JP2001172608A - 極遠赤外乃至遠赤外線吸収複合金属多塩基性塩 - Google Patents

極遠赤外乃至遠赤外線吸収複合金属多塩基性塩

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JP2001172608A
JP2001172608A JP2000308292A JP2000308292A JP2001172608A JP 2001172608 A JP2001172608 A JP 2001172608A JP 2000308292 A JP2000308292 A JP 2000308292A JP 2000308292 A JP2000308292 A JP 2000308292A JP 2001172608 A JP2001172608 A JP 2001172608A
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infrared
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Yoshinobu Komatsu
善伸 小松
Hitoshi Ishida
仁 石田
Hiroshi Igarashi
宏 五十嵐
Masami Kondo
近藤  正巳
Madoka Minagawa
円 皆川
Satoru Sato
哲 佐藤
Teiji Sato
悌治 佐藤
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 樹脂に対する配合が容易でしかも樹脂フィル
ムの透光性を可及的に阻害しない極遠赤外乃至遠赤外線
吸収体を提供する。 【解決手段】 一般式(1) M (OH)(A)・nHO…(1) [式中、Mは三価金属、Mは二価金属、Aは無機ま
たは有機のアニオンp、q、y及びzは、 3p+2q−y−mz=0(mはアニオンAの価数)、 0.3≦q/p≦2.5、 1.5≦y/(p+q)≦3.0、 1.0≦(p+q)/z≦20.0 を満足する数、nは7以下の数である。]で表される化
学組成を有する複合金属多塩基性塩。例えば、Al
1.00Mg1.99(OH)6.12(SO
0.43・1.6HOから成り、且つ波数50乃至4
00cm−1に少なくとも1個の吸収ピークを有する遠
赤外線吸収剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極遠赤外乃至遠赤
外線吸収剤に関し、より詳細には、波数50乃至400
cm−1の極遠赤外乃至遠赤外域および中赤外域に顕著
な吸収ピークを有する新規な複合金属多塩基性塩から成
る極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来農作物のハウス栽培やトンネル栽培
には、農業用フィルムが広く使用されている。この農業
用フィルムは、透光性と共に保温性を有することが要求
される。即ち、昼間の日光照射によって昇温したハウス
やトンネル内の温度は、夜間、特に晴天時の夜間におい
ては、放射冷却により低温となり、これが農作物の生育
に悪影響を及ぼす。
【0003】これを防止するため、保温性フィルムが使
用されており、この保温性フィルムは、樹脂中に、熱線
を吸収しうる材料、即ち保温剤、例えばシリカ、ケイ酸
塩、アルミナ、アルミン酸塩、ハイドロタルサイト類、
塩基性炭酸アルミニウム・リチウム塩等を配合したもの
からなっている。
【0004】例えば、特公昭62−41247号公報に
は、透明塩化ビニル樹脂に、波長18〜50μの赤外領域に
吸収を示す無機質粉末を1〜25wt%(混合物基準)添加混
練し、厚さ20〜200μのフィルム状に成型してなる保温
性を改良した農業用塩化ビニル樹脂フィルムが記載され
ている。
【0005】特公昭62−31744号公報には、オレ
フィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂及びこれらを主成分と
するブレンド樹脂よりえらばれた熱可塑性樹脂100重
量部に対して、約1〜約20重量部の平均2次粒子径が
5μm以下で且つBET比表面積が約30m/g以下であ
る下記式(3) M2+ 1−XAl(OH)(An−X/n・nHO …(3) 但し式中、M2+は、Mg及びZnよりなる群からえら
ばれた二価金属イオンを示し、An−は、n価のアニオ
ンを示し、そしてx及びmは下記式の条件を満足する、
0<x<0.5 , 0≦m≦2で表されるハイドロ
タルサイト類を含有するフィルム構造物から成ることを
特徴とする農業用フィルムが記載されている。
【0006】特開平9−279131号公報には、ドー
ソナイト型結晶構造を有する塩基性炭酸アルミニウム複
塩の繊維状結晶粉末から成る保温剤であって、該保温剤
が300℃以下の領域において実質上熱重量減が無く、
波数400乃至4000の赤外線領域に広範な吸収スペ
クトルを有し、特に波数1500乃至1600にハイド
ロタルサイトには見られない大きな吸収スペクトルを有
することが記載されている。
【0007】また、特開平9−279124号公報に
は、式(4) [Al(Li(1−x)・M2+ )(OH)
(An−2(1+x) /n・mHO …(4)
(式中、M2+は2価の金属、Aはn価のアニオン、m
及びxは、0≦m<5、0.01≦x<1の範囲であ
る。)で示される複合水酸化物塩を有効成分として含有
することを特徴とする赤外線吸収剤が記載されている。
【0008】更に、特許第2852563号公報には、
式(5) [Al(Li(1−x)・M2+ )(OH)(Si2y+1 2−1+x・mHO …(5) (式中、M2+は、2価の金属、mは0≦m<5の範囲
にある数、xは0≦x<1の範囲にある数、yは2≦y
≦4の範囲にある数を示す)で表される複合水酸化物縮
合ケイ酸塩が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記保温剤としては、
熱線に対する吸収性のより高い材料が探索されていると
共に、樹脂に対する配合が容易でしかも樹脂フィルムの
透光性を可及的に阻害しない材料が求められている。
【0010】従来保温剤として知られている赤外線吸収
剤は、一般に水酸基や炭酸根等の赤外線に対する吸収ピ
ークを有する基を有する無機化合物であるが、公知の保
温剤は、熱線に対する吸収性が未だ十分満足しうるもの
ではなく、一層の改善が望まれている。
【0011】一般に、一定の温度にある黒体と、その黒
体から輻射される電磁波のエネルギーが最大の波長との
間には、ウイーン(Wien)の法則と呼ばれる一定の
関係があり、室温近辺の温度と極大エネルギー波長との
関係を示すと次の通りとなる。 温度(℃) 極大エネルギー波長(μm) 5 10.42 10 10.24 15 10.06 20 9.89 25 9.73
【0012】一方、一定の温度の黒体に関して、放出さ
れる電磁波の波長とエネルギー密度との間には、プラン
ク(Planck)の法則があり、この法則によれば、
両者の関係は、極大エネルギー波長よりも少し短い波長
領域から、エネルギー密度は極大値に向けて急激に立ち
上がり、極大エネルギー波長よりも長い波長領域では、
極大エネルギー密度から波長が長くなるに従ってエネル
ギー密度が徐々に低下するという傾向を示す。
【0013】かくして、常温乃至その近辺の温度の物体
から放射される輻射線を有効に吸収するという目的に
は、極大エネルギー波長近辺の赤外線(波数約1000
cm )の吸収も重要であるが、吸収効率を高めるた
めには、遠赤外線乃至極遠赤外線の吸収も重要であるこ
とが理解される。
【0014】従って、本発明の目的は、赤外線は勿論の
こと、極遠赤外乃至遠赤外線に対しても優れた吸収を示
す吸収体を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複合金
属多塩基性塩から成り且つ、波数50乃至400cm
−1に少なくとも1個の吸収を有する極遠赤外乃至遠赤
外線吸収体が提供される。 本発明に用いる複合金属多
塩基性塩としては、下記一般式(1) M (OH)(A)・nHO ‥(1) 式中、Mは三価金属を表し、Mは二価金属を表し、
Aは無機または有機のアニオンを表し、p、q、y及び
zは下記式 3p+2q−y−mz=0(式中mはアニオンAの価数
であり、)、 0.3≦q/p≦2.5 1.5≦y/(p+q)≦3.0 及び 1.0≦(p+q)/z≦20.0 を満足する数であり、nは7以下の数である、で表され
る化学組成を有する複合金属多塩基性塩、特に(1)前
記複合金属多塩基性塩がX線回折(Cu−Kα)におい
て、2θ=2乃至15゜、2θ=19乃至27゜及び2
θ=33乃至50゜に回折ピークを有し、且つ2θ=6
0乃至64゜には単一の回折ピークが存在すること、
(2)前記複合金属多塩基性塩の2θ=33乃至50゜
におけるX線回折(Cu−Kα)ピークが単一であるこ
と、(3)前記(1)式において、三価金属(M)が
アルミニウムで、二価金属(M)がマグネシウム及び
/または亜鉛であり、且つ波数4000乃至2500c
−1、1800乃至900cm−1及び900乃至5
0cm−1にそれぞれ吸収ピークを有すること、(4)
前記(1)式において、アニオン(A)が硫酸イオン、
炭酸イオン、リン酸イオン(縮合リン酸を含む)、ケイ
酸イオン(縮合ケイ酸イオンを含む)であること、
(5)前記複合金属多塩基性塩が、下記数式(2) IS = tanθ/tanθ …(2) 式中、θは一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ
は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
なす角度を表す、で定義される積層不整指数(IS)が
2θ=33乃至50゜のピークにおいて1.0以上の範
囲にあること、が好ましい。
【0016】本発明に用いる極遠赤外乃至遠赤外線吸収
体は、粉体としての取り扱い性や、樹脂等の媒質への分
散性等から、体積基準で0.1乃至20μm、より好ま
しくは0.1乃至10μmのメジアン径を有しているも
のである、樹脂等へ配合したときの透明性等からは、液
