JP4627427B2 - 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP4627427B2
JP4627427B2 JP2004291745A JP2004291745A JP4627427B2 JP 4627427 B2 JP4627427 B2 JP 4627427B2 JP 2004291745 A JP2004291745 A JP 2004291745A JP 2004291745 A JP2004291745 A JP 2004291745A JP 4627427 B2 JP4627427 B2 JP 4627427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
solar cell
sensitized solar
sensitizing
wavelength region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004291745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006107885A (ja
Inventor
篤 福井
信洋 福家
良亮 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2004291745A priority Critical patent/JP4627427B2/ja
Publication of JP2006107885A publication Critical patent/JP2006107885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4627427B2 publication Critical patent/JP4627427B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Description

本発明は、高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池に関する。
従来、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する方法としては、シリコン結晶太陽電池が良く知られており、すでに微弱電力消費の分野や独立電源、さらには宇宙用電源として利用されている。しかしながら、シリコン単結晶はもちろんのことアモルファスシリコンを製造するにあたっては多大なエネルギーを必要とするので、電池を作るのに費やしたエネルギ−を回収するには、十年近い長期間にわたって発電を続ける必要がある。
こうした状況下、色素を用いた色素増感太陽電池が広く注目されるようになった。この色素増感太陽電池は、たとえば、透明基板上の透明導電膜に形成された増感色素を担持した半導体多孔性電極、対電極およびそれらの電極間に挟持されたキャリア輸送層とから主に構成されており、作成方法の簡便さ、材料コストの低さなどから次世代の太陽電池として期待されている。
該太陽電池の一般的な構造を図1に示す。該太陽電池では、半導体電極19に可視光が照射されると、半導体微粒子13表面上の増感色素14が光を吸収することにより、色素分子内の電子が励起され、励起電子が半導体電極へ注入される。よって、この電極側で電子が発生し、該電子は電気回路を通って支持基板18、導電層17、触媒層16から構成される対電極110に移動する。対電極に移動した電子は、キャリア輸送層15中のホールまたはイオンによって運ばれ、半導体電極に戻る。このような過程が繰返されて電気エネルギーが取出され、高い光電変換効率が実現されている。しかしながら、太陽電池として実用化するためには、更なる光電変換効率の向上が望まれており、この為には発生電流(短絡電流)の増大が望まれている。尚、図中111は透光性支持基板、112は透明導電層を表す。
発生電流の増加を目的として、例えば、特開2000−268892号公報(特許文献1)には、半導体表面に2種以上の増感色素を担持させ、太陽電池の吸収波長領域の拡大により発生電流の増大を目的としたし色素増感太陽電池が提案されている。該色素増感太陽電池は、導電性基板、該導電性基板上に形成された増感色素を吸着した多孔性半導体層、キャリア輸送層、対極を有し、増感色素が吸着された多孔性電極の間隙に、キャリア輸送層が充填された構造をとる。よって、受光面から入射された光は、多孔性電極だけでなく、キャリア輸送層も通過することになる。多孔性電極上の増感色素で吸収された光は、色素内部の電子を励起し、励起された電子は光電流として外部に取り出されるが、キャリア輸送層内に含まれる原子・分子に吸収された光は、原子・分子の失活により、エネルギーとして外部に取り出すことができず、量子効率が低下し、発生電流が低下する。
特開2000−268892号公報では、短波長側に最大吸収波長領域を有する増感色素としてルテニウム錯体色素を用い、長波長側に最大吸収波長領域を有する色素増感太陽電池としてメチン色素を用いており、ルテニウム錯体色素の最大吸収波長領域は、主に540nmから650nmである。300nmから600nmの領域に吸収をもつようなキャリア輸送層、例えば、キャリア輸送層がヨウ素の酸化還元種を含むような場合には、キャリア輸送層の光吸収による損失を無視できず、発生電流の低下が認められる。
また、上記公報における最も好ましい形態として、1種の色素が450nm以上600nm未満に対入射光量子効率の最大値を有し、かつ、1種の色素が600nm以上850nm以下に対入射光量子効率の最大値を有する色素を用いる色素増感太陽電池が好ましい形態として公開されている。この場合、色素増感太陽電池の対入射光量子効率の最大値と増感色素の最大吸収波長領域がほぼ一致することを考慮すると、トリアイオダイドイオンの最大吸収波長領域が約360nmであるため、キャリア輸送層(トリアイオダイドイオン)の光吸収による損失を無視できず、同様に発生電流の低下が認められる。
特開2000−268892号公報
