JP3434634B2 - 樹脂用配合剤及び樹脂組成物 - Google Patents

樹脂用配合剤及び樹脂組成物

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JP3434634B2 JP30798295A JP30798295A JP3434634B2 JP 3434634 B2 JP3434634 B2 JP 3434634B2 JP 30798295 A JP30798295 A JP 30798295A JP 30798295 A JP30798295 A JP 30798295A JP 3434634 B2 JP3434634 B2 JP 3434634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、新規なリチウムア
ルミニウム複合酸化物塩(以下LAOSと呼ぶことがあ
る)から成る樹脂用配合剤に関するもので、より詳細に
は、塩素含有重合体やハロゲン含有触媒残渣を含むオレ
フィン系樹脂の熱安定化作用等に優れた安定剤等として
有用な樹脂用配合剤及び樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル重合体の如き塩素含有重合体
は、加熱成形加工或いはその後の熱履歴において、脱塩
化水素等の熱分解反応により着色し或いは機械的性質の
低下を生じ易く、これを防止するための安定剤の配合が
一般に必要となる。
【0003】また、チーグラー型触媒を用いて製造され
るオレフィン系樹脂中には、ハロゲン含有触媒残渣が含
まれており、この残渣が加熱成形加工時にやはり塩化水
素を発生せしめて成形加工機に錆を生じさせたり、黄変
等の樹脂の劣化を招く事があり、これを防止するために
塩化水素を捕捉する安定剤を配合する事が広く行われて
いる。
【0004】この様な安定剤として、ハイドロタルサイ
トを使用する事は古くから知られており、例えば特開昭
55−80445号公報には、ハイドロタルサイトを含
ハロゲン樹脂の安定剤として用いることが記載されてお
り、また特公昭58−36012号公報には、含ハロゲ
ン樹脂にβ−ジケトン化合物と式(2)、 Mg1-x ・Alx (OH)2 ・AX/2 ・mH2 O ‥‥(2) 式中、Xは0<X≦0.5なる数を示し、AはCO3 2-
またはSO4 2-を示し、mは正の数を示す。のハイドロ
タルサイト類を配合することが示されている。
【0005】更に、特公昭59−30737号公報に
は、チーグラー型触媒を用いて製造されたハロゲン含有
触媒残渣を含むポリオレフィンに、一般式(3) MX Aly (OH)2x+3y-2z(A)Z ・aH2 O ‥‥(3) 式中MはMg,Ca,Zn,AはCO3 またはHP
4 ,x,y,zは正数、aはゼロまたは正数、で示さ
れる複合化物を少なくとも0.01重量%配合する事が
示されている。
【0006】出願人の提案にかかる特公平7−2858
号公報には、下記式(4) [Al2 Li(OH)6 n X・mH2 O ‥‥(4) 式中Xは無機または有機のアニオンであり、nはアニオ
ンXの価数であり、mは3以下の数である、で表される
リチウムアルミニウム複合水酸化物塩(以下LAHSと
も呼ぶ)から成る樹脂配合剤が記載されており、アニオ
ンとしては炭酸根が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LAH
Sは、塩素や塩化水素の捕捉性には優れており、更に赤
外線吸収性等にも優れているものの、樹脂に配合したと
き樹脂の加工温度で発泡を生じる傾向があり、その解決
が望まれている。
【0008】従って、本発明の目的は、新規なリチウム
アルミニウム複合酸化物塩から成る樹脂用配合剤を提供
するにある。本発明の他の目的は、樹脂に配合したと
き、樹脂の加工温度でも熱的に安定であり、樹脂の発泡
現象等が抑制され、しかも樹脂の安定化作用及び赤外線
吸収作用等に優れた樹脂用配合剤を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(1)、 Li2 Aln (OH)m (CO3 )p Oq ‥‥(1) 式中、n、m、p及びqは、2+3n−m−2p−2q
=0であるという条件下に、nは3.8〜4.2、mは
0〜10、pは0〜0.5及びqは0.5〜7.3の数
である、で表される組成を有し且つX線回折学的に非晶
質であるか或いはギブサイト型微結晶を有するリチウム
アルミニウム複合酸化物塩から成ることを特徴とする樹
脂配合剤が提供される。
【0010】本発明によればまた、熱可塑性樹脂と、熱
可塑性樹脂100重量部当たり0.01乃至10重量部
の上記リチウムアルミニウム複合酸化物塩から成ること
を特徴とする樹脂組成物が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で樹脂配合剤として使用す
るリチウムアルミニウム複合酸化物塩(LAOS)は、
前記一般式(1)で表される化学組成を有すること、及
びX線回折学的に非晶質であるか或いはギブサイト型微
結晶を有することが顕著な特徴である。
【0012】このリチウムアルミニウム複合酸化物塩
(LAOS)は、金属成分として、リチウムとアルミニ
ウムとがほぼ1対2の原子で存在し、これらに水酸基と
炭酸根とが結合している点では、リチウムアルミニウム
複合水酸化物塩(LAHS)と共通するところがある
が、LAHSでは、水酸基の結合モル数が約12及び炭