浸法で1.40乃至1.65の屈折率を有することが好
ましい。又、BET比表面積は好ましくは200m
g以下、より好ましくは40m/g以下のものであ
る。
【0017】
【発明の実施形態】[作用]本発明は、ある種の複合金
属多塩基性塩が波数400乃至50cm−1の極遠赤外
乃至遠赤外域に吸収ピークを示すという新規知見に基づ
くものである。
【0018】図1は、アニオンが硫酸イオンからなるA
l−Mg型複合金属多塩基性塩の極遠赤外乃至遠赤外域
での吸収スペクトル及び通常の赤外線吸収スペクトルを
示すものである。図2は、アニオンが炭酸イオンからな
るAl−Mg型複合金属多塩基性塩の極遠赤外乃至遠赤
外域での吸収スペクトル及び通常の赤外線吸収スペクト
ルを示すものである。図3は、アニオンがケイ酸イオン
からなるAl−Mg型複合金属多塩基性塩の極遠赤外乃
至遠赤外域での吸収スペクトル及び通常の赤外線吸収ス
ペクトルを示すものである。図4は、アニオンが1水素
リン酸イオンからなるAl−Mg型複合金属多塩基性塩
の極遠赤外乃至遠赤外域での吸収スペクトル及び通常の
赤外線吸収スペクトルを示すものである。図5は、アニ
オンが硫酸イオンからなるAl−Zn−Mg型複合金属
多塩基性塩極遠赤外乃至遠赤外域での吸収スペクトル及
び通常の赤外線吸収スペクトルを示すものである。図6
は、アニオンがケイ酸イオンからなるAl−Zn−Mg
型複合金属多塩基性塩極遠赤外乃至遠赤外域での吸収ス
ペクトル及び通常の赤外線吸収スペクトルを示すもので
ある。図7は、アニオンが硫酸イオンからなるAl−Z
n型複合金属多塩基性塩極遠赤外乃至遠赤外域での吸収
スペクトル及び通常の赤外線吸収スペクトルを示すもの
である。図8は、ハイドロタルサイト型合成鉱物につい
て、極遠赤外乃至遠赤外域での吸収スペクトル及び通常
の赤外線吸収スペクトルを示すものである。図9は、石
英について、極遠赤外乃至遠赤外域での吸収スペクトル
及び通常の赤外線吸収スペクトルを示すものである。
【0019】本発明の複合金属多塩基性塩は、極遠赤外
乃至遠赤外域での吸収スペクトル及び通常の赤外線吸収
スペクトルから、波数4000cm−1乃至2500c
に水酸基による特性吸収を有すると共に、波数1
800cm−1乃至900cm−1に組み込まれたアニ
オンによる特性吸収を有することが分かる。更に波数2
000cm−1以下、特に波数1000cm−1付近の
輻射極大エネルギーの赤外線に吸収ピークを示すと共
に、波数1000乃至50cm−1の極遠赤外乃至遠赤
外にも多数の吸収ピークを有し、熱線全体の吸収性能に
優れていることが理解される。
【0020】[複合金属多塩基性塩及びその製法]本発
明の複合金属多塩基性塩は、公知のハイドロタルサイト
やリチウムアルミニウム複合水酸化物塩とは、全く異な
った新規な結晶構造を有する。添付図面の図10は本発
明によるAl−Mgタイプの複合金属多塩基性塩のX線
回折像である。一方、図11はAl−Znタイプの複合
金属多塩基性塩のX線回折像であり、図12は、Al−
Zn−Mgタイプの複合金属多塩基性塩のX線回折像で
ある。また、図13はハイドロタルサイトのX線回折像
であり、図14はリチウムアルミニウム複合水酸化物塩
のX線回折像である。
【0021】本発明による複合金属多塩基性塩は、マグ
アルドレート等の複合金属多塩基性塩も含まれるが、好
ましくはX線回折(Cu−α)において、2θ=2乃至
15゜、2θ=19乃至27゜、2θ=33乃至50゜
及び2θ=60乃至64゜に実質上4個の回折ピークを
有し、且つ2θ=60乃至64゜の回折ピークが単一の
回折ピークを有する複合金属多塩基性塩である。これに
対して、ハイドロタルサイト(図13)は、2θ=60
乃至64゜の範囲に2個の回折ピークを有しており、更
に2θ=38乃至50゜の範囲にも2個の回折ピークを
有しており、両者のX線回折像は全く相違している。同
様の相違は、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩(図
14)の場合にも認められる。
【0022】本発明に用いる複合金属多塩基性塩は、更
に図10、図11及び図12から明らかなとおり、積層
不整というX線回折学的な微細構造上の特徴を有してい
る。即ち、本発明の複合金属多塩基性塩では、2θ=3
3乃至50 ゜の回折ピークが非対称ピークとなってい
ることが明らかである。
【0023】即ち、このピークは挟角側(2θの小さい
側)では立ち上がりが比較的急で、広角側(2θの大き
い側)では傾斜のゆるやかな非対称のピークとなってい
ることが了解される。この非対称ピーク構造は、上述し
た2θ=33乃至50゜のピークにおいて特に顕著であ
るが、他に2θ=60乃至64°のピークにおいても程
度は小さいものの同様に認められる。
【0024】本明細書において、積層不整指数(Is)
は、次のように定義される。即ち、後述する実施例記載
の方法で、図15に示すようなX線回折チャートを得
る。この2θ=33乃至50゜のピークについて、ピー
クの挟角側最大傾斜ピーク接線aと広角側最大傾斜ピー
ク接線bを引き、接線aと接線bの交点から垂線cを引
く。次いで接線aと垂線cとの角度θ 、接線bと垂
線cとの角度θ を求める。これらの角度から、前記
式(2)により、積層不整指数(Is)が求められる。
この積層不整指数(Is)は、完全に対称なピークであ
る場合には、1.0であり、立ち上がり角度に比して立
ち下がり角度が大きくなる方が大きな値をとるようにな
る。
【0025】この積層不整指数(Is)の意味するとこ
ろは、次のものと思われる。即ち、本発明に用いる複合
金属多塩基性塩では、M (OH)の基本層
が積み重なった層状結晶構造を有することは既に指摘し
たところであるが、各基本層のサイズ(長さや面積)が
一様でなく、その分布が広い範囲にわたっており、ま
た、基本層にねじれや湾曲などを生じて、非平面構造と
なっていると信じられる。
【0026】本発明に用いる複合金属多塩基性塩は、室
温から200℃の温度に加熱したときの重量減少率が2
0重量%以下、特に15重量%以下であり、樹脂中に配
合したとき、樹脂の加工温度で発泡を生じることがない
という顕著な利点をも有している。ハイドロタルサイト
の欠点として、樹脂の加工温度で水分の離脱に伴う発泡
の問題が指摘されているが、本発明品では、この問題が
解消されている。図16は、本発明に用いる複合金属多
塩基性塩及びハイドロタルサイトについての示差熱分析
(DTA)の結果を示している。ハイドロタルサイトの
場合、温度190乃至240℃の範囲に水分の揮発に基
づく極めて大きな吸熱ピークが認められ、その間の重量
減少は約12%であるのに対して、複合金属多塩基性塩
ではこのような大きな吸熱ピークは認められず、重量減
少は約8%であり耐発泡性に優れていることを示してい
る。
【0027】本発明に用いる複合金属多塩基性塩は、小
さい比表面積と小さい細孔容積とを有している。一般
に、本発明の複合金属多塩基性塩のBET比表面積はア
ニオンが珪酸イオンを除くと40m/g以下、特に
0.3乃至20m/gの範囲であり、一方、細孔径1
7乃至3000オングストロームについてBJH法で求
めた細孔容積は0.0005乃至0.05ml/g、特
に0.02乃至0.035ml/gの範囲にある。
【0028】本発明に用いる複合金属多塩基性塩は、レ
ーザ回折法で測定して、一般に0.1乃至20μm、特
に0.1乃至10μmの体積基準中位径(D50)を有
する。 粒子形状は、板状結晶粒子状からアグロメレー
ト状の形状があり、これは複合金属多塩基性塩の二価金
属M2+の種類にも依存する。
【0029】[複合多塩基性塩の調製]本発明では、三
価金属の酸化物、水酸化物或いは水可溶性塩と、二価金
属の酸化物、水酸化物或いは水可溶性塩とを、反応終了
時のpHが3.5乃至10.0となる条件下で、且つ5
0℃以上の温度で反応させ、必要により酸或いは酸の可
溶性塩の存在下にイオン交換することにより、本発明に
用いる複合金属多塩基性塩を製造する。
【0030】Alなどの三価金属の原料としては、酸化
物、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩などの水可溶性
塩であれば、何れをも使用しうるが、本発明では合成の
容易さの点から、複合金属多塩基性塩を硫酸塩の形で合
成するのが望ましく、この点から、硫酸アルミニウムの
形で用いるのがもっとも望ましい。本発明に用いられる
三価金属としては、Al、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Ga、Y、Ru、Rh、In、
Sb、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Os、I
r、Au、Bi、Ac、Thなどが挙げられるが、これ
らの内でもAlが好適である。
【0031】Mg或いはZnなどの二価金属の原料とし
ては、酸化物、水酸化物或いは水溶性塩の何れも使用で
きるが、酸化物、例えば亜鉛華や、水酸化物、例えば水
酸化マグネシウムを用いるのが合成上もっとも便利であ
る。勿論、本発明においては、二価金属の塩化物、硝酸
塩、硫酸塩などの水可溶性塩を用いても、反応系のpH
を上記の範囲に制御することにより、複合金属多塩基性
塩の合成を行うことが可能である。本発明に用いられる
二価金属としては、Be、Mg、Ca、Ba、Sr、C
d、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Cu、Pd、S
n、Pt、Pbなどが挙げられるが、これらの内でも周
期律表第II族金属、特にMg、Znが好適である。
【0032】本発明では、上記各原料を、反応終了時の
pHが3.5乃至10.0、特に4.0乃至9.0の範
囲となり、且つ反応温度を50℃以上、特に80乃至1
80℃の範囲に維持して、反応を行うことが重要であ
る。反応系のpHが上記範囲外では、複合金属多塩基性
塩の生成が困難となる傾向がある。即ち、この複合金属
多塩基性塩では、水酸基とアニオン性基との両方を結合
して有することが特徴であるが、pHが上記範囲を上回
るとアニオン性基の導入が困難となり、pHが上記範囲
