JPS6231744B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は農業用フイルムに関し、とくに、優れ
た可視光透過性を有し且つ約５μ〜50μにわたる
広い赤外線領域において優れた赤外吸収能を示し
てその透過放散を阻止することにより高い保温性
を有し、更に、フイルムのベースとなる熱可塑性
樹脂に対する分散性乃至親和性に優れたハイドロ
タルサイト類を有効成分として利用することによ
り、フイルムの成形適性及び物性に悪影響を与え
るおそれがなく、農業、園芸、林業などを包含す
る広義の農業用のハウス、トンネル、被覆などの
用途に利用して優れた性能を発揮でき、又更に、
後記式(1)で示すハイドロタルサイト類のM²⁺及
び／又はＡ^n-を選択することにより赤外吸収領域
を調節することが可能である利点をも有する農業
用フイルムに関する。 更に詳しくは、本発明は、オレフイン系樹脂、
塩化ビニル系樹脂及びこれらを主成分とするブレ
ンド樹脂よりえらばれた熱可塑性樹脂100重量部
に対して、約１〜約20重量部の平均２次粒子径が
約５μｍ以下で且つBET比表面積が約30m²／ｇ
以下である下記式(1) Ｍ^２ _１±xAlx（OH）₂（Ａ^n-）ｘ／ｎ・mH₂O ……(1) 但し式中、M²⁺はMg及びZnよりなる群からえ
らばれた二価金属イオンを示し、Ａ^n-はｎ価のア
ニオンを示し、そしてｘ及びｍは下記式の条件を
満足する、 ０＜ｘ＜0.5 ０≦ｍ≦２ で表わされるハイドロタルサイト類を含有するフ
イルム構造物から成ることを特徴とする農業用フ
イルムに関する。 例えば、農作物のハウス栽培やトンネル栽培な
どに利用される農業用フイルムは、透光性と保温
性を兼備することが要望される。すなわち、昼間
の日光照射で昇温したハウスやトンネル内の気温
は、夜間、地面や植物体から放射される赤外線
（熱線）が上記フイルムを透過放散されることに
より低下冷却される。 従つて、このような不都合な冷却を防止するに
は、ハウスやトンネル内から赤外線が農業用フイ
ルムを介して透過放散されるのを、極力抑制すれ
ばよいことになる。この目的で赤外領域に対して
吸収能を示してその放散を防止するための赤外線
吸収剤を農業用フイルムに含有せしめる提案がな
されてきた。 例えば、特開昭54―60347号には、オレフイン
系樹脂100重量部と乾燥したシリカゲル１〜15重
量部からなる組成物を製膜してなる農業用フイル
ムが提案されている。又、特開昭55―164238号に
は、透明塩化ビニル樹脂に、波長18〜50μの赤外
領域に吸収を示す無機微粉末、好ましくはリチウ
ム、カルシウム、マグネシウムの水酸化物もしく
はハロゲン化物、ホウ酸塩、アルミン酸塩または
硫酸塩の１種または２種以上の混合物、を１〜25
重量％（混合物基準）添加混練し、厚さ20〜200
μのフイルム状に成形してなる保温性を改良した
農業用塩化ビニル樹脂フイルムが提案されてい
る。更に又、特開昭56―43354号には、充填剤と
して金属粉末好ましくはアルミニウム粉末と波長
５〜50μの範囲の赤外線を吸収する無機粉末、と
くには酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸塩化合物
及びリン酸塩化合物の１種又は２種以上、を含む
熱可塑性樹脂を厚み20〜200μのフイルムとし、
かつ、上記充填剤をフイルムの可視光線透過率が
40％以上になるように配合してなる農業用資材が
提案されている。 しかしながら、上記例示の従来提案を包含し
て、従来提案されてきた無機質赤外線吸収剤含有
農業用フイルムは、その吸収する赤外領域が狭す
ぎたり、樹脂への分散性乃至親和性が劣つたり、
可視光透過性に実質的な悪化を伴つたりする欠点
であつて、充分満足すべき結果が達成できないの
が実情である。 本発明者等は、上述の如き欠点を克服できて、
優れた透光性と保温性を兼備した農業用フイルム
を開発すべく研究を行つてきた。 その結果、農業用フイルム用途における無機質
