JP2008027860A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低照度環境において優れた出力特性を発現可能な光電変換素子を提供する。
【解決手段】電荷輸送層4中における酸化体I3−の濃度を0[mol/dm]を超え0.02[mol/dm]以下の範囲内とし、電荷輸送層中にN−メチルホルムアミドを含有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
太陽電池等の光電変換素子はクリーンなエネルギー源として期待されており、既にpn接合型太陽電池(以下、シリコン系太陽電池)が実用化されている。しかしながら、シリコン系太陽電池は、高純度材料を原料としたり、製造の際に1000[℃]程度の高温プロセスや真空プロセス等の高エネルギープロセスを必要としたりすることから、製造コストを低減することが大きな課題となっている。このような背景から、近年、高純度材料や高エネルギープロセスを比較的必要としない太陽電池として、固液界面に生じる電位勾配を利用して電荷分離を行う湿式太陽電池が注目を集めている。特に、半導体電極の表面に光を吸収する増感色素を吸着させ、半導体電極のバンドギャップ幅よりも長波長の可視光を増感色素で吸収させることにより変換効率の向上を狙った、いわゆる色素増感型の光電変換素子に関する研究が盛んに行われている。
色素増感型の光電変換素子として、増感色素が担持された半導体層を一方の表面に有する透明電極と、半導体層に対して対向配置された対電極と、透明電極と対電極間に配置され、還元状態の電解質(以下、還元体と表記)Iと酸化状態の電解質(以下、酸化体と表記)I3−とからなる酸化還元対を含む電荷輸送層とを有する光電変換素子が知られている(特許文献1参照)。この光電変換素子では、電荷輸送層は、増感色素から放出された電子が半導体層へと移動することにより生じた電荷を輸送するが、優れた電荷輸送能を実現するために、高濃度(例えば、0.5[mol/dm])の還元体Iとその10分の1程度の濃度の酸化体I3−とを含む電解液が電荷輸送層として用いられている。
特開平01−220380号公報 国際公開2003/098731号公報
しかしながら、還元体I3−は可視光領域の光の一部を吸収する性質を有するために、電荷輸送層中における還元体I3−の濃度を高濃度にした場合、電荷輸送層中における光の吸収量が増大することによって、室内等のような低照度環境において光電変換素子の出力が低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低照度環境において優れた出力特性を発現可能な光電変換素子を提供することにある。
本願発明の発明者らは、精力的な研究を重ねてきた結果、電荷輸送層中における酸化体I3−の濃度を0[mol/dm]を超え0.02[mol/dm]以下の範囲内とし、電荷輸送層中にN−メチルホルムアミドを含有させることにより、光電変換素子が低照度環境において優れた出力特性を発現することを知見した。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる光電変換素子の構成について説明する。
本発明の実施形態となる光電変換素子1は、図1に示すように、基板2と基板3により電荷輸送層4を挟持した構成を有し、電荷輸送層4の外周部は封止材5により封止されている。基板2は、基材6と、基材6の表面上に形成された電極層7と、電極層7の表面上に形成された多孔質の半導体層8とを有し、半導体層8側において基板3と対向している。基板3は、基材9と、基材9表面上に形成された対電極層10とを有し、対電極層10側において基板2と対向している。
電荷輸送層4は、酸化体I3−と還元体Iとからなる酸化還元対とN−メチルホルムアミドを含有し、電荷輸送層4中における酸化体I3−の濃度は0.02[mol/dm]以下に調製されている。酸化体I3−の濃度が0.02[mol/dm]以下である場合、電荷輸送層4の呈色が少なくなるので、電荷輸送層4による光吸収損失を抑制し、出力特性に優れた光電変換素子を製造することができる。また、電荷輸送層4が、N−メチルホルムアミドを含むことにより、電荷輸送能力が向上し、光電変換素子の出力向上を実現することができる。なお、光電変換素子の出力向上は、電荷輸送層4のイオン伝導度や限界電流値といった値が向上することによって確認できる。
