JP2013012474A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract


【課題】 発電効率がよく、蓄電効果を有する色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】 セル構造として、透明基板上に透明電極層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第二の半導体層、電解質組成物、導電性触媒層を具備する対向電極、とを順次積層した構造を有することを特徴とする色素増感太陽電池。また、第一の半導体層と第二の半導体層は逆でもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池に関する。
太陽光を利用した太陽電池はクリーンな電気エネルギーとして注目を集めている。太陽電池としては、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を使ったものが発電効率が優れていることから主に使われている。また、コストダウンのためにシリコン基板を薄膜化した薄膜状アモルファスシリコンを使うことも検討されている。また、これらシリコン系以外の太陽電池としては、ガリウム、砒素、リン、ゲルマニウム、インジウムなどを使った化合物半導体系の太陽電池も知られている。
これまでの太陽電池は、太陽光を受けるシリコン基板の大型化や、化合物の合成プロセスの煩雑さから、コストが高く、思うように普及が進まないといった問題があった。一方、生産コストの低減を目的として、光吸収層(光電変換層)に有機化合物を用いた有機系太陽電池の開発が進められている。有機系太陽電池の中では、色素を使った色素増感太陽電池の開発が期待されている。特開2001−76772号公報(特許文献1)では、TiO、SnO、ZnO、ZrO、Nb、CeO、WO、SiO、Alといった酸化物半導体層を使うことが提案されている。
特開2001−76772号公報
特許文献1では様々な酸化物半導体が挙げられているものの、実施例をみるとTiO粉末を使った場合しか検討されていない。TiO粉末のみを使った色素増感太陽電池は発電効率(光電変換効率)に優れることが示されている。
ところで、これまでの太陽電池は、前述のようにシリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、さらにはTiO半導体のみを使った色素増感太陽電池がある。これら太陽電池は文字通り太陽光をエネルギー源としている。そのため、太陽光がなくなる(光量が低下する)と発電力がゼロになる。特に、発電量が垂直的に一気に低下するため、太陽電池で稼働する電子機器などの電力負荷機器の起動電力として使用していると天候(太陽光の光量)によって、予備電源の稼働のオンオフを行わなければならない。一方、現在の天気予報では数時間単位の予報はできても、その場その場での実際の光量までは予測できない。そのため、太陽電池のみの電力で電力負荷機器の起動をさせていると、光量が低下したときに太陽電池の発電量が垂直的にゼロになってしまうため電力負荷機器に電気が通じない状態が生じてしまう。このため、常に電力会社から供給される商用電源などの予備電源をオン状態にしなければならなかった。
本発明は、このような問題を解決するためのものであり、太陽光の光量が一定量以下になったとしても、しばらく発電能力が維持される蓄電機能を有する色素増感太陽電池を提供するためのものである。
本発明の第一の色素増感太陽電池は、セル構造として、透明基板上に透明電極層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第二の半導体層、電解質組成物、導電性触媒層を具備する対向電極、とを順次積層した構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の第二の色素増感太陽電池は、セル構造として、透明基板上に透明電極層、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第二の半導体層、電解質組成物、導電性触媒層を具備する対向電極、とを順次積層した構造を有することを特徴とするものである。
また、酸化タングステン粉末は、WO2.0〜3.3の範囲内であることが好ましい。また、 酸化チタン粉末はアナターゼ型であることが好ましい。また、酸化チタン粉末の粒度分布を測定したとき、粒度分布のピークが1〜50nmと200〜500nmの範囲にそれぞれ存在することが好ましい。また、蓄電効果を有することが好ましい。また、第一の半導体層の厚さが0.5〜20μmであることが好ましい。また、第二の半導体層の厚さが0.5〜20μmであることが好ましい。また、第一の半導体層を形成した面を太陽光の受光側にしたことが好ましい。
