JP2002020121A - イオン交換による複合金属多塩基性塩の製造方法 - Google Patents
イオン交換による複合金属多塩基性塩の製造方法Info
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Abstract
アニオンがそれ以外のアニオンでイオン交換された複合
金属多塩基性塩を、高い収率でしかも高いイオン交換率
で製造しうる方法を提供する。 【解決手段】 金属成分が二価金属及び三価金属からな
る複合金属多塩基性硫酸塩の粒子と、硫酸以外の水に溶
解度を有する無機酸乃至無機酸塩或いは有機酸乃至有機
酸塩を、少量の水の存在下に摩砕混合することを特徴と
するイオン交換による複合金属多塩基性塩の製造方法。
Description
複合金属多塩基性塩の製造方法に関するもので、より詳
細には、金属成分が二価金属及び三価金属からなる複合
金属多塩基性硫酸塩を原料として硫酸イオン以外のアニ
オンのイオン交換による導入を有効に行う方法に関す
る。
は、ハイドロタルサイト型合成鉱物(例えば特公昭47
−32198号公報)や、リチウムアルミニウム複合水
酸化物塩(例えば特公平7−2858号公報)などが知
られている。
に知られており、特公昭49−38997号公報には、
水の存在下多塩基性硫酸アルミニウムと水酸化マグネシ
ウムとをAl/Mg=1/2〜4/3のモル比で反応さ
せることを特徴とする多塩基性アルミニウム・マグネシ
ウム塩の製造法が記載されており、この多塩基性アルミ
ニウムマグネシウム塩は、制酸剤として有用であること
も記載されている。
式;Al5Mg10(OH)31(SO4)2・xH 2Oのマグアルドレ
ート(Magaldrate)の製法において、活性水酸化アルミ
ニウムを化学量論量の水溶性の硫酸塩含有化合物ならび
に活性酸化マグネシウムおよび(または)水酸化マグネ
シウムと水の存在のもとに反応させ、発生したマグアル
ドレートペーストを必要に応じてさらに乾燥することを
特徴とするマグアルドレートの製法が記載されている。
ニオンを表し、p、q、y及びzは下記式 3p+2q−y−mz=0(式中mはアニオンAの価数
であり、)、 0.3≦q/p≦2.5 を満足する数であり、nは7以下の数である、で表され
る化学組成を有し、X線回折(Cu−α)において、2
θ=2乃至15゜、2θ=19.5乃至24゜及び2θ
=33乃至50゜に回折ピークを有し、且つ2θ=60
乃至64゜には単一のピークが存在し、且つ下記数式
(2) IO=I10/I60 …(2) 式中、I10は2θ=2乃至15゜のX線回折ピーク強
度を表し、I60は2θ=60乃至64゜のX線回折ピ
ーク強度を表す、で定義される配向度(I0)が1.5
以上であることを特徴とする複合金属多塩基性塩を提案
し、この複合金属多塩基性塩が、三価金属の水可溶性塩
とマグネシウムの酸化物、水酸化物或いは水可溶性塩と
を、pH6.0乃至9.0の条件下で、且つ50℃以上
の温度で反応させ、必要により酸或いは酸の可溶性塩の
存在下にイオン交換することにより得られることをも提
案した。
び三価金属からなる上記の複合金属多塩基性硫酸塩にお
いては、この化合物中の硫酸アニオンがイオン交換性を
有しており、種々の無機酸アニオン及び有機酸のアニオ
ンとイオン交換する特性を有している。
子と無機酸、有機酸或いはそれらの塩類の水溶液とを固
液接触させる通常のイオン交換方式では、イオン交換の
速度が概して低く、イオン交換体の収率も未だ不十分で
あり、より効率の高い方法が望まれている。特に、過塩
素酸アニオンのような硫酸アニオンに比べてイオン半径
の大きいアニオンではこの傾向が顕著であり、交換速度
が遅く、収率も極端に低いという傾向が認められる。
性硫酸塩を原料として、硫酸アニオンがそれ以外のアニ
オンでイオン交換された複合金属多塩基性塩を、高い収
率でしかも高いイオン交換率で製造しうる方法を提供す
るにある。本発明の他の目的は、上記複合金属多塩基性
塩を、面倒な水洗操作、固液分離操作などを必要とせず
に、生産性よく製造しうる方法を提供するにある。
分が二価金属及び三価金属からなる複合金属多塩基性硫
酸塩の粒子と、硫酸以外の水に溶解度を有する無機酸乃
至無機酸塩或いは有機酸乃至有機酸塩と、少量の水の存
在下に摩砕混合することを特徴とするイオン交換による
複合金属多塩基性塩の製造方法が提供される。
塩基性硫酸塩の粒子と、硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩
或いは有機酸乃至有機酸塩とを、固形分濃度が10乃至
50重量%のペースト状態で摩砕混合することが好まし
く、硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩或いは有機酸乃至有
機酸塩を、複合金属多塩基性硫酸塩中の硫酸根当たり1
0乃至200当量%の量で存在させて摩砕混合すること
が好ましい。
は、前記条件を満足するものであれば、特に限定されな
いが、実質上下記一般式(1) M3+ pM2+ q(OH)y(SO4 )z・nH2O ‥(1) 式中、M3+は三価金属を表し、M2+は二価金属を表
し、p、q、y及びzは下記式 3p+2q−y−2z=0、 0.3≦q/p≦2.5、 1.5≦y/(p+q)≦3.0、 及び 1.0≦(p+q)/z≦8.0 を満足する数であり、nは7以下の数である、で表され
る化学組成を有する複合金属多塩基性硫酸塩が好適なも
のである。
する複合金属多塩基性塩は、実質上下記一般式(2) M3+ pM2+ q(OH)y(A)z・nH2O ‥(2) 式中、M3+は三価金属を表し、M2+は二価金属を表
し、Aは硫酸以外の無機アニオン、有機アニオン或いは
これらと硫酸アニオンとの組み合わせを表し、p、q、
y及びzは下記式 3p+2q−y−mz=0(式中mはアニオンAの価数
であり、)、 0.3≦q/p≦2.5、 1.5≦y/(p+q)≦3.0、 及び 1.0≦(p+q)/z≦20.0 を満足する数であり、nは7以下の数である、で表され
る化学組成を有する複合金属多塩基性塩であることが好
ましい。
は、硫酸以外の無機アニオン及び/または有機アニオン
と硫酸アニオンとが100:0乃至1:99の当量%で
