JP3444732B2 - 塩素含有重合体用難燃剤組成物及びそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents

塩素含有重合体用難燃剤組成物及びそれを含有する樹脂組成物

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JP3444732B2
JP3444732B2 JP29544596A JP29544596A JP3444732B2 JP 3444732 B2 JP3444732 B2 JP 3444732B2 JP 29544596 A JP29544596 A JP 29544596A JP 29544596 A JP29544596 A JP 29544596A JP 3444732 B2 JP3444732 B2 JP 3444732B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消煙性と熱安定性との
組み合わせに優れた塩素含有重合体用難燃剤組成物及び
これを含有する難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビル内の火災や地下街に張り
巡らされたケーブルの火災が多発しているが、このよう
な火災は場合によっては大災害に拡大する恐れがある。
このような火災を防止するため、家電装置、産業機械装
置、コンピュータ等に用いる電気配線用被覆樹脂類、及
び建築資材としての内外装用有機合成樹脂類には難燃性
の付与が要求されている。塩素含有重合体は、熱可塑性
樹脂のうちでも比較的燃えにくいものの一つであるが、
一度樹脂成形物に炎が付くと、容易に自燃するという点
で未だ十分に満足されるものではない。
【0003】従来、樹脂類に難燃性を付与するために、
種々の無機化合物乃至有機化合物を難燃剤として配合す
ることが行われている。これらの難燃剤のうちでも、三
酸化アンチモンは難燃性に優れたものであるが、一旦燃
焼し始めると多量の発煙を生じるという問題がある。
【0004】亜鉛系の無機化合物は配合樹脂組成物を燃
焼させた後に、電気絶縁性のある固着性燃焼残渣を残す
ことが知られており、またホウ酸亜鉛や錫酸亜鉛或いは
ヒドロキシ錫酸亜鉛は、発煙が少ないという利点を与え
る。
【0005】特開昭52−136243号公報には、塩
化ビニル樹脂等の合成樹脂に錫酸亜鉛等の錫酸塩を配合
することが記載されている(公知例A)。
【0006】特表平4−506828号公報には、樹脂
100重量部当たり10乃至400重量部の水酸化アル
ミニウムまたは水酸化マグネシウムと、0.5乃至80
重量部の錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛とを含有す
る塩素含有重合体が記載されている(公知例B)。
【0007】特開平5−287145号公報には、塩素
含有重合体100重量部に、錫酸亜鉛或いはヒドロキシ
錫酸亜鉛0.01乃至20重量部及びハイドロタルサイ
ト或いはゼオライト0.01乃至10重量部を添加して
成る電線被覆用塩素含有重合体組成物が記載されている
(公知例C)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例Aについ
て、錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛は、難燃性には
比較的優れており、また燃焼時の煙の発生も少ないとい
う利点を有するものの、これを配合した塩素含有重合体
を加熱したとき、耐熱性が低下したり、所謂亜鉛バーニ
ングと呼ばれる黒変を生じる傾向がある。
【0009】前記公知例Bに見られる提案は、錫酸亜鉛
或いはヒドロキシ錫酸亜鉛に水酸化アルミニウム或いは
水酸化マグネシウムを配合することにより、難燃性の尺
度である酸素指数濃度を相乗的に向上させようとするも
のであるが、未だ亜鉛バーニングが比較的短時間の内に
生じ、耐熱時間も比較的短いという点で未だ十分満足し
うるものではない。
【0010】また、前記公知例Cにおける提案は、錫酸
亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛とハイドロタルサイト等
との併用により、耐熱性及び難燃性に優れしかも燃焼時
の発煙の少ない電線被覆材料を提供しようとするもので
あるが、未だ亜鉛バーニングが比較的短時間の内に生