本発明の色素増感太陽電池は、酸化チタン粉末と色素を有する半導体層と酸化タングステン粉末と色素を有する半導体層を積層した構造を有していることから、発電効率に優れ、その上で蓄電機能を有している。そのため、太陽光の光量が低下したとしても、しばらく発電能力を機能させることができる。
本発明の色素増感太陽電池の一例を示す図である。 本実施例にかかる色素増感太陽電池の蓄電効果の一例を示す図である。
本発明の第一の色素増感太陽電池は、セル構造として、透明基板上に透明電極層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第二の半導体層、電解質組成物、導電性触媒層を具備する対向電極、とを順次積層した構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の第二の色素増感太陽電池は、セル構造として、透明基板上に透明電極層、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第二の半導体層、電解質組成物、導電性触媒層を具備する対向電極、とを順次積層した構造を有することを特徴とするものである。
第一の色素増感太陽電池と第二の色素増感太陽電池の違いは、第一の色素増感太陽電池は第一の半導体層を酸化タングステン粉末、第二の半導体層を酸化チタン粉末としたものであり、第二の色素増感太陽電池は、逆に第一の半導体層を酸化チタン粉末、第二の半導体層を酸化タングステン粉末にしたものである。
図1に本発明の色素増感太陽電池の一例を示した。図中、1は色素増感太陽電池、2は透明基板、3は透明電極層、4は第一の半導体層、5は第二の半導体層、6は電解質組成物、7は導電性触媒層、8は透明電極層(対向電極)、9は透明基板、10がスペーサである。
透明基板2および透明基板9は、ガラス基板やプラスチック基板などの光透過性があり、かつ絶縁性を有する基板が挙げられる。プラスチック基板としては、プラスチックフィルムである、ポリメチルメタクリエート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。また、太陽光に直接触れることを考えれば、環境、寿命の観点から耐光性、耐熱性のある材質であることが好ましい。また、入射光を効率的に利用するためには、半導体層が積層されていない側に反射防止膜などを形成してもよい。また、プラスチック基板を使えば、色素増感太陽電池に柔軟性を持たせることもできる。また、第一の半導体層を形成した面(透明基板2側)が太陽光の受光側になる。
透明基板2上には透明電極層3、透明基板9上には透明電極層8が設けられている。透明電極層としては、透明性と導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、ITO(インジウムと錫の複合酸化物)、フッ素あるいはインジウムなどがドープされた酸化スズ膜、ボロンまたはカリウムなどがドープされた酸化亜鉛膜などが好ましい。また、透明電極層8(光の受光側と反対側)は、金、銀、アルミニウム、チタン、インジウムなどの金属膜を用いてもよい。なお、透明基板9上に設けられた透明電極層8は対向電極と呼ぶ。また、半導体層を設ける透明基板2側が太陽光の受光面になる。
次に半導体層となる第一の半導体層4と第二の半導体層5について説明する。
まず、第一の色素増感太陽電池では、透明電極層2上に平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第一の半導体層、さらにその上に平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第二の半導体層を設けている。
また、第二の色素増感太陽電池では、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第二の半導体層を設けている。なお、酸化タングステン粉末および酸化チタン粉末の平均粒径は拡大写真を使って求めるものとする。具体的には、個々の粉末の拡大写真を撮り、そこに写る粉末の最大径を粒径とする。この作業を任意の50粒に行い、その平均値を平均粒径とする。
半導体層に用いる酸化タングステン粉末は平均粒径が548nm以下である。平均粒径が548nmを超えると発電効率が低下し、蓄電効果も低下する。好ましい平均粒径は1〜200nm、さらには1〜50nmである。色素増感太陽電池では、半導体層を形成する酸化物半導体粉末に色素を担持させて用いる。発電効率を上げるためには、色素の担持量を増やすことが必要である。色素の担持量を増やすには酸化物半導体粉末の粒径を小さくし、比表面積を大きくすることが有効である。一方、平均粒径が1nm未満になると、製造コストの増加が懸念される。そのため、酸化タングステン粉末の平均粒径は548nm以下、更には1〜200nmが好ましく、より好ましくは1〜50nmである。
