JP2009080988A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率が高く、且つ長期的に安定な出力特性を有する光電変換素子を提供する。
【解決手段】対向して配置される電極3及び対電極6と、前記電極3と対電極6との間に前記電極3に接して配置され増感色素が固定された半導体層4と、前記電極3と対電極6との間に配置されI3 -とI-とを含有する電荷輸送層4とを備える。前記電荷輸送層5が水を0.1〜15体積%の範囲で含有する。前記増感色素が疎水性を有する基を備えた配位子を有する金属錯体色素である。この光電変換素子1では、電荷輸送層5の電荷輸送能力を向上すると共に電極3から電荷輸送層5への逆電子移動を抑制し、且つ半導体層4からの増感色素の脱落を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池等として利用される光電変換素子に関する。
従来実用化されている太陽電池の大部分は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いたものである。しかし、これらシリコン系太陽電池の製造プロセスは複雑でコストが高いため、製造コストの低減が大きな課題となっている。
そこで近年、高純度材料及び高エネルギープロセスを比較的必要としない太陽電池として、色素増感太陽電池が注目されている。この色素増感太陽電池は、半導体電極の表面に光を吸収する増感色素を吸着させ、半導体電極のバンドギャップより長波長の可視光を増感色素で吸収させることにより光電変換効率の向上を図っている。色素増感型太陽電池の一例として、グレッツェル・セルが知られている。
このグレッツェル・セルの構成を説明する。図1に示すように、グレッツェル・セルは、酸化スズを主成分としフッ素がドープされた透明な電極3と、その一方の表面に接して配置されたガラス基板2と、同じく酸化スズを主成分としフッ素がドープされた透明な対電極6と、その一方の表面に接して配置されたガラス基板7とを備えている。電極3と対電極6との間には電荷輸送層5が配置されている。電極3の対電極6と対向する面には半導体層4が接合されており、その半導体層4には、増感色素が固定されている。
上記電荷輸送層5は、例えば、エチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合溶媒に、ヨウ化テトラ−n−プロピルアンモニウムとヨウ素とが溶解された電解液にて形成される。上記電荷輸送層5は、還元状態の電解質(以下、「還元体」という)I-と酸化状態の電解質(以下、「酸化体」という)I3 -とからなる酸化還元対を含んでいる。また、上記半導体層4は、例えば、酸化チタンの微粒子から構成された多孔質膜である。また、対電極6の電荷輸送層5側の表面には白金がコーティングされている。白金には、上記酸化体I3 -を還元体I-へと還元する触媒作用がある。
上記構成の色素増感太陽電池では以下の機構で光電変換が行われる。まず、色素増感太陽電池に入射した光は、基板2と電極3とを通り、半導体層4に固定された増感色素に吸収される。光を吸収した増感色素では励起電子が発生し、上記励起電子は半導体層4に移動し、半導体粒子間を伝って電極3に達する。さらにこの励起電子は外部の導線等(図示せず)を通り対電極6へと移動する。励起電子を失った増感色素は、電荷輸送層5に含まれる還元体I-から電子を受け取り基底状態に戻る。このとき上記電荷輸送層5は、増感色素から放出された電子が半導体層4へと移動することにより生じた電荷を輸送する。
このような従来の色素増感型太陽電池では、電荷輸送層5として有機溶媒のみからなる電解質溶液が用いられてきたが、最近では、水を含有する電解液を用いることによって光電変換効率を向上する試みがなされている(特許文献1参照)。
特開2002−1110262号公報
しかし、上記のように電荷輸送層5として水を含有する電解液を用いる場合には、一時的に高い光電変換効率を得ることはできるが、長期的には半導体層に吸着した増感色素の脱離を引き起こし、光電変換効率の低下をもたらしてしまうものであった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、光電変換効率が高く、且つ長期的に安定な出力特性を有する光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明に係る光電変換素子1は、対向して配置される電極3及び対電極6と、前記電極3と対電極6との間に前記電極3に接して配置され増感色素が固定された半導体層4と、前記電極3と対電極6との間に配置されI3 -とI-とを含有する電荷輸送層4とを備える光電変換素子1であって、前記電荷輸送層5が水を0.1〜15体積%の範囲で含有し、且つ前記増感色素が疎水性を有する基を備えた配位子を有する金属錯体色素であることを特徴とする。
