JP4320869B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化物半導体からなる光電変換素子の製造方法に関する。更に詳細には、本発明は増感色素を含有する酸化物半導体からなる光電変換素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池はクリーンなエネルギー源として大きく期待されており、すでにpn接合型太陽電池などが実用化されている。一方、光励起状態の化学反応を利用して電気エネルギーを取り出す光化学電池は多くの研究者によって開発されているが、実用化に関して言えば、すでに実績の高いpn接合型太陽電池にははるかに及ばなかった。
【0003】
従来の光化学電池の中で、増感剤と電子受容体からなる酸化還元反応を利用したタイプが知られている。例えば、チオニン色素と鉄(II)イオンを組み合わせた系などがある。また、本多−藤嶋効果の発見以来、金属やその酸化物の光電荷分離を利用した光化学電池も知られている。半導体が金属と接触した場合、金属と半導体の仕事関数の関係でショットキー接合ができるが、半導体と溶液が接している時も同様な接合ができる。例えば、溶液中にFe2+/Fe3+、Fe(CN)6 4-/Fe(CN)6 3-、I-/I2、Br-/Br2、ハイドロキノン/キノンなどの酸化還元系が含まれている時、n型半導体を溶液につけると半導体の表面付近の電子が溶液中の酸化剤へ移動し平衡状態に達する。その結果、半導体の表面付近は正に帯電し電位勾配が生じる。これにともない半導体の伝導帯および価電子帯にも勾配が生じる。
【0004】
酸化還元溶液につけた半導体電極の表面に光を照射すると、半導体のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光が吸収され、表面付近で伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生成する。伝導帯に励起された電子は上述した半導体の表面付近に存在する電位勾配により半導体内部へ伝達され、一方、価電子帯に生成された正孔は酸化還元溶液中の還元体から電子を奪う。酸化還元溶液に金属電極を浸して金属電極と半導体間で回路を作ると、正孔に電子を奪われた還元体は溶液中を拡散して金属電極から電子を受け取り、再び還元される。このサイクルを繰り返し、半導体電極は負極として、金属電極は正極としてそれぞれはたらき、外部へ電力を供給することができる。したがって、光起電力は酸化還元溶液の酸化還元準位と半導体中のフェルミ準位との差になる。光起電力を大きくするためには、1)酸化還元準位の低い、すなわち酸化力の強い酸化還元溶液を用いること、2)酸化還元準位と半導体中のフェルミ準位との間に大きな差を作り出せる、すなわちバンドギャップの大きい半導体を用いることである。
【0005】
しかしながら、酸化還元溶液の酸化力があまり大きすぎると半導体自身の表面に酸化膜を形成し、光電流は短時間のうちにストップする。また、バンドギャップについては、一般にバンドギャップが3.0eV以下さらには2.0eV以下の半導体は光電変換の際に流れる電流により溶液中に溶解しやすい問題がある。例えば、n−Siは水中の光照射で表面に不活性な酸化物被膜を形成し、n−GaAsやn−CdSは酸化的に溶解する。これらの問題を解決すために、半導体に保護膜を被覆する工夫が試みられており、正孔輸送特性を有するポリピロールやポリアニリン、ポリチオフェンなどのp型導電性高分子を半導体の保護膜に使用する工夫が提案されている。しかしながら耐久性に問題があり、せいぜい数日程度しか安定しなかった。光溶解の問題を解決するために、バンドギャップが3eV以上ある半導体の利用が考えられるが、強度のピークが2.5eV付近にある太陽光を効率よく吸収するには大きすぎる。そのため、太陽光のうち紫外部しか吸収できず、大部分を占める可視域を全く吸収せず、変換効率は極めて低くなる。
【0006】
可視光域の有効利用とバンドギャップの大きな半導体の光安定性を両立させるために、半導体のバンドギャップより小さい長波長側の可視光を吸収する増感色素を半導体に担持させた色素増感太陽電池が知られている。従来の半導体を用いた湿式太陽電池と異なるところは、色素に光を照射して電子が励起され、励起電子が色素から半導体へ移動する光電荷分離過程である。
【0007】