また、酸化タングステン粉末は、WO2.0〜3.3の範囲内であることが好ましい。酸化タングステンは、タングステンと酸素の原子比が様々な酸化物が形成される。発電効果と蓄電効果の両立を図るにはタングステンと酸素の原子比がWO2.0〜3.3の範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると光によって励起されるエネルギーが安定しない恐れがある。また、WO2.0〜3.3の範囲内であるか否かはXRDにて分析可能である。
また、半導体層に用いる酸化チタン粉末は平均粒径500nm以下である。酸化チタン粉末の平均粒径が500nmを超えると発電効率が低下する。
また、酸化チタン粉末はアナターゼ型であることが好ましい。酸化チタンにはアナターゼ型やルチル型などの結晶構造があるがアナターゼ型である方が発電効率が向上する。
また、酸化チタン粉末の粒度分布を測定したとき、粒度分布のピークが1〜50nmと200〜500nmの範囲にそれぞれ存在することが好ましい。色素増感太陽電池は、半導体に色素を担持させることにより、発電効率を向上させることができる。そのため、酸化チタン粉末も平均粒径は500nm以下、さらには50nm以下と小さい方がよい。しかしながら、例えば50nm以下の酸化チタン粉末のみの場合、色素の担持量は増えるものの、光の取り入れ効率が低下し、その結果、光電変換効率の向上に限界が生じる。平均粒径200〜500nmの比較的大きな酸化チタン粉末を入れることにより半導体層にお
ける光散乱効果が得られ、光電変換効率の向上が得られる。また、酸化チタン粉末の平均粒径は1nm未満となると製造コストの負担が大きくなる恐れがある。
そのため、酸化チタン粉末は、粒度分布のピークが1〜50nmと200〜500nmの範囲にそれぞれ存在する2種類の平均粒径を有すものを用いることが好ましい。また、平均粒径1〜50nmの酸化チタン粉末と平均粒径200〜500nmの酸化チタン粉末の混合比率は、両者を合計した値を100質量部としたとき、平均粒径1〜50nmの酸化チタン粉末の含有量が10〜90質量部、残部平均粒径200〜500nmの酸化チタン粉末となる範囲であることが好ましい。
また、半導体層は、所定の酸化物粉末(酸化タングステン粉末または酸化チタン粉末)を樹脂バインダー、必要に応じて溶媒と混合しスラリー化した後、スクリーン印刷法で透明電極層3上に設け、その後、350〜500℃で加熱して乾燥させることにより形成される。このとき、第一の半導体層を印刷して、次に第二の半導体層を印刷して、その後、加熱、乾燥させる方法や、第一の半導体層を印刷して加熱・乾燥後、次に第二の半導体層を印刷して加熱・乾燥させる方法のどちらであってもよい。
また、第一の半導体層の厚さが0.5〜20μmであることが好ましい。第一の半導体層の厚さが0.5μm未満では半導体層を設ける効果が十分得られず、20μmを超えると厚すぎてこれ以上の効果が得られないと共に第二の半導体層に光が透過しないので、反って発電効率および蓄電効率が低下する。好ましくは5〜15μmである。
また、第二の半導体層の厚さが0.5〜20μmであることが好ましい。第二の半導体層の厚さが0.5μm未満では半導体層を設ける効果が十分得られず、20μmを超えると厚すぎてこれ以上の効果が得られないと好ましくは5〜15μmである。
また、半導体層は、それぞれ酸化物粉末に色素を担持させ、各粉末間を光が透過する必要があることから、半導体層として気孔率20〜60vol%の範囲であることが好ましい。また、これら半導体層はn型半導体層として機能する。
また、半導体層には、それぞれ色素を担持させる。色素としては、特に限定されるものではないが、例えば、ルテニウム・トリス型の遷移金属錯体、ルテニウム−ビス型の遷移金属錯体、オスミウム−トリス型の遷移金属錯体、オスミウム−ビス型の遷移金属錯体、ルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、フタロシアニン及びポルフィリンなどを挙げることができる。
次に電解質組成物を設ける。半導体層と導電性触媒層を具備する対向電極の間に電解質組成物を挟持する。注入された電解質組成物は半導体層中の空孔(細孔)に保持されるとともに半導体層と対向電極との間に介在する。色素増感太陽電池において、透明基板側から光が入射されると、まず半導体層の表面に担持されている色素が入射光を吸収して励起され、励起した色素が半導体層極へ電子を渡すとともに、電解質組成物にホールを渡すことによって光電変換が行われる。
また、酸化タングステン粉末の蓄電効果を向上させるためには、Liを含む電解質組成物であることが好ましい。
電解質組成物は、可逆的な酸化還元対を含むことが好ましい。可逆的な酸化還元対は、例えば、ヨウ素(I)とヨウ化物との混合物、ヨウ化物、臭化物、ハイドロキノン、およびTCNQ錯体等から供給することができる。特に、ヨウ素とヨウ化物との混合物から供給されるIとI とからなる酸化還元対が好ましい。
