも、酸化に基づくピークと還
元に基づくピークとが観察される。この場合の正側及び
負側のように、酸化ピークと還元ピークの両者が観察さ
れるものでは、上記(I)の手順に従って、酸化還元電
流値差を求める。図1のサイクリックボルタンモグラム
では、縦軸が電流密度であるので、該サイクリックボル
タンモグラムから求められる電流密度に電極面積(0.
2cm2)を掛けて、電流値とする。よって、酸化還元
電流値差aは、|0.32×0.2−(−0.53×
0.2)|=0.17(mA)である。また、酸化還元
電流値差bは、|0.34×0.2−(−0.24×
0.2)|=0.116(mA)である。
【0017】他方、図2のサイクリックボルタンモグラ
ムでは、正側には酸化に基づくピークと還元に基づくピ
ークが観察されるが、負側には酸化に基づくピークしか
見られない。この場合の負側のように酸化ピーク又は還
元ピークしか観察されないものでは、上記(II)の手
順に従って、酸化還元電流値差を求める。よって、酸化
還元電流値差aは、|−0.05×0.2−(−0.1
5×0.2)|=0.02(mA)である。他方、酸化
還元電流値差bは、上記図1のサイクリックボルタンモ
グラムの場合と同様に上記手順(I)の方法で求めら
れ、|0.24×0.2−(−0.23×0.2)|=
0.094(mA)である。
【0018】ここで、図1のサイクリックボルタンモグ
ラムから得られた酸化還元電流値差aとbの関係は「b
<a」であり、本発明の要件を満たさない。他方、図2
のサイクリックボルタンモグラムから得られた酸化還元
電流値差aとbの関係は「b>a」であり、本発明の要
件を満足する。
【0019】なお、上記手順(I)において、酸化還元
電流値差が正側のものであるか、負側のものであるか
は、酸化還元ピークの酸化還元電位がいずれに存在する
かによって判断する。例えば、還元ピーク電位が負側に
存在し、酸化ピーク電位が正側に存在する場合は、酸化
還元電位を求め、該酸化還元電位が正側にあれば、この
ときの酸化還元電流値差は正側のもの(すなわち、酸化
還元電流値差b)とする。反対に、酸化還元電位が負側
にあれば、酸化還元電流値差は負側のもの(すなわち、
酸化還元電流値差a)となる。
【0020】色素増感太陽電池の対極上で起こる電極反
応は、電荷移動層中の電解質と対極との反応である。こ
の電極反応は、従来のPt電極では、上記CV測定を行
った場合の負側(上記フェロセン基準)で観察される酸
化還元反応が主体であると考えられる。その理由は定か
ではないが、上記CV測定時の正側と負側とでは、電解
質が異なる態様で酸化還元反応しており、この相違に起
因して、色素増感太陽電池の開放光電圧が増大するので
はないかと考えられる。また、半波電位自体も酸化還元
電位がPt電極に比べ、正側にシフトしている。これも
開放光電圧が向上した理由であると考えられる。例え
ば、電解液として0.0045mol/Lのヨウ素、
0.0005mol/Lのヨウ化リチウム及び0.1m
ol/Lの過塩素酸テトラエチルアンモニウムを含むア
セトニトリル溶液を使用して、対極として後述する比較
例1記載のPt電極を使用した場合には、I/I3
の半波電位(図1記載の負側(上記フェロセン基準)で
観察される酸化還元電位)は−0.15V、+0.24
Vとなり、実施例2で作製された炭素材料を使用した場
合には−0.09V、+0.31Vとなる。
【0021】本発明においては、対極に、Ptより上記
CV測定での半波電位が正側にシフトする材料を用いる
ことが好ましい。すなわち対極が、形式電位がPtより
正側にある材料を構成素材として含むものである色素増
感太陽電池は、本発明の好ましい形態の1つである。
【0022】このように、本発明の第1の態様では、特
定の電極反応が起こる対極を採用することで、色素増感
太陽電池の電池性能の向上を図ることとしている。な
お、酸化還元電流値差a及びbの関係としては、b≧2
aであることがより好ましく、b≧4aであることが更
に好ましい。
【0023】本発明の第2の態様は、ラフネスファクタ
ーが5000以上の対極を用いる色素増感太陽電池であ
る。対極のラフネスファクターが5000以上の対極で
あれば、実質的に作用し得る対極面積が大きく、高度な
エネルギー変換効率が確保できる。対極のラフネスファ
クターは10000以上がより好ましく、100000
以上がより好ましい。
【0024】なお、本発明でいう「ラフネスファクタ
ー」とは、デルソープ社製の装置等を用いて行うBET
吸着法(吸着ガス:N2)によって測定される対極の比
表面積を、該対極の各表面の真上からの投影面積の総和
で割って得られる値を意味する。
【0025】更に本発明の色素増感太陽電池は、上記第
1の態様と第2の態様を兼ね備えたものであることが好
ましい。すなわち、上記対極が、フェロセンの酸化還元
電位を基準とするCV測定によって上記酸化還元電流値
差a(mA)及びb(mA)を求めたとき、b>aの関
係を満たすと共に、ラフネスファクターが5000以上
のものであることが好ましい。このような対極を用いる
ことにより、より高度な電池性能を確保することができ
ることになる。
【0026】以下、本発明の色素増感太陽電池の各構成
について詳述する。 [対極]本発明の色素増感太陽電池の対極としては、上
記CV測定において「b>a」の関係が得られるか、又
は、ラフネスファクターが上記所定値以上であれば、そ
の素材等については特に限定されない。例えば、導電性
基板上に、導電性物質の粒子を結着剤等を用いて結着さ
せたり、(多孔質の)導電性物質からなるシートを導電
性基板に貼り合わせたりする等の手法によって得られる
対極が採用可能である。この他、例えば、発泡メタル板
の如き多孔質導電板を使用することもできる。
【0027】上記導電性物質としては、例えば、各種金
属が好適であるが、安価であると共に、上記CV測定に
おける「b>a」の関係及び上記ラフネスファクターの
両者を満足する対極の作製が可能である点で、炭素材料
が好ましい。上記対極が、炭素材料を構成素材として含
むものである色素増感太陽電池は、本発明の好ましい形
態の1つである。
【0028】特に、対極においてラフネスファクターを
上記所定値以上にするためには、炭素材料が多孔質であ
ることが好ましい。よって、対極の素材として好ましい
炭素材料の具体例としては、活性炭が挙げられる。
【0029】本発明は更に、増感色素を吸着させた半導
体電極、電荷移動層及び対極を構成要素として含む色素
増感太陽電池であって、上記対極は、活性炭を構成素材
として含むものである色素増感太陽電池でもある。この
ような色素増感太陽電池も、優れた電池性能を発揮する
ことができるものである。
【0030】上記活性炭としては、従来公知のものが用
いられ、ヤシガラやオガクズ等の木材や、褐炭、泥炭、
プラスチック、石油ピッチ等の炭素含有率の大きな有機
物質に通常の賦活処理(例えば、塩化亜鉛やリン酸等に
よる処理)を行い、乾留する等の方法によって得られる
活性炭が好適である。なお、活性炭は上記の原料や製造
