JP2010040391A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性基板を不要とし、低コスト化が図れるとともに、優れた受光効率を備えることが可能な、新しい構造を有する光電変換素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る光電変換素子1A(1)は、別体をなす第一電極10と第二電極20とが、電解質30を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第一電極は、線状をなしており、被覆金属11Bにより被覆された中心金属11Aを備えた第一線材11と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成されており、前記第二電極は、筒状をなしており、前記第一電極は、前記第二電極の外側面を巻回するように配され、前記第一電極を覆うように、前記第二電極の外側に筒状の透明部材40が配されており、前記電解質は、前記第一電極と前記透明部材との間に配されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感型太陽電池等に用いる光電変換素子に関する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
図6は、従来の色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。
この色素増感型太陽電池100は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基板101と、導電膜104が形成された第二基板105と、これらの間に封入された例えばヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む電解質層106を主な構成要素としている。
第一基板101としては光透過性の板材が用いられ、第一基板101の色素増感半導体電極103と接する面には導電性を持たせるために透明導電層102が配置されており、第一基板101、透明導電層102及び色素増感半導体電極103により作用極(窓極)108をなす。
一方、第二基板105としては、電解質層106と接する側の面には導電性を持たせるために例えば炭素や白金からなる導電層104が設けられ、第二基板105及び導電層104により対極109を構成している。
色素増感半導体電極103と導電層104が対向するように、第一基板101と第二基板105を所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に例えば熱可塑性樹脂からなる封止剤107を設ける。そして、この封止剤107を介して2つの基板101、105を貼り合わせてセルを組み上げ、電解液の注入口110を通して、両極108、109間にヨウ素/ヨウ化物イオンなどの酸化還元対を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質層106を形成したものが挙げられる。
このような色素増感型の光電変換素子は、特に光が入射する側の電極(窓電極)には、可視光の透通性と高い伝導性が要求されるため、ガラス基板やプラスチック基根上に、スズドープ酸化インジウム(ITO)や、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)といった透明導電性金属酸化物を塗布した基板が用いられてきた。
しかしながら、上述した色素増感型光電変換素子の導電性基板に用いられているインジウム(ln)等は、希少金属であり、昨今の価格の高騰からも、光電変換素子の低コスト化を阻害する要因となっている。
したがって、導電性基板を必要とせず、希少金属の使用量を抑制できる構造とした色素増感型の光電変換素子が実現すれば、大幅な低コスト化が図れることから、その開発が期待されていた。ただし、その際には、受光効率を犠牲にしないことが同時に満たされる必要がある。
特開平1−220380号公報 M.Graetzel et al.,Nature,737,p.353,1991
本発明は、上記事情を鑑みて考案されたものであり、導電性基板を不要とし、低コスト化が図れるとともに、優れた受光効率を備えることが可能な、新しい構造を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る光電変換素子は、別体をなす第一電極と第二電極とが、電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第一電極は、線状をなしており、被覆金属により被覆された中心金属を備えた第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成されており、前記第二電極は、筒状をなしており、前記第一電極は、前記第二電極の外側面を巻回するように配され、前記第一電極を覆うように、前記第二電極の外側に筒状の透明部材が配されており、前記電解質は、前記第一電極と前記透明部材との間に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