JP5118805B2 - 色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュールに関する。更に詳しくは、本発明は、高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池及び、それを集積化した構造においても優れた性能を示す色素増感太陽電池モジュールに関する。
現在の太陽光発電は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いたシリコン系太陽電池を中心に実用化されている。しかしながら、シリコン系太陽電池では、製造プロセスにおける使用エネルギーが大きいことや、製造コストが高い等の問題がある。更に、このまま普及させていくとなると、原料となるシリコンの不足も問題となる。
そこで、色素増感太陽電池が注目されるようになった。この色素増感太陽電池は、例えば、透明基板上の透明導電膜に形成された増感色素を担持した半導体からなる多孔性電極(多孔性半導体層)、対極及びそれらの電極間に狭持されたキャリア輸送層とから主に構成されている。この太陽電池は、作製方法の簡便さや材料コストの低さ等から、次世代太陽電池として期待されている。
J.Am.Ceram.Soc.,80(12)3157−3171(1997)(非特許文献1)には、酸化チタン多孔性電極の表面に遷移金属錯体等の増感色素が吸着された色素増感太陽電池の作製方法が記載されている。該方法では、透明基板上の透明導電膜に形成された多孔性電極を、増感色素を溶解した溶液に浸漬することにより、多孔性電極に増感色素を担持させる。その後、酸化還元系の電解液を滴下し、多孔性電極上に対極を重ねることにより太陽電池を作製している。
該太陽電池では、半導体電極に可視光が照射されると、半導体電極表面上の増感色素が光を吸収することにより、色素分子内の電子が励起され、励起電子が半導体電極に注入される。よって、この半導体電極側で電子が発生し、該電子は電気回路を通って対極に移動する。対極に移動した電子は、キャリア輸送層中のホール又はイオンによって運ばれ、多孔性電極表面上の増感色素に戻る。このような過程が繰り返されて、高いエネルギー変換効率で、電気エネルギーが取り出される。
しかしながら、太陽電池として実用化するためには、更なる変換効率の向上が望まれている。
色素増感太陽電池の特性低下の一因としては、色素によって被覆されていない半導体電極表面から、注入されたキャリアがキャリア輸送層内に流れることが考えられている。例えば、特開2001−102103号公報(特許文献1)及び特開2000−323192号公報(特許文献2)には、前記キャリアの流れを抑制するため、半導体電極表面に色素とキャリアの移動を防止する物質とを担持させる技術が記載されている。キャリアの移動を防止する分子としては、ケイ素化合物、錫化合物、スルホン化合物、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩含有高分子が用いられている。また、特開2004−119279号公報(特許文献3)では、同様の目的で、それぞれフッ素原子を含有するアルコキシシラン、クロロシラン、シラノール、ピリジン類、イミダゾール類を半導体電極表面に担持させている。
特開2001−102103号公報 特開2000−323192号公報 特開2004−119279号公報 J.Am.Ceram.Soc.,80(12)3157−3171(1997)
しかしながら、これらのキャリアの移動を防止する物質を多孔性電極表面に担持させた場合、これらの物質が吸収した光は電気エネルギーとして取り出されない。そのため光電変換効率が低下するという課題があった。
かくして本発明によれば、導電性基板、該導電性基板上に、増感色素を吸着した多孔性半導体層、キャリア輸送層及び対極をこの順で少なくとも有し、前記増感色素が、吸収スペクトルにおける吸収ピーク波長の異なる2種の増感色素からなり、吸収ピーク波長を長波長側に有する増感色素の分子量よりも、吸収ピーク波長を短波長側に有する増感色素の分子量が756〜1200の範囲で小さく、かつ、前記増感色素のそれぞれが積層状となることなく前記多孔性半導体層全体に吸着していることを特徴とする色素増感太陽電池が提供される。
更に、本発明によれば、上記色素増感太陽電池を2つ以上直列接続した色素増感太陽電池モジュールが提供される。
本発明によれば、2種類の増感色素により、多孔性半導体層からキャリア輸送層へ電子が流れる部分を低減できるので、多孔性半導体層からキャリア輸送層へと逆向きに流れる電荷の割合を低減できる。その結果、短絡電流、開放電圧及び光電変換効率を増加できる。
以下では、本発明をなすに至った経緯を説明する。
導電性基板、該導電性基板上に、増感色素を吸着した多孔性半導体層(半導体電極)、キャリア輸送層、対極をこの順に有する色素増感太陽電池は、多孔性半導体層表面上の増感色素が光を吸収することにより、色素分子内の電子が励起され、励起電子が多孔性半導体層に注入され、該電子を取り出すことで電気エネルギーを得ている。しかしながら、多孔性半導体層表面上には増感色素で覆われていない部分が存在し、増感色素から注入された電子が、増感色素で覆われていない部分からキャリア輸送層に流れる(逆電流)という現象がある。この現象は光電変換効率を低下させる。