方法に限定されず、他の原料や製造方法に基づくもので
あってもよい。
【0031】なお、対極に用いられる活性炭は、鉄やア
ルカリ金属等の金属や、これらの金属の化合物等からな
る不純物の含有量が少ないものであることが好ましい。
例えば、鉄又は鉄化合物の含有量が多い場合、後述する
半導体電極表面で電荷の再結合中心として作用してしま
う。よって、活性炭は、洗浄等により不純物を除去する
工程を経て得られるものであることが好ましい。しか
し、不純物除去工程を設けても、活性炭中の不純物を充
分に除去し得ない場合がある。このため、活性炭の原料
としては、合成樹脂(有機樹脂)が好ましく採用され
る。合成樹脂であれば、不純物となる化合物等の含有量
を、比較的容易に制御し得るからである。合成樹脂の種
類としては、ほとんど全ての合成樹脂(有機樹脂)を原
料とし得るが、活性炭製造の容易さの面からは、熱不溶
融性の合成樹脂がより好ましい。このような熱不溶融性
の合成樹脂としては、フェノール樹脂が代表的なものと
して挙げられる。
【0032】本発明はそして、増感色素を吸着させた半
導体電極、電荷移動層及び対極を構成要素として含む色
素増感太陽電池であって、上記対極は、比表面積が50
0m2/g以上の材料を構成素材として含むものである
色素増感太陽電池でもある。すなわち対極は、色素増感
太陽電池の電池性能を高める観点から、より多孔性の大
きいものであることが好ましい。対極の比表面積として
は、より好ましくは1000m2/g以上である。ま
た、対極のかさ密度は0.1g/cm3以上であること
が好ましく、より好ましくは0.2g/cm3以上であ
る。このような比表面積やかさ密度を有する対極を用い
ることが好適であり、これにより対極のラフネスファク
ターを上記所定値以上とすることが容易となる。
【0033】なお、上記の対極の比表面積は、デルソー
プ社製の装置等を用いて行うBET吸着法(吸着ガス:
2)によって測定した値である。また、対極のかさ密
度は、円筒のプラスチックに活性炭を充填し、4t/c
2の加圧下で測定した値である。
【0034】以下、上記導電性物質として活性炭を用い
た場合を例にとり、対極の構成を説明する。なお、上述
した通り、本発明における対極に用い得る導電性物質
は、活性炭に限定されるものではない。
【0035】上記対極は、例えば、基板上に、活性炭を
結着剤で結着することによって得られる。この場合、基
板上に形成された活性炭層が導電層に該当する。このよ
うな、対極が、更に結着剤を構成素材として含むもので
ある色素増感太陽電池は、本発明の好ましい実施形態の
1つである。
【0036】上記基板の種類としては特に限定されるも
のではない。しかし、活性炭のように比較的導電性の低
い導電性物質を使用する場合は、結着した活性炭と接触
して電流を取り出せるように、基板自体が導電性を有し
ていることが好ましい。このような導電性基板として
は、Pt、Au、Ag、Cu、Al、ステンレス鋼等の
各種金属板;ITO(In−Sn複合酸化物)、FTO
(フッ素をドープした酸化スズ)等の導電性金属酸化物
が好適である。また、ガラス若しくは各種プラスチック
フィルムの表面に、Pt、Au、Ag、Cu、Al等の
金属やITO、FTO等の導電性金属酸化物の層を蒸着
等により形成したもの等を用いてもよい。更に、導電性
基板には、半導体電極の導電性基板について後述する金
属リードを、導電性向上の目的で設けてもよい。
【0037】色素増感太陽電池においては、対極側から
光を照射する場合、少なくとも該対極は、実質的に透明
でなければならない。なお、本明細書でいう「実質的に
透明」とは、対象物(ここでは対極)を透過する波長5
00nmの光の透過率が50%以上であることを意味す
る。上記透過率は80%以上であることがより好まし
い。よって、色素増感太陽電池の対極側から光を照射す
る場合、対極用の基板は、対極とした場合に上記の透過
率が確保し得るようなものを選択する。
【0038】また、対極には、シート状に成形した合成
樹脂等から得られるシート状の活性炭を用いることも可
能である。しかし、粉末状の活性炭を対極用基板上に結
着剤を用いて結着する方が、より安価である。この他、
高価となるが、ジャパンゴアテックス社製の「ゴアテッ
クス」(商品名)の如き複合シートに活性炭を結着した
ものも使用可能である。
【0039】上記基板の厚みとしては特に限定されない
が、通常、100〜50000μm程度である。また、
ガラスやプラスチックフィルムの表面に金属層や導電性
金属酸化物層を設ける場合、これらの層の厚みとしては
特に限定されないが、0.001〜50μm程度とする
ことが一般的である。
【0040】上記結着剤としては、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリフッ化ビニリデンが好適であ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0041】上記対極を製造する方法としては、活性炭
と結着剤とを混合して混合物とし、該混合物を純水に分
散させたスラリーを対極用基板上に塗布し、乾燥する方
法が好適である。活性炭と結着剤の混合比としては、活
性炭と結着剤との合計量100質量%中、活性炭を50
〜95質量%とすることが好ましく、より好ましくは7
0〜90質量%とすること(例えば、活性炭80質量
%:結着剤20質量%等)である。このような混合比と
することで、高性能かつ耐久性に優れた対極を得ること
ができる。
【0042】上記スラリーの濃度としては、純水100
質量部に対し、活性炭と結着剤との混合物を10〜50
質量部とすることが好ましく、より好ましくは20〜4
0質量部とすることである。このような濃度のスラリー
を用いることで、活性炭層(導電層)を後述する厚みと
することができ、高性能の対極が得られる。
【0043】上記スラリーを対極用基板に塗布する方法
としては、公知の方法、例えば、半導体電極の製造にお
いて、半導体微粒子分散液を導電性基板上に塗布する方
法として後に例示する方法が好適である。
【0044】上記スラリーの乾燥方法としては、従来公
知の方法を採用すればよい。また、乾燥温度及び乾燥時
間も、対極の特性を損なうものでなければよい。乾燥温
度は100〜200℃、乾燥時間は10〜60分とする
のが一般的である。
【0045】上記対極において、対極用基板上に形成さ
れる活性炭層(導電層)の厚みとしては、乾燥後の厚み
で0.1〜500μmとすることが好ましく、より好ま
しくは10〜200μmとする。活性炭層の厚みを上記
範囲内とすることで、優れた電池性能を有する色素増感
太陽電池の製造が可能となる。
【0046】なお、導電性を向上させる目的で、活性炭
と結着剤の混合物に、更に導電性付与剤を添加してもよ
い。上記対極が、更に導電性付与剤を構成素材として含
むものである色素増感太陽電池は、本発明の好ましい形
態の1つである。導電性付与剤の具体例としては、各種
金属の微粒子等の導電性無機材料;カーボンブラック、
