JP2911404B2 - 保温剤及び保温性樹脂組成物 - Google Patents

保温剤及び保温性樹脂組成物

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JP2911404B2
JP2911404B2 JP8113032A JP11303296A JP2911404B2 JP 2911404 B2 JP2911404 B2 JP 2911404B2 JP 8113032 A JP8113032 A JP 8113032A JP 11303296 A JP11303296 A JP 11303296A JP 2911404 B2 JP2911404 B2 JP 2911404B2
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善伸 小松
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温剤及び保温性
樹脂組成物に関するもので、より詳細には、保温すべき
物体からの熱線を吸収して、系外への熱線の放散を防止
し、これにより前記物体への優れた保温性を示す保温剤
に関する。特に、本発明はフィルム形成用樹脂等に配合
容易であり、樹脂に配合して、熱線吸収性及び透明性に
優れたフィルム等の成形体を形成するのに有用な保温剤
及び保温性樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農作物のハウス栽培やトンネル栽
培には、農業用フィルムが広く使用されている。この農
業用フィルムは、透光性と共に保温性を有することが要
求される。即ち、昼間の日光照射によって昇温したハウ
スやトンネル内の温度は、夜間、特に晴天時の夜間にお
いては、放射冷却により急激に低温となり、これらハウ
ス等内部の急激な低温化が農作物の生育に悪影響を及ぼ
す。
【0003】このようなハウス等内部の急激な低温化を
防止するため、保温性フィルムが使用されており、この
保温性フィルムは、樹脂中に、熱線を吸収しうる材料、
即ち保温剤、例えばシリカ、ケイ酸塩、アルミナ、アル
ミン酸塩、ハイドロタルサイト類、塩基性炭酸アルミニ
ウム・リチウム塩等を配合したものからなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記保温剤としては、
熱線に対する吸収性のより高い材料が探索されていると
共に、樹脂に対する配合が容易でしかも樹脂フィルムの
透光性を可及的に阻害しない材料が求められている。
【0005】しかしながら、公知の保温剤は、熱線に対
する吸収性が未だ十分満足するものではないと共に、樹
脂を着色したり、発泡させたり或いは樹脂を不透明化す
る傾向があり、更に樹脂に対する配合作業性も十分では
なく、新しい保温剤の開発が望まれている。
【0006】従って、本発明の目的は、樹脂に配合する
際に配合作業性に優れていると共に、樹脂に配合したと
きに樹脂を着色したり、発泡させたり或いは不透明化す
る傾向がなく、透光性と熱線吸収性とに優れている保温
剤及びこれを配合した保温性樹脂組成物を提供するにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ド−ソ
ナイト型結晶構造を有する塩基性炭酸アルミニウム複塩
から成ることを特徴とする保温剤が提供される。
【0008】本発明によればまた、熱可塑性樹脂及び熱
可塑性樹脂100重量部当たり0.1乃至20重量部、
特に1乃至6重量部のド−ソナイト型結晶構造を有する
塩基性炭酸アルミニウム複塩から成る保温剤を含有する
ことを特徴とする保温性樹脂組成物及びこの樹脂組成物
から成る農業用フィルムが提供される。
【0009】前記塩基性炭酸アルミニウム複塩は、下記
式(1): mAl23 ・(n/p)M2/p O・X・kH2 O ‥‥(1) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機または有機のアニオ
ンであり、 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、 mは0.3乃至1の数であり、 nは0.3乃至2の数であり、 kは0.5乃至4の数であり、 pは金属Mの価数である、で表される組成を有すること
が好ましく、特に前記式(1)において、Mがナトリウ
ムであり、Xが炭酸根であることが最も好ましい。
【0010】また、前記塩基性炭酸アルミニウム複塩
は、熱重量分析において、300℃以下の温度において
実質上重量減少を有しないものであることが、樹脂の混
練時或いは成形時において、発泡を防止する上で好適で
ある。
【0011】更に、前記塩基性炭酸アルミニウム複塩
は、繊維形状を有するものであることが樹脂への配合性
や、配合後の樹脂組成物の透光性の点で有利であり、特
に繊維径が0.01乃至1μm、特に0.01乃至0.