本発明は、上記の問題点を鑑みたものであり、従来ならばキャリア輸送層に吸収され、外部に取り出せない光子エネルギーを、光電流として有効的に外部に取り出すことができる、高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池を提供することであり、さらには、それらを集積化した構造においても優れた性能を示す色素増感太陽電池モジュールを提供することである。
本発明によれば、導電性基板、該導電性基板上に形成された増感色素を吸着した多孔性半導体層、キャリア輸送層および対極を有し、
前記多孔性半導体層に2種の増感色素が吸着されており、
前記増感色素の一方が、キャリア輸送層の光吸収波長領域における300nmから450nmの波長領域に、吸収スペクトルにおける最大吸収波長領域を持つ、メロシアニン系またはクマリン系の有機色素であり、
前記増感色素の他方が、前記有機色素よりも長波長側に、吸収スペクトルにおける最大吸収波長領域を持つ、ルテニウム系金属錯体色素であり、
前記有機色素の吸光係数が、前記ルテニウム系金属錯体色素の吸光係数よりも大きいことを特徴とする色素増感太陽電池が提供される。
また、前記増感色素の吸光係数は、大きければ大きいほどよいが、キャリア輸送層の吸光係数よりも大きいことが好ましく、その場合、効率良く光を吸収することができ、短絡電流が大幅に改善される。よって、キャリア輸送層の光吸収領域に最大吸収波長領域をもつ色素は、吸光係数が大きなメロシアニン系、あるいはクマリン系などの有機色素であることが好ましい。
さらに、一般に、短波長光波は、受光面付近に配置される多孔性半導体電極により散乱・吸収され、長波長光波は、受光面から遠い位置に配置される多孔性半導体電極により散乱・吸収される傾向があることを考慮すると、本発明のより好ましい形態は、キャリア輸送層の光吸収波長領域に、吸収スペクトルにおける最大吸収波長領域持つ増感色素を吸着した多孔性半導体層が、他の増感色素よりも受光面側に配置される。このように配置することにより、効率良く光を吸収することができ、発生電流を向上させることができる。
また、本発明によれば、上記の色素増感太陽電池をユニットセルとし、該ユニットセルを2つ以上直列接続することを特徴とする色素増感太陽電池モジュールが提供される。
該色素増感太陽電池では、従来の色素増感太陽電池においてキャリア輸送層により吸収され、外部に取り出せない光子エネルギーを、キャリア輸送層の光吸収波長領域に最大吸収波長領域をもつ増感色素が吸収するため、光電流として有効的に外部に取り出すことができる。該色素増感太陽電池では、キャリア輸送層の光吸収波長領域における対入射光量子収率が大幅に改善し、対入射光量子収率と導電性基板の光透過率との比(対入射光量子収率/導電性基板の光透過率)が向上し、短絡電流の増加をもたらす。対入射光量子収率(IPCE)とは、任意波長(領域)の光を照射した場合に、外部回路に取り出される光電子数を照射した光子数で割った値である。
(導電性基板)
本発明において、半導体電極は、導電性基板上に形成される。
本発明で用いる導電性基板としては、金属のように支持体自体が導電性を有するもの、またその表面に導電層を有するガラス、プラスチック等の支持体が利用できる。後者の場合、好ましい導電材料は、金、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム等の金属、導電性カーボン、もしくは、インジウム錫複合酸化物、酸化錫にフッ素をドープしたもの、酸化亜鉛等が挙げられ、常法によって、該支持体上に形成される。これらの導電層の膜厚は0.02〜5μm程度が好ましい。導電性基板としては表面抵抗が低い程良く、表面抵抗は40Ω/sq以下であることが好ましい。また、該支持体の膜厚は、光電極に適当な強度を付与することができるものであれば特に限定されないが、受光面となる支持体は、透明であることが好ましい。
これらの点及び機械的な強度を考慮にいれると、酸化錫にフッ素をドープしたものからなる導電層をソーダ石灰フロートガラスからなる透明性基板上に積層したものは代表的な支持体として挙げられる。
またコスト面、フレキシブル面等を考慮にいれると、透明ポリマーシート上に上記導電層を設けたものを用いたものでもよい。透明ポリマーシートとしては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
透明導電性基板の抵抗を下げるために金属リード線を加えてもよい。金属リード線の材質としては、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ニッケル、チタン等がこのましい。金属リード線は支持基板上にスパッタ、蒸着等で設置し、その上に酸化錫、ITO等の透明導電膜を設けてもよい。また、酸化錫、ITO等の透明導電膜を設けた後、金属リード線をスパッタ、蒸着等で設けてもよい。ただし、金属リード線を設けることにより、入射光量の低下を招き注意が必要である。
さらに、該導電性基板が受光面でない場合には、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン等の金属基板を用いてもよい。
(多孔性半導体層)
多孔性半導体層に用いられる半導体は、一般に光電変換材料に使用されるものであればどのようなものでも使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2、SrCu22等の単独、化合物又は組み合わせが挙げられる。その中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブが好ましく、安定性及び安全性の点から、酸化チタンが好ましい。
この酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタン及び水酸化チタン、含水酸化チタン等を包含する。アナターゼ型とルチル型の2種類の結晶は、その製法や熱履歴によりいずれの形もとりうるが、アナターゼ型が一般的である。特に本発明の有機色素の増感に関しては、アナターゼ型の含有率の高いものが好ましくその割合は80%以上が好ましい。なおアナターゼ型はルチル型より光吸収の長波端波長が短く、紫外光による光電変換の低下を起こす度合いが小さい。
本発明において、これらの半導体から1種またはそれ以上を選択することができる。