導電性高分子等の導電性有機材料;それらを組み合わせ
た複合材料が挙げられる。これら導電性付与剤の添加量
としては、活性炭と結着剤との合計量100質量部に対
し、5〜30質量部とすることが好ましく、より好まし
くは10〜20質量部とする。
【0047】[半導体電極]本発明の色素増感太陽電池
における半導体電極(光電極)は、増感色素を吸着させ
たものであり、通常の色素増感太陽電池に用いられる公
知の半導体電極を採用すればよい。上記半導体電極と
は、具体的には、導電性基板上に多孔性の半導体層を形
成させ、該半導体層の孔に増感色素を吸着させたもので
ある。
【0048】上記半導体電極に用いられる半導体として
は、SiやGe等の単体半導体、III−V系化合物半
導体、金属カルコゲナイド、ペロブスカイト構造を有す
る化合物が好適である。
【0049】上記金属カルコゲナイドとは、金属とカル
コゲンとの化合物、すなわち、金属の酸化物、硫化物、
セレン化物、テルル化物等が該当する。具体的には、T
i、V、Fe、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、In、S
n、La、Ce、Hf、Ta又はWの酸化物;Zn、C
d、Ag、Sb、Pb又はBiの硫化物;Cd又はPd
のセレン化物;Cdのテルル化物が好適である。また、
ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸
ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウ
ム、チタン酸ナトリウム、ニオブ酸カリウムが好適であ
る。その他、Ga、In、Cd等のリン化物;GaA
s;Cu−Inのセレン化物;Cu−Inの硫化物等の
化合物半導体も好適である。
【0050】上記の半導体のうち、本発明の半導体電極
により好ましく用いられるものとしては、Si、TiO
2、Fe23、ZnO、Nb25、WO3、ZnS、Cd
S、PbS、Bi22、CuInS2、CdSe、Cu
InSe2、CdTe、GaP、InP、GaAsが挙
げられる。中でも、TiO2が特に好ましい。
【0051】上記TiO2には、主にアナターゼ型とル
チル型の2種類の結晶構造が存在する。上記半導体電極
に採用するTiO2の結晶構造は、いずれであってもよ
いが、アナターゼ型の方がより好ましい。アナターゼ型
の方がルチル型の場合よりも、紫外線による損傷が少な
いためである。よって、TiO2がアナターゼ型とルチ
ル型の混合物の場合は、アナターゼ型の含有率が高い方
(例えば、70%以上)が好ましい。
【0052】上記半導体は、単結晶であっても、多結晶
であってもよい。半導体が単結晶の場合は、より電池性
能(エネルギー変換効率)が高くなる。他方、半導体が
多結晶の場合は、コストの面で有利である。また、上記
半導体は微粒子であるが、その平均粒径は、1〜300
nmとすることが一般的である。
【0053】本発明の色素増感太陽電池において、半導
体電極側から光を照射する場合は、少なくとも半導体電
極に用いられる導電性基板は、「実質的に透明」でなけ
ればならない。勿論半導体電極に用いられる導電性基板
と、上記対極の両者が実質的に透明であってもよく、こ
の場合、半導体電極側、対極側のいずれから光を照射し
ても光電変換が可能な色素増感太陽電池となる。
【0054】上記実質的に透明な導電性基板としては、
ガラスやプラスチックフィルムの表面に導電層を形成し
たものが挙げられる。導電層を形成する素材としては、
Al、Cu、Rh、Ag、In、Pt、Au等の金属の
薄膜;ITO、FTO等の導電性の金属酸化物薄膜;炭
素薄膜が好適である。導電層の厚さは、上記の「実質的
に透明」である状態が確保されれば特に限定されない
が、通常、0.001〜100μm程度である。
【0055】上記の導電層は、ガラスやプラスチックフ
ィルムの表面に、蒸着法やスパッタリング法等の公知の
方法で形成することができる。また、導電性基板に用い
られるプラスチックフィルムの素材としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレ
ート、ポリスルホン、ポリエステルスルホン、ポリエー
テルイミド、シンジオタクチックポリスチレン、テトラ
アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、ブロム化フ
ェノキシが好適である。上記導電性基板の中でも、IT
OやFTO等の金属酸化物薄膜を、ガラスや上記例示の
素材から構成されるプラスチックフィルム上に形成させ
たものが好ましく用いられる。
【0056】また、上記の「実質的に透明」を確保し得
る範囲内で、導電性基板に金属リードを設けることで、
該基板の抵抗を下げることができる。金属リードの素材
としては、Al、Ni、Cu、Ag、Pt、Auが好ま
しく用いられる。上記導電性基板の表面抵抗は小さいほ
ど好ましく、具体的には100Ω/cm2以下、より好
ましくは10Ω/cm2以下であることが推奨される。
【0057】上記金属リードは、ガラスやプラスチック
フィルム表面に上記の金属を蒸着やスパッタリング等で
形成し、その上に、例えば、上記のITO、FTO等の
金属酸化物薄膜等の導電層を形成する手法で形成するこ
とができる。その他、ガラスやプラスチックフィルム表
面に形成した導電層上に金属リードを設ける手法も採用
可能である。また、半導体層を導電性基板上に形成する
方法としては、公知の方法が採用可能である。例えば、
半導体微粒子の分散液を導電性基板上に塗布する方法が
好適である。
【0058】上記分散液の製造方法としては、公知のゾ
ル−ゲル法、半導体の製造を溶媒中で行い、得られた半
導体分散液をそのまま使用する方法、その他半導体をミ
ルや乳鉢で微粒子とした後、あるいは微粒子としなが
ら、分散媒中に分散する方法等の公知の方法を用いるこ
とができる。
【0059】上記分散液に用いられる分散媒としては、
水や各種有機溶媒を用いることができる。有機溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の
アルコール系溶媒;アセトン、アセトニトリル、ジクロ
ロメタン、酢酸エチルが好適である。なお、上記分散液
中には、必要に応じて界面活性剤、酸、キレート剤、ポ
リマー等の各種分散助剤等を添加してもよい。上記分散
液の粘度としては特に限定されず、該分散液を導電性基
板上に塗布するに当たり、採用する塗布方法(後述す
る)に応じて、適宜決定すればよい。
【0060】上記分散液を導電性基板上に塗布する方法
としては、従来公知の方法が使用でき、ローラー法、デ
ィップ法、ドクターブレード法、エアーナイフ法、スラ
イドホッパ法、エクストルージョン法、カーテン法、ワ
イヤーバー法、スピン法、スプレー法が好適である。ま
た、オフセット法、グラビア法、凸版法、凹版法、ゴム
版法、スクリーン法等の印刷方法も好適である。
【0061】上記分散液を導電性基板上に塗布後、熱処
理を行って半導体層を形成させる。熱処理の温度は、通