色素増感太陽電池は光合成と関連づけてとらえられることが多い。当初、色素としては光合成と同様にクロロフィルが考えられていたが、絶えず新しい葉緑素と交換される自然のクロロフィルと違い、太陽電池に用いる色素では安定性の面で問題があり、また、太陽電池としての変換効率も0.5%に満たないものであった。自然界の光合成の過程をそのまま模擬し、太陽電池を構成することは非常に困難である。
【0008】
このように色素増感太陽電池は、光合成からヒントを得て長波長の可視光を吸収しようというものであるが、実際には電子の伝導機構が複雑になったため損失の増大が問題となった。固体の太陽電池では、光を吸収する層を厚くすれば吸収効率は上げることができる。しかしながら、色素増感太陽電池に関しては、半導体電極に電子を注入できるのは表面上の単分子層のみである。そのため無駄な光の吸収をなくすために、半導体表面上の色素は単分子層とすることが望ましい。しかも励起された色素内の電子が効率的に半導体内に注入されるためには、半導体表面と化学的に結合していることが好ましい。例えば、酸化チタンに関しては、半導体表面と化学的に結合するために、色素にカルボキシル基があることなどが重要である。この点に関して、重要な改善をしたのはFujihiraらのグループである。彼らはローダミンBのカルボキシル基がSnO2表面の水酸基とエステル結合することにより,光電流が従来の吸着法の10倍以上になったことを1977年に雑誌Natureに報告している。これは従来のアミド結合よりエステル結合の方が色素内で光のエネルギーを吸収した電子の存在するπ軌道が半導体の表面に近いためとしている。しかしながら、有効に半導体に電子を注入できたとしても伝導帯内にある電子は、色素の基底準位と再結合する可能性や、酸化還元物質と再結合する可能性などがある。このような問題点があったため、電子注入について上記の改善にも関わらず変換効率は低いままであった。
【0009】
以上のように、従来の色素増感太陽電池の大きな問題点として、半導体表面に単層で担持された増感色素しか半導体へ電子を注入することができないことである。すなわち、これまで半導体電極によく用いられていた単結晶や多結晶半導体は、表面が平滑で内部に細孔を持たず、増感色素が担持される有効面積は電極面積に等しく、増感色素の担持量が少ない。したがって、このような電極を用いた場合、その電極に担持された単分子層の増感色素は最大吸収波長でも入射光の1%以下しか吸収できず、光の利用効率が極めて悪くなる。光捕集力を高めるために増感色素を多層にする試みも提案されているが、概して充分な効果が得られていない。グレッツェル等は、このような問題を解決する手段として、酸化チタン電極を多孔質化し、増感色素を担持させる内部面積を著しく増大させた(例えば、特許第2664196号公報)。ゾル・ゲル法によりこの酸化チタン多孔質膜を作製し、膜のポロシティーは約50%ほどであり、非常に高い内部表面積を有するナノ多孔性構造が形成されている。たとえば、8μmの膜厚ではラフネスファクター(基板面積に対する多孔質内部の実面積の割合)は約720にも達する。この表面を幾何学的に計算すると、増感色素の濃度は1.2x10-7モル/cm2に達し、実に、最大吸収波長で入射光の約98%が吸収されることになる。
【0010】
このグレッツェル・セルとも呼ばれる新しい色素増感太陽電池は、上述の酸化チタンの多孔質化による増感色素の飛躍的な担持量の増大と、太陽光を効率よく吸収しかつ半導体への電子注入速度が著しく速い増感色素の開発した点が大きな特徴である。
【0011】
グレッツェルらは、色素増感太陽電池のためにビス(ビピリジル)Ru(II)錯体を開発した。そのRu錯体は一般式シス−X2ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)の構造を持つ。XはCl−,CN−,SCN−である。これらについて蛍光、可視光吸収、電気化学的および光酸化還元的挙動について系統的な研究が行われた。これらのうち、シス−(ジイソシアネート)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)Ru(II)は、太陽光吸収剤および色素増感剤として格段に優れた性能を持つことが示された。
【0012】
この色素増感剤の可視光吸収は、金属から配位子への電荷移動遷移である。また、配位子のカルボキシル基は表面のTiイオンに直接配位して、色素増感剤と酸化チタンの間に密接な電子的接触を形成している。この電子的な接触により、色素増感剤から酸化チタンの伝導帯への電子注入が1ピコ秒以下の極めて速い速度で起こり、その逆方向の酸化された色素増感剤による酸化チタンの伝導帯へ注入された電子の再捕獲はマイクロ秒のオーダーで起こるとされている。この速度差が光励起電子の方向性を生み出し、電荷分離が極めて高い効率で行われる理由である。そして、これがpn接合面の電位勾配により電荷分離を行うpn接合太陽電池との違いであり、グレツェル・セルの本質的な特徴である。
