JP5413551B2 - Al−Li系赤外線吸収剤及びその製造法、農業用フィルム、農業用フィルム用マスターバッチペレット - Google Patents

Al−Li系赤外線吸収剤及びその製造法、農業用フィルム、農業用フィルム用マスターバッチペレット Download PDF

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Description

本発明は、赤外線吸収能が高く、樹脂に配合した場合に分散性が良く、屈折率が樹脂の屈折率に近く、透明性の優れた赤外線吸収剤、及び該赤外線吸収剤を配合したフィルムが保温性に優れ、透明性が著しく優れた農業用フィルムに関するものである。
ハウスやトンネルなどの温室栽培に用いられる農業用フィルムは昼間の太陽光線を高い透過率で効率よく透過させる一方、夜間は地面や植物から輻射される赤外線を吸収や反射などによりハウスやトンネルの外に放出させないなどの特性が要求される。地面や植物から放出される赤外線の輻射率が大きい範囲は、5〜25μmの波長範囲であることが知られている。農業用フィルムとしては、5〜25μmの波長範囲、特に、室温付近で輻射率が最大となる10μm付近の波長の赤外線を効率良く吸収できる(保温性が高い)ことが必要である。
前記農業用フィルムには、従来から塩化ビニル樹脂が多用されてきたが、使用後の焼却処理時に有害ガスが発生する等、環境負荷が大きいため、近年ではオレフィン系樹脂に変更される傾向が強い。
オレフィン系樹脂は、塩化ビニル樹脂に比べて前記赤外線吸収能が低いため、農業用フィルムに成型加工する際に、各種赤外線吸収剤を配合することにより保温性を付与している。
従来、赤外線吸収剤としては、炭酸マグネシウム、マグネシウムケイ酸塩、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、リン酸塩、ケイ酸塩、ハイドロタルサイト類などの無機粉体が用いられていた。
しかしながら、従来の前記無機粉体にはそれぞれ一長一短があり、赤外線吸収能が高く、樹脂に配合した場合に分散性が良く、屈折率が樹脂の屈折率に近いなどの諸物性を充分に満足するものは存在しない。例えば、二酸化ケイ素、アルミニウムケイ酸塩などは、赤外線吸収能は優れているが、屈折率、分散性などに問題があり、フィルムの透明性が損なわれるため、農業用フィルムとしては不適切なものであった。また、ハイドロタルサイト類は、分散性、屈折率などにおいては比較的優れているものの、赤外線吸収能については充分満足できるものではなかった。
また、特許文献1には、式、[AlLi(1−x)2+ (x+y)(OH)(6+2y)(An−(1+x)・mHO(式中、M2+は2価の金属、An−はn価のアニオン、m、x、yは、0≦m<5、0.01≦x≦0.5、0≦y≦0.5の範囲内)で示される複合水酸化物塩を樹脂に配合することにより、農業用フィルムの保温性、透明性を高める技術が開示されている。
また、特許文献2には、層間のアニオンとしてケイ素系、リン系及びホウ素系多量体酸素酸イオンの少なくとも一種のアニオンであり、且つその一部及び/または全部がケイ素系、リン系及びホウ素系多量体酸素酸イオンの少なくとも一種のアニオンとそれ以外のアニオンを保持していることを特徴とする式、[(Liy12+ y2)Al(OH)x+[(A)z1(B)z2・bHO]x−(式中、G2+はMg、Zn、Ca及びNiの少なくとも1種の二価金属イオン、Aはケイ素系、リン系及びホウ素系多量体酸素酸イオンの少なくとも一種のアニオンを示し、BはA以外のアニオンの少なくとも1種のアニオンを示し、y1、y2、x、z1、z2及びbは、0<y1≦1、0≦y2<1、0.5≦(y1+y2)≦1、x=y1+2y2、z1>0、z2>0、0≦b<5の範囲内)で示されるLi−Al系ハイドロタルサイト系化合物を農業用フィルムに含有させることにより、保温性、透明性を高める技術が開示されている。
また、特許文献3には、式、[AlLi(1−x)2+ (x+y)(OH)(6+2y)(SOz1(COz2(OH)z3・mHO(式中、M2+は2価の金属、m、x、y、z1、z2、z3は、0≦m<5、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、z1>0、z2>0、z3≧0、z1+z2+z3/2=1+xの範囲内)で示される複合水酸化物塩を樹脂に配合して、保温性、透明性、耐農薬性に優れた農業用フィルムを得る技術が開示されている。
また、特許文献4には、式、[AlLi(1−x)2+ (x+y)(OH)(6+2y)(An−(1+x)・mHO(式中、M2+は2価の金属、An−はn価のアニオン、m、x、yは、0≦m<10、0.5<x<1.0、0.5<y≦3.0の範囲内)で示される複合水酸化物塩を樹脂に配合して、保温性、透明性、耐酸性、吸湿白化が改善された農業用フィルムを得る技術が開示されている。
また、特許文献5には、式、[AlLi(1−x)2+ (x+y)(OH)(6+2y)(Si2m+1z1(SOz2(COz3(OH)z4・nHO(式中、M2+は2価の金属、x、y、z1、z2、z3、z4、m、nは、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、z1>0、z2>0、z3>0、z4>0、z1+z2+z3+z4/2=1+x、2≦m≦4、0≦n<5、0<SiO/Al≦0.5の範囲内)で示される複合水酸化物塩を樹脂に配合して、保温性、透明性、耐農薬性に優れた農業用フィルムを得る技術が開示されている。
また、特許文献6には、式、[AlLi(1−x)2+ (x+y)(OH)(6+2y)(An−(1+x)・mHO(式中、M2+は2価の金属、An−はn価のアニオン、0≦x<1.0、0≦y<3.0、m≧0の範囲内)で示される複合水酸化物塩に、1)高級脂肪酸類及び高級脂肪族系アルコールのリン酸エステル類の群から選ばれる1種又は2種以上で表面処理を施し、2)更に、高級脂肪酸類及び高級脂肪族系アルコールのリン酸エステル類の群から選ばれる1種又は2種以上を配合することを特徴とする着色改良用樹脂添加剤を樹脂に含有させることにより、マスターバッチやフィルムの着色性を改善する技術が開示されている。
国際公開第98/17739号パンフレット 特開2001−2408号公報 特開2002−146337号公報 特開2003−165967号公報 特開2004−043692号公報 特開2004−043693号公報