酸化体I3−の濃度の下限値は0[mol/dm]を超えれば特に制限されることはないが、10×10−9[mol/dm]であることが好ましい。濃度10×10−9[mol/dm]は、酸化体I3−の供給源(例えば、ヨウ素I)を溶媒等に添加せず、還元体Iの供給源(例えばヨウ化物塩)のみを溶媒等に添加することにより得られた電荷輸送層4中における酸化体I3−の濃度を吸光光度法により測定した時に検出された値である。
酸化体I3−の供給源を溶媒等に添加していないのにも係わらず、濃度10×10−9[mol/dm]程度の酸化体I3−が存在する理由は、(1)ヨウ化物塩中に含まれる不純物の存在により酸化体I3−が生成されるため、(2)ヨウ化物塩を有機溶媒等に溶解させた際に何らかの平衡反応が生じて酸化体I3−が生成されるため、(3)半導体層8と接している電極層7上で還元体Iが光酸化して酸化体I3−が生成されるためであると考えられる。
電荷輸送層4は、従来公知の方法によってヨウ化物及びヨウ素Iを下記溶媒に溶解させることにより調製できる。上記ヨウ化物としては、テトラプロピルアンモニウムヨージド等のテトラアルキルアンモニウムヨージド,メチルトリプロピルアンモニウムヨージドやジエチルジブチルアンモニウムヨージド等の非対称なアルキルアンモニウムヨージド,ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物,ヨウ化リチウム,1,2−ジメチル−3−プロピル−イミダゾリウムヨージド等を用いることが特に好ましい。
溶媒としては、N−メチルホルムアミド単体を溶媒としない場合、以下の溶媒との混合系の溶媒を用いることが望ましい。具体的には、溶媒としては、ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、酢酸メチル,プロピオン酸メチル,γ−ブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル,1,2−ジメトキシエタン,1,3−ジオキソシラン,テトラヒドロフラン,2−メチル−テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン,2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル,メトキシアセトニトリル,プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン,ジジメチルスルフォキシド,ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性化合物等を例示することができる。これらはそれぞれ単独をN−メチルホルムアミドと混合してもよいし、2種類以上をN−メチルホルムアミドと混合して併用することもできる。中でも、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、γ−ブチロラクトン、3−メチル−2−オキサゾジリノン,2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル,メトキシアセトニトリル,プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル,吉草酸ニトリル等のニトリル化合物との混合系が好ましい。
有機溶媒の代わりにイオン性液体を用いることも不揮発性,難燃性等の観点から有効である。イオン性液体としては、イミダゾリウム系,ピリジン系,脂環式アミン系,脂肪族アミン系,及びアゾニウムアミン系のイオン性液体や、文献(欧州特許第718288号公報,国際公開95/18456号公報,電気化学第65巻11号923頁(1997年),J.Electrochem.Soc.143巻,10号,3099頁(1996年),Inorg.Chem.35巻,1168頁(1996年))に記載されたイオン性液体を用いることが望ましい。
電荷輸送層4は、ピリジン,ピリジン誘導体,イミダゾール,及びイミダゾール誘導体からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を含んでいることが好ましい。ピリジン誘導体としては例えば4−tert−ブチルピリジンが挙げられ、イミダゾール誘導体としては例えばN−メチルベンゾイミダゾール等が挙げられる。これらは、半導体層8の表面のうちの増感色素が吸着していない表面に吸着して、光電変換素子1の初期出力を高くする効果を発現させる。なお、溶媒としてN−メチルホルムアミド以外の溶媒を含有する場合、N−メチルホルムアミドが1重量%以上、好ましくは20重量%以上となるように配合すると好ましい。この場合、低照度環境において優れた出力特性を発現可能になる。