これら半導体は、単結晶、多結晶のいずれでもよいが、安定性、結晶成長の困難さ、製造コスト等より、多結晶の方がより好ましい。特に微粉末(ナノからマイクロスケール)の多結晶半導体が好ましい。また、2種類以上の粒子サイズの異なる粒子を混合して用いてもよい。この場合各粒子の材料は同一でも異なっていてもよい。異なる粒子サイズの平均粒径の比率は10倍以上の差がある方が良く、粒径の大きいもの(100〜500nm)は、入射光を散乱させ光捕捉率を上げる目的で、粒径の小さいもの(5nm〜50nm)は、吸着点をより多くし色素吸着を良くする目的で混合して用いてもよい。特に半導体化合物の異なる場合、吸着作用の強い半導体の方を小粒径にした方が効果的である。
最も好ましい半導体微粒子の形態である酸化チタンの作製については、各種文献等に記載されている方法に準じて行うことが出来る。例えば「新合成法:ゾルーゲル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」第35巻、第9号1012〜1018頁(1995)等が代表的なものとして挙げることができる。またDegussa社が開発した塩化物を高温加水分解により、得る方法も適している。
(多孔性半導体層の作製方法)
多孔性半導体層の形成は、例えば、透明導電膜上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥及び/又は焼成する方法が挙げられる。
上記の方法は、まず、半導体微粒子を適当な溶媒に懸濁する。そのような溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエン等のアルコール系混合溶媒、水等が挙げられる。また、これらの懸濁液にの代わりに市販の酸化チタンペースト(Ti−nanoxide、D、T/SP、D/SP、Solaronix社製)を用いてもよい。
半導体層形成のための半導体微粒子懸濁液の基板への塗布は、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。その後、塗布液を乾燥及び焼成する。乾燥及び焼成に必要な温度、時間、雰囲気等は、使用される基板及び半導体粒子の種類に応じて、適宜調整することができ、例えば、大気下又は不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲で10秒〜12時間程度が挙げられる。乾燥及び焼成は、単一の温度で1回のみ行ってもよいし、温度を変化させて2回以上行ってもよい。半導体層が複数層の場合には、平均粒径の異なる半導体微粒子懸濁液を準備し、塗布、乾燥及び焼成の工程を2回以上行ってもよい。
半導体各層の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.1〜100μm程度が挙げられる。
また、別の観点から、半導体層の表面積が大きいものが好ましく、例えば、10〜200m2/g程度が挙げられる。
導電性基板上に多孔性半導体層を形成した後、半導体微粒子同士の電気的接続の向上、多孔性半導体層の表面積の向上、半導体微粒子上の欠陥準位の低減を目的として、例えば、多孔性半導体層が酸化チタン膜の場合、四塩化チタン水溶液で半導体層を処理してもよい。
(キャリア輸送層)
キャリア輸送層は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料から構成される。例えば、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルアミンなどのホール輸送材料;テトラニトロフロレノンなどの電子輸送材料;ポリチオフェン、ポリピロールなどの導電性ポリマー;液体電解質、高分子電解質などのイオン導電体;ヨウ化銅、チオシアン酸銅などの無機p型半導体が挙げられる。
上記の導電性材料の中でもイオン導電体が好ましく、酸化還元性電解質を含む液体電解質が特に好ましい。このような酸化還元性電解質としては、一般に、電池や太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。具体的には、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、フェロセン、キノン/ハイドロキノン系等の酸化還元種を含有させる。
ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとI2の組み合わせが特に好ましい。
また、液体電解質の溶剤としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、その他、水や非プロトン極性物質などが挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
従来から用いられている添加剤として、t-ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、あるいはジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩を添加してもよい。
液体電解質中の電解質濃度は、0.1〜1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.1〜0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。
次に、高分子電解質としては、酸化還元種を溶解あるいは酸化還元種を構成する少なくとも1つの物質と結合することができる固体状の物質であり、たとえば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンサクシネート、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンスルフィドなどの高分子化合物またはそれらの架橋体、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキサイドなどの高分子官能基に、ポリエーテルセグメントまたはオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として付加したものまたはそれらの共重合体などが挙げられ、その中でも特にオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として有するものやポリエーテルセグメントを側鎖として有するものが好ましい。
