JP2001510011A - コイル支持体を有する回転電気機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、固定子内のスロットの中を通して引き込まれている巻線を備えている固定子（４）と、中心軸（２）と、巻線を備えかつソレノイドを形成する磁極片（８、９）の形の磁極（５、６）とを有する回転子（１）とを含み、かつ、磁極ギャップ（１３）が前記磁極の間に配置されている回転電気機械に関する。この機械は、さらに、前記ソレノイド巻線（１０、１１）を支持するために前記磁極ギャップ内に配置されているコイル支持体（１５、１６）を含む。この機械は、コイル支持体（１５、１６）が対で配置され、コイル支持体（１５、１６）の各々が、２つの隣り合う磁極（５、６）のソレノイド巻線（１０、１１）の一部分だけを支持するように形作られていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 コイル支持体を有する回転電気機械 技術の分野 本発明は、請求項１の前文に記載の通りの回転電気機械に関する。 技術の背景 回転電気機械の例として、同期機、二重供給機械（double-fed machine）ばか りでなく通常の非同期機、交流機、非同期静止型コンバータカスケード(asynchr onous static current converter cascade)における応用、外極機械(outerpole machine)、および、同期フラックス機械（synchronous flux machine）がある。 本発明による機械は、まず第１に、電力を発生させるための発電所における発 電機を意図している。 本出願書類において、「半径方向の」、「軸方向の」、「接線方向の」、およ び、「外周の」の用語は、特に明示されない限り、機械の回転子に関する方向を 規定する表示を構成する。 突極機として知られている突極を有する垂直回転電気機械の場合、従来、コイ ル支持体は異なる磁極の間に使用されている。この理由は、回転子の磁極がソレ ノイド（磁石コイル）を形成する巻線を備えた磁極片を含むということにある。 磁極が所定の幅を有するので、コイルの長辺が、回転子の中心を通って延びる軸 方向平面内に位置しておらず、すなわち、コイルの長辺を通る軸方向平面が、そ の対応する磁極の半径方向中心線を通る軸方向平面に対して平行にずれている。 したがって、回転子が回転する時に生じる遠心力の一 部分が、外周方向の切線分力によって上記長辺に影響を与えることになる。この 力は、コイル巻線内の金属を圧迫して磁極片との接触状態から離脱させようとす る。したがって、上記コイルの長辺が湾曲するという危険があり、最悪の場合に は、互いに接触し合う危険があり、このことは強力な短絡を生じさせて有害な磁 気的不均衡を次々と引き起こすことになる。 したがって、上記タイプの短絡を防止するために、必要に応じて、特別なコイ ル支持体が、磁極ギャップ、すなわち、２つの隣接する磁極の中間の間隙または 空間の中にはめ込まれる。したがって、こうしたコイル支持体の機能は、コイル 巻線を所定の位置に保持することである。コイル支持体は、特に高速機械のコイ ルにおいて一般的に使用されている。 従来のコイル支持体は、通常、１つまたはそれ以上の全ブロック支持体、すな わち、各々の磁極ギャップ内に互いに軸方向に適切な距離を置いて配置されてい る中実で概ねＶ字形の支持体から成る。コイル支持体がソレノイド巻線全体を支 持することが望ましいので、各々のコイル支持体が、２つの隣接する磁極の間の 領域全体、すなわち、磁極ギャップ領域の概ね全体を塞ぐ。上記コイル支持体に よって塞がれていない２つの回転子磁極の間にある小さな空間が、通気のために 使用されるが、回転機のタイプと使用される通気原理のタイプとに応じて、冷却 空気が軸方向に流れて磁極を冷却しその後でさらに固定子を冷却することができ る。上記空間は、本質的に、回転子磁極と固定子との間のエアギャップの付近で 得られる小さな空間であり、回転子巻線と回転子自体との間で等しく制限された 空間である。 