存在するのが好ましく、硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩
としては、ホウ素、炭素、窒素、ハロゲン、ケイ素、リ
ン、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオ
ブ、モリブデン、スズ、アンチモン、テルル、タングス
テン及びビスマスからなる群より選択された元素のオキ
シ酸、前記オキシ酸のアルカリ金属塩或いはアンモニウ
ム塩が挙げられ、また有機酸乃至有機酸塩としては、1
価または多価のカルボン酸、スルホン酸またはホスホン
酸、そのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩が挙げ
られる。
が二価金属及び三価金属からなる複合金属多塩基性硫酸
塩の粒子と、硫酸以外の水に溶解度を有する無機酸乃至
無機酸塩或いは有機酸乃至有機酸塩と、少量の水の存在
下に摩砕混合することが特徴であり、これにより、イオ
ン交換された複合金属多塩基性塩の高い収率でしかも高
いイオン交換率で製造することができる。
に複合金属多塩基性硫酸塩を懸濁させてイオン交換を行
う従来の方式では、後述する例に示すとおり、仕込んだ
複合金属多塩基性硫酸塩の量に比して、回収されるイオ
ン交換後の複合金属多塩基性塩の量はかなり減少してい
る。これは、硫酸アニオンを他の無機酸或いは有機酸の
アニオンに交換する際に、原料である複合金属多塩基性
塩の化学的分解乃至溶出が生じるためである。
塩基性硫酸塩と無機酸、有機酸或いはその塩とを、少量
の水の存在下に摩砕混合すると、イオン交換された複合
金属多塩基性塩がほぼ定量的な収率で回収されるのであ
って、これは本発明による予想外の効果である。この理
由は、上記湿式摩砕混合条件下では、原料である複合金
属多塩基性塩の化学的分解乃至溶出が抑制される一方
で、硫酸以外のアニオンによるイオン交換活性を高めて
いるためと解される。
合という用語は、例えば特公平3−17863号公報に
も示されているとおり、それ自体明確な文言であるが、
一般に粒子にメカノケミカル的な力が作用する処理であ
り、その化学的な影響は、後に詳述するように、例えば
X線回折学的に検出することができる。本発明におい
て、少量の水とは、無機酸、有機酸或いはその塩のイオ
ン化を許容し且つ原料混合物の摩砕を有効に行うための
最低限の水であり、また原料である複合金属多塩基性塩
の化学的分解乃至溶出が抑制されるに十分に少ない水の
量である。このような少量の水の存在下においては、複
合金属多塩基性硫酸塩と無機酸、有機酸或いはその塩と
の混合物は、一般にペースト状の外観を示し、混合物の
摩砕が有効に行われ、イオン交換が有効に進行すると共
に、原料である複合金属多塩基性塩の化学的分解乃至溶
出が抑制されるものである。
粒子と、硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩或いは有機酸乃
至有機酸塩とを、固形分濃度が10乃至50重量%、特
に20乃至30重量%のペースト状態で摩砕混合するこ
とが好ましく、上記範囲内であれば、原料である複合金
属多塩基性塩の化学的分解乃至溶出を抑制しながら、混
合物の摩砕をが有効に行いながら、イオン交換を有効に
進行させることができる。
以外の無機酸或いは有機酸アニオンの存在は、赤外線吸
収スペクトルにより、或いはX線回折像により確認する
ことができる。添付図面において、図1は、ベースとし
ての複合金属多塩基性硫酸塩の赤外線吸収スペクトル
(硫酸アニオンの特性吸収1100cm−1)であり、
図2は、過塩素酸アニオンを含む複合金属多塩基性塩の
赤外線吸収スペクトル(硫酸アニオンの特性吸収100
0乃至1200cm−1の3ヒ゜ーク)であり、図3は、硝
酸イオンを含む複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペク
トル(硝酸アニオンの特性吸収800乃至860及び1
340乃至1410cm−1)であり、図4は、塩素ア
ニオンを含む複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクト
ルであり、図5は、リン酸アニオンを含む複合金属多塩
基性塩の赤外線吸収スペクトル(リン酸アニオンの特性
吸収1000乃至1100及び2350乃至2440c
m− 1)であり、図6は、ホウ酸アニオンを含む複合金
属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトル(ホウ酸アニオン
の特性吸収810及び1340cm−1付近)であり、
図7は、シュウ酸アニオンを含む複合金属多塩基性塩の
赤外線吸収スペクトル(シュウ酸アニオンの特性吸収1
680及び3400cm−1付近)であり、図8は、マ
レイン酸アニオンを含む複合金属多塩基性塩の赤外線吸
収スペクトル(マレイン酸アニオンの特性吸収870及
び1600cm−1付近)であり、これらの図2乃至図
8においては、従来の懸濁イオン交換法によるもの(点
線)と、本発明による湿式摩砕イオン交換法によるもの
(実線)とが対比して示されている。注目すべきは、無
機酸或いは無機酸塩に関してはヘ゛ースに用いたウェットケーキ保
存中に、大気中より自然に吸着されたと思われるCO
2−(1350乃至1400cm−1)が従来の懸濁法
によるものでは明瞭にその存在が認められるのに対し、
摩砕法によるものでは殆どそれが認められず、目的とす
るアニオンの導入により、CO2−は系外に排除されたもの
と考えられる。
と、イオン交換した複合金属多塩基性塩には、交換した
アニオンに特有の特性吸収が明確に表れていることが了
解される。しかしながら、イオン交換された複合金属多
塩基性塩においては、構造中にイオン交換されて存在し
ているアニオンの他に、単に物理的に吸着され或いは付
着しているアニオンが存在し、赤外線吸収スペクトル法
では、これらのアニオンを区別することが困難である。
塩基性硫酸塩(A)と過塩素酸アニオンでイオン交換さ
れた複合金属多塩基性塩(B)とのX線回折像が示され
ている。この図9の結果によると、2θ=10度付近に