前記の固体中に酸化還元種を含有させるには、たとえば、高分子化合物となるモノマーと酸化還元種との共存下で重合する方法、高分子化合物などの固体を必要に応じて溶媒に溶解し、次いで、前記の酸化還元種を加えてもよい。酸化還元種の含有量は、必要とするイオン伝導性能に応じて、適宜選定することができる。
(増感色素)
該半導体電極(光電極)の半導体層には2種以上の増感色素を吸着させる。
本発明において、少なくとも1種の増感色素は、キャリア輸送層の光吸収波長領域に、吸収スペクトルにおける最大吸収波長領域を持つ。さらに、該増感色素は、吸光係数が大きいほど良く、有機色素であることが好ましい。有機色素は、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クマリン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが好ましく、メロシアニン系色素、クマリン系色素がより好ましい。
一般に、メロシアニン系色素およびクマリン色素は、キャリア輸送層中に含まれるトリアイオダイドイオン等の吸収領域に色素の最大吸収波長領域を持つことができ、かつ、吸光係数が、遷移金属に分子が配位結合した形態をとる金属錯体色素に比べて大きい。具体的には、色素は、300nmから600nm、より好ましくは300nmから450nmの光吸収波長領域に、最大吸収波長領域を持つことが好ましい。
また、本発明においては、色素と半導体と強固に吸着するため、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが必要である。一般的に、色素は、前記インターロック基を介して半導体に固定され、励起状態の色素と半導体の伝導帯との間の電子の移動を容易にする電気的結合を提供する働きも持つ。
具体的には、キャリア輸送層がヨウ素(トリアイオダイドイオン)を含む酸化還元種を有する場合、前記増感色素は、NK−3390(化合物1、吸収極大波長360nm、林原生物化学研究所製)、NK−3705(化合物2、吸収極大波長426nm、林原生物化学研究所製)、NK−3994(化合物3、吸収極大波長434nm、林原生物化学研究所製)、NKX−1318(化合物4、吸収極大波長372nm、林原生物化学研究所製)、NKX−1769(化合物5、吸収極大波長436nm、林原生物化学研究所製)、特開2002−334729号報に記載の下記一般式(I)で表される色素(化合物6、吸収極大波長416nm)、NK−2684色素(化合物7、林原生物化学研究所製)、NKX−2311色素(化合物8、林原生物化学研究所製)、NKX−2569色素(化合物9、林原生物化学研究所製)等を用いることができる。
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
前記キャリア輸送層を構成する材料と前記色素の組み合わせは、それぞれの吸収波長を考慮すると、表1のような組み合わせが例として挙げられる。
Figure 0004627427
他の増感色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つものを用いることができる。前記した有機色素に加え、金属錯体色素を用いることができる。金属錯体色素の場合においては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの金属が用いられ、フタロシアニン系色素、ルテニウムビピリジン系色素などが好ましく用いられる。
前記増感色素の中で、ルテニウム系金属錯体色素がより好ましく、特にRuthenium535色素(化合物8、Solaronix社製)、Ruthenium535−bisTBA色素(化合物9、Solaronix社製)、Ruthenium620−1H3TBA色素(化合物10、Solaronix社製)であることが好ましい。
Figure 0004627427
Figure 0004627427
Figure 0004627427
(色素吸着)
本発明の有機色素を半導体に吸着さすことにより半導体を分光増感させることが必要である。色素の吸着は半導体微粒子に導電性基板に塗布する前に行っても、塗布後に行ってもよい。通常は半導体微粒子を塗布した後に色素を吸着させた方が色素の吸着性の面からも好ましい。光増感色素を半導体に吸着させる工程において、光増感色素を含有した溶液中に、よく乾燥した多孔性半導体層を浸漬さすか、もしくは色素溶液を多孔性半導体層上に塗布して吸着させる方法が用いられるが、浸漬により多孔性半導体表面に該光増感色素を吸着させる方法が一般的である。
前記の色素溶液の溶媒としては、使用する光増感色素を溶解するものであればよく、具体的には、アルコール、トルエン、アセトニトリル、THF、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒を用いることができる。通常は前記の溶媒は精製されたものを用いることが好ましい。色素の溶解性を向上させるために溶解温度を上げるか、2種類以上の異なる溶剤を混合することも必要となってくる。溶媒中の色素濃度は、使用する色素、溶媒の種類、色素吸着工程のための条件等に応じて調整することができる。色素の濃度は、1×10-5モル/リットル以上が好ましい。
本発明において、多孔性半導体層に2種以上の増感色素を吸着させる必要があるが、例えば、特開2000−268892号公報に開示されている、2種以上の増感色素を同一の溶媒に溶解させた色素溶液を調整し、多孔性半導体層を前記色素溶液に浸漬する方法がある。
さらに、本発明では、多孔性半導体層において、キャリア輸送層の光吸収波長領域に、吸収スペクトルにおける最大吸収波長領域持つ増感色素が、他の増感色素よりも受光面側に配置されることが好ましいが、これは、特開2003−249274号公報、特開2003−249275号公報、特開2002−222971号公報に開示されている方法にて作製できる。
光増感色素を含有した液体に半導体を浸漬する工程において、温度、圧力、浸漬時間は必要に応じて変えることができる。浸漬は、1回または複数回行ってもよい。また、浸漬の工程の後、適宜乾燥を行ってもよい。上述した方法により半導体に吸着された色素は、光エネルギーにより電子を半導体に送る光増感剤として機能する。