赤外線吸収能が高く、樹脂に配合した場合に分散性に優れ、屈折率が樹脂の屈折率に近いとともに、透明性の優れた赤外線吸収剤、及び該赤外線吸収剤を配合したフィルムが保温性に優れ、さらには透明性が既存品に比べて著しく優れた農業用フィルムは、現在、最も要求されているところであるが、この要求を満たすような赤外線吸収剤及び該赤外線吸収剤を配合した農業用フィルムは未だに提供されていない。
前出特許文献1乃至2記載の複合水酸化物塩またはLi−Alハイドロタルサイト系化合物は、赤外線吸収能が高く、樹脂に配合した場合に分散性が良く、しかも屈折率が樹脂の屈折率に近く、農業用フィルムにした場合に保温性、透明性に優れたものであった。
しかしながら、農業用フィルム透明性へのニーズがさらに高まっている現在では、前出特許文献1乃至2記載の複合水酸化物塩またはLi−Alハイドロタルサイト系化合物を配合した農業用フィルムは、透明性が著しく優れるという現在の要求に対して、十分満足できるとは言い難いものであった。
前出特許文献3記載の複合水酸化物塩は、農業用フィルムにした場合に透明性、耐酸性には優れているが、フィルム自体が比較的保温性を有する樹脂、例えば酢酸ビニル含有15%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体に10重量部よりも少ない量を混練した場合、もしくは比較的保温性の低い樹脂、例えばポリエチレンに混練した場合、前出特許文献2の複合水酸化物塩を配合した農業用フィルムに比べ保温性が十分とは言い難いものであった。
前出特許文献4記載の複合水酸化物塩は、Al−Li系複合層状複水酸化物粒子中のLiを多量の2価金属で置換し、層状複水酸化物と2価金属水酸化物を複合化させた粒子粉末である。該粒子粉末は農業用フィルムに配合した場合前記複合化の影響により、樹脂中での分散が不十分になる傾向があり、フィルム透明性・保温性が十分とは言い難いものであった。
前出特許文献5記載の複合水酸化物塩は、農業用フィルムにした場合に透明性、保温性、耐酸性に優れているが、透明性が著しく優れるという現在の要求に対して、十分満足できるとは言い難いものであった。
前出特許文献6記載の着色改良樹脂添加剤は、マスターバッチやフィルムの着色性は改善されているが、透明性が著しく優れるという現在の要求に対して、十分満足できるとは言い難いものであった。
そこで、本発明は、赤外線吸収能が高く、樹脂に配合した場合に分散性が良く、屈折率が樹脂の屈折率に近いとともに、透明性の優れた赤外線吸収剤、及び該赤外線吸収剤を配合したフィルムが保温性に優れ、さらには透明性が既存品に比べて著しく優れた農業用フィルムを得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、式、[AlLi(1−x−y)M(II)M(IV)(OH)(Si2m+1z1(SOz2(COz3(OH)z4・nHO(式中、M(II)は2価の金属、M(IV)は4価の金属、x、y、z1、z2、z3、z4、m、nは、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、z1>0、0≦z2≦0.1、0<z3≦0.7、z4≧0、2≦m≦4、0≦n<5、0.5<SiO/Al≦1.2の範囲内)で示されるAl−Li系層状複水酸化物粒子粉末であって、該粒子粉末を下記測定方法で測定した[002]配向度が1000cps以上であり、平均二次粒子径は0.1〜3.0μmであるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を有効成分として含有することを特徴とするAl−Li系赤外線吸収剤である(本発明1)。
(1)線状低密度ポリエチレン樹脂(商品名:エクセレンFX CX2001、住友化学製):84重量部、Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末:16重量部を混合し、該混合物80gを熱間ロール中で混練し、混練シートを得る。混練条件は、混練温度140℃、ロール間隙0.80mm、混練時間3minである。
(2)得られた混練シートを熱間プレスで加圧成形処理し、膜厚100μmのプレスフィルムを得る。加圧条件は、プレス温度160℃、プレス圧150kg重/cm、プレス時間1min、処理量0.8gである。
(3)得られたプレスフィルムについて、散乱ベクトルをフィルム膜面に垂直にとって、X線回折パターンを測定する。X線にはCu−Kα線を用い、出力は40kV−300mAとする。得られた回折パターンの(002)回折ピーク強度から、ベースライン強度を除去した値(単位:cps)で、フィルム中のAl−Li系層状複水酸化物粒子粉末の[002]配向度を表す。

また、本発明は、水酸化アルミニウムを含有する水媒体中に、炭酸リチウムを混合し、金属原料を分散させた水懸濁液を調製し、該懸濁液に、硫酸、TiOSO、ZrOCl及びケイ酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の水溶液を添加したのち、加熱熟成処理して炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子を得、次いで、該炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子を含有する懸濁液に硫酸を添加して酸処理を行い、酸処理後の懸濁液のpHを7.0〜12.0に調整する中和処理を行った後、ケイ酸アルカリ水溶液を添加し、次いで、洗浄、乾燥してAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を得る製造工程において、前記酸処理、中和処理又はケイ酸アルカリ水溶液による処理のいずれかの処理後の懸濁液に、高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸族アルコールとリン酸とのエステル類の塩類及び高級脂肪酸類リン酸エステル類の塩類から選ばれる1種又は2種以上の表面処理剤を添加して湿式処理を行い、次いで、洗浄、乾燥してAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を得ることを特徴とする本発明1のAl−Li系赤外線吸収剤の製造法である(本発明2)。