表れる面指数[001]のピークが、過塩素酸アニオン
でイオン交換された複合金属多塩基性塩では、低角側に
シフトしており、これは硫酸アニオンよりもイオン半径
の大きい過塩素酸アニオンが層間にイオン交換により有
効に導入されているためと認められる。このような結果
は、図9に示す硝酸アニオンでイオン交換された複合金
属多塩基性塩のX線回折像(C)においても同様に認め
られる。
金属多塩基性塩では、図9のX線回折像(D)に示すと
おり、逆に2θ=10°付近に表れる面指数[001]
のピークが広角側にシフトしている。これは、硫酸イオ
ンよりもイオン半径の小さな塩素イオンが導入されたた
めと考えられる。
と硫酸以外のアニオン含有溶液との混合ペーストを摩砕
処理することにより、イオン交換が促進されるが、この
原因を明らかにするために、次の実験を行った。即ち、
亜鉛型の複合金属多塩基性硫酸塩、この複合金属多塩基
性硫酸塩を単に水性懸濁液としたもの、及び上記複合金
属多塩基性硫酸塩を1時間摩砕処理したものについて、
X線回折により層間距離を算出した。更に、これらの各
複合金属多塩基性硫酸塩について、グリセリンと水との
1:1の混合液を湿潤させ、約1時間後の層間変化の様
子を観察した。これらの試料の底面反射ピーク位置から
求められる層間距離を下記表1に示す。また、X線回折
像を図17に示す。
を湿式で摩砕処理したものでは、グリセリンで湿潤処理
する前も、また湿潤処理した後でも、層間距離が広がっ
ており、この層間距離の広がりにより、インターカレー
ション反応が促進されたものと思われる。
として用いる複合金属多塩基性硫酸塩は、金属成分とし
て、二価金属及び三価金属を含有し、アニオン成分とし
て硫酸イオンを含有するものである。この複合金属多塩
基性硫酸塩は、前記式(1)で表される化学的組成を有
することが好ましい。
属M2+としては、Be、Mg、Ca、Ba、Sr、Z
n、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pd、S
n、Pf、Pbなどが挙げられるが、これらの内でもM
g及び/またはZnが好適である。
三価金属M3+としては、Al、Sc、 Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Y、Ru、Rh、
In、Sb、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、O
s、Ir、Au、Bi、Ac、Thなどが挙げられる
が、これらの内でもAlが好適である。
q、水酸基のモル数y及び硫酸根のモル数zは下記式
i) i)3p+2q−y−2z=0、 下記式ii) ii)0.3≦q/p≦2.5、 下記式iii) iii)1.5≦y/(p+q)≦3.0、 及び下記式iv) iv)1.0≦(p+q)/z≦8.0 を満足する関係にあり、nは一般に7以下の数である。
は、次の化学的構造を有するものと考えられる。この化
合物では、M2+(OH)6八面体層のM2+がM3+
で同型置換されたものが基本層となり、この基本層間に
前記置換による過剰カチオンと釣り合う形で硫酸根が組
み込まれたものであって、この基本構造が多数積み重な
って層状結晶構造を形成している。
硫酸根は、アニオン交換性を有しており、後述する無機
酸或いは有機酸のアニオンでイオン交換されうる。複合
金属多塩基性塩中の硫酸根の含有量をQ0(ミリ当量/
100g)としたとき、Q0は一般に240〜420ミリ当量
/100gである。
属の水可溶性塩と、二価金属の酸化物、水酸化物或いは
水可溶性塩とを、反応終了時のpHが3.5乃至10.
0となる条件下で、且つ50℃以上、好ましくは80乃
至180℃の温度で反応させることにより製造される。
は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩などの水可溶性塩であれ
ば、何れをも使用しうるが、合成の容易さの点から、複
合金属多塩基性塩を硫酸塩の形で合成するのが望まし
く、この点から、硫酸塩の形で用いるのがもっとも望ま
しい。
酸化物、水酸化物或いは水溶性塩の何れも使用できる
が、酸化物、例えば酸化マグネシウム、酸化亜鉛や水酸
化物、例えば水酸化マグネシウムを用いるのが合成上も
っとも便利である。勿論、本発明においては、二価金属
の塩化物、硝酸塩、硫酸塩などの水可溶性塩を用いて
も、反応系のpHを上記の範囲に制御することにより、
複合金属多塩基性硫酸塩の合成を行うことが可能であ
る。
は、上記各原料を、反応終了時のpHが3.5乃至1
0.0、特に4.0乃至9.0の範囲となり、且つ反応
温度を50℃以上、特に80乃至180℃の範囲に維持
して、反応を行うことが好ましい。反応系のpHが上記
範囲外では、複合金属多塩基性塩の生成が困難となる傾
向がある。即ち、この複合金属多塩基性塩では、水酸基
とアニオン性基との両方を結合して有することが特徴で
あるが、pHが上記範囲を上回るとアニオン性基の導入
が困難となり、pHが上記範囲を下回ると水酸基の導入
が困難となる傾向がある。一方、反応温度が上記範囲を
下回るとやはり複合金属多塩基性塩の合成が困難となる
傾向がある。
物との反応混合比は、前記一般式(1)の組成比が満足
されるように定める。一般に、原料におけるM2+/M
3+の仕込みモル比よりも生成物におけるM2+/M
3+のモル比は小さくなる傾向がある。
において、複合金属多塩基性硫酸塩のイオン交換に用い
る硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩としては、ホウ素、炭
素、窒素、ハロゲン、ケイ素、リン、チタン、バナジウ
ム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ス
ズ、アンチモン、テルル、タングステン及びビスマスか
らなる群より選択された元素のオキシ酸、前記オキシ酸
のアルカリ金属塩或いはアンモニウム塩、ハロゲン化水
素酸、が挙げられ、また有機酸乃至有機酸塩としては、
1価または多価のカルボン酸、スルホン酸またはホスホ
ン酸、そのアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩が挙