また、増感色素から注入された電子は、多孔性半導体層の伝導帯下端準位を占めている。この電子は増感色素のLUMO準位又はHOMO準位に戻ることで逆向きの電子の流れが生じ、開放電圧が低下することがある。増感色素の吸収ピーク波長が短波長であることは、LUMO準位―HOMO準位間のエネルギーギャップが大きいことを意味し、LUMO準位は高く、HOMO準位は低くなる。HOMO準位が低下すれば、伝導帯下端準位とHOMO準位とのエネルギーギャップが大きくなり、多孔性半導体層から増感色素のHOMO準位への逆向きの電子の流れが抑制されると考えられる。また、LUMO準位についても同様のことがいえる。よって、吸収ピーク波長が短波長である方が、開放電圧は大きくなるため、吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素の方が、吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素よりも逆電流防止効果が大きい。
本発明の色素増感太陽電池では、2種類の色素の中で、吸収ピーク波長が短波長側にあり、逆電流防止効果が大きいと考えられる増感色素分子の大きさの方が小さい。したがって、吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素が、多孔性半導体層に吸着している吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素間や、吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素が吸着し難い細孔にも吸着でき、その結果、多孔性半導体層表面をより広く増感色素で被覆できる。よって、吸収ピーク波長が短波長側にある分子量の小さい増感色素を担持させることで多孔性半導体層からキャリア輸送層へ電子が流れる部分を低減できるので、多孔性半導体層からキャリア輸送層へと逆向きに流れる電荷の割合を低減できる。その結果、短絡電流及び開放電圧を増加できる。
以下では、色素増感太陽電池の各構成要素を説明する。
(導電性基板)
本発明において、多孔性半導体層は、導電性基板上に形成される。
導電性基板としては、金属基板のようにそれ自体が導電性を有する基板、またその表面に導電層を有するガラス、プラスチック等の基板が利用できる。後者の場合、好ましい導電材料は、金、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム等の金属、導電性カーボン、インジウム錫複合酸化物、フッ素をドープした酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これら導電材料は、常法によって、該基板上に形成できる。導電層の膜厚は0.02〜5μm程度が好ましい。
導電性基板は表面抵抗が低いほどよく、例えば、表面抵抗は40Ω/sq以下であることが好ましい。また、該支持体の膜厚は、多孔性半導体層に適当な強度を付与できるものであれば特に限定されない。
また、導電性基板側が受光面となる場合、該基板は、透明であることが好ましい。
上記点及び機械的な強度を満足させることを考慮に入れると、フッ素をドープした酸化錫からなる導電層をソーダ石灰フロートガラスからなる透明基板上に積層したものが代表的な支持体として挙げられる。
また、コスト面、フレキシブル性等を考慮に入れると、透明ポリマーシート上に上記導電層を設けたものを用いてもよい。透明ポリマーシートとしては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニルスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
導電性基板の抵抗を下げるために金属リード線を加えてもよい。金属リード線の材質としては、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ニッケル、チタン等が好ましい。金属リード線は、酸化錫、ITO等の透明な導電層を形成する前に、支持基板上にスパッタ、蒸着等で形成してもよく、導電層を設けた後、形成してもよい。ただし、金属リード線は、入射光量を低下させる場合があるので注意が必要である。
更に、該導電性基板が受光面でない場合には、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン等の金属基板を用いてもよい。
(多孔性半導体層)
多孔性半導体層は、通常半導体微粒子の集合体からなる。
半導体微粒子は、一般に光電変換材料に使用されるものであればどのようなものでも使用できる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2、SrCu22等の単独又は組み合わせが挙げられる。その中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブが好ましく、安定性及び安全性の点から、酸化チタンが特に好ましい。
酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸等の各種の狭義の酸化チタンに加えて、水酸化チタン、含水酸化チタン等を包含する。
半導体微粒子は、単結晶、多結晶、アモルファスのいずれでもよい。この内、安定性、結晶成長の困難さ、製造コスト等より、多結晶が好ましい。特に微粉末(ナノからマイクロスケール)の多結晶の半導体微粒子が好ましい。
また、2種類以上の粒子サイズの異なる粒子を混合して用いてもよい。この場合、各粒子の材料は同一でも異なっていてもよい。異なる粒子サイズの平均粒径の比率は10倍以上の差がある方がよい。粒径の大きい粒子(例えば100〜500nm)は、入射光を散乱させ、光補足率を上げる目的で用いることができる。特に半導体の種類の異なる微粒子を使用した場合、吸着作用の強い半導体微粒子を小粒径にした方が光捕捉率の向上に効果的である。