赤外線吸収剤として、従来全く提案されたことの
ない前記式(1)で表わされるハイドロタルサイト類
であつて且つ約５μｍ以下の平均２次粒子径条件
及び約30m²／ｇ以下のBET比表面積条件を充足
するハイドロタルサイト類の特定範囲量を含有す
る熱可塑性樹脂フイルム構造物が、優れた可視光
透過性を有すると共に、約５μ〜50μにわたる広
い赤外線領域において優れた赤外吸収能を示して
その透過放散を阻止でき、高い保温性を兼備した
フイルム構造物となり、農業用フイルムとして、
優れたフイルム成形適正及び優れた物性を有する
利点をも示す顕著に優れた農業用フイルムとなる
ことを発見した。 本発明者等の検討によれば、無機質赤外線吸収
剤含有農業用フイルムに従来提案された無機質赤
外線吸収剤のうち、赤外線吸収率が比較的高い水
酸化マグネシウムの屈折率約1.56、二酸化ケイ素
の約1.5〜1.6程度に対して、本発明で利用するハ
イドロタルサイト類の屈折率は約1.48〜1.5程度
であつて、農業用フイルムの熱可塑性樹脂として
よく利用される例えば低密度ポリエチレンの屈折
率約1.49程度、ポリ塩化ビニルの屈折率約1.5程
度とよく一致することも、平均２次粒子径条件及
びBET比表面積条件の充足と相俟つて本発明農
業用フイルムがベース樹脂のフイルムの透明性
を、何等、損なうことなしに優れた可視光透過性
を示す一因子となつているものと推測される。 更に又、本発明者等の検討によれば、本発明で
利用するハイドロタルサイト類がその一つの結晶
構造中にM²⁺のほかに、更にAl―Ｏ―Ｈ結合とア
ニオンＡ^n-を含有することが関係すると推測して
いるが、農業用フイルムに従来提案された無機質
赤外線吸収剤中、もつとも良好な剤の部類に属す
る水酸化マグネシウムの赤外吸収領域が18〜50μ
であるのに対して、該ハイドロタルサイト類は約
５〜18μの赤外領域においても優れた吸収能を示
し、斯くて約５〜50μの全領域にわたつて優れた
赤外線吸収能を発揮し、その透過放散を阻止する
ことにより優れた保温性を示すことを知つた。 又更に、前記式(1)で示されるハイドロタルサイ
ト類が一つの結晶構造中に、M²⁺、Al、OH及び
Ａ^n-を含有することが関係すると推測している
が、これらを夫々含有する無機化合物の混合物に
よつては達成し得ない優れた性能を発揮でき、さ
らに、M²⁺及び／又はＡ^n-を所望により選択変更
することにより、赤外吸収領域を調節することも
可能となり、利点もあることを知つた。 従つて、本発明の目的は、優れた諸性能を有す
る農業用フイルムを提供するにある。 上記本発明の目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明の農業用フイルムにおいて無機質赤外線
吸収剤として利用する剤は、平均２次粒子径が約
５μｍ以下で且つBET比表面積が約30m²／ｇ以
下の平均２次粒子径条件及びBET比表面積条件
を充足する下記式(1) Ｍ^２ _１±xAlx（OH）₂（Ａ^n-）ｘ／ｎ・mH₂O ……(1) 但し式中、M²⁺はMg、Ca及びZnよりなる群か
らえらばれた二価金属イオンを示し、Ａ^n-はｎ価
のアニオンを示し、そしてｘ及びｍは下記式の条
件を満足する、 ０＜ｘ＜0.5 ０≦ｍ≦２ で表わされるハイドロタルサイト類である。ｍ
は、好ましくは０≦ｍ≦１である。 上記式(1)に於て、Ａ^n-で表わされるｎ価のアニ
オンの例としては、Cl^-、Br^-、I^-、NO₃ ^-、
ClO₄ ^-、SO^２− _４、CO^２− _３、SiO^２− _３、HPO^２− _４、H
BO^２− _３、
PO^３− _４、Fe（CN）^３− _６、Fe（CN）^４− _４、CH₃COO^-
、
C₆H₄（OH）COO^-、

【式】

【式】 【式】

【式】 などの如きアニオンを例示することができる。こ
れらアニオンＡ^n-の種類は、本発明で利用する式
(1)ハイドロタルサイト類の屈折率に実質的な影響