【0013】
グレッツェル・セルの構成はフッ素ドープした酸化スズの透明導電膜をコーティングした導電ガラス基板2枚の間に、酸化還元対を含む電解質溶液を封入したサンドイッチ型のセルである。ガラス基板の一方は、透明導電膜上にコロイド状の酸化チタン超微粒子から構成される多孔質膜を積層し、さらに増感色素を吸着させて作用電極としたものである。他方は、透明導電膜上に少量の白金をコーティングして対極としたものである。2枚のガラス基板の間にスペーサを挟み、その間のごくわずかの隙間に毛細管現象を利用して電解質溶液を注入する。電解質溶液は、エチレンカーボネートとアセトニトリルの混合溶媒を使用し、ヨウ化テトラ−n−プロピルアンモニウムとヨウ素を溶質としたもので、I-/I3 -の酸化還元対を含む。対極にコーティングされた白金はこの酸化還元対のI3 -をI-に陰極還元する触媒作用がある。
【0014】
グレッツェル・セルの動作原理は、基本的に従来の半導体を用いた湿式太陽電池と変わらない。ただし、グレッツェル・セルのような多孔質電極のどの部分においても光電荷分離応答が均一かつ効率的に行われるのは、主にホール移動層が液体であるためである。すなわち、色素担持多孔質電極を溶液に浸すだけで溶液が均一に多孔質内に拡散し,理想的な電気化学的界面を形成できるからである。しかし、このホール移動層が液層ということは太陽電池の安定性という観点からは好ましくなく、実際多くの場合電池を作製しても電解質溶液の液漏れが他の電池構成要素の劣化に先行して起こり、太陽電池の性能を低下させてしまうことが知られている。グレッツェル・セルの実用化のためには、電解質を一例に挙げたように、グレッツェル・セルを構成する各要素について詳細な検討を加えていかなければならない。
【0015】
上述のように、グレッツェル・セルの特徴は酸化チタンの超微粒子を使ってラフネスファクターを格段に向上させ、増感色素担持量を大きくしたことである。その結果、従来の色素増感太陽電池より高い光電変換効率を実現している。したがって、より高い光電変換効率を得るためには、増感色素の担持量をいかに増やすかが課題となる。
【0016】
この課題の解決策として、特開平10−290021号公報には、酸化物半導体に増感色素を高密度、かつ、強固に担持させるために、親水性有機溶媒へ水を添加することが記載されている。
【0017】
更に、特開平7−249790号公報には、加熱還流処理方法が記載されている。
【0018】
図3は従来の色素増感太陽電池の製造工程を示す流れ図である。先ず、ステップ301において、ガラスなどの透明基板に酸化チタンなどの酸化物半導体を塗布する。次いで、ステップ302において、500℃程度の温度で酸化物半導体を焼成する。その後、ステップ303において、焼成酸化物半導体に増感色素を担持させる。次いで、ステップ304において、このガラス基板に電解液を塗布する。電解液を塗布した後、ステップ305において、ガラス基板を封止し、色素増感太陽電池を調製する。
【0019】
図4は、図3に示されるような従来の方法のステップ303において得られた構造体の概要断面図である。図示されているように、透明ガラス基板1の一方の表面上に形成された透明電極3の表面に塗布し、焼成された酸化物半導体粒子層5に増感色素7が担持されている。ガラス基板に塗布した酸化物半導体粒子を500℃程度で加熱することにより、酸化物半導体粒子同士が一部分焼結して、多孔質な酸化物半導体粒子層5が形成される。酸化物半導体粒子層を増感色素溶液に浸漬させる従来の増感色素担持方法では、酸化物半導体粒子層内で増感色素を担持することができる部分は、増感色素より大きな空隙を有する領域のみである。したがって、増感色素より小さな空隙部分には増感色素を担持することができず、色素増感太陽電池を調製した時、その領域はただ電解液のみが充満した光化学的に不活性な部分となってしまう。このため、従来の色素増感太陽電池では、酸化物半導体粒子に担持される増感色素の量は限定的なものとなり、結果的に、太陽電池の光電変換特性もさほど改善されない。
【0020】