また、本発明は、本発明2のAl−Li系赤外線吸収剤の製造法において、水酸化アルミニウムを含有する水媒体中に、炭酸リチウムとともに、マグネシウム炭酸塩、水溶性マグネシウム、水酸化マグネシウム及び水溶性カルシウムの中から選ばれる1種以上を添加するAl−Li系赤外線吸収剤の製造法である(本発明3)。

また、本発明は、樹脂100重量部に対して、請求項1記載のAl−Li系赤外線吸収剤1〜50重量部を配合したことを特徴とする農業用フィルムである(本発明4)。
また、本発明は、樹脂100重量部に対して、請求項1記載のAl−Li系赤外線吸収剤10〜250重量部を配合したことを特徴とする農業用フィルム用マスターバッチペレットである(本発明5)。
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末からなる赤外線吸収剤は、樹脂フィルムに成型加工した場合、保温性に優れ、さらには透明性が既存品に比べて著しく優れているので、農業用フィルム用の赤外線吸収剤として好適である。
本発明に係る農業用フィルムは、本発明に係る赤外線吸収剤を含有することによって、保温性に優れ、さらには透明性が既存品に比べて著しく優れているので、農業用フィルムとして好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
まず、本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末について述べる。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末は、式、[AlLi(1−x−y)M(II)M(IV)(OH)(Si2m+1z1(SOz2(COz3(OH)z4・nHO(式中、M(II)は2価の金属、M(IV)は4価の金属、x、y、z1、z2、z3、z4、m、nは、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、z1>0、0≦z2≦0.1、0<z3≦0.7、z4≧0、0.5<SiO/Al≦1.2の範囲内)で示されるAl−Li系層状複水酸化物粒子粉末であって、該粒子粉末を下記測定方法で測定した[002]配向度が1000cps以上である。
(1)線状低密度ポリエチレン樹脂(商品名:エクセレンFX CX2001、住友化学製):84重量部、Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末:16重量部を混合し、該混合物80gを熱間ロール中で混練し、混練シートを得る。混練条件は、混練温度140℃、ロール間隙0.80mm、混練時間3minである。
(2)得られた混練シートを熱間プレスで加圧成形処理し、膜厚100μmのプレスフィルムを得る。加圧条件は、プレス温度160℃、プレス圧150kg重/cm2、プレス時間1min、処理量0.8gである。
(3)得られたプレスフィルムについて、散乱ベクトルをフィルム膜面に垂直にとって、X線回折パターンを測定する。X線にはCu−Kα線を用い、出力は40kV−300mAとする。得られた回折パターンの(002)回折ピーク強度から、ベースライン強度を除去した値(単位:cps)で、フィルム中のAl−Li系層状複水酸化物粒子粉末の[002]配向度を表す。
前記配向度が1000cps未満の場合、該粉末を有効成分として含有した赤外線吸収剤を配合した農業用フィルムの透明性が、既存品に比べて著しく優れたものとならず好ましくない。より好ましくは1200cps以上であり、上限値は8000cps程度である。
前記2価の金属としては、特に限定されるものではないが、導入が容易であり、白色であり、且つフィルムに配合した際に透明性を満たすことから、Mg、Caなどが好ましい。
前記式におけるxの値が0.5を越える場合には、粒子粉末の樹脂中での分散が不十分になる傾向があり、フィルム透明性及び保温性が低下するため好ましくない。好ましくは0≦x≦0.4である。
前記式におけるyの値が0.5を越える場合には、粒子粉末の樹脂中での分散が不十分になる傾向があり、フィルム透明性及び保温性が低下するため好ましくない。好ましくは0≦y≦0.35である。
前記式においてアニオンとしてケイ酸イオン又は縮合ケイ酸イオン(Si2m+1)を含有しない場合、保温性が低下する。z1>0であって、m=3の時、その上限は0.9程度である。なお、本発明においては、前記式における(Si2m+1)のmの値は2〜4が好ましい。
ケイ酸イオン又は縮合ケイ酸イオンの含有量は、[SiO/Al(モル比)]換算で、0.5<[SiO/Al]≦1.2の範囲内となる。0.5以下の場合には、保温性が低下する。1.2を越える場合には、層状複水酸化物の単一相を容易に得ることが困難となる。より好ましくは0.55≦[SiO/Al]≦1.2の範囲内である。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末のアニオンとしての硫酸イオン(SO 2−)含有量は、前記式におけるz2として、0≦z2≦0.1であり、好ましくは0≦z2≦0.08である。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末のアニオンとしての炭酸イオン(CO 2−)含有量は、前記式におけるz3として、0<z3≦0.7であり、好ましくは0.01≦z3≦0.65である。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末のアニオンとしての水酸化物イオン(OH)含有量は、前記式におけるz4として、z4≧0であり、好ましくはz4≧0.01である。
なお、本発明においては、前記式において、z1+z2+z3+z4/2=1+x+3yを満たすことが好ましい。また、本発明においては、前記式におけるnHOのnの値は0以上、5未満が好ましい。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の粒子形状は板状である。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の平均二次粒子径は0.1〜3.0μmが好ましい。平均二次粒子径が0.1μm未満の場合には、樹脂中の分散性が不十分である。3.0μmを超える場合には、農業用フィルムの透明性が低下する。より好ましくは平均二次粒子径が0.1〜2.0μmである。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末のBET比表面積値は3〜50m/gが好ましい。BET比表面積値が3m/g未満の場合、樹脂中に分散させた場合、Rayleigh散乱の影響が大きくなり、農業用フィルムの透明性が低下するため好ましくない。50m/gを超える場合は、樹脂中での分散が不十分となり、農業用フィルムの透明性が低下するため好ましくない。より好ましいBET比表面積値は3〜40m/gである。
