JP2013201099A - 低照度用色素増感太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】10000ルクス以下の低照度環境下で優れた光電変換特性を有する低照度用色素増感太陽電池を提供すること。
【解決手段】透明基板11および透明基板11上に設けられる透明導電膜12を有する透明導電性基板15並びに透明導電性基板15上に設けられる酸化物半導体層13を備える作用極10と、作用極に対向する対極20と、酸化物半導体層13に吸着される光増感色素と、作用極10と対極20とを連結する封止部30と、作用極10、対極20および封止部30によって囲まれるセル空間内に充填される電解質40と、酸化物半導体層13および対極20の間に設けられ、電解質40を通すことが可能な絶縁性のセパレータ50とを備え、セパレータ50の厚さが10〜120μmであり、電解質40中のI3 −の濃度が10mmol/L以下である、低照度用色素増感太陽電池100。
【選択図】図1
【解決手段】透明基板11および透明基板11上に設けられる透明導電膜12を有する透明導電性基板15並びに透明導電性基板15上に設けられる酸化物半導体層13を備える作用極10と、作用極に対向する対極20と、酸化物半導体層13に吸着される光増感色素と、作用極10と対極20とを連結する封止部30と、作用極10、対極20および封止部30によって囲まれるセル空間内に充填される電解質40と、酸化物半導体層13および対極20の間に設けられ、電解質40を通すことが可能な絶縁性のセパレータ50とを備え、セパレータ50の厚さが10〜120μmであり、電解質40中のI3 −の濃度が10mmol/L以下である、低照度用色素増感太陽電池100。
【選択図】図1
Description
本発明は、低照度用色素増感太陽電池に関する。
光電変換素子として、安価で、高い光電変換効率が得られることから色素増感太陽電池が注目されており、色素増感太陽電池に関して種々の開発が行われている。
色素増感太陽電池は一般に、作用極と、対極と、作用極と対極とを連結する封止部と、作用極、対極および封止部によって囲まれるセル空間内に充填される電解質とを備えている。そして、作用極は、透明基板と、その上に設けられる透明導電膜と、透明導電膜の上に設けられる発電層である酸化物半導体層とを有している。
近年、色素増感太陽電池は、屋外用太陽電池のみならず、屋内用の各種電子機器用の電源などとしても利用されつつある。
しかし、一般的に、屋内などの低照度(10000ルクス以下)の環境下では、色素増感太陽電池の発生電流および発生電圧は降下することが知られている。これは、入射する光量が減少するために短絡電流が降下し、発電層である酸化物半導体層および透明基板上の透明導電膜と対極又は電解質との間で発生する漏れ電流のために開放電圧が降下するためである。光電変換効率は、短絡電流および開放電圧に比例するため、短絡電流や開放電圧が降下すると、光電変換効率も低下する。従って、屋内などの低照度環境下でも短絡電流や開放電圧を向上させることができる色素増感太陽電池が求められている。
例えば下記特許文献1では、電解質中のI3 −の濃度を低下させることによって電解質による入射光の吸収を低減させ、透光性を高めることで短絡電流を増加させることが提案されている。
しかし、上記特許文献1に記載の色素増感太陽電池は、低照度環境下では十分な光電変換特性を有するとは言えなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、10000ルクス以下の低照度環境下で優れた光電変換特性を有する低照度用色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため特許文献1の色素増感太陽電池において上記課題が生じる原因について検討した。まず屋外で使用される色素増感太陽電池において光電変換特性を向上させるには、対極と酸化物半導体層との間の距離をできるだけ小さくすればよい。従って、本発明者は、低照度環境下で使用される色素増感太陽電池においても、対極と酸化物半導体層との間の距離を小さくすれば光電変換特性を向上させることができるのではないかとも考えた。しかし、低照度環境下では、対極と酸化物半導体層との間の距離が小さいと、予想に反し、光電変換特性が十分に向上しないことが判明した。本発明者は、この原因について、低照度環境下では、光電変換特性に対する漏れ電流の影響が大きくなるためではないかと考えた。すなわち、低照度環境下では、酸化物半導体層と対極との間の距離が小さいと、酸化物半導体層と対極とがミクロな範囲での短絡状態になり、短絡電流は大きくなるものの、酸化物半導体層から対極への漏れ電流が大きく、開放電圧も低くなるためではないかと本発明者は考えた。そこで、本発明者は、低照度環境下で開放電圧を増加させることができる色素増感太陽電池の構成について検討した結果、電解質を通すことが可能な絶縁性のセパレータを酸化物半導体層と対極との間に配置することで、上記の短絡状態を抑制できると共に、酸化物半導体層から対極側への漏れ電流の量を顕著に低減して、開放電圧を顕著に増加させられるのではないかと考えた。またセパレータを導入しても、セパレータの厚さが大きすぎると、開放電圧がかなり低くなり、光電変換特性を向上させることができないと本発明者は考えた。そこで、本発明者は、電解質中のヨウ素濃度を特定の値以下にすると共に、上記セパレータの厚さを特定の範囲とすることで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、透明基板および前記透明基板上に設けられる透明導電膜を有する透明導電性基板並びに前記透明導電性基板上に設けられる酸化物半導体層を備える作用極と、前記作用極に対向する対極と、前記酸化物半導体層に吸着される光増感色素と、前記作用極と前記対極とを連結する封止部と、前記作用極、前記対極および前記封止部によって囲まれるセル空間内に充填される電解質と、前記酸化物半導体層および前記対極の間に設けられ、前記電解質を通すことが可能な絶縁性のセパレータとを備え、前記セパレータの厚さが10〜120μmであり、前記電解質中のI3 −の濃度が10mmol/L以下である、低照度用色素増感太陽電池である。
本発明の低照度用色素増感太陽電池によれば、低照度環境下において酸化物半導体層から対極への漏れ電流の量を十分に低減させることができ、低照度用色素増感太陽電池の開放電圧を顕著に増加させることができる。その結果、本発明の低照度用色素増感太陽電池によれば、低照度環境下で優れた光電変換特性を有することが可能となる。
上記低照度用色素増感太陽電池において、前記セパレータの空隙率が5〜98%であることが好ましい。
セパレータの空隙率が5%以上である場合、空隙率が5%未満である場合に比べて、セパレータは電解質をより十分に通すことができ、開放電圧をより高くできる。また、空隙率が98%以下である場合、空隙率が98%を超える場合に比べて短絡電流の低下をより十分に抑えることができる。従って、上記の低照度用色素増感太陽電池は、低照度環境下でより優れた光電変換特性を有することが可能となる。
上記低照度用色素増感太陽電池において、前記セパレータが少なくとも前記酸化物半導体層の前記対極側の面の全体を覆うことが好ましい。
この場合、対極と酸化物半導電体層との接触がセパレータによって防止され、漏れ電流をより効果的に抑制することができる。従って、上記の低照度用色素増感太陽電池は、セパレータが酸化物半導体層の対極側の面の一部のみを覆う場合に比べて、低照度環境下でより優れた光電変換特性を有することが可能となる。
上記低照度用色素増感太陽電池において、前記対極が可撓性を有することが好ましい。