適切な通気タイプは、いわゆるＭｉｄｉコンセプト（Midi-concept）と呼ばれ 、軸方向通気と半径方向通気である。Ｍｉｄｉコンセ プトでは、回転子本体が送風機として使用され、空気がその機械の一方の側から 磁極ギャップを通って軸方向に通過する。軸方向通気の場合には、一方の送風機 が回転子の上側に装着され他方の送風機が回転子の下側に装着される形で、２つ の軸流送風機が回転子上に装着されている。空気が磁極に冷却作用を及ぼし、さ らに、空気が固定子内の半径方向開口に軸方向に送られ、同様に空気が冷却作用 を及ぼす。しかし、固定子内に半径方向の開口がない場合には、２つの軸流送風 機を使用するこの代案は使用不可能である。しかし、一方向の軸方向通気または 半径方向通気（空気が回転子を半径方向に通過する）が、固定子鉄心内の半径方 向開口なしに通気を行うことが可能である。しかし、回転子直径が小さい場合に は、半径方向通気が不可能である。 上記コイル支持体の中を通過することが可能である冷却空気、または、冷却の ために使用されることが可能な何らかの他のタイプの気体が、多くの場合に、上 記機械の適切な冷却を実現するのには不十分であるということが明らかである。 さらに、磁極ギャップを通過することができる冷却空気の流れは、その空気に とって許される最大の温度上昇によっても制限され、さらには、空気速度が限定 されることによっても制限される。後者は、冷却空気が、磁極ギャップの中を通 して案内される時に、回転子の周速度に近い速度に加速されるためである。これ は、結果として冷却空気が機械を離れる時に完全に失う運動エネルギーが増大す ることになる。したがって、制動モーメントが生じ、その結果として、電力損失 が生じ、これは機械の効率に直接的に反映される。したがって、こうした通気損 失が空気流に正比例しているので、空気抵抗が可能な限り小さいことが望ましい 。 不十分な通気の問題を解決するための試みが行われている公知の 装置によると、冷却空気の流れに使用できる領域を増大させるために、コイル支 持体に開口が備えられている。残念であるが、こうしたコイル支持体は、多くの 場合、依然として十分な通気を実現できないままである。さらに、コイル支持体 は空気をコイルから遠ざけ、結果として少なくともいくらかの空気流は、そのた め、固定子のより近くを流れ、コイルからかなり離れたところを通過する。 米国特許第３，７４０，６００号から、コイル巻線の一部分だけを支持する、 すなわち、回転子片に最も近接している巻線だけを支持するコイル支持休または 止め金(brace)は公知である。この止め金の目的は、コイルに作用する遠心力の 接線成分による磁極からのコイルの離脱を防止することである。この止め金が最 内巻線だけを支持するように設計されている理由は、開示されている磁極構成に おいて、こうした最内巻線が特に前記の力を受けるということである。同様の装 置が米国特許第５，０３６，２３８号、ＧＢ−Ａ−２ ０２２ ３２７、および 、ＤＥ−Ａ−２５ ２０ ５１１によっても公知である。 米国特許第５，０３６，１６５号から、半導電性熱分解ガラスファイバーの外 側層と内側層とが絶縁体に備えられている導体が公知である。例えば米国特許第 ５，０６６，８８１号に開示されているような絶縁体を発電機内の導体に備える ことも知られており、この場合には、半導電性熱分解ガラスファイバー層が、上 記導体を形成する２つの並行な棒と接触しており、固定子スロット内の絶縁体が 半導電性熱分解ガラスファイバーの外側層によって周囲を囲まれている。この熱 分解ガラスファイバー材料は、含浸処理後でもその固有抵抗を保持するので適切 なものであるど述べられている。 本発明の目的 本発明の目的は、上記問題点を取り除くように設計されておりかつ効率的で単 純な形で十分な通気が得られる回転電気機械を提供することである。 この目的は、請求項１の特徴部分に規定されている特徴を有し、請求項１の前 文に記載されているタイプの機械によって達成される。 本発明の要約 したがって、上記コイル支持体が対の形に配置されており、１対のコイル支持 体の各々が、２つの隣り合う磁極のソレノイド巻線の一部分だけを支持する形に なっている。