本発明におけるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末は、粒子表面が、高級脂肪酸類又は高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸族アルコールとリン酸とのエステル類又はその塩類及び高級脂肪酸類リン酸エステル類の塩類から選ばれる1種又は2種以上の表面処理剤によって表面処理されている。
本発明における表面処理剤のうち高級脂肪酸類としては、ステアリン酸、ラウリル酸、オレイン酸等が使用できる。好ましくは、ステアリン酸、ラウリル酸である。
本発明における表面処理剤のうち高級脂肪酸塩類としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル酸ベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等が使用できる。好ましくは、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル酸ベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
本発明における表面処理剤のうち高級脂肪族アルコールとリン酸のエステル類としては、ラウリルエーテルリン酸、ステアリルエーテルリン酸、オレイルエーテルリン酸等のアルキルエーテルリン酸、ジアルキルエーテルリン酸、アルキルフェニルエーテルリン酸類、ジアルキルフェニルエーテルリン酸類等が使用できる。
本発明における表面処理剤のうち高級脂肪酸族アルコールとリン酸のエステル類の塩類としては、ラウリルエーテルリン酸、ステアリルエーテルリン酸、オレイルエーテルリン酸等のアルキルエーテルリン酸、ジアルキルエーテルリン酸、アルキルフェニルエーテルリン酸類、ジアルキルフェニルエーテルリン酸類等のナトリウム塩又はカリウム塩等が使用できる。
本発明における表面処理剤のうち高級脂肪酸類リン酸エステル類の塩類としては、ステアリン酸リン酸エステルのナトリウム塩又はカリウム塩等が使用できる。
次に、本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の製造法について述べる。
本発明1に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末は、以下の方法で製造できる。
まず、水酸化アルミニウムを水媒体中に炭酸リチウムを添加して、金属原料を分散させた水懸濁液を調製する。
Mgを含有するAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を製造する場合には、前記金属原料を分散させた水懸濁液を作成する際に、炭酸リチウムとともに、炭酸マグネシウム又は塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウム炭酸塩又は塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等の水溶性マグネシウム及び水酸化マグネシウムの中から選ばれる1種以上のマグネシウム原料とを加えることにより、金属原料を分散させた水懸濁液を調製する。
この場合、炭酸リチウムとマグネシウム原料の使用量は、水酸化アルミニウム中のAl含有量に対し、[Li/Al(モル比)]+[MgO/Al(モル比)]=1となるように用いると良いが、リチウム成分については過剰に添加してもよい。
また、Caを含有するAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を製造する場合には、カルシウム原料として、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の水溶性のカルシウムを用いて、前記と同様にして反応すればよい。
各種金属原料を分散させた水懸濁液に、硫酸、TiOSO、ZrOCl、ケイ酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の水溶液を所定量添加したのち、加熱処理することによって炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子が得られる。
硫酸の添加量は、水酸化アルミニウム中のAl含有量に対し、0.005<[HSO/Al(モル比)]≦0.050の範囲内となるように添加することが好ましい。0.005以下の場合、硫酸添加効果が十分に現れない。0.050を超える場合は、炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物単相が得られず、好ましくない。より好ましくは0.006≦[HSO/Al(モル比)]≦0.040の範囲内である。
TiOSOの添加量は、水酸化アルミニウム中のAl含有量に対し、0.001<[Ti/Al(モル比)]≦0.030の範囲内となるように添加することが好ましい。0.001以下の場合、TiOSO添加効果が十分に現れない。0.030を超える場合は、炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物単相が得られず、好ましくない。より好ましくは0.002≦[Ti/Al(モル比)]≦0.025の範囲内である。
ZrOClの添加量は、水酸化アルミニウム中のAl含有量に対し、0.001<[Zr/Al(モル比)]≦0.030の範囲内となるように添加することが好ましい。0.001以下の場合、ZrOCl添加効果が十分に現れない。0.030を超える場合は、炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物単相が得られず、好ましくない。より好ましくは、0.002≦[Zr/Al(モル比)]≦0.025の範囲内である。