常、150〜800℃であり、好ましくは300〜60
0℃の範囲で、導電性基板に採用した素材の特性を損な
わない温度を選択する。また、熱処理の時間は、通常、
15〜240分程度とすればよい。
【0062】また、上記熱処理後、四塩化チタン水溶液
を用いた化学めっきや、三塩化チタン水溶液を用いた電
気化学めっきを行うことで、半導体層中の半導体粒子の
表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め
て、増感色素から半導体粒子への電子注入効率を向上さ
せることも可能である。
【0063】このようにして形成される半導体層の厚み
としては、0.1〜30μmとすることが一般的であ
る。半導体層の厚みをこのような範囲とすることで、増
感色素の吸着量を充分なものとすることができると共
に、生成電子の拡散距離の増大によるロスを防ぐことが
可能となる。更に、充分な量の増感色素を吸着できるよ
う、半導体層のラフネスファクターは、500以上であ
ることが好ましく、より好ましくは1000以上であ
る。
【0064】本発明における増感色素としては、可視光
領域及び赤外光領域の光を吸収する特性を有する従来公
知の色素が採用できる。上記増感色素としては、上記半
導体層中での吸着力を高めるため、該色素分子中にカル
ボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ヒドロ
キシアルキル基、エステル基、スルホン酸基、ホスホニ
ル基、メルカプト基等のインターロック基を有するもの
が好ましい。これらのインターロック基は、増感色素−
半導体の伝導帯間での電子の移動を容易にする電気的な
結合を与える。
【0065】上記増感色素としては、ルテニウムビピリ
ジン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フ
タロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アゾ系
色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクドリ
ン系色素、スクアリリウム系色素、トリフェニルメタン
系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリ
レン系色素、インジゴ系色素が好適である。これらの増
感色素はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。特に、吸収し得る光の波長の異なる2種以
上の増感色素を併用することが、光電変換に利用できる
光の波長域を増大させ得る点で推奨される。
【0066】上記増感色素を半導体電極に吸着させる方
法としては、従来公知の方法が採用できる。例えば、溶
媒を用いて増感色素の溶液を調製し、該溶液に半導体電
極を浸漬する方法や、該溶液を半導体電極に塗布する方
法が好適である。なお、塗布方法としては、従来公知の
方法、すなわち、半導体電極において、半導体分散液を
導電性基板上に塗布する方法として上に例示した方法を
採用することができる。
【0067】上記増感色素の溶液の調製に用い得る溶媒
としては、メタノール、エタノール、t−ブタノール、
ベンジルアルコール等のアルコール類;アセトン、2−
ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニ
トリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニト
リル等のニトリル化合物;ヘキサン、石油エーテル、ベ
ンゼン、トルエン等の炭化水素;ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類;炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピオン等の
炭酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ニトロメタ
ン;N−メチルピロリドン;1,3−ジメチルイミダゾ
リジノン;3−メチルオキサゾリジノン等の公知のもの
が好適である。これらの溶媒は、それぞれ単独で使用し
てもよく、2種以上を混合して用いてもよい。増感色素
溶液の好ましい増感色素濃度は、増感色素や溶媒の種類
によって異なるが、1.0×10-4〜4.0×10-4
ol/Lの範囲とすることが一般的である。好ましくは
2.0×10-4〜3.0×10-4mol/Lである。
【0068】上記浸漬法の場合の浸漬時間や浸漬温度と
しては、増感色素や溶媒の種類に応じて適宜選択すれば
よい。また、上記塗布法の場合の塗布温度や溶媒の乾燥
温度も、増感色素や溶媒の種類に応じて適宜選択すれば
よい。
【0069】また、上記の吸着処理の前に、半導体電極
を100〜400℃程度で熱処理しておくことで、増感
色素の吸着量を増大させることができる。この場合、半
導体電極が吸湿するのを防止するため、熱処理後常温に
戻さず、直ちに吸着処理を行うことが好ましい。
【0070】なお、上記浸漬後又は塗布・乾燥後に半導
体電極に吸着しなかった増感色素は、色素増感太陽電池
の性能に悪影響を及ぼす場合があるため、増感色素溶液
用の溶媒として例示した各種溶媒を用いて洗浄除去する
ことが好ましい。
【0071】上記半導体電極への増感色素の吸着量は、
1×10-8mol/cm2以上とすることが好ましく、
このような吸着量とすることで充分な増感効果を確保す
ることができる。増感色素の吸着量は5×10-8mol
/cm2とすることがより好ましい。
【0072】また、増感色素同士の相互作用(例えば会
合等)を低減すべく、増感色素と共に無色の化合物を半
導体電極に吸着させてもよい。このような化合物として
は、ケノデオキシコール酸等のカルボキシル基を有する
ステロイド化合物が好適である。この他、紫外線吸収剤
等を併用してもよい。
【0073】更に、余分な増感色素を除去するため、上
記吸着処理後にアミン類を用いて半導体電極の半導体層
表面を処理することも好ましい。このようなアミン類と
しては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニ
ルピリジンが好適である。これらは、液体の場合はその
ままで用いてもよく、有機溶媒に溶解させて用いてもよ
い。
【0074】[電荷移動層]本発明の色素増感太陽電池
で用いられる電荷移動層としては、従来公知の色素増感
太陽電池に用いられているものを使用することができ
る。電荷移動層は半導体電極に電子を補充する役割を果
たすものである。代表的な電荷移動層としては、電解液
が挙げられる。この電解液は、電解質、溶媒及び添加剤
から構成される。電解質は、酸化体と還元体とを組み合
わせたもの(以下、「酸化還元対」という場合がある)
が用いられる。このような電解質としては、ヨウ素(I
2)とヨウ化物の組合せや、臭素(Br2)と臭化物の組
合せが一般的である。
