JP2000503938A - 電動ピボットアクチュエータ、及び電動ピボット機構を有するバックミラー - Google Patents

電動ピボットアクチュエータ、及び電動ピボット機構を有するバックミラー

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Abstract

(57)【要約】 バックミラーのミラーハウジング(3)を回動させる電動ピボット機構(10)が記載されている。ミラーハウジングは、手動でいずれの位置からいずれの他の位置へも移動させることができると共に、機構(10)によっていずれの位置からも通常の作動位置へ電動で移動させることができる。機構(10)は、あまり複雑でない構造を有するため、比較的簡単に製造することができる。本機構は、ミラーハウジングの限界位置を定めるための溝及びそれと係合するノーズのシステムを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 電動ピボットアクチュエータ、及び電動ピボット機構を有するバックミラー (技術分野) 本発明は、電動ピボット機構を有するバックミラー、及び電動ピボットアクチ ュエータに関する。 (背景技術) ピボットアクチュエータは、互いに対して回転可能に取り付けられた2つのア クチュエータ部材を含む。さらに、電動ピボットアクチュエータは、これらのア クチュエータ部材を互いに対して回転させるモータ及び動力伝達装置を含む。ピ ボットアクチュエータは、2つの構成部材を互いに対して回転または回動させる ことを望む様々な用途で使用することができる。 そのために、一方のアクチュエータ部材をこれらの構成部材の一方に取り付け 、他方のアクチュエータ部材をこれらの構成部材の他方に取り付けると、アクチ ュエータ部材が電動式または非電動式に互いに対して回転した時、構成部材がア クチュエータ部材の回転軸線に一致した回転または回動軸線回りに互いに対して 回転または回動する。本発明の範囲では、「回転」と「回動」は互いに交換可能 に使用されている。 そのようなピボットアクチュエータは、特に自動車等の車両のバックミラー( サイドミラー等を含む)に使用できるが、それに限定されることはない。従って 、本発明をそのような実際例について以下に説明する。 自動車には少なくとも1つのバックミラーが装備されていることは一般的に知 られている。バックミラーは、鉢形のミラーハウジングを含み、その内部にミラ ープレートが設けられて、使用時にそのミラープレートが車の長手方向に対して ほぼ直角を成す向きに配置されることによって、運転者が車の側方及び後方に位 置する道路部分を見ることができるようにする。 ミラーハウジングは車の側部から特定長さだけ突出している。特定の状況では 、例えば狭い空間に駐車する時、その長さを縮めることが望ましい。そのために 、ミラーハウジングは車に対して、ほとんどの場合はほぼ垂直向きの回動軸線 回りに回動することができ、その軸線を中心にした後ろ向きの回転移動によって ミラーハウジングの端部を車体に接近する位置へ移動させることができ、そのよ うな移動を以下の説明では折り畳みと呼び、これによって到達する位置を折り畳 み位置と呼ぶ。折り畳み位置から通常の作動位置(展開位置とも呼ぶ)への逆の 回動移動を展開と呼ぶ。 このように回動できることは、安全面においても重要である。車の外部の障害 物がミラーハウジングに接触した場合、ミラーハウジングが曲がることによって 、車及びミラーと、人である場合もある障害物の両方の損傷が回避されるか、少 なくとも軽減される。 従って、安全性の理由から、ミラーハウジングが前方向にも同様に回動移動で きることが望ましく、法律で定められている場合も多い。以下の説明では、その ような移動を折り開きと呼び、これによって到達する位置を折り開き位置と呼ぶ 。折り開き位置から通常の作動位置への逆の回動移動を折り戻しと呼ぶ。 これらの回動移動を実施できるようにするために、ミラーハウジングは、車に 固定されるミラー脚部すなわちミラーベースに回動可能に取り付けられている。 そのため、これらの回動移動を手動操作と呼ぶ外力の作用で実施することができ る。 制御の便宜上の観点から、バックミラーはさらに、この折り畳み移動及びこの 折り開き移動を行うために車の運転者によって、すなわち、例えば、ボタンを押 すことによって電気的に制御されることができるピボットアクチュエータまたは ピボット機構を含む。 ピボット機構は、モータと、ミラーハウジング及びミラー脚部に連結された動 力伝達機構を含む。ピボット機構は、モータの励起によって折り畳み移動及び折 り開き移動を実施できるだけでなく、外力の作用を受けた時にモータ及び動力伝 達機構の両方またはいずれか一方を破損させることなくこれらのすべての回動移 動を行うことができるように構成されている。 上記特徴を有するピボットアクチュエータは現在では一般的に知られている。 その一例が、例えばドイツ特許明細書第4,023,375号に記載されている 。 この既知の構造では、駆動歯車のハウジング部材に2つの溝が同心状に設けら れており、そのうちの第1溝は第2溝より短い。直径方向において第1溝に向か い合った位置に、第1溝と同じ長さの第3溝が設けられている。 ミラー脚部は、長い第2溝と係合したストップカムを有している。ミラーハウ ジングがミラー脚部に対して回動移動を行う時、このストップカムが第2溝に沿 って移動し、第2溝の端部がこのストップカムのストッパを形成しており、従っ てバックミラーの折り畳み限界位置及び折り開き限界位置を定めている。ミラー 脚部は、さらに、通常の状態ではミラー脚部に固定されたリセスにノーズが係合 することによってミラー脚部を中心軸線に連結するカムディスクを含む。このカ ムディスクは、駆動歯車のハウジング部材のそれぞれの第1及び第3溝と係合し た2つのストップカムを含む。 通常の状態において、これらの2つのストップカムは、折り畳み位置と展開位 置の間の回動移動中、ハウジング部材の第1溝及び第3溝に沿って移動する。第 1溝の一端部がその溝に沿って移動するストップカムのストッパを形成し、また 同様に、第3溝の一端部がその溝に沿って移動するストップカムのストッパを形 成しており、これらのストッパはバックミラーの展開位置を定める。 このように、このドイツ特許公報に記載されている構造は比較的複雑であり、 比較的多数の部品を含む。 展開位置から折り開き移動を行うために、カムディスクとミラー脚部の間の連 結を解除する必要がある。このために、カムディスクのノーズがリセスから離脱 する。この時、ミラーハウジングの折り開き位置から通常の作動位置への折り戻 しを手動で行う必要があり、これは欠点と見なされる。折り開き位置にある時に モータを励起すると、機構は一定の状態では目的の展開位置に対応しない「通常 」位置をとる。 さらに、溝を有する部材は対称的でないため、既知のピボット機構は左側のミ ラーか、右側のミラーにしか使用できないことは、既知の構造の欠点である。言 い換えると、左側のミラー用及び右側のミラー用に2つの互いに異なったピボッ ト機構を用意しなければならず、これは比較的高コストである。 (発明の開示) 本発明の目的は、そのようなピボットアクチュエータを改良することである。 