ケイ酸ナトリウムの添加量は、水酸化アルミニウム中のAl含有量に対し、0.001<[SiO/Al(モル比)]≦0.050の範囲内となるように添加することが好ましい。0.001以下の場合、ケイ酸ナトリウム添加効果が十分に現れない。0.050を超える場合は、炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物単相が得られず、好ましくない。より好ましくは0.002≦[SiO/Al(モル比)]≦0.040の範囲内である。
加熱処理の温度範囲は、50〜200℃の間の適宜な温度を選択すればよく、好ましくは90〜160℃、より好ましくは110〜160℃である。処理温度が50℃よりも低い場合は微細で結晶性が低下した粒子が生成するので好ましくない。
上記で得られた炭酸イオン型のAl−Li系複合層状複水酸化物粒子(2価金属を含有する炭酸イオン型のAl−Li系複合層状複水酸化物粒子)を含有する水懸濁液に硫酸を添加し、液性を酸性にした後(酸処理)、苛性ソーダなどのアルカリ溶液を添加して液性を中性からアルカリ性にする(中和処理)。更に、この水懸濁液に3号水ガラスなどのケイ酸アルカリ溶液を添加した(ケイ酸アルカリ処理)後、洗浄・乾燥・粉砕する。
酸処理時に添加する硫酸の濃度は特に限定されないが、炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子(2価金属を含有する炭酸イオン型Al−Li系複合層状複水酸化物粒子)を溶解させないことを考慮して、20重量%以下の濃度であることが好ましい。また、硫酸添加は懸濁液のpHが3.0〜6.0になるまで添加することが好ましく、より好ましくはpH3.0〜5.0である。
中和処理時に添加するアルカリ溶液も特に限定されないが、工業的な生産性を考慮した場合、25重量%以下の濃度の苛性ソーダ溶液が好ましい。また、アルカリ溶液の添加は、懸濁液のpHが7.0〜12.0になるまで添加することが好ましく、より好ましくはpH9.0〜12.0である。
ケイ酸アルカリ処理時に添加するケイ酸アルカリ溶液の添加量は、前記炭酸イオン型Al−Li系層状複水酸化物粒子(2価金属を含有する炭酸イオン型Al−Li系複合層状複水酸化物粒子)生成反応時に使用した水酸化アルミニウムのAl含有量に対し、0.5<[SiO/Al(モル比)]≦1.2の範囲内となるように添加することが好ましい。より好ましくは、0.6≦[SiO/Al(モル比)]≦1.2の範囲内である。
ケイ酸アルカリ溶液添加時の懸濁液の温度は常温〜100℃が好ましい。100℃を超える場合には耐圧容器が必要となるので経済的でない。より好ましくは、常温〜80℃の温度範囲である。
ケイ酸アルカリ溶液を添加処理したAl−Li系層状複水酸化物粒子(2価金属を含有するAl−Li系複合層状複水酸化物粒子)を含有した水懸濁液を水で洗浄し、乾燥・粉砕することにより本発明におけるAl−Li系層状複水酸化物粒子粉末が得られるが、適当な濃度の苛性ソーダ、炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ等で洗浄することにより、層状複水酸化物粒子層間の各種アニオンの含有比率を制御することができる。
また、上記Al−Li系層状複水酸化物粒子粉末(2価金属を含有するAl−Li系複合層状複水酸化物粒子)を120〜300℃で、空気中又はN、He等の不活性ガス雰囲気中で1〜24時間加熱処理をしても良い。
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末は、上記Al−Li系層状複水酸化物粒子粉末に前記表面処理剤によって表面処理を施すことによって得ることができる。
本発明における表面処理は、Al−Li系層状複水酸化物粒子(2価金属を含有するAl−Li系複合層状複水酸化物粒子)の製造途中に、高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸族アルコールとリン酸のエステル類の塩類及び高級脂肪酸類リン酸エステル類の塩類から選ばれる1種又は2種以上の表面処理剤で湿式処理を行う。
前記湿式処理は、前記Al−Li系層状複水酸化物粒子粉末の製造工程において、酸処理後、中和処理後又はケイ酸アルカリ処理後のいずれの段階で行ってもよい。好ましくは、中和処理後又はケイ酸アルカリ処理後である。
湿式処理における表面処理剤の添加量は、Al−Li系層状複水酸化物粒子粉末に対してC換算で0.3〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜12.0重量%である。添加量が0.2重量%未満の場合には、処理剤による効果が得られない。15.0重量%を超える場合には、効果が飽和するため、必要以上に添加する意味がない。
次に、本発明4に係る農業用フィルムについて述べる。
本発明4に係る農業用フィルムに用いる樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、酢酸ビニル等のオレフィン類の重合体あるいは共重合体、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル含有量が25重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性、耐候性、価格面を考慮して好ましい。
本発明4に係る農業用フィルムの製造に際しては、必要に応じて周知の滑剤、光安定剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防霧剤、防曇剤、顔料、染料、熱安定剤等を適宜添加することができる。
本発明4に係る農業用フィルムは、必要に応じて積層構造を有してもよい。
本発明4に係る農業用フィルム中のAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の含有量は、樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、より好ましくは2〜25重量部である。1重量部未満の場合は保温性能向上の効果が不十分である。30重量部を超える場合には農業用フィルムの透明性が低下するため好ましくない。
本発明4に係る農業用フィルムの保温性は、後述する評価法に従って測定した保温指数で、70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上である。
本発明4に係る農業用フィルムの透明性は、後述する評価法に従って測定した全光線透過率と内部ヘイズ値で評価される。全光線透過率は85.0%以上が好ましく、より好ましくは86.0%以上である。内部ヘイズ値は、6.0%以下が好ましく、より好ましくは5.0%以下である。