を与えないので、適宜に選択利用できる。 本発明の農業用フイルムで利用する上記ハイド
ロタルサイト類は、更に、平均２次粒子径が約５
μｍ以下、例えば約0.1μｍ〜約５μｍ、好まし
くは約４μｍ以下、より好ましくは約３μｍ以
下、とくには約２μｍ以下の平均２次粒子径条件
及びBET比表面積が約30m²／ｇ以下、例えば約
１〜約30m²／ｇ、好ましくは約25m²／ｇ以下の
BET比表面積条件を充足する。これら平均２次
粒子径条件及びBET比表面積条件を逸脱したハ
イドロタルサイト類の利用は、可視光線の透過率
に実質的な悪化を伴う、更に、フイルムの成形適
性及び物性にも悪影響を与える傾向があるので、
上記平均２次粒子径条件及びBET比表面積条件
を充足する式(1)ハイドロタルサイト類が利用され
る。 尚、本発明において、平均２次粒子径は下記測
定法によつて決定される。約２―３mgの試料をガ
ラス板上に採り、次いでこの上に、適当量の分散
媒（商品名：デイスライト）を加え、スパーテル
で両者を十分に混練する。その後、この系に少量
のシクロヘキサノールを加え希釈する。この希釈
液の１滴をスライドグラスに取り、その上をカバ
ーグラスで覆う。この様にして得られた試料を顕
微鏡にセツトし、その像をテレビ画像に移し、粒
子の最大径ごとの数を自動的にカウントさせる。
異つた視野を20選び同様の操作を繰り返し、その
結果を平均する。 本発明に於て、式(1)ハイドロタルサイト類は表
面処理剤で処理して利用することができ、熱可塑
性樹脂に対する分散性乃至親和性を一層向上させ
て、フイルムの成形適性及び物性に好ましい向上
を与え、また可視光線透過性をさらに助長させる
のにも役立つので好ましい。 このような表面処理剤の例としては、例えば、
ラウリル酸ソーダ、ラウリル酸カリウム、オレイ
ン酸ソーダ、オレイン酸カリウム、ステアリン酸
ソーダ、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ソ
ーダ、パルミチン酸カリウム、カプリン酸ソー
ダ、カプリン酸カリウム、ミリスチン酸ソーダ、
ミリスチン酸カリウム、リノール酸ソーダ、リノ
ール酸カリウムなどの如き高級脂肪酸のアルカリ
金属塩類；例えば、ラウリル酸、パルミチン酸、
オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリス
チン酸、リノール酸などの如き高級脂肪酸類；例
えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリス（ジオクチルパイロホ
スフエート）チタネート、テトライソプロピルビ
ス（ジオクチルホスフアイト）チタネート、ビニ
ルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、ガンマグリシドオ
キシプロピルトリメトキシシランなどの如きカツ
プリング剤類；などを例示することができる。 これら表面処理剤による表面処理は、たとえ
ば、温水にハイドロタルサイト類を懸濁した状態
のところに、撹拌下に、高級脂肪酸のアルカリ金
属塩の水溶液を加えることにより、或いは、ハイ
ドロタルサイト類粉末をヘンシエルミキサー等の
混合機により撹拌下、高級脂肪酸の融液とか、カ
ツプリン剤の希釈液を滴下することにより行うこ
とができる。表面処理によつて賦与されるこれら
表面処理剤の量は適宜に選択変更できるが、式(1)
ハイドロタルサイト類に対して、約１〜約10重量
％の如き量を例示することができる。 本発明の農業用フイルムのベース樹脂として利
用する熱可塑性樹脂の種類は適宜に選択できる
が、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテン―
１、４―メチルペンテン―１などの如きオレフイ
ン類の重合体もしくは共重合体やこれらと他の共
重性単量体との共重合体たとえばエチレン―酢酸
ビニル共重合体などの如きオレフイン系樹脂類；
塩化ビニル重合体もしくは共重合体やこれらとア