さらに言えば、本発明の目的は、製造コストが相当に低くなるように相当に簡 単にした構造を有する、制御の便宜性がさらに向上したピボットアクチュエータ を提供することである。 本発明の重要な目的は、既知のピボットアクチュエータと比較して部品数が減 少したピボットアクチュエータを提供することである。 本発明の別の重要な目的は、左側のミラー及び右側のミラーの両方に変更なく 使用できるピボットアクチュエータを提供することである。これにより、製造者 は2種類のピボットアクチュエータを区別する必要がないため、製造コストの削 減を行うことができる。 本発明のさらに別の重要な目的は、折り開き移動からの折り戻し移動をモータ で行うことができるピボットアクチュエータを提供することである。 本発明のさらなる目的は、上記特徴を有するそのようなピボットアクチュエー タを含むバックミラーを提供することである。 上記目的のすべてを実現する本発明に従ったアクチュエータの実施例を、添付 の図面を参照しながら以下にさらに説明する。 (図面の簡単な説明) 第1図は、バックミラーを有する車両の前面図を概略的に示している。 第2A図、第2B図及び第2C図は、作動位置(第2A図)、折り畳み位置( 第2B図)及び折り開き位置(第2C図)にあるバックミラーを有する車両の上 面図を概略的に示している。 第3図は、ピボット機構の好適な実施例の主要構成部材を分解状態で示す斜視 図を示している。 第4図は、取り付け状態にあるピボット機構を一部断面図で示す図である。 第5A図は、ミラーベースの斜視図である。 第5B図は、第5A図に示されているミラーベースの上面図である。 第6A図は、上方から見たフレームの斜視図である。 第6B図は、第6A図に示されているフレームの下方から見た斜視図である。 第6C図は、第6A図に示されているフレームの底面図である。 第7A図及び第7B図は、ミラーベースの変更例の、それぞれ第5A図及び第 5B図に対応した図である。 第7C図及び第7D図は、フレームの変更例の、それぞれ第6B図及び第6C 図に対応した図である。 第8A図及び第8B図は、ミラーベースのさらなる変更例の、それぞれ第5A 図及び第5B図に対応した図である。 第8C図及び第8D図は、フレームのさらなる変更例の、それぞれ第6B図及 び第6C図に対応した図である。 第9A図及び第9B図は、検出手段の位置を示している。 (発明を実施するための最良の形態) 第1図は、車両1の側壁の前面図を概略的に示しており、その車両にほぼ水平 に延出した支持部材2が取り付けられている。支持部材2にミラーハウジング3 が取り付けられて、ほぼ垂直に延在する回動軸線4回りに回動可能である。 第2A図ないし第2C図にわかりやすく示されているように、ミラーハウジン グ3は、ほぼ鉢形であって鉢形の底部が前方に向いている。ミラーハウジング3 内にミラープレート5が、ほぼ垂直面に一致して配置されており、このミラープ レート5はミラーハウジング3に対してピボット点6回りに回動可能である。 さらに言うと、ミラー調節機構がミラーハウジング3内に配置されており、こ の機構は、互いに直交する軸線回り、すなわち垂直軸線及び水平軸線回りの回動 移動によってミラープレート5の位置を設定することができる。 ミラー調節機構の性質及び構造は、本発明の主題を構成しておらず、専門家で あれば本発明を適当に理解するためにそれの知識を必要としないので、それらに ついてはこれ以上に説明しない。既知のミラー調節機構を使用できることがわか れば十分である。 第1図には、ミラーハウジング3内にピボット機構10が配置されており、ミ ラーベースと呼ぶそれの第1ピボット部材11が支持部材2に取り付けられてい るのに対して、第2ピボット部材12がミラーハウジング3に取り付けられてい ることがさらに概略的に示されている。ピボット部材11,12は、ミラーハウ ジング3及びピボット機構10を支持部材2に取り付けた時にピボット軸線4と 整合する回転軸線14回りに互いに対して回転可能である。 第2A図ないし第2C図は、右側のミラーの場合でミラーハウジング3を有す る車両1の上面図を概略的に示している。通常の使用状態では、ミラーハウジン グ3は作動位置(第2A図)にあり、ミラープレート5は車両1の側壁にほぼ直 交する方向に延出している。この通常の作動位置を展開位置とも呼ぶ。 第2B図は、ミラープレート5が車両1に面している状態を概略的に示してい る。通常の作動位置から、ミラーハウジング3はピボット軸線4回りの後方回動 (折り畳み)移動によってその位置へ移動することができ、その位置から、ミラ ーハウジング3はピボット軸線4回りの前方回動(展開)移動によって通常の作 動位置へ戻ることができる。 ミラーハウジング3が車両1に接触するまでミラーハウジング3が折り畳まれ る可能性を避けるための手段を設けることが望ましいことは理解されるであろう 。従って、詳細に後述するそのような折り畳み自由を制限する手段が折り畳み限 界位置を定め、作動位置と折り畳み限界位置の間のミラーハウジング3の位置を 折り畳み中間位置と呼ぶ。 第2C図は、ミラープレート5が車両1と反対側に面する状態を概略的に示し ている。 ミラーハウジング3は、通常の作動位置からピボット軸線4回りの前方回動( 折り開き)移動によってその位置へ移動することができ、その位置から、ミラー ハウジング3はピボット軸線4回りの後方回動(折り戻し)移動によって通常の 作動位置へ戻ることができる。 ミラーハウジング3が車両1に接触するまでミラーハウジング3が折り開かれ る可能性を避けるための手段を設けることが望ましいことは理解されるであろう 。従って、詳細に後述するそのような折り開き自由を制限する手段が折り開き限 界位置を定め、作動位置と折り開き限界位置の間のミラーハウジング3の位置を 折り開き中間位置と呼ぶ。 折り畳み移動はユーザが意識的に実施することができ、折り開き移動は一般的 にユーザに意識されないで実施される。折り畳み移動及び折り開き移動の両方は 、例えば通り過ぎる歩行者によって、あるいは走行中にミラーハウジングが障 害物に当たるために偶発的に発生することもある。 従って、ピボット機構10は、外力の作用(例えば手動操作)によって、折り 畳み移動及び折り開き移動を展開移動及び折り戻し移動と共に実施できるように なっている。さらに、詳細に後述するように、ピボット機構10は通常の作動位 置(第2A図)を見つける手段を備えて、展開または折り戻し作業が手動か電動 のいずれで実施されても、確実に再現できるようにしている。 ピボット機構10はさらに、モータ及び動力伝達装置を含むが、簡単にするた めにこれらは第1図ないし第2図には図示されていない。動力伝達装置は、ピボ ット部材11及び12に連結されており、そのため、モータの励起時にピボット 部材11及び12が互いに対して回転することによって、ミラーハウジング3が 車両1に対してモータの従動軸の回転方向によって決定される方向に回動できる 。 このようにして、モータの作動によって遠隔位置で折り畳み移動、展開移動及 び折り戻し移動を行うことができるが、折り開き移動は電動式で実施する必要は ない。 次に、本発明に従ったピボット機構10の好適な実施例の構造を第3図ないし 第6図を参照しながら、さらに詳細に説明する。第3図は、ピボット機構10の 主要構成部材を分解状態で示す斜視図を示している。