を下回ると水酸基の導入が困難となる傾向がある。一
方、反応温度が上記範囲を下回るとやはり複合金属多塩
基性塩の合成が困難となる傾向がある。
【0033】三価金属化合物と、二価金属化合物との反
応混合比は、前記一般式(1)の組成比が満足されるよ
うに定める。一般に、原料におけるM2+/M3+の仕
込みモル比よりも生成物におけるM2+/M3+のモル
比は小さくなる傾向がある。添付図面の図17は、Al
−Mg型複合金属多塩基性塩に関して、原料におけるM
2+/M3+の仕込みモル比と、生成物におけるM2+
/M3+のモル比との関係を示しており、両者の関係は
ほぼ直線関係にあって、仕込みモル比を決めることによ
り最終生成物のM2+/M3+のモル比を定めうること
が理解される。一般に、M2+/M3+の仕込みモル比
は、1.0乃至5.0、特に1.0乃至4.0の範囲に
あることが望ましい。
【0034】また、原料におけるM2+/M3+の仕込
みモル比並びに生成物におけるM /M3+のモル比
と、生成物におけるA/M3+のモル比にも一定の関係
があり、一般にM2+/M3+のモル比が増大すると生
成物におけるA/M3+のモル比が増大する傾向があ
る。図18は、上記の両者の関係を示しており、Mg/
Alのモル比の増大に伴って、生成物におけるSO
Alのモル比が単調に増大することを示している。この
現象は次のように考えられる。即ち、本発明に用いる複
合金属多塩基性塩は、M2+(OH)八面体層のM
2+がM3+で同型置換されたものが基本層となり、こ
の基本層間に前記置換による過剰カチオンと釣り合う形
で硫酸根等のアニオンが組み込まれたものであること
は、既に指摘したとおりであるが、この過剰カチオンと
釣り合う形で硫酸根が全て組み込まれると、SO/A
lのモル比は0.5になることになる。図18の事実
は、Alのモル比が小さい状態では、この理想的状態が
ほぼ成り立つが、Alのモル比が大きくなると、硫酸根
の組み込みの程度は少なくなり、水酸基との結合が多く
なることを示している。
【0035】図19は、Al−Mg複合金属多塩基性塩
について、原料の仕込みモル比Mg/Alを変化させた
場合の生成物のX線回折像を示している。これらの結果
は、Mg/Alのモル比が1.8乃至3.0の範囲で本
発明の結晶構造のものが安定に生成することを示してい
る。また、図20は、Al−Zn複合金属多塩基性塩に
ついて、原料の仕込みモル比Zn/Alを変化させた場
合の生成物のX線回折像を示している。これらの結果
は、Zn/Alのモル比が2.4乃至3.6の範囲で本
発明の結晶構造のものが安定に生成することを示してい
る。
【0036】本発明に用いる複合金属多塩基性塩の合成
に当たって、両原料の混合順序などには格別の制限はな
く、例えば、三価金属塩類の水溶液に二価金属の酸化
物、水酸化物のスラリーや水溶性塩類の溶液を添加して
もよく、また逆に二価金属の酸化物、水酸化物のスラリ
ーや水溶性塩類の溶液に三価金属塩類の水溶液を添加し
てもよい。
【0037】反応は、反応混合物を攪拌下に前述した温
度で、2乃至72時間程度維持することにより完了させ
ることができる。一般に必要ないが、加圧容器を使用し
て、水熱条件下に反応を行うこともできる。
【0038】反応生成物は、水洗し、濾過などの固液分
離操作を行った後、60乃至150℃で乾燥し、必要に
より更に150乃至250℃で熱処理して製品とするこ
とができる。
【0039】本発明に用いる複合金属多塩基性塩では、
イオン交換法により、種々のアニオンを導入することが
できる。このアニオン交換に付する原料複合金属多塩基
性塩としては、硫酸型の複合金属多塩基性塩が好まし
い。イオン交換に付するアニオンとしては、前述したア
ニオン類のナトリウム塩などのアルカリ金属塩が使用さ
れる。例えば、炭酸根の導入には、重曹、炭酸ナトリウ
ムなどが使用され、リン酸根の導入には、リン酸ナトリ
ウム、リン酸1水素ナトリウム、リン酸2水素ナトリウ
ムなどが使用され、ケイ酸アニオンの導入にはケイ酸ソ
ーダ、ケイ酸カリウム等が使用される。また、有機アニ
オンとしてカルボン酸ナトリウムスルホン酸ナトリウ
ム、ハロゲンとして過塩素酸、過塩素酸ナトリウムを導
入したものを使用することもできる。
【0040】イオン交換によるアニオンの導入は、粉末
或いはウエットケーキの状態の硫酸型の複合金属多塩基
性塩と前述したアニオンの塩の水溶液とを、0乃至10
0℃の温度で、一様に接触させればよく、一般にイオン
交換処理は、5分乃至3時間程度の接触で完了する。む
ろん、この例に限定されず、ペースト状での混練、湿式
摩砕混合などによってもイオン交換が可能である。得ら
れた製品は、濾過、水洗、乾燥することにより製品とな
る。
【0041】[用途]本発明の極遠赤外乃至遠赤外線吸
収体は、前述した性質を利用して、保温剤として各種用
途に使用することができる。例えば、この極遠赤外乃至
遠赤外線吸収剤は、それ単独で或いは他の材料と組み合
わせて、各種配管、各種容器、各種加熱加温器具等の保
温材として使用しうる。本発明の複合金属多塩基性塩
は、一般に必要ではないが、他の保温剤と組合せで用い
ることもできる。組合せで使用できる他の保温剤として
は、ハイドロタルサイト類、アルカリアルミニウム複合
水酸化物塩等が挙げられる。ハイドロタルサイト類とし
ては、一般式(6) M2 3 (OH)2x+3y−2z(A2− ・aH O ‥(6) 式中、M2 はMg等の2価金属イオンであり、M3 はA
l等の3価金属イオンであり、A2−はCO 等の2
価アニオンであり、x,y及びzは8≧x/y ≧1/4 およ
びz/x+y >1/20を満足する正数であり、aは0.25≦a/x+
y ≦1.0 を満足する数である。を有する複合金属水酸化
物が使用され、アルカリアルミニウム複合水酸化物塩と
しては、リチウム・アルミニウム水酸化物塩、ドーソナ
イト型のナトリウム・アルミニウム水酸化物塩或いはこ
れらの混晶、特に下記式(7) 〔AlM(OH)〕n X・mHO ‥(7) 式中、Mはリチウム及び/またはナトリウムであり、X
は無機または有機のアニオンであり、nはアニオンXの
価数であり、mは3以下の数である、で表されるアルカ
リアルミニウム複合水酸化物塩が使用される。本発明の
保温剤と、上記の他の保温剤とは99:1乃至1:9
9、特に90:10乃至10:90の重量比で組み合わ
せ使用することができる。
【0042】例えば、各種繊維や、各種樹脂発泡体等
に、本発明の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤を配合して、
保温性を向上する用途に用いることができる。微粉末状
であり分散性も良く、これらの配合に適している。
【0043】また、本発明の極遠赤外乃至遠赤外線吸収
剤は、フィルム形成用の樹脂に保温剤として配合し、農
業用フィルム等の用途に供することもできる。このフィ
ルムを用いた農業用ハウスでは、日中の太陽光を良く透
過し、夜間の熱放出を抑制し室内温度をコントロール可
能にすると共に、耐農薬性に優れフィルムを長く持たせ
ることができる。
【0044】極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤としての複合
金属水酸化物塩は、そのまま保温剤として使用し得るの
は勿論のことであるが、複合金属水酸化物塩粒子の表面
を、予め20重量%以下、特に0.1乃至15重量%の表
面処理剤で処理しておくと、樹脂中への分散性が向上
し、透光性も更に向上するので好ましい。
【0045】かかる表面処理剤としては、シラン系、ア
ルミニウム系、チタン系或いはジルコニウム系のカップ
リング剤が挙げられる。
【0046】また、表面処理剤の好適なものとして、脂
肪酸、樹脂酸、金属石鹸或いは樹脂酸石鹸等があり、例
えばステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイ
ン酸等の脂肪酸、アビエチン酸等の樹脂酸、脂肪酸或い
は樹脂酸のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バ
リウム塩等の金属石鹸、ステアリン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミド等、ラウリルエーテルリン酸、
ステアリルエーテルリン酸、オレイルエーテルリン酸、
ジアリルエーテルリン酸、アルキルフェニルエーテルリ
ン酸等、又はこれらのナトリウム、カリウム塩が好適に
使用される。更に、各種ワックス類、未変性乃至変性の
各種樹脂(例えばロジン、石油樹脂等)等のコーテイン
グ剤も使用できる。
【0047】更に、改質用無機系助剤として、カオリ
ン、エアロジル、疎水処理エアロジル等の微粒子シリ
カ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸
塩、カルシア、マグネシア、チタニア等の金属酸化物、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸
化物、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の金
属炭酸塩、A型、P型等の合成ゼオライト及びその酸処
理物又はその金属イオン交換物から成る定形粒子を、複
合金属水酸化物炭酸塩に外添(ブレンド乃至マブシ)し
て使用することもできる。
【0048】更にまた、アニオン系、ノニオン系、カチ
オン系、両性系の界面活性剤で複合金属水酸化物炭酸塩
を表面処理し、樹脂中への分散性を向上させると共に、
配合フィルムに防曇性を付与することもできる。
【0049】農業用フィルム用途の場合、極遠赤外乃至
遠赤外線吸収剤を、熱可塑性樹脂に対して、熱可塑性樹
脂100重量部当たり0.01乃至30重量部、特に1
乃至20重量部の量で配合するのが適当である。
【0050】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレ
フィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合
体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α