5μmの範囲にあり、且つアスペクト比が2乃至100
の範囲、特に透明性を重視する樹脂組成物においては5
乃至20の範囲にあるのが好適である。
【0012】本発明において、塩基性炭酸アルミニウム
複塩をそのまま、特に保温剤として、樹脂に配合できる
ことは勿論であるが、塩基性炭酸アルミニウム複塩の表
面を、予め10重量%以下、特に1乃至6重量%の表面
処理剤で処理しておくと、樹脂中への分散性が向上し、
透光性も更に向上するので好ましい。
【0013】かかる表面処理剤としては、シラン系、ア
ルミニウム系、チタン系或いはジルコニウム系のカップ
リング剤、金属石鹸或いは樹脂酸石鹸、微粉末非晶質シ
リカまたは界面活性剤等が目的に応じて、使用される。
【0014】
【発明の実施形態】ド−ソナイト(dawsonite )は、そ
れ自体公知のナトリウム及びアルミニウムの塩基性炭酸
塩鉱物であり、その合成法も、特公昭47−38318
号公報、特公昭54−17718号公報、特開昭56−
22628号公報、特公昭57−44604号公報、特
開昭57−61625号公報、特開昭59−83933
号公報、特開昭63−100017号公報、特公平1−
24731号公報、特公平2−58205号公報、特開
平3−271116号公報等に記載されており、公知の
ものである。
【0015】上記ド−ソナイトの用途については、制酸
剤(特公昭47−38318号公報)、重金属成分除去
用処理剤(特公昭51−22472号公報)、ブレーキ
ライニング材(特公昭56−54021号公報)、合成
樹脂用充填材(特公昭56−54021号公報)、難燃
剤(特開昭63−90553号公報)等が知られている
が、これを保温剤、特に農業フィルム等の成形用の樹脂
に配合する保温剤として用いることは、未だ知られてい
ない。
【0016】本発明者らは、上記ド−ソナイト型結晶構
造の塩基性炭酸アルミニウム複塩を、フィルム形成用の
樹脂に配合すると、優れた保温性と透光性とが達成さ
れ、更に、フィルムへの配合性や配合フィルムの物性も
優れていることを見いだした。
【0017】添付図面の図3、図4は、それぞれ本発明
に用いるド−ソナイト(実施例1)と、従来より樹脂用
保温剤として利用されているハイドロタルサイト(比較
例1)の赤外線吸収スペクトルを示している。これら赤
外線吸収スペクトルによると、ド−ソナイト(図3)
は、ハイドロタルサイト(図4)に近いスペクトルを示
すが、波数1500乃至1600cm-1(波長0.62
乃至0.66μm)に、ハイドロタルサイトには認めら
れない大きな吸収を示し、熱線吸収性に優れていること
が明らかである。
【0018】添付図面の図2は、本発明に用いるド−ソ
ナイトについての、熱重量分析曲線であり、上側の図が
累積曲線(TG)であり、下側の図が微分曲線(DT
G)である。この熱重量分析の結果によると、本発明に
用いるド−ソナイトは、水和された水分を含有するにも
かかわらず、室温から始まり樹脂の加工温度を越える3
00℃までの間の温度域では実質上重量減少を生じてい
なく、樹脂加工時に障害となる発泡による透明性低下や
フィルム物性の低下を殆ど生じないという驚くべき事実
が明らかとなる。
【0019】本発明に用いるド−ソナイトの内、比較的
純度の高いものは、繊維状であり、繊維径及びアスペク
ト比は前述した範囲にある。図5は、本発明に用いるド
−ソナイトの倍率200倍での走査型電子顕微鏡写真で
あり、図6は同じド−ソナイトの倍率5000倍での走
査型電子顕微鏡写真である。この走査型電子顕微鏡写真
によると、このド−ソナイトは、アスペクト比の極めて
大きい繊維の集束が粗に結合して2次粒子を形成してい
ることが容易に理解できる。これらの繊維は互いに極め
て容易に分離して樹脂中に分散するものであり、分散性
に優れていると共に、これらの繊維を配合した樹脂は透
明性にも優れていることが了解される。事実、後述する
例を参照すると、この配合樹脂は、内部ヘーズが小さ
く、透明性に優れていることが分かる。
【0020】本発明に用いる塩基性炭酸アルミニウム複
塩は、前述した式(1)で表される組成を有していると
共に、ドーソナイト型結晶構造を有するものである。ド
ーソナイト型結晶構造とは、Cu−Kαを用いたX線回
折において、面間隔(オングストローム)が5.7、3.3
8、3.02、2.78、2.61、2.5、2.15、1.99、
1.73及び1.69の位置にピークを有するものであり、
実質的には、下記表1に示しているものと実質上同じX
線回折像を示す。
【0021】
【表1】 表中、VSは非常に強い、Sは強い、mは中程に強い、
wは弱いを意味する。
【0022】好適な塩基性炭酸アルミニウム複塩は、前
記式(1)の化学組成を有するものである。アルカリ金
属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アル
カリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が
挙げられる。アニオンXは炭酸根を主体とするものであ
り、他に無機または有機のアニオン、硫黄のオキシ酸
(硫酸、亜硫酸)、窒素のオキシ酸(硝酸、亜硝酸)、
塩化水素酸、塩素のオキシ酸(例えば過塩素酸)、リン
のオキシ酸(リン酸、亜リン酸、メタリン酸)等の無機
アニオンや、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、安息香
酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、
コハク酸、P−オキシ安息香酸、サリチル酸、ピクリン
酸、トルエンスルフォン酸等の有機アニオンが若干含ま
れていてもよい。好適な塩基性炭酸アルミニウム複塩
は、前記式(1)において、Mがナトリウムであり、X
が炭酸根であるものである。
【0023】本発明に用いる塩基性炭酸アルミニウム複
塩は、アルミニウム原料と炭酸或いは炭酸根を放出しう
る化合物とを、それ自体公知の手段で反応させることに
より得られる。アルミニウム原料としては、アルミニウ
ム塩、アルミン酸塩、水酸化アルミニウム等を用いるこ
とができ、アルミニウム塩としては、例えば、硫酸アル
ミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸
アルミニウム、明礬等が使用され、更にアルミニウムの
各種酸処理、例えばエッチング工程で得られるアルミニ
ウム廃液も原料として使用することができる。また、ア
ルミン酸ナトリウムを原料として使用することもでき、
この場合、ボーキサイトや水酸化アルミニウム等のアル
カリ処理で得られるアルミン酸ソーダ溶液や、アルミン
酸ソーダ含有廃液をも原料として使用することができ
る。更に、水酸化アルミニウムそのものを原料として使
用することができる。
【0024】他方炭酸系原料としては、炭酸そのものを
用いることができるほか、炭酸根を放出しうる原料、例
えば炭酸ナトリウム等の炭酸塩、重炭酸ナトリウム等の
重炭酸塩、尿素等も使用しうる。
【0025】更に、塩基性炭酸アルミニウム複塩に組み
込むべきアルカリ金属成分或いはアルカリ土類金属成分
が不足する場合には、これを水酸化物或いは水溶性塩の
形で反応系中に共存させるのがよい。
【0026】反応は、炭酸根が過剰に存在する条件下に
行うのがよく、一般にアルミニウム原料1モル当たり炭
酸根が1乃至10モル存在する条件下に反応を行うのが
よい。
【0027】反応条件は、用いる原料の種類によっても
相違するが、一般に80乃至130℃の温度で、常圧乃
至10気圧程度までの加圧下に反応を行うのがよい。水
熱合成、即ちオートクレーブ中自生圧力下に反応を行う
ことが推奨される。反応に際し、全成分を添加したとき
のpHが8乃至14、特に8.5乃至11の値となるよ
うにアルカリを添加するのが好ましい。
【0028】反応により生成する塩基性炭酸アルミニウ
ム複塩は、母液より固液分離し、必要により水洗乾燥し
て製品とする。
【0029】本発明に用いる塩基性炭酸アルミニウム複
塩は、一般に、吸油量(JIS K−5101)が50
乃至110ml/100gの範囲にあり、BET比表面
積が30乃至110m2 /gの範囲にあり、見掛比重
(鉄シリンダー法)が0.2乃至0.5g/cm3 の範
囲にあるが、これら物性値に限定されるものではない。
【0030】かかる表面処理剤としては、シラン系、ア
ルミニウム系、チタン系或いはジルコニウム系のカップ
リング剤が挙げられる。
【0031】また、表面処理剤の好適なものとして、脂
肪酸、樹脂酸、金属石鹸或いは樹脂酸石鹸等があり、例
えばステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の脂肪
酸、アビエチン酸等の樹脂酸、脂肪酸或いは樹脂酸のカ
ルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等の
金属石鹸が好適に使用される。更に、各種ワックス類、
未変性乃至変性の各種樹脂(例えばロジン、石油樹脂
等)等のコーテイング剤も使用できる。
【0032】更に、改質用無機系助剤として、エアロジ
ル、疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、
マグネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カル
シウム等の金属炭酸塩、A型、P型等の合成ゼオライト
及びその酸処理物又はその金属イオン交換物から成る定
形粒子を、塩基性炭酸アルミニウム複塩に外添(ブレン
ド乃至マブシ)して使用することもできる。
【0033】更にまた、アニオン系、ノニオン系、カチ