次に、本発明4に係る農業用フィルムの製造法について述べる。
本発明に係る農業用フィルムは、本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末及び樹脂を、常法に従って、たとえばリボンブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの混合機に投入し、混合後、押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどを用いて溶融混練した後、インフレーション法、Tダイ法等の方法により、フィルム状に製膜して製造することができる。
また、本発明においては、後述するように、あらかじめ前述した樹脂とAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を所定量混合したマスターバッチペレットを作製しておき、該ペレットを用いて前記農業用フィルムを作製してもよい。
次に、本発明5に係る農業用フィルム用マスターバッチペレットについて述べる。
本発明5に係る農業用フィルム用マスターバッチペレットに用いる樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、酢酸ビニル等のオレフィン類の重合体あるいは共重合体、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル含有量が25重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性、耐候性、価格面を考慮して好ましい。
なお、マスターバッチペレットに用いる樹脂の組成は、本発明3に係る農業用フィルムの製造時に用いる希釈用樹脂と同一の樹脂を用いても良いし、異なる樹脂を用いても良い。異なる樹脂を用いる場合は、樹脂同士の相溶性により決まる諸特性を考慮することが好ましい。
本発明5に係る農業用フィルム用マスターバッチペレット中のAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の含有量は、樹脂100重量部に対して10〜250重量部が好ましく、より好ましくは20〜220重量部である。10重量部未満の場合は樹脂混練時の溶融粘度が不足し、保温剤の良好な分散混合が難しい。250重量部を超える場合には、樹脂が不足するため、保温剤の良好な分散混合が困難となり、好ましくない。
本発明5に係る農業用フィルム用マスターバッチペレットは、樹脂と保温剤とをリボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で混合した後、周知の単軸混練押出機や二軸混練押出機等で混練・成型した後切断するか、上記混合物をバンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混練して得られた混練物を粉砕または成型、切断することにより製造される。
本発明5に係る農業用フィルム用マスターバッチペレットの製造に際しては、必要に応じて周知の滑剤、光安定剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防霧剤、防曇剤、顔料、染料、熱安定剤等を適宜添加することができる。
本発明5に係る農業用フィルム用マスターバッチペレットは、平均長径1〜6mmが好ましく、より好ましくは2〜5mmの範囲である。平均短径は2〜5mmが好ましく、より好ましくは2.5〜4mmである。平均長径が1mm未満の場合には、ペレット製造の作業性が悪く好ましくない。6mmを超える大きさの場合は、希釈用樹脂の大きさとの違いが大きく、十分に分散混合させることが困難となる。
また、ペレット形状は種々のものができ、不定形または球形等の粒状、円柱状、フレーク状等に加工可能である。
<作用>
本発明において重要な点は、本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を有効成分として含有する赤外線吸収剤を配合した農業用フィルムが、保温性に優れ、さらには透明性が既存品に比べて著しく優れていることである。
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を配合した農業用フィルムの透明性が優れている原因について、本発明者は以下のように推定している。
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末は、農業用フィルムに成型加工した場合、2H型結晶構造の[002]方向が膜面に垂直に配向している傾向が強い。これは、Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を構成する、個々の板状粒子(一次粒子)板面がフィルム膜面と平行に並んでいる割合が高いことに対応している。板状粒子板面がフィルム膜面と平行に並んでいる場合、フィルム膜面への鉛直入射光は、散乱体としての保温剤粒子サイズを板状結晶の厚みとして認識する。
したがって、[002]配向度が高いほど、板状結晶の厚みが薄いことが効果的に作用し、Rayleigh散乱の影響が小さくなるため、フィルム透明性が向上するものと本発明者は推定している。
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の[002]配向度が高い原因について、本発明者は以下のように推定している。
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末は、その前駆体である炭酸イオン型層状複水酸化物粒子粉末を製造する際に、金属原料を分散させた水懸濁液を調製し、該懸濁液に、硫酸、TiOSO、ZrOCl、ケイ酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の水溶液を所定量添加したのち、加熱熟成処理している。この添加効果によって、生成する炭酸イオン型層状複水酸化物粒子粉末が、板状結晶厚みが薄く、板状比の高い一次粒子形状となる。この一次粒子形状は、後処理である酸処理・中和処理・ケイ酸アルカリ処理・洗浄・乾燥・粉砕を経ても継承される。
一次粒子の厚みが適度に薄く板状比が高いこと、樹脂中での分散性に優れることの相乗効果により、本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の[002]配向度が向上しているものと本発明者は推定している。