第4図は、取り付け状態に あるピボット機構10の概略的断面図を示している。 第3図及び第4図から明らかなように、ミラーベースと呼ぶ第1ピボット部材 11は、ほぼ中空の円筒形であって、一般的にベース軸101と呼ぶ比較的細い 上方部分101及びベースフランジと呼ぶ比較的広い底部分102を有している 。 第5A図は、ミラーベース11のさらに詳細な斜視図であり、第5B図はそれ の上面図である。ベースフランジ102は、支持部材2に取り付けることができ る。この取り付けは、例えばねじ等の既知の手段で行うことができる。しかし、 図示のように、ベースフランジ102は、好ましくは半径方向突起110を、図 示の例では3つ備えて、それらを支持部材2の対応のリセスにはめ込むことによ って差し込み接続を行う結果、支持部材2へのベースフランジ102の取り付 けが比較的簡単である。 さらに第3図から明らかなように、フレームと呼ぶ第2ピボット部材12は、 円形の開口202を有するほぼ平板状の底プレート201を備えており、この開 口にベース軸101が挿通される。この円形開口202は環状フレーム部分20 3によって形成されており、それの底側はベースフランジ102の上側に載って いる。フレーム12はミラーハウジング3に適当な手段で、例えばねじで取り付 けられるが、簡単にするために個別には図示されていない。 第6A図は、フレーム12を上方から見たさらに詳細な斜視図であり、第6B 図はフレーム12を下から見たさらに詳細な斜視図であり、第6C図はフレーム 12の底面図である。 折り曲げ移動(回動移動)の電気作動のために、本発明に従ったピボット機構 10はさらにフレーム12に取り付けられたモータ20(第4図)を含み、この モータの従動軸20’が、動力伝達装置21を介してベース軸101に連結され ている。 図示の実施例では、動力伝達装置21は、ウォームホィール23を駆動するウ ォーム22を含み、ウォームホィール23に第2ウォーム24が同軸的に取り付 けられて、第2ウォームホィール25を駆動する。動力伝達機構21の構成部材 はフレーム12内に軸受けで取り付けられており、その目的で使用されているフ レーム12の軸受け手段を第6A図に確認することができる。 実際には2つの第2ウォームホィール25が存在し、その各々が第2ウォーム 24で駆動される。各第2ウォームホィール25は環状の結合歯車26と噛み合 っている。環状結合歯車26はベース軸101と同軸的に配置されて、好ましく は図示のようにベース軸101に対して回転方向に固定された摩擦リング27を 介在させて、環状フレーム部分203の上側に載置されている。 結合歯車26自体はベース軸101回りに自在回転可能であるが、偶力制限噛 み合い連結部を介してベース軸101に結合されている。そのために、本発明に 従ったピボット機構10は、さらに、ベース軸101に回転方向に固定されてい るがベース軸101に対して軸方向に移動可能な環状結合部材30を備えている 。 そのために図示の実施例では、ベース部材101は、その円筒形表面に、隣接 フィンガ103間にキー溝104が形成されるとともに半径方向に突出して長手 方向に延在するフィンガ103が設けられており、一方、環状結合部材30には キー溝104にはまる半径方向内向きの突起31が設けられている。環状結合部 材30の底面には、ノーズ32が、図示の例では3つ設けられて、結合歯車26 の上面のリセス部分28にはまる。 図示の実施例では、環状結合部材30の半径方向内向きの突起31が、環状結 合部材30の上側で軸方向に、すなわち結合歯車26から離れる方向に延在して おり、これらの延出突起31の軸方向上端部は連結リング33で互いにつながっ ている。 このため、環状結合部材30のこれらの内向きの突起31は、比較的長い軸方 向距離にわたってベース軸101のキー溝104と接触するため、環状結合部材 30はベース軸101に対して非常に安定的に配置される。わかりやすくするた めに、第3図の左側に別の方向から見た環状結合部材30の斜視図が示されてい る。 環状結合部材30上には、コイルばね部材40が配置されており、その上端部 がベース軸101に取り付けられた支持リング41に当接する一方、ばね部材4 0の下側が環状結合部材30の上側を押しつけているので、環状結合部材30は 結合歯車26に押しつけられ、この結合歯車26は底プレート201の環状フレ ーム部分203に押しつけられており、この環状フレーム部分203はベースフ ランジ102に押しつけられている。 通常の作動中、環状結合部材30のノーズ32が結合歯車26のリセス部分2 8と係合することによって、結合歯車26はミラーベース11に対して回転方向 に固定されている。ここでモータ20を励起すると、動力伝達装置21の各第2 ウォームホィール25が、ミラーベース11に対して固定された結合歯車26回 りの軌道に沿って押し進められる。 これらの第2ウォームホィール25はフレーム12内に軸受で取り付けられて おり、このフレーム12にミラーハウジング3も取り付けられているため、ミラ ーハウジング3は支持部材2に対して回動するように押し進められる。 何らかの理由でフレーム12の移動が拘束された場合、モータ20を流れる電 流の強さが増加し、これは電流検出手段によって検出される。そして、この手段 は既知であるためにここではこれ以上に説明しないが、これがモータ20のスイ ッチを切る。 モータ20の回転によってフレーム12がミラーベース11に対して回転する ことは可能であるが、動力伝達装置21のセルフロッキングによる特徴のために 逆転はできない。従って、外力がフレーム12に(すなわちミラーハウジング3 )に加えられた時、フレーム12は動力伝達装置21によってミラーベース11 に対して固定保持される。通常の状態では、これによってミラーハウジング3は 走行中の風等の「通常の」外力によって回動しないようになっている。 他方、反対に、外力を加えることによってミラーハウジング3を手動で回動さ せることが望まれる場合がある。さらに、安全性の観点から、特定レベルを超え る力の発生時にミラーハウジング3が曲がることが一般的に法律で定められてさ えいる。そのような曲がりは、異常に大きい力の発生時にピボット機構10に対 する負荷が大きくなって機構を破壊することを防止するため、ピボット機構10 にも好都合である。 従って、動力伝達装置21とベース軸101の間に切り離し作動が生じる必要 がある。その目的のために、環状結合部材30のノーズ32と結合歯車26の対 応リセス28は、傾斜した側面を備えており、所定レベルを超える特定の接線力 (モーメント;偶力)の発生時に環状結合部材30のノーズ32が結合歯車26 の対応リセス28から押し出され、環状結合部材30が軸方向に押し上げられる ことによって、ばね40が圧縮されるように傾斜側面の大きさが定められている 。 その時、結合歯車26とミラーベース11の間の結合状態が解除されて、ミラ ーハウジング3はフレーム12、モータ20、動力伝達装置21及び結合歯車2 6と一体化してミラーベース11に対して自由に回転することができる。環状結 合部材30はミラーベース11に対して回転方向に固定されたままである。 この所定レベルは、モータ20が発生できる最大偶力より大きいが、手動回動 中に動力伝達装置21及びモータ20に過大な負荷が加わるほどに高くないよう に選択される。 