じ、しかも耐熱時間も比較的短いという点で未だ十分満
足しうるものではない。
【0011】本発明者らは、錫酸亜鉛或いはヒドロキシ
錫酸亜鉛と、ケイ酸の周期律表第二族金属塩或いはアル
カリアルミニウム水酸化物炭酸塩とを特定の量比で組み
合わせると、錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛の有す
る優れた難燃性や耐発煙性を実質上そのまま保持しなが
ら、亜鉛バーニングによる着色を有効に防止し、且つ耐
熱性を顕著に向上させうることを見いだした。
【0012】即ち、本発明の目的は、優れた難燃性、耐
発煙性、耐亜鉛バーニング性及び耐熱性の組み合わせを
有する難燃剤組成物並びに難燃性塩素含有重合体組成物
を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
錫酸亜鉛及び/またはヒドロキシ錫酸亜鉛と、(B)ケ
イ酸の周期律表第二族金属塩及び/またはアルカリ・ア
ルミニウム複合水酸化物塩とを、A:B=99.9:
0.1乃至50:50の重量比で含有する塩素含有重合
体用難燃剤組成物が提供される。
【0014】本発明によればまた、塩素含有重合体と、
(A)該塩素含有重合体100重量部当たり0.1乃至
50重量部の錫酸亜鉛及び/またはヒドロキシ錫酸亜鉛
と、(B)該塩素含有重合体100重量部当たり0.1
乃至50重量部のケイ酸の周期律表第二族金属塩及び/
またはアルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩とを含有
して成ることを特徴とする難燃性樹脂組成物が提供され
る。
【0015】本発明は、(A)錫酸亜鉛或いはヒドロキ
シ錫酸亜鉛と、(B)ケイ酸の周期律表第二族金属塩或
いはアルカリアルミニウム水酸化物塩とを特定の量比で
組み合わせると、錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛の
有する優れた難燃性や耐発煙性を実質上そのまま保持し
ながら、亜鉛バーニングによる着色を有効に防止し、且
つ耐熱性を顕著に向上させうるという知見に基づくもの
である。
【0016】後述する例を参照されたい。塩化ビニル樹
脂100重量部に5部の錫酸亜鉛を配合した場合(比較
例1)の酸素指数濃度(O.I.値:難燃性の尺度で高い方
が難燃性に優れている)は26.1であり、比視覚濃度
(NBS値:発煙の尺度で低い方が発煙が少ない)は15
0であるが、本発明に従って錫酸亜鉛の5重量%をケイ
酸の周期律表第二族金属塩で置き換えた場合(実施例
1)でも、酸素指数濃度が26.5、比視覚濃度が16
5と、ケイ酸の周期律表第二族金属塩を加えない場合と
ほぼ同じ値を示しており、錫酸亜鉛の優れた難燃性や耐
発煙性が実質上そのまま維持されている。この傾向は、
錫酸亜鉛の代わりにヒドロキシ錫酸亜鉛を用いた場合
(実施例4)、ケイ酸の周期律表第二族金属塩の代わり
にアルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩を用いた場合
(実施例8、9、10、11)にも同様である。
【0017】一方、塩化ビニル樹脂100重量部に5部
の錫酸亜鉛を配合した場合(比較例1)の耐熱時間は4
6分であり、亜鉛バーニングによる黒化時間は30分で
あるのに対して、錫酸亜鉛の5重量%をケイ酸の周期律
表第二族金属塩で置き換えた場合(実施例1)には、耐
熱時間が130分、亜鉛バーニングによる黒化時間が6
0分と著しく延長されることが明らかである。また、錫
酸亜鉛の5重量%を水酸化マグネシウムで置換した場合
(比較例2)の耐熱時間が65分、亜鉛バーニングによ
る黒化時間が30分であり、錫酸亜鉛の5重量%をハイ
ドロタルサイトで置き換えた場合(比較例3)の耐熱時
間が88分、亜鉛バーニングによる黒化時間が30分で
あることからも、本発明の組成物が耐熱性や耐亜鉛バー
ニング性に優れていることが明らかである。この傾向
は、ヒドロキシ錫酸亜鉛やアルカリ・アルミニウム複合
水酸化物塩についても同様である(実施例4、8、9、
10、11)。
【0018】錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛による
難燃作用及び発煙防止作用は、これらに含まれる亜鉛成
分が脱塩化水素反応の触媒として炭化層の形成を促進し
て煙の発生を抑制するとともに、550℃以上の燃焼温