この場合、上記対極が酸化物半導体層側に湾曲し、セパレータを対極と酸化物半導体層とによって固定することが可能となる。その結果、漏れ電流の発生をより効果的に抑制することができる。従って、低照度用色素増感太陽電池は、低照度環境下でより優れた光電変換特性を有することが可能となる。
対極が可撓性を有する低照度用色素増感太陽電池においては、前記作用極と前記対極と前記封止部とによって囲まれるセル空間が陰圧であることが好ましい。
この場合、可撓性を有する対極は大気圧によって酸化物半導体層側に湾曲した状態を維持することが可能となる。すなわち、対極と酸化物半導体層との間の距離を一定に保持することが可能となる。その結果、低照度用色素増感太陽電池の光電変換特性を安定化することができる。
上記低照度用色素増感太陽電池は前記酸化物半導体層に前記光増感色素と共に吸着する共吸着剤をさらに備え、前記光増感色素が下記式(1)で表される金属錯化合物であり、前記共吸着剤が下記式(2)で表される有機化合物、下記式(3)で表される有機化合物、及び下記式(4)で表される有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物を含むことが好ましい。
(式中、MはRuを表し、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に一価の陽イオンを表し、R5およびR6はそれぞれ独立にハロゲン基、−H、−OH、−CN、−NCS又は−NCOを表す)
(式(2)中、nは0〜5の整数を表し、R7は、π共役構造を有する一価の基、又はステロイド骨格を有する一価の基を表す。)
(式(3)中、Wは炭素原子又はシリコン原子を表し、Y1、Y2、Y3及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は、炭素原子数3〜20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、Y1、Y2、Y3及びY4のうち1つは炭素原子数3〜20の置換又は無置換の炭化水素基を表し、残りのうち少なくとも2つは、カルボキシル基、又は、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。)
(式(4)中、Y5、Y6及びY7はそれぞれ独立に、水酸基、又は、炭素原子数3〜20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、Y5、Y6及びY7のうち1つ又は2つは、炭素原子数3〜20の置換又は無置換の炭化水素基を表し、残りが水酸基を表す。)
この場合、光増感色素として上記式(1)で表される光増感色素が用いられる。この光増感色素は、短波長で高い吸収効率を有する。一方、蛍光灯などの屋内の光には短波長の光が多く含まれ、長波長の光はあまり含まれていない。このため、式(1)で表される光増感色素は屋内用色素増感太陽電池の光増感色素として特に適しており、ブラックダイや、側鎖の長いZ907に比べて優れた光電変換特性を実現できる。そして、共吸着剤は、上記式(2)で表される有機化合物、下記式(3)で表される有機化合物、及び、下記式(4)で表される有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物を含む。ここで、式(2)で表される有機化合物は、π共役構造を有する一価の基、又はステロイド骨格を有する一価の基を有している。ここで、π共役構造を有する一価の基及びステロイド骨格を有する一価の基はいずれも平面状の形状を有し且つ自由に変形しにくい。また式(3)で表される有機化合物においては、Y1、Y2、Y3及びY4のうち1つは炭素原子数3〜20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、残りのうち少なくとも2つは、カルボキシル基又はアルコキシ基となっている。この場合、少なくとも2つのカルボキシル基又はアルコキシ基が酸化物半導体層に吸着するため、式(3)で表される有機化合物は、自由に変形しにくくなる。さらに、式(4)で表される有機化合物は、PO基を有している。ここで、Pは、カルボキシル基やアルコキシ基に含まれるC(炭素原子)よりも低い電気陰性度を有する。このため、PO基はイオンになりにくく、酸化物半導体層から脱離しにくい。従って、PO基は酸化物半導体層にしっかりと吸着する。このため、式(3)で表される有機化合物のように、有機化合物がカルボキシル基等を少なくとも2つ有していなくても、自由に変形しにくい。このように、上記共吸着剤は、酸化物半導体層の表面に吸着される場合に、自由に変形しにくい有機化合物を含む。このため、酸化物半導体層の表面において共吸着剤のために無駄にスペースが必要とされない。従って、光増感色素を酸化物半導体層の表面に十分に吸着させることができる。また共吸着剤は、酸化物半導体層の表面において、光増感色素が吸着していない領域に吸着することが可能となる。酸化物半導体層の表面において光増感色素が吸着していない領域では酸化物半導体層と電解質との間で電子の移動(逆電子移動)が起こり得るところ、本発明では、その領域に共吸着剤が吸着することで、逆電子移動を十分に抑制することができる。その結果、漏れ電流をより低下させることができるため、低照度環境下で開放電圧をより増加させることが可能となる。よって、上記低照度用色素増感太陽電池は、より優れた光電変換特性を有することが可能となる。
上記色素増感太陽電池において、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物において、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子(O)と、その酸素原子(O)から最も遠い原子との間の長さが0.7〜3nmであることが好ましい。
この場合、上記光増感色素の長さは約1.5nmであるため、上記有機化合物の長さが0.7nm未満である場合に比べて、漏れ電流をより十分に低下させることができる。また、上記有機化合物の長さが3nmを超える場合に比べて電解質から光増感色素への電子の注入が起こりやすくなり、光電変換特性をより向上させることができる。
上記色素増感太陽電池において、前記共吸着剤が、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物から選択される2種類の有機化合物を含むか、又は、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物から選択される有機化合物と下記式(X)で表される有機化合物とを含むものであってもよい。
(式(X)中、A1〜A3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A4は水酸基又はカルボキシル基を表す。)
ここで、前記共吸着剤は、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物から選択される有機化合物のうち、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第1長さが0.7〜3nmである第1有機化合物と、前記式(2)〜(4)及び式(X)で表される有機化合物から選択される有機化合物のうち、前記式(2)〜(4)又は式(X)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第2長さが0.1〜0.7nmである第2有機化合物とを含み、前記第1有機化合物の前記第1長さが、前記第2有機化合物の前記第2長さよりも大きいことが好ましい。