【発明が決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、多量の増感色素を担持し、優れた光電変換特性を有する光電変換素子の製造方法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、酸化物半導体の前駆体である金属ハロゲン化物錯体(チタンフルオロ錯体)と増感色素を含む水溶液に、ハロゲン化物イオンのスカベンジャー(ホウ酸又はアルミニウム)を添加後、基板をその溶液に浸漬することにより、多量の増感色素を担持した酸化物半導体膜を基板表面に形成することにより解決できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明による、増感色素を担持した酸化物半導体の製造方法は、酸化物半導体の前駆体を反応させながら増感色素を酸化物半導体に担持させるので、増感色素が酸化物半導体と強く結合して、その担持量を多量かつ高密度にすることができる。増感色素の担持量を増大させることにより、光電変換素子の光電変換効率が飛躍的に増大される。更に、本発明によれば、室温の反応液に基板を浸漬させるだけの1回の工程で、光電変換素子に適した増感色素担持酸化物半導体膜を形成することができる。
【0023】
図1は本発明による光電変換素子の製造方法を示す流れ図である。図示されているように、ステップ101において、液相堆積法による色素担持酸化チタン膜の作製を行う。液相堆積法は下記で詳細に説明する。その後、ステップ102において、電解液を塗布し、次いで、ステップ103において、基板を封止する。ステップ102の電解液塗布と、ステップ103の封止は、図3に示された従来の方法の電解液塗布及び封止処理と大体同じである。
【0024】
図2は、本発明の液相堆積法により形成された色素担持酸化物半導体膜の概要図である。透明ガラス基板1の一方の表面上に形成された透明電極3の表面に酸化物半導体粒子11が堆積されている。本発明によれば、増感色素9は、個々の酸化物半導体粒子11の外表面に担持されている。これにより、増感色素担持酸化物半導体膜13が形成される。
【0025】
増感色素9は酸化物半導体粒子11の外表面に担持されるが、実際には、酸化物半導体粒子の内部及び外部の両方に担持されるものと思われる。増感色素が酸化物半導体粒子に担持される正確なメカニズムは未だ解明されていないが、化学的結合、物理的結合、静電吸着又は物理化学的吸着などのような様々な要因が単独に又は複合的かつ協働的に作用することにより、担持されるものと思われる。このように、本発明の液相堆積法によれば、個々の酸化物半導体粒子に増感色素を担持させることができるので、増感色素の担持量を飛躍的に増大させることができる。したがって、従来の方法のように、増感色素より小さな空隙に増感色素を担持することができない結果、光化学的に不活性な領域ができてしまうといったことがなくなり、優れた光電変換効率を得ることができる。
【0026】
本明細書において使用される「液相堆積法」という用語は、液相中で金属酸化物を生成させると同時に、生成金属酸化物に増感色素を担持させる方法を意味する。本発明による液相堆積法は(1)金属酸化物形成反応と(2)色素担持反応の2段階反応からなる。
【0027】
(1)金属酸化物形成反応は例えば、次の反応式により示される。
TiF6 2- + H2O → TiO2↓ + 6F- + 4H+
BO3 - + 4F- + 6H+ → BF4 - + 3H2O
【0028】
(2)色素担持反応は例えば、次の反応式により示される。
TiO2↓ + RuL2(NCS)2 → TiO2-RuL2(NCS)2
【0029】
これらの反応は全て同じ水溶液中で行われる。例えば、金属ハロゲン化物錯体とハロゲンイオンのスカベンジャーと増感色素とを水に溶解させ水溶液を調製すると、この水溶液中で前記(1)及び(2)の反応が逐次進行し、この水溶液中に基板を浸漬することにより、基板の表面にTiO2-RuL2(NCS)2のような増感色素担持酸化物半導体膜を形成させることができる。
【0030】
この(1)及び(2)の反応は一般的に、10℃〜80℃、好ましくは20℃〜60℃の範囲内の温度雰囲気中で実施できるが、室温又は常温付近の温度で実施することが好ましい。このような温度条件下で、反応は一般的に、1時間〜5日間の期間にわたって行われる。一般的に、反応温度が高ければ反応時間は短くなり、反応温度が低ければ反応時間は長くなる。一例として、30℃の反応温度では、約15〜30分間以内に反応が開始され、約80時間までほぼ一定の堆積速度で基板上に酸化物半導体膜を作製することができる。基板は反応が開始される前から反応水溶液中に垂直又は適当な姿勢で浸漬させることが好ましい。反応が開始されてから基板を浸漬することもできるが、生成された色素担持酸化物半導体が凝集して粒径の大きな膜が形成される可能性がある。(1)式の反応で、ハロゲンイオンのスカベンジャーであるホウ酸は反応が進行するにしたがい、濃度が減少する。そこで反応中、ホウ酸濃度が一定になるように、pHスタット計でホウ酸濃度をモニタすると、均質な色素担持酸化物半導体膜を形成することができる。また、スカベンジャーとしてアルミニウムを使用する場合は、一定の時間間隔で反応溶液にアルミニウムを投入することで、同等の効果を得ることができる。