多孔性半導体層の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.1〜100μm程度が挙げられる。また、別の観点から、多孔性半導体層の表面積が大きいものが好ましく、例えば、10〜200m2/g程度が挙げられる。
また、多孔性半導体層の空隙率は、40〜80%であることが好ましい。40%より小さい場合、色素溶液が浸透し難いため色素吸着が困難になるので好ましくなく、80%より大きい場合、膜の強度が弱いので好ましくない。
(酸化チタン作製方法)
最も好ましい半導体微粒子の形態である酸化チタンは、各種文献に記載されている方法に準じて作製できる。例えば、作製法としては、「新合成法:ゾル−ゲル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」第35巻、第9号1012〜1018頁(1995)等が代表的なものとして挙げることができる。また、Degussa社が開発した塩化物を高温加水分解することにより得る方法も適している。
本発明に使用される酸化チタンの内、アナターゼ型とルチル型は、その製法や熱履歴によりいずれの形もとりうるが、アナターゼ型が一般的である。アナターゼ型はルチル型より光吸収の長波端波長が短く、紫外光による光電変換の低下を起こす度合いが小さい。よって、アナターゼ型の含有率の高いものが好ましく、その割合は80%以上が好ましい。
(多孔性半導体層の作製方法)
多孔性半導体層の形成方法は、例えば、透明導電膜上に半導体微粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥及び/又は焼成する方法が挙げられる。
上記方法を具体的に説明する。
まず、半導体微粒子を適当な溶媒に懸濁させる。そのような溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエン等のアルコール系混合溶媒、水等が挙げられる。また、これらの懸濁液の代わりに市販の酸化チタンペースト(Ti−nanoxide,D,T/SP,D/SP,Solaronix社製)を用いてもよい。
多孔性半導体層形成のための懸濁液の基板への塗布方法は、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法等公知の方法が挙げられる。その後、塗布液を乾燥及び焼成する。乾燥及び焼成に必要な温度、時間、雰囲気等は、使用される基板及び半導体微粒子の種類に応じて、適宜調整できる。例えば、大気下又は不活性ガス雰囲気下、500〜800℃程度の範囲で10秒〜12時間程度が挙げられる。乾燥及び焼成は、単一の温度で1回のみ行ってもよいし、温度を変化させて2回以上行ってもよい。半導体層が複数の場合には、平均粒径の異なる半導体微粒子懸濁液を準備し、塗布、乾燥及び焼成の工程を2回行ってもよい。
導電性基板上に多孔性半導体層を形成した後、半導体微粒子同士の電気的接続の向上、多孔性半導体層の表面積の増加、半導体微粒子上の欠陥準位の低減を目的として、例えば、多孔性半導体層が酸化チタンからなる場合、四塩化チタン水溶液を用いて多孔性半導体層を前処理してもよい。
(増感色素)
多孔性半導体層には2種類の増感色素を吸着させる。
増感色素としては、有機色素や金属錯体色素を用いることができる。有機色素は、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素等が挙げられる。
金属錯体色素においては、Cu,Ni,Fe,Co,V,Sn,Si,Ti,Ge,Cr,Zn,Ru,Mg,Al,Pb,Mn,In,Mo,Y,Zr,Nb,Sb,La,W,Pt,Ta,Ir,Pd,Os,Ga,Tb,Eu,Rb,Bi,Se,As,Sc,Ag,Cd,Hf,Re,Au,Ac,Tc,Te,Rh等の中心金属を有する色素が挙げられる。特に、フタロシアニン系色素、ルテニウムビピリジン系色素等が好ましい。
増感色素の内、吸収ピーク波長を短波長側に有する増感色素の分子量が、吸収ピーク波長を長波長側に有する増感色素の分子量より、50以上小さいことが好ましい。更に、80〜1200の範囲で小さいことが好ましい。
また、増感色素の内、吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素の分子量は650〜2000が好ましく、700〜1500であることがより好ましい。一方、吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素は150〜900が好ましく、200〜700であることがより好ましい。
吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素は、350〜510nmの光波長領域に吸収ピーク波長をもつことが好ましい。吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素は、500〜800nmの光波長領域に吸収ピーク波長をもつことが好ましい。また、2つの増感色素の吸収ピーク波長の差は、10〜400nmであることが好ましい。