−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル
・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン
6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン1
1、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサ
イド等あるいはそれらの混合物のいずれかでもよい。
【0051】これらの樹脂の内でも、オレフィン系樹脂
に用いた場合に効果が著しく、オレフィン系樹脂として
は、メタロセン触媒を用いて合成した樹脂はもちろんの
こと、例えば低−・中−・高密度の或いは線状低密度の
ポリエチレン、ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エ
チレン共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、エチ
レン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペ
ンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のラン
ダムあるいはブロック共重合体等を挙げることが出来
る。
【0052】熱可塑性樹脂に極遠赤外乃至遠赤外線吸収
剤を配合するには、ドライブレンド或いはメルトブレン
ド方式を採用することができ、一般には、極遠赤外乃至
遠赤外線吸収剤を樹脂中に高濃度に配合したマスターバ
ッチを製造し、このマスターバッチを未配合の樹脂に配
合するのが望ましい。
【0053】極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤を配合した樹
脂組成物には、それ自体公知の各種添加剤、例えば安定
剤、安定助剤、防曇剤、滑剤、紫外線吸収剤、可塑剤、
酸化防止剤、光安定剤、造核剤、充填剤等を配合併用す
ることができる。これら樹脂配合物と本発明品の複合金
属多塩基性塩とを混合粒子として成形(ペレット状、グ
ラニュール状、球状等)することにより微粉末ダストの
発生防止や定量フィード性の向上を行うことができる。
【0054】防曇剤としては、ステアリン酸、モノグリ
セライド、オレイン酸モノグリセライド、ポリグリセリ
ンオレイン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレー
ト及びソルビタンモノオレートなどが挙げられる。
【0055】滑剤としては、(イ)流動、天然または合
成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のも
の、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のも
の、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モ
ノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルス
テアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノス
テアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金
属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられ
る。
【0056】可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑
剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩
素系可塑剤、テトラヒドロフタール酸系可塑剤、アゼラ
イン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系
可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、
ピロメリット酸系可塑剤などがあげられる。
【0057】さらにポリエチレン系可塑剤、トリメリッ
ト酸系可塑剤及びピロメリット酸系可塑剤から選ばれる
一種または2種以上の組合せと他の可塑剤の併用も性能
を損なわない範囲で可能であり、フタル酸系、燐酸系、
脂肪酸系、アジピン酸系、エポキシ系、トリメリット系
等が用いられる。
【0058】その他可塑剤としては、例えば塩素化パラ
フィン、塩素化ノルマルパラフィン、アセチルトリブチ
ルシトレート、アセチルクエン酸トリブチル、ブチルフ
タリルブチルグリコレート、2.2.4−トリメチル
1.3ペンタンジオールジイソブチレート、フマル酸ジ
ブチル、マレイン酸ジブチル、ジn−ヘキシルアセテー
ト、ドデカンニ酸ジオクチル、ジ2−エチルヘキシルド
デカノエート、マレイン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2
−エチルヘキシルマレエート、アゼライン酸ジ−2−エ
チルヘキシル、ジ2−エチルヘキシルアゼレート、ジ
(2エチルヘキシル)アゼレート、ジペンタエリスリト
ールエステル、(メタ)アクリル酸エステル等があげら
れる。
【0059】紫外線吸収剤としては例えば、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒド
ロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’
−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−
メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾ
リル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール類があげられる。
【0060】本発明に用いる酸化防止剤は、フェノール
系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ホスファイト系酸化
防止剤等何れも使用される。フェノール系酸化防止剤と
しては、ビスフェノール型酸化防止剤、立体障害性フェ
ノール系酸化防止剤が挙げられる。例えば、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、2,6
−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステ
アリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,
6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘ
キサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3
−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブ
チリックアシッド〕グリコールエステル、1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチル
フェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメ
チル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソ
シアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、ト
リエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕など
があげられる。
【0061】硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオ
ジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリ
ル等のジアルキルチオジプロピオンネート類及びペンタ
エリスリト−ルテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピ
オネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプ
ロピオン酸エステル類があげられる。
【0062】ホスファイト系酸化防止剤としては、例え
ば、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファ
イト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メ
チルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モ
ノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトなどがあげられる。これ
らの酸化防止剤は、単独でも組み合わせでも使用するこ
とができ、更に他の酸化防止剤と組み合わせて使用して
も良い。
【0063】光安定剤としては、ヒンダードアミン系光
安定剤等が挙げられ、例えば、2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾ
エート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボ
キシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシ
レート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオ
キシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチ
ル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.