本発明の増感色素の吸着については、色素量が少ないと増感効果が不十分になり、逆に色素量が多いと、半導体に吸着していない色素が浮遊して、これが増感効果を減じ、効率低下をもたらす原因ともなる。場合によっては、色素同志の会合を防止させ、色素に一定の方向性をもたらすために、共吸着性の比較的低分子の化合物をくわえてもよい。共吸着性の化合物としてはカルボキシル基、カルボン酸無水物基を有するコール酸等のステロイド化合物が挙げられる。
未吸着の有機色素の存在は、吸着後は速やかに洗浄により除去してもよい。洗浄溶剤は有機色素の比較的揮発性の高いものを用いるのがよい。これら溶剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、アセトン等の比較的乾燥しやすい溶剤を用いる。
また、余分な色素の除去後、吸着状態をより安定にするために半導体微粒子の表面を有機塩基性化合物を処理して、未反応色素の除去を促進させることも必要となってくる。これら化合物としては、ピリジン、キノリン等の誘導体が挙げられる。これら材料が液体の場合はそのまま用いてもよいが、固体の場合なんらかの(好ましくは色素溶解と同じ)溶剤に溶解して用いてもよい。
(対電極)
対電極は、支持基板に形成された半導体電極とともに一対の電極を構成し得るものである。対電極は、支持基板上に導電層、触媒層を形成することにより作製される。
支持基板は、通常太陽電池の基板として使用することができる透明又は不透明の基板等を使用することができる。導電膜は透明でもよいし、不透明であってもよい。例えば、N型又はP型の元素半導体(例えば、シリコン、ゲルマニウム等)又は化合物半導体(例えば、GaAs、InP、ZnSe、CsS等);金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;ITO、SnO2、フッ素ドープのSnO2、CuI、ZnO等の透明導電材料からなる膜が挙げられる。
これらの導電膜は、常法によって形成され、その膜厚は0.1μm〜5μm程度が適当である。触媒層の材料は、白金、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレンなどから選ぶことができる。白金の場合、スパッタ、塩化白金酸の熱分解、電着などの方法によって導電膜が被覆された支持基板上に膜を形成させたもの等が挙げられる。この場合の白金膜の膜厚は、0.5nm〜1000nm程度が挙げられる。触媒層の電気伝導性が高い場合には、導電層は必要ない。
(スペーサー)
また半導体薄膜電極との接触を防止するために、スぺーサーを用いることも必要になってくる。これらスぺーサーとしてはポリエチレン等の高分子フイルムが用いられる。このフイルムの膜厚は、酸化チタンの膜厚とキャリア輸送層のイオンの移動度を考慮すると、10〜50μmぐらいが適当である。
以下に、本発明を示す実施例によって具体的に説明する。
多孔性半導体層に吸着する増感色素は2種(色素I、色素II)とし、太陽電池に使用し
た色素を表1に記載した。比較例の太陽電池2〜4と6〜8の色素Iには、それぞれ、化
合物7、8、9を用い、一般式(I)の色素(化合物6)は、特開2002−33472
9号報で開示されている方法により合成した。太陽電池の作製手順を以下に示す。
(実施例1〜4、6〜13の太陽電池および比較例2〜4、6〜8の太陽電池の作製)
・多孔性半導体層の作製
市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名Ti−Nanoxide D/SP、平均粒径13nm)を、ドクターブレード法により、透明導電膜であるフッ素ドープのSnO2膜が成膜された透明基板であるガラス板(日本板硝子社製)に塗布し、300℃で30分間予備乾燥し、次いで500℃で40分間焼成し、多孔性半導体層として、膜厚12μmの酸化チタン膜を得た。
・色素の吸着
色素IIと色素Iを、それぞれ、3×10-4モル/リットル、2×10-4モル/リットル
の濃度となるようエタノール(Aldrich Chemical Company製)に溶解し、溶液を調製した。さらに、デオキシコール酸を2×10-2モル/リットルの濃度となるようにこの溶液に溶解した。
次に、酸化チタン膜を形成したガラス板を、この溶液中に12時間保持し、増感色素を酸化チタン膜に吸着させた。その後、該電極をエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄・乾燥を行い、色素が吸着された多孔性半導体層を得た。
・酸化還元性電解液の作製
キャリア輸送層として用いる酸化還元性電解液は、アセトニトリル(Aldrich Chemical Company製)に、濃度0.1モル/リットルのヨウ化リチウム(Aldrich Chemical Company製)、濃度0.05モル/リットルのヨウ素(Aldrich Chemical Company製)、濃度0.5モル/リットルのTBP(Aldrich Chemical Company製)、濃度0.6モル/リットルのジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII、四国化成製)を溶解させて作製した。
・太陽電池の作製
上述したものと同じ透明導電性ガラス板に白金膜を1μm蒸着して対電極を形成した。この対電極と上記で得られた光電変換層を短絡防止のためのスペーサーを挟んで重ねた。酸化還元性電解液を間隙より注入し、それらの側面を樹脂でシールした。各電極にリード線を取付けて、太陽電池を得た。
導電性基板ガラスの透過率を分光光度計にて測定し、得られた太陽電池の対入射光量子収率を分光感度測定装置で測定した。波長360nmにおける対入射光量子収率、基板ガラスの透過率、対入射光量子収率と基板ガラスの透過率の比を表2に示す。
また、得られた太陽電池に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例5の太陽電池の作製)
色素吸着を特開2003−249274号公報に開示されている方法で行った以外は、太陽電池1〜4と同様にして太陽電池を作製し、測定を行った。
(比較例1の太陽電池の作製)
色素溶液を以下のように調整した以外は、太陽電池1〜4と同様にして太陽電池を作製し、測定を行った。
・色素溶液の調整