この場合、第2有機化合物が、第1有機化合物同士の間に入り込み、第1有機化合物同士が会合することをより十分に抑制することが可能となる。
前記式(2)のR7において、前記π共役構造を有する一価の基が、メロシアニン骨格、フェニル骨格、グアニジン骨格、ピリジン骨格またはポルフィリン骨格を有する一価の基であり、前記ステロイド骨格を有する一価の基が下記式(5)で表される一価の基であることが好ましい。
(式(5)中、E1、E2及びE3はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を表す。)
この場合、漏れ電流をより低下させることができるため、低照度用色素増感太陽電池は低照度環境下で開放電圧をより増加させることが可能となる。したがって、上記の共吸着剤を備えた低照度用色素増感太陽電池は、低照度環境下でより優れた光電変換特性を有することとなる。
なお、本発明において、「低照度」とは、10000ルクス以下の照度を言うものとする。
また、本発明において、セパレータの空隙率は、SEMで断面を確認して測定された値を言うものとする。
また本発明において、対極が「可撓性を有する」とは、20℃の環境下で50mm×200mmのシート状対極の長辺側の両縁部(それぞれ幅5mm)を張力1Nで水平に固定し、対極の中央に20g重の荷重をかけた際の対極の撓みの最大変形率が20%を超えるものを言うものとする。ここで、最大変形率とは、下記式:
最大変形率(%)=100×(最大変位量/シート状対極の厚さ)
に基づいて算出される値を言う。従って、例えば厚さ0.04mmのシート状対極が上記のようにして荷重をかけることにより撓み、最大変位量が0.01mmとなった場合、最大変形率は25%となり、このシート状対極は「可撓性を有する」こととなる。
最大変形率(%)=100×(最大変位量/シート状対極の厚さ)
に基づいて算出される値を言う。従って、例えば厚さ0.04mmのシート状対極が上記のようにして荷重をかけることにより撓み、最大変位量が0.01mmとなった場合、最大変形率は25%となり、このシート状対極は「可撓性を有する」こととなる。
本発明によれば、10000ルクス以下の低照度環境下で優れた光電変換特性を有する低照度用色素増感太陽電池が提供される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明の低照度用色素増感太陽電池の構成について説明する。
図1は、本発明の低照度用色素増感太陽電池の一実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、低照度用色素増感太陽電池100は、作用極10と、作用極10に対向する対極20と、作用極10および対極20を連結する環状の封止部30とを備えており、作用極10、対極20および封止部30によって形成されるセル空間Sには電解質40が充填されている。さらに酸化物半導体層13と対極20との間にセパレータ50が設けられている。
作用極10は、透明基板11および透明基板11の上に設けられる透明導電膜12からなる透明導電性基板15と、透明導電性基板15の透明導電膜12の上に設けられる少なくとも1つの酸化物半導体層13とを有している。酸化物半導体層13は、封止部30の内側に配置されている。また酸化物半導体層13には、光増感色素および共吸着剤が吸着されている。
対極20は、導電性基板21と、導電性基板21の作用極10側に設けられて触媒反応を促進する触媒層22とを備えている。対極20は、本実施形態では可撓性を有している。
電解質40においては、I3 −の濃度が10mmol/L以下となっている。
またセパレータ50の厚さは10〜120μmである。またセパレータ50は、酸化物半導体層13の対極20側の面13aの全体を覆っている。
さらに低照度用色素増感太陽電池100においては、作用極10と対極20と封止部30とによって囲まれるセル空間Sが陰圧となっている。
低照度用色素増感太陽電池100によれば、低照度環境下において酸化物半導体層13から対極20への漏れ電流を十分に低減させることができ、低照度用色素増感太陽電池100の開放電圧を顕著に増加させることができる。その結果、低照度用色素増感太陽電池100によれば、低照度環境下で優れた光電変換特性を有することが可能となる。
また低照度用色素増感太陽電池100では、セパレータ50は、酸化物半導体層13の対極20側の面13aの全体を覆っているため、対極20と酸化物半導電体層13との接触がセパレータ50によって防止され、漏れ電流をより効果的に抑制することができる。従って、低照度用色素増感太陽電池100は、セパレータ50が酸化物半導体層13の対極20側の面13aの一部のみを覆う場合に比べて、低照度環境下でより優れた光電変換特性を有することが可能となる。
さらに、低照度用色素増感太陽電池100では、対極20が可撓性を有しているため、対極20が酸化物半導体層13側に湾曲し、セパレータ50を対極20と酸化物半導体層13とによって固定することが可能となる。その結果、漏れ電流の発生をより効果的に抑制することができる。従って、低照度用色素増感太陽電池100は、低照度環境下でより優れた光電変換特性を有することが可能となる。
しかも、低照度用色素増感太陽電池100では、作用極10と対極20と封止部30とによって囲まれるセル空間Sが陰圧となっているため、可撓性を有する対極20は大気圧によって酸化物半導体層13側に湾曲した状態を維持することが可能となる。すなわち、対極20と酸化物半導体層13との間の距離を一定に保持することが可能となる。その結果、低照度用色素増感太陽電池100の光電変換特性を安定化することができる。
次に、作用極10、対極20、封止部30、電解質40、セパレータ50、光増感色素および共吸着剤について詳細に説明する。
(作用極)
作用極10は、上述したように、透明基板11と、透明基板11の上に設けられる透明導電膜12と、透明導電膜12の上に設けられる少なくとも1つの酸化物半導体層13とを有している。
作用極10は、上述したように、透明基板11と、透明基板11の上に設けられる透明導電膜12と、透明導電膜12の上に設けられる少なくとも1つの酸化物半導体層13とを有している。
透明基板11を構成する材料は、例えば透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、高歪点ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、及び、透明ポリイミドなどが挙げられる。透明基板11の厚さは、低照度用色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50〜10000μmの範囲にすればよい。
透明導電膜12を構成する材料としては、例えばスズ添加酸化インジウム(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素添加酸化スズ(Fluorine−doped−Tin−Oxide:FTO)などの導電性金属酸化物が挙げられる。透明導電膜12は、単層でも、異なる導電性金属酸化物で構成される複数の層の積層体で構成されてもよい。透明導電膜12が単層で構成される場合、透明導電膜12は、高い耐熱性および耐薬品性を有することから、FTOで構成されることが好ましい。また透明導電膜12として、複数の層で構成される積層体を用いると、各層の特性を反映させることが可能となることから好ましい。中でも、ITOで構成される層と、FTOで構成される層との積層体を用いることが好ましい。この場合、高い導電性、耐熱性および耐薬品性を持つ透明導電膜12が実現できる。透明導電膜12の厚さは例えば0.01〜2μmの範囲にすればよい。