本発明の代表的な実施例は次の通りである。
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末及び農業用フィルムの諸特性は、下記の方法により評価した。
Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の平均二次粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置:SALD−2000J((株)島津製作所製)を用いて測定した。
Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の結晶相同定は、X線回折装置:RINT2500(理学電機(株)製)(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.040°、走査速度:2.000°/min、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.30mm)を使用し、回折角2θが5〜90°で2θ/θ測定して評価した。
BET比表面積値はBET法により測定した値で示した。
Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を
式、[AlLi(1−x−y)M(II)M(IV)(OH)(Si2m+1z1(SOz2(COz3(OH)z4・nHOと表記した場合のx、y、m、z1は、該粉末を酸で溶解し、プラズマ発光分光分析装置:SPS4000(セイコー電子工業(株))で測定して求めた。
z2、z3は、該粉末の炭素及び硫黄含有量(重量%)を、カーボン・サルファーアナライザー:EMIA−2200(HORIBA製)により測定して求めた。
z4は、z1+z2+z3+z4/2=1+x+3y なる関係式から計算した。
[SiO/Al(モル比)]は、該粉末を酸で溶解し、プラズマ発光分光分析装置:SPS4000(セイコー電子工業(株))で測定して求めた。
Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の農業用フィルム中での[002]配向度は、前記の方法で評価した。
農業用フィルムの保温性は、下記の方法により測定した。
樹脂100重量部に対して、Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を所定重量部混合し、該混合物を熱間ロール中で混練し、練り込みシートを得た後、熱間プレスで加圧処理することにより、厚さ100μmのプレスフィルムを作製した。熱間ロールの混練温度は140〜150℃、熱間プレスのプレス温度は160℃である。得られた農業用フィルムの保温性と透明性を下記の方法で測定し評価した。
保温性は、保温指数で評価した。上記農業用フィルムの赤外線吸収スペクトルをフーリエ変換赤外分光光度計:FTIR−8700((株)島津製作所製)を用いて(2,000〜400cm−1の範囲で1cm−1毎に測定し、100μmの膜厚で補正して各波数の補正吸光率を求めた。この補正吸光率に各波数に対する15℃の相対黒体放射エネルギーをかけて、相対黒体放射エネルギー吸収率を計算した。各波数の相対黒体放射エネルギー吸収率を積算し、その値を2,000〜400cm−1の総相対黒体放射エネルギーで除して保温指数とした。農業用フィルムの保温効果は保温指数が高いものほど高い。
フィルム透明性は、分光光度計:JASCO V−560(日本分光(株)製)を用いて、波長535nmの光をフィルム膜面に鉛直に入射させて、全光線透過率及び内部ヘイズ値を測定し、評価した。内部ヘイズは、フィルムを2−プロパノールに浸漬した状態で測定した。全光線透過率は100に近いほど可視光透過性が良く、内部ヘイズ値は小さいほど曇りが少ないことを意味する。
実施例1
Alとして65重量%含有した水酸化アルミニウム粉末214.0gと、MgOとして42.0重量%含有した炭酸マグネシウム13.9gと、炭酸リチウム45.2gに水を加えて全量を3lとし、充分に攪拌しておく。この懸濁液に、濃度20重量%の硫酸水溶液20.2gを添加し十分に撹拌する。この懸濁液を内容量5lのオートクレーブに挿入し、150℃で5時間加熱熟成して白色沈殿を生成した。得られた白色沈殿物の一部を取り出し、濾過、水洗乾燥した後にX線回折によって同定した結果、層状複水酸化物粒子(炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子)であることを確認した。
次いで、前記白色沈殿物を含有する懸濁液を60℃に冷却した後、濃度8重量%の硫酸をpHが4.0になるまで添加した(酸処理)。次いで、25%苛性ソーダ溶液を添加してpH11.0に調整した後(中和処理)、15%ケイ酸ソーダ水溶液3762gを添加した。
次いで、該懸濁液に、ステアリン酸リン酸エステルNa塩の1%溶液を1.05l加えて、湿式表面処理を行った。該懸濁液をヌッチェで濾過し、製品量に対して15倍量の濃度0.5%苛性ソーダ水溶液で洗浄し、さらに製品量に対して40倍量の水で洗浄した。洗浄後、110℃で20時間乾燥し、更に200℃で1時間乾燥し、100メッシュ篩で篩過して、Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を得た。
該粉末の平均粒子径は0.80μm、比表面積は12.1m/gであった。該粉末の組成は、[AlLi0.90Mg0.10(OH)(Si0.65(SO0.06(CO0.21(OH)0.36・1.05HOであった。該粉末の炭素含有量は5.48wt%であった。また、該粉末の[002]配向度は1650cpsであった。
実施例2〜8、比較例1〜3
2価金属の種類及び含有量、酸処理の条件、中和処理の条件、ケイ酸アルカリの添加量、洗浄条件などを種々変化させるとともに、表面処理剤による湿式表面処理及び乾式処理における表面処理剤の種類及び添加量を種々変化させた以外は、実施例1と同様にしてAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を得た。
実施例3、4は、実施例1に対して、マグネシウム原料を添加しなかった。
実施例5は、実施例1に対してマグネシウム原料を添加せず、炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子の生成時の硫酸の添加に替えてTiOSOを添加した。