さらに、１対の２つのコイル支持体が、これらのコイル支持体の間 を冷却気体が流れることを可能にするように、互いに対して軸方向にかつ半径方 向にずれて配置されている。この配置によって、磁極ギャップの中を通過する空 気に対する流路の領域が増え、かつ、空気抵抗が減少するという利点が得られる 。したがって、より多量の空気（または他の気体）が、同じ流量比率で通過する ことが可能であり、より高度の冷却が得られる。あるいは、同じ量の空気が、低 減した比率で通過することが可能となり、それによって、上記電力損失が低減さ せられ、上記機械の効率が増大する。これは、一方では、軸方向通気では普通で あるように、２つの送風機を使用する代わりに、１つの送風機だけを使用するだ けで済むという利点をもたらす。さらに、固定子の真下のコイル端パッケージの 十分な通気も、この単一の送風機によって可能である。巻線の一部分だけを支持 する公知の装置に比較して、本発明は、巻線全てが支持されるという大きな利点 を有し、したがって、結果的に、より信頼性が高く、全体的により安全性が高い 機械を実現することになる。 別の利点は、半径方向通気（空気は回転子の中を半径方向に流れる）が不可能 である場合に、特に小直径の回転子の場合に、本発明が、コイル支持体と組み合 わされた固定子の下側へと磁極ギャップ全体を通過して流れる一方向の軸方向通 気を可能にするということである。 請求項１において特徴付けられているコイル支持体は、従来のタイプの回転電 気機械と、固定子巻線としてケーブルすなわち高電圧絶縁導電体を使用する高電 圧機械との両方に使用されることが可能であるという利点も有する。本発明によ る機械が高電圧ケーブルで構成されている固定子巻線を備えている時には、特に 顕著な利点が得られる。高電圧ケーブルが、特別に深くかつ垂直方向に高い固定 子のスロット内に位置しており、したがって、効率的な通気を得ることが特に困 難であり、効率的な通気の必要性がより大きい。 したがって、本発明による回転電気機械では、ＸＬＰＥケーブルまたはＥＰＲ 絶縁によるケーブルのような現在では配電用に使用されるタイプの固体押出絶縁 体を有するケーブルで、巻線が構成されることが好ましい。こうしたケーブルは 、１つまたはそれ以上の撚線で構成されている内側導体と、この導体の周囲を囲 む内側半導電層と、この周囲を囲む固体絶縁層と、この絶縁層の周囲を囲む外側 半導電層とを含む。こうしたケーブルは可撓性であり、このことは、本発明によ る装置のための技術が、主として、組み立て中に曲げられてケーブルから巻線が 形成される巻線システムに基づいているので、この可撓性は本発明において重要 である。ＸＬＰＥケーブルの可撓性は、一般的に、直径３０ｍｍのケーブルの場 合には約２０ｃｍの曲率半径に相当し、直径８０ｍｍのケーブルの場合には約６ ５ｃｍの曲率半径に相当する。本出願書類においては、「可撓性である」の用語 は、ケーブル直径の４倍の大きさ、好ましくはケーブ ル直径の８倍から１２倍の大きさの曲率半径に巻線が撓むことが可能であるとい うことを表している。 上記巻線は、この巻線が曲げられる時と、動作中に熱応力をこの巻線が受ける 時でも、その特性を保持するように構成されていなければならない。この関連に おいて、上記層が相互接着を維持することが重要である。上記層の物理的特性が ここでは決定的に重要であり、特に、上記層の弾性と相対的な熱膨張率とが特に 重要である。ＸＰＬＥケーブルでは、例えば、上記絶縁層が架橋低密度ポリエチ レンから成り、上記半導電層が、すすと金属粒子とが混入されたポリエチレンか ら成る。温度変動で生じる体積の変化が、ケーブルにおける半径の変動として完 全に吸収され、一方、これらの材料の弾性に対して上記層の各々の熱膨張率の間 に比較的僅かな差しかないので、上記各層の間の相互接着が失われることなしに 半径方向膨張が生じることが可能である。 上記材料の組合せは単なる一例であると見なされなければならない。