オン系、両性系の界面活性剤で塩基性炭酸アルミニウム
複塩を表面処理し、樹脂中への分散性を向上させると共
に、配合フィルムに防曇性を付与することもできる。
【0034】本発明によれば、上記塩基性炭酸アルミニ
ウム複塩を、保温剤として、熱可塑性樹脂に対して、熱
可塑性樹脂100重量部当たり0.1乃至20重量部、
特に1乃至6重量部の量で配合して保温性樹脂組成物と
し、農業用フィルム等の用途に供する。
【0035】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレ
フィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合
体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α
−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル
・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン
6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン1
1、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサ
イド等あるいはそれらの混合物のいずれかでもよい。
【0036】本発明は、これらの樹脂の内でも、オレフ
ィン系樹脂に用いた場合に効果が著しく、オレフィン系
樹脂としては、例えば低−・中−・高密度の或いは線状
低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、結晶性プロピ
レン−エチレン共重合体、イオン架橋オレフィン共重合
体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル
−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同
志のランダムあるいはブロック共重合体等を挙げること
ができる。
【0037】熱可塑性樹脂に塩基性炭酸アルミニウム複
塩を配合するには、ドライブレンド或いはメルトブレン
ド方式を採用することができ、一般には、塩基性炭酸ア
ルミニウム複塩を樹脂中に高濃度に配合したマスターバ
ッチを製造し、このマスターバッチを未配合の樹脂に配
合するのが望ましい。
【0038】本発明の樹脂組成物には、それ自体公知の
各種添加剤、例えば安定剤、安定助剤、防曇剤、滑剤、
紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、造核
剤、充填剤等を配合併用することができる。
【0039】例えば、可塑剤としては、フタル酸エステ
ル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル
系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑
剤、塩素系可塑剤などがあげられる。
【0040】フェノール系酸化防止剤としては、2,6
−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステ
アリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,
6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘ
キサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸アミド、1,3,5−ト
リス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブ
チルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イ
ソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−
第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート〕などがあげられる。
【0041】硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオ
ジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリ
ル等のジアルキルチオジプロピオンネート類及びペンタ
エリスリト−ルテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピ
オネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプ
ロピオン酸エステル類があげられる。
【0042】ホスファイト系酸化防止剤としては、例え
ば、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファ
イト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メ
チルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モ
ノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトなどがあげられる。
【0043】紫外線吸収剤としては例えば、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒド
ロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’
−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−
メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾ
リル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール類があげられる。
【0044】光安定剤としては、ヒンダードアミン系光
安定剤等が挙げられ、例えば、1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、
N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ
エチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、テトラ(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラ
カルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキ
シレートなどがあげられる。
【0045】難燃剤としては、テトラブロモビスフェノ
ールA(TBA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ヘキサブロモベ
ンゼン(HBB)、トリス(2,3−ジブロモプロピ
ル)イソシアヌレート(TAIC−bB)、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモ・フェ
ニル)プロパン(TBA−EO)、デカブロモジフェニ
ルオキシド(DBDPO)、デカブロモジフェニルエー
テル(DBDE)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−
4−〔2,3−ジブロモプロポキシ〕フェニル)プロパ
ン(TBA−BP)、ビス(3,5−ジブロモ−4−
〔2,3−ジブロモプロポキシ〕フェニル)(TBS−
BP)、ポリジブロモフェニレンオキシド、ビス(トリ
ブロモフェノキシ)エタン、2,4,6−トリブロモフ
ェノール、トリブロモフェニルマレイミド、ヘキサブロ
モシクロドデカン、オクタブロモジフェニルオキシド、
ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチル
ヘキサブロモジフェニルアミン、含ハロゲンポリホスフ
ェート、芳香族臭素化合物、臭素化エポキシ樹脂、臭素
化ポリスチレン。
【0046】造核剤としては、アルミニウム−p−第三
ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、ビ
ス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム
塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)ホスフェートナトリウム塩、2,2’−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート
カルシウム塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第
三ブチルフェニル)ホスフェート塩基性アルミニウム塩
などがあげられる。
【0047】フィルムの成形は、本発明の樹脂組成物を
押出機で溶融混練した後、ダイを通して押し出し、イン
フレーション製膜法、T−ダイ法等により行うことがで
きる。このフィルムは単層のフィルムであってもよい
し、多層の積層フィルムであってもよく、後者の積層フ
ィルムは、共押出により得られる。積層フィルムは、塩
基性炭酸アルミニウム複塩配合樹脂を中間層、未配合樹
脂を内外層とすることもできる。