酸根の結合モル数が約1であるの対して、本発明で用い
るLAOSでは、水酸基の結合モル数(m)が0〜1
0、特に3〜9、また炭酸根の結合モル数(p)が0〜
0.5、特に0〜0.2と、LAHSに比して小さい値
となっており、代わりに酸素の結合モル数(q)が増大
している。
【0013】図1は本発明に用いるリチウムアルミニウ
ム複合酸化物塩(LAOS)の熱重量分析曲線であり、
図2はこれと対比されるリチウムアルミニウム複合水酸
化物塩(LAHS)の熱重量分析曲線であるが、LAO
Sでは、脱水と一部の脱炭酸が生じていることを示して
いる。
【0014】一方、図3は、リチウムアルミニウム複合
水酸化物塩(LAHS)及びこのLAHSを種々の温度
で熱処理したもののX線回折像を示しているが、本発明
の範囲のリチウムアルミニウム複合酸化物塩(焼成温度
400乃至550℃に対応)では、LAHSのX線回折
ピークが消失していると共に、実質上非晶質となってい
るか、或いはギブサイト型微結晶のX線回折像を示して
いることが明らかである。
【0015】本発明によれば、リチウムアルミニウム複
合酸化物塩(LAOS)を樹脂の配合剤として使用する
ことにより、樹脂の加工時における配合剤自体の熱安定
性を向上させ、樹脂の加工が比較的高温で行われる場合
にも、樹脂の発泡傾向を顕著に抑制することができる。
更に、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩(LAH
S)が本来有する樹脂配合剤としての作用、即ち熱安定
化作用等を一層向上させることができる。
【0016】後述する表1(実施例1,2,3)を参照
されたい。即ち、LAHSを塩素含有重合体に配合した
場合(比較例2,3)には、塩素含有重合体の発泡傾向
が認められるのに対して、LAOSを塩素含有重合体に
配合した場合には、塩素含有重合体の発泡傾向が完全に
防止されるのである。
【0017】更に意外なことには、LAOSを塩素含有
重合体の熱安定剤として用いた場合には、LAHSを熱
安定剤として用いた場合に比して、熱安定性の持続性が
1ランク以上向上するのである。
【0018】LAOSを用いることにより、LAHSを
用いる場合に比して、樹脂配合剤として自身の安定性が
向上し、高温における樹脂の発泡傾向が抑制される理由
は、LAHSに含有されている高温揮散成分が予め除去
されていることによるものであるが、このものが空気雰
囲気下に置かれても、LAHSに再び戻る傾向が少ない
という予想外の事実も関係している。即ち、加熱により
脱水した熱処理物は、空気中での再吸湿により元の水酸
化物に戻ることが予測されるのであるが、本発明に用い
るリチウムアルミニウム複合酸化物塩(LAOS)で
は、空気中に放置しても、この戻り傾向が少なく、発泡
防止傾向が比較的長期にわたって持続されるものであ
る。
【0019】本発明に用いるリチウムアルミニウム複合
酸化物塩(LAOS)において、リチウム2原子当たり
のアルミニウムの原子数(n)は3.8〜4.2の範囲
にあるべきであり、上記範囲外では、樹脂の配合に伴う
安定化作用、赤外線吸収作用等が低下する傾向がある。
【0020】一方、水酸基の付加モル数(m)及び炭酸
根の付加モル数(p)は前述した範囲にあるべきであ
り、上記範囲を上回ると、樹脂配合剤そのものの熱安定
性が低下したり、発泡傾向が増大する傾向があり、吸湿
条件下でのLAHSへの戻り傾向も増大する傾向があ
る。一方、mの値が上記範囲を下回ると、樹脂配合剤と
しての本来の作用、例えば安定化作用等が低下し、更に
塩基度も高くなりすぎるので好ましくない。
【0021】本発明のLAOSにおける一般式(1)の
化学組成及びX線回折像は、LAHSの焼成温度400
乃至550℃に対応しており、このLAOSは、予め形
成されたLAHSを上記温度で焼成することにより得ら
れる。
【0022】温度が上記範囲を下回ると、樹脂配合剤そ
のものの熱安定性が低下したり、発泡傾向が増大する傾
向があり、吸湿条件下でのLAHSへの戻り傾向も増大
する傾向がある。一方、温度が上記範囲を上回ると、樹
脂配合剤としての本来の作用、例えば安定化作用等が低
下するので好ましくない。
【0023】本発明に用いるLAOSが、LAHSに由
来するものであることは、LAOSを水性スラリーの状
態で煮沸処理すると、LAHSに特有のX線回折像を示
すことにより確認することができる。
【0024】本発明のLAOSは、熱可塑性樹脂100
重量部に対して、0.01乃至10重量部、特に0.5
乃至3.0重量部の量で配合するのが好適である。上記
範囲よりも少ない量では、満足すべき熱安定化作用等の
効果が得られず、一方上記範囲よりも多くても、格別増
大した作用は得られず、コスト的には不利となる。
【0025】[リチウムアルミニウム複合酸化物塩]本
発明に用いるリチウムアルミニウム複合酸化物塩(LA
OS)は、前記一般式(1)で表される化学組成を有
し、X線回折学的に非晶質であるか或いはギブサイト型
微結晶を有するものである。
【0026】前記リチウムアルミニウム複合酸化物塩
は、水性スラリーの状態で5分間煮沸したとき、下記表
A 表A 面間隔d(Å) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600) のX線回折像を示すものであることが好ましい。
【0027】また、このリチウムアルミニウム複合酸化
物塩は、5%水性スラリーの状態で10.5乃至12.