光電変換素子は、請求項1において、前記第一電極は、その端部が、該第二電極の内側面に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るの光電変換素子は、請求項1又は2において、前記第二電極の外側面のうち、少なくとも前記第一電極と重なる部位が非導電性の部材で覆われていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る光電変換素子は、請求項1乃至3において、前記筒状の第二電極の端部は、ネジ構造を有する封止部材をかしめることにより、封止されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る光電変換素子は、請求項1乃至4において、前記第一電極、前記第二電極、及び前記部材は、電解質中に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る光電変換素子は、請求項1乃至5において、前記中心金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金から選ばれたいずれか一の金属材料からなることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る光電変換素子は、請求項1乃至6において、前記第一電極の形状は、平角線または多角形線であることを特徴とする。
本発明に係る光電変換素子は、導電性を有する第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成された第一電極を用いることにより、導電性基板が不要となり、低コスト化が図れる新しい構造を有するものとなる。
また、本発明に係る光電変換素子は、筒状の第二電極の外周を第一電極が巻回するように配されているため、無駄なく受光することができ受光効率を高めることができる。さらに本発明では、第二電極が筒状をなしているため、多方向から照射される光をより有効に利用することができるとともに、素子の軽量化を図ることができる。
以下、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の光電変換素子において、第一電極が第二電極の外側面に巻回されている上体を示す斜視図であり、図2は光電変換素子の端部を示す断面図である。図3は、光電変換素子に用いられている電極(第一電極)の他の一例を示す断面図である。
本発明の光電変換素子1A(1)は、別体をなす第一電極(作用極)10と第二電極(対極)20とが、電解質30を介して配されてなる光電変換素子であって、前記第一電極10は、線状をなしており、被覆金属により被覆された中心金属を備えた第一線材11と、該第一線材11の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成されている。
そして本発明の光電変換素子1A(1)は、前記第二電極20は、筒状をなしており、前記第一電極10は、前記第二電極20の外側面を巻回するように配され、前記第一電極10を覆うように、前記第二電極20の外側に筒状の透明部材40が配されており、前記電解質30は、前記第一電極10と前記透明部材40との間に配されていることを特徴とする。
本発明に係る光電変換素子1A(1)は、導電性を有する第一線材11と、該第一線材11の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成された第一電極10を用いることにより、導電性基板が不要となり、低コスト化が図れる新しい構造を有するものとなる。
また、本発明に係る光電変換素子1A(1)は、筒状の第二電極20の外周を第一電極10が巻回するように配されているため、無駄なく受光することができ受光効率を高めることができる。さらに本発明では、第二電極20が筒状をなしているため、多方向から照射される光をより有効に利用することができるとともに、素子の軽量化を図ることができる。
第一電極10(作用極)は、図2に示すように、少なくとも導電性を有する金属線からなる第一線材11と、該第一線材11の外周に配され、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層12とから構成され、線状をなしている。
ガラス、プラスチック等からなる透明基材上に、FTOやITOなどの透明導電膜が形成されてなる透明導電性基板を用いた従来の電極(作用極)においては、透明基材の耐熱性の問題から、多孔質酸化物半導体層12の形成時に、ガラスではおよそ600℃以上、プラスチックではおよそ150℃以上の高温での焼成が難しかった。これに対して、本発明の第一電極10においては、第一線材11に金真綿を採用したことにより、上記のような問題がなく、高温でも十分に焼成できるため、光電変換素子用電極(作用極)として好適である。
また、板状の基板を用いずに線状の線材を用いているので、フレキシブル性を有し、様々な構造の光電変換素子用電極として利用することができる。
さらに、従来の電極のようにガラス基板や、透明導電膜を用いないため、安価に電極を製造することができる。
第一線材11は、線状をなしており、中心金属11Aと、この中心金属11Aを被覆する被覆金属11Bからなるものである。