2種の増感色素の割合は、吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素に対して、吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素のモル比が0.1〜10の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.2〜4の範囲である。吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素が0.1より少ない場合、短波長側の光を十分に吸収できなくなるので好ましくなく、10より多い場合、長波長側の光を十分に吸収できなくなるので好ましくない。
前記増感色素の中で、吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素は、ルテニウム系金属錯体色素やターピリジン系ルテニウム錯体がより好ましく、特に以下の構造式で示すRuthenium535色素(化合物1、分子量705、吸収ピーク波長538nm、Solaronix社製)、Ruthenium535−bisTBA色素(化合物2、分子量1203、吸収ピーク波長535nm、Solaronix社製)、Ruthenium620−1H3TBA色素(化合物3、分子量1363、吸収ピーク波長620nm、Solaronix社製)が好ましい。
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吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素は、例えば、以下の構造式で示すNK−3985(化合物4、分子量357、吸収極大波長472nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2311(化合物5、分子量418、吸収極大波長504nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2586(化合物6、分子量444、吸収極大波長470nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2569(化合物7、分子量387、吸収極大波長489nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2577(化合物8、分子量394、吸収極大波長470nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2510(化合物9、分子量338、吸収極大波長430nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2398(化合物10、分子量367、吸収極大波長490nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2393(化合物11、分子量437、吸収極大波長500nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2553(化合物12、分子量242、吸収極大波長455nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2554(化合物13、分子量362、吸収極大波長460nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2590(化合物14、分子量562、吸収極大波長430nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2595(化合物15、分子量602、吸収極大波長500nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2672(化合物16、分子量550、吸収極大波長454m、林原生物化学研究所製)、NKX−2718(化合物17、分子量471、吸収極大波長460nm、林原生物化学研究所製)、NKX−2656(化合物18、分子量607、吸収極大波長490nm、林原生物化学研究所製)、S0313(化合物19、分子量352、吸収極大波長426nm、日本シイベルヘグナー社製)、S0312(化合物20、分子量385、吸収極大波長426nm、日本シイベルヘグナー社製)、S0294(化合物21、分子量336、吸収極大波長428nm、日本シイベルヘグナー社製)、S0308(化合物22、分子量282、吸収極大波長454nm、日本シイベルヘグナー社製)、S0280(化合物23、分子量316、吸収極大波長476nm、日本シイベルヘグナー社製)、S0279(化合物24、分子量330、吸収極大波長479nm、日本シイベルヘグナー社製)、S0056(化合物25、分子量316、吸収極大波長487nm、日本シイベルヘグナー社製)、S0285(化合物26、分子量344、吸収極大波長491nm、日本シイベルヘグナー社製)、Coumarin343(化合物27、分子量285、吸収極大波長409nm、日本シイベルヘグナー社製)、Coumarin4(化合物28、分子量176、吸収極大波長372nm、日本シイベルヘグナー社製)、日本化薬社製の色素(化合物29、分子量377、吸収極大波長420、440nm)等が挙げられる。
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多孔性半導体層へ強固に吸着させるため、増感色素は、その分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、スルホン基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基等のインターロック基を有するものが好ましい。インターロック基を有する場合、この基を介して増感色素を多孔性半導体層により強固に固定できる。その結果、励起状態の増感色素と多孔性半導体層の伝導体との間の電子の移動を容易にすることができる。言い換えると増感色素と多孔性半導体層の電気的結合を向上できる。