【0075】上記ヨウ素と組み合わせるヨウ化物として
は、CaI2、LiI、NaI、KI、CsI等の金属
ヨウ化物;ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨ
ーダイド、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド等の
4級アンモニウム化合物のヨウ素塩が好適である。
【0076】上記臭素と組み合わせる臭化物としては、
CaBr2、LiBr、NaBr、KBr、CsBr等
の金属臭化物;ピリジニウムブロマイド、テトラアルキ
ルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物
の臭素塩が好適である。
【0077】また、上記の電解質の他、フェロシアン酸
塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイ
オン等の金属錯体;ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオ
ール−アルキルジスルフィド等の硫黄化合物;ビオロゲ
ン色素;塩素−塩化物;ヒドロキノン−キノン;コハク
酸−フマル酸等の電解質も適用可能である。この他、タ
リウムイオン(I)−タリウムイオン(III)、水銀
イオン(I)−水銀イオン(II)、ルテニウムイオン
(II)−ルテニウムイオン(III)、銅イオン
(I)−銅イオン(II)、鉄イオン(II)−鉄イオ
ン(III)、バナジウムイオン(II)−バナジウム
イオン(III)、過マンガン酸イオン−マンガン酸イ
オン等のイオンを生成する化合物の組合せも用いること
ができる。上記各例示の電解質は複数のものを混合して
使用してもよい。
【0078】なお、本発明では、電解液がヨウ素とヨウ
化物イオンを含む場合に、特に優れた電池性能を確保し
得ることを確認している。よって、電解質としては、ヨ
ウ素と上記ヨウ化物の組合せが好ましく採用される。
【0079】上記電解液中の電解質濃度は、0.01〜
1mol/Lとすることが一般的である。より一般的に
は、0.2〜0.5mol/Lである。また、ヨウ素を
用いる場合、ヨウ素の濃度は、10〜50mmol/L
とすることが好ましい。
【0080】上記電解液に用いる溶媒としては、電解質
を充分に溶解し得ると共に、低粘度で、イオン伝導性に
優れるものであることが好ましい。溶媒としては、ジオ
キサン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタ
ン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレ
ングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
アルキルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテ
トラヒドロフラン等のエーテル類;メタノール、エタノ
ール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロ
ピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレン
グリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリ
コールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエ
チルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート等のカーボネート類;酢酸メチル、プロピ
オン酸メチル、ブチロラクトン等のエステル化合物;ア
セトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニト
リル、ベンゾニトリル、グルタロジニトリル等のニトリ
ル化合物;3−メチル−2−オキサゾリジノン、2−メ
チルピロリドン等の複素環化合物;ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ジメチルホルムアミド等の非プロトン
性極性物質;水が好適である。これらの溶媒は、それぞ
れ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0081】更に、電解液には、t−ブチルピリジン、
2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を添
加してもよい。これらの塩基性化合物濃度としては、
0.1〜1.0mol/Lとすることが好ましい。
【0082】また、電荷移動層には、上記電解液をポリ
マーマトリックスに含浸させた所謂ゲル電解質や、酸化
還元対を有する溶融塩を用いてもよい。ゲル電解質のポ
リマーマトリックスや、上記溶融塩としては、従来公知
のものを使用することができる。なお、色素増感太陽電
池の電池性能向上の観点からは、電解液を用いることが
好ましい。
【0083】なお、電荷移動層として電解液を使用する
場合、電解液を多孔質支持体に充填して用いることが好
ましい。多孔質支持体の使用により、電解液の漏洩を抑
制し得る。多孔質支持体として、濾過用フィルター(メ
ンブランフィルター)、通常の一次電池や二次電池に用
いられる公知のセパレーター、不織布等が使用できる。
なお、多孔質支持体には、電解液中の電解質が通過でき
るように貫通孔(空隙)がなければならない。なお、こ
の貫通孔(空隙)が、多孔質支持体面に対し垂直方向に
貫通していることが、色素増感太陽電池の電池性能向上
の面で好ましい。このような貫通孔(空隙)を有する場
合には、電解質の移動を阻害する要因がより少なくなる
からである。
【0084】上記濾過用フィルターの素材としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類;ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル類;ガラス
繊維が好ましい。また、通常の一次電池や二次電池に用
いられるセパレーター及び不織布の素材としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類;ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル類;ポリアミ
ド類;ポリイミド;アセタール化ポリビニルアルコール
(ビニロン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ポリ
フェニレンスルフィドが好適である。これらのセパレー
ターや不織布は、単一の素材のものを単独で用いてもよ
く、異なる素材からなる2以上のセパレーターや不織布
を貼り合わせる等して複合化して用いてもよい。また、
2種以上の素材からなるセパレーターや不織布(混合紡
糸繊維からなる不織布等)であっても構わない。