中心金属11Aとしては、Ti、Ni、W、Rh、Moのいずれかの単一金属、またはこれらの合金からなるワイヤや、中空の線材、棒材などを用いることが考えられるが、第一電極10の耐食性や加工性、軽量化、導電率などを向上させるために、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)などのいずれかの単一金属、またはこれらの合金からなる線状基材を用いることができる。この場合、中心金属11Aの表面の均−性の維持や、酸化防止などを高めるために、電解質30に対して電気化学的に不活性な材質からなるチタン等の被覆金属又はこれらの合金で被覆したものを用いるのが望ましい。
被覆金属11Bとしては、Ti、Ni、W、Rh、Moを用いることができる。
第一線材11の中心金属11Aと被覆金属11Bの中心金属との融着を高めるためには、中心金属11Aとして、銅(Cu)被覆Al線やCu被覆Al合金線の複合線を使用し、さらに被覆金属11BとしてTiで被覆し、第一線材11を多重構造とすることも可能である。
またさらに、中心金属11Aとしては、Pt線やPt被覆したTi線、Ti複合線を用いたり、あるいはカーボン繊維やカーボン被覆したTi線、Ti複合線を適用してもよい。
本発明におけるカーボン繊維は、単層のカーボンナノチューブもしくは複層のカーボンナノチューブから構成される。また、比表面積が大きいほど好ましい。
本発明におけるカーボン被覆したチタン線とは、多孔質カーボンによって被覆されてなるものである。また、比表面積が大きいほど好ましい。
このような第一線材11の太さ(直径)としては、特に限定されるものではないが、例えば、10[μm]〜10[mm]とするのが好ましい。ただし、柔軟性を十分に発揮させるためには、第一線材11の太さは細いほどよい。
多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の周囲に設けられており、その表面には少なくとも一部に増感色素が担持されている。
なお、多孔質酸化物半導体層12は、第一線材11の外周の一部のみを覆うものであってもよいが、光収集能力の低下、逆電子移動反応の促進等があるため、第一線材11の外周を完全に覆うことが好ましい。
多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層12を形成する方法としては、例えば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾルーゲル法により調製できるコロイド溶液に、必要に応じて所望の添加剤を添加してから、浸潰、塗布、押し出し等の方法により前記第一線材11の外周に配した後、焼成することにより形成する手法が挙げられる。このような多孔質酸化物半導体層12の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1[μm]〜50[μm]が好ましい。
増感色素としては、N3、ブラックダイなどのルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
第一線材11の製造方法の一例を、例えば被覆金属11BをTiとし、中心金属11AをAlとした場合について説明すると、まずTiを押出成型等によってパイプ状に形成すると共に、Alを押出成型等によって線状に形成し、これらTiパイプとアルミ線材を同時に走行させつつTi製パイプの内部にAlの線材を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆Alを得る。その後、これらを焼成してTi被覆層の外側を酸化して、多孔質半導体層12を形成し、増感色素を担持させる。
また、図3(a)〜(c)に示すように、第一電極10の形状を、平角線、三角形以上の多角線形などの異形線とすることも可能である。
第一線材11を平角又は多角形状とすることで、集電する際の端子処理が容易になる。また、第二電極20に複数回巻きつける際には、充填率の向上が図れる。
第二電極20(対極)は、導電性を有する筒状をなし、その表面が不導態となる各種の金属基板、中でもチタンから構成される。また、第二電極20は、表面に、Pt、C、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等からなる触媒膜(不図示)を有している。その際、該被膜は、例えばPt等の金属から構成されることが好ましい。さらに、第二電極20は、第一電極10との接触により短絡してしまわないように、その少なくとも一部が、ナイロン繊維を用いた網(メッシュ)状の非導電性の部材25に覆われており、当該部材25を構成する網目の空間部内には電解液が担持されており、この部材25の部分は、電解質30の層(電解質層)を構成している。
第二電極20が棒状であった場合、この筒状の第二電極20に第一電極10を巻き付けると、第一電極10の全体に亘って曲げ歪みを受けることになる。このように歪みを受けると光電変換効率の特性が低下する虞がある。そのため、棒状の第二電極20であった場合、この特性の低下を低減するため、第二電極20の径を大きくする必要がある。その結果、素子全体が重くなってしまう。