上述したような酸化還元対は、後述する色素の酸化電位よりも0.1〜0.6V小さい酸化還元電位を示すことが望ましい。色素の酸化電位よりも0.1〜0.6V小さい酸化還元電位を示す酸化還元対は、例えば、Iのような還元種が、酸化された色素から正孔を受け取ることができる。こうした酸化還元対が電解質中に含有されることによって、半導体層と導電性触媒膜との間の電荷輸送の速度を速くすることができるとともに、開放端電圧を高くすることができる。
電解質組成物中は、さらにヨウ化物が含有される。ヨウ化物としては、例えば、アルカリ金属のヨウ化物、有機化合物のヨウ化物、およびヨウ化物の溶融塩等が挙げられる。ヨウ化物の溶融塩としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、第4級アンモニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリジウム塩、イソチアゾリジニウム塩、およびイソオキサゾリジニウム塩等の複素環含窒素化合物のヨウ化物を使用することができる。
前記ヨウ化物の溶融塩としては、例えば、1,1−ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−イソペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−へキシルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−イソヘキシル(分岐)イミダゾリウムアイドダイド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾールアイオダイド、1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウムアイオダイド、1−プロピル−3−プロピルイミダゾリウムア
イオダイド、およびピロリジニウムアイオダイド等を挙げることができる。
こうしたヨウ化物の溶融塩は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、その含有量は、電解液中0.005mol/L以上7mol/L以下程度であることが好ましい。0.005mol/L未満の場合には、効果を充分に得ることが困難となる。一方、7mol/Lを越えると、粘度が高くイオン伝導性が著しく低下するおそれがある。
さらに、本発明における電解質組成物は、ヨウ素を0.01mol/L以上3mol/L以下の範囲で含有していることが好ましい。ヨウ素は、本発明における電解質組成物中でヨウ化物と混合して可逆的な酸化還元対として作用する。したがって、ヨウ素の含有量が0.01mol/L未満の場合には、酸化還元対の酸化体が不足し電荷を充分に輸送することが困難になる。一方、3mol/Lを越えると、溶液の光吸収が増大し、半導体層に効率よく光を与えることができないおそれがある。なお、ヨウ素の含有量は、0.03mol/L以上1.0mol/L以下であることがより好ましい。
本発明における電解質組成物は、液体状およびゲル状のいずれであってもよく、有機溶媒を含有することができる。有機溶媒を含有することによって、電解質組成物の粘度をよりいっそう低下させることができるため、半導体電極へ浸透されやすくなる。使用することができる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)などの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオン酸メチル、およびプロピオン酸エチルなどが挙げられる。さら
に、テトラヒドロフラン、および2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;ジメトキシエタン、およびジエトキシエタンなどの鎖状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、グルタロニトリル、およびメトキシプロピオニトリルなどの弐トリル系溶剤などが挙げられる。
こうした有機溶媒は、単独であるいは2種以上の混合物として用いることができる。有機溶媒の含有量は、特に限定されないが電解質組成物中80重量%以下にすることが好ましく、0重量%以上30重量%以下にすることがより好ましい。
また、透明基板9には透明電極層8と導電性触媒層7が設けられている。透明電極層8の材質は前述の通りである。また、導電性触媒層7は、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、カーボンなどが挙げられる。電解質組成物に対する耐久性を考慮すると白金が好ましい。