上記で特 定した条件と、さらに、半導性であるという条件、すなわち、１０^-1〜１０⁶Ω ｃｍ、例えば、１〜５００Ωｃｍ、または、１０〜２００Ωｃｍの範囲内での抵 抗率を有するという条件とを満たす他の材料の組合せも、当然のことながら本発 明の範囲内に含まれる。 上記絶縁層は、例えば、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、高密度ポリエチレ ン（ＨＤＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリブチレン（ＰＢ）およびポリメ チルペンテン（「ＴＰＸ」）のような固体熱可塑性材料、架橋ポリエチレン（Ｘ ＬＰＥ）のような架橋材料、または、エチレンプロピレンゴム（ＥＲＰ）もしく はシリコーンゴムのようなゴムから成ることが可能である。 上記内側半導電層と上記外側半導電層が、すすや金属粉末ような 導電性材料粒子が混入されている同一の基本材料であることが可能である。 これらの材料の機械的特性、特に、これらの材料の熱膨張率は、少なくとも本 発明によって必要である導電性を得るために必要とされる割合ですすまたは金属 粉末が混入されているか否かによっては、比較的僅かしか影響されない。したが って、上記絶縁層と上記半導電層は概ね同じ熱膨張率を有する。 エチレン−ビニル−アセテート共重合体／ニトリルゴム（ＥＶＡ／ＮＢＲ）、 ブチル−グラフト−ポリエチレン、エチレン−ブチル−アクリレート共重合体（ ＥＢＡ）、および、エチレン−エチル−アクリレート共重合体（ＥＥＡ）も、上 記半導電層に適したポリマーを構成することが可能である。 様々なタイプの材料が上記の個々の層のベースとして使用される場合でも、こ れらの熱膨張率が概ね同一であることが望ましい。これは、上記で列挙した材料 の組合せにも当てはまる。 上記列挙した材料は、比較的優れた弾性を有し、すなわち、Ｅ＜５００ＭＰａ 、好ましくはＥ＜２００ＭＰａのＥ係数を有する。この弾性は、上記層の材料の 熱膨張率の相互間の僅かな差異のいずれもが弾性の半径方向に吸収されるのに十 分なものであり、そのため、亀裂や他の損傷が出現せず、かつ、上記層が互いに 剥離することもない。上記層の材料は弾性があり、これらの層の間の接着力は、 少なくとも、これらの層の材料の中の最も脆弱な材料と同じ大きさである。 上記の２つの半導電層の電気伝導度は、各層に沿った電位を概ね等しくするの に十分な大きさである。上記外側半導電層の電気伝導度は、ケーブル内に電界を 閉じこめるのに十分なだけ大きいが、その層の長さ方向に誘導される電流に起因 する大きな損失を生じさせ ることがないように十分に小さい。 したがって、上記２つの半導電層の各々が実質的に１つの等電位面を構成し、 これらの層は、その層の間に電界を実質的に閉じこめている。 当然のことながら、上記絶縁層内に１つまたはそれより多い追加の半導電層が 配置されることを妨げるものは何もない。 特に有利な特徴では、固定子巻線が高電圧ケーブルで構成されている。 さらに別の特徴は、上記高電圧ケーブルが２０〜２５０ｍｍの範囲内の直径と ８０〜３０００ｍｍ²の範囲内の導体面積を有するということである。 本発明のさらに別の特徴と利点とが残りの従属クレームに示されている。 別の特徴によれば、１対のコイル支持体の各々が、対応する磁極ギャップによ って占められている領域の半径方向の半分を覆っている。したがって、磁極領域 の残り部分、すなわち、残り５０％ほどが、空気流のために使用可能であるとい う利点が得られる。 あるいは、１対のコイル支持体の一方が、２つの隣り合う磁極の巻線の概ね半 分を支持するように配置されており、かつ、上記コイル支持体の他方のコイル支 持体が、上記巻線の概ね他方の半分を支持するように配置されている。 さらに別の構成として、支持された巻線の重なり部分を固定するために、１対 のコイル支持体の一方が、隣り合う２つの磁極の巻線の概ね半分を支持するよう に配置され、２つのコイル支持体の他方は、前記巻線の他の半分と追加の少数の 巻線とを支持するように配置されている。この構成では、支持された巻線の重な り部分によって特に安全な装置が実現される。 