また、増感色素の吸光係数は大きい方が、少量で多くの光を吸収できるために好ましい。特に、吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素よりも吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素の吸光係数が大きい方が好ましい。吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素の吸光係数は2000以上であることが好ましい。
(増感色素の吸着法)
増感色素は、多孔性半導体層に吸着させることにより半導体を分光増感させることができる。増感色素の吸着は、多孔性半導体層の形成用の半導体微粒子に行っても、多孔性半導体層に行ってもよい。通常は多孔性半導体層を形成後に吸着させた方が、半導体微粒子に吸着させるより、増感色素の吸着性が向上するので好ましい。
増感色素を半導体(半導体微粒子又は多孔性半導体層)に吸着させる方法としては、増感色素を含有した溶液中に、よく乾燥した半導体を浸漬させるか、もしくは色素溶液を半導体に塗布して吸着させる方法が挙げられる。この内、浸漬により半導体に増感色素を吸着させる方法が一般的である。
色素溶液の溶媒としては、使用する増感色素を溶解するものが好ましい。具体的には、アルコール、トルエン、アセトニトリル、THF、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤が挙げられる。通常は、前記の溶媒は精製されたものを用いることが好ましい。増感色素の溶解性を向上させるために溶解温度を上げるか、2種類以上の異なる溶剤を混合してもよい。溶媒中の色素濃度は、使用する増感色素、溶媒の種類、色素吸着方法の条件に応じて調整できる。増感色素の濃度は、1×10-5モル/リットル以上が好ましい。
本発明においては、多孔性半導体層に2種類の増感色素を吸着させる必要がある。吸着方法としては、2種類の増感色素を同一の溶媒に溶解させた色素溶液を調整し、多孔性半導体層を前記色素溶液に浸漬する方法がある。また、1種類の増感色素を溶解させた色素溶液に多孔性半導体層を浸漬させて色素を吸着させた後に、他方の増感色素を溶解させた溶液に多孔性半導体層を浸漬させて他方の色素を吸着させる方法がある。別々に色素を吸着させる場合、色素を吸着させる順番は、吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素を吸着させた後、吸収ピーク波長が短波長側にある色素を吸着させるのが好ましい。
増感色素の吸着量は、少ないと増感効果が不十分になることがある。逆に多いと、多孔性半導体層に吸着していない色素が浮遊して、これが増感効果を減じ、効率効果をもたらす原因ともなることがある。増感色素の吸着量は、多孔性半導体層あたり、10-4〜10-3mol/cm3の範囲であることが好ましい。
必要に応じて、増感色素同士や、増感色素と添加剤との会合を防止させ、増感色素に一定の方向性をもたらすために、比較的低分子の共吸着性の化合物を加えてもよい。共吸着性の化合物としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基を有するコール酸等のステロイド化合物が挙げられる。
未吸着の増感色素は、吸着工程後に速やかに洗浄することにより除去してもよい。洗浄剤は比較的揮発性の高い有機溶剤を用いるのがよい。有機溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、アセトン等の比較的乾燥しやすい溶剤が挙げられる。
また、未吸着の増感色素の除去後、吸着状態をより安定にするために半導体微粒子の表面を有機塩基性化合物で処理して、未吸着の増感色素の除去を促進させてもよい。有機塩基性化合物としては、ビピリジン、キノリン等の誘導体が挙げられる。有機塩基性化合物は、液体の場合はそのまま用いてもよい。固体の場合は、溶剤(例えば、色素溶液と同じ溶剤)に溶解して用いることが好ましい。
(対極)
対極は、半導体電極(多孔性半導体層)と共に一対の電極を構成し得るものである。通常、支持基板上に形成される。対極は、支持基板側から導電層、触媒層の順の積層体からなる構成を有していてもよい。
支持基板としては、通常太陽電池の基板として使用できる透明又は不透明の基板が挙げられる。
次に、導電層は透明でもよいし、不透明であってもよい。例えば、N型又はP型の元素半導体(例えば、シリコン、ゲルマニウム等)又は化合物半導体(例えば、GaAs、InP、ZnSe、CsS等);金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;ITO、SnO2、CuI、ZnO等の透明導電材料からなる層が挙げられる。導電層の膜厚は0.1〜0.5μm程度が適当である。これらの導電層は、常法によって形成できる。
また、触媒層としては、白金、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等の層が挙げられる。白金の場合、触媒層は、スパッタ、塩化白金酸の熱分解、電着等の方法によって、導電層で被覆された支持基板上に形成できる。白金からなる触媒層の厚さは、0.5〜1000nm程度が挙げられる。
なお、触媒層の電気伝導性が高い場合には、導電層を設けなくてもよい。