【0048】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0049】(実施例1)本発明によるド−ソナイト型
塩基性炭酸アルミニウム複塩の微粉末からなる樹脂用保
温剤(以下DOSと記す)の調製方法を以下に説明す
る。 (DOSの製法とその物性)炭酸ナトリウム(Na2
3 含量が99.7%)46.78gを攪拌下蒸留水4
00mlに加えて、これを40℃に加温する。次いで、
塩化アルミニウム(AlCL3・6H2O含量が97%)
48.29gを含む400ml水溶液を徐々に注加し、
撹拌下85℃で約20時間反応させた後、ステアリン酸
1.44gを加え、撹拌下に反応液中の塩基性炭酸アル
ミニウム複塩の表面処理を行なった。次いで、得られた
スラリ−状生成物を濾過、水洗後70℃で乾燥し、小型
サンプルミルで粉砕し、本発明による樹脂用保温剤であ
る試料No.DOS−1粉末を得た。
【0050】次いで、下記に示す物性を測定し、その結
果を表2に示した。測定方法 (1)X線回折 理学(株)製のガイガ−フレックスRAD−1Bシステ
ムを用いて下記の条件で測定した。 タ−ゲット Cu フィルタ− Ni 電圧 35kv 電流 15mA カウントフルスケ−ル 8000c/s 走査速度 2deg/min タイムコンスタント 1sec スリット DS1deg RS0.3mm SS
1deg 照射 6deg (2)熱分析 理学(株)製TAS−100−TG8110を用いて測
定した。測定条件としては、標準物質α−Al23
昇温速度10℃/分、空気雰囲気の110乃至800℃
迄の範囲での熱分析を行なった。尚、測定試料は表面処
理剤を除去するためにエチルアルコールで充分に処理し
た後、110℃で乾燥して調製したものである。 (3)赤外線吸収スペクトル分析 日本分光(株)製のA−302型赤外吸収スペクトル分
析装置を用いて110℃乾燥物試料について測定した。
尚、測定試料は予めエチルアルコールで充分に処理して
表面処理剤を除去したものである。 (4)繊維径及びアスペクト比 日立(株)製走査電子顕微鏡S−570を用いて、制限
視野像中の繊維径及びアスペクト比を算術平均して求め
た。 (5)見掛比重 JISK−6220に準拠して測定した。 (6)吸油量 JISK−5101−19に準拠して測定した。 (7)比表面積 カルロエルバ社製Sorptmatic Serie
s 1800を使用し、BET法により測定した。
【0051】(実施例2)実施例1において、反応温度
を130℃とした以外は実施例1と同様にして本発明に
よる樹脂用保温剤の試料No.DOS−2粉末を得た。
【0052】(実施例3)アルミン酸ナトリウム水溶液
(Al2 3 として2.8%、Na2Oとして2.3
%)1,815gに撹拌下、水酸化ナトリウム(NaO
H含量が96%)88.8gと炭酸水素ナトリウム(N
aHCO3 含量が99%)84g及び尿素(NH2CO
NH2含量97%)600.6gとを加え溶解させた。
次いでこの溶液を撹拌下に90℃に加温させて20時間
反応させた後、オレイン酸ナトリウム7.2gを加え
て、表面処理を行なつた。次いで実施例1と同様にして
本発明による樹脂用保温剤である試料No.DOS−3
粉末を得た。
【0053】(比較例1) 水酸化ナトリウム(NaOH含量が96%)37.0g
と炭酸ナトリウム(Na2 CO3 含量が99.7%)1
1.16gとを攪拌下の蒸留水2Lに加えて、これを4
0℃に加温する。次いでこの水溶液に、CO3Al
モル比が0.7、Mg/Alのモル比が2.0になるよ
うに塩化マグネシウム(MgOとして19.73%)6
1.28gと塩化アルミニウム(Al23 として2
0.48%)37.33gを蒸留水500mlに加えて
調製した水溶液を徐々に注下し、攪拌下90℃の温度で
20時間反応を行った。反応終了後、ステアリン酸3.
27gを加え、攪拌下に表面処理を行ない、以下実施例
1と同様にして試料No.H−1のハイドロタルサイト
粉末を得た。その物性を表2に示した。
【0054】(比較例2)比較例1において、反応温度
を160℃とした以外は比較例1と同様にして試料N
o.H−2を得た。その物性を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】図2及び表2の熱重量減の値から明らかな
ように、本発明の保温剤は、例えば従来より樹脂用保温
剤として利用されているハイドロタルサイト粉末(試料
No.H−1)に比較しても、特に300℃以下の温度
領域での重量減が際立って低いという特徴を有している
ことが分かる。
【0057】(実施例4)実施例1乃至3で得た本発明
によるド−ソナイト型複合水酸化物塩の微粉末からなる
樹脂用保温剤(試料No.DOS−1乃至DOS−3粉
末)を塩素含有樹脂に添加した場合の熱安定性効果、ハ