これに対し、本発明の光電変換素子1において、第二電極20は筒状をなしている。そのため、第一電極10を巻き付けた際に、第一電極10は歪みを受けるが、棒状のものに比べて径が大きいため、受ける歪みの大きさは小さい構成となるので、光電変換効率の特性低下を低減することができる。また、第二電極20を筒状とすることで、光電変換素子1の軽量化、小型化を図ることができる。第二電極20の筒の直径(外径)は例えば60mmとするとよい。
線状をなす第一電極10を第二電極20に巻き付ける際、内部抵抗増加による光電変換素子の特性低下を低減するために、第一電極10は、第一線材11の抵抗が例えば0.1Ω以下となるような長さで端末取りを行う必要がある。また、第一電極10の端部は、第二電極20の外周面の接線方向に伸ばされ、透明部材40を突き抜けて外部へと取り出される。
また、第二電極20の材料を構成する導電性高分子としては、例えば、PEDOT[Poly(3,4-ethylene dioxythiophene) :「ポリエチレンジオキシチオフェン」]誘導体やPANI[polyaniline]誘導体などが挙げられる。
前述したように、前記第二電極20の外側面のうち、少なくとも前記第一電極10と重なる部位が非導電性の部材25で覆われている。
非導電性の部材25としては、例えば非導電性のナイロン繊維を用いた網状をしており、第二電極20の少なくとも一部を覆って、第一電極10と第二電極20との間のセパレータの役割を果たす。さらに、非導電性の部材25は、第一電極10と第二電極20との間において該非導電性の部材25の網目に電解質30を保持する役割を果たす。この非導電性の部材25は厚さ1〜100μmであることが好ましい。非導電性の部材25としては、他にポリエチレン繊維を用いたメッシュやセラミックを用いたメッシュなどを用いることができるが、電解液に耐え、第一電極10と第二電極20とを絶縁可能であれば、これらに限定されない。部材25の厚みは16μmとするとよい。
多孔質酸化物半導体層12内には、電解液が含浸されており、この電解液も前記電解質30の一部を構成している。この場合、多孔質酸化物半導体層12内の電解質30は、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層12内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層12と一体に形成されてなるもの、あるいは、イオン液体をベースとしたもの、さらには、酸化物半導体粒子及び導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
上記電解液としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒やイオン液体に溶解されてなるものが用いられる。
この電解液をゲル化する際に用いられるゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などが挙げられる。
また、揮発性電解質溶液に代えて、一般に色素増感型太陽電池に用いられるものであれば、溶媒がイオン液体であるものやゲル化したものだけではなく、p型無機半導体や有機ホール輸送層といった固体であっても制限なく使用可能である。
上記イオン液体としては、特に限定されるものではないが、室温で液体であり、例えば、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融塩が挙げられる。
常温溶融塩のカチオンとしては、四級化イミダゾリウム誘導体、四級化ピリジニウム誘導体、四級化アンモニウム誘導体などが挙げられる。
常温溶融塩のアニオンとしては、BF 、PF 、(HF) 、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CFSO ]、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
イオン液体の具体例としては、四級化イミダゾリウム系カチオンとヨウ化物イオンまたはビストリフルオロメチルスルホニルイミドイオンなどからなる塩類を挙げることができる。
上記酸化物半導体粒子としては、物質の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化させるようなものが用いられる。また、酸化物半導体粒子は、電解質30の半導電性を低下させることがなく、電解質30に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質30がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合であっても、酸化物半導体粒子は、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような酸化物半導体粒子としては、TiO、SnO、SiO、ZnO、Nb、In、ZrO、Al、WO、SrTiO、Ta、La、Y、Ho、Bi、CeOからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が好ましく、その平均粒径は2nm〜1000nm程度が好ましい。