酸化物半導体層13は、酸化物半導体粒子で構成されている。酸化物半導体粒子は、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In3O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タリウム(Ta2O5)、酸化ランタン(La2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ホルミウム(Ho2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)又はこれらの2種以上で構成される。
(対極)
対極20は、上述したように、導電性基板21と、導電性基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備えるものである。
対極20は、上述したように、導電性基板21と、導電性基板21のうち作用極10側に設けられて対極20の表面における還元反応を促進する導電性の触媒層22とを備えるものである。
導電性基板21は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性および可撓性を有する金属材料で構成される。この場合、導電性基板21と触媒層22からなる対極20は可撓性を有するものになる。導電性基板21の厚さは、低照度用色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば0.005〜0.1mmとすればよい。
触媒層22は、白金、炭素系材料又は導電性高分子などから構成される。ここで、炭素系材料としては、カーボンナノチューブが好適に用いられる。
(封止部)
封止部30としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、および、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
封止部30としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、および、ビニルアルコール重合体などの樹脂が挙げられる。
(電解質)
電解質40は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI−/I3 −などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI−/I3 −のほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。また電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体を用いてよい。また電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体と有機溶媒との混合物を用いてもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドが好適に用いられる。上記電解質には添加剤を加えてもよい。添加剤としては、LiI、4−t−ブチルピリジン、N−メチルベンゾイミダゾール及びグアニジンチオシアネートなどが挙げられる。さらに電解質40としては、上記電解質40にSiO2、TiO2、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化した電解質を用いてもよい。
電解質40は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI−/I3 −などの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI−/I3 −のほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。また電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体を用いてよい。また電解質40は、有機溶媒に代えて、イオン液体と有機溶媒との混合物を用いてもよい。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドが好適に用いられる。上記電解質には添加剤を加えてもよい。添加剤としては、LiI、4−t−ブチルピリジン、N−メチルベンゾイミダゾール及びグアニジンチオシアネートなどが挙げられる。さらに電解質40としては、上記電解質40にSiO2、TiO2、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化した電解質を用いてもよい。
電解質40において、I3 −の濃度は10mmol/L以下である。I3 −の濃度が10mmol/Lを超える場合、電子を運ぶI3 −の濃度が高いため、漏れ電流の発生を十分に抑制できない。このため、低照度用色素増感太陽電池100の開放電圧が低下し、低照度環境下における光電変換特性が低下する。I3 −の濃度は0〜15mmol/Lであることが好ましく、0〜2mmol/Lであることがさらに好ましい。
(セパレータ)
セパレータ50は、電解質40に対する耐食性を有し、電解質40を通すことができる絶縁性の材料から構成されていればよい。このような材料としては、多孔質の有機絶縁高分子材料または無機絶縁材料が挙げられる。これらの中でも加工容易性とコストの点から有機絶縁高分子材料を用いることが好ましい。多孔質の有機絶縁高分子材料としては、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンスルフィド等のポリアーレーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル、液晶ポリエステル等の液晶ポリマー、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマーの多孔質フィルム等が挙げられる。これらの中ではポリオレフィンからなる多孔質フィルムが特に好ましく用いられる。なお、無機絶縁材料としては、例えば多孔質ガラスが挙げられる。
セパレータ50は、電解質40に対する耐食性を有し、電解質40を通すことができる絶縁性の材料から構成されていればよい。このような材料としては、多孔質の有機絶縁高分子材料または無機絶縁材料が挙げられる。これらの中でも加工容易性とコストの点から有機絶縁高分子材料を用いることが好ましい。多孔質の有機絶縁高分子材料としては、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンスルフィド等のポリアーレーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル、液晶ポリエステル等の液晶ポリマー、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマーの多孔質フィルム等が挙げられる。これらの中ではポリオレフィンからなる多孔質フィルムが特に好ましく用いられる。なお、無機絶縁材料としては、例えば多孔質ガラスが挙げられる。
セパレータ50の厚さは上述したように、10〜120μmである。セパレータ50の厚さが10μm未満である場合、酸化物半導体層13から対極20への漏れ電流の量を十分に低減できない。このため、低照度用色素増感太陽電池100の開放電圧が低下し、低照度環境下における光電変換特性が低下する。一方、セパレータ50の厚さが120μmを超える場合、酸化物半導体層13と対極20との間の距離が大きくなり、酸化物半導体層13から電解質40への漏れ電流の発生を十分に抑制することができない。このため、低照度用色素増感太陽電池の開放電圧が低下し、低照度環境下における光電変換特性が低下する。セパレータ50の厚さは、40〜100μmであることが好ましい。