【0031】
自然対流雰囲気下で基板表面に色素担持酸化物半導体膜を形成させると膜厚分布が均一になるばかりか、色素の担持量が増大するので、自然対流雰囲気下で基板表面に色素担持酸化物半導体膜を形成させることが好ましい。反応を促進させるために反応水溶液を攪拌することもできるが、反応過程で沈殿する酸化物半導体粒子が反応溶液中で分散し、基板に堆積している色素担持酸化物半導体膜に取り込まれ、膜厚分布が不均一になってしまうおそれがある。そこで、ろ過により沈殿物を除去しながら、反応溶液を一定の流速で対流させるなどの工夫が必要である。
【0032】
反応終了後、基板を反応水溶液から取り出し、基板表面を適当な洗浄用溶媒で洗浄し、表面に残っている反応液を除去することが好ましい。洗浄用溶媒としては、例えば、精製水、蒸留水、純水、超純水などのような水類の他、メタノール又はエタノールなどのアルコール類も使用できる。その他の溶媒も使用できる。
【0033】
洗浄用溶媒で基板表面を洗浄後、この基板を自然乾燥させることが好ましい。強制乾燥させると、基板表面に形成された色素担持酸化物半導体膜にひび割れなどが発生するので好ましくない。従って、乾燥は10〜40℃程度の室温又は常温で、相対湿度80%〜40%程度の雰囲気中で行うことが好ましい。また、湿度については、乾燥開始時点では相対湿度80%の高湿度で、その後、熱平衡を達成しながら、1時間程度の期間をかけて徐々に相対湿度40%程度にまで低下させることが好ましい。こうすることにより、ピンホールやクラックあるいはヒビ割れなどの全く無い高品質な増感色素担持酸化物半導体膜を得ることができる。
【0034】
本発明において、金属ハロゲン化物錯体としては、加水分解速度と基板への吸着・脱離速度との兼ね合いから、フッ化物、すなわち金属フルオロ錯体が好ましい。金属フルオロ錯体としては、特に限定されるものではなく、例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンなどのフルオロ錯体、鉄、ニッケル、亜鉛、シリコン、錫などのフルオロ錯体、またはペロブスカイトを構成する元素のフルオロ錯体などが挙げられる。あるいはこれらのフルオロ錯体を組み合わせることも可能である。
【0035】
光電変換素子に用いる酸化物半導体としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crの酸化物や、SrTiO3、CaTiO3のようなペロブスカイトなどが好ましい。Ru錯体を増感色素として使用したとき、Ru錯体で光励起された電子は効率よく酸化チタンに注入されるため、Ru錯体と酸化チタンからなる色素増感太陽電池は優れた特性を持つ。従って、チタンフルオロ錯体は、光電変換素子を構成する酸化物半導体の前駆体として特に好ましい。本発明で使用できるチタンフルオロ錯体は例えば、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロチタン酸(IV)二リチウム、ヘキサフルオロチタン酸(IV)二ナトリウム、ヘキサフルオロチタン酸(IV)二カリウム、ヘキサフルオロチタン酸(IV)マグネシウム、ヘキサフルオロチタン酸(IV)カルシウム、ヘキサフルオロチタン酸(IV)バリウム、ヘキサフルオロチタン酸(IV)二アンモニウム、などが挙げられる。しかし、その他のチタンフルオロ錯体も本発明で同等に使用できる。
【0036】
反応の進行により反応水溶液中に遊離してくるハロゲン化物イオンのスカベンジャーとしては、前記の金属ハロゲン化物錯体の加水分解反応の進行を妨げないホウ酸やアルミニウムが特に好ましい。
【0037】
本発明において、金属ハロゲン化物錯体とハロゲン化物イオンのスカベンジャーの濃度は、目的とする酸化物半導体を調製することができれば、特に限定されるものではない。例えば、チタンフルオロ錯体とホウ酸を用いて酸化チタンを調製する場合、チタンフルオロ錯体の濃度が0.01モル/lから0.15モル/lの濃度範囲であり、ホウ酸の濃度が0.1モル/l以上であれば、酸化チタンを調製することができる。特に、チタンフルオロ錯体の濃度が0.1モル/lであり、ホウ酸の濃度が0.2モル/lである反応溶液で、酸化チタンを調製することが好ましい。上記の濃度は一例であり、これら上記の濃度に合わせてチタンフルオロ錯体とホウ酸の濃度比を選定すれば、酸化チタンを調製できることは言うまでもない。該反応溶液で光電変換素子に用いる酸化物半導体膜を作製する場合、反応温度は20℃から60℃範囲が好ましい。