上記導電性微粒子としては、導電休や半導体など、導電性を有する粒子が用いられる。また、導電性粒子の種類や粒子サイズなどは特に限定されないが、イオン液体を主体とする電解液との混和性に優れ、この電解液をゲル化するようなものが用いられる。さらに、電解質30に含まれる他の共存成分に対する化学的安定性に優れることが必要である。特に、電解質30がヨウ素/ヨウ化物イオンや、臭素/臭化物イオンなどの酸化還元対を含む場合でも、酸化反応による劣化を生じないものが好ましい。
このような導電性微粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられ、具体例としては、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、カーボンブラックなどの粒子を例示できる。これらの物質の製造方法はいずれも公知であり、また、市販品を用いることもできる。
そして、図1及び図2に示すように、本発明の光電変換素子1A(1)は、別体をなす第一電極10(作用極)と第二電極20(対極)とが、電解質30を介して配されてなる光電変換素子であって、第一電極10は、電解質30に対して電気化学的に不活性な材質からなる被覆金属を中心金属に被覆した第一線材11と、第一線材11の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層12とから構成された線状をなしている。第一電極10の多孔質酸化物半導体層12は、増感色素とともに電解液をも含浸している。第二電極20は、表面の少なくとも一部に非導電性の網(メッシュ)状の部材25を有し、当該部材25の網目の空間部分に電解質30を構成する電解液を保持している。第一電極10は、かかる第二電極20の外側に、図1及び図2に示すように巻きつけられていることにより、セパレータの役割を果たす部材25及び電解質30を介して接する構造となる。
第一電極10は、第一線材11の電気抵抗が、0.1Ω以下となる長さで適宜端末を取り、光電変換素子全体としては、第二電極20に複数の線材(コイル)が巻き付いているようにするのが望ましい。
また、受光効率を高められるよう、第二電極20に巻きつける第一電極10の幅は、できるだけ密集していることが好ましい。
そして前記第一電極10を覆うように、前記第二電極20の外側に筒状の透明部材40が配されており、前記電解質30は、前記第一電極10と前記透明部材40との間に配されている。
透明部材40としては、光透過性の素材からなるものが用いられ、無アルカリガラス基板、その他のガラス基板、樹脂基板、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明部材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。透明基材は、これらの中から電解液への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材としては、用途上、できるだけ光透過性に優れる部材が好ましく、透過率が85%以上の部材がより好ましい。
また、前記筒状の第二電極20の端部は、ネジ構造を有する封止部材50をかしめることにより、封止されている。
図2に示す例では、第二電極20の外側に配された透明部材40の端部にネジ山41が設けられ、蓋状をなす封止部材50の内側にネジ山51が設けられている。雄ネジをなす透明部材40の外側に設けたネジ山41と、雌ネジをなす封止部材50のネジ山51とを互いにかしめることにより封止される。
素子端部の封止方法としては、接着剤による方法等も考えられるが、長期的な信頼性に欠ける不安がある。
そこで本発明では、ネジ構造を有する封止部材50を第二電極20の端部にかしめる構造を採用することで、長期的な信頼性を確保することができる。また、封止作業を容易に行うことができる。また、ネジ構造を有する封止部材50を第二電極20の端部にかしめる構造を採用することで、封止部材50を第二電極20から取り外し可能となる。これにより、例えば長期間の使用により電解質30が劣化した場合に、封止部材50を取り外して電解質30を交換することができるなど、メンテナンスを容易に行うことができる。
特に、第二電極20及び透明部材40の開口端部に当接するようにOリング55を配した場合には、封止部材50は、このOリング55を介して素子を封止することができる。第二電極20及び透明部材40の開口端部にOリング55を介することにより、封止性能の向上が図れるので、第二電極20と透明部材40との間に配された電解質30の漏れを一段と防止することが可能となる。
次に、このような光電変換素子1A(1)の作製方法について説明する。
図1に示すように、第一電極10を第二電極20に巻きつける。このとき、上述のとおり、第一線材11の電気抵抗が大きくなりすぎないよう、適当な長さで第一線材11の端末を取ることとし、複数の第一線材11(コイル)が第二電極20に巻きつくようにする。
次に、第一電極10が第二電極20に巻きついた状態の筒を、例えばメトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解液に浸し、第一電極10及び第二電極20の少なくとも一部を被う部材25の網目に十分に電解質30が満たされた後、第一電極10が第二電極20に巻きついた状態の筒を、揮発性電解液の溶媒から引き上げる。