セパレータ50の空隙率は特に限定されないが、通常は5〜98%であり、好ましくは10〜80%であり、より好ましくは20〜70%であり、特に好ましくは30〜50%である。セパレータ50の空隙率が5%以上である場合、5%未満である場合に比べ電解質40をより十分に通すことができ、開放電圧をより高くできる。一方、セパレータ50の空隙率が98%以下である場合、98%を超える場合に比べて短絡電流の低下をより十分に抑えることができる。このため、セパレータ50の空隙率が5〜98%である場合、空隙率がこの範囲を外れる場合に比べ、低照度用色素増感太陽電池100は低照度環境下でより優れた光電変換特性を有することとなる。
式(1)中、MはRuを表し、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に一価の陽イオンを表し、R5およびR6はそれぞれ独立にハロゲン基、−H、−OH、−CN、−NCS又は−NCOを表す。
一価の陽イオンとしては、水素イオン、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオンなどが挙げられる。
R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つが水素イオンであることが好ましい。この場合、上記光増感色素と酸化物半導体層13の表面との間にエステル結合が生成し、酸化物半導体層13への電子注入効率がより高まる。
また、R1、R2、R3およびR4がのうち少なくとも1つがアンモニウムイオンであることが好ましい。この場合、吸光係数がより高まる。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基、ビニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基又はナフチル基などのアリール基などが挙げられる。置換炭化水素基は、炭化水素基の水素原子を他の置換基に置換したものであり、このような置換基としては、例えば−Cl、−F、−Iなどのハロゲン基などが挙げられる。
ここで、R8、R9、R10およびR11の全てがブチル基であることが好ましい。この場合、R8、R9、R10およびR11のいずれかがブチル基でない場合に比べて吸光係数が高まる。
ここで、R8、R9、R10およびR11の全てがブチル基であることが好ましい。この場合、R8、R9、R10およびR11のいずれかがブチル基でない場合に比べて吸光係数が高まる。
またR5およびR6のハロゲン基としては、例えば−Cl、−Br、−Iおよび−F等が挙げられるが、中でも−Iが好ましい。
R5およびR6は−NCSであることが特に好ましい。この場合、吸光係数がより高まり、電解質40からの電子注入効率がより高まる。
上記式(1)において、MがRu、R1およびR2がテトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン、R3およびR4が水素イオン、R5およびR6が−NCSであるN719は、ブラックダイや、側鎖の長いZ907に比べ、特に短波長領域で、より高い吸収効率を有する。一方、蛍光灯などの屋内の光には短波長の光が多く含まれ、長波長の光はあまり含まれていない。このため、N719を光増感色素として用いた低照度用色素増感太陽電池100は、屋内用色素増感太陽電池として特に好適である。
(共吸着剤)
共吸着剤としては、上述したように、下記式(2)で表される有機化合物が好ましく用いられる。ここで、有機化合物は非金属原子のみで構成される。
(式(2)中、nは0〜5の整数を表し、R7は、π共役構造を有する一価の基又はステロイド骨格を有する一価の基を表す)
共吸着剤としては、上述したように、下記式(2)で表される有機化合物が好ましく用いられる。ここで、有機化合物は非金属原子のみで構成される。
式(2)中、nは0〜5の整数を表し、R7は、π共役構造を有する一価の基、又はステロイド骨格を有する一価の基を表す。
上記式(2)中のR7において、π共役構造を有する一価の基としては、メロシアニン骨格、フェニル骨格、グアニジン骨格、ピリジン骨格、及びポルフィリン骨格を有する一価の基が挙げられる。
式(7)中、R12は、水素原子、−CN又は炭素原子数1〜5の炭化水素基を表し、R13、R14、R16及びR17は水素原子又は炭素原子数1〜5の炭化水素基を表し、R15は、炭素原子数1〜5のアルコキシ基で置換されたフェニル基又は下記式(8)で表される。R16及びR17は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。
式(8)中、X1、X2、X3及びX4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表す。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などのアルキル基、ビニル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基、フェニル基又はナフチル基などのアリール基などが挙げられる。置換炭化水素基は、炭化水素基の水素原子を他の置換基に置換したものであり、このような置換基としては、例えば−Cl、−F、−Iなどのハロゲン基などが挙げられる。
式(9)中、R18は水素原子、水酸基又は、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、Y8は、単結合、又は、−CY9(Y10)CO−を表す。Y9及びY10はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えば式(6)における炭化水素基と同様のものを用いることができる。また置換炭化水素の置換基としては、例えば式(6)における炭化水素基の置換基と同様のものを用いることができる。
式(10)中、R19、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、又は、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えば式(6)における炭化水素基と同様のものを用いることができる。また置換炭化水素の置換基としては、例えば式(6)における炭化水素基の置換基と同様のものを用いることができる。
式(11)中、R23、R24及びR25はそれぞれ独立に水素原子、又は、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、R23及びR24は互いに結合して5員環又は6員環を形成してもよい。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えば式(6)における炭化水素基と同様のものを用いることができる。また置換炭化水素の置換基としては、例えば式(6)における炭化水素基の置換基と同様のものを用いることができる。
式(12)中、R27、R28、R29、R30、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に水素原子、又は、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えば式(6)における炭化水素基と同様のものを用いることができる。また置換炭化水素の置換基としては、例えば式(6)における炭化水素基の置換基と同様のものを用いることができる。