【0085】なお、色素増感太陽電池において、電解液
の漏洩を抑制する点では、半導体電極−多孔質支持体間
及び多孔質支持体−対極間には隙間を生じさせないこと
が好ましい。よって、多孔質支持体の厚みとしては特に
限定されないが、半導体電極−対極間の間隔と同じであ
ることが好ましく、一般的には0.1〜50μmであ
る。特に多孔質支持体の厚みが上記範囲を超える場合
は、電解質の移動距離が長くなるため、電池性能が低下
する傾向にある。
【0086】上記多孔質支持体の空隙率としては70〜
90%であることが好ましい。このような空隙率の多孔
質支持体であれば、色素増感太陽電池内において、電解
液の漏洩を抑制し得ると共に、エネルギー変換効率の低
下を引き起こす程度にまで電解質の移動を妨げることも
ない。
【0087】[その他の構成要素及び色素増感太陽電池
の構造]本発明の色素増感太陽電池においては、半導体
電極及び/又は対極の電荷移動層と反対側の面に保護層
(紫外線カット層や防水・防湿層等)や反射防止層、光
触媒層等の機能性付与層を設けてもよい。これらの機能
性付与層としては、それぞれ公知のものを適用すること
ができる。
【0088】また、半導体電極−対極間での短絡を防止
するため、半導体電極の導電性基板と半導体層の間に、
緻密な半導体の下地層を設けることも好ましい。下地層
の素材としては、TiO2、Fe23、ZnO、Nb2
5、SnO2、WO3が好適である。下地層の形成は、例
えば、スプレーパイロリシス法等の公知の方法で行えば
よい。下地層の厚みは5〜1000nmが一般的であ
る。より一般的には10〜500nmである。
【0089】次に、本発明の色素増感太陽電池の構造に
ついて説明する。色素増感太陽電池の代表的な例を図3
に示す。この例は、対極1の導電層1aと、半導体電極
2の半導体層2aとを対向させて配置し、これら対極1
と半導体電極2との間に電荷移動層3を設けた構造であ
る。電荷移動層3は、上記の通り、電解液を含浸させた
多孔質支持体であってもよい。なお、電荷移動層3の漏
洩を防止すると共に、色素増感太陽電池の形状維持のた
め、対極1及び半導体電極2が形成する面以外の各面
は、封止材4を用いて封止する。
【0090】上記封止材としては、従来公知の材料か
ら、使用する電荷移動層の素材の種類等に応じて好まし
いものを適宜選択すればよい。例えば、エポキシ樹脂や
アイオノマー樹脂が代表的な素材として挙げられる。ま
た、これらの封止材中に透明フィラーを充填すること
で、封止材の強度を高めることができる。封止材の形成
方法としては、従来公知の方法、例えば、上記のエポキ
シ樹脂のフィルムを電極周縁部に加熱密着させる方法等
で形成することができる。
【0091】また、封止材として、ガラスを用いること
も有効である。この場合、例えば、ガラス板やガラスビ
ーズを、エポキシ樹脂接着剤等を用いて、対極及び半導
体電極周縁部に接着させる等すればよい。
【0092】またペースト状ガラスフリットを対極及び
半導体電極周縁部に塗布後焼成して、ガラス製封止材を
形成する方法を用いてもよい。この場合、有機物接着剤
を用いないため、色素増感太陽電池の使用時に生じる該
接着剤の変質等による悪影響を回避することができる。
【0093】この方法を採用する場合、焼成による増感
色素や電荷移動層の変質を回避するため、対極と、増感
色素を吸着させる前の半導体電極と、上記のペースト状
ガラスフリットを用いて、密閉ユニットを作製した後、
増感色素の吸着と、電荷移動層用の電解液等の注入を行
う。なお、上記密閉ユニットの作製に際しては、増感色
素溶液及び電荷移動層用の電解液を注入するための開口
を1つ以上設けておく。開口は、例えば、ガラス管等を
焼成前のペースト状ガラスフリット部分に挿入した後、
焼成する等の方法で設ければよい。半導体電極への増感
色素の吸着は、例えば、増感色素溶液を、上記開口を通
して循環させる方法によって行うことができる。電荷移
動層用の電解液は、増感色素の吸着処理終了後、増感色
素溶液を完全に排除してから、上記開口より注入する。
【0094】上記ペースト状のガラスフリットとして
は、従来公知のものが採用可能である。具体的には、粉
末ガラスにバインダー樹脂(アクリル樹脂等)を混合し
たものが好適である。粉末ガラスとしては、公知の粉末
ガラスの中から好ましいものを、適宜選択すればよい。
【0095】また、対極1と半導体電極2との間に、こ
れらの電極の歪みを矯正したり、これら電極間での短絡
を防止したりする目的で、スペーサーを配置することも
好ましい。このようなスペーサーの素材としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類;ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル類;ポリアミ
ド類;ポリイミド;アセタール化ポリビニルアルコール
(ビニロン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ポリ
フェニレンスルフィドが好適である。なお、スペーサー
の好ましい厚みは、上述の多孔質支持体と同様である。
【0096】本発明の色素増感太陽電池は、図3に示す
ように、1組の対極及び半導体電極から構成される構造
であってもよく、この他、複数組の対極及び半導体電極
を有するモジュール構造であってもよい。このようなモ
ジュール構造の場合、より大きな電気量を確保すること
が可能となる。
【0097】本発明の色素増感太陽電池をモジュール構
造とする場合は、従来公知の構造を採用すればよい。図
4に、本発明の色素増感太陽電池のモジュール構造の一
例を示す。モジュール構造とする場合は通常、図4のよ
うに基板5の上に対極1−電荷移動層3−半導体電極2
の組を複数配置し、その上を封止材4で覆う。
【0098】上記基板5が、通常の金属板等の非透明材
料である場合は、封止材4側から光が照射されるため、
封止材4は透明でなければならない。他方、基板5に透
明材料(強化ガラス等)を用いた場合は、該基板5側か
ら光を照射することができるため、封止材4は透明でな
くてもよく、勿論透明であってもよい。封止材4又は基
板5のいずれか一方に透明材料を採用する場合は、少な
くとも、光の照射が可能な側の対極1又は半導体電極2
の導電性基板2bのいずれか一方が透明でなければなら
ない。ここでいう「透明」とは、対極の項で上述した
「実質的に透明」と同じ意味である。なお、本発明の色
素増感太陽電池の構造を表す図3及び図4は、代表的な
一例を示したものに過ぎず、これらに限定されるもので
はない。
【0099】本発明の色素増感太陽電池は、外部回路に
接続して用いられる。外部回路は従来公知のものを用い
ればよく、例えば、公知の二次電池等が挙げられる。こ
のような外部回路を、色素増感太陽電池の対極及び半導
体電極に、例えばリードを介して接続する。
【0100】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べ