前述したように、摩擦リング27は回転方向においてベース軸101に対して 固定されており、このために摩擦リング27にはベース軸101のキー溝104 にはまる半径方向内向きの突起29を設けることができる。 従って、本装置10では、そのような回動移動中に摩擦リング27の上表面と 摩擦リング27の底表面の両方がそれぞれ結合歯車26及び環状フレーム部分2 03に対して摩擦状態で押しつけられているので、外力の作用による回動に対し て比較的大きい抵抗が得られる。この効果も、例えば走行中の風に対して大きい 安定性を与えることができる。 ミラーハウジング3が車両支持部材2に対して回動移動する間、環状フレーム 部分203の底面はベースフランジ102の上側を横切るように摺動する。 本発明の重要な態様によれば、第5A図、第5B図、第6B図及び第6C図を 参照しながら以下に説明するように、ベースフランジ102と環状フレーム部分 203は、展開位置を定め、折り畳み移動を制限すると共に、折り開き移動を制 限する手段を備えている。 従って、折り畳み制限手段は折り畳み限界位置を定めるが、バックミラー等の 適応構造は、ベースフランジ102と環状フレーム部分203の間に定められた 本発明に従った折り畳み制限手段よりも先に作動する追加折り畳み制限手段を備 えることが可能であり、その場合、これらの追加折り畳み制限手段が実際の折り 畳み限界位置を定める。同様な考察を折り開き制限手段にも適用できる。 しかし、空間がないため、そのような追加折り畳み制限手段をアクチュエータ 10の外部に設けることは望ましくないか、不可能でもある場合があり、そのよ うな場合のために、本発明は、上記制限のすべてを本来的に与えるピボット機構 を提供している。 第5A図及び第5B図は、ベースフランジ102の環状の上面150が内外に 並んだ幾つかのリングに、図示の例では2つのリングに、すなわち内側リング1 51と外側リング152に分割されていることを示している。 内側リング151は、所定角度αにわたって窪んだ構造であり、わずかに傾斜 した端部壁154及び155を有する第1部分リング形溝153を形成してい る。直径方向において第1部分リング形溝153に向かい合った位置で、外側リ ング152は同じ角度αにわたって窪んだ構造であり、やはりわずかに傾斜した 端部壁157及び158を有する第2部分リング形溝156を形成している。 直径方向において第1部分リング形溝153に向かい合った位置で、内側リン グ151は、所定角度βにわたって隆起した構造であり、わずかに傾斜した側面 160及び161を有する第1軸方向ノーズ159を形成しており、第1ノーズ 159の中心の角位置は、第2部分リング形溝156の中心の角位置と一致して いる。 同様に、半径方向において第1ノーズ159に向かい合った位置で、外側リン グ152は同じ角度βにわたって隆起した構造であり、わずかに傾斜した側面1 63及び164を有する第2軸方向ノーズ162を形成しており、第2ノーズ1 62の中心の角位置は、第1部分リング形溝153の中心の角位置と一致してい る。 第6B図及び第6C図は、環状フレーム部分203の環状の底面250が、ベ ースフランジ102の上面150と同様に、内外に並んだ幾つかのリングに、図 示の例では内側リング251と外側リング252の2つのリングに分割されてい ることを示している。 内側リング251は所定角度αに等しい角度にわたって窪んだ構造であり、わ ずかに傾斜した端部壁254及び255を有する第3部分リング形溝253を形 成している。直径方向において第3部分リング形溝253に向かい合った位置で 、外側リング252は同じ角度αにわたって窪んだ構造であり、やはりわずかに 傾斜した端部壁257及び258を有する第4部分リング形溝256を形成して いる。 直径方向において第3部分リング形溝253に向かい合った位置で、内側リン グ251は、同じ角度βにわたって隆起した構造であり、わずかに傾斜した側面 260及び261を有する第3軸方向ノーズ259を形成しており、第3ノーズ 259の中心の角位置は、第4部分リング形溝256の中心の角位置と一致して いる。 同様に、半径方向において第3ノーズ259に向かい合った位置で、外側リン グ252は、同じ角度βにわたって隆起した構造であり、わずかに傾斜した側面 263及び264を有する第4軸方向ノーズ262を形成しており、第4ノーズ 262の中心の角位置は、第3部分リング形溝253の中心の角位置と一致して いる。 これらの溝及びノーズの寸法は、ピボット機構10の取り付け状態において、 第1、第2、第3及び第4ノーズ159、162、259及び262がそれぞれ 第3、第4、第1及び第2溝253、256、153及び156に嵌り、環状フ レーム部分203の底面250がベースフランジ102の上面150の上に載る ように定められている。 本発明の重要な利点は、ピボット機構10を左側のバックミラー及び右側のバ ックミラーの両方に使用でき、変更の必要がない点にある。左側のバックミラー に使用された時、通常の作動位置(展開位置)は、第1、第2、第3及び第4溝 153、156、253及び256のそれぞれの傾斜端部壁154、157、2 54、257によって定められる。 ピボット機構10が展開位置にある場合、第3、第4、第1及び第2ノーズ2 59、262、159、162のそれぞれの側面261、264、161、16 4が第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256のそれぞれ の傾斜端部壁154、157、254、257と接触する。 折り畳み移動中、第3、第4、第1及び第2ノーズ259、262、159、 162は第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256内を移 動して、やがてそれらの他方の傾斜側面260、263、160、163がそれ ぞれ第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256の他方の傾 斜端部壁155、158、255、258と接触することによって、左側のミラ ーの折り畳み限界位置が定められる。 前述したように、ピボット機構10が折り畳み限界位置に到達しないようにす る外部ストッパをミラーに設けてもよい。 右側のバックミラーに使用する時、通常の作動位置(展開位置)は、第1、第 2、第3及び第4溝153、156、253及び256のそれぞれの傾斜端部壁 155、158、255、258によって定められる。 ピボット機構10が展開位置にある場合、第3、第4、第1及び第2ノーズ2 59、262、159、162のそれぞれの側面260、263、160、16 3が第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256のそれぞれ の傾斜端部壁155、158、255、258と接触する。 折り畳み移動中、第3、第4、第1及び第2ノーズ259、262、159、 162は第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256内を移 動して、やがてそれらの他方の傾斜側面261、264、161、164がそれ ぞれ第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256の他方の傾 斜端部壁154、157、254、257と接触することによって、右側のミラ ーの折り畳み限界位置が定められる。 