その後、図2に示すように、筒状の透明部材40を、前記第一電極10を覆うように、前記第二電極20の外側に配する。そして、第二電極20及び透明部材40の開口端部にOリング55を配し、ネジ構造を有する封止部材50をかしめて封止することにより光電変換素子1が完成する。
なお、上述した実施形態では、第一電極10は、第二電極20の外周面の接線方向に伸ばされていたが、図4及び図5に示す光電変換素子1B(1)のように、第一電極10の端部が、該第二電極20の一部を貫通し、その内部空間へ誘導され、この内部空間を通して外部へ導出されるように配してもよい。この構成例においても、前述した光電変換素子1A(1)の場合と同様に、内部抵抗増加による光電変換素子の特性低下を低減するために、第一電極10は、第一線材11の抵抗が例えば0.1Ω以下となるような長さで端末取りを行うことが必要である。光電変換素子1B(1)の構成によれば、第一電極10の端部を、筒状の第二電極20の内部空間に配することにより、端末取りを容易に行うことができる。すなわち、複数の光電変換素子1B(1)を用いて、互いを電気的に接続するとともに、端末取りする際に、デッドスペースとなっている内部空間を有効に利用できる。
したがって、光電変換素子1B(1)の構成は、端末取り等を行うために、光電変換素子1B(1)の外部空間が不要となるので、光電変換素子1B(1)同士を繋げてモジュール化をした場合に、省スペース化が図れる。また、光電変換素子1B(1)によれば、光電変換素子1A(1)とは異なり、第一電極10が透明部材40を貫通するように透明部材40に加工を施す必要がないことから、電解質30が外部へ漏洩するのを一段と抑制できる。さらには、光電変換素子1B(1)の構成は、図5に示すように、筒状の第二電極20の内部空間の積極的な利用を可能とし、たとえば、この内部空間にインバーターを設けて、より省スペースな太陽電池モジュールとすることもできる。
なお、図示はしないが、光電変換素子1A、1B(1)の構成では、必要に応じて、第一電極10が受ける曲げ歪みが小さくなるように、第二電極20の端部において、曲率半径が大きくなるように第一電極10を緩く巻き付ける構成を採用してもよい。
以上、本発明の光電変換素子について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
本発明は、色素増感型の光電変換素子に広く適用可能である。
本発明に係る光電変換素子の一例を示す斜視図。 図1に示した光電変換素子の端部を示す断面図。 第一電極の他の一例を示す断面図。 本発明に係る光電変換素子の他の一例を示す斜視図。 図4に示した光電変換素子の端部を示す断面図。 従来の光電変換素子の一例を示す断面図。
符号の説明
1 光電変換素子、10 第一電極、11 第一線材、12 多孔質酸化物半導体層、20 第二電極、30 電解質、40 透明部材、50 封止部材。

Claims (7)

  1. 別体をなす第一電極と第二電極とが、電解質を介して配されてなる光電変換素子であって、
    前記第一電極は、線状をなしており、被覆金属により被覆された中心金属を備えた第一線材と、該第一線材の外周に配され、色素を担持した多孔質酸化物半導体層とから構成されており、
    前記第二電極は、筒状をなしており、
    前記第一電極は、前記第二電極の外側面を巻回するように配され、
    前記第一電極を覆うように、前記第二電極の外側に筒状の透明部材が配されており、
    前記電解質は、前記第一電極と前記透明部材との間に配されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記第一電極は、その端部が、該第二電極の内側面に配されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第二電極の外側面のうち、少なくとも前記第一電極と重なる部位が非導電性の部材で覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記筒状の第二電極の端部は、ネジ構造を有する封止部材をかしめることにより、封止されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記第一電極、前記第二電極、及び前記部材は、電解質中に配されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記中心金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金から選ばれたいずれか一の金属材料からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 前記第一電極の形状は、平角線または多角形線であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光電変換素子。
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