【0038】
本発明における増感色素としては、従来の色素増感性光電変換素子で常用の色素であれば全て使用できる。このような色素は当業者に公知である。このような増感色素は例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体又はルテニウム−トリス(RuL3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)タイプの遷移金属錯体若しくは、金属又は非金属のフタロシアニン又はポルフィリンなどである。具体例としては例えば、シス−ジ(チオシアノ)−N,N−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)錯体、ルテニウム−トリス(2,2’−ビスピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)、ルテニウム−シス−ジアクア−ビス(2,2’−ビスピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)、亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。有機色素としては、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などが挙げられる。
【0039】
増感色素の使用量は前記の反応式から化学量論的に導き出すことができる。例えば、増感色素は前記(1)の金属酸化物形成反応で生成される金属酸化物と等モル量又はこれよりも多いモル量で使用することができる。十分な光電変換特性改善効果を得るために、生成される金属酸化物のモル量よりも多量の増感色素を使用することが好ましい。本発明によれば、金属酸化物半導体膜に少なくとも50ng/cm2以上の増感色素を担持させることができる。
【0040】
最適モデルの観点から見れば、増感色素が最密構造の状態で空間を占め、その空隙に酸化チタンが存在している状態が、液相堆積法で増感色素を酸化チタンに最大限担持させた状態と思われる。この担持量を概算すると、例えば、Ru錯体の大きさは約3nmで、分子量が741であり、最密状態における空隙率は25.9%であるから、Ru錯体の最大担持量は1cm3当たり、1/(4/3xπx(3x10-7)3)x(1−0.259)x(741/6.02x1023)=8.06mgとなる。一方、酸化チタンの密度はアナターゼ型で3.9g/cm3なので、最密状態ではその空隙にのみ酸化チタンが存在するので、酸化チタンの密度は3.9x0.259=1.01g/cm3となる。従って、液相堆積法によるRu錯体の最大担持量は酸化チタン1g当たり、7.98mgと概算できる。
【0041】
本発明による光電変換素子は、本発明の液相堆積法で作製された増感色素担持酸化物半導体膜を有する電極と、その対極、およびそれらの間に封入された電解質から構成される。増感色素担持酸化物半導体膜を付着させる電極として、透明導電性のガラスやポリマーシートなどが挙げられる。特に、本発明の光電変換素子製造方法は加熱焼成処理なしで成膜が可能なため、透明導電性のフレキシブル基板を電極として使用することができる。従来の方法は500℃のような高温度による加熱焼成処理を伴うので、基板としては、ガラスなどの耐熱性基板しか使用できず、耐熱温度の低いプラスチックなどのようなフレキシブル基板は使用できなかった。基板としてプラスチックなどのようなフレキシブル基板を使用することにより、最終製品としての太陽電池などの光電変換素子の用途が拡大される。対極として、透明導電性のガラスやポリマーシートなどに白金をコートしたものが好ましい。
【0042】