クリルもしくはメタクリル酸系単量体との共重合
体などの如き塩化ビニル系樹脂類；更にこれらの
樹脂を主成分とするブレンド樹脂類；などを例示
することができる。フイルム構造物に成形して可
視光線乃至約５μ程度までの赤外線の透過性の良
好な樹脂を選択利用するのが好ましい。 本発明の農業用フイルムにおいて、前記平均２
次粒子径条件及びBET比表面積条件を充足する
式(1)ハイドロタルサイト類の使用量は、熱可塑性
樹脂100重量部に対して約１〜約20重量部の範囲
で適宜に選択できる。上記量範囲を逸脱して、過
少量にすぎると、所望の赤外吸収能が低下して、
赤外線が農業用フイルムを透過放散するのを阻止
する能力が不充分となり、所望の保温性を賦与し
難くなり、又、過剰量にすぎるとフイルムの透明
性の低下が大きくなつて可視光透過性に実質的な
悪化を生じ、さらにフイルムの機械的強度などの
物性にも悪影響を生ずるおそれがあるので、上記
量範囲において適宜に選択される。 本発明の農業用フイルムは、前記平均２次粒子
径条件及びBET比表面積条件を充足する式(1)ハ
イドロタルサイト類を、前記例示の如き熱可塑性
樹脂に対して上述の如き量で含有せしめるほか
は、それ自体公知の任意のフイルム成形手段を利
用してフイルム形状に成形することにより製造で
きる。フイルムの厚みも適宜に選択できるが、例
えば約10〜約200μ程度の厚みが最も普通に採用
される。更に、本発明の農業用フイルムは、この
技術分野に慣用の種々の他の添加剤を含有するこ
とができる。このような他の添加剤の例として
は、安定化剤、防曇剤、紫外線吸収剤、界面活性
剤、帯電防止剤、水適防止剤、可塑剤、滑剤など
この技術分野によく知られた各種の添加剤を挙げ
ることができる。 以下、比較例と共に実施例を挙げて本発明農業
用フイルムの数例について更に詳しく例示する。 実施例 １ 化学組成Mg₀.₆₆Al₀.₃₄（OH）₂（SiO^２− _３）₀.₁₇・
0.52H₂Oを有する平均２次粒子径0.4μｍ、BET
比表面積15m²／ｇのハイドロタルサイト類１Kg
を、約10の水に懸濁した。 この懸濁液を約80℃に加温したのち、30ｇのス
テアリン酸ソーダを溶解した１の温水（約80
℃）を、撹拌条件下に上記懸濁液に添加し、約30
分間撹拌を続けたのち別し、乾燥、粉砕した。 上述のようにして得られた表面処理したハイド
ロタルサイト類５重量部を、低密度ポリエチレン
100重量部に加えて気一に混合した後、インフレ
ーシヨン成形法により厚さ50μｍのフイルムに製
膜した。得られた農業用フイルムを用いて、可視
光線（0.4〜0.7μ）透過率、赤外線（５〜50μ）
透過率及び保温効果を測定した。その結果を、後
掲第１表に示す。 尚、保温効果の測定は、供試フイルムを展張し
た農業用トンネルを設置し、内部温度及びトンネ
ル外気温の変化を実測し、トンネル内部温度が最
低となつた温度で示した。 比較例 １ 化学組成Mg₀.₆₆Al₀.₃₄（OH）₂（SiO^２− _３）₀.₁₇・
0.47H₂Oを有する平均２次粒子径24μｍ、BET比
表面積102m²／ｇのハイドロタルサイト類を使用
したほかは、実施例１と同様に行つて比較フイル
ムを得た。この比較フイルムを用いて、実施例１
と同様にして可視光線ならびに赤外線透過率及び
保温効果を測定した。その結果を、後掲第１表に
示した。 比較例 ２ 化学組成Ｍｇ₀.₆₆Al₀.₃₄（OH）₂（SiO^２− _２）₀.₁₇・
0.52H₂Oを有する平均２次粒子径12μｍ、BET比
表面積12m²／ｇのハイドロタルサイト類を使用し
たほかは、実施例１と同様に行つて比較フイルム
を得た。この比較フイルムを用いて、実施例１と
同様にして可視光線ならびに赤外線透過率及び保
温効果を測定した。その結果を後掲第１表に示し
た。 比較例 ３ 平均２次粒子径６μｍ、BET比表面積68m²／
ｇの酸化ケイ素粉末を使用したほかは、実施例１
と同様に行つて、比較フイルムを得た。この比較