式(5)中、E1、E2及びE3はそれぞれ独立に、水素原子又は水酸基を表す。
式(2)において、nは0〜5の整数を表す。nは好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
フェニル骨格を有する共吸着剤の具体例としては、例えば3−フェニルプロピオン酸、及び、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸などが挙げられる。
グアニジン骨格を有する共吸着剤の具体例としては、例えば4−グアニジノブタン酸などが挙げられる。
ピリジン骨格を有する共吸着剤の具体例としては、例えば2,3−ピリジンジカルボン酸、5−tert−ブチル−2−ピリジンカルボン酸、及び、3−ピリジンカルボン酸などが挙げられる。
ステロイド骨格を有する共吸着剤の具体例としては、例えばデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸、及び、ヒオデオキシコール酸などが挙げられる。
式(3)中、Wは炭素原子又はシリコン原子を表し、Y1、Y2、Y3及びY4はそれぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は、炭素原子数3〜20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、Y1、Y2、Y3及びY4のうち1つは炭素原子数3〜20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、残りのうち少なくとも2つは、カルボキシル基、又は、炭素原子数1〜6の置換若しくは無置換のアルコキシ基を表す。
ここで、Wがシリコン原子である場合、Y1、Y2、Y3及びY4のうち少なくとも1つは炭素原子数3〜20の置換又は無置換の炭化水素基を表し、残りのうち少なくとも2つは、炭素原子数1〜6の置換又は無置換のアルコキシ基を表すことが好ましい。この場合、共吸着剤が酸化物半導体層13から、より脱離しにくくなる。
Wが炭素原子である場合、Y1、Y2、Y3及びY4のうち少なくとも1つは炭素原子数3〜20の置換又は無置換の炭化水素基を表し、残りのうち少なくとも2つは、カルボキシル基であることが好ましい。この場合、共吸着剤が酸化物半導体層13から、より脱離しにくくなる。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えば式(6)における炭化水素基と同様のものを用いることができる。また置換炭化水素の置換基としては、例えば式(6)における炭化水素基の置換基と同様のものを用いることができる。
式(3)で表される有機化合物の具体例としては、例えば2−ヘキサデシルマロン酸(HDMA)、デシルトリメトキシシランおよびトリフルオロプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
式(4)中、Y5、Y6及びY7はそれぞれ独立に、水酸基、又は、炭素原子数3〜20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表し、Y5、Y6及びY7のうち1つ又は2つは、炭素原子数3〜20の置換又は無置換の炭化水素基を表し、残りが水酸基を表す。
ここで、Y5、Y6及びY7のうち1つが水酸基を表し、残りが上記炭化水素基を表してもよいが、Y5、Y6及びY7のうち2つが水酸基を表し、残りが上記炭化水素基を表すことが好ましい。この場合、共吸着剤が酸化物半導体層13から、より脱離しにくくなる。
上記炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、上記炭化水素基としては、例えば式(6)における炭化水素基と同様のものを用いることができる。また置換炭化水素の置換基としては、例えば式(6)における炭化水素基の置換基と同様のものを用いることができる。
式(4)で表される有機化合物の具体例としては、例えばビス(3,3−ジメチルブチル)ホスフィン酸(DINHOP)およびn−デシルホスホン酸(DPA)が挙げられる。
式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子(O)と、その酸素原子(O)から最も遠い原子との間の長さは0.7〜3nmであることが好ましい。この場合、上記光増感色素の長さは約1.5nmであるため、式(2)〜(4)で表される有機化合物の長さが0.7nm未満である場合に比べて、漏れ電流をより十分に低下することができる。また、式(2)〜(4)で表される有機化合物の長さが3.0nmを超える場合に比べて電解質40から光増感色素への電子の注入がより行われやすくなり、低照度用色素増感太陽電池100の光電変換特性をより向上させることができる。
ここで、共吸着剤における式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子(O)と、その酸素原子(O)から最も遠い原子との間の長さは、分子式から算出することができる。
上記低照度用色素増感太陽電池100において、共吸着剤は、式(2)〜(4)で表される有機化合物から選択される2種類の有機化合物を含んでもよい。
ここで、共吸着剤は、式(2)〜(4)で表される有機化合物のうち、式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第1長さが0.7〜3nmである第1有機化合物と、式(2)〜(4)で表される有機化合物のうち、式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第2長さが0.1〜0.7nmである第2有機化合物とを含み、第1有機化合物の第1長さが、第2有機化合物の第2長さよりも大きいことが好ましい。
この場合、第2有機化合物が、第1有機化合物同士の間に入り込み、第1有機化合物同士が会合することをより十分に抑制することが可能となる。
あるいは、上記色素増感太陽電池100において、共吸着剤は、式(2)〜(4)で表される有機化合物と、下記式(X)で表される有機化合物とを含むものであってもよい。
(式(X)中、A1〜A3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A4は水酸基又はカルボキシル基を表す。)
ここで、共吸着剤は、式(2)〜(4)で表される有機化合物のうち、式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第1長さが0.7〜3nmである第1有機化合物と、式(X)で表される有機化合物のうち、式(X)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第2長さが0.1〜0.7nmである第2有機化合物とを含み、第1有機化合物の第1長さが、第2有機化合物の第2長さよりも大きいことが好ましい。
この場合、第2有機化合物が、第1有機化合物同士の間に入り込み、第1有機化合物同士が会合することをより十分に抑制することが可能となる。
なお、第1有機化合物の第1長さは、好ましくは0.7〜2nmであり、第2有機化合物の第2長さは好ましくは0.1〜0.5nmである。
上記第1有機化合物の具体例としては、例えばデオキシコール酸(1.5nm)、ケノデオキシコール酸(1.5nm)、コール酸(1.5nm)、4−グアニジノブタン酸(1nm)、3−フェニルプロピオン酸(0.9nm)、2,3−ピリジンジカルボン酸(0.9nm)、2−ヘキサデシルマロン酸(HDMA)、ビス(3,3−ジメチルブチル)ホスフィン酸(DINHOP)および5−tert−ブチル−2−ピリジンカルボン酸などが挙げられる。なお、括弧内の数値は、第1長さの値を示す。2−ヘキサデシルマロン酸(HDMA)、及び、ビス(3,3−ジメチルブチル)ホスフィン酸(DINHOP)の第1長さはそれぞれ0.9〜1.4nmである。
上記第2有機化合物の具体例としては、例えばt−ブチルアルコール(0.4nm)、2,2−ジメチルプロパン酸(0.6nm)などが挙げられる。なお、括弧内の数値は、第2長さの値を示す。
ここで、第1有機化合物に対する第2有機化合物のモル比は好ましくは0.5〜10であり、より好ましくは1〜5である。この場合、上記範囲を外れる場合に比べて、漏れ電流をより効果的に低下させることができる。
光増感色素に対する共吸着剤のモル比は通常、0.05〜2であり、好ましくは0.1〜1である。光増感色素に対する共吸着剤のモル比が上記範囲内にあると、上記範囲を外れる場合に比べて、漏れ電流をより効果的に低減することができると共に、発電電流をより増加させることができる。
次に、上記低照度用色素増感太陽電池100の製造方法について説明する。
まず1つの透明基板11の上に、透明導電膜12を形成してなる透明導電性基板15を用意する。
透明導電膜12の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法、スプレー熱分解法(SPD:Spray Pyrolysis Deposition)およびCVD法などが用いられる。
次に、透明導電膜12の上に、酸化物半導体層13を形成する。酸化物半導体層13は、酸化物半導体粒子を含む多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを印刷した後、焼成して形成する。
酸化物半導体層形成用ペーストは、上述した酸化物半導体粒子のほか、ポリエチレングリコールなどの樹脂および、テレピネオールなどの溶媒を含む。
酸化物半導体層形成用ペーストの印刷方法としては、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法、バーコート法などを用いることができる。
焼成温度は酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は350〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子の材質により異なるが、通常は1〜5時間である。
こうして作用極10が得られる。
次に、作用極10の酸化物半導体層13の表面に、上述した光増感色素を吸着させる。このためには、作用極10を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な光増感色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を酸化物半導体層13に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体層13に吸着させてもよい。
次に、作用極10の酸化物半導体層13の表面に、共吸着剤を吸着させる。このためには、作用極10を、共吸着剤を含有する溶液の中に浸漬させ、その共吸着剤を酸化物半導体層13に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な共吸着剤を洗い流し、乾燥させることで、共吸着剤を酸化物半導体層13の表面に吸着させればよい。但し、共吸着剤を含有する溶液を酸化物半導体層13に塗布した後、乾燥させることによって共吸着剤を酸化物半導体層13に吸着させてもよい。
共吸着剤は、酸化物半導体層13の表面において光増感色素が吸着していない領域に吸着されることになる。
なお、共吸着剤は光増感色素と混合し、光増感色素と同時に酸化物半導体層13の表面に吸着させてもよい。この場合、酸化物半導体層13を、光増感色素及び共吸着剤を含む溶液中に浸漬すればよい。このとき、溶液中における酸化物半導体層13の浸漬時間は、好ましくは10〜48時間であり、より好ましくは15〜25時間である。
次に、酸化物半導体層13の上に電解質40を配置する。電解質40は、例えばスクリーン印刷等の印刷法によって配置することが可能である。
次に、電解質40の上にセパレータ50を配置する。
セパレータ50は、少なくとも酸化物半導体層13の対極20側の面13aの全体を覆うように配置する。このとき、セパレータ50は電解質40を通すことが可能であるため、セパレータ50内に電解質40が浸透する。
次に、封止部30を形成するための封止部形成体を準備する。封止部形成体は、封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムに1つの四角形状の開口を形成することによって得ることができる。
そして、この封止部形成体を、作用極10の上に接着させる。封止部形成体の作用極10への接着は、封止部形成体を加熱溶融させることによって行うことができる。
次に、対極20を用意し、封止部形成体の開口を塞ぐように貼り合わせ、作用極10と対極20との間に封止部30を形成する。対極20の封止部形成体への貼合せは、大気圧下で行っても減圧下で行ってもよいが、減圧下で行うことが好ましい。なお、このとき、対極20にも予め封止部形成体を接着させておき、封止部形成体同士を接着させることによって作用極10と対極20との間に封止部30を形成してもよい。
以上のようにして低照度用色素増感太陽電池100が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、対極20が導電性基板21と触媒層22とで構成されているが、対極20が、作用極10と同様に、透明基板11とその上に設けられる透明導電膜12とで構成されていてもよい。
また上記実施形態では、対極20が可撓性を有しているが、対極20は必ずしも可撓性を有していなくてもよい。
さらに上記実施形態では、セル空間Sが陰圧となっているが、セル空間Sは陰圧となっていなくてもよい。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
板ガラスからなる厚さ4mmの透明基板の上に、厚さ5μmのFTOからなる透明導電膜を形成してなる透明導電性基板を準備した。
板ガラスからなる厚さ4mmの透明基板の上に、厚さ5μmのFTOからなる透明導電膜を形成してなる透明導電性基板を準備した。
次に、透明導電膜上に、酸化チタンを含む酸化物半導体層形成用ペーストを塗布し乾燥した後、500℃で1時間焼成した。こうして厚さ12μmの酸化物半導体層を有する作用極を得た。
次に、作用極を、光増感色素を含む溶液中に48時間浸漬させた後、取り出して乾燥させて、酸化物半導体層に光増感色素を担持させた。光増感色素を含む溶液は、アセトニトリルとt−ブタノールとを1:1(体積比)で混合させた溶媒にN719色素を濃度0.2mmol/Lとなるように溶解させることで準備した。
次に、酸化物半導体層の上に、3−メトキシプロピオニトリルにヨウ素(I3 −)を0.2mmol/L、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイドを0.6mol/L、チオシアン酸グアニジンを0.1mol/Lの濃度で溶解させて調製した電解質をスクリーン印刷法により塗布して配置した。続いて、酸化物半導体層の対極側の面を完全に覆うように、すなわちセパレータによる被覆率を100%とするように、厚さ48μm、空隙率40%の多孔質ポリオレフィンフィルム(商品名:ハイポア、旭化成(株)製)からなるセパレータを配置した。ここで、セパレータによる被覆率とは、酸化物半導体層の対極側の面の面積のうち、セパレータが被覆している面積の割合を言う。また多孔質ポリオレフィンフィルムは、より具体的にはポリエチレンで構成されている。