(キャリア輸送層)
キャリア輸送層は、電子、ホール及び/又はイオンを輸送できる導電性材料から構成されることが好ましい。例えば、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルアミン等のホール輸送材料;テトラニトロフロレノン等の電子輸送材料;ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性ポリマー;液体電解質、高分子電解質等のイオン導電体;ヨウ化銅、チオシアニン酸銅等の無機p型半導体が挙げられる。
上記の導電性材料の中でも、イオンを輸送できる導電性材料、すなわちイオン導電体が好ましい。
(液体電解質)
液体電解質は、酸化還元性電解質を含むことが好ましい。
酸化還元性電解質としては、一般に、電池や太陽電池等において使用できるものであれば特に限定されない。具体的には、I-/I3 -系、Br2 -/Br3 -系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系等の酸化還元性電解質が挙げられる。
酸化還元性電解質の具体例としては、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI)等の金属ヨウ化物とヨウ素(I2)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンンモニウムアイオダイド(THAI)等のテトラアルキルアンンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、及び臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr)等の金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましい。これらの中でもLiIとI2の組み合わせが特に好ましい。
また、液体電解質の溶剤としては、プロピレンカーボネート等のカーボネート系、アセトニトリル等のニトリル系、エタノール等のアルコール系、その他、水や非プロトン極性物質等が挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。
これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
液体電解質には、種々の添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、t−ブチルピリジン(TBP)等の含窒素芳香族化合物、あるいは、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、へキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)等のイミダゾール塩を添加してもよい。
液体電解質中の電解質濃度は、0.1〜1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.1〜0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。
(高分子電解質)
次に、高分子電解質としては、酸化還元種と、酸化還元種を溶解あるいは酸化還元種を構成する少なくとも1つの物質と結合できる固体状の物質とからなることが好ましい。固体状の物質としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンサクシネート、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンスルフィド等の高分子化合物又はそれらの架橋体、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキサイド等の高分子官能基に、ポリエーテルセグメント又はオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として付加したもの又はそれらの共重合体等が挙げられ、その中でも特に、オリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として有するものやポリエーテルセグメント構造を側鎖として有するものが好ましい。
酸化還元種は、上記液体電解質で挙げたものと同様のものを使用できる。
固体状の物質中に酸化還元種を含有させるには、例えば、高分子化合物となるモノマーを、酸化還元種との共存下で重合させる方法、高分子化合物等の固体を必要に応じて溶媒に溶解し、得られた溶液に酸化還元種を加えて、溶媒を除去する方法等が挙げられる。酸化還元種の含有量は、必要とするイオン導電性能に応じて、適宜選定できる。
(スペーサー)
また、対極と多孔性半導体層との接触を防止するために、スペーサーを用いてもよい。スペーサーとしては、ポリエチレン等の高分子フィルムが挙げられる。フィルムの膜厚は、多孔性半導体層が酸化チタンからなる場合、その膜厚とキャリア輸送層のイオンの移動度を考慮すると10〜50μmくらいが適当である。
また、上記色素増感太陽電池(ユニットセル)を2つ以上直列接続させて、色素増感太陽電池モジュールとしてもよい。このモジュールは、高い変換効率を実現できる。
以下の実施例及び比較例を、本発明の色素増感太陽電池の層構成を示す模式断面図である図1に基づいて説明する。図1において、1、9は支持基板、2、8は透明導電膜、3は白金層、4はキャリア輸送層、5は色素I(吸収ピーク波長が長波長側にある増感色素)、6は色素II(吸収ピーク波長が短波長側にある増感色素)、7は多孔性半導体であり、e-と矢印は電子の流れを示す。なお、透明導電膜2と白金層3とを合わせて対極ともいう。