フイルムを用いて、実施例１と同様に行つて可視
光線ならびに赤外線透過率及び保温効果を測定し
た。その結果を後掲第１表に示した。 対照例 １ ハイドロタルサイト類の添加を省略したほか
は、実施例１と同様に行つて対照フイルムを製膜
し、この対照フイルムを用いて、実施例１と同様
に行つて可視光線ならびに赤外線透過率及び保温
効果を測定した。その結果を後掲第１表に示し
た。 実施例 ２ 化学組成Mg₀.₇₀Al₀.₃₀（OH）₂（HPO^２− _４）₀.₁₅・
0.40H₂Oを有する平均２次粒子径1.1μｍ、BET
比表面積19m²／ｇのハイドロタルサイト類１Kg
を、約10の水に懸濁した。 この懸濁液を約60℃に加温したのち、20ｇのオ
レイン酸ソーダを溶解した１の温水（約60℃）
を、撹拌条件下に上記懸濁液に添加し、約30分間
撹拌を続けたのち別し、乾繰、粉砕した。 上述のようにして得られた表面処理したハイド
ロタルサイト類５重量部を、低密度ポリエチレン
100重量部に加えて均一に混合した後、インフレ
ーシヨン成形法により厚さ50μｍのフイルムに製
膜した。得られた農業用フイルムを用いて、実施
例１と同様にして可視光線透過率、赤外線透過率
及び保温効果を測定した。その結果を後掲第１表
に示した。 実施例 ３ 化学組成Mg₀.₈Al₀.₂（OH）₂（SiO^２− _４）₀.₁・
0.6H₂Oを有する平均２次粒子径1.8μｍ、BET比
表面積９m²／ｇのハイドロタルサイト類を使用し
たほかは、実施例１と同様に行つて本発明農業用
フイルムを得た。得られたフイルムを用いて、実
施例２と同様にして測定した結果を後掲第１表に
示した。 実施例 ４ 化学組成Zn₀.₇Al₀.₃（OH）₂〔C₆H₄（OH）
COO^-〕₀.₃・0.58H₂Oを有する平均２次粒子径0.2
μｍ、BET比表面積22m²／ｇのハイドロタルサ
イト類を使用したほかは、実施例２と同様に行つ
て本発明農業用フイルムを得た。得られたフイル
ムを用いて、実施例２と同様にして測定した結果
を下掲第１表に示した。

【表】

【表】 実施例 ５ 化学組成Mg₀.₇Al₀.₃（OH）₂（CO^２− _３）₀.₁₅・
0.55H₂Oを有する平均２次粒子径0.3μｍ、BET
比表面積12m²／ｇのハイドロタルサイト類１Kg
を、250℃で約２時間乾燥して結晶水をほゞ完全
に除いたのち、直ちにヘンシエルミキサーに移
し、30ｇの熔融ラウリン酸を撹拌下に加えて約20
分間充分に混合した。このようにして得られた表
面処理試料を下記配合 ポリ塩下ビニル 100 重量部 DOP 40 〃 ペンタエリスリトール １ 〃 ステアリン酸亜鉛 0.5〃 エポキシ系可塑剤 ２ 〃 ハイドロタルサイト類 ３ 〃 で充分に混合後、溶融混練し、溶融押出成形法に
より厚さ50μのフイルムを作つた。このフイルム
の可視光及び赤外線透過率と保温性を実施例１と
同様にして測定した。その結果を第２表に示す。 対照例 ２ 実施例５に於て、ハイドロタルサイト類の添加
を省略したほかは、実施例５と同様に行つて対照
フイルムを製膜し、実施例５と同様に行つて透過
率及び保温性を測定した。その結果を下掲第２表
に示した。

【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オレフイン系樹脂、塩化ビニル系樹脂及びこ
   れらを主成分とするブレンド樹脂よりえらばれた
   熱可塑性樹脂100重量部に対して、約１〜約20重
   量部の平均２次粒子径が約５μｍ以下で且つ
   BET比表面積が約30m²／ｇ以下である下記式(1) Ｍ^２ _１±xAlx（OH）₂（Ａⁿ⁻）ｘ／ｎ・mH₂O (1) 但し式中、M²⁺はMg及びZnよりなる群からえ
   らばれた二価金属イオンを示し、Ａⁿ⁻はｎ価の
   アニオンを示し、そしてｘ及びｍは下記式の条件
   を満足する、 ０＜Ｘ＜0.5 ０≦ｍ≦２ で表わされるハイドロタルサイト類を含有するフ
   イルム構造物から成ることを特徴とする農業用フ
   イルム。