る。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明に包含される。
【0101】比較例1(Pt電極を対極に用いた色素増
感太陽電池) 以下の構成の色素増感太陽電池を作製した。 (対極)Pt板を対極に用いた。なお、このPt板対極
のラフネスファクターは1である。 (半導体電極)チタニアゾル(石原産業社製、商品名
「STS−21」)を、FTO基板(日本板硝子社製、
商品名「VZ019」、酸化スズ膜付きガラス)にスピ
ンコートした後、これを100℃で乾燥し、更に450
℃で1時間熱処理を施して、多孔質TiO2薄膜電極
(半導体電極)とした。この電極をRuN3色素のエタ
ノール溶液(濃度3.0×10-3mol/L)に10時
間浸漬し、RuN3色素(増感色素)が吸着した半導体
電極を得た。なお、上記RuN3色素とは、Solar
onix社製、「Ruthenium 535」(商品
名)、[Cis−bi(isothiocyanat
o)bis(2,2′−bipyridyl−4,4′
−dicarboxylato)−ruthenium
(II)]である。
【0102】半導体電極の半導体層(多孔質TiO2
膜)の膜厚は2μmであった。また、増感色素吸着前の
半導体電極について、デルソープ社製の装置を用いたB
ET吸着法(吸着ガス:N2)によって測定した半導体
電極の比表面積を、該半導体電極の各表面の真上からの
投影面積の総和で割って得た該半導体電極のラフネスフ
ァクターは300であった。
【0103】(電荷移動層)溶媒:アセトニトリルと、
電解質:ヨウ化リチウム(濃度0.1mol/L)、ヨ
ウ素(濃度0.05mol/L)、1,2−ジメチル−
3−プロピルイミダゾールヨウ素塩(濃度0.3mol
/L)及びt−ブチルピリジン(濃度0.5mol/
L)から構成される電解液を用いた。
【0104】上記対極、半導体電極及び電荷移動層を、
図3に示すように配置し、封止材(三井デュポンフルオ
ロケミカルズ社製、商品名「ハイミラン」)で封止し
て、色素増感太陽電池No.1を得た。この際の対極−
半導体電極間の間隔は20μmとした。また、電極面積
は0.2cm2(4×5mm)とした。
【0105】上記対極(Pt板電極)のCV測定を、上
述の方法に従って行った。なお、CV測定には、ポテン
シオスタットとして北斗電工社製、商品名「HA−15
1」を用い、ファンクションジェネレーターとして北斗
電工社製、商品名「HB−11」を用いた。
【0106】また、色素増感太陽電池No.1の電池性
能測定を、次の方法によって行った。色素増感太陽電池
No.1の対極及び半導体電極と、電流計(KEITH
LEY社製、商品名「487」)、ファンクションジェ
ネレーター(北斗電工社製、商品名「HB−105」)
及びポテンシオスタット(北斗電工社製、商品名「HA
−5016」)から構成される電流電圧測定装置とを、
ワニ口クリップを取り付けたリード線を用いて接続し
た。その後色素増感太陽電池No.1の半導体電極基板
側に、500Wのキセノンランプ(ウシオ社製)の光を
分光フィルター(Oriel社製、商品名「AM1.
5」)を通して得た模擬太陽光(光強度I:100mW
/cm2)を照射した。このときに色素増感太陽電池N
o.1によって発生した電気を、上記電流電圧測定装置
によって測定した。この結果から、開放光電圧Voc、
短絡光電流密度Jsc及びフィルファクターFFを求
め、上記式(1)からエネルギー変換効率ηを算出し
た。
【0107】対極のCV測定から得られたサイクリック
ボルタンモグラムが、図1である。このサイクリックボ
ルタンモグラムから求めた酸化還元電流値差a及びbの
関係は、b<aであった。I/I3 の半波電位(図
1記載の負側(上記フェロセン基準)で観察される酸化
還元電位)は−0.15V、+0.24Vであった。ま
た、色素増感太陽電池No.1の電池性能測定で得られ
た開放光電圧は0.70Vであった。
【0108】実施例1 対極を下記の対極(活性炭電極)に変更した以外は、色
素増感太陽電池No.1と同じ構成の色素増感太陽電池
No.2を作製した。 (対極)粉末状活性炭(カネボウ株式会社製「APF−
10」、比表面積1000m2/g、平均粒径20μ
m)100g、カーボンブラック(電気化学工業社製、
商品名「デンカブラック」粒状品、比表面積92m2
g、平均粒径35nm)5g、及びカルボキシメチルセ
ルロース(ダイセル化学工業社製、商品名「DN−40
0H」)10gを自動乳鉢を用いて乾式混合した。この
混合粉末を純水1000mLに分散させ、対極用スラリ
ーを得た。この対極用スラリーをFTO基板(日本板硝
子社製、商品名「VZ019」)にドクターブレード法
で塗布し、その後160℃で30分乾燥して対極を得
た。
【0109】得られた対極の活性炭層の厚みは100μ
mであった。また、色素増感太陽電池No.1の半導体
電極と同じ方法で求めた対極のラフネスファクターは1
2000であった。
【0110】比較例1と同様にして、色素増感太陽電池
No.2の電池性能測定を行った。また、色素増感太陽
電池No.2の電池性能測定で得られた開放光電圧は
0.75Vであった。更に、色素増感太陽電池No.1
(比較例1)で得られたエネルギー変換効率を100と
した場合、色素増感太陽電池No.2のエネルギー変換
効率は110であった。
【0111】実施例2 下記の対極(ガラス状炭素電極)に変更した以外は、色
素増感太陽電池No.1と同じ構成の色素増感太陽電池
No.3を作製した。 (対極)粉末状活性炭の代わりに、ガラス状炭素粉末
(カネボウ社製、商品名「C−2000」、平均粒径1
5μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして対極
(ガラス状炭素電極)を作製した。色素増感太陽電池N
o.1の半導体電極と同じ方法で求めた対極のラフネス
ファクターは100であった。
【0112】比較例1と同様にして、対極のCV測定及
び色素増感太陽電池No.3の電池性能測定を行った。
対極のCV測定から得られたサイクリックボルタンモグ
ラムが、図2である。このサイクリックボルタンモグラ
ムから求めた酸化還元電流値差a及びbの関係は、b>
aであった。I/I3 の半波電位(図1記載の負側
(上記フェロセン基準)で観察される酸化還元電位)は
−0.09V、+0.31Vであった。また、色素増感
太陽電池No.3の電池性能測定で得られた開放光電圧
は0.75Vであった。
【0113】実施例3 下記の対極(グラファイト電極)に変更した以外は、色
素増感太陽電池No.1と同じ構成の色素増感太陽電池
No.4を作製した。 (対極)粉末状活性炭の代わりに、グラファイト粉末
(SCE社製、商品名「SGP−15」、平均粒径15
μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして対極
(グラファイト電極)を作製した。
【0114】得られた対極のグラファイト層の厚みは1
00μmであった。また、色素増感太陽電池No.1の