5のpHを示すものであるのがよい。
【0028】本発明で好適に使用されるリチウムアルミ
ニウム複合酸化物塩は、0.1乃至10μm、特に0.
1乃至5μmの体積基準メジアン径を有するのがよく、
その嵩比重は、JIS K6721で測定した嵩比重が
0.08乃至0.3g/mlの範囲にあるものが好適で
ある。
【0029】本発明で用いるリチウムアルミニウム複合
酸化物塩は、リチウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩
を400乃至550℃で熱処理することにより得られ
る。
【0030】原料のリチウムアルミニウム複合水酸化物
炭酸塩は、下記式(5) [Al2 Li(OH)6 2 CO3 ・mH2 O ‥‥(5) 式中mは3以下の数である、で表されるものを主体とす
るものである。
【0031】また、上記炭酸塩型LAHS以外にも、ア
ニオンとして有機アニオン例えば酢酸、プロピオン酸、
アジピン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、マレ
イン酸、フマル酸、コハク酸、P−オキシ安息香酸、サ
リチル酸、ピクリン酸が、無機アニオンとして硫酸、塩
素のオキシ酸(例えば過塩素酸)、リンのオキシ酸(リ
ン酸、亜リン酸、メタリン酸)等を用いたものを400
〜550℃で焼成したLAHSも原料として使用でき
る。
【0032】この原料のX線回折像は、図3に示したも
のである。原料に用いるLAHSは、一般に六角板状の
結晶であり、粒子は明確な定形粒子形状を示し、粒子間
の凝集の程度は至って少ないものである。この粒径は特
に制限はなく、製法によっても異なるが、一般に5μm
以下、特に0.1乃至3μmの範囲内にある。
【0033】原料に用いるLAHSは、これに限定され
ないが、吸油量(JIS K−5101)が一般に30
乃至70ml/100gの範囲にあり、BET比表面積
は1乃至50m2 /gの範囲にあり、嵩比重は、0.0
8乃至0.3g/ml の範囲にある。
【0034】原料に用いる炭酸塩型のLAHSは、水溶
性リチウム塩或いは水酸化リチウムと水溶性アルミニウ
ム塩とを、水溶性炭酸塩及びアルカリの共存下に反応さ
せることにより得られる。水溶性リチウム塩としては、
塩化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、炭酸リチ
ウム等を挙げることができる。水溶性アルミニウム塩と
しては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ア
ルミニウム等を挙げることが出来る。また、水溶性炭酸
塩としては、炭酸ナトリウムが一般的に使用され、アル
カリとしては水酸化ナトリウムが一般的に使用される
が、水酸化リチウムを使用するときには勿論水酸化ナト
リウムの添加は省略してよい。これらの各成分は、Al
/Liの原子比が約2と成るように、またCO3 /Li
のモル比が0.5以上と成るように用いるのがよい。
【0035】反応に際し、全成分を添加したときのpH
が9.5乃至12、特に10乃至11.5の値となるよ
うにアルカリ剤を添加すればよく、反応温度は常温から
130℃迄の範囲が適当である。反応温度が低い場合に
は、結晶化の程度が低いので、一般に60℃以上、特に
80℃以上の温度で反応を行うのが望ましい。又オート
クレーブ等を使用して水熱合成で製造することも出来、
高温での反応では結晶化が高度に進む結果として吸油
量、比表面積が低下し、見掛比重が増大する傾向があ
る。反応時間は、一般に5乃20時間程度で充分であ
り、反応を40℃以下の低温と、80℃以上の高温とで
の二段反応で行うこともできる。生成したままの結晶
は、0.5乃至3モル程度(m)の水分を含有してい
る。
【0036】原料として好適な他のタイプのLAHS
は、ギブサイト型水酸化アルミニウムの微粒子と、炭酸
のリチウム塩、または炭酸イオン及びリチウムイオンを
形成しうるリチウム化合物と炭酸塩との組み合わせを反
応させることにより得られる。
【0037】リチウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩
(LAHS)の焼成は、前述した温度で行うことがで
き、この焼成は、固定床、移動床、流動床等のそれ自体
公知の焼成炉を用いて行うことができ、焼成時間は前述
した組成と結晶性とが達成されるものであればよく、一
般に0.5乃至3時間で十分である。
【0038】本発明に用いるリチウムアルミニウム複合
酸化物塩は、LAHSの焼成によらず、直接法で合成す
ることもできる。この直接法では、水酸化リチウムと水
酸化アルミニウムとを混合し、焼成することにより、リ
チウムアルミニウム複合酸化物塩が生成する。この混合
過程で、空気中の炭酸が混合物に結合するものと思われ
る。水酸化リチウムと水酸化アルミニウムとの混合は緊
密に行う必要性があり、これは、湿式粉砕により達成さ
れる。焼成は、400乃至550℃の温度で行うのがよ
い。直接法の場合、水酸化リチウム或いは水酸化アルミ
ニウムによる不純物が若干混入する場合もあるが、熱安
定作用等には格別の悪影響はない(後述する実施例4参
照)。
【0039】得られたリチウムアルミニウム複合酸化物
塩は、そのまま樹脂配合剤として使用し得るほか、他の
無機或いは有機の助剤で処理して樹脂配合剤とすること
ができる。これらの助剤は、LAOS当たり0.5乃至
10重量%、特に1乃至5重量%の量で用いるのがよ
い。
【0040】無機系助剤としては、エアロジル、疎水処
理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグネシ
ア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム等
の金属炭酸塩、A型、P型等の合成ゼオライト及びその
酸処理物又はその金属イオン交換物から成る定形粒子を
LAOSにブレンド乃至マブシして使用することもでき
る。また、有機助剤としては、例えばステアリン酸、パ
ルミチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸、脂肪酸のカルシウ
ム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等の金属石
鹸、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリ
ング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カッ
プリング剤、各種ワックス類、未変性乃至変性の各種樹
脂(例えばロジン、石油樹脂等)等のコーテイング剤で
表面処理して、安定剤として使用することができる。
【0041】[樹脂配合剤及び樹脂組成物]本発明によ
るLAOSは、LAHSと同様に、熱可塑性樹脂に対す