前述したように、ピボット機構10が折り畳み限界位置に到達しないようにす る外部ストッパをミラーに設けてもよい。 このように、左側のミラー及び右側のミラーの両方に対して、ノーズと溝によ って定められる展開位置と折り畳み位置の間の最大角距離(折り畳み移動の自由 )がα−βになり、好適な実施例では、この距離が約80゜である。 次に、左側のミラーに使用した場合の第5図及び第6図に示されているピボッ ト機構10の、モータ20を励起した時の作動をさらに詳細に説明するが、その ミラーは実際の折り畳み限界位置または実際の折り開き限界位置を定める追加の ストッパ手段を備えていないことを理解されたい。 上記に関して、右側のミラーに使用する場合、作動は対称的であることは当該 技術の専門家には理解されるであろうから、そのように使用する場合の作動を個 別に繰り返さない。 本説明では、各場合において展開位置から始まり、従って第3、第4、第1及 び第2ノーズ259、262、159、162のそれぞれの側面261、264 、161、164が第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び2 56のそれぞれの傾斜端部壁154、157、254、257と接触している。 電気力 操作ボタンを操作することによって運転者がモータ20を折り畳み移動に対応 した方向に励起した時、動力伝達装置21の第2ウォームホィール25は結合歯 車26の周囲を反時計回りに移動し、フレーム12は反時計回りに回動し、第3 、第4、第1及び第2ノーズ259、262、159及び162は、第1、第2 、第3及び第4溝153、156、253及び256内を移動し、やがてそれら の他方の傾斜側面260、263、160、163がそれぞれ第1、第2、第3 及び第4溝153、156、253及び256の他方の傾斜端部壁155、15 8、255、258と接触する。 従って、回動移動に対して妨害力が与えられるため、モータ20を流れる電流 の強さが増大し、その結果、前述したように、モータ20のスイッチが切れるた め、折り畳み移動が終了する。 運転者がミラーハウジング3を展開位置へ戻したい時、操作ボタンを操作して モータ20を逆方向に励起する。従って上記プロセスが逆向きに繰り返されて、 やがて第3、第4、第1及び第2ノーズ259、262、159及び162のそ れぞれの側面261、264、161及び164が第1、第2、第3及び第4溝 153、156、253及び256のそれぞれの傾斜端部壁154、157、2 54、257と接触するため、やはり回動移動に対して妨害力が与えられ、モー タ20がそれに打ち勝つことができないため、展開移動が終了する。 この回動移動中、結合歯車26はベース軸101に対して、従って摩擦リング 27に対して静止したままであるため、モータ20が打ち勝つべき摩擦量は外力 の場合より小さい。 機械的外力 比較的大きい後向きの力が展開位置にあるミラーハウジング3に外部から加え られた時、前述したように動力伝達装置21及びモータ20の損傷を防止するた めに、環状結合部材30が軸方向に押し離されることによって、結合歯車26を ベース軸101から離脱させる。 ミラーハウジング3の次の折り畳み移動中、結合歯車26はフレーム12に対 して固定したままであり、環状結合部材30はベース軸101に対して固定した ままである。第3、第4、第1及び第2ノーズ259、262、159、162 が第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256内を最大限に 移動し、やがてそれらのそれぞれの他方の傾斜側面260、263、160、1 63が第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256のそれぞ れの他方の傾斜端部壁155、158、255、258と接触する。 外力が取り除かれた時、ミラーハウジングはその時に到達していた折り畳み中 間位置に留まり、それの最大位置は折り畳み限界位置である。このため、ミラー ハウジング3を折り畳み移動させるために必要な外力(偶力)は主に摩擦力によ って決定されるのに対して、ミラーハウジング3が展開位置を離れるために必要 な外力(偶力)は、その摩擦力に環状結合部材30を軸方向に押し離すために必 要な力を加えた力になる。 折り畳み位置か、いずれかの折り畳み中間位置から、手動展開移動によってミ ラーハウジング3を展開位置へ戻すことができる。これに必要な外力(偶力)も 、主に摩擦力によって決定される。 ミラーハウジング3の展開移動中、結合歯車26はフレーム12に対して固定 されたままであり、環状結合部材30はベース軸101に対して固定されたまま である。第3、第4、第1及び第2ノーズ259、262、159及び162は 、第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256内を移動し、 やがて展開位置において、それらのそれぞれの側面261、264、161、1 64が第1、第2、第3及び第4溝153、156、253及び256のそれぞ れの傾斜端部壁154、157、254、257と接触し、この時にさらに回動 するために必要な力が相当に増大するため、ユーザはこれをブロッキングとして 感知する。このため、展開位置は再現可能に確実に定められ、ユーザは展開位置 に到達したことが確実にわかる。 外力によってミラー機構3が展開位置からこの折り畳み位置またはいずれかの 折り畳み中間位置へ移動した場合で、手動展開移動を実施する時、展開位置に到 達した時点で環状結合部材30のノーズ32が結合歯車26のリセス28に再び 押し込まれ、これに伴ったクリックをユーザは(可聴音または感触で)感知する ことができる。 手動で到達したいずれの折り畳み中間位置からでも、モータ20の励起によっ てもミラーハウジング3を展開位置へ戻すことができる。そのためには、モータ 20を折り畳みに必要な方向と逆の方向に励起する。その結果、結合歯車26が 最初に回転して、やがて結合歯車26のリセス28が環状結合部材30のノーズ 32と整合し、この時に環状結合部材30のノーズ32は結合歯車26のリセス 28内へ再び押し込まれる。それ以降、結合歯車26はベース軸101に再び連 結されて、上記のようにモータ20の回転によってミラーハウジング3が展開す る。 ミラーハウジング3が手動で到達したいずれかの折り畳み中間位置にある時に モータ20を折り畳みに必要な方向と同じ方向に励起しても、これは害にならず 、それによってミラーハウジング3は折り畳み位置に到達するだけであり、そこ から通常通りに展開位置へ戻すことができる。 前述したように、比較的大きい前向きの力が外部からミラーハウジング3に加 えられた時、環状結合部材30が軸方向に押し離されて、結合歯車26をベース 軸101から切り離すことができる。 