げられる。塩類としては、水溶性であるという条件を満
足する範囲内でカルシウム塩等を用いることもできる。
塩化カルシウムや、硝酸カルシウム等がその例である。
ウ酸やそれらの塩類、炭素のオキシ酸としては炭酸やそ
の塩類、窒素のオキシ酸としては硝酸、亜硝酸やその塩
類、ハロゲンのオキシ酸としては過塩素酸、塩素酸、亜
塩素酸、次亜塩素酸、過臭素酸、過ヨウ素酸やその塩
類、ケイ素のオキシ酸としてはケイ酸ナトリウムや縮合
ケイ酸ナトリウム、リンのオキシ酸としてはオルトリン
酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、
トリポリリン酸やその塩類、チタンのオキシ酸としては
チタン酸やその塩類、バナジウムのオキシ酸としてはバ
ナジウム酸塩やメタバナジウム酸塩、クロムのオキシ酸
としてはクロム酸塩や重クロム酸塩、ジルコニウムのオ
キシ酸としてはジルコニウム酸塩、ペルオクソジルコニ
ウム酸塩、ニオブのオキシ酸としてはニオブ酸塩、モリ
ブデンのオキシ酸としてはモリブデン酸塩、スズのオキ
シ酸としてはスズ酸塩、アンチモンのオキシ酸としては
アンチモン酸塩、テルルのオキシ酸としてはテルル酸
塩、タングステンのオキシ酸としてはタングステン酸
塩、ビスマスのオキシ酸としてはビスマス酸塩などが挙
げられる。また、ハロゲン化水素酸としては、塩化水素
酸、臭化水素酸、或いは塩類などが挙げられる。
ピオン酸、酪酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリ
ン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、アジピ
ン酸、フマール酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、サリチ
ル酸、フタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸アニオ
ン;メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リグニン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、などのスル
ホン酸アニオン;スルファニル酸、アニリン、o−トル
イジン、m−トルイジン、メタニル酸、ベンジルアミン
などの芳香族第一アミン及びその塩酸、硝酸、硫酸、リ
ン酸、臭化水素酸、フッ化水素酸等の酸付加塩が挙げら
れる。
有機酸のアニオンは、一般に硫酸に対して、10乃至2
00当量%、特に50乃至150当量%の量で用いるこ
とが好ましい。勿論、硫酸の実質上全てを他のアニオン
でイオン交換させることもできるし、また硫酸の一部を
他のアニオンでイオン交換させることもできることが了
解されるべきである。
酸イオンを硫酸以外の無機アニオンでイオン交換させる
ことがイオン交換の収率及び生産性の点で特に望まし
い。この場合、一般に強酸に属する無機酸では、遊離の
状態で用いたとき、複合金属多塩基性硫酸塩の分解を生
じる場合もあるので、その場合には、無機酸の一部或い
は全部をアルカリ金属塩やアンモニウム塩などの塩類の
形でイオン交換に用いることが推奨される。
は、原料の複合金属多塩基性硫酸塩と、前述した硫酸以
外の無機酸、有機酸、或いは塩とを少量の水の存在下に
摩砕混合して、イオン交換を行う。少量の水の存在下と
は、既に指摘したとおり、複合金属多塩基性硫酸塩と無
機酸、有機酸或いはその塩との混合物は、一般にペース
ト状の外観を示し、混合物の摩砕が有効に行われ、イオ
ン交換が有効に進行すると共に、原料である複合金属多
塩基性塩の化学的分解乃至溶出が抑制されるものであ
る。
と、硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩或いは有機酸乃至有
機酸塩とを、固形分濃度が10乃至50重量%、特に2
0乃至30重量%のペースト状態で摩砕混合することが
好ましく、上記範囲内であれば、原料である複合金属多
塩基性塩の化学的分解乃至溶出を抑制しながら、混合物
の摩砕をが有効に行いながら、イオン交換を有効に進行
させることができる。
用いて行うことができ、例えば、雷潰機、サンドグライ
ンダーミル、アトライター、高速剪断攪拌機、アトマイ
ザー、奈良式粉砕機、円盤振動ミル、振動ボールミル、
回転ボールミルなどが単独或いは組合せで使用される
が、勿論例示したものに限定されない。
行うことができるが、所望によっては90℃程度までの
温度に加温することもできる。例えば、加熱された無機
酸、有機酸、或いはその塩類の溶液を複合金属多塩基性
硫酸塩に添加することもできるし、また摩砕混合機を外
部から加熱したり、また摩擦により発生する熱を利用す
ることもできる。或いは、摩砕処理時における過度の温
度上昇を避けるために、混合系を外部から積極的に冷却
することもできる。
ら添加してもよく、また無機酸、有機酸或いはその塩類
の溶液として混合系に持ち込んでもよく、或いは複合金
属多塩基性硫酸塩の含水濾過ケーキの形で混合系に持ち
込んでもよい。複合金属多塩基性硫酸塩の濾過ケーキに
よって、十分な水分が持ち込まれる場合には、組み込む
べきアニオンの塩類として固体の塩類をも使用できるこ
とが理解されるべきである。
(出力)、混合物の充填量、組み込むべきアニオンの種
類などによっても相違するが、一般的にいって、5乃至
120分間、特に10乃至60分間の時間から、目的と
するアニオン交換率が達成されるに十分な時間を選べば
よい。
そのまま乾燥し、必要により粉砕処理してイオン交換さ
れた製品とすることもできるし、或いは水洗、濾過、乾
燥などの後処理を行って、イオン交換製品とすることも
できる。更に、イオン交換で遊離する硫酸根を中和乃至
水に不溶化する目的で、生成したいイオン交換体を石灰
乳等で処理し、硫酸根を石膏の形に転化しておくことも
できる。
本発明で得られる複合金属多塩基性塩は、二価金属成分
及び三価金属成分を含有し、硫酸アニオンの少なくとも
一部が前述した硫酸以外の無機アニオン或いは有機アニ
オンでイオン交換されたものである。この複合金属多塩
基性塩は、一般に前記式(2)で表される化学組成を有
していることが好ましく、二価金属成分M2+及び三価