度で亜鉛と錫とが部分的に揮発して酸素を遮断すること
(気相難燃)によると推測されている。更に、ヒドロキ
シ錫酸亜鉛は、熱分解して水分を生じるので、この水分
が揮発して周囲から熱を奪い燃焼温度を低下させるとい
う作用も有している。しかし、難燃剤は、一般に、反応
性が高く、しかも反応後に有色の化合物を生成するの
で、燃焼が起きない程度の高温下、例えば、これら難燃
剤を含む樹脂組成物を成形する際の成形温度下等におい
ても反応するため、かえって樹脂の熱安定性、外観等を
損なう原因となる。上記の錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫
酸亜鉛を含有する樹脂組成物においても、他の難燃剤を
含む樹脂組成物同様、熱安定性の低下や亜鉛バーニング
が起こることが知られている。また、これら組成物の熱
安定性の低下や亜鉛バーニングは、組成物中に塩化亜鉛
が存在していることが原因であることも知られている。
これらの知見から、本発明者らは、錫酸亜鉛或いはヒド
ロキシ錫酸亜鉛は、樹脂成形温度等の燃焼が起きない程
度の高温でも、塩素含有重合体の連鎖的な脱塩化水素反
応とこれによる塩化亜鉛の生成とを引き起こすものと考
えた。そこで、本発明の難燃剤組成物は、錫酸亜鉛或い
はヒドロキシ錫酸亜鉛と、ケイ酸の周期律表第二族金属
塩或いはアルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩とを必
須成分として含有している。即ち、本発明の難燃剤組成
物において、使用するケイ酸の周期律表第二族金属塩或
いはアルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩は、燃焼の
起きない高温下でも塩化水素を捕捉して塩化亜鉛の生成
を防止するとともに、生成した塩化亜鉛をも捕捉乃至マ
スクする作用を奏するのである。このケイ酸の周期律表
第二族金属塩或いはアルカリ・アルミニウム複合水酸化
物塩の作用によって、本発明の難燃剤組成物は優れた耐
熱性と耐亜鉛バーニング性とを実現しているのである。
また、ケイ酸の周期律表第二族金属塩或いはアルカリ・
アルミニウム水酸化物塩と亜鉛化合物とは、塩素含有重
合体における発色傾向が互いに補色関係にある。このた
め、本発明の難燃剤組成物は、着色が目立たない点でも
優れている。
【0019】
【発明の実施の形態】
[錫酸亜鉛塩]本発明に用いる錫酸亜鉛は、下記式 ZnSnO3 ‥(4) で表される化学組成を有し、下記表1及び図3のX線回
折像を有する。
【0020】
【表1】ピークNo 2θ ピーク相対強度 面間隔d(A) ピーク幅 I/I0 1 8.94 172 9.883 0.51 59 2 22.88 182 3.883 0.54 62 3 26.4 172 3.373 0.39 59 4 31.72 254 2.818 0.48 67 5 32.66 246 2.739 0.48 84 6 33.9 293 2.642 0.51 100 7 34.42 272 2.603 0.42 93 8 36.22 197 2.478 0.48 67 9 40.3 69 2.236 0.45 24 10 47.52 69 1.911 0.45 24 11 51.64 129 1.768 0.39 44 12 52.7 135 1.735 0.45 46 13 56.54 101 1.626 0.48 34 14 58.16 110 1.584 0.48 38 15 59.58 84 1.55 0.39 29 16 63.02 81 1.473 0.51 28 17 66.42 81 1.406 0.51 28 18 68 67 1.377 0.51 23
【0021】本発明に用いるヒドロキシ錫酸亜鉛は、ヘ
キサヒドロオクソ錫(IV)酸亜鉛とも呼ばれ、下記式 ZnSn(OH)6 ‥(5) で表される化学組成を有し、下記表2及び図4のX線回
折像を有する。
【0022】