ロゲン残留触媒残渣を含むポリオレフィン樹脂に添加し
た場合の黄化防止効果及び金型腐食防止効果及び樹脂中
分散性について、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂に対する保温効果について説明する。
【0058】(試験方法) (8)熱安定持続時間 試料シートをガラス板にのせ、185℃に調整したギヤ
式熱老化試験機に入れて15分毎に取り出してその時の
着色度を目視判定し、黒色分解する時間を測定した。 (9)透明性 日本電色工業製.1001DP色差計を用い、試料シー
トの白色光透過率を測定した。 (10)耐黄化試験 上記成形シートを85℃、90%RHの恒温恒湿槽にい
れ24日間放置した。この成形シートの表面色相を日本
電色工業製の色差計Model1001DPにより測定
し、N値(黄色度)を求めた。N値が小さい程耐黄化性
に優れている。 (11)分散性試験 上記成形シートにつき、肉眼で分散性を評価した。 (12)霞度(ヘイズ) ASTM−D−1003に準処して評価した。 (13)保温性 得られた試料フイルムで直径20cmの半円筒の長さ1
mのトンネル枠を地面上に設置し、トンネル枠内の中央
部の夜間(午前3時)における温度を測定し、保温剤未
配合のEVAフイルムによる同様のトンネル枠内の温度
を基準に、両者の温度差(ΔT)を測定して保温効果を
評価した。なお本発明においては、このΔT値が大きい
程、保温性が高いものといえる。
【0059】(4−1:軟質塩化ビニルによる評価)本
発明の樹脂用安定剤による塩化ビニルに対する熱安定化
効果を確認するために、以下の配合、成形などの手法に
より軟質塩化ビニルシートを作製し、評価試験を行なっ
た。 (配合組成) 塩化ビニル樹脂(重合度:1050) 100重量部 ジオクチルフタレイト 50重量部 ラウリン酸亜鉛 0.4重量部 ジベンゾイルメタン 0.1重量部 ジヒドロキシジフェニールプロパン 0.2重量部 試料 1.3重量部
【0060】(成形方法)上記配合組成物を温度150
℃、7分間ロールミル混練を行ない、厚さ0.5mmの
均一な混和物を作製し、次いで温度160℃、圧力13
0kg/cm2 、5分間加圧加熱し、厚さ1mmの軟質
塩化ビニルシートを作製した。
【0061】(評価結果)上記で得られた軟質塩化ビニ
ルシートの熱安定化効果等を評価した結果、本発明によ
る樹脂用保温剤は、熱安定持続時間の黒色分解に達する
時間が90乃至110分であり、又シ−トの透明性(透
過率%)も89〜90%であって、本保温剤を軟質塩化
ビニルに添加した場合には優れた熱安定効果と優れた透
明保持効果を発揮することがわかった。
【0062】(4−2:ポリプロピレン樹脂による評
価)本発明の樹脂用安定剤によるポリプロピレンの黄化
防止効果及び防錆効果等を確認するために、以下の配
合、成形等の手法によりポリプロピレンシートを作製
し、評価試験を行った。 (配合組成) ハロゲン残留触媒残渣を含むポリプロピレン樹脂 100重量部 試料 0.3重量部 ビスフェノールA 0.1重量部
【0063】(成形方法)上記配合組成物を押出機を用
いて260℃でペレットにし、この試料ペレットを厚さ
1mm、たて、よこ、100mm×100mmのステン
レス鋼板製の金枠にいれ、写真用厚手のフェロタイプ板
と2mm厚のアルミニウム板の重ね合わせではさみ、2
30±3℃で30分間プレスした後、30±5℃の冷却
プレスに移し、成形投影面当たり約50kg/cm2
圧力下で冷却し、金型が40℃以下になった後、厚さ1
mmのポリプロピレンシートを取り出した。
【0064】(評価結果)得られたポリプロピレンシー
トを評価した結果、このシートは、耐黄化試験において
黄色度(N値)が12であり、耐黄化性に優れており、
また黙視観察によるシ−トの分散性も極めて良好であっ
た。
【0065】(4−3:エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂(EVA)に対する保温効果)本発明による樹脂用
保温剤をEVAに添加した場合の保温性効果について説
明する。 (配合組成) EVA(酢酸ビニル含有量15%、MI=1.5) 100重量部 紫外線吸収剤 0.1重量部 抗酸化剤 0.1重量部 保温剤 5重量部 (成形方法)上記原料をヘンシェルミキサ−で撹拌混練
し、得られた混練物を2軸押出機に供給して加工温度1
50℃でペレットにし、次いでインフレ−ション成形を
行ない、幅250mm、厚さ100μmのフイルムを得
た。 (評価結果)このフイルムを用いて保温性等を評価し、
その結果を表3に示した。
【0066】
【表3】
【0067】フイルムの透明性及び本保温剤の赤外線吸
収スペクル図から想定されるごとく、表3から明かなよ
うに従来の樹脂保温剤(H−1)と比べても、その保温