金属成分M3+としては、前に例示したものがある。ア
ニオンAも前に例示したものである。
折像は既に図面を参照して説明したが、基本的には原料
として用いた複合金属多塩基性硫酸塩と同様の層状の結
晶構造を有している。勿論、イオン交換により導入され
るアニオンの種類に応じて、底面反射によるピーク位置
は変化している。原料に用いる複合金属多塩基性硫酸塩
は、結晶構造がよく発達しているのに対して、イオン交
換された複合金属多塩基性塩では結晶構造に乱れがある
場合もあり、回折ピーク高さが低くなっている場合や、
回折ピークがブロードになっている場合も見受けられ
る。
図11から明らかなとおり、積層不整というX線回折学
的な微細構造上の特徴を有している。即ち、本発明によ
る複合金属多塩基性塩では、2θ=33乃至50゜の回
折ピークが非対称ピークとなっていることが明らかであ
る。
側)では立ち上がりが比較的急で、広角側(2θの大き
い側)では傾斜のゆるやかな非対称のピークとなってい
ることが了解される。この非対称ピーク構造は、上述し
た2θ=33乃至50゜のピークにおいて特に顕著であ
るが、他に2θ=60乃至64゜のピークにおいても程
度は小さいものの同様に認められる。
は、次のように定義される。即ち、後述する実施例記載
の方法で、図11に示すようなX線回折チャートを得
る。この2θ=33乃至50゜のピークについて、ピー
クの挟角側最大傾斜ピーク接線aと広角側最大傾斜ピー
ク接線bを引き、接線aと接線bの交点から垂線cを引
く。次いで接線aと垂線cとの角度θ1、接線bと垂線
cとの角度θ2を求める。これらの角度から、下記式
(3) IS = tanθ2 /tanθ1 …(3) 式中、θ1は一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ2
は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
なす角度を表す、により、積層不整指数(Is)が求め
られる。この積層不整指数(Is)は、完全に対称なピ
ークである場合には、1.0であり、立ち上がり角度に
比して立ち下がり角度が大きくなる方が大きな値をとる
ようになる。本発明による複合金属多塩基性塩では、積
層不整指数(Is)が1.0以上、特に1.0乃至2.
5の値をとる。
ろは、次のものと思われる。即ち、本発明による複合金
属多塩基性塩では、M3+ pM2+ q(OH)yの基本
層が積み重なった層状結晶構造を有することは既に指摘
したところであるが、各基本層のサイズ(長さや面積)
が一様でなく、その分布が広い範囲にわたっており、ま
た、基本層にねじれや湾曲などを生じて、非平面構造と
なっていると信じられる。
塩では、樹脂配合剤としての諸活性が大きく、これを例
えば塩素イオン捕捉用の樹脂配合剤として用いた場合、
その能力に優れているという利点が達成されるものであ
る。
吸収スペクトルは既に示したが、本発明による複合金属
多塩基性塩は、波数3800乃至2700cm−1に水
酸基による特性吸収を有すると共に、波数900乃至1
500cm−1に組み込まれたアニオンによる特性吸収
を有することが分かる。特に、本発明による複合金属多
塩基性塩は波数2000cm−1以下の遠赤外域に顕著
な吸収ピークを有しており、熱線を吸収する保温剤とし
ての用途に有用であることが理解される。
から200℃の温度に加熱したときの重量減少率が15
重量%以下、特に5重量%以下であり、樹脂中に配合し
たとき、樹脂の加工温度で発泡を生じることがないとい
う顕著な利点をも有している。ハイドロタルサイトの欠
点として、樹脂の加工温度で水分の離脱に伴う発泡の問
題が指摘されている。本発明による複合金属多塩基性塩
では、この問題が解消されている。図12は、本発明に
よる複合金属多塩基性塩及び図13は、ハイドロタルサ
イトについての示差熱分析(DTA)の結果をそれぞれ
示している。ハイドロタルサイトの場合、温度190乃
至240℃の範囲に水分の揮発に基づく極めて大きな吸
熱ピークが認められるのに対して、本発明による複合金
属多塩基性塩ではこのような大きな吸熱ピークは認めら
れず、耐発泡性に優れていることを示している。
は、そのままで樹脂用配合剤、アニオン交換体、保温剤
などとして使用し得るが、必要に応じ有機及び無機の助
剤により被覆などの後処理を行って各種用途に供するこ
とができる。
のものが挙げられる。ステアリン酸、パルミチン酸、ラ
ウリン酸等のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、
バリウム塩等の金属石鹸、シラン系カップリング剤、ア
ルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング
剤、ジルコニウム系カップリング剤、各種ワックス類、
未変性乃至変性の各種樹脂(例えばロジン、石油樹脂
等)等のコーテイング剤で表面処理して、各種用途に使
用することができる。これらのコーテイング剤は、複合
金属多塩基性塩当たり0.5乃至10重量%、特に1乃
至5重量%の量で用いるのがよい。
疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグ
ネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシ
ウム等の金属炭酸塩、A型、P型等の合成ゼオライト及
びその酸処理物又はその金属イオン交換物から成る定形
粒子を、複合金属多塩基性塩にブレンド乃至マブシして
使用することもできる。これらの無機系助剤は、複合金
属多塩基性塩当たり0.01乃至200重量%、特に
0.1乃至100重量%の量で用いるのがよい。また添
加助剤として尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、5
−ヒドロキシプロピレン尿素、5−メトキシプロピレン
尿素、5−メチルプロピレン尿素、パラバン酸、4,5
−ジメトキシエチレン尿素、ピロリジン、ピペリジン、
モルホリン、ジシアンジアミド、2−ヒドラゾベンゾチ
アゾール、過マンガン酸カリウム、塩化ベンザルコニウ