【表2】ピークNo 2θ ピーク相対強度 面間隔d(A) ピーク幅 I/I0 1 11.62 64 7.609 0.45 3 2 19.74 301 4.493 0.57 12 3 22.86 2531 3.887 0.57 100 4 28.02 74 3.161 0.36 3 5 31.72 105 2.818 0.42 4 6 32.6 1233 2.744 0.6 49 7 36.58 194 2.454 0.6 8 8 38.46 157 2.338 0.57 6 9 40.22 400 2.24 0.57 16 10 43.5 64 2.078 0.54 3 11 46.8 361 1.939 0.6 14 12 51.3 106 1.779 0.51 4 13 52.72 896 1.734 0.63 35 14 58.22 579 1.583 0.66 23 15 62.14 70 1.492 0.54 3 16 68.36 125 1.371 0.66 5
【0023】上記ヒドロキシ錫酸亜鉛は、錫(IV)酸ア
ルカリ金属塩に、水溶性亜鉛塩を加えることにより製造
される。ヒドロキシ錫酸亜鉛を加熱脱水することにより
錫酸亜鉛が生成する。勿論、本発明において使用する錫
酸亜鉛やヒドロキシ錫酸亜鉛は、この製法によるものに
限定されない。
【0024】上記錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛
は、それぞれ単独で使用しても或いは組み合わせで使用
してもよい。ヒドロキシ錫酸亜鉛は、熱分解温度の比較
的低い領域で効果を発揮する難燃剤であり、一方錫酸亜
鉛は、熱分解温度の比較的高い領域で効果を発揮する難
燃剤であって、両者を組み合わせることにより、例えば
錫酸亜鉛とヒドロキシ錫酸亜鉛とを10:90乃至9
0:10の重量比で用いることにより、広い熱分解温度
域にわたって難燃効果を得ることができる。また、ヒド
ロキシ錫酸亜鉛は、分子内に多数のヒドロキシ基を有す
るため、熱安定性において、錫酸亜鉛に比して優れてい
る。
【0025】用いる錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫酸亜鉛
は、走査型電子顕微鏡写真による粒子径が0.1乃至1
00μmの範囲にあることが、難燃性や耐発煙性の点で
好ましい。
【0026】[ケイ酸の周期律表第二族金属塩]ケイ酸
の周期律表第二族金属塩としては、好適には非晶質乃至
微結晶性の、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウムの如きケイ酸ア
ルカリ土類金属塩、ケイ酸の第IIb族金属塩が単独或い
は2種以上の組み合わせで使用される。これらのケイ酸
塩のうちでもケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムが
好適に使用される。
【0027】また、ケイ酸の周期律表第二族金属塩とし
ては、細孔容積が0.4cc/g以上、特に0.6乃至
0.8cc/gの範囲にあるものが好適である。このケ
イ酸塩は、それ自体不活性なものでもよいが、塩素含有
重合体に対して熱安定化作用を有するものが好適であ
り、この見地から、非晶質乃至微結晶性のものが有利に
使用される。
【0028】ケイ酸の周期律表第二族金属塩は、所謂正
塩でも塩基性塩でも或いは酸性塩でもよいが、一般に組
成が式、 MO・xSiO2 ・nH2 O ‥(1) 式中、xは0.5乃至2.0の数であり、nは0.3乃
至1.0の数であり、Mは周期律表第二族金属を表す、
で表される化学組成を有することが好ましい。即ち、x
の値が上記範囲よりも大きい場合には、上記範囲にある
場合に比して熱安定性や耐亜鉛バーニング性が低下する
傾向があり、一方上記範囲よりも小さい場合には、上記
範囲にある場合に比して樹脂に配合した場合の初期着色
傾向が大きくなったり、熱安定性が低下したりする傾向
がある。
【0029】特にケイ酸の周期律表第二族金属塩として
は、下記式、 CaO・xSiO2 ・nH2 O ‥(6) 式中、xは0.5乃至2.0の数であり、nは0.3乃
至1.0の数である、で表される化学組成を有し、面間
隔3.04乃至3.08A(A:オングストローム)、
2.78乃至2.82A、及び1.81乃至1.84A
にX線回折ピークを有し、且つ1.49乃至1.57の
屈折率を有する微結晶カルシウムシリケート・ハイドレ
ートがより好ましい。
【0030】この微結晶カルシウムシリケート・ハイド
レートは下記式、 Is=tanθ2/tanθ1 ‥(7) 式中、θ1 は面間隔3.04〜3.08AのX線回折ピ
ークにおけるピーク垂線(狭角側ピーク接線と広角側ピ
ーク接線との交点から下ろした垂線)と狭角側ピーク接
線とがなす角度、θ2 は該ピーク垂線と広角側ピーク接
線とがなす角度を示す(図5参照)、で定義される積層
不整指数(Is)が1.75以上、特に1.8から2.