5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2
−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニル
オキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラ
キス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−
トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラア
ザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸
ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジ
クロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレ
ンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミ
ン/ジブロモエタン縮合物などがあげられる。
【0064】造核剤としては、アルミニウム−p−第三
ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、ビ
ス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム
塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)ホスフェートナトリウム塩、2,2’−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート
カルシウム塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第
三ブチルフェニル)ホスフェート塩基性アルミニウム塩
などがあげられる。
【0065】フィルムの成形は、この樹脂組成物をヘン
シェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリミキサ
ー、リボンブレンダー、単軸又は二軸押出機、ロールな
どの配合機や混練機を用いて溶融混練した後、ダイを通
して押し出し、インフレーション製膜法、T−ダイ法等
により行うことができる。このフィルムは単層のフィル
ムであってもよいし、多層の積層フィルムであってもよ
く、後者の積層フィルムは、共押出により得られる。積
層フィルムは、極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤配合樹脂を
中間層、未配合樹脂を内外層とすることもできる。
【0066】
【実施例】本発明を次の例で説明する。尚、実施例で行
った各試験方法は次の方法により行った。
【0067】(1)粒子径(メジアン径)測定試験 Coulter社製Particle Size Analyzer Model LS
230を使用し,平均粒径を測定した。 (2)屈折率測定試験 予めアッベ屈折計を用いて、屈折率既知の溶媒(α−ブ
ロムナフタレン、ケロシン)を調整した。次いでLar
senの油浸法に従って、試料粉末数mgをスライドガ
ラスの上に採り、屈折率既知の溶媒を1滴加えて、カバ
ーガラスをかけ、溶媒を十分浸漬させた後、光学顕微鏡
でベッケ線の移動を観察し求めた。 (3)比表面積測定試験 島津製作所製ASAP2010を使用し、Nを用いて
BET法により測定した。 (4)見かけ比重測定試験 JIS K−6220に準拠して測定した。 (5)赤外線吸収スペクトル分析 日本分光(株)製のFI/IR−610−特V型赤外吸
収スペクトル分析装置を用いて110℃乾燥物試料につ
いて測定した。粉末試料は内標準物質流動パラフィンを
用い、波数4000乃至50cm−1の範囲で測定し
た。 (6)X線回折測定 理学(株)製のガイガ−フレックスを用いて下記の条件
で測定した。 タ−ゲット Cu フィルタ− Ni 電圧 35kv 電流 15mA 走査速度 2deg/min タイムコンスタント 1sec スリット DS1deg RS0.3mm SS1deg 照射 6deg (7)走査型電子顕微鏡観察 日立(株)製走査電子顕微鏡S−570を用いて観察し
た。 (8)化学分析 化学分析は、湿式分析、原子吸光分析、イオンクロマト
グラフィーで分析を行った。
【0068】(実施例1)水酸化マグネシウム(MgO=64.
5%) 53.6kgに水を加え200Lとし、攪拌、分散させMg(OH)
2スラリーを調製した。硫酸アルミニウム(Al2O3=8.06
%、SO3=18.8%) 180kgを前記Mg(OH)2スラリーに室温下に
て攪拌しながら12.6kg/minで注加した後、400Lまでメス
アップした。その後、95℃まで加温し、10時間反応を行
った。反応終了後、濾過、温水で洗浄を行い、反応終了
品の濾過ケーキを得た。この濾過ケーキの一部を110℃
にて乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。得られた微粉末
の組成は分析の結果、下記のようになった。 Al1.00 Mg1.99(OH)6.12(SO0.43・1.6
O 2θ 相対強度 10.6゜ 100% 20.5゜ 38% 35.4゜ 24% 61.5゜ 30% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図1に、X線
回折像を図10に、走査型電子顕微鏡写真を図21に示
す。その他性状を表1に示す。また、得られた反応終了
品の濾過ケーキ(固形分36.2%) 221gを1Lビーカーに入
れ、イオン交換水500mlに分散させた。別のビーカーに
上記分散液の固形物に対して1%相当のグリセリンモノ
ステアレート0.8gをイオン交換水300mlに溶解した。反
応終了品の分散液を50℃に攪拌下加熱しながら、グリ
セリンモノステアレート水溶液を注加し、50℃で30
分間攪拌し表面処理を行った。反応終了後、濾過、水
洗、乾燥を行い試料を得た。
【0069】(実施例2)水酸化マグネシウム(MgO=66.
6%) 170.23gにイオン交換水を加え750mLとし、攪拌、分
散させMg(OH)2スラリーを調製した。硫酸アルミニウム
(Al2O3=7.68%、SO3=18.1%)720gを前記Mg(OH)2スラリー
に室温下にて攪拌しながら注加した後、1500mLまでメス
アップした。その後、90℃まで加温し、15時間反応を行
った。反応終了後、濾過、温水で洗浄を行い、反応終了
品の濾過ケーキを得た。この濾過ケーキの一部を110℃
にて乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。得られた微粉末
の組成は分析の結果、下記のようになった。 Al1.00 Mg1.29(OH)4.80(SO0.39・1.5
O 2θ 相対強度 10.2゜ 100% 20.2゜ 66% 35.9゜ 23% 61.3゜ 29% その他性状を表1に示す。
【0070】(実施例3)水酸化マグネシウム(MgO=64.
5%) 48.4kg、酸化亜鉛(純度99.6%)3.51kg、塩化アンモ
ニウム2.31kgに水を加え200Lとし、攪拌、分散させMg(O
H)2,ZnO混合スラリーを調製した。硫酸バンド(Al2O3=8.