さらに、第3、第4、第1及び第2ノーズ259、262、159及び162 の側面261、264、161及び164が傾斜状態にあることと、第1、第2 、第3及び第4溝153、156、253及び256の端部壁154、157、 254及び257が傾斜状態にあることから、第3、第4、第1及び第2ノーズ 259、262、159及び162が第1、第2、第3及び第4溝153、15 6、253及び256から押し出され、これに伴ってフレーム12全体がそれに 取り付けられたミラーハウジング3と共に第3、第4、第1及び第2ノーズ25 9、262、159及び162の軸方向寸法(高さ)に等しい距離だけ軸方向に 移動する。 次の折り開き移動では、この時は比較的小さい力を必要とするだけであるが、 結合歯車26がフレーム12に対して固定されたままであり、環状結合部材30 はベース軸101に固定されたままである。第1及び第2ノーズ159及び16 2は、環状フレーム部分203の底面250のそれぞれ内側リング251及び外 側リング252を横切るように摺動する一方、第3及び第4ノーズ259及び2 62はベースフランジ102の上面150のそれぞれ内側リング151及び外側 リング152を横切るように摺動する。 外力が取り除かれた時、ミラーハウジングはその時点で到達していた折り開き 中間位置に留まり、それの外側の位置は折り開き限界位置であって、第3及び第 4ノーズ259及び262の傾斜側面261及び264がそれぞれ第1及び第2 ノーズ159及び162の傾斜側面161,164に出会った時点でその限界位 置に到達する。 これらのノーズ及び溝によって定められる展開位置と折り開き限界位置の間の 最大角距離(折り開き移動の自由)は1/2(360゜−α−β)であり、好適 な実施例では100゜より大きい。好適な実施例では、αは約115゜で、βは 約35゜である。 各折り開き中間位置(及び折り開き限界位置)では、ノーズ159,162, 259,262がベース11に対するフレーム12用の整合していない4つの支 持点を形成しているため、安定した状況が確保される。望まれる場合、内外に並 んだリング及びそれに形成された溝及びノーズの数を増加させて支持点の数を増 加させることもできる。 第7A図ないし第7D図は、上記ピボット機構の、リングの数を3にした変更 例を示している。第7A図ないし第7D図において、同一の参照番号は同一また は対応の構成部材を示しており、第5図及び第6図に示されている実施例と比較 して、第3リングが上記の2つのリングの外側に追加されていることが理解され るであろう。 しかし、上記の2つのリングの内側に、またはその間に第3リングを配置する こともできることは明らかであろう。ベースフランジ102の環状の上面150 の第3リングは参照番号170で示されており、角度寸法がαの第5部分リング 形溝171と、直径方向においてそれに向かい合った位置に角度寸法がβの第5 軸方向ノーズ172を備えている。 第5部分リング形溝171はわずかに傾斜した端部壁173及び174を備え ており、第5軸方向ノーズ172はわずかに傾斜した側面175及び176を備 えている。第5ノーズ172の中心の角位置は、第1ノーズ159の中心の角位 置に対して約90゜ずれている。 同様に、環状フレーム部分203の環状底面250は、角度寸法がαの第6部 分リング形溝271と、直径方向においてそれに向かい合った位置に角度寸法が βの第6軸方向ノーズ272を有する第3リングを備えている。 第6部分リング形溝271はわずかに傾斜した端部壁273及び274を備え 、第6軸方向ノーズ272はわずかに傾斜した側面275及び276を備えてお り、第6ノーズ272の中心の角位置は、第3ノーズ259の中心の角位置に対 して90゜ずれている。 ミラーハウジング3を展開位置から前方へ離すために必要な力(偶力)は、ミ ラーハウジング3を展開位置から後方へ離すために必要な力(偶力)より大きい 。結局、どちらの場合も結合歯車26をベース軸101から切り離す必要があり 、このためにばね部材40が環状結合部材30のノーズ32の軸方向寸法(高さ )に等しい距離だけ圧縮されるのに対して、前回動方向ではさらにフレーム12 全体をベース軸101に対して第3、第4、第1及び第2ノーズ259,262 、159及び162の軸方向寸法(高さ)に等しい距離だけ軸方向に移動させな ければならないため、その場合にはばね部材40をさらに圧縮する必要がある。 前述したように、第3及び第4ノーズ259及び262の傾斜側面261,2 64がそれぞれ第1及び第2ノーズ159,162の傾斜側面161及び164 に出会った時、折り開き限界位置に達する。第5図及び第6図に示されているよ うなそれらの構造のため、それらのノーズは原理的にさらに回動移動することを 可能にする。 これに伴って、フレーム12全体がベース軸101に対してこれらのノーズ1 59,162,259,262の高さに等しい距離だけさらに上昇し、ばね40 がさらに圧縮されるため、これはさらに大きい力を必要とする。ピボット機構1 0は、フレーム12のそのようなさらなる軸方向移動を阻止するストッパ手段を 備えることができる。 可能な実施例では、巻線が互いに接触することから、本来的なストッパ部材と して機能するのはばね40自体であるが、これは一般的に望ましくない。別の可 能な実施例では、環状結合部材30の軸方向寸法が、それのさらなる軸方向変位 を支持リング41が拘束するように選択される。 しかし、さらなる回転が直接的に阻止されるようにノーズ159,162,2 59,262の形状を定めることも可能である。そのような実施例の一例が第8 A図ないし第8D図に示されており、ここで第5図及び第6図と同一の参照番号 は同一または対応の構成部材を示している。 第1ノーズ159に隣接して、ほぼ直線状の端面182及び183を有する第 1ストップカム181が配置されている。第1ストップカム181の接線寸法は 第1ノーズ159の接線寸法とほぼ同じであるか、第1ノーズ159の接線寸法 よりわずかに大きく、各ノーズの接線寸法をそのノーズの半分の高さでの接線寸 法として定める。 同様に、各溝の接線寸法をその溝の半分の深さでの接線寸法として定める。第 3溝253は、第1ノーズ159及び第1ストップカム181の結合体を収容で きる半径方向寸法(幅)を有している。半径方向(幅方向)において、第3溝2 53は2つの部分に、すなわちノーズ159が配置される内側溝部分253’及 びストップカム181が配置される外側溝部分253”に分割されている。外側 溝部分253”は内側溝部分253’より大きい接線寸法を有しており、ほぼ軸 方向に延びた端面を備えている。必要に応じて変更を加えて、第2,第3及び第 4ノーズに、また第1、第2及び第4溝にも同様に適用できる。 折り畳み限界位置及び展開位置において、各ストップカムはそれに対応した溝 部分の延長部分に嵌り、それらの端部と接触しない。この時の機構の作用は上記 の通りである。すなわち、展開位置において前向きの力を加えると、ノーズの傾 斜側面とそれに対応した溝の傾斜端面との協働によって折り開き移動が変更なく 実施される。折り開き限界位置に達した時、ストップカムの軸方向側面が互いに 当接することによって、それ以上の回動ができなくなる。 いずれの折り開き中間位置からでも、ミラーハウジング3を手動折り戻し移動 で展開位置へ戻すことができる。それに必要な外力(偶力)も、主に摩擦力によ って決定される。ミラーハウジング3の折り戻し移動中、結合歯車26はフレー ム12に対して固定されたままであり、環状結合部材30はベース軸101に対 して固定されたままである。 