このため、電荷輸送層5の電荷輸送能力を向上すると共に電極3から電荷輸送層5への逆電子移動を抑制し、且つ半導体層4からの増感色素の脱落を抑制することができる。
上記金属錯体色素は、下記式(1)に示すものを含有することが好ましい。
RuLL′(NSC)2 …(1)
式(1)中のLは下記式(a)で表されるビピリジン誘導体、L′は下記式(b)で表されるビピリジン誘導体である。
Figure 2009080988
式(a)中のR1、R2のうち、少なくとも一方はカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基のうちのいずれかを含む基である。
Figure 2009080988
式(b)中のR3、R4のうち、少なくとも一方は炭素数3以上のアルキル基、エーテル基、又は芳香族基の少なくとも一種以上からなる疎水性を有する基である。
このため、増感色素は可視光域に広い吸収スペクトルを有し、光電変換効率を更に向上することができる。
本発明によれば、光電変換効率が高く、且つ長期的に安定な出力特性を有する光電変換素子1を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、光電変換素子の一例を示している。図示のように、光電変換素子1は、基板2の一方の表面に接して電極3が形成されている。この電極3には基板2とは反対側の面に接して、増感色素が固定された多孔質構造を有する半導体層4が形成されている。また、この電極3及び半導体層4と対向するように対電極6が形成されている。対電極6は基板7の電極3及び半導体層4側とは反対側の表面上に接して形成されている。また、電極3と対電極6との間には電解液からなる電荷輸送層5が設けられており、半導体層4にはこの電荷輸送層5が浸透している。また、図示の例では電荷輸送層5を電極3と対電極6の間に保持するための封止材8が設けられている。
電荷輸送層5はI3 -とI-とを含有するものであり、且つ水を0.1〜15体積%の範囲で含有する必要がある。これにより電荷輸送層5の電荷輸送能力を向上すると共に電極3から電荷輸送層5への逆電子移動を抑制し、光電変換素子1に高い光電変換特性を付与することができる。この水の含有量が0.1体積%に満たないと前記のような光電変換特性の向上を充分に為すことができなくなり、また15体積%を超えると半導体層4における増感色素の脱離が甚だしくなって光電変換効率の向上効果を打ち消してしまうことになる。
電荷輸送層5の調製方法は、上記のように水を0.1〜15体積%で含有させるほかは、従来から知られている適宜の手法を採用し得る。すなわち、例えばヨウ化物及びヨウ素(I2)を後述する溶媒等に溶解することにより電荷輸送層5を調製することができる。
ヨウ化物としては、テトラプロピルアンモニウムヨージド等のテトラアルキルアンモニウムヨージド、又は、メチルトリプロピルアンモニウムヨージド、ジエチルジブチルアンモニウムヨージド等の非対称なアルキルアンモニウムヨージド、又はピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−プロピル−イミダゾリウムヨージド等が好ましい。
電荷輸送層5を調製するための溶媒としては、少なくとも水を含むことが重要である。
水と混合して用いる溶媒としては特に制限されないが、水と相溶性があり、且つ0.01〜500重量%の電解質を溶解させることが可能なものであることが好ましい。この溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン非極性化合物等が挙げられる。これらの溶媒は一種のみを水と共に使用しても良く、また二種以上のものを水と共に使用しても良い。
このような溶媒のうち、特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、γ−ブチロラクトン、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、吉草酸ニトリル等のニトリル化合物との混合系が好ましい。
また、これらの有機溶媒に代えてイオン性液体(常温溶融塩ともいう)を用いてもよい。イオン性液体は、不揮発性、難燃性等の観点から好ましい。イオン性液体としては、例えば、イミダゾリウム塩、ピリジン塩、アンモニウム塩、脂環式アミン系、脂肪族アミン系、アゾニウムアミン系等が挙げられる。また、EP−1718288号、WO95/18456号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)、J.Electrochem.Soc.143巻,10号,3099頁(1996年)、Inorg.Chem.35巻,1168頁(1996年)等に記載されたイオン性液体を用いることもできる。