0の範囲内にあるのが良い。
【0031】本発明のケイ酸の周期律表第二族金属塩
は、一般に粒径40μm以上の粒径のものが10%以下
で且つ粒径20μm以下の粒度のものが50%以上であ
るような粒度分布を有していることが、塩素含有重合体
への均一な分散と熱安定効果の点で望ましい。
【0032】本発明に用いるケイ酸の周期律表第二族金
属塩は、ケイ酸の周期律表第二族金属塩が、塩化亜鉛に
対しマスキング乃至キレート作用を有する有機配合剤を
細孔内或いは表面に保持するものであることが好まし
い。
【0033】この目的の有機配合剤としては、多価アル
コール、フェノール類、β−ケト酸エステルまたはβ−
ジケトンが好ましく、その適当な例は次の通りである。
【0034】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグ
リセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール等を挙げることができる。
【0035】フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノ
ールF、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフ
ェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホ
スホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミ
ド〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三
ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエス
テル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−ト
リス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブ
チルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イ
ソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−
第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート〕などがあげられる。
【0036】β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルと
しては、例えば、1,3−シクロヘキサジオン、メチレ
ンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−
1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パ
ルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベン
ゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2
−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3
−シクロヘキサンジオン、ビス(ベンゾイル)メタン、
ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−
メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベン
ゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイル
メタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベ
ンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウ
ロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス
(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−
3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセ
チルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベン
ゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイル
メタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビ
ス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメ
タン等を用いることが出来る。
【0037】上記有機配合剤は単独或いは組み合わせで
使用され、ケイ酸の周期律表第二族金属塩当たり1乃至
250重量%、好ましくは100乃至200重量%、特
に好ましくは150乃至190重量%配合されているこ
とが望ましい。
【0038】[アルカリ・アルミニウム複合水酸化物
塩]本発明に用いるアルカリ・アルミニウム複合水酸化
物塩としては、例えば、リチウム・アルミニウム水酸化
物炭酸塩、ドーソナイト型のナトリウム・アルミニウム
水酸化物炭酸塩或いはこれらの混晶が挙げられる。
【0039】リチウム・アルミニウム複合水酸化物炭酸
塩(LAHCS)は、ギブサイト構造の水酸化アルミニ
ウム八面体層の空位(ベーカント)にリチウムイオンが
入り込み、その電荷を補うためにアニオンが組み込まれ
たものとされている。即ち、リチウムイオンはカチオン
の中でイオン半径が最も小さく、しかも1価イオンとし
ては例外的に6配位イオンであるため上記空位に入り、
上記構造をとるものと認められる。
【0040】本発明に用いるリチウム・アルミニウム水
酸化物炭酸塩は、下記式(2)、 mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(2) 式中、Xは炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、