色素II(化合物11)を、3×10-4モル/リットルの濃度となるようエタノール(Al
drich Chemical Company製)に溶解した。
(実施例14)
色素IIとして化合物12を用いた以外は、実施例5の太陽電池と同様にして太陽電池を
作製し、測定を行った。
導電性基板ガラスの透過率を分光光度計にて測定し、得られた太陽電池の対入射光量子収率を分光感度測定装置で測定した。波長360nmにおける対入射光量子収率、基板ガラスの透過率、対入射光量子収率と基板ガラスの透過率の比を表2に示す。
また、得られた太陽電池に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。その結果を表3に示す。
(実施例15)
図2に示す4個のユニットセルを直列に接続した集積化された色素増感型太陽電池モジュールの作製を行った。その製造工程を以下に示す。
支持体211として、10cm×10cmの日本板ガラス社製のSnO2付きガラス基板を用いた(透明導電膜221=フッ素ドープ酸化スズ)。幅1.035cm、隣り合う単位セルの間隔を350μmの短冊状になるように、SnO2にレーザー光(YAGレーザー)を照射しSnO2を蒸発させることによりパターニングを行った。
前記支持体上に、多孔性半導体層27を太陽電池1〜4と同様の方法で形成し、ユニットセルの半導体層の大きさが、横10mm×縦90mm×膜厚15μmとなるようにした。
化合物11と化合物1を、それぞれ、3×10-4モル/リットル、2×10-4モル/リットルの濃度となるようエタノール(Aldrich Chemical Company製)に溶解し、溶液を調製した。さらに、デオキシコール酸を2×10-2モル/リットルの濃度となるようにこの溶液に溶解した。
次に、酸化チタン膜を形成したガラス板を、この溶液中に12時間保持し、増感色素を酸化チタン膜に吸着させた。その後、該電極をエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄・乾燥を行い、色素を吸着させた多孔性半導体層を得た。
さらに、対極212として、パターニングを施した支持体211と同様のものを用意し、SnO2と同じパターンが形成されるように、スパッタにより約3000nmの膜厚で白金層222を成膜した。
絶縁層29として、デュポン社製ハイミラン1855を1mm×95mmで切り出したものを用いて、図2の形状となるように張り合わせ、約100℃のオーブン中で10分間加熱することにより圧着した。その後、絶縁層の間隙に、支持基板に設けた封口より市販の導電性ペースト(藤倉化成製、商品名「ドータイト」)を注入し、乾燥させることにより、接続層2Aを形成した。
電解液として、溶媒をアセトニトリルとし、その中にDMPIIを濃度0.6モル/リットル、LiIを濃度0.1モル/リットル、TBPを濃度0.5モル/リットル、I2を濃度0.05モル/リットル溶解させたものを作製し、電解液封入口2Bより前記電解液をキャピラリー効果により注入し、周辺部分をエポキシ樹脂にて封止することにより色素増感型太陽電池モジュールの作製を行った。
導電性基板ガラスの透過率を分光光度計にて測定し、得られた太陽電池の対入射光量子収率を分光感度測定装置で測定した。波長360nmにおける対入射光量子収率、基板ガラスの透過率、対入射光量子収率と基板ガラスの透過率の比を表2に示す。
また、得られた太陽電池に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。その結果を表3に示す。
(比較例5)
色素溶液を以下のように調整した以外は、上記比較例1の太陽電池と同様にして太陽電池を作製し、測定を行った。
・色素溶液の調整
Ruthenium620 1H−3TBA色素(Solaronix社製)を、4×10-4モル/リットルの濃度となるようエタノール(Aldrich Chemical Company製)に溶解し、溶液を調製した。さらに、デオキシコール酸を2×10-2モル/リットルの濃度となるようにこの溶液に溶解した。
導電性基板ガラスの透過率を分光光度計にて測定し、得られた太陽電池の対入射光量子収率を分光感度測定装置で測定した。波長360nmにおける対入射光量子収率、基板ガラスの透過率、対入射光量子収率と基板ガラスの透過率の比を表2に示す。
また、得られた太陽電池に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。その結果を表3に示す。
(比較例9)
色素の調整を以下の手順で行った以外は、実施例15と同様の手順にて、図2に示す4個のユニットセルを直列に接続した集積化された色素増感型太陽電池モジュールの作製・評価を行った。
・色素溶液の調整
化合物7と化合物11を、それぞれ、3×10-4モル/リットル、2×10-4モル/リットルの濃度となるようエタノール(Aldrich Chemical Company製)に溶解し、溶液を調製した。さらに、デオキシコール酸を2×10-2モル/リットルの濃度となるようにこの溶液に溶解した。
導電性基板ガラスの透過率を分光光度計にて測定し、得られた太陽電池の対入射光量子収率を分光感度測定装置で測定した。波長360nmにおける対入射光量子収率、基板ガラスの透過率、対入射光量子収率と基板ガラスの透過率の比を表2に示す。
また、得られた太陽電池に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0004627427
Figure 0004627427
実施例1〜4の太陽電池に用いた色素Iの極大吸収波長と(対入射光量子効率/透明導電性基板の透過率)、短絡電流との関係を図3に示す。図3より、キャリア輸送層として、ヨウ素の酸化還元種を含む電解液を用いた場合、色素Iの極大吸収波長の範囲が300nm〜450nmの場合に、波長360nmにおける対入射光量子収率と導電性基板の光透過率との比(対入射光量子収率/導電性基板の光透過率)が0.8以上程度となり、短絡電流、さらには光電変換効率も向上する。
また、実施例5の場合、実施例1と用いた色素は同じであるが、短絡電流、さらには光電変換効率が向上していることが確認できる。よって、使用した増感色素の中で、最大吸収波長領域が最も短波長側に有する増感色素が、他の増感色素よりも受光面側に配置されることで、異種の色素が均一に多孔質電極表面上吸着した場合と比べて短絡電流値が増加し、光電変換効率がさらに向上する。