ム、ヨードホール、、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、硫
酸アルミニウム硫酸ヒドラジン複塩、有機・無機抗菌剤
(ヨードホールや銀交換ゼオライト)、光触媒(酸化チ
タン等)等をブレンドして使用することができる。
した優れた特性を有し、これらの特性を利用して、樹脂
用配合剤、イオン(アニオン)交換体、保温剤、化粧品
基材、消臭・抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ナノコン
ポジット原料などの用途に用いることができる。
塑性樹脂、熱硬化性樹脂或いは各種ゴムなどに対する配
合剤として有用である。即ち、本発明による複合金属多
塩基性塩は、樹脂の加工温度で水分の離脱に伴う発泡を
生じることがなく、樹脂への配合が容易であり、樹脂に
対して熱安定化作用のある成分、即ち、マグネシウムや
亜鉛などの二価金属や三価金属成分更には水酸基を含有
しており、熱安定性に優れている。更に、この複合金属
多塩基性塩はアニオン交換性を有しており、塩素イオン
などの捕捉性に優れている。更にまた、この複合金属多
塩基性塩は遠赤外線に対して吸収性を有しており、保温
性にも優れている。また、錫酸アニオンやホウ酸アニオ
ンを組み込んだ複合金属多塩基性塩、特にZn型のもの
では、樹脂に配合したときの難燃性、消煙性に優れてい
る。かくして、本発明の複合金属多塩基性塩は、熱安定
剤、ハロゲンキャッチャー、保温剤、アンチブロッキン
グ剤、難燃剤、消炎剤などとして樹脂中に配合すること
ができる。
る熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂が好適なも
のであり、特に低−、中−或いは高−密度のポリエチレ
ン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタク
ティックポリプロピレン、あるいはこれらのエチレン乃
至α−オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン系
重合体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共
重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−
プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノ
マー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙
げられ、これらは単独でも或いは2種以上のブレンド物
の形でも使用できる。
知の他の樹脂フィルムや繊維更には他の樹脂成形品にも
配合することができ、例えばナイロン6、ナイロン6−
6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等
のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォン、塩化ビニール樹脂、塩化
ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂等に配合することも
できる。
金属多塩基性塩を、熱可塑性樹脂100重量部当たり、
0.01乃至200重量部、特に0.1乃至100重量
部の量で用いるのがよい。
質用樹脂配合剤として、上記熱可塑性樹脂や、各種ゴ
ム、或いは熱硬化性樹脂に配合することができる。
えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(C
R)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(II
PI)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレン
ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム
(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリ
ルゴム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、部分架橋
オレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ル−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド
樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ト
リアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、或いはこれらの2種以上の組み合わせが
挙げられる。
脂、熱硬化性樹脂或いはエラストマー100重量部当た
り、0.01乃至200重量部、特に0.1乃至100
重量部の量で配合することができる。
の例に限定されるものではない。なお、物性測定は以下
の方法に従って行った。
グラフィーにより行った。
ステムを用いて、Cu−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター 検出器 SC 電圧 40KV 電流 20mA カウントフルスケール 700c/s スムージングポイント 25 走査速度 2°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1° RS0.15mm SS1° 照角 6°
トル分析装置を用いて測定を行った。
塩(1)の合成 3000mlヒ゛ーカーに水酸化マク゛ネシウム(MgO=64.2%)322.18gとイオ
ン交換水を加えて1200mlとし、攪拌、分散させてスラリーを
調製した。このスラリーに室温下にて硫酸バンド(Al2O3=7.6
8%,SO3=18.1%)1200gを攪拌下で徐々に注加した後、2400
mlまでメスアッフ゜した。その後90℃まで昇温し、6時間反応
を行った。反応終了後ヌッチェにて減圧濾過、6000mlの
温水で洗浄を行い、固形分35.5%の複合金属多塩基性塩ウ