Mはリチウムを主体とするアルカリ金属であり、mは
1.5乃至2.5の数であり、nは0.1乃至1の数で
あり、kは0乃至10の数である、で表される組成を有
しており、下記表3
【表3】 面間隔d(A) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600) のX線回折像を有する。
【0041】好適なリチウム・アルミニウム複合水酸化
物炭酸塩は、下記数式(3) IS = tanθ2 /tanθ1 …(3) 式中、θ1 は一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ2
は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
なす角度を表す(図5参照)、で定義される積層不整指
数(IS )が面指数(016)のピークにおいて1.0
以下であり且つ面指数(017)のピークにおいて1.
0以下であるものである。
【0042】本発明に用いるリチウム・アルミニウム水
酸化物炭酸塩は、波数547、735、1004、13
75及び3443(cm-1)に大きな吸収のある赤外線
吸収スペクトルを有する。
【0043】また、本発明に用いるリチウム・アルミニ
ウム水酸化物炭酸塩粒子は、レーザー散乱回折法で測定
して、一般に0.1乃至10μm、特に0.1乃至3μ
mの体積基準メジアン径(D50)を有していること、J
IS K6721で測定して、0.1乃至0.35g/
cm3 、特に0.25乃至0.35g/cm3 の嵩密度
を有すること、10乃至70m2 /gのBET比表面積
を有すること、吸油量も40乃至70ml/100gと
小さいことが好ましい。
【0044】上記リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸
塩は、勿論これに限定されるものではないが、非晶質乃
至擬ベーマイト型の水和アルミナゲルと、リチウムの炭
酸塩または重炭酸塩とを、水性媒体中で、アルミナ(A
2 3 )としての濃度が1乃至5重量%となり且つ反
応終結時のpHが7乃至11となる条件下に反応させる
方法(以下単に水和アルミナゲル法と呼ぶことがある)
により、或いは、ギブサイト型水酸化アルミニウムの微
粒子と、炭酸のリチウム塩または炭酸イオン及びリチウ
ムイオンを形成し得るリチウム化合物と炭酸塩との組合
せとを、水の存在下に反応させる方法、即ちマイグレー
ション法により製造される。
【0045】本発明に用いるドーソナイト型のナトリウ
ム・アルミニウム水酸化物炭酸塩(NAHCS)は、下
記式(4) mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(4) 式中、Xは炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、
Mはナトリウムを主体とするアルカリ金属であり、mは
0.5乃至1.5の数であり、nは0.1乃至1の数で
あり、kは0乃至3の数である、で表される組成を有す
る。
【0046】ドーソナイト型結晶構造とは、Cu−αを
用いたX線回折において、下記表4
【表4】 表中、VSは非常に強い、Sは強い、mは中程に強い、
wは弱い、をそれぞれ示している、と実質上同じX線回
折像を示すものをいう。
【0047】また、このド−ソナイトは、熱重量分析に
おいて、300℃以下の温度において実質上重量減少を
有しないものであり、樹脂の混練時或いは成形時におい
て、発泡を防止する上で好適である。
【0048】更に、公知のドーソナイトは何れも繊維形
状を有するものであるが、繊維径が0.01乃至1μ
m、特に0.01乃至0.5μmの範囲にあり、且つア
スペクト比が1乃至100の範囲、特に透明性を重視す
る樹脂組成物においては1乃至20の範囲にあれば別
段、樹脂への配合性に支障はなく、配合樹脂の透明性の
点でも好適なものである。
【0049】本発明に好適に使用されるドーソナイト型
結晶構造のナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩
は、Cu−αX線回折像における面指数(011)のピ
ークの半値幅が0.4゜以上であり、且つ濃度5重量%
の水性スラリーとしたときの比抵抗が8000Ω・cm
以下であるものである。
【0050】結晶のX線回折では、下記のBraggの
式(5) nλ = 2dhkl Sinθ ‥(5) 式中、nは次数であり、λはX線の波長であり、dhkl
は結晶の(hkl)の面間隔であり、θは回折角であ
る、を満足するとき、干渉に強度ピークが現れることが
知られており、この干渉ピークの鋭さと結晶の大きさと
の間にも、下記のScherrerの式(6)、 Lhkl = Kλ/HCosθ ‥(6) 式中、Lhkl は結晶の(hkl)面に垂直な方向の寸法
であり、Kは約0.9の定数であり、Hは干渉ピークの
半値幅(ラジアン)であり、λ及びθは式(5)と同様
である、の関係が成り立つ。
【0051】本発明に用いるナトリウム・アルミニウム
水酸化物炭酸塩において、面指数(011)のピークの
半値幅が大きいということは、b軸方向(繊維軸方向)
への結晶サイズが小さいということを示している。
【0052】一般のドーソナイトは、アスペクト比の極
めて大きい微細繊維の集束が絡み合って、粗大で糸鞠状
の2次粒子を結合しているが、上記のドーソナイトは、
繊維構造の発達の程度は極めて小さく、2次粒子も凝集
の程度の小さな粒子形状であることが確認できる。
【0053】従って、この粒子形状に関連して、前者は
特に吸油量が70乃至100ml/100gで比較的に
大きめであるが、後者の吸油量は40乃至70ml/1
00gである。更に前者の顔料体積濃度は35%以下と
低めであるが、後者は40乃至50%と高めの特徴を有
している。
【0054】また、本発明に用いるドーソナイト型のナ
トリウム・アルミニウム水酸化物炭酸塩の粒子は、レー
ザー散乱回折法で測定して、一般に0.1乃至10μ
m、特に0.1乃至3μmの体積基準メジアン径
(D50)を有していること、吸油量(JIS K−51
01)が50乃至110ml/100gの範囲にあり、
BET比表面積が30乃至110m2 /gの範囲にあ