以上より、比較例の太陽電池に比して、本発明の実施例では、光電変換効率が大きく向上していることが分かる。よって、本発明により、光電変換効率の優れた色素増感太陽電池が得られた。
色素増感太陽電池の一般的な構成図である。 本発明の色素増感太陽電池モジュール示す模式図である。 使用した色素と短絡電流、および対入射光量子効率/基板の透過率との関係を示した図である。
符号の説明
111、112、211,212 支持基板
121、122、221、222 導電層
13 半導体微粒子
14 増感色素
15、25 キャリア輸送層
16、26 触媒層
17、27 半導体層
18 対極
29 絶縁層(スペーサー)
2A 接続層
2B 封口

Claims (2)

  1. 導電性基板、該導電性基板上に形成された増感色素を吸着した多孔性半導体層、キャリア輸送層および対極を有し、
    前記多孔性半導体層に2種の増感色素が吸着されており、
    前記増感色素の一方が、キャリア輸送層の光吸収波長領域における300nmから450nmの波長領域に、吸収スペクトルにおける最大吸収波長領域を持つ、メロシアニン系またはクマリン系の有機色素であり、
    前記増感色素の他方が、前記有機色素よりも長波長側に、吸収スペクトルにおける最大吸収波長領域を持つ、ルテニウム系金属錯体色素であり、
    前記有機色素の吸光係数が、前記ルテニウム系金属錯体色素の吸光係数よりも大きいことを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 請求項1に記載の色素増感太陽電池をユニットセルとし、該ユニットセルを2つ以上直列接続してなることを特徴とする色素増感太陽電池モジュール。
JP2004291745A 2004-10-04 2004-10-04 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール Expired - Fee Related JP4627427B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004291745A JP4627427B2 (ja) 2004-10-04 2004-10-04 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004291745A JP4627427B2 (ja) 2004-10-04 2004-10-04 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006107885A JP2006107885A (ja) 2006-04-20
JP4627427B2 true JP4627427B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=36377347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004291745A Expired - Fee Related JP4627427B2 (ja) 2004-10-04 2004-10-04 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4627427B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5140588B2 (ja) * 2006-07-06 2013-02-06 シャープ株式会社 色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法
US8933328B2 (en) 2006-07-06 2015-01-13 Sharp Kabushiki Kaisha Dye-sensitized solar cell module and method of producing the same
JP5122099B2 (ja) * 2006-09-05 2013-01-16 株式会社フジクラ 対極の製造方法
JP5240681B2 (ja) * 2006-09-12 2013-07-17 国立大学法人九州工業大学 光電変換素子及びその製造方法
JP2009016236A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Konica Minolta Holdings Inc 色素増感型太陽電池
JP2009037964A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Shinko Electric Ind Co Ltd 色素増感型太陽電池モジュール及びその製造方法
JP5217342B2 (ja) * 2007-10-04 2013-06-19 島根県 短絡防止層を備えた電極及び該電極を備えた色素増感太陽電池
JP5775675B2 (ja) * 2010-05-17 2015-09-09 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光電気化学電池及び光電変換素子用色素溶液
JP5930970B2 (ja) * 2010-11-24 2016-06-08 シャープ株式会社 光電変換素子および光電変換素子モジュール
US20140202537A1 (en) 2011-08-25 2014-07-24 Liyuan Han Dye-sensitized solar cell and sensitizing dye
JP5901983B2 (ja) * 2012-01-31 2016-04-13 株式会社フジクラ 色素増感太陽電池
JP2013196852A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Sekisui Chem Co Ltd 光電極の製造方法、光電極及び色素増感太陽電池
JP2014093252A (ja) * 2012-11-06 2014-05-19 Tokyo Univ Of Science 色素増感太陽電池