ェットケーキを得た。これを後のイオン交換反応のヘ゛ースとして蓄
え、またその一部を110℃にて一晩乾燥し、粉砕して白
色粉末を得た。得られた白色粉末を分析した結果、この
合成物のモル組成比は以下のようであった。 Al1.00 Mg1.58 (OH)5.30 (SO4)0.43・1.6H2O
塩(2)の合成 3000mlヒ゛ーカーに水酸化マク゛ネシウム(MgO=64.2%)293.16gと純度
99.6%の酸化亜鉛36.81g、塩化アンモニウム24.19gとイオン交
換水を加えて1200mlとし、攪拌、分散させてスラリーを調製
した。このスラリーに室温下にて硫酸バンド(Al2O3=7.68%,S
O3=18.1%)1200gを攪拌下で徐々に注加した後、2400mlま
でメスアッフ゜した。その後90℃まで昇温し、6時間反応を行
った。反応終了後ヌッチェにて減圧濾過、6000mlの温水
で洗浄を行い、固形分29.5%の複合金属多塩基性塩ウェットケ
ーキを得た。これを後のイオン交換反応のヘ゛ースとして蓄え、
またその一部を110℃にて一晩乾燥し、粉砕して白色粉
末を得た。得られた白色粉末を分析した結果、この合成
物のモル組成比は以下のようであった。 Al1.00 Mg1.41 Zn0.28(OH)5.48 (SO4)0.45・1.5H2O
ヘ゛ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)と水約10ml
を仕込み、ライカイ機を攪拌しながら濃度70%の過塩素酸0.1
55molを徐々に加えた。必要に応じて更に水を加えて最
適なヘ゜ースト状に調製し、適正なヘ゜ースト状態を維持するため
に、適宜水を補給しながら30分間摩砕混合を行った。得
られたヘ゜ースト状合成物を、最小限の水と共に全量1000mlヒ
゛ーカーに移し替え、110℃で一晩蒸発乾固を行い白色粉末
を回収した。回収量は50.6gであった。
ヘ゛ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)と水約10ml
を仕込み、ライカイ機を攪拌しながら濃度60%の硝酸0.155mo
lを徐々に加えた。必要に応じて更に水を加えて最適なヘ
゜ースト状に調製し、適正なヘ゜ースト状態を維持するために、
適宜水を補給しながら30分間摩砕混合を行った。得られ
たヘ゜ースト状合成物を、最小限の水と共に全量1000mlヒ゛ーカー
に移し替え、110℃で一晩蒸発乾固を行い白色粉末を回
収した。回収量は44.4gであった。
ヘ゛ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)と水約10ml
を仕込み、ライカイ機を攪拌しながら濃度35%の塩酸0.155mo
lを徐々に加えた。必要に応じて更に水を加えて最適なヘ
゜ースト状に調製し、適正なヘ゜ースト状態を維持するために、
適宜水を補給しながら30分間摩砕混合を行った。得られ
たヘ゜ースト状合成物を、最小限の水と共に全量1000mlヒ゛ーカー
に移し替え、110℃で一晩蒸発乾固を行い白色粉末を回
収した。回収量は40.2gであった。
ヘ゛ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)と水約10ml
を仕込み、ライカイ機を攪拌しながらマレイン酸0.078molを徐々
に加えた。必要に応じて更に水を加えて最適なヘ゜ースト状
に調製し、適正なヘ゜ースト状態を維持するために、適宜水
を補給しながら、30分間摩砕混合を行った。得られたヘ゜
ースト状合成物を、最小限の水と共に全量1000mlヒ゛ーカーに移
し替え、110℃で一晩蒸発乾固を行い白色粉末を回収し
た。回収量は44.2gであった。
ヘ゛ース品2由来のウェットケーキ100g(固形分29.5g)と水約10ml
を仕込み、ライカイ機を攪拌しながら濃度85%の燐酸0.064mo
lを徐々に加えた。必要に応じて更に水を加えて最適なヘ
゜ースト状に調製し、適正なヘ゜ースト状態を維持するために、
適宜水を補給しながら、30分間摩砕混合を行った。得ら
れたヘ゜ースト状合成物を、最小限の水と共に全量1000mlヒ゛ー
カーに移し替え、110℃で一晩蒸発乾固を行い白色粉末を
回収した。回収量は35.4gであった。
ヘ゛ース品1由来のウェットケーキ50g(固形分17.75g)と水約5mlを
仕込み、ライカイ機を攪拌しながら濃度70%の過塩素酸0.077
5molを攪拌しながら徐々に加えた。必要に応じて更に水
を加えて最適なヘ゜ースト状に調製し、適正なヘ゜ースト状態を維
持するために、適宜水を補給しながら、30分間摩砕混合
を行った。次に、このヘ゜ースト状合成物に消石灰2.52gと適
量の水を加え、ヘ゜ースト状を維持しながら更に30分間摩砕
混合を行った。得られたヘ゜ースト状合成物を、最小限の水
と共に全量1000mlヒ゛ーカーに移し替え、110℃で一晩蒸発乾
固を行い白色粉末を回収した。得られた白色粉末のX線
回折分析を行ったところ、CaSO4・0.5H2Oを示す回折ヒ゜ー
クが随所に観察され、遊離硫酸根は半水石膏に転化した
ことが確認された。X線回折を図10に示す。
ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)を秤り取り、
水400mlを加えて水和し、攪拌下にて85℃に昇温した。
これとは別に、過塩素酸0.155molを当量の水酸化ナトリウム
で中和した過塩素酸ナトリウム水溶液を調製し、水和物に徐
々に注加した。85℃で1時間攪拌を継続して反応を終了
し、ヌッチェにて減圧濾過、更に2000ml温水にて洗浄を
行い、110℃で一晩乾燥して白色粉末を得た。回収量は3
7.9gであった。
ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)を秤り取り、
水400mlを加えて水和し、攪拌下にて85℃に昇温した。
これとは別に、硝酸0.155molを当量の水酸化ナトリウムで中
和した過塩素酸ナトリウム水溶液を調製し、水和物に徐々に
注加した。85℃で1時間攪拌を継続して反応を終了し、
ヌッチェにて減圧濾過、更に2000ml温水にて洗浄を行
い、110℃で一晩乾燥して白色粉末を得た。回収量は38.
4gであった。
ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)を秤り取り、
水400mlを加えて水和し、攪拌下にて85℃に昇温した。
これに塩化ナトリウム9.1g(0.155mol)を水和物に徐々に添加
した。85℃で1時間攪拌を継続して反応を終了し、ヌッ
チェにて減圧濾過、更に2000ml温水にて洗浄を行い、11
0℃で一晩乾燥して白色粉末を得た。回収量は37.8gであ
った。
ース品1由来のウェットケーキ100g(固形分35.5g)を秤り取り、
水400mlを加えて水和し、攪拌下にて85℃に昇温した。
これとは別に、マレイン酸0.078molを当量の水酸化ナトリウムで
中和したマレイン酸ナトリウム温水溶液を調製し、水和物に徐々
に注加した。85℃で1時間攪拌を継続して反応を終了
し、ヌッチェにて減圧濾過、更に2000ml温水にて洗浄を
行い、110℃で一晩乾燥して白色粉末を得た。回収量は3
7.2gであった。
ース品2由来のウェットケーキ100g(固形分29.5g)を秤り取り、
水400mlを加えて水和し、攪拌下にて85℃に昇温した。
これとは別に、燐酸0.064molを当量の水酸化ナトリウムで中
和した燐酸ナトリウム水溶液を調製し、水和物に徐々に注加
した。85℃で1時間攪拌を継続して反応を終了し、ヌッ
チェにて減圧濾過、更に2000ml温水にて洗浄を行い、11
0℃で一晩乾燥して白色粉末を得た。回収量は31.9gであ
った。
の代わりに、複合金属水酸化物炭酸塩であるハイドロタ
ルサイトを用いた以外は、実施例1と同様にして行った
が、イオン交換はされなかった。
の代わりに、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩であ
る水澤化学製ミズカラックを用いた以外は、実施例1と
同様にして行ったが、イオン交換はされなかった。
び三価金属からなる複合金属多塩基性硫酸塩の粒子と、
硫酸以外の水に溶解度を有する無機酸乃至無機酸塩或い
は有機酸乃至有機酸塩と、少量の水の存在下に摩砕混合
することにより、複合金属多塩基性硫酸塩を原料とし
て、硫酸アニオンがそれ以外のアニオンでイオン交換さ
れた複合金属多塩基性塩を、高い収率でしかも高いイオ
ン交換率で製造することができる。また、上記複合金属
多塩基性塩を、面倒な水洗操作、固液分離操作などを必
要とせずに、生産性よく製造することができる。更に、
本発明によれば、二価金属、三価金属及びアニオンの広
範囲の組み合わせから成る複合金属多塩基性塩の製造が
可能となり、これらの組み合わせを生かした広範囲の用
途が可能となる。
ルを示す図である。
線吸収スペクトルを示す図である。
収スペクトルを示す図である。
収スペクトルを示す図である。
収スペクトルを示す図である。
収スペクトルを示す図である。
線吸収スペクトルを示す図である。
吸収スペクトルを示す図である。
回折像 B. 過塩素酸アニオンでイオン交換された複合金属多塩基性硫
酸塩のX線回折像 C.硝酸アニオンでイオン交換された複合金属多塩基性硫酸塩
のX線回折像 D.塩素アニオンでイオン交換された複合金属多塩基性硫酸塩
のX線回折像 をそれぞれ示す図である。
複合金属多塩基性硫酸塩のX線回折像を示す図である。
を説明するためのX線回折チャートを示す図である。
析(DTA)の結果を示す図である。
の結果を示す図である。
線回折像 B. 比較例1で得られた過塩素酸アニオンでイオン交換された
複合金属多塩 基性硫酸塩のX線回折像 C.実施例1で得られた過塩素酸アニオンでイオン交換された
複合金属多塩基性硫酸塩のX線回折像 をそれぞれ示す図である。
線回折像 B. 比較例2で得られた硝酸アニオンでイオン交換された複合
金属多塩基性硫酸塩のX線回折像 C.実施例2で得られた硝酸アニオンでイオン交換された複合
金属多塩基性硫酸塩のX線回折像 をそれぞれ示す図である。
線回折像 B. 比較例3で得られた塩素アニオンでイオン交換された複合
金属多塩基性硫酸塩のX線回折像 C.実施例3で得られた塩素アニオンでイオン交換された複合
金属多塩基性硫 酸塩のX線回折像をそれぞれ示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 金属成分が二価金属及び三価金属からな
る複合金属多塩基性硫酸塩の粒子と、硫酸以外の水に溶
解度を有する無機酸乃至無機酸塩或いは有機酸乃至有機
酸塩と、水の存在下に摩砕混合することを特徴とするイ
オン交換による複合金属多塩基性塩の製造方法。 - 【請求項2】 複合金属多塩基性硫酸塩の粒子と、硫酸
以外の無機酸乃至無機酸塩或いは有機酸乃至有機酸塩と
を、固形分濃度が10乃至50重量%のペースト状態で
摩砕混合することを特徴とする請求項1に記載の製造方
法。 - 【請求項3】 硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩或いは有
機酸乃至有機酸塩を、複合金属多塩基性硫酸塩中の硫酸
根当たり10乃至200当量%の量で存在させることを
特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 複合金属多塩基性硫酸塩が実質上、下記
一般式(1) M3+ pM2+ q(OH)y(SO4 )z・nH2O ‥(1) 式中、M3+は三価金属を表し、M2+は二価金属を表
し、 p、q、y及びzは下記式 3p+2q−y−2z=0、 0.3≦q/p≦2.5、 1.5≦y/(p+q)≦3.0、 及び 1.0≦(p+q)/z≦8.0 を満足する数であり、 nは7以下の数である、で表される化学組成を有する複
合金属多塩基性硫酸塩であることを特徴とする請求項1
乃至3の何れかに記載の製造方法。 - 【請求項5】 複合金属多塩基性塩が実質上下記一般式
(2) M3+ pM2+ q(OH)y(A)z・nH2O ‥(2) 式中、M3+は三価金属を表し、M2+は二価金属を表
し、Aは硫酸以外の無機アニオン、有機アニオン或いは
これらと硫酸アニオンとの組み合わせを表し、p、q、
y及びzは下記式 3p+2q−y−mz=0(式中mはアニオンAの価数
であり、)、 0.3≦q/p≦2.5、 1.5≦y/(p+q)≦3.0、 及び 1.0≦(p+q)/z≦20.0 を満足する数であり、 nは7以下の数である、で表される化学組成を有する複
合金属多塩基性塩であることを特徴とする請求項1乃至
4の何れかに記載の製造方法。 - 【請求項6】 硫酸以外の無機アニオン及び/または有
機アニオンと硫酸アニオンとが100:0乃至1:99
の当量%で存在する請求項5に記載の製造方法。 - 【請求項7】 硫酸以外の無機酸乃至無機酸塩がホウ
素、炭素、窒素、ハロゲン、ケイ素、リン、チタン、バ
ナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデ
ン、スズ、アンチモン、テルル、タングステン及びビス
マスからなる群より選択された元素のオキシ酸、前記オ
キシ酸のアルカリ金属塩或いはアンモニウム塩であるこ
とを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の製造方
法。 - 【請求項8】 有機酸乃至有機酸塩が1価または多価の
カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸、そのアルカ
リ金属塩、またはアンモニウム塩であることを特徴とす
る請求項1乃至6の何れかに記載の製造方法。
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