封止材5は熱可塑性樹脂により形成されている。熱可塑性樹脂は、いわゆるホットメルト樹脂と同義であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン・α−オレフィン共重合体,エチレン−アクリル酸メチル共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共重合体,エチレン−アクリル酸共重合体,エチレン−メタアクリル酸共重合体,線状低密度ポリエチレン,アクリル系樹脂,シリコーン系樹脂,アイオノマー樹脂のほか、ポリスチレン系,ポリオレフィン系,ポロジエン系,ポリエステル系,ポリウレタン系,フッ素樹脂系,ポリアミド系のエラストマー等の中から被着面の材質に応じて適宜選択して使用することができる。なお、熱可塑性樹脂の厚みは、特に限定されることはないが、10〜100[μm]の範囲内とすることが望ましい。なお、封止材5は、熱硬化性樹脂等により形成することもできる。
基材6を形成する材料は、基板2側が光の入射側である場合、透光性,耐候性,及びガスバリア性に優れた材料であれば特に制限されることはない。基材6を形成する材料としては、例えば、可視光(波長400〜800[nm])に対して透明なガラス板,又は樹脂フィルムが挙げられる。可撓性を有する樹脂フィルムにより基材6を形成する場合には、半導体層8をプレスにより形成することができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、再生セルロース,ジアセテートセルロース,トリアセテートセルロース,テトラアセチルセルロース,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリビニルアルコール,ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート,ポリエチレンナフタレート,ポリエーテルサルフォン,ポリエーテルサルフォン,ポリエーテルケトン,ポリスルフォン,ポリエーテルイミド,ポリイミド,ポリアリレート,シクロオレフィンポリマー,ノルボルネン樹脂,ポリスチレン,塩酸ゴム,ナイロン,ポリアクリレート,ポリフッ化ビニル,及びポリ四フッ化エチレンからなる群の中から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。特に、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエーテルサルフォン,ポリイミド,ポリアリレート,シクロオレフィンポリマー,及びノルボルネン樹脂からなる群の中から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。これらの樹脂を用いた樹脂フィルムは、強靱、且つ、耐熱性に優れている。基板3側が光の入射側である場合には、基材6はニッケル,亜鉛,チタン等の金属箔であってもよい。
基材6の厚さは、特に制限されることはないが、基材6をガラスにより形成した場合、0.1〜5[mm]、より好ましくは0.7〜2[mm]程度とすることが望ましい。また、基材6を樹脂フィルムにより形成した場合には、基材6の厚さは0.01〜5[mm]、より好ましくは0.07〜1[mm]程度とすることが望ましい。
電極層7は、光電変換素子1の負極として機能し、導電性及び透光性が高い材料により形成することが望ましい。このような材料としては、酸化亜鉛,インジウム−スズ複合酸化物,インジウム−スズ複合酸化物層と銀層からなる積層体,アンチモンがドープされた酸化スズ,フッ素がドープされた酸化スズ等を例示することができ、中でも、導電性及び透光性が特に高いフッ素がドープされた酸化スズを用いることが望ましい。電極層7の光透過率は高い程よいが、50[%]以上であることが好ましく、80[%]以上であることがより好ましい。