最後に、特に有利な特徴では、その２つのコイル支持体の間の軸方向の領域が 、コイル支持体によって占められていない半径方向にある磁極ギャップの領域の 一部分に概ね対応するような距離だけ、１対の支持体が軸方向に互いにずれてい る。これによって、１対のコイル支持体の間で、軸方向の冷却気体流を利用でき る領域が、半径方向の使用可能な領域、すなわち、磁極支持体によって空気の流 れが阻止されていない磁極ギャップ内の領域に概ね等しいということが、確かめ られる。 回転電気機械は従来においては６〜３０ｋＶの範囲内の電圧用に設計されてお り、３０ｋＶが上限であると一般的に考えられている。これは、発電機が一般的 に電力網の電圧レベル、すなわち、約１３０〜４００ｋＶの範囲の電圧レベルに 昇圧する変圧器を介して電力網に接続されなければならないということを意味し ている。 送電用ケーブル（例えば、ＸＰＬＥケーブル）に使用されているのと同様の固 体絶縁体を有し、高電圧ケーブルとも呼ばれる高電圧絶縁導体を使用することに よって、上記機械の電圧を、中間変圧器なしに電力網に直接接続することができ るレベルに増加することができる。したがって、従来の変圧器を取り除くことが できる。しかし、このための重要な条件は、本発明によって可能とされる十分な 通気が用意されるということである。 本発明は、先ず第１に、高電圧での使用が意図されている。ここで、高電圧と は、１０ｋＶを越える平均電圧を意味すると理解されなければならない。本発明 による装置に関する典型的な動作範囲は、３６ｋＶから８００ｋＶまでの電圧で ある。第２に、本発明は、３６ｋＶ未満の電圧での上記技術分野での使用が意図 されている。 図面の概略説明 次では、本発明をさらに適切に理解するために、次の添付図面を参照しながら 、本発明の実施形態を例示によって説明する。 図１は、回転電気機械を側面から部分的断面図で概略的に示す。 図２は、上から見たコイル支持体の詳細図を示す。 図３は、上から見た別のコイル支持体の詳細図を示す。 図４は、高電圧ケーブルの断面図を示す。 本発明の説明 側面からそして部分的に断面図で見た本発明による回転電気機械が、図１に示 されている。この機械は、中心軸２を有する回転子１と、好ましくは高電圧ケー ブル３で構成され、その固定子のスロットの中を通して引き込まれている巻線が 備えられている固定子４とを含む。図２と図３に見られるように、回転子１は、 公知の形で磁極５、６を備えている。磁極は、ソレノイドを形成する巻線１０、 １１を各々に備えた磁極片８、９を含む。巻線を備えたこれらの磁極の間には、 磁極ギャップ１３と呼ばれる空間が存在する。したがって、各磁極対の間には磁 極ギャップが存在し、これらの磁極ギャップは、回転子の中心軸と平行に磁極全 体に沿って軸方向に延びている。 コイル支持体１５、１６が、ソレノイド巻線１０、１１を所定位置に保持する ために磁極ギャップ内に配置されている。この図に示されている実施形態におけ るコイル支持体は、対の形で働くように設計されている。したがって、各々のコ イル支持体が、関連のコイル支持体が使用されている磁極ギャップに隣接した磁 極上の巻線の一部分を支持する。 図２のコイル支持体１５は、その本体が切頭尖端くさび形状であり、その側部 がコイル巻線に接触している。このコイル支持体は、 磁極ギャップが巻線の間の空間を占有しでいる半径方向領域の概ね半分を占めて いる。図２のコイル支持体は、回転子の中心軸から最も遠くのそれぞれ隣り合う 磁極巻線を支持するように配置されている。 しかし、図３のコイル支持体は、回転子の中心軸に対して最も近くのそれぞれ 隣り合う磁極巻線を支持するように配置されている。この場合も、コイル支持体 は、本体がくさび形状であり、尖端が僅かに切頭されているだけか、または、全 く切頭されていないものである。この本体の側部は巻線に接触して巻線を支持す る。この場合にも、上記本体が、巻線の間において半径方向に磁極ギャップ内の 使用可能領域の概ね半分を占めている。 コイル支持体の間を流れて通過する空気流が可能なかぎり均一であることが望 ましいので、コイル支持体が図２または図３のどちらのように配置され設計され ているかに係わらず、空気流のために使用可能な領域が概ね同一の大きさである ことが望ましい。これら２つの図のコイル支持体が概ね同一の領域を占めるべき である。しかし、第１に、コイル支持体１５、１６が等しい荷重を受けるように コイルボルト２１、２２を押し当てることにより、各コイル支持体のより精確な 寸法合わせが行われる。本発明による１対の２つのコイル支持体の各々が同一の 数の巻線ターンを支持することは必ずしも必要ではない。さらに、安全性の実現 のために、対の形で機能するコイル支持体が、ある一定量の重なり部分を伴う形 で、これら２つのコイル支持体の間の境界領域内の巻線を支持することが可能で あり、さらには、コイル支持体を完全に正確に配置するにはある程度の困難が生 じる可能性があるので、図３の実施形態によるコイル支持体が、巻線の半分より も幾分か多くを支持することが好ましいだろうし、一方、図２のコイル支持体が 巻線の概ね半分を支持する 。 コイル支持体１５、１６の両方は、回転子への取付手段を備えている。図に示 されている実施形態では、コイル支持体は中心穴１９、２０を備えており、これ らの穴を通しで取付用ねじ／支持ボルト２１、２２またはその同様のものを適用 することができる。この取付用ねじがコイル支持体を貫通させられで回転子内に 固定することができるように、回転子が、上記中心穴に対応する穴を備えている 。 磁極等の通気と冷却とをどう達成するかを示すために図１を再び参照する。冷 却空気の流れの経路が矢印２３で示されている。上記機械は、使用可能な空間す なわち磁極間の磁極ギャップに上方から軸方向に冷却空気を送る送風機２４を含 む。空気はこの送風機によって回転子の上側から下側に搬送される。空気はコイ ル支持体の間を流れ、それによって巻線を冷却し、固定子の下側に向かって下向 きに流れ続け、この固定子の下側では、下部コイル端パッケージ２５全体がその 同じ空気によって冷却される。その後で、空気が、固定子４を冷却するために固 定子４を通って上向きに流れ、外に出る。 最後に、図４は、本発明に使用するのに特に適している高電圧ケーブル３の断 面を示している。この高電圧ケーブル３は、例えば銅（Ｃｕ）で作られており円 形の横断面を有する多くの撚線部分３１で構成されている。これらの撚線部分は 高電圧ケーブルの中央部に配置されている。第１の半導電層３２がこの撚線部分 ３１の周囲を囲んでいる。例えばＸＬＰＥ絶縁体のような絶縁層３３が第１の半 導性層３２の周囲を囲んでおり、第２の半導性層３４が絶縁層３３の周囲を囲ん でいる。図に示されているケーブルは、こうしたケーブルの周囲を通常は囲んで いる外側の機械的保護シースと金属スク リーンとが取り除かれているという点で、従来の高電圧ケーブルとは異っている 。したがって、本出願における「高電圧ケーブル」の概念には、こうした配電用 ケーブルの周囲を通常は囲んでいる金属スクリーンと外側保護シースとを含む必 要がない。 図に示されている実施形態では、上記２つのコイル支持体を、半径方向により 小さいサイズでありかつ回転子の中心軸から半径方向に各々に異った距離に配置 されている２つの部分に従来のコイル支持体を分割した場合と比較することがで きる。しかし、本発明は、この実施形態に限定されるべきではなく、例えば、コ イル支持体の各々を互いに異った形状および／もしくは寸法にすることによって 、または、冷却空気の流れのために使用可能な領域をさらに増大させるように適 切な形でコイル支持体に穴を付与することによって、本明細書に添付されている 請求範囲に規定されている通りの発明思想の範囲内で、本発明に様々に変更が加 えられることが可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０２Ｋ 9/04 Ｈ０２Ｋ 9/04 Ａ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ランドグレン，ニルス−イーバー スウェーデン国，エス―723 41 ベース テロース，スティーグベルグスガタン 33