実施例6は、実施例5のTiOSOに替えて、ZrOClを添加した。
実施例7は、実施例5のTiOSOに替えて、水ガラスを添加した。
実施例8は、実施例1に対して、マグネシウム原料に替えて塩化カルシウム水溶液を添加し、表面処理をステアリン酸ナトリウムで行った。
比較例1は、実施例1の炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子の生成時に硫酸を添加しなかった。
比較例2は、比較例1に対してマグネシウム原料を添加しなかった。
比較例3は、実施例3に対して硫酸の添加量を増やしたものである。
得られたAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末の諸特性を表1に示す。
実施例9
実施例1で得られたAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末16重量部、線状低密度ポリエチレン樹脂(商品名:エクセレンFX CX2001、住友化学製)84重量部を混合し、該混合物を熱間ロール中で混練し、混練シートを得た後、熱間プレスで加圧処理することにより、厚さ100μmのプレスフィルムを作製した。熱間ロールの混練温度は140℃、熱間プレスのプレス温度は160℃である。
得られた農業用フィルムの保温指数は86.6%、透明性は、全光線透過率が87.9%、内部ヘイズ値が2.6%であった。
実施例10〜16、比較例4〜6
実施例2〜8、比較例1〜3の各Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末とポリオレフィン系樹脂を表2に示す組成で配合し、実施例9と同様にして農業用フィルムを作製した。
得られた農業用フィルムの諸特性を表2に示す。
Figure 0005413551
Figure 0005413551
本発明に係るAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を有効成分として含有する赤外線吸収剤は、樹脂に配合しフィルムに成型加工した場合、保温性に優れ、さらには透明性が既存品に比べて著しく優れているので、農業用フィルム用途の赤外線吸収剤として好適である。

Claims (5)

  1. 式、[AlLi(1−x−y)M(II)M(IV)(OH)(Si2m+1z1(SOz2(COz3(OH)z4・nHO(式中、M(II)は2価の金属、M(IV)は4価の金属、x、y、z1、z2、z3、z4、m、nは、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、z1>0、0≦z2≦0.1、0<z3≦0.7、z4≧0、2≦m≦4、0≦n<5、0.5<SiO/Al≦1.2の範囲内)で示されるAl−Li系層状複水酸化物粒子粉末であって、該粒子粉末を下記測定方法で測定した[002]配向度が1000cps以上であり、平均二次粒子径は0.1〜3.0μmであるAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を有効成分として含有することを特徴とするAl−Li系赤外線吸収剤。
    (1)線状低密度ポリエチレン樹脂(商品名:エクセレンFX CX2001、住友化学製):84重量部、Al−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末:16重量部を混合し、該混合物80gを熱間ロール中で混練し、混練シートを得る。混練条件は、混練温度140℃、ロール間隙0.80mm、混練時間3minである。
    (2)得られた混練シートを熱間プレスで加圧成形処理し、膜厚100μmのプレスフィルムを得る。加圧条件は、プレス温度160℃、プレス圧150kg重/cm、プレス時間1min、処理量0.8gである。
    (3)得られたプレスフィルムについて、散乱ベクトルをフィルム膜面に垂直にとって、X線回折パターンを測定する。X線にはCu−Kα線を用い、出力は40kV−300mAとする。得られた回折パターンの(002)回折ピーク強度から、ベースライン強度を除去した値(単位:cps)で、フィルム中のAl−Li系層状複水酸化物粒子粉末の[002]配向度を表す。
  2. 水酸化アルミニウムを含有する水媒体中に、炭酸リチウムを混合し、金属原料を分散させた水懸濁液を調製し、該懸濁液に、硫酸、TiOSO、ZrOCl及びケイ酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の水溶液を添加したのち、加熱熟成処理して炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子を得、次いで、該炭酸イオン型のAl−Li系層状複水酸化物粒子を含有する懸濁液に硫酸を添加して酸処理を行い、酸処理後の懸濁液のpHを7.0〜12.0に調整する中和処理を行った後、ケイ酸アルカリ水溶液を添加し、次いで、洗浄、乾燥してAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を得る製造工程において、前記酸処理、中和処理又はケイ酸アルカリ水溶液による処理のいずれかの処理後の懸濁液に、高級脂肪酸塩類、高級脂肪酸族アルコールとリン酸とのエステル類の塩類及び高級脂肪酸類リン酸エステル類の塩類から選ばれる1種又は2種以上の表面処理剤を添加して湿式処理を行い、次いで、洗浄、乾燥してAl−Li系複合層状複水酸化物粒子粉末を得ることを特徴とする請求項1記載のAl−Li系赤外線吸収剤の製造法。
  3. 請求項2記載のAl−Li系赤外線吸収剤の製造法において、水酸化アルミニウムを含有する水媒体中に、炭酸リチウムとともに、マグネシウム炭酸塩、水溶性マグネシウム、水酸化マグネシウム及び水溶性カルシウムの中から選ばれる1種以上を添加するAl−Li系赤外線吸収剤の製造法。
  4. 樹脂100重量部に対して、請求項1記載のAl−Li系赤外線吸収剤1〜50重量部を配合したことを特徴とする農業用フィルム。
  5. 樹脂100重量部に対して、請求項1記載のAl−Li系赤外線吸収剤10〜250重量部を配合したことを特徴とする農業用フィルム用マスターバッチペレット。
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