電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば、特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。この明細書における、酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体及び還元体の形で存在する一対の物質を意味する。このような酸化還元系構成物質自体は当業者に公知である。本発明で使用できる酸化還元系構成物質は例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)/−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられる。言うまでもなく、その他の酸化還元系構成物質も使用できる。
【0043】
酸化還元系構成物質からなる電解質を溶解させて電解液を調製するために溶媒を使用する。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒の何れも使用できるが、酸化還元系構成物質がより安定するため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマーブチロラクトン、エチレングリコールサルファイト、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチルーテトラヒドラフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。さらに、アミン系、イミド系またはニトリル系溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。本発明において、エチレンカーボネートとアセトニトリルとの混合溶媒が好ましい。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に例証する。
【0045】
実施例1
(1)増感色素担持酸化物半導体膜の作製
ヘキサフルオロチタン酸(IV)二アンモニウム0.1モル/l、ホウ酸0.2モル/lおよび増感色素としてシス−ジ(チオシアノ)−N,N−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)錯体0.3ミリモル/lを溶解させた水溶液に、透明電極付きガラス基板(50mm x 50mm)を垂直に浸漬させ、30℃で20時間反応させた。透明電極のみに増感色素を担持した酸化チタンを堆積させるため、透明電極を除いたガラス面をマスクした。反応終了後、該電極を超純水、エタノールの順番で洗浄し、自然乾燥させた。透明電極に堆積した増感色素を担持した酸化チタンの膜厚は300nmであった。
【0046】
(2)光電変換素子の作製
増感色素を担持した酸化チタン膜を有する透明電極付きガラス基板の対極として、白金をスパッタした透明電極付きガラス基板(50mm x 50mm)を用意した。電解液として、エチレンカーボネートとアセトニトリルとの体積比8:2の混合溶液にヨウ素0.04モル/lとヨウ化テトラプロピルアンモニウム0.5モル/lを溶解させた電解液を調製した。これら2つの電極を互いの電極側が向き合うようにして厚さ100μmのセパレータをはさみ、上記の電解液を毛細管現象により電極間に注入してから、周囲を封止し、各電極から端子を引き出して、本発明の光電変換素子を作製した。
【0047】
前記(1)で作製した増感色素担持酸化チタン膜中の増感色素の含有量を以下のようにして測定した。はじめに、すでによく知られている測定方法である、水酸化ナトリウム0.1モル/lのエタノール溶液に前記(1)で作製した増感色素担持酸化チタン膜を浸漬し、増感色素であるRu錯体を溶出させた。しかし、この測定方法では、担持された一部のRu錯体しか溶出させることができず、酸化チタン膜中にRu錯体が残っていた。これは酸化チタン膜中のRu錯体が自分自身より小さい空隙を通り抜けることができないため、酸化チタン膜から溶出することができなかったと考えられる。すなわち、この現象は液相堆積法が従来法より増感色素を多く担持させることができる効果の現れと考えられる。そこで、Ru錯体担持酸化チタン膜の参照として、酸化チタンのみの薄膜を前記(1)と同様の方法で作製し、両方の吸収スペクトルを測定した。Ru錯体の吸収波長でのRu錯体担持酸化チタン膜の吸光度変化から、Ru錯体の担持量を求めた。また、前記(2)で作製した光電変換素子に45mW/cm2のキセノンランプ光を照射し(照射面積12cm2)、I−Vカーブトレーサで開放端電圧、短絡電流密度、形状因子及び光電変換効率などの光電流−電圧特性を測定した。
【0048】
比較例1