また、電荷輸送層5は、ピリジン、ピリジン誘導体、イミダゾール、及びイミダゾール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいることも好ましい。ピリジン誘導体としては、例えば、4−tert−ブチルピリジンが、イミダゾール誘導体としては、例えば、N−メチルべンゾイミダゾール等が挙げられる。これらは、半導体層4の表面のうちの増感色素が吸着していない表面に吸着して、光電変換素子1の初期出力を向上する効果を発現する。
また、半導体層4としては、増感色素として、疎水性を有する基を備えた配位子を有する金属錯体色素が固定されたものを形成する。このような増感色素を用いると、既述のように電荷輸送層5における水の含有量を0.1〜15体積%としたことと相俟って、半導体層4からの増感色素の脱落を抑制することができ、光電変換素子1が長期的に安定な出力特性を発現することができるようになる。
このような増感色素としては適宜の金属錯体色素を使用することができるが、例えば一部を疎水性基で置換したビピリジン配位子を有するRu、Os等の金属錯体色素が挙げられる。
また、この金属錯体としては、特に二つのビピリジル誘導体を配位子とするルテニウムービス誘導体が、可視光域に広い吸収スペクトルを有する点で好ましく、更に下記式(1)に示すものであることが好ましい。
RuLL′(NSC)2 …(1)
この式(1)中のLは下記式(a)で表されるビピリジン誘導体、L′は下記式(b)で表されるビピリジン誘導体を示す。
Figure 2009080988
Figure 2009080988
この式(a)中のR1、R2のうち、少なくとも一方はカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基のうちのいずれかを含む置換基である。また、式(b)中のR3、R4のうち、少なくとも一方は炭素数3以上のアルキル基、エーテル基、又は芳香族基の少なくとも一種以上からなる疎水性を有する基である。
ここで、式(a)中のR1、R2のうち一方のみがカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基のうちのいずれかを含む置換基である場合、他方は適宜の置換基とすることができるが、例えばアルキル基、置換アルキル基、水素原子等が挙げられる。
また、式(b)中のR3、R4のうち一方のみが炭素数3以上のアルキル基、エーテル基、又は芳香族基の少なくとも一種以上からなる疎水性を有する基である場合、他方は適宜の基とすることができるが、例えばアルキル基、置換アルキル基、カルボキシル基、水素原子等が挙げられる。
このような式(1)で表される金属錯体色素としては、例えばRu−(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)(4,4’−ビス(p−へキシロキシスチリル)−2,2−ビピリジン)(NCS)2等が挙げられる。
また、半導体層4を形成するための材料(半導体粒子)としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Cr等の金属の酸化物、SrTiO3、CaTiO3等のペロブスカイト型酸化物、CdS、ZnS、In23、PbS、Mo2S、WS2、Sb23、Bi23、ZnCdS2、CuS等の硫化物、CdSe、In2Se3、WSe2、HgS、PbSe、CdTe等の金属カルコゲナイド、GaAs、Si、Se、Cd23、Zn23、InP、AgBr、PbI2、HgI、及びBiI3からなる群から選ばれる1種又はこれらのうち2種以上を含む複合体が挙げられるが、中でも、電解液中へ光溶解しづらく、光電変換特性が優れたTiO2が好ましい。
また、複合体を用いる場合には、例えばCdS/TiO,CdS/Agl、Ag2S/Agl、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdSx/CdSe1-x、CdSx/Te1-x、CdSex/Te1-x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO2/Cd32、CdS/CdSeCdyZn1-yS/、CdS/HgS/CdS等が挙げられる。
また、半導体層4の形成に用いられる半導体粒子の粒径は、一般的に5〜1000nmであることが好ましい。この範囲であれば、充分な量の増感色素を吸着可能な表面積を有する半導体層7を形成でき、光の利用効率を高めることができる。また、適度な大きさの空孔を有する半導体層4を形成できるので、電荷輸送層5を半導体層4の中に十分に浸透させて、優れた光電変換特性を発揮させることができる。この粒径は特に10〜100nmの範囲であることが好ましい。