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．固定子内のスロットの中に挿入された巻線を有する固定子（４）と、中心 軸線（２）と、巻線が備えられておりかつソレノイドを形成する磁極片（８、９ ）の形の磁極（５、６）とを有する回転子（１）とを含み、回転子磁極ギャップ （１３）が前記磁極の間に備えられており、ソレノイド巻線（１０、１１）を支 持するために前記磁極ギャップ内に配置されたコイル支持体（１５、１６）を含 む回転電気機械において、前記コイル支持体（１５、１６）が対で配置され、１ 対の前記コイル支持体（１５、１６）の各々が、２つの隣り合う磁極（５、６） の前記ソレノイド巻線（１０、１１）の一部分だけを支持するように適合され、 １対の前記コイル支持体（１５、１６）の各々が、前記コイル支持体の間を冷却 気体が流れるように、互いに軸方向かつ半径方向にずれて配置されていることと を特徴とする回転電気機械。 ２．前記巻線が可撓性であり、かつ、内側半導電層（３２）で周囲を囲まれて いる導電性心線と、前記内側半導性層の周囲を囲んでおりかつ固体材料による絶 縁層（３３）と、前記絶縁層の周囲を囲んでいる外側半導電層（３４）とを含み 、前記層が互いに接着していることを特徴とする請求項１に記載の回転電気機械 。 ３．前記層（３２、３３、３４）が、弾性を有する材料で成り、動作中の温度 変動によって引き起こされる前記層における体積の変化がその材料の弾性によっ て吸収されるような材料の熱膨張率の間に所定の関係を有する材料から成り、前 記層（３２、３３、３４）が、動作中に生じる温度変動の際に、互いに対する接 着を保持することを特徴とする請求項２に記載の回転電気機械。 ４．前記層（３２、３３、３４）の材料が高い弾性を有し、好ま しくは５００ＭＰａ未満の弾性係数を有し、最も好ましくは２００ＭＰａ未満の 弾性係数を有することを特徴とする請求項３に記載の回転電気機械。 ５．前記層（３２、３３、３４）の材料の熱膨張率が概ね同一の大きさである ことを特徴とする請求項３に記載の回転電気機械。 ６．前記層（３２、３３、３４）の相互間の接着が、少なくとも前記材料の最 も弱いものと同一の大きさであることを特徴とする請求項３に記載の回転電気機 械。 ７．前記半導性層（３２、３４）の各々が本質的に１つの等電位面を構成する ことを特徴とする請求項２または３に記載の回転電気機械。 ８．前記固定子（４）の巻線が高電圧ケーブル（３）から成ることを特徴とす る請求項２−７のいずれか一項に記載の回転電気機械。 ９．前記高電圧ケーブル（３）が、２０〜２５０ｍｍの範囲内の直径と８０〜 ３０００ｍｍ²の範囲内の導体面積を有することを特徴とする請求項８に記載の 回転電気機械。 １０．前記１対のコイル支持体（１５、１６）の各々が、対応する前記磁極ギ ャップ（１３）の領域の半径方向の概ね半分を占めていることを特徴とする請求 項１−９のいずれか一項に記載の回転電気機械。 １１．前記１対の２つのコイル支持体（１５、１６）の一方のコイル支持体が 、前記２つの隣り合う磁極（５、６）の前記巻線（１０、１１）の概ね半分を支 持するように配置されていることと、前記２つのコイル支持体の他方のコイル支 持体が、前記巻線の概ね他方の半分を支持するように配置されていることとを特 徴とする請求項１−１０のいずれか一項に記載の回転電気機械。 １２．前記１対のコイル支持体（１５、１６）の一方のコイル支持体が、前記 ２つの隣り合う磁極（５、６）の前記巻線（１０、１１）の概ね半分を支持する ように配置されており、支持されている巻線の重なり部分を固定するために、前 記２つのコイル支持体の他方のコイル支持体が、前記巻線の他方の半分と、追加 の少数の巻線とを支持するように配置されていることとを特徴とする請求項１− １１のいずれか一項に記載の回転電気機械。 １３．コイル支持体によって占められでいない半径方向の磁極ギャップ（１３ ）の領域の一部分に、前記２つのコイル支持体の間の軸方向の領域が概ね一致す るような距離だけ、前記１対の２つのコイル支持体（１５、１６）が互いに対し で軸方向にずれていることを特徴とする請求項１０、１１または１２のいずれか 一項に記載の回転電気機械。