また、色素増感太陽電池1は、透明基板2および透明基板9の間をスペーサ10によって間隔を一定に保持し、電解質組成部が漏れないようにすることができる。スペーサは、樹脂やシリカ等の絶縁性無機物などが挙げられる。また、樹脂スペーサは、電解質組成物への耐久性のある樹脂が好ましく、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが好ましい。また、液漏れ(電解質組成物漏れ)防止のために、スペーサとは別に樹脂封止することが好ましい。
以上のような色素増感太陽電池は、発電効率に優れ、その上で蓄電効果を有している。蓄電効果とは、太陽光を感受して太陽光発電していたとき、その後、太陽光を遮断して暗所にしたとしても、しばらく発電が継続される機能を示す。例えば、照度12000Lx(ルクス)の光量を照射したときの発電量を100とし、その後、光を遮断して暗所にしたとしても数秒間〜数分間は30〜70の電力量を維持することができる。太陽光の光を遮断したとしても発電量が垂直的にゼロにはならず、一定期間一定量の発電量が維持されるのである。なお、一般的な太陽光の晴れの照度は10万Lxである。12000Lxで効果が得られるということは、光源として太陽光に限られず、一般電球であっても十分機能することを意味する。そのため、本発明の色素増感太陽電池は屋外および室内のどちらでも使用可能である。図2に蓄電効果の一例を示した。図から分かるように従来の色素増感太陽電池は光照射を止めると点線矢印に示したように垂直的に発電量がゼロになっていた。本発明の色素増感太陽電池は蓄電効果を有しているので、光照射を止めたとしてもしばらくは発電能力が維持され、すぐには発電量がゼロにはならないのである。
また、蓄電機能を利用することにより、太陽光の照度(光量)が瞬間的に低下したとしても発電を維持できる。そのため、天気予報で予測できない、短時間の天候変化が起きたとしても発電力を維持できる。その結果、電力負荷機器への電力供給を安定的に行うことができる。また、仮に曇りの時間が蓄電効果を示す時間よりも長くなる場合は、蓄電効果を示している間に、予め電力会社が供給する商用電源等の予備電源に切り替えることも可能である。このような方式によれば、色素増感太陽電池の発電をできるだけ利用することができ、商用電源等の予備電源の使用をできるだけ低減することができる。そのため、従
来の太陽電池と比べて省エネ効果が向上される。
また、予備電源とは、電力会社の商用電力系統、蓄電池からの電力、自家発電装置(コジェネを含む)などの太陽光発電以外の電気系統が挙げられる。また、電力負荷機器は、パソコン、テレビ、録画機、冷蔵庫、洗濯機などの家庭やオフィス用の各種家電機器、CTなどの各種医療機器、電気炉やエレベータなどの各種工業機器などの電気を使用して稼働する設備などを示すものである。
(実施例)
(実施例1)
酸化タングステン粉末(WO3、平均粒径10nm)を水に10wt%分散させたスラリーを作成し、このスラリーを透明電極層(ITO)を片面に被覆したガラス基板上(厚み1.1mm、表面抵抗5Ω/□)にスプレー法により塗布し、450℃ ×30分(10℃/minで昇温)焼成し、酸化タングステン層からなる多孔質の第一の半導体層(厚み5μm)を形成した。なお、酸化タングステン粉末をXRD分析した結果、WO2.0〜3.3の範囲内であった。
この酸化タングステン層上にアナターゼ型酸化チタン粉末ペースト(酸化チタン粉末100質量部=平均粒径13nmを20質量部+平均粒径400nmを80質量部)をドクターブレード法により塗布し、450℃×30分(10℃/minで昇温)焼成し、多孔質の酸化チタン層からなる多孔質の第二の半導体層(厚さ10μm)を形成した。これにより、第一の半導体層(酸化タングステン層)/第二の半導体層(酸化チタン層)の2層構造を有する電極層が形成された。
作製した電極層を色素溶液に室温で24時間浸漬することで光電極を作製した。色素溶液はN719(シグマアルドリッチ製)0.3mMをアセトニトリル、t-ブチルアルコールの混合溶媒(体積比1:1)に溶かしたものを使用した。また、対向電極には透明導電層(ITO)付きガラス基板上に白金を80nm厚スパッタしたものを使用した。
厚さ60μmのスペーサ樹脂を電解質組成物注入口を4箇所あけるように、光電極の周囲を囲むように配置し、110℃に加熱した対向電極を張り合わせた。電解質組成物注入口から電解質組成物(電解液)をシリンジで注入し、注入口をUV硬化性の樹脂で封止した。電解液組成はアセトニトリル溶媒中に、ヨウ化リチウム0.5M(モル)、ヨウ素0.05M、t−ブチルピリジン0.58M、EtMeIm(CN)2 (1−ethyl−3−methylimidazolium dicyanamide)0.6M溶解させたものを使用した。これにより実施例1にかかる色素増感太陽電池を作製した。
作製した色素増感太陽電池に1kW/m2の強度の光(AM1.5 ソーラーシュミュレーター)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感太陽電池は、短絡電流密度Jsc=10.38mA/cm、開放電圧Voc=0.45V、形状因子FF=0.40を示し、光電変換効率は1.83%であった。