次に、封止部を形成するための封止部形成体を準備した。封止部形成体は、5cm×5cm×60μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル社製)からなる1枚の封止用樹脂フィルムを用意し、その封止用樹脂フィルムに、四角形状の開口を形成することによって得た。このとき、開口は、4.8cm×4.8cm×60μmの大きさとなるようにした。
そして、この封止部形成体を、作用極の上に載せた後、封止部形成体を加熱溶融させることによって作用極に接着させた。
次に、5cm×5cm×40μmのチタン箔の上にスパッタリング法によって厚さ10nmの白金からなる触媒層を形成した。こうして対極を得た。なお、こうして得られた対極と同一の厚さを有し、5cm×20cmの寸法を有するシート状対極を別途用意し、このシート状対極について20℃の環境下で最大変形率を測定したところ、最大変形率は25%であった。従って、得られた対極は可撓性を有するものであることが分かった。
次に、上記封止部形成体をもう1つ準備し、この封止部形成体を、上記のようにして得られた対極のうち作用極と対向する面に、上記と同様にして接着させた。
そして、作用極に接着させた封止部形成体と、対極に接着させた封止部形成体とを対向させ、封止部形成体同士を減圧下で重ね合わせた。このとき、封止部同士の重ね合せは、0.2MPaの雰囲気下で封止部形成体を加熱溶融させることによって行った。こうして色素増感太陽電池を得た。
(実施例2〜8)
電解質中のヨウ素(I3 −)の濃度及びセパレータの厚さを表1に示す通りにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質中のヨウ素(I3 −)の濃度及びセパレータの厚さを表1に示す通りにしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
(実施例9および10)
光増感色素を含む溶液中に表1に示す共吸着剤を溶解させたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。なお、実施例9においては、共吸着剤を0.05mmol/Lの濃度となるように光増感色素を含む溶液中に溶解させた。また実施例10においては、表1の共吸着剤の欄における上段および下段の共吸着剤をそれぞれ、0.05mmol/L及び0.05mmol/Lの濃度となるように光増感色素を含む溶液中に溶解させた。
光増感色素を含む溶液中に表1に示す共吸着剤を溶解させたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。なお、実施例9においては、共吸着剤を0.05mmol/Lの濃度となるように光増感色素を含む溶液中に溶解させた。また実施例10においては、表1の共吸着剤の欄における上段および下段の共吸着剤をそれぞれ、0.05mmol/L及び0.05mmol/Lの濃度となるように光増感色素を含む溶液中に溶解させた。
(比較例1〜8)
電解質中のヨウ素(I3 −)の濃度及びセパレータの厚さを表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
電解質中のヨウ素(I3 −)の濃度及びセパレータの厚さを表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を得た。
実施例1〜10及び比較例1〜8で得られた色素増感太陽電池について、白色LED照度200ルクス時の開放電圧Voc及び短絡電流Iscを測定し、これらの値に基づいて出力を算出した。結果を表1に示す。ここで、出力は、光電変換特性の指標となるものである。
表1に示すように、200ルクスの照度において、実施例1〜10で得られた色素増感太陽電池の出力は、比較例1〜8で得られた色素増感太陽電池の出力よりも大きかった。
以上より、本発明の低照度用色素増感太陽電池によれば、10000ルクス以下の低照度環境下で優れた光電変換特性を有することが確認された。
10…作用極
11…透明基板
12…透明導電膜
13…酸化物半導体層
13a…酸化物半導体層の対極側の面
15…透明導電性基板
20…対極
30…封止部
40…電解質
50…セパレータ
100…低照度用色素増感太陽電池
S…セル空間
11…透明基板
12…透明導電膜
13…酸化物半導体層
13a…酸化物半導体層の対極側の面
15…透明導電性基板
20…対極
30…封止部
40…電解質
50…セパレータ
100…低照度用色素増感太陽電池
S…セル空間
Claims (10)
- 透明基板および前記透明基板上に設けられる透明導電膜を有する透明導電性基板並びに前記透明導電性基板上に設けられる酸化物半導体層を備える作用極と、
前記作用極に対向する対極と、
前記酸化物半導体層に吸着される光増感色素と、
前記作用極と対極とを連結する封止部と、
前記作用極、前記対極および前記封止部によって囲まれるセル空間内に充填される電解質と、
前記酸化物半導体層および前記対極の間に設けられ、前記電解質を通すことが可能な絶縁性のセパレータとを備え、
前記セパレータの厚さが10〜120μmであり、前記電解質中のI3 −の濃度が10mmol/L以下である、低照度用色素増感太陽電池。 - 前記セパレータの空隙率が5〜98%である請求項1に記載の低照度用色素増感太陽電池。
- 前記セパレータが少なくとも前記酸化物半導体層の前記対極側の面の全体を覆う請求項1または2に記載の低照度用色素増感太陽電池。
- 前記対極が可撓性を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の低照度用色素増感太陽電池。
- 前記作用極と前記対極と前記封止部とよって囲まれるセル空間が陰圧である請求項4に記載の低照度用色素増感太陽電池。
- 前記酸化物半導体層に前記光増感色素と共に吸着する共吸着剤をさらに備え、
前記光増感色素が下記式(1)で表される金属錯化合物であり、前記共吸着剤が下記式(2)で表される有機化合物、下記式(3)で表される有機化合物、及び下記式(4)で表される有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の低照度用色素増感太陽電池。
- 前記式(2)〜(4)で表される有機化合物において、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子(O)と、その酸素原子(O)から最も遠い原子との間の長さが0.7〜3nmである請求項6に記載の低照度用色素増感太陽電池。
- 前記共吸着剤は、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物から選択される有機化合物のうち、前記式(2)〜(4)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第1長さが0.7〜3nmである第1有機化合物と、前記式(2)〜(4)及び式(X)で表される有機化合物から選択される有機化合物のうち、前記式(2)〜(4)又は式(X)で表される有機化合物中のOH基の酸素原子とその酸素原子から最も遠い原子までの第2長さが0.1〜0.7nmである第2有機化合物とを含み、前記第1有機化合物の前記第1長さが、前記第2有機化合物の前記第2長さよりも大きい請求項8に記載の低照度用色素増感太陽電池。
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-
2012
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