ヘキサフルオロチタン酸(IV)二アンモニウム0.1モル/lとホウ酸0.2モル/lを溶解させた水溶液に、透明電極付きガラス基板(50mm x 50mm)を垂直に浸漬させ、30℃で20時間反応させた。その後、このガラス基板を500℃で焼成し、酸化チタン膜を形成した。その後、増感色素としてシス−ジ(チオシアノ)−N,N−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)錯体0.3ミリモル/lのエタノール溶液に3時間浸漬させ、増感色素を酸化チタン膜に担持させた。増感色素エタノール溶液からガラス基板を取り出し、超純水、エタノールの順番で洗浄し、自然乾燥させた。得られた増感色素担持酸化チタン膜を有する透明電極付きガラス基板の対極として、白金をスパッタした透明電極付きガラス基板(50mm x 50mm)を用意した。電解液として、エチレンカーボネートとアセトニトリルとの体積比8:2の混合溶液にヨウ素0.04モル/lとヨウ化テトラプロピルアンモニウム0.5モル/lを溶解させた電解液を調製した。これら2つの電極を互いの電極側が向き合うようにして厚さ100μmのセパレータをはさみ、上記の電解液を毛細管現象により電極間に注入してから、周囲を封止し、各電極から端子を引き出して、比較対照用の光電変換素子を作製した。次いで、前記実施例1と同様な方法で酸化チタン膜中の増感色素含有量と光電流−電圧特性を測定した。
【0049】
下記の表1に、前記実施例1及び比較例1で得られた光電変換素子の光電変換特性と増感色素含有量を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示された結果から明らかなように、本発明の増感色素担持酸化物半導体膜を有する光電変換素子は個々の酸化チタン粒子自体に増感色素が担持されるので、従来の光電変換素子に比べて、増感色素含有量は7倍近くも増大され、その結果、光電変換効率は19倍も増大される。
【0052】
実施例2
ヘキサフルオロチタン酸(IV)二アンモニウム0.1モル/lと、増感色素として実施例1と同じルテニウム錯体0.3ミリモル/lを溶解させた水溶液250mlにアルミニウム紛0.7gを添加し、透明電極付きガラス基板(50mm x 50mm)を垂直に浸漬させ、30℃で16時間反応させた。透明電極のみに増感色素を担持した酸化チタンを堆積させるため、透明電極を除いたガラス面をマスクした。反応終了後、該電極を超純水、エタノールの順番で洗浄し、自然乾燥させた。透明電極に堆積した増感色素を担持した酸化チタンの膜厚は280nmであった。SEM観察の結果、実施例1と同じ表面形態を示し、フッ化物イオンのスカベンジャーとして、ホウ酸、アルミニウムのいずれも使用できることを確認した。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、酸化物半導体の前駆体を反応させながら増感色素を酸化物半導体に担持させるので、増感色素が酸化物半導体と強く結合して、その担持量を多量かつ高密度にすることができる。増感色素の担持量を増大させることにより、光電変換素子の光電変換効率が飛躍的に増大される。更に、本発明によれば、室温の反応液に基板を浸漬させるだけの1回の工程で、光電変換素子に適した増感色素担持酸化物半導体膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液相堆積法による、光電変換素子の製造工程を示す流れ図である。
【図2】図2は、本発明の液相堆積法により形成された色素担持酸化物半導体膜の概要図である。
【図3】図3は、従来の光電変換素子の製造工程を示す流れ図である。
【図4】図4は、図3に示されるような従来の方法のステップ303において得られた構造体の概要断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
3 透明電極
5 酸化物半導体層
7 増感色素層
9 増感色素
11 酸化物半導体粒子
13 増感色素担持酸化物半導体膜
Claims (1)
- 少なくとも、一方の面上に増感色素担持金属酸化物半導体層が被着された電極と、この電極の前記金属酸化物半導体層と対峙する対電極と、該電極の前記金属酸化物半導体層と対電極との間に配置された電解質層とを有する光電変換素子の製造方法において、
前記増感色素担持金属酸化物半導体層は、前記電極を有する基板を、チタンフルオロ錯体と、増感色素と、ホウ酸又はアルミニウムとを有する水溶液中に浸漬し、取り出した後、乾燥させることにより形成されることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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