第3、第4、第1及び第2ノーズ259,262、159及び162はそれぞ れリング151,152,251,252上を移動して、やがて展開位置におい て第1、第2、第3及び第4溝153,156,253及び256に押し込まれ 、その時点で環状結合部材30のノーズ32が再び結合歯車26のリセス28に 押し込まれ、それに伴ったクリックをユーザが(可聴音または感触で)感知する ことができる一方、この時にさらなる回動に必要な力が相当に増加し、それをユ ーザはブロッキングとして感知する。このすべてから、ユーザは展開位置に達し たことがわかる。 いずれの折り開き中間位置からでも、ミラーハウジング3をモータ20の作動 によって再び展開位置へ戻すことができる。そのために、モータ20を折り畳み 移動の場合と同じ方向に励起する。まず、結合ギヤ26がミラーハウジング3に 対して、またミラーベース11に対して回転して、やがて結合歯車26のリセス 23が環状結合部材30のノーズ32と整合し、ここで、これらのノーズ32が 結合歯車26のリセス23と係合することによって、結合歯車26をベース管1 01に結合することができる。 その時点から先、結合歯車26は回転方向においてベース軸101に固定され たままであり、フレーム12はミラーハウジング3と共に展開位置へ回動する( 折り戻し移動)。ノーズ159,162,259,262が溝253,256, 153,156に到達した時、フレーム12はミラーハウジング3と共に再び軸 方向に押し下げられるが、モータ20は大きい抗力を受けず、折り畳み限界位置 に到達するまで、回動移動が続く(折り畳み移動)。その後、モータ20の回転 方向が逆になる(展開移動)。展開位置に到達した時、前述したようにモータ2 0のスイッチが切れる。 ミラーハウジング3が手動で到達したいずれかの折り開き中間位置にある時、 モータ20を展開に必要な方向と同じ方向に励起しても、これは害になることは なく、その場合は、折り開き位置に到達するだけであって、そこから通常通りに 折り畳み位置に戻ることができる。 通常状態では、ピボット機構は電気作動するだけであり、従って展開位置か折 り畳み限界位置をとることができるだけである。機構が手動で特定位置へ移動す る場合、その位置は折り開き位置か折り畳み位置であろう。従って、ピボット機 構の制御システムは、ピボット機構をいずれかの中間位置から展開位置へ移動さ せたい場合、最初に機構を基準位置として折り畳み位置へ移動させて、そこから 展開位置へ移動させる。 しかし、そのような基準手順は、機構が外力の作用で到達した位置にある場合 にだけ必要である。従って、ピボット機構が外力の作用で到達した位置にあるの かを検出して信号を発生する検出手段が必要であり、その信号を制御装置が利用 して、モータがそれに基づいてこの基準手順を任意に実行できるようにする。 本発明はそのような検出手段を設けており、本発明によるものは簡単で直接的 な構造という利点を有し、ゴミや埃の影響を受けないように適当に保護されてい る。 この検出手段の1つの実施例300は、作動ロッド302を有するマイクロス イッチ301を含む。第9A図の底面図に示されているように、マイクロスイッ チ301はベースフランジ102内に配置されている。ベースフランジ102に 、軸方向通路がキー溝104の1つと一致して設けられている。 第9B図の断面図で示されているように、作動ロッド302はこの開口に挿通 されて、このキー溝104内をある程度まで進んで、摩擦リング27及び結合歯 車26より先まで延出しており、このために、第3図にわかりやすく示されてい るように、摩擦リング27の突起はキー溝104の数より少なくなっている。作 動ロッド302の上端部は環状結合部材30の突起31の底側に当接している。 通常の作動状態では、環状結合部材30の底側のノーズ32が結合歯車26のリ セス28内に下がっている。その状態では、環状結合部材30が作動ロッド30 2を押しつけており、マイクロスイッチ301は第1スイッチ状態(開または閉 )にある。 前述したように、外力の影響を受けた回動中に、環状結合部材30が上昇する 結果、マイクロスイッチ301は作動ロッド302を介して第2スイッチ状態( 閉または開)に移動する。当該技術の専門家には理解されるように、図示しない 電線を介して、マイクロスイッチ301の接点はモータ20用の制御部材に接続 されている。 本発明に従った動力伝達装置21は、上記実施例以外の構造を有するものでも よいが、図示の実施例は強度の点から好ましく、2つのウォームホィール25を 用いて、両方を結合歯車26に噛み合わせると共に、両方が第1ウォームホィー ル23と同軸的に形成されたウォーム24で駆動されるようにすることが特に好 ましい。これに関連して、結合歯車26が第2ウォームホィール25の傾斜歯に 対応した傾斜歯を有していれば有利である。 結合歯車26をフレーム12の環状フレーム部分203の上部に直接に、また は任意であるが摩擦リング27を介在させて載せて、動力伝達装置21の第2ウ ォームホィール25及びこのウォームホィール25を駆動する第2ウォーム24 をその結合歯車26の平面上に配置することによって、ピボット機構10をわず かな端部間寸法で形成することができる。 本発明に従ったピボット機構10は、最小限の構成部材で上記機能を提供する 。これらの構成部材は、例えばプラスチックから、ノーズ及びリセスの両方また はいずれか一方かを溝と共に一体部品として製造することができるため、製造コ ストを節約できる。結合歯車26を対称的にする、すなわちそれの上面及び底面 にリセス23を設けることによって、組み立てコストの節約も行うことができる 。 折り畳み限界位置及び展開限界位置を定めるノーズ及び溝は一方向のみに作動 するので、電気による回動作動中に位置決定抗力に打ち勝つ必要がないため、モ ータ20及び動力伝達装置21は特に強力である必要がなく、従って比較的廉価 にすることができる。 発明の概念または請求の範囲に定義されている保護範囲から逸脱することなく 本発明に従った装置の図示の実施例に変更または修正を加えることが可能である ことは、専門家には理解されるであろう。 例えば、結合歯車にノーズを設ける一方、それに対応したリセス部分を環状結 合部材に設けることも可能である。ベース軸に対する環状結合部材の回転方向の 固定は、他の手段で、例えばキー溝の外形以外の外形を選択することによって実 現することもできる。 さらに、ベースフランジ102及びフレーム12の溝及びノーズを互いに直径 方向に向かい合わせることは厳密的に必要ではないが、対称性の理由からこれが 好ましい。溝の相対的な変位はその溝にはまるノーズの同様な相対的な変位を必 要とすることは当該技術の専門家には理解されるであろう。 さらに、逆の組み立てにして、ベース軸を有するミラーベースをミラーハウジ ングに取り付ける一方、車両に取り付けられた支持部材にフレームを取り付ける ことも可能であることは理解されるであろう。 上記実施例では、各リングに1つのノーズ及び1つの溝が組み合わされている 。しかし、各リングに2つのノーズ及び2つの溝を組み合わせて、各リングの順 序を90゜の間隔でノーズ・溝・ノーズ・溝にすることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 ブルワー,ステファン フリッツ オランダ国 エヌエル―2517 エイチケイ デン ハーグ ホランダーストラート 22 (72)発明者 バンツァンテン,アルバータス オランダ国 エヌエル―5235 デーピー エス―ヘルトゲンボッシュ ビジステレン 57