次にこの色素増感太陽電池を1500Ωの抵抗と接続し、光照射時と光遮断時における電流の変化を測定した。光源には昼白色相当のLED電球(東芝ライテック製、LEL−AW8N、8.7W)を使用した。
蓄電効果を確認するために、暗所で20秒静置して発電量がゼロになったことを確認後、光照射(照度12000Lx)を20秒間行い、その後、光を遮断した。光照射時の最大電流値は0.95mA/cmであった。光遮断後,電流値は徐々に減少し電流値が0mA/cmとなるまでの放電容量を求めたところ2027μC/cmであった。
(実施例2)
第一の半導体層として平均粒径10nmの酸化チタン粉末を50質量部、平均粒径420nmの酸化チタン粉末を50質量部混合したものを使い厚さ10μmの半導体層を形成した。また、第二の半導体層として平均粒径20nmの酸化タングステン粉末を使い厚さ12μmの半導体層を形成した。これ以外は、実施例1と同様の条件にて実施例2にかかる色素増感太陽電池を作製した。なお、酸化タングステン粉末をXRD分析した結果、WO2.0〜3.3の範囲内であった。
(実施例3)
第一の半導体層として平均粒径100nmの酸化チタン粉末を使い厚さ7μmの半導体層を形成した。また、第二の半導体層として平均粒径8nmの酸化タングステン粉末を使い厚さ15μmの半導体層を形成した。これ以外は、実施例1と同様の条件にて実施例3にかかる色素増感太陽電池を作製した。なお、酸化タングステン粉末をXRD分析した結果、WO2.0〜3.3の範囲内であった。
(比較例1)
半導体層として、平均粒径50nmの酸化チタン粉末を使った厚さ20μmの半導体層一層構造とした以外は実施例1と同様のものを比較例1にかかる色素増感太陽電池とした。
(比較例2)
第一の半導体層として平均粒径800nmの酸化タングステン粉末、第二の半導体層として平均粒径800nmの酸化チタン粉末を用いた以外は実施例1と同様のものを比較例2にかかる色素増感太陽電池とした。
実施例2〜3および比較例1〜2にかかる色素増感太陽電池に関して、実施例1と同様の方法により発電効率(光電変換効率)および蓄電効果を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2013012474
表から分かる通り、本実施例にかかる色素増感太陽電池は光電変換効率および蓄電効果が優れていることが分かった。
1…色素増感太陽電池
2…透明基板
3…透明電極層
4…第一の半導体層
5…第二の半導体層
6…電解質組成物
7…導電性触媒層
8…透明電極層(対向電極)
9…透明基板
10…スペーサ

Claims (9)

  1. セル構造として、透明基板上に透明電極層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第二の半導体層、電解質組成物、導電性触媒層を具備する対向電極、とを順次積層した構造を有することを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. セル構造として、透明基板上に透明電極層、平均粒径548nm以下の酸化タングステン粉末と色素を有する第一の半導体層、平均粒径500nm以下の酸化チタン粉末と色素を有する第二の半導体層、電解質組成物、導電性触媒層を具備する対向電極、とを順次積層した構造を有することを特徴とする色素増感太陽電池。
  3. 酸化タングステン粉末は、WO2.0〜3.3の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  4. 酸化チタン粉末はアナターゼ型であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の色素増感電池。
  5. 酸化チタン粉末の粒度分布を測定したとき、粒度分布のピークが1〜50nmと200〜500nmの範囲にそれぞれ存在することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  6. 蓄電効果を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  7. 第一の半導体層の厚さが0.5〜20μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  8. 第二の半導体層の厚さが0.5〜20μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 第一の半導体層を形成した面を太陽光の受光側にしたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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