また、半導体層4の厚みは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましい。この範囲であれば光電変換素子1は十分な光電変換効果が得られ、また、可視光及び近赤外光に対する透過性も十分に確保できる。この半導体層4の厚みは、より好ましくは1〜50μmの範囲とし、更に好ましくは3〜20μmの範囲とし、最も好ましくは5〜10μmの範囲となるようにする。尚、この光電変換素子1を屋外で使用する場合には半導体層4の厚みは10μm程度が好ましいが、屋内で使用する場合にはそれよりも薄くても良い。
半導体層4は従来から知られている適宜の手法で形成することができる。例えば半導体粒子とバインダーとを含むペーストを、ドクターブレードやバーコータ等を用いて電極3に塗布する塗布方法にて、半導体層4を形成することができる。また、上記のようなペーストを、例えばスプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法、電着法等で電極3の表面に付着させ、半導体層4を形成しても良い。
電極3上のペーストから半導体層4を形成するにあたっては、例えば基板2がガラス基板である場合には500℃前後で焼成することで、半導体層4を形成することができる。また、基板2が樹脂フィルムである場合には、電極3上のペーストを基板2と共にプレス機にて厚み方向に加圧したり、或いはペーストにマイクロ波を照射して加熱したりすることで、半導体層4を形成することができる。プレス方法については、特に制限はなく、平板プレス、ロールプレス等のいずれであってもよいが、ロールプレスする場合は、基板3として導電性フィルムを用いた場合に、半導体層4を連続形成することができるので、好ましい。
半導体層4に増感色素を固定する(担持させる)方法としては、例えば、増感色素を溶媒に溶かした溶液に、半導体層4を浸漬して増感色素を吸着させる方法等がある。上記溶媒としては、例えば、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミド等が用いられる。このような溶液に半導体層4を浸漬している間、この溶液を加熱還流し、又はこの溶液に超音波を印加する等して、増感色素の半導体層4への吸着を促進してもよい。増感色素を半導体層4に吸着させた後、吸着されずに半導体層4に残った増感色素は、アルコール洗浄又は加熱還流等にて半導体層4から取り除くとよい。このとき、半導体層4における増感色素の吸着量は1×10-8から1×10-6mol/cm2の範囲であることが好ましい。この範囲において、経済的かつ充分な光電変換効率を実現することができる。
また、基材2の材料としては、光電変換素子1の基板2側が光の入射側である場合、透光性、耐候性及びガスバリア性が優れた材料であれば特に制限はないが、例えば可視光(波長400〜800nm)の光に対して透明なガラス板、樹脂フィルム等が挙げられる。特に可撓性を有する樹脂フィルムを用いる場合は、既述のように半導体層4をプレスにより形成することができる。
基材2を樹脂フィルムで形成する場合、その材料としては、例えば、再生セルロース、ジアセテートセルロース、トリアセテートセルロース、テトラアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフオン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフオン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、シクロオレフインポリマー、ノルボルネン樹脂、ポリスチレン、塩酸ゴム、ナイロン、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニル、及びポリ四フッ化エチレンからなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。特には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフオン、ポリイミド、ポリアリレート、シクロオレフインポリマー、及びノルボルネン樹脂からなる群から選ばれる1種、又は2種以上を用いることが好ましい。これらの樹脂を用いた樹脂フィルムは、強靭で且つ耐熱性に優れている。
また、基板7側が光の入射側である場合には、基板2はニッケル、亜鉛、チタン等の金属箔にて形成しても良い。
基板2の厚みには特に制限はないが、例えば基板2がガラス板である場合は0.1〜5mmの範囲が適当であり、特に0.7〜2mmの範囲が好ましい。また、基板2が樹脂フィルムである場合、その厚みは0.01〜5mmの範囲が適当であり、特に0.07〜1mmの範囲が好ましい。
また、基板7の材料としては、例えば上記基板2と同じ材料を使用できる。ここで、基板2と基板7との少なくとも一方は透明である必要があり、このため基板2がニッケル箔等の金属箔などといった不透明なものである場合には基板7の材料は透明であることを要する。一方、基板2が透明である場合は、基板7は必ずしも透明でなくてもよい。また、基板2,7が共に透明であれば、両基板2,7それぞれの側から光を入射させることができる点で好ましい。
また、電極3は、光電変換素子1の負極として機能する。電極3の材料としては、導電性及び透光性が高いものが好ましく、例えば、酸化亜鉛、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、インジウム−スズ複合酸化物層と銀層とからなる積層体、アンチモンがドープされた酸化スズ、フッ素がドープされた酸化スズ等を用いることができる。なかでもフッ素がドープされた酸化スズは、導電性及び透光性が特に高いため好ましい。
この電極3の光透過率は高い程よいが、50%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。
また電極3の厚みは、0.1〜10μmの範囲であることが好ましく、この範囲において、厚みが均一な電極3を作製でき、また作製された電極3は十分な透光性を有して、光を十分に半導体層4へ入射させることができる。
また電極3の表面抵抗は低い程よいが、好ましくは、200Ω/□以下であり、更に好ましくは50Ω/□以下となるようにする。この表面抵抗の下限値については特に制限はないが、通常は0.1Ω/□以上となる。尚、この光電変換素子1を太陽光の下で使用する場合には、電極3のシート抵抗が10Ω/□程度であることが好ましいが、太陽光よりも照度の低い蛍光灯等下で使用する場合には、光電子量(光電流値)が小さいため、電極3に含まれる抵抗成分による悪影響をうけにくい。したがって、低照度環境下で使用する場合には、光電変換素子1の電極3の表面抵抗は、電極3に含まれる導電性材料の削減による低コスト化の観点から30〜200Ω/□の範囲であることが好ましい。
また、対電極6は、光電変換素子1の正極として機能する。対電極6の材料としては、電極3と同様のものを用いることができるが、特に還元体に電子を与える触媒作用を有する材料を含んでいることが好ましい。この触媒作用を有する材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、又はグラファイト、又は白金を担持したカーボン、又はインジウム−スズ複合酸化物、アンチモンがドープされた酸化スズ、フッ素がドープされた酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられる。なかでも、白金、グラファイト等が特に好ましい。
また、本実施の形態の光電変換素子1では、基板7と対電極6との間に、例えば、透明導電膜(図示せず)を更に設けても良い。透明導電膜は、例えば電極3と同じ材料にて形成することができる。この透明導電膜を設ける場合、対電極6も透明であることが好ましく、その場合、基板7側から又は基板2側及び基板7側からの受光が可能となる。
以下、本発明の光電変換素子1の実施例をより詳細に説明する。但し、本発明の光電変換素子4は、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
平均一次粒子径18nmの高純度酸化チタン粉末をアルコール中に分散させ、スクリーン印刷用のペーストを作製した。このペーストを、厚み1mmの導電性ガラス基板(電極3が形成された基板2;旭硝子製、一方の表面がフッ素ドープされたSnO2にてコーティングされることにより導電性が付与されたガラス基板、シート抵抗10Ω/□)上に塗布して乾燥した。続いて、この乾燥物を電気炉内で空気雰囲気下、500℃で30分間焼成して、導電性ガラス基板上に厚さ6μmの多孔質酸化チタン膜(半導体層4)を形成した。
次に、t−ブタノールとアセトニトリルとの混合溶媒に増感色素としてRu−(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)(4,4’−ビス(p−へキシロキシスチリル)−2,2−ビピリジン)(NCS)2を3×10-4mol/dm3の濃度で溶解させた溶液に、上記半導体層4を浸漬した後、半導体層4を上記溶液から取り出し、室温で24時間暗所下に静置して、増感色素を半導体層4に吸着させた。
一方で、導電性ガラス基板(旭硝子製、一方の表面がフッ素ドープされたSnO2にてコーティングされることにより導電性が付与されたガラス基板、シート抵抗10Ω/□)の一方の表面に、スパッタ法にて白金層を形成した。これにより、対電極6が形成された基板7を形成した。このとき、フッ素ドープされたSnO2の層と白金層とが積層したものが対電極6となる。
続いて対電極6と基板7とを貫通するようにダイヤモンドドリルにて孔をあけた後、半導体層4が形成された導電性ガラス基板と対電極6との間に、半導体層4を囲うように熱溶融性接着剤(三井デュポンケミカル社製、「ハイミラン」(登録商標))を配置し、これらを加熱しながら厚み方向に加圧して、上記接着剤(封止材8)を介して上記導電性ガラス基板と対電極6とを接合した。
続いて、上記穿設した孔から導電性ガラスと対電極6との間に電解液を注入して電荷輸送層5を形成した後、この孔を塞いで、受光面積1cm2の光電変換素子1を得た。
電解液としては、水/γ−ブチロラクトン=10/90(vol/vol)に、ヨウ素を濃度0.005mol/dm3、メチルトリプロピルアンモニウムヨージドを濃度0.5mol/dm3、N−メチルべンズイミダゾールを濃度0.5mol/dm3、ヨウ化リチウムを濃度0.1mol/dm3となるようにそれぞれ加えたものを用いた。
[実施例2]
電荷輸送層5を形成するための電解液の溶媒を、水/γ−ブチロラクトン=0.1/99.9(vol/vol)とした。それ以外は実施例1と同様にして、受光面積1cm2の光電変換素子1を得た。
[実施例3]
電荷輸送層5を形成するための電解液の溶媒を、水/γ−ブチロラクトン=15/85(vol/vol)とした。それ以外は実施例1と同様にして、受光面積1cm2の光電変換素子1を得た。
[比較例1]
電荷輸送層5を形成するための電解液の溶媒を、γ−ブチロラクトンのみとした。それ以外は実施例1と同様にして、受光面積1cm2の光電変換素子1を得た。
[比較例2]
半導体層4に吸着させる増感色素として、疎水性基を含まない配位子からなる[Ru(4,4−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)2(NCS)2]ビス−テトラブチルアンモニウムを用い、その溶液の濃度を3×10-4mol/dm3とした。それ以外は実施例1と同様にして、受光面積1cm2の光電変換素子1を得た。
[比較例3]
電荷輸送層5を形成するための電解液の溶媒を、水/γ−ブチロラクトン=20/80(vol/vol)とした。それ以外は実施例1と同様にして、受光面積1cm2の光電変換素子1を得た。
[評価試験]
実施例1〜3及び比較例1〜3にて得られた光電変換素子1について、初期電池出力を測定してその結果を表1に示した。電池出力は、蛍光灯を光源として200ルックスの光を光電変換素子1に照射して測定した。
Figure 2009080988
以上、表1に示すように、水の濃度が0.1体積%を超え15体積%以下であり、且つ疎水性の基を有する色素であるRu−(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)(4,4’−ビス(p−へキシロキシスチリル)−2,2−ビピリジン)(NCS)2を用いた実施例1〜3の光電変換素子1では、水を含まない電荷輸送層5を用いた比較例1の光電変換素子1よりも初期の電池出力と80℃1000時間保持後の電池出力に優れ、また疎水性の基を含まない色素である[Ru(4,4−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)2(NCS)2]ビス−テトラブチルアンモニウムを用いた比較例2の光電変換素子1よりも80℃1000時間保持後の電池出力に優れ、また水の含有量が15体積%を超える電荷輸送層5を用いた比較例3の光電変換素子1よりも80℃1000時間保持後の電池出力に優れることが確認できる。
光電変換素子の構成の一例を示す概略の断面図である。
1 光電変換素子
2 基板
3 電極
4 半導体層
5 電荷輸送層
6 対電極
7 基板

Claims (2)

  1. 対向して配置される電極及び対電極と、前記電極と対電極との間に前記電極に接して配置され増感色素が固定された半導体層と、前記電極と対電極との間に配置されI3 -とI-とを含有する電荷輸送層とを備える光電変換素子であって、前記電荷輸送層が水を0.1〜15体積%の範囲で含有し、且つ前記増感色素が疎水性を有する基を備えた配位子を有する金属錯体色素であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 上記金属錯体色素が、下記式(1)に示すものを含有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
    RuLL′(NSC)2 …(1)
    式(1)中のLは下記式(a)で表されるビピリジン誘導体、L′は下記式(b)で表されるビピリジン誘導体である。
    Figure 2009080988
    式(a)中のR1、R2のうち、少なくとも一方はカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基のうちのいずれかを含む基である。
    Figure 2009080988
    式(b)中のR3、R4のうち、少なくとも一方は炭素数3以上のアルキル基、エーテル基、又は芳香族基の少なくとも一種以上からなる疎水性を有する基である。
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