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.電動ピボットアクチュエータ(10)であって、 ベース軸(101)、及びほぼ環状の上面(150)を有するベースフランジ(102)を 含むミラーベース(11)と、 環状の底面(250)を有する環状フレーム部分(203)が前記ベース軸(101)の回 りに伸びて前記ベースフランジ(102)上に載るようにしたフレーム(12)と、 該フレーム(12)の前記環状フレーム部分(203)の上で前記ベース軸(101)の回 りに、任意であるが摩擦リング(27)を介在させて配置された環状の結合歯車(26) と、 該結合歯車(26)の上面に載置された環状の結合部材(30)と、 該環状の結合部材(30)の底面と前記結合歯車(26)の上面の間に偶力制限噛み 合い連結部を形成する手段(28,32)と、 前記ベース軸(101)に対する前記環状結合部材(30)の回転方向の固定及び軸 方向自由を与える手段(31,103,104)と、 前記環状結合部材(30)の上面に軸方向下向きの圧力を加える手段(40)と、 電動モータ(20)と、 該モータ(20)の従動軸(20')と前記結合歯車(26)の間に連結された動力伝達 装置(21)と、 前記ミラーベース(11)と前記ハウジングフレーム(12)の間に形成されて、前 記ピボットアクチュエータ(10)の展開位置、折り畳み限界位置及び折り開き限界 位置を定める一方向作動式偶力制限ストップ手段とを含み、 該ストップ手段は、 前記ミラーベース(11)の前記環状上面(150)の内側リング(151)内に形成され て傾斜端面(154,155)を有する第1部分リング形溝(153)、前記上面(150)の外側 リング(152)内に形成されて傾斜端面(157,158)を有する第2部分リング形溝(156 )、前記環状フレーム部分(203)の前記環状底面(250)の内側リング(251)内に形成 されて傾斜端面(254,255)を有する第3部分リング形溝 (253)、及び前記底面(250)の外側リング(252)内に形成されて傾斜端面(257,258) を有する第4部分リング形溝(256)を含み、前記各溝は互いに等しい角度寸法( α)を有しており、さらに、 前記上面(150)の前記内側リング(151)に形成されて傾斜側面(160,161)を有 する第1ノーズ(159)、前記上面(150)の前記外側リング(152)に形成されて傾斜 側面(163,164)を有する第2ノーズ(162)、前記底面(250)の前記内側リング(251) に形成されて傾斜側面(260,261)(260,261)を有する第3ノーズ(259)、及び前記 底面(250)の前記外側リング(252)に形成されて傾斜側面(263,264)を有する第4 ノーズ(262)を含み、 前記第1ノーズ(159)が前記第3溝(253)に嵌り、前記第2ノーズ(162)が前 記第4溝(256)に嵌り、前記第3ノーズ(259)は前記第1溝(153)に嵌り、前記第 4ノーズ(262)が前記第2溝(156)に嵌っており、 前記各ノーズが互いに等しい角度寸法(β)を有している、ことを特徴とす る電動ピボット機構。 2.前記ベースフランジ(102)と前記ベース軸(101)は、一体部材として形成され ていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電動ピボット機構。 3.前記動力伝達装置(21)は、ウォーム(24)によって駆動される少なくとも1つ のウォームホィール(25)を含み、該ウォームホィール(25)は、前記フレーム(12) に軸受で取り付けられて前記結合歯車(26)と噛み合っており、前記ウォームホィ ール(25)は、前記ウォーム(24)のピッチに対応した傾斜歯を有し、前記結合歯車 (26)は、前記ウォームホィール(25)の傾斜歯に対応した傾斜歯を有していること を特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の電動ピボット機構。 4.前記動力伝達装置(21)は、前記結合歯車(26)に平行に連結された2つのウォ ームホィール(25)を含み、該2つのウォームホィール(225)は、一直線に並んで 好ましくは一体部材として形成された2つのウォーム(24)によって駆動されるこ とを特徴とする請求の範囲第3項に記載の電動ピボット機構。 5.前記ベースフランジ(102)は、車両(1)に固定された支持部材(2)内の対応の リセスに嵌る差し込み部を形成するように、好ましくは3つの半径方向突起 (110)を有していることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか 1項に記載の電動ピボット機構。 6.αは約115゜であり、βは約35゜であることを特徴とする請求の範囲第 1項ないし第5項のいずれか1項に記載の電動ピボット機構。 7.摩擦リング(27)が、前記結合歯車(26)と前記環状フレーム部分(203)の間に 配置されており、前記摩擦リング(27)は、ベース軸(101)に対して回転方向に固 定されていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第6項のいずれか1項に 記載の電動ピボット機構。 8.軸方向に延びた側面(182,183)を有するストップカム(181)がノーズ(159)に 隣接して設けられており、該ノーズ(159)と組み合わされる溝(253)は、傾斜端面 (254,255)を有する内側部分(253')、及び軸方向に延びた端面を有する外側部分( 253")を含み、該外側部分(253")の接線寸法は、前記内側部分(253")の接線寸法 より大きくなっていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第7項のいずれ か1項に記載の電動ピボット機構。 9.装置が外力の作用によって到達した位置にあるのかを検出するための検出手 段(300)が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第8項のい ずれか1項に記載の電動ピボット機構。 10.検出手段(300)は、ベースフランジ(102)内の開口に挿通されて端部が前記環 状結合部材(30)と協働するようにした作動ロッド(302)によって作動するマイク ロスイッチ(301)を含むことを特徴とする請求の範囲第9項に記載の電動ピボッ ト機構。 11.軸線(4)回りに回動するように支持部材(2)に取り付けられたミラーハウジン グ(3)内に取り付けられたバックミラー(5)を含む車両(1)であって、請求の範囲 第1項ないし第10項のいずれか1項に記載の電動ピボット機構(10)が前記ミラ ーハウジング(3)を回動させるために設けられていることを特徴とする車両。
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