06%、SO3=18.8%) 180kgを前記スラリーに室温下にて攪
拌しながら12.6kg/minで注加した後、400Lまでメスアッ
プした。その後、95℃まで加温し、10時間反応を行っ
た。反応終了後、濾過、温水で洗浄を行い、反応終了品
の濾過ケーキを得た。この濾過ケーキの一部を110℃に
て乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。得られた微粉末の
組成は分析の結果、下記のようになった。 Al1.00 Mg1.92 Zn0.15(OH)6.14(SO
0.50・1.5 HO 2θ 相対強度 10.5゜ 100% 20.2゜ 48% 35.3゜ 24% 61.3゜ 35% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図5に、X線
回折像を図12に示す。その他性状を表1に示す。ま
た、得られた反応終了品の濾過ケーキ(固形分27.9%) 28
7gを1Lビーカーに入れ、イオン交換水500mlに分散させ
た。別のビーカーに上記分散液の固形物に対して1%相
当のステアリン酸0.8gを80℃に加熱したイオン交換水
300mlに溶解した。反応終了品の分散液を80℃に攪拌
下加熱しながら、ステアリン酸水溶液を注加し、90℃
で30分間攪拌し表面処理を行った。反応終了後、濾
過、水洗、乾燥を行い試料を得た。
【0071】(実施例4)2000mLビーカーにの酸化亜鉛
(純度99.6%)221.58gとイオン交換水を加え750mLとし、
攪拌、分散させZnOスラリーを調製した。このZnOスラリ
ーに室温下にて硫酸アルミニウム(Al2O3=7.68%、SO3=1
8.1%)720gを攪拌しながら徐々に注加した後、1500mLま
でメスアップした。その後、90℃まで加温し、25時間反
応を行った。反応終了後、濾過、温水で洗浄を行い、11
0℃にて乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。得られた微
粉末の組成は分析の結果、下記のようになった。 Al1.00 Zn1.48(OH)5.10(SO0.43・ 1.0
O 2θ 相対強度 10.7゜ 100% 20.7゜ 32% 34.1゜ 46% 60.9゜ 28% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図7に、X線
回折像を図11に示す。その他性状を表1に示す。
【0072】(実施例5)500mLのビーカーにNaHC
(純度99%)を3.80g(CO3/SO4=1.1)とり、イオ
ン交換水を加え100mLのNaHCO3溶液を調製した。別に実
施例2で得られた白色微粉末10.0gを200mlのイオン交
換水に分散し、これに上記NaHCO3溶液に注加、50℃で
2時間加熱攪拌を行った。反応終了後、濾過、温水で洗
浄を行い、110℃で乾燥し、粉砕を行い、白色微粉末
を得た。得られた微粉末の組成は分析の結果、下記のよ
うになった。 Al1.00 Mg1.30(OH)4.82 (SO0.11 (CO
0.28 ・1.7HO 2θ 相対強度 11.7゜ 100% 23.5゜ 33% 35.0゜ 31% 39.5゜ 12% 46.7゜ 9% 61.3゜ 29% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図2に、その
他性状を表1に示す。
【0073】(実施例6)300mLのビーカーにNa
PO・12HO(純度99%)を3.15g(HPO4/SO4
0.5)とり、イオン交換水を加え200mLのNa2HPO4溶液を
調製した。別に実施例1で得られた反応終了品の濾過ケ
ーキ(固形分36.2%)27.62gを100mlのイオン交換水に分
散し、これを上記Na2HPO4溶液に注加し、90℃で2時間
加熱攪拌を行った。反応終了後、濾過、温水で洗浄した
後、110℃で乾燥し、粉砕を行い、白色微粉末を得
た。得られた微粉末の組成は分析の結果、下記のように
なった。 Al1.00 Mg2.00(OH)6.26(SO0.20(HP
0.17・1.7HO 2θ 相対強度 10.7゜ 100% 21.3゜ 38% 34.9゜ 31% 61.3゜ 32% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図4に、その
他性状を表1に示す。
【0074】(実施例7)10LのビーカーにNa
・10HO(純度99%)を235.6g(P2O7/SO4
0.1)とり、イオン交換水を加え10LのNa4P2O7溶液を調
製した。別に実施例1で得られた反応終了品の濾過ケー
キ(固形分36.2%)8.29kgを40Lのイオン交換水に分散
し、これに上記Na4P2O7溶液を注加し、60℃で2時間加
熱攪拌を行った。反応終了後、濾過、温水で洗浄した
後、110℃で乾燥し、粉砕を行い、白色微粉末を得
た。得られた微粉末の組成は分析の結果、下記のように
なった。 Al1.00 Mg2.00 (OH)6.04 (SO0.38 (P
0.05・1.4HO 2θ 相対強度 11.0゜ 100% 22.1゜ 36% 34.9゜ 36% 61.5゜ 35% その他性状を表1に示す。また、得られた洗浄後の濾過
ケーキ(固形分38.1%)2639gを20Lのイオン交換水に分
散し、攪拌下90℃に加熱した。その後、上記分散液の固
形物に対して2%相当のラウリルリン酸カリウム塩20.1
1gを加え、90℃で30分間加熱攪拌を行い、ラウリルリン
酸カリウム表面処理を行った。反応終了後、濾過、水
洗、乾燥を行い試料を得た。
【0075】(実施例8)500mLのビーカーに3号珪酸
ナトリウム水溶液(SiO2=22.0%、Na2O=7.08%)を7.12
5g(Si3O7/SO4=0.5)とり、イオン交換水を加え200mLの
珪酸ナトリウム水溶液を調製した。別に実施例1の方法
で得た洗浄後の濾過ケーキ27.62g(固形分36.2%)を100m
lのイオン交換水に分散し、これを上記珪酸ナトリウム
溶液に注加、50℃で2時間加熱攪拌を行った。反応終
了後、濾過、温水洗を行い、110℃で乾燥し、粉砕を
行い、白色微粉末を得た。得られた微粉末の組成は分析
の結果、下記のようになった。 Al1.00 Mg1.97 (OH)6.08 (SO0.23(Si
0.20 ・1.5HO 2θ 相対強度 10.5゜ 100% 21.9゜ 89% 34.7゜ 68% 61.3゜ 65% その他性状を表1に示す。
【0076】(実施例9)60Lのビーカーに3号珪酸ナ
トリウム水溶液(SiO2=22.0%、Na2O=7.08%)を6815g
(Si3O7/SO4=1.5)とり、イオン交換水を加え30Lの珪
酸ナトリウム水溶液を調製した。別に実施例1の方法で
得た洗浄後の濾過ケーキ8287g(固形分36.2%)を30Lのイ
オン交換水に分散し、これを上記珪酸ナトリウム溶液に
注加、50℃で2時間加熱攪拌を行った。反応終了後、
濾過、温水で洗浄を行い、110℃で乾燥し、粉砕を行
い、白色微粉末を得た。得られた微粉末の組成は分析の
結果、下記のようになった。 Al1.00 Mg1.97 (OH)5.72 (SO0.06(Si
0.55 ・1.3HO 2θ 相対強度 8.8゜ 29% 14.4゜ 30% 22.1゜ 100% 34.8゜ 57% 61.5゜ 63% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図3に、その
他性状を表1に示す。また、得られた白色微粉末600gを
ヘンシェルミキサーに入れ、140℃で1時間混合しながら
加熱脱気を行った後、上記粉末に対して10%相当のス
テアリン酸亜鉛60gを加え、30分間加熱混合を行い、
ステアリン酸亜鉛表面処理を行った。
【0077】(実施例10)60Lのビーカーに3号珪酸
ナトリウム水溶液(SiO2=22.0%、Na2O=7.08%)を713
8g(Si3O7/SO4=1.5)とり、イオン交換水を加え30Lの
珪酸ナトリウム水溶液を調製した。別に実施例3の方法
で得た洗浄後の濾過ケーキ10.75kg(固形分27.9%)を30L
のイオン交換水に分散し、これを上記珪酸ナトリウム溶
液に注加、80℃で2時間加熱攪拌を行った。反応終了
後、濾過、温水洗を行い、110℃で乾燥し、粉砕を行
い、白色微粉末を得た。得られた微粉末の組成は分析の
結果、下記のようになった。 Al1.00 Mg1.97 Zn0.15(OH)5.80 (SO
0.06(Si0.6 6 ・1.0 HO 2θ 相対強度 8.3゜ 50% 14.7゜ 30% 22.5゜ 100% 35.6゜ 61% 61.3゜ 77% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図6に、その
他性状を表1に示す。
【0078】(実施例11)300mLのビーカーにNa
HPO・12HO(純度99%)を9.39g(HPO4/SO4
=1.5)とり、イオン交換水を加え200mLのNa2HPO4溶液
を調製した。別に実施例4で得られた白色微粉末10.0g
を100mlのイオン交換水に分散し、これを上記Na2HPO4
液に注加し、90℃で2時間加熱攪拌を行った。反応終了
後、濾過、温水で洗浄した後、110℃で乾燥し、粉砕
を行い、白色微粉末を得た。得られた微粉末の組成は分
析の結果、下記のようになった。 Al1.00 Zn1.49(OH)5.16 (HPO0.41・1.