実施例1
・多孔性半導体層の作製
透明導電膜8として膜厚1μmのSnO2膜を蒸着した厚さ1.1mmのガラス板(日本板硝子社製)の支持基板9の透明導電膜8側に、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、Ti nanoxide D/SP)をスクリーン印刷により、10μm程度の膜厚、10mm×10mm程度の面積で、透明導電膜8の上に塗布した。得られた塗膜を、100℃で30分間予備乾燥した後、大気雰囲気中で500℃にて40分間焼成することで、多孔性半導体層7として膜厚8μmの酸化チタンを得た。
・増感色素の吸着
増感色素5(色素I)としてトリス(イソチオシアナト)−ルテニウム(II)−2,
2’:6’,2’’−ターピリジン−4,4’,4’’−トリカルボン酸のトリス−テトラブチルアンモニウム塩(化合物3、分子量1363、吸収ピーク波長620nm、商品名Ruthenium620−1H3TBA、Solaronix社製)を濃度2×10-4モル/リットルとなるように、アセトニトリル(キシダ化学社製)及び2−ブタノール(キシダ化学社製)の混合溶媒に溶解させた。この溶液に、デオキシコール酸(Aldrich社製)を濃度2×10-2モル/リットルとなるように、加えて溶解させ、色素Iの吸着用溶液を得た。
更に、増感色素6(色素II)としてNKX−2311(化合物5、分子量418、吸収極大波長504nm、林原生物化学研究所製)を濃度2×10-4モル/リットルとなるように色素Iの吸着用溶液に溶解させ、色素I及び色素IIの吸着用溶液を得た。
得られた色素I及び色素IIの吸着用溶液に、上記ガラス板を約20時間浸漬させることにより色素I及び色素IIを多孔性半導体層に吸着させた。その後、約70℃で約10分間乾燥させた。
・酸化還元性電解液の作製
濃度0.1モル/リットルとなるようにヨウ化リチウム(Aldrich社製)を、濃度0.6モル/リットルとなるようにジメチル−プロピルイミダゾリウムアイオダイド(四国化成製)を、濃度0.05モル/リットルとなるようにヨウ素(Aldrich社製)を、アセトニトリル(Aldrich社製)に溶解させて、キャリア輸送層4として用いる酸化還元性電解液を作製した。
・太陽電池の作製
透明導電膜2を備えた支持基板1(上述ガラス板と同じ基板)の透明導電膜2側に白金膜を1μm蒸着して対極としての白金層3を形成した。
この対極と上記で得られた多孔性半導体層を短絡防止のためのスペーサーを挟んで重ねた。酸化還元性電解液を支持基板1と9の間隙より注入し、それらの側面を樹脂でシールした。次いで、各電極にリード線を取り付けることで、太陽電池を得た。
得られた太陽電池に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、特性(Jsc、Voc、FF、光電変換効率)を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
色素IIにNKX−2569(化合物7、分子量387、吸収極大波長489nm、林原生物化学研究所製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、特性の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例3
色素IIにNKX−2554(化合物13、分子量362、吸収極大波長460nm、林原生物化学研究所製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、特性の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例4
色素IIにNKX−2718(化合物17、分子量471、吸収極大波長460nm、林原生物化学研究所製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、特性の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例5
色素IIにNKX−2656(化合物18、分子量607、吸収極大波長490nm、林原生物化学研究所製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し、特性の測定を行った。結果を表1に示す。
比較例1
色素IIを用いずに実施例1と同様にして太陽電池を作製し、特性の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例6
図2に示す4個のユニットセルを直列に接続した集積化された色素増感太陽電池モジュールの作製を行った。その製造工程を以下に示す。
支持体21として10cm×10cmの日本板硝子社製SnO2付きガラス基板を用いた(透明導電膜22=フッ素ドープ酸化スズ)。幅10mm、隣り合うユニットセルの間隔を350μmの短冊状になるように、SnO2にレーザー光(YAGレーザー)を照射し、SnO2を蒸発させることによりパターニングを行った。
前記支持体上に、多孔性半導体層23を実施例1と同様の方法で形成し、ユニットセルの半導体層の大きさが、横10mm×縦90mm×膜厚15μmとなるようにした。