電極層7の膜厚は0.1〜10[μm]の範囲内にあることが望ましい。この範囲内であれば、均一な膜厚の電極層7を形成することができると共に、光透過性が低下せず、十分な光を半導体層8に入射させることができる。電極層7の表面抵抗は、低い程よく、好ましくは200[Ω/□]以下、より好ましくは50[Ω/□]以下である。下限は特に制限しないが通常0.1[Ω/□]である。太陽光の下で使用される光電変換素子では、電極層7のシート抵抗が10[Ω/□]程度であることが多い。しかし、太陽光よりも照度の低い蛍光灯等の下で使用される光電変換素子では、光電子量(光電流値)が小さいために、電極層7に含まれる抵抗成分による悪影響を受けにくい。従って、低照度環境下で使用される光電変換素子では、電極層7の表面抵抗は、電極層7に含まれる導電性材料の削減による低コスト化の観点から30〜200[Ω/□]の範囲内にあることが好ましい。
半導体層8を形成する半導体粒子の粒径は、5〜1000[nm]の範囲内、より好ましくは10〜100[nm]の範囲内にあることを望ましい。粒径が5〜1000[nm]の範囲内にあることにより、充分な量の増感色素を吸着可能な表面積を有する半導体層8を形成し、光の利用効率を高めることができる。また、適度な大きさの空孔を有する半導体層8を形成できるので、電荷輸送層4を構成する電解液が半導体層8の中に十分に浸透し、優れた光電変換特性を得ることができる。
半導体層8の厚さは0.1〜100[μm]、より好ましくは1〜50[μm]、さらに好ましくは3〜20[μm]、最も好ましくは5〜10[μm]の範囲内にあることが好ましい。半導体層8の厚さがこの範囲内にあることにより、十分な光電変換効果が得られ、また可視光及び近赤外光に対する透過性も十分に確保できる。この光電変換素子1では、半導体層8の厚さは、太陽光の下で使用されることを前提した従来の光電変換素子における半導体層8の最適な厚さ(例えば10[μm])より薄くてもよい。
半導体層8は公知の方法により形成することができる。例えば、半導体層8は、半導体粒子とバインダーとを含むペーストをドクターブレードやバーコータ等を用いて電極層7に塗布することにより形成できる。ペーストは、スプレー法,ディップコーティング法,スクリーン印刷法,スピンコート法,電着法等を用いて電極層7に付着させてもよい。電極層7上のペーストは、基材6がガラス基板である場合、500[℃]前後で焼成されて半導体層8となる。一方、基材6が樹脂フィルムである場合には、電極層7上のペーストは、基材6と共にプレス機にて厚み方向に加圧、又はマイクロ波の照射により加熱されて半導体層8となる。プレス方法は、特に制限されることはなく、平板プレス,ロールプレス等を方法を用いることができるが、ロールプレス法は基材6に導電性フィルムを用いることにより半導体層8を連続形成できるので好ましい。
半導体層8を形成する材料としては、Cd,Zn,In,Pb,Mo,W,Sb,Bi,Cu,Hg,Ti,Ag,Mn,Fe,V,Sn,Zr,Sr,Ga,Si,Cr等の金属元素の酸化物、SrTiO,CaTiO等のペロブスカイト型酸化物、CdS,ZnS,In,PbS,MoS,WS,Sb,Bi,ZnCdS,CuS等の硫化物、CdSe,InSe,WSe,HgS,PbSe,CdTe等の金属カルコゲナイド、GaAs、Si、Se、Cd、Zn、InP、AgBr、PbI、HgI、BiIからなる群の中から得らばれる1種又は2種以上を含む複合体を例示することができ、中でも、電解液中へ光溶解しにくく、光電変換特性に優れたTiOを用いることが望ましい。なお、上記複合体としては、CdS/TiO,CdS/AgI,AgS/AgI,CdS/ZnO,CdS/HgS,CdS/PbS,ZnO/ZnS,CdS/HgS,CdS/CdSe1−x,CdS/Te1−x,CdSe/Te1−x,ZnS/CdSe,ZnSe/CdSe,CdS/ZnS,TiO/Cd,CdS/CdSe/CdZn1−yS,CdS/HgS/Cds等を例示することができる。
半導体層8が担持する増感色素としては、従来の色素増感型光電変換素子において常用されている色素であれば全て使用することができ、無機色素及び有機色素のいずれであってもよい。無機色素としては、組成式RuL(HO)で表されるルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体(Lは4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジンを示す)、ルテニウム−トリス(RuL),ルテニウム−ビス(RuL),オスニウム−トリス(OsL),組成式オスニウム−ビス(OsL)で表される遷移金属錯体、亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニン等を例示することができる。また、有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素,クマリン系色素,アクリジン系色素,トリフェニルメタン系色素,テトラフェニルメタン系色素,キノン系色素,アゾ色素,インジゴ系色素,シアニン系色素,メロシアニン系色素,キサンテン色素等を例示することができる。中でも、ルテニウム−ビス(RuL)誘導体は可視光域で広い吸収スペクトルを有するため特に好ましい。