る樹脂配合剤、特に塩素キャッチャー、熱安定剤、赤外
線吸収剤、アンチブロッキング剤等として有用である。
【0042】本発明によれば、熱可塑性樹脂100重量
部に対して、一般に0.01乃至10重量部のLAOS
を配合する。配合量は勿論上記範囲内で樹脂の種類や用
途に応じ適宜選定する。
【0043】本発明の一つの好適態様では、塩素含有重
合体に、該重合体100重量部当たり、0.1乃至10
重量部、特に0.5乃至1.0重量部の量で配合して用
いるのがよい。
【0044】塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素
化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合
体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソ
ブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合
体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩素化ビニル−
塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重
合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ
塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体と
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3
−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体又はエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、などのポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ
スチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例え
ば無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルな
ど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−
スチレン共重合体とのブレンド品などを挙げることがで
きる。
【0045】この場合、塩素含有重合体100重量部当
たり0.01乃至10重量部の脂肪酸亜鉛及び0.01
乃至10重量部のβ−ジケトン或いはβ−ケト酸エステ
ルを併用するのが望ましい。
【0046】脂肪酸亜鉛としては、ステアリン酸亜鉛、
パルミチン酸亜鉛、牛脂脂肪酸亜鉛等の高級脂肪酸亜鉛
が使用され、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルと
しては、従来この用途に公知のもの、例えば、1,3−
シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘ
キサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオ
ン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ス
テアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−ア
セチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサ
ノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、
ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−
メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベン
ゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイル
メタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベ
ンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウ
ロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス
(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−
3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセ
チルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベン
ゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイル
メタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビ
ス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメ
タン等を用いることが出来る。
【0047】勿論、本発明によるLAOSは、それ自体
公知の各種添加剤、例えば非金属系安定剤、有機錫系安
定剤、塩基性無機酸塩等の他の安定剤乃至は安定助剤、
可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、造核剤、エポ
キシ安定剤、等を併用することができる。
【0048】特に後述するポリプロピレンやポリエチレ
ンテレフタレートのような結晶性樹脂の成形においては
各種の造核剤を添加剤に併用され、透明性の向上や耐衝
撃性の向上、成形サイクルの短縮及び寸法安定性の向上
をもたらすものである。
【0049】また塩素含有樹脂系においては、種々の安
定剤との組合せ使用は可能であり、例えば有機錫安定剤
との組合せ使用が好適であり、有機錫化合物としては、
有機錫メルカプタイド類、有機錫サルファイド類、有機
錫メルカプタイド・サルファイド類、有機錫メルカプト
カルボキシレート類及び有機錫カルボキシレート類が包
含される。
【0050】(1)有機錫メルカプタイド類としては、
ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプタイド)、ジメチル
錫ビス(ステアリルメルカプタイド)、ジオクチル錫ビ
ス(メルカプトエチル・トール油脂脂肪酸エステル)、
ジオクチル錫ビス(2−メルカプトエチルカプリレー
ト)、ジブチル錫ビス(メルカプトエチル・トール油脂