0HO 2θ 相対強度 8.1゜ 67% 15.0゜ 74% 22.5゜ 100% 34.1° 78% 61.2゜ 63% その他性状を表1に示す。
【0079】(実施例12)水酸化マグネシウム(MgO=6
5.9%) 13.6kgに水を加え50Lとし、攪拌、分散させMg(O
H)スラリーを調製した。硫酸アルミニウム(AlO=
7.78%、SO=18.4%) 45.5kgを前記Mg(OH)スラリーに
室温下にて攪拌しながら1.5kg/minで注加した。その
後、95℃まで加温し、48時間反応を行った。反応終了後
のスラリーを一部少量分取し、濾過、温水で洗浄を行
い、濾過ケーキを得た。この濾過ケーキの一部を150℃
にて乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。 得られた微
粉末の組成は分析の結果、下記のようになった。 Al1.00 Mg2.04(OH)6.16(SO
0.46・1.4 HO 2θ 相対強度 11.1゜ 100% 20.6゜ 49% 36.5゜ 31% 61.1゜ 39% その他性状を表1に示す。また、反応終了後のスラリー
に、生成物に対して0.5%相当のグリセリンモノステア
レート86gを注加し、95℃で60分間攪拌し表面処理
を行った。反応終了後、濾過、水洗、乾燥を行い試料を
得た。
【0080】(比較例1) ハイドロタルサイトの合成 Mg(OH)2 (MgO=64.2%) 121.21gとAl(OH)3(純度99%) 76.0
6g、及びNa2CO3(純度99%)103.35gにイオン交換水を加え
4Lとし、攪拌、混合したスラリーを170℃で24時間水
熱反応を行った。反応終了後、濾過、6Lの温水で洗浄
を行い、110℃にて乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。
得られた微粉末の組成は分析の結果、下記のようになっ
た。 MgAl(OH)12CO・ 3HO 2θ 相対強度 11.6゜ 100% 23.4゜ 42% 34.8゜ 21% 39.4゜ 16% 46.8゜ 17% 60.6゜ 6% 62.0゜ 7% 得られた微粉末の赤外線吸収スペクトルを図8に、X線
回折像を図13に示す。その他性状を表1に示す。
【0081】(比較例2)和光純薬製の石英砂をアルコ
ール湿式粉砕、乾燥を行い、石英の微粉末を得た。得ら
れた石英粉末の赤外線吸収スペクトルを図9に示す。
【0082】(応用例1)上記実施例1、実施例3、実
施例7、実施例9で得た本発明品による複合金属多塩基
性塩微粉末の表面処理品および比較例1、比較例2の合
成物をそれぞれ6%、2%のステアリン酸で表面処理し
て得た微粉末をエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EV
A)に添加した。得られたフィルムおよびシートから極
遠赤外乃至遠赤外線吸収剤としての評価を行った。その
結果を表2に示す。 (配合組成) EVA1(酢酸ビニル含有量15%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.5重量部 酸化防止剤(BHT:ブチルヒドロキシトルエン) 0.45重量部 試料(極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤) 10重量部 (成形方法)上記原料をバンバリーミキサーで攪拌混合
し、得られた混合物を2軸押出機に供給して加工温度15
0℃でペレットに、次いで180℃でTダイ成形を行い、幅
250mm、厚さ100μmのEVAフィルムを得た。 (試験方法) (1) 光線透過率 JIS K 7105 5.5に準拠して評価した。 (2) ヘイズ(曇価) JIS K 7105 6.4に準拠して評価した。 (3) 保温指数 保温性は、得られたフィルムの赤外線吸収を4000cm
−1〜50cm−1の範囲で測定し、この測定値におけ
る4cm−1毎の吸収に黒体の放射発散度を乗じ、その
積の累積値を黒体の放射発散度で除した値を保温指数と
して評価した。保温効果は保温指数が大きいほど高い。
【0083】(応用例2)上記実施例1、実施例3、実
施例7、実施例9で得た本発明品による複合金属多塩基
性塩微粉末の表面処理品および比較例1、比較例2の合
成物をそれぞれ6%、2%のステアリン酸で表面処理し
て得た微粉末を塩化ビニル樹脂(PVC)に添加した。
得られたフィルムから極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤とし
ての評価を行った。 (配合組成) PVC(重合度=1050) 100重量部 可塑剤(ビス(2-エチルヘキシル)フタレート) 50重量部 滑剤(ステアリン酸) 0.1重量部 酸化防止剤(ビスフェノール-A) 0.2重量部 試料(極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤) 5重量部 (成形・試験方法)上記原料の混合物を温度150℃、5
分間ロールミル混練を行い、厚さ0.5mmの均一な混和
物を作成し、次いで温度170℃、圧力150kg/cm、2分
間加圧加熱し、厚さ100μmのPVCフィルムを得、保
温指数を測定した。その結果を表2に示す。
【0084】(応用例3)上記実施例1、実施例3、実
施例7、実施例9で得た本発明品による複合金属多塩基
性塩微粉末の表面処理品および比較例1、比較例2の合
成物をそれぞれ6%、2%のステアリン酸で表面処理し
て得た微粉末を直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDP
E)に添加した。得られたフィルムから極遠赤外乃至遠
赤外線吸収剤としての評価を行った。 (配合組成) LLDPE 100 重量部 滑剤(エルカ酸アミド) 0.5 重量部 試料(極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤) 15 重量部 (成形・試験方法)上記原料をバンバリーミキサーで攪
拌混合し、得られた混合物を2軸押出機に供給して加工
温度190℃でペレットに、次いで190℃でTダイ成形を行
い、幅250mm、厚さ100μmのLLDPEフィルムを
得、保温指数を測定した。その結果を表2に示す。
【0085】(応用例4)上記実施例1、実施例3、実
施例7、実施例9で得た本発明品による複合金属多塩基
性塩微粉末の表面処理品および比較例1、比較例2の合
成物をそれぞれ6%、2%のステアリン酸で表面処理し
て得た微粉末を下記の中間層フィルムに添加した。得ら
れた積層フィルムから極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤とし
ての評価を行った。他の配合剤等は下記のとおりであ
る。 (配合組成) (中間層フィルム配合組成) EVA1(酢酸ビニル含有量15%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.5重量部 ヒンダードアミン系光安定剤 0.8重量部 フェノール系酸化防止剤 0.15重量部 試料(極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤) 15重量部 (外層及び内層フィルム配合組成) EVA2(酢酸ビニル含有量8%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.2重量部 ヒンダードアミン系光安定剤 0.6重量部 フェノール系酸化防止剤 0.1重量部 防曇剤(モノグリセリンモノステアレート) 2.0重量部 アンチブロッキング剤(シリカ) 0.1重量部 なお、外層、中間層および、内層とは、例えばフィルム
を実際展張使用した場合に、ハウス、トンネルなどの外
側になる面を外層、内側になる面を内層、それらの中間
にある層を中間層という。これは、以下の積層フィルム
についても同様である。 (成形・試験方法)各層の配合組成物をそれぞれ、バン
バリーミキサーを用いて130℃、5分間混練後、造粒
機により造粒し、組成物ペレットを得た。次に各組成物
をインフレーションフィルム成形機によってフィルム厚
み100μmのフィルム(中間層60μm、内外層20
μm)を作製し、試験を行なった。結果を表3に示す。
【0086】(応用例5)上記実施例1、実施例3、実
施例7、実施例9で得た本発明品による複合金属多塩基
性塩微粉末の表面処理品および比較例1、比較例2の合
成物をそれぞれ6%、2%のステアリン酸で表面処理し
て得た微粉末を下記の中間層フィルムに添加した。得ら
れた積層フィルムから極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤とし
ての評価を行った。他の配合剤等は下記のとおりであ
る。 (配合組成) (外層フィルム配合組成) LLDPE 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.2重量部 ヒンダードアミン系化合物 0.3重量部 フェノール系酸化防止剤 0.1重量部 アンチブロッキング剤(AB剤) 0.1重量部 (AB剤は、水澤化学製シルトンJC) (中間層フィルム配合組成) EVA1(酢酸ビニル含有量15%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.5重量部 ヒンダードアミン系光安定剤 0.3重量部 フェノール系酸化防止剤 0.1重量部 試料(極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤) 18重量部 (内層フィルム配合組成) EVA2(酢酸ビニル含有量8%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.2重量部 ヒンダードアミン系光安定剤 0.3重量部 フェノール系酸化防止剤 0.1重量部 アンチブロッキング剤 0.1重量部 (AB剤は、水澤化学製シルトンJC) (成形・試験方法)各層の配合組成物をそれぞれ、バン
バリーミキサーを用いて130℃、5分間混練後、造粒
機により造粒し、組成物ペレットを得た。次に各組成物
をインフレーションフィルム成形機によってフィルム厚
み100μmのフィルム(中間層60μm、内外層20
μm)を作製し、試験を行なった。結果を表3に示す。
【0087】(応用例6)上記実施例1、実施例3、実
施例7、実施例9で得た本発明品による複合金属多塩基
性塩微粉末の表面処理品および比較例1、比較例2の合
成物をそれぞれ6%、2%のステアリン酸で表面処理し
て得た微粉末を下記の中間層フィルムに添加した。フィ
ルム用の樹脂はメタロセン系触媒を用いて重合した直鎖
低密度ポリエチレン樹脂であるエチレン・1−ヘキセン
共重合体を用いた(通常、メタロセンポリエチレンとい
われている。以後MPEと記すことがある)。得られた
積層フィルムから極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤としての
評価を行った。他の配合剤等は下記のとおりである。 (配合組成) (外層フィルム配合組成) MPE1(1−ヘキセン含量8%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.2重量部 ヒンダードアミン系化合物 0.3重量部 フェノール系酸化防止剤 0.1重量部 (中間層フィルム配合組成) MPE2(1−ヘキセン含量14%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.5重量部 ヒンダードアミン系光安定剤 0.3重量部 フェノール系酸化防止剤 0.1重量部 試料(極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤) 20重量部 (内層フィルム配合組成) MPE2(1−ヘキセン含量14%) 100重量部 滑剤(ステアリン酸アミド) 0.2重量部 ヒンダードアミン系光安定剤 0.3重量部 フェノール系酸化防止剤 0.1重量部 (成形・試験方法)各層の配合組成物をそれぞれ、バン