半導体層8に増感色素を担持させる方法としては、例えば増感色素を溶媒に溶かした溶液に半導体層8を浸漬させる方法が挙げられる。溶媒としては、水,アルコール,トルエン,ジメチルホルムアミド等、増感色素を溶解可能なものであれば全て使用することができる。なお、半導体層8を溶液に浸漬させている間、溶液を加熱環流したり、溶液に超音波を印加したりすることにより、半導体層8への増感色素の吸着を促進させてもよい。また、半導体層8に増感色素を吸着させた後、担持されずに半導体層8に残ってしまった増感色素を取り除くために、半導体層8をアルコールで洗浄又は加熱環流することが望ましい。さらに、半導体層8への増感色素の担持量は1×10−8〜1×10−6[mol/cm]の範囲内にあることが望ましい。増感色素の担持量がこの範囲内であれば、経済的、且つ、十分な光電変換効率を期待することができる。
基材9は、基材6と同じ材料を使用することができる。基材6が透明である場合には、基材9の透明性は透明,不透明のいずれでもよいが、両側の基板から光を入射させることができる点で透明であることが望ましい。基材6のフィルムとして金属箔を使用した場合には、基材9は前述の透光性のあるフィルムであることが望ましい。
対電極層10は光電変換素子1の正極として機能し、増感色素が担持された半導体層8が被着される側の電極層7と同様に形成することができる。対電極層10としては、光電変換素子1の正極として効率よく作用させるために、電解質の還元体に電子を与える触媒作用を有する素材を使用することが望ましい。このような素材としては、白金,金,銀,銅、アルミニウム,ロジウム,インジウム等の金属、グラファイト,カーボンナノチューブ,白金を担持したカーボン等の炭素材料、インジウム−スズ複合酸化物,アンチモンをドープした酸化スズ,フッ素をドープした酸化スズ等の導電性金属酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン,ポリピロール,ポリアニリン等の導電性高分子を例示することができ、中でも、白金,グラファイト,ポリエチレンジオキシチオフェン等が特に好ましい。なお、基材9と対電極層10間に透明導電膜を設けてもよく、透明導電膜は電極層7と同じ材料から成膜することができる。この場合、対電極層10も透明であることが望ましく、対電極層10が透明であれば、基材9側又は基材3及び基材9側から受光することができる。これは、反射光等の影響によって光電変換素子1の表裏面両側から光照射が期待される場合有効である。
次に、本発明に係る光電変換素子を実施例に基づき具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例において、酸化体I3−の濃度は、所定濃度に調製された電解液について測定されたUV可視吸収スペクトルにおける、波長300〜400[nm]付近に現れる吸収ピークの高さから算出した。また還元体Iの濃度は、酸化体I3−の濃度と比較して桁違いに大きいことから、電解液を調製する際に用いたヨウ素化合物の濃度から算出した。
〔実施例1〕
実施例1では、始めに、平均1次粒子径が15[nm]の高純度酸化チタン粉末をアルコール中に分散させることによりスクリーン印刷用のペーストを作製し、このペーストを厚さ1[mm]の第1の導電性ガラス基板(旭硝子製,一方の表面がフッ素ドープされたSnOでコーティングされることにより導電性が付与されたガラス基板,シート抵抗10[Ω/□])上に塗布,乾燥させた。次に、得られた乾燥物を500[℃]で30分間空気中で焼成することにより第1の導電性ガラス基板上に厚さ7[μm]の多孔質酸化チタン膜を形成した。次に、エタノールに増感色素[Ru(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)−(NCS)]ビス−テトラブチルアンモニウム(3×10−4[mol/dm])を加えた溶液に多孔質酸化チタン膜を浸漬した後、多孔質酸化チタン膜を溶液から取り出し、室温で24時間暗所下静置することにより、多孔質酸化チタン膜に増感色素を吸着させた。