脂肪酸エステル)、ジメチル錫ビス(メルカプトエチル
ステアレート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオ
グリコレート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシ
ルチオグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ドデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(テトラデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ヘキサデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(オクタデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(C12-16 混合ア
ルキルチオグリコレート)、ジブチル錫ビス(イソオク
チルチオグリコレート)、ジメチル錫ビス(イソオクチ
ルメルカプトプロピオネート)、ビス(2−メルカプト
カルボニルエチル)錫ビス(イソオクチルチオグリコレ
ート)、ビス(2−ブトキシカルボニルエチル)錫ビス
(ブチルチオグリコレート)等のジ有機錫メルカプタイ
ド及びモノブチル錫トリス(ラウリルメルカプタイ
ド)、モノブチルモノクロロ錫ビス(ラウリルメルカプ
タイド)、モノオクチル錫トリス(2−メルカプトエチ
ルカプリレート)、モノブチル錫トリス(メルカプトエ
チル・トール油脂肪酸エステル)、モノメチル錫トリス
(メルカプトエチル・トール油脂肪酸エステル)、モノ
メチル錫トリス(メルカプトエチルラウレート)、モノ
メチル錫トリス(メルカプトエチルステアレート)、モ
ノメチル錫トリス(メルカプトエチルオレート)、モノ
オクチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレート)モ
ノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシルチオグリコレ
ート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコレ
ート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコレ
ート)、モノオクチル錫トリス(テトラデシルチオグリ
コレート)、モノオクチル錫トリス(ヘキサデシルチオ
グリコレート)、モノオクチル錫トリス(C12-16 混合
アルキルチオグリコレート)、モノオクチル錫トリス
(オクタデシルチオグリコレート)、モノブチル錫トリ
ス(イソオクチルチオグレコレート)、モノブチル錫ト
リス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、モノ
メチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレート)、モ
ノメチル錫トリス(テトラデシルチオグリコレート)、
2−メトキシカルボニルエチル錫トリス(イソオクチル
チオグリコレート)、2−ブトキシカルボニルエチル錫
トリス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等のモ
ノ有機錫メルカプタイドがあげられる。
【0051】(2)有機錫サルファイド類としては、メ
チルチオスタノイック酸、ブチルチオスタノイック酸、
オクチルチオスタノイック酸、ジメチル錫サルファイ
ド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイ
ド、ジシクロヘキシル錫サルファイド、モノブチル錫サ
ルファイド、オキサイド、2−メトキシカルボニルエチ
ル錫サルファイド、2−エトキシカルボニル錫サルファ
イド、2−ブトキシカルボニル錫サルファイド、2−イ
ソプロポキシカルボニルエチル錫サルファイド、ビス
(2−メトキシカルボニルエチル)錫サルファイド、ビ
ス(2−プロポキシカルボニルエチル)錫サルファイド
等があげられる。
【0052】(3)有機錫メルカプタイド・サルファイ
ド類としては、ビス〔モノブチル・ジ(イソオクトキシ
カルボニルメチレンチオ)錫〕サルファイド、ビス〔ジ
ブチルモノ(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)
錫〕サルファイド、ビス〔ビス(2−メトキシカルボニ
ルエチル)錫イソオクチルチオグリコレート〕スルファ
イド、ビス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレー
ト)ジサルファイド、ビス(メチル/ジメチル錫モノ/
ジイソオクチルチオグリコレート)ジサルファイド、ビ
ス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)トリサ
ルファイド、ビス(ブチル錫ジイソオクチルチオグリコ
レート)トリサルファイド、ビス〔メチル錫ジ(2−メ
チルカプトエチルカプリレート)サルファイド、ビス
〔メチル錫ジ(2−メルカプトエチルカプリレート)〕
ジサルファイド等があげられる。
【0053】(4)有機錫メルカプトカルボキシレート
類としては、ジブチル錫−β−メルカプトプロピオネー
ト、ジオクチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジ
ブチル錫メルカプトアセテート、ビス(2−メトキシカ
ルボニルエチル)錫チオグリコレート)錫チオグリコレ
ート、ビス(2−メトキシカルボニルエチル)錫メルカ
プトプロピオネート等があげられる。
【0054】(5)有機錫カルボキシレート類として
は、モノ又はジメチル錫、モノ又はジブチル錫、モノ又
はジオクチル錫あるいはモノ又はビス(ブトキシカルボ
ニルエチル)錫のオクトエート、ラウレート、ミリステ
ート、パルミテート、ステレート、イソステアレート等
の脂肪族一価のカルボキシレート類:マレートポリマ
ー、ブチルマレート、ベンジルマレート、オレイルマレ
ート、ステアリルマレート等のマレート;及びこれらの
混合塩あるいは塩基性塩があげられる。
【0055】可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑
剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩
素系可塑剤などがあげられる。
【0056】フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノ
ール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネ
ート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、ビ
ス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフ
ェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス
(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチル
ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イ
ソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−
第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート〕などがあげられる。
【0057】硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオ
ジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリ
ル等のジアルキルチオジプロピオンネート類及びペンタ
エリスリト−ルテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピ
オネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプ
ロピオン酸エステル類があげられる。
【0058】ホスファイト系酸化防止剤としては、例え
ば、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファ
イト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メ
チルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モ
ノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトなどがあげられる。
【0059】紫外線吸収剤としては例えば、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒド
ロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’
−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−
メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾ
リル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール類があげられる。
【0060】光安定剤としては、ヒンダードアミン系光
安定剤等が挙げられ、例えば、1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、
N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ
エチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、テトラ(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラ
カルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキ
シレートなどがあげられる。
【0061】難燃剤としては、 ・テトラブロモビスフェノールA(TBA) ・2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフ
ェニル)プロパン ・ヘキサブロモベンゼン(HBB) ・トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレー
ト(TAIC−bB) ・2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジ
ブロモ・フェニル)プ ロパン(TBA−EO) ・デカブロモジフェニルオキシド(DBDPO) ・デカブロモジフェニルエーテル(DBDE) ・1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン(PB
PE) ・N,N´−エチレンビス(テトラブロモフタルイミ
ド)(ETBP) ・1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデ
カン ・2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−〔2,3−ジ
ブロモプロポキシ〕フェニル)プロパン(TBA−B
P) ・ビス(3,5−ジブロモ−4−〔2,3−ジブロモプ
ロポキシ〕フェニル)(TBS−BP) ・ポリジブロモフェニレンオキシド ・ビス(トリブロモフェノキシ)エタン ・エチレンビス・ジブロモノルボルナンジカルボキシイ
ミド ・ジブロモエチル・ジブロモシクロヘキサン ・ジブロモネオペンチルグリコール ・2,4,6−トリブロモフェノール ・トリブロモフェニルアリルエーテル ・テトラブロモビスフェノールS ・テトラデカブロモ・ジフェノキシベンゼン ・2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジ
ブロモフェニル)プロパン ・ポリ(ペンタブロモベンジル)・アクリレート ・トリブロモスチレン ・トリブロモフェニルマレイミド ・トリブロモネオペンチル・アルコール ・テトラブロモジペンタエリスリトール ・ペンタブロモベンジルアクリレート ・ペンタブロモフェノール ・ペンタブロモトルエン ・ペンタブロモフェニルオキシド ・ヘキサブロモシクロドデカン ・ヘキサブロモジフェニルエーテル ・オクタブロモフェノールエーテル ・オクタブロモフェニルエーテル ・オクタブロモジフェニルオキシド ・ジブロモネオペンチルグリコールテトラカルボナート ・ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド ・N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン 含ハロゲンポリホスフェート 芳香族臭素化合物 臭素化エポキシ樹脂 臭素化ポリスチレン
【0062】造核剤としては、アルミニウム−p−第三
ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、ビ
ス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム
塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)ホスフェートナトリウム塩、2,2’−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート
カルシウム塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第
三ブチルフェニル)ホスフェート塩基性アルミニウム塩
などがあげられる。
【0063】エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化魚油、エポキシ化
トール油脂肪酸エステル、エポキシ化牛脂油、エポキシ
化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化アマ
ニ油脂肪酸ブチル、トリス8エポキシプロピル)イソシ
アヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキ
シプロパン、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテ
ル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペ
ンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘ
キシル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシ
レートなどがあげられる。
【0064】他の無機系安定剤としては、アルカリ土類
金属の水酸化物、酸化物、ケイ酸塩等、各種ゼオライ
ト、ハイドロタルサイト類が挙げられるが、特に好適な
ものとして、水酸化マグネシウム乃至その焼成物、酸化
マグネシウム等が挙げられる。これらのマグネシウム化
合物を併用すると、熱安定性の持続性を更に一段向上さ
せることができる。マグネシウム化合物は、LAOS当
たり0.1乃至1.0重量%の量で使用するのがよい。
(後述する実施例5参照)
【0065】本発明の他の典型的用途では、オレフィン
系樹脂に対してハロゲン系触媒残渣等による樹脂劣化を
防止する目的で配合する。本発明の配合剤は、オレフィ
ン系樹脂100重量部当たり0.01乃至10重量部の
量で用いるのがよい。オレフィン系樹脂としては、ポリ
プロピレン、低−・中−・高密度の或いは線状低密度の
ポリエチレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、
イオン架橋オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、低
密度エチレン−ブテン−1共重合体、低密度エチレン−
ヘキセン−1共重合体を挙げることが出来る。
【0066】本発明の更に別の用途では、農業用フィル
ム等の基材樹脂、或いは保温材、例えば衣類、毛布、布
団綿、断熱材繊維となる繊維形成用樹脂に対して、LA
OSを赤外線吸収剤として前述した量で配合する。これ
により、赤外線放射による温度低下を抑制することがで
きる。本発明で用いるLAOSは、LAHSに比して透
明性により優れているという利点をも与えるものであ
る。
【0067】
【実施例】本発明を次の例で説明するが、本発明は以下
の例に限定されるものではない。本発明で使用する各種
試験方法は以下によった。
【0068】(測定方法) 1.X線回折 理学電気(株)製ガウガーフレックスRAD−1Bシス
テムを用いて、CuKαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター 検出器 シンチレーションカウンター 電圧 40KVP 電流 20mA カウントフルスケール 700c/s スムージングポイント 25 走査速度 1°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1°RS0.15mmSS1° 照角 6° 2.平均粒子径 平均粒子径(メジアン径;μm)コールターカウンター
(株)製のレーザー回折方式粒子ザイズ・アナライザー
LS130粒度分布測定器により平均粒子径を求めた。 3.嵩比重 JISK−6721に準拠して測定した。 4.吸油量 JISK−5101−19に準拠して測定した。 5.熱安定性試験 表1に示す各種配合の組成物を160℃の混練ロールで
5分間混練し、厚さ1mmの均一なシートを作成した、
そのシートから試験片を作成し190℃に調製したギア
式熱老化試験機に入れ10分ごとに取り出してその着色
を目視判定し黒色分解するまでの時間を測定し熱安定性
を評価しその結果を表1に示す。評価基準は、シートの
着色度を下記の5段階に分けて示す。 1 無色 2 淡黄色 3 黄色 4 赤褐色 5 黒色 6.発泡性試験 表1に示す各種配合の組成物を160℃の混練ロールで
5分間混練し、厚さ1mmの均一なシートを作成した、
これを210℃、10分間プレスを行い、そのプレスシ
ートの発砲状態を目視で判定し、その結果を表1に示
す。発砲評価基準を示す ○ 発泡しない × 発泡する
【0069】本発明で使用するLAHSの調製方法の例
を示す。 1.LAHS調製方法−1(LAHS−1) 水酸化ナトリウム(NaOH含量が96%)25.00
gと炭酸ナトリウム(Na2CO3含量99.7%)
7.44gとを撹拌下蒸留水2リットルに加えて、これ
を40℃に加温する。次いで、この溶液にAl/Liの
モル比が2.0に成るように塩化リチウム(Li2Oと
して52.90%)4.33gと塩化アルミニウム(A
l2O3として20.48%)49.78gを蒸留水5
00mlに加えて調製した水溶液を徐々に注下した。注
下終了後のpHは10.7であった。更に撹拌下90℃
の温度で20時間反応を行った。得られた反応懸濁液を
濾過水洗後70℃にて乾燥させ、次いで小型サンプルミ
ルにて粉砕し、リチウムアルミニウム複合酸化物塩LA
HS粉末を得た。それを試料LAHS−1とし、物性を
表1に示した。
【0070】2.LAHS調製方法−2(LAHS−
2) 10リットルのステンレス容器内の3.5リットルイオ
ン交換水中に、平均粒径1.4μmのギブサイト型水酸
化アルミニウム(昭和電工(株)製、ハイジライトH−
42)617.5gと炭酸リチウム148.6gを加
え、撹拌下に90℃に昇温させ、4時間反応させた。得
られたLAHCの固形分濃度は16%(以後断りのない
限り重量%で示す)で、反応終了pHは10.5であっ
た。次いで撹拌加温下にステアリン酸ナトリウム18.
2gを加え、2時間の表面処理を行い、濾過後、110
℃で乾燥させ、さらに粉砕分級させて617gのLAH
S粉末を得た。それを試料LAHS−2とし、物性を表
1に示した。
【0071】(実施例1)試料LAHS−1を400℃
で1時間焼成した物を試料LAOS−3とし、下記の配
合でポリ塩化ビニル100重量部に対して該試料を1.
0重量部配合させて塩化ビニルシートを作成し、評価試
験を行った。その結果を表1及び表2に示す。また、L
AOS−3を5%スラリーとした後、煮沸し、濾過乾燥
した物は容易にLAHSに戻った、その結果を図4に示
す。 (配合) 塩化ビニル樹脂(重合度:800) 100重量部 ジ−n−オクチル錫ビス 1.0 (イソオクチルチオグリコレート) ステアリン酸カルシウム 0.5 ポリエチレンワックス 0.8 試料 1.0
【0072】(実施例2)試料LAHS−1を550℃
で1時間焼成した物を試料LAOS−4とし、実施例1
と同様に評価試験を行った。その結果を表1及び表2に
示す。また、実施例1と同様にLAOS−4の5%スラ
リーを煮沸した場合については容易にLAHSに戻っ
た、その結果を図4に示す。
【0073】(実施例3)試料LAHS−2を500℃
で焼成した物を試料LAOS−5とし、実施例1と同様
に評価試験を行った。その結果を表1及び表2に示す。
また、実施例1と同様にLAOS−5の5%スラリーを
煮沸した場合については容易にLAHSに戻った、その
結果を図4に示す。
【0074】(実施例4)Li/Alモル比0.5にな
るよう水酸化リチウム・1水塩42gと無水水酸化アル
ミニウム(昭和電工製:ハイジライトH−42)156
gを混合し、その後500℃で1時間焼成した、それを
試料LAOS−6とし実施例1と同様に評価試験を行っ
た。その結果を表1及び表2に示す。
【0075】(実施例5)実施例1の配合に、酸化マグ
ネシウム0.5部を配合し、実施例1と同様に評価試験
を行った。その結果を表2に示す。
【0076】(比較例1〜3)LAHSを配合しない場
合、試料LAHS−1及び試料LAHS−2を配合した
場合について、実施例1と同様に評価試験を行った。そ
の結果を表1及び表2に示す。
【0077】(比較例4〜5)試料LAHS−1を20
0℃で焼成した物を試料LAOS−1とし、600℃で
焼成した物を試料LAOS−2とし、実施例1と同様に
評価試験を行った。その結果を表1及び表2に示す。ま
た、実施例1と同様にLAOS−2の5%スラリーを煮
沸した場合については一部LAHSに戻るが、焼成時に
生成した酸化物や塩類が残った、その結果を図4に示
す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】 (注釈1)安定剤としては、ジ−n−オクチル錫ビス
(イソオクチルチオグリコレート)を使用した。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、新規リチウムアルミニ
ウム複合酸化物塩(LAOS)から成る樹脂配合剤が提
供される。この樹脂配合剤は、樹脂に配合したとき、樹
脂の加工温度でも熱的に安定であり、樹脂の発泡現象等
が抑制され、しかも樹脂の安定化作用及び赤外線吸収作
用等に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるリチウムアルミニウム複合酸化
物塩(LAOS)の熱重量分析曲線である。
【図2】これと対比されるリチウムアルミニウム複合水
酸化物塩(LAHS)の熱重量分析曲線である。
【図3】リチウムアルミニウム複合水酸化物塩(LAH
S)及びこのLAHSを種々の温度で熱処理したものの
X線回折像である。
【図4】LAOSのスラリー状態(5%スラリー)を5
分間煮沸し、濾過、乾燥後のX線回折像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 誠一 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−179052(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)、 Li2 Aln (OH)m (CO3 )p Oq ‥‥(1) 式中、n、m、p及びqは、2+3n−m−2p−2q
    =0であるという条件下に、nは3.8〜4.2、mは
    0〜10、pは0〜0.5及びqは0.5〜7.3の数
    である、で表される組成を有し且つX線回折学的に非晶
    質であるか或いはギブサイト型微結晶を有するリチウム
    アルミニウム複合酸化物塩から成ることを特徴とする樹
    脂配合剤。
  2. 【請求項2】 前記リチウムアルミニウム複合酸化物塩
    は、水性スラリーの状態で5分間煮沸したとき、下記 面間隔d(Å) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600) のX線回折像を示すものであることを特徴とする請求項
    1記載の樹脂配合剤。
  3. 【請求項3】 前記リチウムアルミニウム複合酸化物塩
    は、5%水性スラリーの状態で10.5乃至12.5の
    pHを示すものであることを特徴とする請求項1記載の
    樹脂配合剤。
  4. 【請求項4】 前記リチウムアルミニウム複合酸化物塩
    は0.1乃至10μmの体積基準メジアン径を有するも
    のである請求項1記載の樹脂配合剤。
  5. 【請求項5】 前記リチウムアルミニウム複合酸化物塩
    は、リチウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩を400
    乃至550℃で熱処理することにより得られたものであ
    る請求項1記載の樹脂配合剤。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂100重量
    部当たり0.01乃至10重量部の一般式(1)、 Li2 Aln (OH)m (CO3 )p Oq ‥‥(1) 式中、n、m、p及びqは、2+3n−m−2p−2q
    =0であるという条件下に、nは3.8〜4.2、mは
    0〜10、pは0〜0.5及びqは0.5〜7.3の数
    である、で表される組成を有し且つX線回折学的に非晶
    質であるか或いはギブサイト型微結晶を有するリチウム
    アルミニウム複合酸化物塩とから成ることを特徴とする
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂が含塩素触媒残査を含有す
    るオレフィン系樹脂である請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂が塩素含有重合体である請
    求項6記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 アルキルメルカプト錫系安定剤を0.1
    乃至30重量部、高級脂肪酸カルシウム0.1乃至3.
    0重量部及び滑剤0.3乃至5.0重量部更に配合して
    成る請求項8記載の樹脂組成物。
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JP4490706B2 (ja) * 2004-03-09 2010-06-30 三菱樹脂株式会社 難燃性塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形体
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