バリーミキサーを用いて130℃、5分間混練後、造粒
機により造粒し、組成物ペレットを得た。次に各組成物
をインフレーションフィルム成形機によってフィルム厚
み100μmのフィルム(中間層60μm、内外層20
μm)を作製し、試験を行なった。結果を表3に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【発明の効果】本発明品を用いることにより赤外線は勿
論のこと、極遠赤外乃至遠赤外線に対しても優れた吸収
を示す吸収体を得ることができ、さらに樹脂に対する配
合が容易でしかも樹脂フィルムの透光性を可及的に阻害
しない材料が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品のアニオンが硫酸イオンからなるAl
−Mgタイプ複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクト
ルを示す図である。
【図2】本発明品のアニオンが炭酸イオンからなるAl
−Mgタイプ複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクト
ルを示す図である。
【図3】本発明品のアニオンがケイ酸イオンからなるA
l−Mgタイプ複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペク
トルを示す図である。
【図4】本発明品のアニオンが1水素リン酸イオンから
なるAl−Mgタイプ複合金属多塩基性塩の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。
【図5】本発明品のアニオンが硫酸イオンからなるAl
−Zn−Mgタイプ複合金属多塩基性塩の赤外線吸収ス
ペクトルを示す図である。
【図6】本発明品のアニオンがケイ酸イオンからなるA
l−Zn−Mgタイプ複合金属多塩基性塩の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。
【図7】本発明品のアニオンが硫酸イオンからなるAl
−Znタイプ複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクト
ルを示す図である。
【図8】ハイドロタルサイトの赤外線吸収スペクトルを
示す図である。
【図9】石英の赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図10】本発明品のアニオンが硫酸イオンからなるA
l−Mgタイプ複合金属多塩基性塩のX線回折像を示す
図である。
【図11】本発明品のアニオンが硫酸イオンからなるA
l−Znタイプ複合金属多塩基性塩のX線回折像を示す
図である。
【図12】本発明品のアニオンが硫酸イオンからなるA
l−Zn−Mgタイプ複合金属多塩基性塩のX線回折像
を示す図である。
【図13】ハイドロタルサイトのX線回折像を示す図で
ある。
【図14】リチウムアルミニウム複合水酸化物塩のX線
回折像を示す図である。
【図15】積層不整指数の求め方を示す図である。
【図16】本発明品の複合金属多塩基性塩とハイドロタ
ルサイトの示差熱分析の対比を示す図である。
【図17】本発明品のAl−Mg型複合金属多塩基性塩
に関して、原料におけるMg/M 3+の仕込みモル比
と、生成物におけるMg/M3+のモル比との関係を示
す図である。
【図18】本発明品のAl−Mg型複合金属多塩基性塩
に関して、Mg/Alのモル比と、生成物におけるSO
/Alのモル比との関係を示す図である。
【図19】本発明品のAl−Mg複合金属多塩基性塩に
関して、原料の仕込みモル比Mg/Alを変化させた場
合の生成物のX線回折像を示す図である。
【図20】本発明品のAl−Zn複合金属多塩基性塩に
関して、原料の仕込みモル比Zn/Alを変化させた場
合の生成物のX線回折像を示す図である。
【図21】アニオンが硫酸イオンからなるAl−Mg型
複合金属多塩基性塩の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡
写真(左図:2000倍、右図:10000倍)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 9/00 C01G 9/00 B (72)発明者 五十嵐 宏 東京都中央区日本橋室町4丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 近藤 正巳 東京都中央区日本橋室町4丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 皆川 円 東京都中央区日本橋室町4丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 哲 東京都中央区日本橋室町4丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 悌治 東京都中央区日本橋室町4丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) M (OH)(A)・nHO ‥(1) 式中、Mは三価金属を表し、Mは二価金属を表し、 Aは無機または有機のアニオンを表し、 p、q、y及びzは下記式 3p+2q−y−mz=0(式中mはアニオンAの価数
    であり、)、 0.3≦q/p≦2.5 1.5≦y/(p+q)≦3.0 及び 1.0≦(p+q)/z≦20.0 を満足する数であり、 nは7以下の数である、で表される化学組成を有する複
    合金属多塩基性塩から成り、且つ波数50乃至400c
    −1に少なくとも1個の吸収ピークを有する極遠赤外
    乃至遠赤外線吸収剤。
  2. 【請求項2】 前記複合金属多塩基性塩がX線回折(C
    u−Kα)において、2θ=2乃至15゜、2θ=19
    乃至27゜及び2θ=33乃至50゜に回折ピークを有
    し、且つ2θ=60乃至64゜には単一の回折ピークが
    存在することを特徴とする請求項1に記載の極遠赤外乃
    至遠赤外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 前記複合金属多塩基性塩の2θ=33乃
    至50゜におけるX線回折(Cu−Kα)ピークが単一
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の極遠
    赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 前記式中、三価金属(M)がアルミニ
    ウムで、二価金属(M)がマグネシウム及び/または
    亜鉛であり、且つ波数4000乃至2500cm−1
    1800乃至900cm−1及び900乃至50cm
    −1にそれぞれ吸収ピークを有する複合金属多塩基性塩
    から成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  5. 【請求項5】 前記複合金属多塩基性塩が体積基準で
    0.1乃至20μmのメジアン径を有することを特徴と
    する請求項1乃4の何れかに記載の極遠赤外乃至遠赤外
    線吸収剤。
  6. 【請求項6】 前記複合金属多塩基性塩が液浸法で1.
    40乃至1.65の屈折率を有することを特徴とする請
    求項1乃至5の何れかに記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸
    収剤。
  7. 【請求項7】 前記式中、アニオン(A)が硫酸イオン
    であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載
    の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  8. 【請求項8】 前記式中、アニオン(A)が炭酸イオン
    であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載
    の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  9. 【請求項9】 前記式中、アニオン(A)がリン酸イオ
    ンであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記
    載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  10. 【請求項10】 前記式中、アニオン(A)がケイ酸イ
    オンであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに
    記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  11. 【請求項11】 前記複合金属多塩基性塩が下記数式
    (2) IS = tanθ/tanθ …(2) 式中、θは一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
    ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ
    は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
    なす角度を表す、で定義される積層不整指数(IS)が
    2θ=33乃至50゜のピークにおいて1.0以上の範
    囲にあることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに
    記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  12. 【請求項12】 前記複合金属多塩基性塩の表面処理
    が、20重量%以下の表面処理剤で処理されていること
    を特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の極遠赤
    外乃至遠赤外線吸収剤。
  13. 【請求項13】 表面処理剤が、シラン系、アルミニウ
    ム系、チタン系或いはジルコニウム系のカップリング剤
    である請求項12に記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収
    剤。
  14. 【請求項14】 表面処理剤が、脂肪酸、樹脂酸、金属
    石鹸、樹脂酸石鹸、ワックス類或いは樹脂である請求項
    12に記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  15. 【請求項15】 表面処理剤が、微粉末非晶質シリカで
    ある請求項12に記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
  16. 【請求項16】 表面処理剤が、界面活性剤である請求
    項12に記載の極遠赤外乃至遠赤外線吸収剤。
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