色素Iとしてトリス(イソチオシアナト)−ルテニウム(II)−2,2’:6’,2’’−ターピリジン−4,4’,4’’−トリカルボン酸のトリス−テトラブチルアンモニウム塩(商品名Ruthenium620−1H3TBA、Solaronix社製)を濃度2×10-4モル/リットルとなるように、アセトニトリル(キシダ化学社製)及び2−ブタノール(キシダ化学社製)の混合溶媒に溶解させた。この溶液に、デオキシコール酸(Aldrich社製)を濃度2×10-2モル/リットルとなるように、加えて溶解させた。
更に、色素IIとしてNKX−2554(化合物、吸収極大波長460nm、林原生物化学研究所製)を濃度2×10-4モル/リットルとなるように添加して溶解させ、色素吸着用溶液を作製した。
次に、得られた吸着用溶液に上記ガラス板を約20時間浸漬させることにより増感色素を多孔性半導体層に吸着させた。その後、多孔性半導体層をエタノール(Aldrich社製)で洗浄・乾燥した。
更に、パターニングを施した支持体21と同様の透明導電膜26を備えた支持体29を用意し、SnO2と同じパターンが形成されるように、スパッタにより約3000nmの膜厚で白金層25(対極)を成膜した。
絶縁層28としてデュポン社製ハイミラン1855を1mm×95mmで切り出したものを用いて、図2の形状となるように両支持体を貼り合わせ、約100℃のオーブン中で10分間加熱することにより圧着した。その後、絶縁層の間隙に、支持基板29に設けた封入口(図示せず)より市販の導電性ペースト(藤倉化成製、商品名「ドータイト」)を注入し、乾燥させることにより、接続層27を形成した。
濃度0.1モル/リットルとなるようにヨウ化リチウム(Aldrich社製)を、濃度0.6モル/リットルとなるようにジメチル―プロピルイミダゾリウムアイオダイド(四国化成製)を、濃度0.05モル/リットルのヨウ素(Aldrich社製)を、アセトニトリル(Aldrich社製)に溶解させて、キャリア輸送層24として用いる酸化還元性電解液を作製した。
酸化還元性電解液を、電解液封入口10よりキャピラリー効果により注入し、周辺部分をエポキシ樹脂にて封止することにより色素増感太陽電池モジュールの作製を行った。
得られた太陽電池に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、特性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
色素IIを用いずに実施例6と同様にして色素増感太陽電池モジュールを作製し、特性の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005118805
表1に示す結果から、比較例に比べて、本発明の実施例では、開放電圧と短絡電流の向上に伴い、変換効率が向上していることが分かる。よって、本発明により、変換効率の優れた色素増感太陽電池が得られた。
本発明の色素増感太陽電池を示す模式図である。 本発明の色素増感太陽電池モジュールを示す模式図である。
符号の説明
1、9、21、29 支持基板
2、8、22、26 透明導電膜
3、25 白金層
4、24 キャリア輸送層
5 増感色素I
6 増感色素II
7、23 半導体層
27 接続層
28 絶縁層(スペーサー)

Claims (9)

  1. 導電性基板、該導電性基板上に、増感色素を吸着した多孔性半導体層、キャリア輸送層及び対極をこの順で少なくとも有し、前記増感色素が、吸収スペクトルにおける吸収ピーク波長の異なる2種の増感色素からなり、吸収ピーク波長を長波長側に有する増感色素の分子量よりも、吸収ピーク波長を短波長側に有する増感色素の分子量が756〜1200の範囲で小さく、かつ、前記増感色素のそれぞれが積層状となることなく前記多孔性半導体層全体に吸着していることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記吸収ピーク波長を長波長側に有する色素の分子量が、650〜2000であり、前記吸収ピーク波長を短波長側に有する色素の分子量が、150〜900であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記吸着が、ステロイド化合物の存在下に行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記吸収ピーク波長を短波長側に有する色素が、300〜510nmの光波長領域に吸収ピーク波長をもつことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記吸収ピーク波長を長波長側に有する色素が、ルテニウムピリジン錯体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記吸収ピーク波長を長波長側に有する色素が、ターピリジン系ルテニウム錯体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記多孔性半導体層が、酸化チタンからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記多孔性半導体層が、40〜80%の空隙率を有することを特徴とする請求項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 請求項1〜のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池を2つ以上直列接続した色素増感太陽電池モジュール。
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