CN103923479B (zh) * 2014-04-18 2016-06-01 大连理工大学 久洛尼定母核的氟离子荧光染料及其应用

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000268892A (ja) * 1999-01-14 2000-09-29 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子および光電池
JP2002222971A (ja) * 2001-01-29 2002-08-09 Sharp Corp 光電変換素子
JP2003249274A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sharp Corp 色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP2003249275A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sharp Corp 色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP2004265622A (ja) * 2003-02-10 2004-09-24 Japan Science & Technology Agency リグニン誘導体を用いた光電変換素子及び光電気化学電池
JP2005056627A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Toin Gakuen フィルム型色素増感光電池

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000268892A (ja) * 1999-01-14 2000-09-29 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子および光電池
JP2002222971A (ja) * 2001-01-29 2002-08-09 Sharp Corp 光電変換素子
JP2003249274A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sharp Corp 色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP2003249275A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sharp Corp 色素増感型太陽電池およびその製造方法
JP2004265622A (ja) * 2003-02-10 2004-09-24 Japan Science & Technology Agency リグニン誘導体を用いた光電変換素子及び光電気化学電池
JP2005056627A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Toin Gakuen フィルム型色素増感光電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006107885A (ja) 2006-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5118805B2 (ja) 色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュール
JP5002595B2 (ja) 色素増感太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP5285062B2 (ja) 光増感素子及びそれを用いた太陽電池
JP4523549B2 (ja) 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール
JP4863662B2 (ja) 色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP3717506B2 (ja) 色素増感型太陽電池モジュール
JP5171810B2 (ja) 色素増感太陽電池モジュールおよびその製造方法
JP4448478B2 (ja) 色素増感型太陽電池モジュール
JP5118233B2 (ja) 光電変換素子および光電変換素子モジュール
JP4627427B2 (ja) 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール
JP2006049082A (ja) 光電極、およびそれを用いた色素増感太陽電池、色素増感太陽電池モジュール
JP2010009786A (ja) 色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池モジュール
JP4892186B2 (ja) 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール
JP5657780B2 (ja) 光電変換素子および光電変換モジュール
JP6104177B2 (ja) 光電変換素子
JP2004238213A (ja) 酸化チタン粒子の製造方法、及びそれを用いた光電変換素子
JP4455868B2 (ja) 色素増感太陽電池
JP5956929B2 (ja) 光電変換素子およびその製造方法
JP2006100025A (ja) 太陽電池モジュール
JP2006302907A (ja) 光電極、およびそれを用いた色素増感太陽電池、色素増感太陽電池モジュール
JP4537694B2 (ja) 色素増感太陽電池
JP5480234B2 (ja) 光電変換素子および光電変換素子の製造方法
JP2013251229A (ja) 光電変換素子および色素増感太陽電池
WO2013094447A1 (ja) 光電変換素子
WO2013161557A1 (ja) 光電変換素子モジュールおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4627427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees