JP4610110B2 - ホウ酸亜鉛及びその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、新規なホウ酸亜鉛及びその用途に関するもので、より詳細には特定の結晶子サイズを有し、且つナトリウム分の含有量が著しく低減された新規なホウ酸亜鉛に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、樹脂成形品が各種用途に広く使用されるに至っており、これらの樹脂に難燃性の付与が要求されている。更に、建材などの樹脂成形品には、万が一火災が発生した際に、避難の妨げとなる煙の発生抑制が要求されている。
【0003】
ホウ酸亜鉛が優れた難燃性を示すことは古くから知られており、例えば、特公昭56−67363号公報には、ホウ酸亜鉛と、Al2O3、SiO2 、Sb2O3 、ZnOまたはZrO2の金属酸化物とを配合することが記載されている。
【0004】
出願人の提案にかかる特開昭63−137988号公報には、ホウ酸亜鉛粒子の表面を、全体当たり1乃至40重量%のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物または塩基性炭酸塩で処理した組成物から成ることを特徴とする難燃剤組成物が記載されている。
【0005】
ホウ酸亜鉛の製法も古くから知られており、例えば特公昭46−20902号公報の比較例1には、5水和ボラックス及びホウ酸の組み合わせと亜鉛酸化物とを硫酸水溶液中で混合し、ホウ酸亜鉛の種結晶を加えることにより、式
2ZnO・3B2O3・9H2O
を製造することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、公知のホウ酸亜鉛は、微細な一次粒子がランダムにしかも密に凝集した比較的大径の不定形粒子であり、樹脂中への分散性が悪く、また配合樹脂成形品の表面に艶がなく、外観特性、商品価値に劣るという欠点を有している。
【0007】
また、公知のホウ酸亜鉛はナトリウム塩類を含有する水性媒体中で合成されており、従ってナトリウム分を不純物としてかなり多量に含有している。このようなホウ酸亜鉛を電気・電子部品用のプラスチック成形品に難燃化の目的で配合すると、湿度の影響などにより長期間の使用中に絶縁不良や絶縁破壊などの電気特性の低下のトラブルを発生する恐れがある。
【0008】
従って、本発明の目的は、特定の結晶子サイズを有し且つナトリウム分の含有量が著しく低減されたホウ酸亜鉛を提供するにある。
本発明の他の目的は、樹脂中への分散性に優れておりしかも配合樹脂の表面の平滑性や艶、更には外観特性を顕著に向上させることが可能であり、しかも難燃剤や煙抑制剤として配合した樹脂の電気的特性を優れたレベルに維持することが可能なホウ酸亜鉛を提供するにある。
【0009】
本発明によれば、下記式(1)
2ZnO・mB2O3・xH2O‥(1)
式中、mは2.8乃至3.2の数であり、xは4以下の数である、
で表される化学的組成を有するホウ酸亜鉛であって、X線回折(Cu−kα)における面指数(020)、(101)及び(200)の回折ピークから求めた結晶子サイズの積が200,000nm3以上であり、且つ面指数(101)の回折ピークから求めた結晶子サイズは、40.0nm以上、60nm未満であり、原子吸光法で測定したナトリウム分の含有量が100ppm以下であることを特徴とするホウ酸亜鉛が提供される。
本発明によるホウ酸亜鉛は、走査型電子顕微鏡写真で測定して個々の粒子が独立した菱状六面体から成り且つ該粒子の一辺の長さが0.3乃至7.0μmの範囲にあることが好ましい。
また、本発明のホウ酸亜鉛では、レーザ回折法で求めた体積基準メジアン径が1.0乃至6.0μmの範囲にあることが好ましい。
本発明によればまた、上記ホウ酸亜鉛から成ることを特徴とする難燃剤乃至難燃助剤、煙抑制剤、抗菌剤、水ガラス硬化剤が提供される。
【0010】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明のホウ酸亜鉛は、下記式(1)
2ZnO・mB2O3・xH2O‥(1)
式中、mは2.8乃至3.2の数であり、xは4以下の数である、
で表される化学的組成を有する。
ホウ酸亜鉛には、
ZnO・B2O3・1〜2H2O、
2ZnO・3B2O3・3〜9H2O、
3ZnO・5B2O3・14H2O、
ZnO・5B2O3・4.5H2O、
6ZnO・5B2O3・3H2O、
などの各種のものが知られているが、本発明が対象とするホウ酸亜鉛は難燃性に最も優れた2・3型のものである(以下、この2・3型のものを単にホウ酸亜鉛と呼ぶ)。
本発明のホウ酸亜鉛は、従来の2・3型ホウ酸亜鉛と同様のX線回折像を示す。
【0011】
添付図面の図1は、本発明によるホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−κα)を示し、下記表1はこの回折像の面間隔及び面指数と相対強度との関係を示すものである。
【0012】
【表1】
【0013】
結晶のX線回折では、下記のBraggの式(2)
nλ=2dhkl Sinθ ‥‥(2)
式中、nは次数であり、
λはX線の波長であり、
dhkl は結晶の(hkl)の面間隔であり、
θは回折角である、
を満足するとき、干渉に強度ピークが現れることが知られており、この干渉ピークの鋭さと結晶の大きさとの間にも、下記のScherrerの式(3)
Lhkl =Kλ/(Hcosθ)‥(3)
式中、Lhkl は結晶の(hkl)面に垂直な方向の寸法、
Kは約0.9の定数、
Hは干渉ピークの半価幅(ラジアン)、
λ及びθは前記式(2)と同一である、
で表される関係がある。
【0014】
本発明によるホウ酸亜鉛では、X線回折(Cu−kα)における面指数(101)の回折ピークから求めた結晶子サイズは、40.0nm以上、60.0未満であり、面指数(020)、(101)及び(200)の回折ピークから求めた結晶子サイズの積が200,000nm3以上であり、例えば面指数(020)及び(200)の回折ピークから求めた結晶子サイズが何れも40.0nm以上であり、従来の公知のホウ酸亜鉛に比して結晶子サイズが拡大しているという特徴を有している。
【0015】
本発明によるホウ酸亜鉛と市販のA社製のホウ酸亜鉛とについて、上記面指数の半価幅と結晶子サイズとを対比して示すと次の表2の通りとなる。
【表2】
【0016】
本発明によるホウ酸亜鉛では、面指数(020)、(101)及び(200)の回折ピークから求めた結晶子サイズの積が200,000nm3以上、特に250,000nm3以上であるという特徴がある。
上記表2に示したホウ酸亜鉛について、結晶子サイズの積を求めると、この積はA社製のホウ酸亜鉛(後述の比較例3)では141,062nm3であるのに対して、本発明によるホウ酸亜鉛(後述の実施例1)では390,947nm3であり、結晶子の体積が2倍以上になっているという事実が明らかとなる。
【0017】
この結晶子のサイズは、ホウ酸亜鉛粒子の定形粒子構造に極めて望ましい影響を与えていると信じられる。
本発明によるホウ酸亜鉛は、走査型電子顕微鏡写真で測定して個々の粒子が独立した菱状六面体から成り且つ該粒子の一辺の長さが0.3乃至7.0μmの範囲にあるという特徴を有している。
【0018】
添付図面の図2は、本発明のホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真であり、図16は市販のA社製ホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【0019】
これらの写真を参照すると、公知のホウ酸亜鉛は、微細な一次粒子がランダムにしかも密に凝集した比較的大径の不定形粒子構造を有するのに対して、本発明によるホウ酸亜鉛は、個々の粒子が独立した菱状六面体から成る定形粒子構造を有するという驚くべき事実が明らかとなる。
【0020】
更に、本発明によるホウ酸亜鉛は、菱状六面体の一辺の長さが0.3乃至7.0μm、特に0.3乃至3.0μmの範囲に抑制されており、粒径が小径に抑制されていると共に、粒径の均一性にも優れていることが分かる。
【0021】
本発明によるホウ酸亜鉛は、前記結晶子サイズと実際の粒子サイズとが大きく異なることから、いわゆる多結晶質に属することは明らかであるが、本発明による多結晶ホウ酸亜鉛では、ホウ酸亜鉛結晶子の配列に極めて高い規則性があることが理解されねばならない。
【0022】
添付図面の図2は、本発明によるホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5,000倍)である。
ホウ酸亜鉛は、前述したX線回折像から明らかなとおり、単斜晶系に属する結晶であるが、図2のホウ酸亜鉛粒子はこの単斜晶系そのままの菱状六面体の構造を明確に有しており、外観上結晶の集合体とは判別のできない単結晶と全く同様の構造を有している。
【0023】
本発明のホウ酸亜鉛は、上記の結晶構造及び粒子構造を有するため、次の利点を有する。即ち、従来のホウ酸亜鉛は、樹脂中への分散性が悪く、また配合樹脂成形品の表面に艶がなく、外観特性、商品価値に劣るという欠点を有しているのに対して、本発明のホウ酸亜鉛は、上記の結晶構造及び粒子構造により、樹脂中への分散性に優れておりしかも配合樹脂成形品の表面の平滑性や艶、更には外観特性を顕著に向上させることが可能であるという利点を与える。
更に、本発明によるホウ酸亜鉛は、上記の結晶構造及び粒子構造に関連して、ホウ酸亜鉛本来の難燃性付与、煙抑制などの作用にも優れているという利点を与える。
【0024】
本発明のホウ酸亜鉛は、その製造法にも関連して、原子吸光法で測定したナトリウム分の含有量が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下であるという特徴を有している。
例えば、前述したA社製のホウ酸亜鉛(比較例3)のナトリウム含有量は348ppmであるのに対して、図2に示した粒子構造のホウ酸亜鉛(実施例1)ではナトリウム含有量が20ppmであり、ナトリウム含有量が1/15以下に抑制されている。
【0025】
ホウ酸亜鉛を配合した樹脂組成物の電気的特性の劣化は、温水浸漬による促進試験により評価することができる。例えば、後述する実施例の促進試験において、前述したA社製のホウ酸亜鉛を10部配合した樹脂組成物では、体積固有抵抗値(80℃)が4.06×1013Ω・cm であるのに対して(比較例5)、本発明によるホウ酸亜鉛を10部配合したものではこの体積固有抵抗値(80℃)が8.13×1013Ω・cm であり(実施例6)、ホウ酸亜鉛配合樹脂組成物の電気特性を優れたレベルに維持しながら、難燃性付与、及び制煙性付与を行いうることが明らかである。
【0026】
本発明のホウ酸亜鉛は、亜鉛華とホウ酸とを、実質上化学量論的量比で、相対的に低い温度、例えば40乃至75℃の温度で反応させてホウ酸亜鉛の微結晶体を製造し、必要により熟成を行った後、反応系を相対的に高温、例えば70乃至120℃の温度に維持して結晶成長させることにより製造することができる。
【0027】
かかる製造方法において、ナトリウム等の電気的特性を低下させる成分の混入を可及的に回避するため、合成原料として亜鉛華とホウ酸とを選択する。これらの原料から前述した結晶構造及び粒子構造のホウ酸亜鉛を合成するためには、これらの両原料を実質上化学量論的量比で反応させることも重要である。
【0028】
本発明においては、反応を二段階で行うことも重要であり、まず最初に低い温度で両者を反応させ、ホウ酸亜鉛の微結晶体を製造する。合成に際して、ホウ酸亜鉛の微結晶体の生成は、反応系の粘度が上昇することにより容易に確認できる。
次いで、この反応系を、必要により第1段目の反応温度或いはそれよりも若干高い温度に維持して生成する微結晶体の熟成を行った後、反応系を一段目の反応温度より高い温度に維持して結晶成長を行う。また、1段目の反応において、ホウ酸亜鉛の種結晶をホウ酸のB2O3分100重量部当たり0.5乃至10重量部添加して反応することもでき、種結晶添加で反応時間を短縮することができる。
具体的には、種結晶の存在しない場合は、1段目の反応温度を40乃至75℃、好ましくは、45乃至70℃で行い、2段目の反応温度は、70乃至120℃、好ましくは、75乃至110℃で行うのが良い。また、種結晶存在下では、1段目の反応温度を45乃至70℃、好ましくは、50乃至70℃で行い、2段目の反応温度は、75乃至120℃、好ましくは、75乃至110℃で行うのが良い。
本発明では、このように二段の反応を行うことにより、前述した結晶構造及び粒子構造のホウ酸亜鉛を製造することができる。
【0029】
本発明によるホウ酸亜鉛は、難燃剤乃至難燃助剤、煙抑制剤、抗菌剤、水ガラス硬化剤等として有用である。
これらの用途の内でも、本発明のホウ酸亜鉛は、上記各剤の特性を発現させるための樹脂配合剤として有用である。
用いる樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂、エラストマー、熱硬化性樹脂或いはこれらのブレンド物などが挙げられ、本発明によるホウ酸亜鉛は、樹脂100重量部当たり1乃至150重量部、特に3乃至100重量部の量で用いることができる。ホウ酸亜鉛が、難燃効果に優れているのは、▲1▼熱分解による脱水吸熱反応が燃焼温度を下げる。▲2▼亜鉛が脱ハロゲン化反応の触媒として働き、炭化層の形成を促進し、煙の発生を抑える等がある。
【0030】
熱可塑性樹脂としては、メタロセン触媒を用いて合成した樹脂は勿論のこと、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂でもよい。特に、本発明のホウ酸亜鉛は、塩素含有重合体に配合した場合に効果が大であり、かかる塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体とポリエチレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブレンド品を挙げることが出来る。
【0031】
エラストマー重合体としては、例えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0032】
一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は単独でも2種以上の組合せでも使用される。特にエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えばビフェニル型エポキシ化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ化合物、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ化合物等が挙げられ、単独でも混合して用いることもできる。
【0033】
本発明のホウ酸亜鉛は、原子吸光法で測定したナトリウム分の含有量が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下であるという特徴を有しており、半導体封止用エポキシ樹脂に最適である。エポキシ樹脂を用いる場合は、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂が好ましく、更に硬化促進剤は、例えば1,8-ジアザビシクロウンデセン、トリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
【0034】
更に、本発明のホウ酸亜鉛は、難燃剤成分として単独又は、他の難燃剤である水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類化合物、亜鉛変性ハイドロタルサイト類似化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩、多塩基性アルミニウムマグネシウム塩、亜鉛変性多塩基性アルミニウムマグネシウム塩、ドーソナイト、多価アルコール、多価アルコール部分エステル、エポキシ化合物等から選ばれる1種以上を組合わせて樹脂に配合する事が出来る。又、ホウ酸亜鉛より硬度の小さいものは、これらの難燃剤を用いて摩砕条件下で、本発明のホウ酸亜鉛の表面を被覆処理して使用してもよい。その場合、ホウ酸亜鉛100重量部あたり0.5乃至50重量部、好ましくは0.5乃至30重量部配合もしくは被覆することが好ましい。
例えば、アルカリ土類金属化合物を使用した摩砕条件下での混合とは、アルカリ土類金属化合物がホウ酸亜鉛粒子で摩砕され、この摩砕により生成するアルカリ土類金属化合物の微粒子でホウ酸亜鉛粒子がまぶされるような混合を意味する。この摩砕混合では、ホウ酸亜鉛粒子がアルカリ土類金属化合物に比して著しく硬く、従ってホウ酸亜鉛粒子がアルカリ土類金属化合物に対する一種の粉砕媒体として作用していることが了解される。
摩砕混合に使用する装置としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、チューブミル、ボールミル、振動ミル、ピンミル、擂潰機、アトマイザー等挙げることができる。
【0035】
[ハイドロタルサイト]
ハイドロタルサイトは、炭酸アルミニウムマグネシウム水酸化物に属する合成鉱物であり、一般式(4)
M2 xM3 y(OH)2x+3y−2z(A2−)z・aH2O‥(4)
式中、M2はMg等の2価金属イオンであり、
M3は、Al等の3価金属イオンであり、
A2−は、CO3等の2価アニオンであり、
x,y及びzは、8≧x/y ≧1/4 およびz/x+y>1/20
を満足する正数であり、
aは、0.25≦a/x+y ≦1.0 を満足する数である。
を有する複合金属水酸化物が使用される。
【0036】
これらの複合金属水酸化物の内、下記式(5)
Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O‥(5)
で表わされる化合物は、ハイドロタルサイトとして知られる天然鉱物であり、この鉱物及び同族類は、協和化学工業株式会社の出願に係る特公昭47−32198号、特公昭48−29477号及び特公昭48−29478号公報記載の方法等により合成されるものである。
【0037】
特に下記式(6)
Mg4.5Al2(OH)13(CO3)・3H2O‥(6)
で示される化合物が塩素イオンの捕捉性能に優れていることも既に知られている。
【0038】
上記のハイドロタルサイト類が水に十分に分散された状態において容易にイオン交換されるという特性、即ち炭酸イオンが他のアニオンでイオン交換されるという性質を利用して、過ハロゲン酸素酸イオンを導入したものを用いることもできる。
【0039】
具体的なハイドロタルサイト類化合物としては、組成式として、
Mg5Al2(OH)16(CO3)・4H2O、
Mg4.5Al2(OH)13(CO3)・3.5H2O、
Mg0.66Al0.34(OH)2(CO3)0.17・0.52H2O、
Mg0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15・0.55H2O、
等で示されるもの、商品名としては、アルカマイザー1、アルカマイザー2、アルカマイザー3、アルカマイザー4、DHT−4A、キョーワード等が挙げられる。
【0040】
また、本発明で用いられる多価アルコール及び多価アルコールおよび多価アルコール部分エステルを構成する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリスイソシアヌレート、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールアジペート等を挙げることができ、好ましくは、モノペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールが使用される。
また、上記多価アルコール乃至そのエステルを単独もしくは、その中から選ばれる少なくとも1種以上を併用することもできる。
【0041】
上記以外にアンチモン、ジルコニア、モリブデンの酸化物、水酸化物、硫化物、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、ハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤等が単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。
【0042】
アンチモン系難燃剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン及びアンチモン酸ナトリウム等が好適に使用されるが、他にトリメチルスチビン、トリエチルスチビン、トリフェニルスチビン等も使用し得る。
【0043】
錫酸亜鉛乃至ヒドロキシ錫酸亜鉛系難燃剤としては、式(7)
ZnSnO3或いはZnSn(OH)6
‥(7)
で表される組成のものが使用される。
【0044】
ハロゲン系難燃剤としては、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、ヘキサクロロエタン、ヘキサブロモエタン、ジブロモテトラクロロエタン、1,2,3,4−テトラクロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、塩素化パラフィン、臭素化パラフィン、などの脂肪族ハロゲン化化合物;ペンタブロモモノクロロシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロヘキサン、ヘキサクロロシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロデカン、ヘキサクロロシクロデカン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ヘキサブロモシクロペンタジエン、クロルエンド酸、クロルエンド酸ジアリル、無水クロルエンド酸、同様の沃素化合物などの脂肪族ハロゲン化合物;ヘキサブロモベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、ペンタブロモメチルベンゼン、ペンタクロロメチルベンゼン、ヘキサブロモジフェニル、ヘキサクロロジフェニル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ヘキサクロロジフェニルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デカブロモビフェニルエーテル、デカクロロビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルオキシド、デカクロロジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルエーテル、オクタクロロジフェニルエーテル、トリブロモフェノール、トリクロロフェノール、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールAD、ジブロモジクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのジアセテート、テトラクロロビスフェノールAのジアセテート、テトラブロモ−2,2−ビス(4,4’−ジメトキシフェニル)プロパン、テトラクロロ−2,2−ビス(4,4’−ジメトキシフェニル)プロパン、テトラブロモ無水フタール酸、テトラクロロ無水フタール酸、塩素化エポキシノボラック型フェノール樹脂、臭素化エポキシノボラック型フェノール樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、同様の沃素化合物などの芳香族ハロゲン化合物を例示することができる。
【0045】
リン酸エステル系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
【0046】
ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤としては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート等が挙げられる。
【0047】
これらの難燃剤は、ホウ酸亜鉛に対して、1:20乃至20:1、特に1:10乃至10:1の重量比で組み合わせて用いると、発煙抑制の点でも、難燃性付与の点でも有効であり、火災発生に際しても、難燃性付与と発煙抑制とにより、避難や救助、消火等の活動が容易となる。
【0048】
また、樹脂として塩素含有重合体を使用した場合には、可塑剤、滑剤、主熱安定剤、補助安定剤、着色剤、耐候安定剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、強化剤、改質用樹脂乃至ゴム、塩基性無機金属塩、キレート剤、酸化防止剤、エポキシ化合物、その他補強剤乃至充填剤等のそれ自体公知の配合剤と共に、発煙抑制剤を配合するのがよい。
【0049】
可塑剤としては、塩素含有重合体用可塑剤として公知の任意のもの、例えばフタル酸エステル、トメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、リン酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル、モノ脂肪酸エステル、多価アルコールエステル、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤が使用される。
【0050】
また、滑剤としては、各種ワックス類、例えば石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、脂肪酸乃至その誘導体、動植物ワックス等が使用される。
【0051】
これら可塑剤及び滑剤の配合量は、塩素含有重合体の用途、即ち軟質配合であるか、硬質配合であるかによっても相違するが、前者の場合、樹脂100重量部当り、可塑剤は20乃至100重量部、特に30乃至80重量部の量、滑剤は0.05乃至5重量部、特に0.5乃至3重量部の量で配合するのがよく、また後者の場合、可塑剤は0乃至10重量部、特に0乃至5重量部の量、滑剤は0.1乃至5重量部、特に0.2乃至3重量部の量で配合するのがよい。
【0052】
主安定剤としては公知のもの、例えば鉛系安定剤や、非鉛系安定剤が単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。
鉛系安定剤としては、それ自体公知の任意のもの、特に三塩基性乃至四塩基性硫酸鉛、塩基性亜リン酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性マレイン酸鉛、塩基性フタル酸鉛、塩基性ステアリン酸鉛、高級脂肪酸鉛或いはこれらの2種以上の組合せが挙げられる。
【0053】
非鉛系安定剤としては、無機の非鉛系安定剤、金属石鹸系安定剤、有機錫系安定剤等が挙げられ、無機の非鉛系安定剤としては、ケイ酸アルカリ土類金属塩系安定剤、アルミノケイ酸アルカリ土類金属塩系安定剤、アルカリ土類金属または亜鉛−アルミニウム複合水酸化物炭酸塩等が使用される。
【0054】
ケイ酸アルカリ土類金属塩系安定剤の適当な例は、一般式(8)
CaO・xSiO2・nH2O‥(8)
式中、xは0.5以上の数であり、
nは2.5以下の数である、
で表される化学組成を有し且つ面間隔3.01乃至3.08オングストローム、面間隔2.78乃至2.82オングストローム及び面間隔1.81乃至1.84オングストロームにX線回折像を有する微結晶カルシウムシリケート或いはその多価アルコールとの複合物である。多価アルコールの適当な例は、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等である。
【0055】
アルミノケイ酸アルカリ土類金属塩系安定剤の適当な例は、A型、X型、Y型、L型、P型、T型(ネフェリン)等の他に、オフレタイト、エリオナイト、モルデナイト、フェリエライト、クリノプチロライト、チャバサイト、アナルサイム、ソーダライト族アルミノケイ酸塩等の各種結晶構造のものが何れも使用されるが、塩化水素捕捉能の点で、特にA型ゼオライトが好ましい。
【0056】
金属石ケン系安定剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等が単独又は2種以上の組合せで使用される。
【0057】
有機錫系安定剤としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、オルガノ錫メルカプタイド、ジ−n−オクチル錫ラウレート、ジ−n−オクチル錫マレエートポリマー、ジ−n−オクチル錫ビス2−エチルヘキシルマレエート、ジ−n−オクチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート等が使用される。
【0058】
上記安定剤は、樹脂100重量部当たり、0.1乃至20重量部、特に0.5乃至10重量部の量で用いるのが、熱安定化及び初期着色防止の点で好ましい。
これらの安定剤は単独でも或いは2種以上の組み合わせでも使用されるが、塩素含有重合体の酸素指数濃度を低下させないという意味では、無機系安定剤を主体としたものを用いるのが好ましい。
【0059】
更に、塩素含有重合体組成物では、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルを、樹脂100重量部当たり0.05乃至10重量部、特に0.1乃至3重量部の量で更に配合することが好ましい。上記キレート剤成分を用いることにより、初期着色を有効に防止することが可能となる。
β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとしては、例えば、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3−シクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ビス(ベンゾイル)メタン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることが出来る。
【0060】
塩素含有重合体組成物及びポリオレフィン系樹脂等ではまた、前記成分に加えて、フェノール系酸化防止剤を、樹脂成分100重量部当たり0.005乃至3重量部、特に0.01乃至0.5重量部の量で用いることが好ましい。この酸化防止剤は、熱安定性の向上に有効であると共に、連鎖反応による熱減成等を抑制するのに有用である。
フェノール系酸化防止剤としては、ビスフェノール型酸化防止剤、立体障害性フェノール系酸化防止剤が何れも使用される。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられる。
【0061】
紫外線吸収剤としては例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類があげられる。
【0062】
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられ、例えば、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレートなどがあげられる。
【0063】
上記配合成分を塩素含有重合体等に配合するには、可塑剤及び/又は滑剤を除く各配合成分を予めワンパッケージ配合剤としてブレンドし、必要により造粒しておき、これを、ロール、バンバリーミキサー、あるいはペレタイザー等の混練装置を使用して塩素含有重合体に可塑剤及び/又は滑剤と共に配合して、パイプ等の成形用の硬質用組成物或いは電線被覆用等の軟質用組成物とするか、或いはプラスチゾルとし、カレンダー加工、溶融押出し成形、スラッシュ成形等でフィルム、シート、タイル、その他の成形品として成形でき、またコーティングに用いることができる。
【0064】
また、本発明のホウ酸亜鉛は抗菌剤、水ガラス硬化剤として用いることもできる。抗菌剤の具体的利用分野としては、例えば鮮度保持フィルムやシート(雰囲気殺菌、抗菌)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等の繊維製品、抗菌紙、ダンボール(防菌、抗菌、防かび)、壁材、天井材、敷物、床材、畳、屋根下地材等の建材製品、トイレタリー、化粧品、塗料(防菌、抗菌、防かび)、散布或いはスプレー防菌剤、台所浴用製品(袋、容器、まな板、スノコ等)、魚網、防藻剤等に利用することができる。またセメントモルタル、セメントコンクリートの混合物に混合して使用し、抗菌性のセメントモルタルやセメントコンクリートの製品(現場施工を含む)を造ることができる。
その他抗菌を目的として種々の製品に応用することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の特定の結晶子サイズを有し且つナトリウム分の含有量が著しく低減されたホウ酸亜鉛は、樹脂中への分散性に優れておりしかも配合樹脂の表面の平滑性や艶、更には外観特性を顕著に向上させることが可能であり、しかも難燃剤や煙抑制剤として配合した樹脂の電気的特性を優れたレベルに維持することが可能である。特に、塩素含有樹脂、ナイロン、エポキシ樹脂等の難燃性を向上させる効果を有している。
【0066】
【実施例】
以下の実施例における、測定は下記の方法で行った。
【0067】
(1)平均粒径及び粒度
Coulter社製 Particle Size Analyzer Model LS230を使用し、平均粒径及び粒度を測定した。
【0068】
(2)X線回析
理学電機(株)製のガイガーフレックスRAD−Bシステムを用いて、Cu−Kαにて測定した。
【0069】
(3)結晶子サイズ測定時のX線回折条件
理学電気(株)製ガイガーフレックスRAD−1Bシステム用をいて、Cu−Kαにて測定した。
【0070】
(4)SEM測定
日立製作所製S−570走査型電子顕微鏡を用いて測定した。
【0071】
(5)原子吸光度測定
日立製作所製Z-8200 を用いて測定した。
【0072】
(6)化学分析
JIS R9011の石灰の化学分析法に準拠して行なった。
【0073】
(実施例1)
ホウ酸(B2O3 分として56.3%含有)72.5g
を、あらかじめホウ酸亜鉛(2ZnO・3B2O3・3.5H2O)1.25gを種として加えた純水1000mlに溶解した水溶液をつくる。
この水溶液に、
亜鉛華(ZnO分として99.4%含有)95.7g、
ホウ酸(B2O3 分として56.3%含有)217.5g
を添加し、モル比がB2O3/ZnO=2.0になるように調製し撹拌混合した。次に、この溶液を60℃で90分間撹拌反応した。更にこの溶液を90℃で4時間撹拌反応した。得られた生成物を濾過水洗し、その後105℃で乾燥してホウ酸亜鉛(試料A−1)を得た。
得られたホウ酸亜鉛(試料A−1)の化学組成及び物性を表3に示し、そのX線回折像を図1に、電子顕微鏡写真を図2に示す。
【0074】
(実施例2)
ホウ酸(B2O3分として56.3%含有)72.5g
を純水1000mlに溶解した水溶液をつくる。
この水溶液に、
亜鉛華(ZnO分として99.4%含有)95.7g
ホウ酸(B2O3 分として56.3%含有)217.5g
を添加し、モル比がB2O3/ZnO=2.0になるように調製し撹拌混合した。次に、この溶液を60℃で120分間撹拌反応した。更にこの溶液を80℃で8時間撹拌反応した。得られた生成物を濾過水洗し、その後105℃で乾燥してホウ酸亜鉛(試料A−2)を得た。
得られたホウ酸亜鉛(試料A−2)の化学組成及び物性を表3に示し、そのX線回折像を図3に、電子顕微鏡写真を図4に示す。
【0075】
(実施例3)
実施例1と全く同様にして、ホウ酸を、あらかじめホウ酸亜鉛を種として加えた純水1000mlに溶解した水溶液をつくり、この水溶液に亜鉛華とホウ酸を添加し、モル比がB2O3/ZnO=2.0になるように調整された溶液を得た。
この溶液を65℃で80分間撹拌反応した。更にこの溶液を90℃で4時間撹拌反応した。得られた生成物を濾過水洗し、その後、105℃で乾燥してホウ酸亜鉛(試料A−3)を得た。
得られたホウ酸亜鉛(試料A−3)の化学組成及び物性を表3に示し、そのX線回折像を図5に、電子顕微鏡写真を図6に示す。
【0076】
(実施例4)
実施例1と全く同様にして、ホウ酸を、あらかじめホウ酸亜鉛を種として加えた純水1000mlに溶解した水溶液をつくり、この水溶液に亜鉛華とホウ酸を添加し、モル比がB2O3/ZnO=2.0になるように調整された溶液を得た。
この溶液を55℃で120分間撹拌反応した。更にこの溶液を75℃で7時間撹拌反応した。得られた生成物を濾過水洗し、その後105℃で乾燥してホウ酸亜鉛(試料A−4)を得た。
得られたホウ酸亜鉛(試料A−4)の化学組成及び物性を表3に示し、そのX線回折像を図7に、電子顕微鏡写真を図8に示す。
【0077】
(実施例5)
実施例1と全く同様にして、ホウ酸を、あらかじめホウ酸亜鉛を種として加えた純水1000mlに溶解した水溶液をつくり、この水溶液に亜鉛華とホウ酸を添加し、モル比がB2O3/ZnO=2.0になるように調整された溶液を得た。
この溶液を60℃で90分間撹拌反応し、更に、110℃で4時間撹拌反応した。得られた生成物を濾過水洗し、その後105℃で乾燥してホウ酸亜鉛(試料A−5)を得た。
得られたホウ酸亜鉛(試料A−5)の化学組成及び物性を表3に示し、そのX線回折像を図9に、電子顕微鏡写真を図10に示す。
【0078】
(比較例1)
実施例1と全く同様にして、ホウ酸を、あらかじめホウ酸亜鉛を種として加えた純水1000mlに溶解した水溶液をつくり、この水溶液に亜鉛華とホウ酸を添加し、モル比がB2O3/ZnO=2.0になるように調整された溶液を得た。
この溶液を35℃で120分間撹拌反応し、更に、溶液を90℃で4時間撹拌反応した。得られた生成物を濾過水洗し、その後105℃で乾燥してホウ酸亜鉛(試料H−1)を得た。
得られたホウ酸亜鉛(試料H−1)の化学組成及び物性を表3に示し、そのX線回折像を図11に、電子顕微鏡写真を図12に示す。
得られたホウ酸亜鉛(試料H−1)は、図11より、2・3型の7水和物のホウ酸亜鉛(2ZnO・3B2O3・7H2O)と、3・5型のホウ酸亜鉛(3ZnO・5B2O3・14H2O)との混晶であり、また未反応の酸化亜鉛のピークも見られ、純粋な2・3型のホウ酸亜鉛は得られなかった。
【0079】
(比較例2)
実施例1と全く同様にして、ホウ酸を、あらかじめホウ酸亜鉛を種として加えた純水1000mlに溶解した水溶液をつくり、この水溶液に亜鉛華とホウ酸を添加し、モル比がB2O3/ZnO=2.0になるように調整された溶液を得た。
この溶液を60℃で90分間撹拌反応し、更に、150℃で4時間撹拌反応した。得られた生成物を濾過水洗し、その後105℃で乾燥してホウ酸亜鉛(試料H−2)を得た。
得られたホウ酸亜鉛(試料H−2)の化学組成及び物性を表3に示し、そのX線回折像を図13に、電子顕微鏡写真を図14に示す。
【0080】
(比較例3〜4)
市販品A社製ホウ酸亜鉛(試料H−3)及びB社製ホウ酸亜鉛(試料H−4)の2種類について、化学組成及び物性を表3に示した。
また、試料H−3については、そのX線回折像を図15に示し、電子顕微鏡写真を図16に示し、試料H−4については、そのX回折像を図17に示した。
【0081】
【表3】
【0082】
次に、本発明品の評価結果についての実験例を示す。
【0083】
(実施例6〜14)
3.5インチロールミルを使用し、実施例1で調製されたホウ酸亜鉛(試料A−1)を、表4に示す配合処方に従って、塩化ビニル樹脂(P=1300)、DINP(ジイソノニルフタレート)、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛、三酸化アンチモン(Sb2O3)及びヒドロキシ錫酸亜鉛と、160℃で7分間混練し、170℃、150Kg/cm2 で5分間プレスし、厚さ1mmのシートを作製した。
上記で作製されたシートについて、(株)東洋精機製作所製キャンドル法燃焼試験機を使用し、JIS K 7201B法に準じて、限界酸素指数(L.O.I値%)を測定し、難燃性を評価した。
また、上記のシートについて、JIS K6723−6.8に記載の方法に準拠して、30℃での体積固有抵抗V.R(Ω・cm)を求めた。
結果を、表4に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
(実施例15〜29)
実施例1で調製されたホウ酸亜鉛(試料A−1)と、市販の水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、多価アルコール(ジペンタエリスリトール)、エポキシ化大豆油(ESBO)、水酸化カルシウム、脂肪酸塩(ステアリン酸マグネシウム)、或いはケイ酸カルシウムとを、表5に記載の重量比で、7Lの磁性ポットミルに10〜20mmφの磁性ボール2.5Lと共に入れ、5時間摩砕混合を行い、次いでアトマイザーで粉砕することにより、約300gの難燃剤(E−15〜E−29)を得た。
この難燃剤を、下記配合にしたがって塩化ビニル樹脂等と混練し、実施例6〜14と全く同様にして、厚さ1mmのシートを作製した。
(配合)
塩化ビニル樹脂(P=1300) 100重量部
DINP(ジイソノニルフタレート) 50重量部
三塩基性硫酸鉛 3.0重量部
ステアリン酸鉛 0.5重量部
難燃剤 10重量部
得られたシートについて、前記実施例と同様に限界酸素指数試験を行い、その結果を表5に示した。
【0086】
【表5】
【0087】
(実施例30〜40)
上記で調製された難燃剤(E−15〜E−29)を、表6に示す重量比で、三酸化アンチモン又はヒドロキシ錫酸亜鉛と併用し、合計で10〜13重量部のこれら添加剤を、下記の配合にしたがって塩化ビニル樹脂等と混練し、実施例6〜14と全く同様にして、厚さ1mmのシートを作製した。
(配合)
塩化ビニル樹脂(P=1300) 100重量部
DINP(ジイソノニルフタレート) 50重量部
三塩基性硫酸鉛 3.0重量部
ステアリン酸鉛 0.5重量部
添加剤(難燃剤を含む) 10〜13重量部
得られたシートについて、前記実施例と同様に限界酸素指数試験を行い、その結果を表6に示した。
【0088】
【表6】
【0089】
(比較例5〜14)
比較例1,3及び4で調製されたホウ酸亜鉛の試料H−1、H−3及びH−4を使用し、表7に示す配合組成で、塩化ビニル樹脂、DINP、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛、三酸化アンチモン(Sb2O3)及びヒドロキシ錫酸亜鉛と、混練し、実施例6〜14と全く同様にして、厚さ1mmのシートを作製した。
得られたシートについて、前期実施例と同様に、体積固有抵抗試験又は限界酸素指数試験を行い、その結果を表7に示した。
【0090】
【表7】
【0091】
(実施例40〜46及び比較例15)
架橋ポリエチレン(NUC−9025)100重量部に、先の実施例で調製された試料A−1,A−2のホウ酸亜鉛を、表8に示す重量割合で配合し、105℃で5分間混練し、シートを作成した。
得られたシートについて、前記実施例と同様に、体積固有抵抗試験、限界酸素指数試験を行い、その結果を表8に示した。
なお、比較例15は、ホウ酸亜鉛を配合していないブランクの例である。
【0092】
【表8】
【0093】
(実施例47、48及び比較例16〜18)
ポリの容器に、3号ケイ酸ソーダ100g秤取り、先の実施例で調製された試料A−1,A−2のホウ酸亜鉛、ホウ酸、亜鉛華或いは燐酸亜鉛を、それぞれ、30gを入れ軽く撹拌し、ケイ酸ソーダに対する分散と硬化するまでの時間を測定した。その結果を表9に示す。
分散性については硬化するまで目視観察を行い、下記の様に評価した。
◎:分散性が非常に良い。
○:分散性が良い。
×:分散性が悪く、分離或いは凝集が起きている。
【0094】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製された本発明のホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−kα)。
【図2】実施例1で調製された本発明のホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図3】実施例2で調製された本発明のホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−kα)。
【図4】実施例2で調製された本発明のホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図5】実施例3で調製された本発明のホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−kα)。
【図6】実施例3で調製された本発明のホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図7】実施例4で調製された本発明のホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−kα)。
【図8】実施例4で調製された本発明のホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図9】実施例5で調製された本発明のホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−kα)。
【図10】実施例5で調製された本発明のホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図11】比較例1で調製されたホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−kα)。
【図12】比較例1で調製されたホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図13】比較例2で調製されたホウ酸亜鉛のX線回折像(Cu−kα)。
【図14】比較例2で調製されたホウ酸亜鉛の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図15】比較例3のホウ酸亜鉛(市販A社製)のX線回折像(Cu−kα)。
【図16】比較例3のホウ酸亜鉛(市販A社製)の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率:5000倍)。
【図17】比較例4のホウ酸亜鉛(市販B社製)のX線回折像(Cu−kα)。
Claims (9)
- 下記式(1)
2ZnO・mB2O3・xH2O‥(1)
式中、mは2.8乃至3.2の数であり、xは4以下の数である、
で表される化学的組成を有するホウ酸亜鉛であって、X線回折(Cu−kα)における面指数(020)、(101)及び(200)の回折ピークから求めた結晶子サイズの積が200,000nm3以上であり、且つ面指数(101)の回折ピークから求めた結晶子サイズは、40.0nm以上、60nm未満であり、原子吸光法で測定したナトリウム分の含有量が100ppm以下であることを特徴とするホウ酸亜鉛。 - 走査型電子顕微鏡写真で測定して個々の粒子が独立した菱状六面体から成り且つ前記菱状六面体粒子の一辺の長さが0.3乃至7.0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のホウ酸亜鉛。
- レーザ回折法で求めた体積基準メジアン径が1.0乃至6.0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のホウ酸亜鉛。
- 請求項1乃至3の何れかに記載のホウ酸亜鉛から成ることを特徴とする難燃剤乃至難燃助剤。
- 請求項1乃至3の何れかに記載のホウ酸亜鉛から成ることを特徴とする煙抑制剤。
- 請求項1乃至3の何れかに記載のホウ酸亜鉛から成ることを特徴とする抗菌剤。
- 請求項1乃至3の何れかに記載のホウ酸亜鉛から成ることを特徴とする水ガラス硬化剤。
- 熱可塑性樹脂及び/または熱硬化性樹脂とホウ酸亜鉛とを含有する樹脂組成物であって、ホウ酸亜鉛が下記式(1)
2ZnO・mB2O3・xH2O‥(1)
式中、mは2.8乃至3.2の数であり、xは4以下の数である、
で表される化学的組成を有し、X線回折(Cu−kα)における面指数(020)、(101)及び(200)の回折ピークから求めた結晶子サイズの積が200,000nm3以上であり、且つ面指数(101)の回折ピークから求めた結晶子サイズは、40.0nm以上、60nm未満であり、原子吸光法で測定したナトリウム分の含有量が100ppm以下であることを特徴とする樹脂組成物。 - 樹脂100重量部当たりホウ酸亜鉛が1乃至150重量部の量で含有されることを特徴とする請求項8に記載の樹脂組成物。
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