効果が良好であると言える。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、ド−ソナイト型結晶構
造を有する塩基性炭酸アルミニウム複塩(DOS)を塩
素含有重合体やポリオレフィン系樹脂に使用することに
より、優れた塩化水素捕捉性能が発現され、塩素含有重
合体やポリオレフィン系樹脂の熱安定性を顕著に向上さ
せる事が出来る。また、このDOSは従来より樹脂用保
温剤として使用されているハイドロタルサイトに比して
樹脂に使用した際に透明性に優れ、しかも広範な赤外線
スペクトル吸収特性を示すことから極めて保温性に優れ
た樹脂フイルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られたDOSのCu−K
α線によるX線回折スペクトルである。
【図2】本発明の実施例1で得られたDOSの示差熱分
析曲線である。
【図3】本発明の実施例1で得られたDOSの赤外線吸
収スペクトル図である。
【図4】比較例1で得たハイドロタルサイトの赤外線吸
収スペクトル図である。
【図5】本発明の実施例3で得られたDOSの粒子構造
を示す200倍の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の実施例3で得られたDOSの粒子構造
を示す5000倍の走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/26 C08K 3/26 C08L 101/00 C08L 101/00 C09C 1/40 C09C 1/40 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 5/00 101 A01G 9/14 A01G 13/02 C01F 7/00 C08K 3/26 C08L 101/00 WPI/L(QUESTEL)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1): mAl・(n/p)M2/PO・X・HO …(1) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機または有機のアニオ
    ンであり、 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、 mは0.3乃至1の数であり、 nは0.3乃至2の数であり、 kは0.5乃至4の数であり、 pは金属Mの価数である、 で表される組成を有し、且つCu−Kαを用いたX線回
    折において、面間隔(オングストローム)が5.7、3.3
    8、3.02、2.78、2.61、2.5、2.15、1.99、
    1.73及び1.69の位置にピークを有するドーソナイト
    型結晶構造を有する塩基性炭酸アルミニウム複塩から成
    ることを特徴とする保温剤。
  2. 【請求項2】 前記式(1)において、Mがナトリウム
    であり、Xが炭酸根である請求項1記載の保温剤。
  3. 【請求項3】 前記塩基性炭酸アルミニウム複塩が、熱
    重量分析において、300℃以下の温度において実質上
    重量減少を有しないものである請求項1または2に記載
    の保温剤。
  4. 【請求項4】 前記塩基性炭酸アルミニウム複塩が、繊
    維形状を有するものである請求項1乃至3の何れかに記
    載の保温剤。
  5. 【請求項5】 繊維径が0.01乃至1μmの範囲にあ
    り、且つアスペクト比が2乃至100の範囲にある請求
    項4記載の保温剤。
  6. 【請求項6】 前記塩基性炭酸アルミニウム複塩の表面
    が、10重量%以下の表面処理剤で処理されている請求
    項1乃至5の何れかに記載の保温剤。
  7. 【請求項7】 表面処理剤が、シラン系、アルミニウム
    系、チタン系或いはジルコニウム系のカップリング剤で
    ある請求項6記載の保温剤。
  8. 【請求項8】 表面処理剤が、脂肪酸、樹脂酸、金属石
    鹸、樹脂酸石鹸、ワックス類、或いは樹脂である請求項
    6記載の保温剤。
  9. 【請求項9】 表面処理剤が、微粉末非晶質シリカであ
    る請求項6記載の保温剤。
  10. 【請求項10】 表面処理剤が、界面活性剤である請求
    項6記載の保温剤。
  11. 【請求項11】 100重量部の熱可塑性樹脂と、0.
    1乃至20重量部の請求項1記載の保温剤とを含有する
    ことを特徴とする保温性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の樹脂組成物から成る
    農業用フィルム。
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