半導体電極と同じ方法で求めた対極のラフネスファクタ
ーは1000であった。
【0115】比較例1と同様にして、色素増感太陽電池
No.4の電池性能測定を行った。また、色素増感太陽
電池No.1(比較例1)で得られたエネルギー変換効
率を100とした場合、色素増感太陽電池No.4のエ
ネルギー変換効率は40であった。
【0116】実施例4 粉末状活性炭(カネボウ社製、商品名「Bell fi
ne AP−15」、比表面積1500m2/g、平均
粒径10μm)100g、カーボンブラック(電気化学
工業社製、商品名「デンカブラック」粒状品、比表面積
92m2/g、平均粒径35nm)20g及びカルボキ
シメチルセルロース(ダイセル化学工業社製、商品名
「DN−400H」)12gを自動乳鉢を用いて乾式混
合した。この混合粉末を純水800mL/エタノール4
00mLの混合溶媒に分散させ、対極用スラリーを得
た。この対極用スラリーをFTO基板(日本板硝子社
製、商品名「VZ019」)にドクターブレード法で塗
布し、その後200℃で60分乾燥して対極を得た。得
られた対極の活性炭層の厚みは25μmであった。ま
た、色素増感太陽電池No.1の半導体電極と同じ方法
で求めた対極のラフネスファクターは6000であっ
た。
【0117】色素増感太陽電池No.1と同じ構成の色
素増感太陽電池No.5を作製した。比較例1と同様に
して、色素増感太陽電池No.5の電池性能測定を行っ
た。また、色素増感太陽電池No.5の電池性能測定で
得られた開放光電圧は0.75Vであった。更に、色素
増感太陽電池No.1(比較例1)で得られたエネルギ
ー変換効率を100とした場合、色素増感太陽電池N
o.2のエネルギー変換効率は105であった。
【0118】実施例5 粉末状活性炭(カネボウ社製、商品名「Bell fi
ne AP−20」、比表面積2000m2/g、平均
粒径10μm)100g、カーボンブラック(電気化学
工業社製、商品名「デンカブラック」粒状品、比表面積
92m2/g、平均粒径35nm)20g及びカルボキ
シメチルセルロース(ダイセル化学工業社製、商品名
「DN−400H」)12gを自動乳鉢を用いて乾式混
合した。この混合粉末を純水800mL/エタノール4
00mLの混合溶媒に分散させ、対極用スラリーを得
た。この対極用スラリーをFTO基板(日本板硝子社
製、商品名「VZ019」)にドクターブレード法で塗
布し、その後200℃で60分乾燥して対極を得た。得
られた対極の活性炭層の厚みは25μmであった。ま
た、色素増感太陽電池No.1の半導体電極と同じ方法
で求めた対極のラフネスファクターは19000であっ
た。
【0119】色素増感太陽電池No.1と同じ構成の色
素増感太陽電池No.6を作製した。比較例1と同様に
して、色素増感太陽電池No.6の電池性能測定を行っ
た。また、色素増感太陽電池No.6の電池性能測定で
得られた開放光電圧は0.75Vであった。更に、色素
増感太陽電池No.1(比較例1)で得られたエネルギ
ー変換効率を100とした場合、色素増感太陽電池N
o.6のエネルギー変換効率は120であった。
【0120】
【発明の効果】本発明の色素増感太陽電池は、上述の構
成からなり、高度な電池性能を発揮することができると
共に、その製造コストを低減することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Pt電極のCV測定で得られたサイクリックボ
ルタンモグラムである。
【図2】ガラス状炭素電極のCV測定で得られたサイク
リックボルタンモグラムである。
【図3】1組の対極−電荷移動層−半導体電極から構成
される色素増感太陽電池の構造の例を示す断面模式図で
ある。
【図4】複数組の対極−電荷移動層−半導体電極から構
成される色素増感太陽電池の構造の例を示す断面模式図
である。
【符号の説明】
1 対極 1a 導電層 2 半導体電極 2a 半導体層 2b 導電性基板 3 電荷移動層 4 封止材 1b、5 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 CB13 FA01 FA03 FA17 FA19 FA30 GA03 KA09 5H032 AA06 AS06 AS16 CC16 EE16 HH00 HH04 HH08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増感色素を吸着させた半導体電極、電荷
    移動層及び対極を構成要素として含む色素増感太陽電池
    であって、該対極は、フェロセンの酸化還元電位を基準
    とするサイクリックボルタンメトリー測定により、−
    0.7V以上0V未満の負電位域で求められる酸化還元
    電流値差をa(mA)とし、0V以上0.7V以下の正
    電位域で求められる酸化還元電流値差をb(mA)とす
    ると、b>aの関係を満たすものであることを特徴とす
    る色素増感太陽電池。
  2. 【請求項2】 増感色素を吸着させた半導体電極、電荷
    移動層及び対極を構成要素として含む色素増感太陽電池
    であって、該対極は、ラフネスファクターが5000以
    上のものであることを特徴とする色素増感太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記対極は、ラフネスファクターが50
    00以上のものであることを特徴とする請求項1記載の
    色素増感太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記対極は、炭素材料を構成素材として
    含むものであることを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の色素増感太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記対極は、更に結着剤を構成素材とし
    て含むものであることを特徴とする請求項4記載の色素
    増感太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記対極は、更に導電性付与剤を構成素
    材として含むものであることを特徴とする請求項4又は
    5記載の色素増感太陽電池。
  7. 【請求項7】 増感色素を吸着させた半導体電極、電荷
    移動層及び対極を構成要素として含む色素増感太陽電池
    であって、該対極は、活性炭を構成素材として含むもの
    であることを特徴とする色素増感太陽電池。
  8. 【請求項8】 増感色素を吸着させた半導体電極、電荷
    移動層及び対極を構成要素として含む色素増感太陽電池
    であって、該対極は、比表面積が500m2/g以上の
    材料を構成素材として含むものであることを特徴とする
    色素増感太陽電池。
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