次に、第1の導電性ガラス基板と同様の第2の導電性ガラス基板を用意し、第2の導電性ガラス基板の一方の表面にスパッタ法により白金層を形成した。次に、第2の導電性ガラス基板と白金層を貫通する孔をダイヤモンドドリルにより形成した。第2の導電性ガラス基板にコーティングされているフッ素ドープSnOと白金層とにより対電極が形成される。次に、多孔質酸化チタン膜が形成された第1の導電性ガラス基板と対電極との間に多孔質酸化チタン膜を囲うように熱溶融性接着剤(三井デュポンケミカル社製,ハイミラン(登録商標))を配置し、熱溶融性接着剤を加熱しながら厚み方向に加圧することにより、第1の導電性ガラス基板と第2の導電性ガラス基板とを接着剤を介して接合した。次に、第2の導電性ガラス基板と白金層を貫通する孔から第1の導電性ガラス基板と対電極との間に電解液を注入することにより電荷輸送層を形成した後、孔を塞ぐことにより受光面積1[cm]の実施例1の光電変換素子を得た。なお、この実施例では、電解液として、N−メチルホルムアミド/γ−ブチロラクトン=35/65(w/w)に、ヨウ素(0.005[mol/dm])と、メチルトリプロピルアンモニウムヨージド(0.5[mol/dm])と、N−メチルベンズイミダゾール(0.5[mol/dm])と、ヨウ化リチウム(0.1[mol/dm])とを加えたものを用いた。
〔実施例2〕
実施例2では、電解液中のヨウ素濃度を0.0005[mol/dm]とした以外は実施例1と同じ処理を行うことにより受光面積1[cm]の実施例2の光電変換素子を得た。
〔実施例3〕
実施例3では、電解液中のヨウ素濃度を0.01[mol/dm]とした以外は実施例1と同じ処理を行うことにより受光面積1[cm]の実施例3の光電変換素子を得た。
〔比較例1〕
比較例1では、電解液として、γ−ブチロラクトンに、ヨウ素(0.005[mol/dm])と、メチルトリプロピルアンモニウムヨージド(0.5[mol/dm])と、N−メチルベンズイミダゾール(0.5[mol/dm])と、ヨウ化リチウム(0.1[mol/dm])とを加えたものを用いた以外は実施例1と同じ処理を行うことにより受光面積1[cm]の比較例1の光電変換素子を得た。
〔比較例2〕
比較例2では、電解液中のヨウ素濃度を0.05[mol/dm]とした以外は実施例1と同じ処理を行うことにより受光面積1[cm]の比較例2の光電変換素子を得た。
〔比較例3〕
比較例3では、電解液として、γ−ブチロラクトンにヨウ素(0.05[mol/dm])を加えたものを用いた以外は実施例1と同じ処理を行うことにより受光面積1[cm]の比較例3の光電変換素子を得た。
〔初期電池出力の評価〕
実施例及び比較例の光電変換素子に対し、蛍光灯を用いて200ルックスの光を照射し、その時の初期電池出力を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2008027860
表1から示すように、実施例1〜3の光電変換素子の初期電池出力は比較例1〜3の光電変換素子の初期電池出力よりも高い。このことから、電解液中における酸化体I3−の濃度を0[mol/dm]を超え0.02[mol/dm]以下の範囲内とし、且つ、電解液中にN−メチルホルムアミドを含有させることにより、光電変換素子の出力特性を向上できることが知見された。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の実施形態となる光電変換素子の構成を示す断面図である。
符号の説明
1:光電変換素子
2,3:基板
4:電荷輸送層
5:封止材
6,9:基材
7:電極層
8:半導体層
9:対電極層

Claims (2)

  1. 増感色素が担持された半導体層を一方の表面に有する電極と、前記半導体層に対して対向配置された対電極と、前記電極と前記対電極間に配置され、酸化体I3−と還元体Iを含む電荷輸送層とを有する光電変換素子であって、
    前記電荷輸送層中における前記酸化体I3−の濃度が0[mol/dm]を超え0.02[mol/dm]以下の範囲内にあり、電荷輸送層中にN−メチルホルムアミドが含有されていることを特徴とする光電変換素子。
  2. 請求項1に記載の光電変換素子であって、前記電荷輸送層中におけるN−メチルホルムアミドの濃度が1[%]以上100[%]以下の範囲内にあることを特徴とする光電変換素子。
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