り、見掛比重(鉄シリンダー法)が0.1乃至0.3g
/cm3 の範囲にあることが好ましい。
【0055】ドーソナイト型のナトリウム・アルミニウ
ム水酸化物炭酸塩は、決してこれに限定されるものでは
ないが、前述した水和アルミナゲル法において、リチウ
ムの炭酸塩の代わりにナトリウムの炭酸塩を用いること
により製造される。
【0056】また、非晶質乃至は擬ベーマイト型の水和
アルミナと反応させるアルカリ塩をナトリウム炭酸塩と
リチウム炭酸塩との組合せで行うことにより、LAHC
Sとドーソナイトとの混晶から成るアルカリ・アルミニ
ウム複合水酸化炭酸塩が得られることも特徴である。
【0057】本発明のアルカリ・アルミニウム複合水酸
化物塩、特に上記のLAHCS及びドーソナイト型のN
AHCSは、そのまま塩素含有重合体に配合できること
は勿論であるが、該複合塩の表面特性を改質させるため
に、予め10重量%以下、特に0.5乃至10重量%、
特に1乃至6重量%の表面処理剤で処理しておくと、樹
脂中への分散性が向上し、透光性も更に向上するので好
ましい。
【0058】かかる表面処理剤としては、シラン系、ア
ルミニウム系、チタン系或いはジルコニウム系のカップ
リング剤、高級脂肪酸、金属石鹸或いは樹脂酸石鹸、微
粉末非晶質シリカまたは界面活性剤等が目的に応じて使
用される。一般に、アルカリ・アルミニウム複合水酸化
物塩を含む反応母液中に高級脂肪酸或いは界面活性剤を
添加して、攪拌下に処理するのがよい。
【0059】高級脂肪酸としては、炭素数10乃至2
2、特に14乃至18の飽和乃至不飽和脂肪酸、例えば
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセ
リン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキ
ドン酸等の不飽和脂肪酸等が使用される。これらの内で
も、特に、ステアリン酸が好適なものである。脂肪酸は
勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の混
合脂肪酸であってもよい。
【0060】界面活性剤の内、アニオン界面活性剤とし
ては、たとえば第1級高級アルコール硫酸エステル塩、
第2級高級アルコール硫酸エステル塩、第1級高級アル
キルスルホン酸塩、第2級高級アルキルスルホン酸塩、
高級アルキルジスルホン酸塩、スルホン化高級脂肪酸
塩、高級脂肪酸硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルス
ルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル
塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級脂肪
酸アミドのアルキロール化硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルフエノールスルホン酸
塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルベンゾ
イミダゾールスルホン酸塩等アニオン界面活性剤であれ
ば如何なるものでもよい。これらの界面活性剤のより具
体的な化合物名は、たとえば、堀口博著「合成界面活性
剤」(昭 41 三共出版)に開示されている。
【0061】また、ノニオン界面活性剤としては、HL
Bの低いノニオン界面活性剤、特にHLBが12以下、
最も好適には8以下のものが使用され、一般に、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル、多
価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価
アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エステル、ア
ルキロールアミド、ポリオキシアルキレンブロックコポ
リマー等の内からHLBが上記範囲内にあるものを使用
する。例えば、これらのノニオン界面活性剤では一般
に、ポリオキシエチレン単位の含有量が減少するとHL
Bが減少するので、エチレンオキサイドの付加モル数を
調節することにより、所望のHLBのノニオン界面活性
剤を入手することができる。
【0062】脂肪酸或いは界面活性剤の添加量は、アル
カリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩当たり0.5乃
至10重量%、特に1乃至5重量%であるのがよい。
【0063】処理条件は、特に制限されないが、一般に
60乃至100℃の温度で0.5乃至5時間程度攪拌下
に処理を行うのがよい。脂肪酸の場合、用いた脂肪酸は
反応系中に存在するナトリウムイオンと反応してナトリ
ウム石鹸の形で水相中に移行し、生成したアルカリ・ア
ルミニウム複合水酸化物炭酸塩の表面処理が進行する。
アニオン界面活性剤においても、塩でない遊離の酸を使
用すれば同様の反応が生じる。
【0064】得られた表面処理アルカリ・アルミニウム
複合水酸化物炭酸塩は、そのままで樹脂用配合剤として
使用し得るが、必要に応じ有機及び無機の助剤により後
処理として表面処理して、樹脂用安定剤及び樹脂用配合
剤として使用することができる。
【0065】このような有機の助剤としては、例えば、
ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等のカルシウ
ム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等の金属石
鹸、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリ
ング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カッ
プリング剤、各種ワックス類、未変性乃至変性の各種樹
脂(例えばロジン、石油樹脂等)等のコーテイング剤を
挙げることができる。
【0066】これらのコーテイング剤は、アルカリ・ア
ルミニウム複合水酸化物炭酸塩当たり0.1乃至10重
量%、特に0.5乃至5重量%の量で用いるのがよい。
【0067】また、無機系助剤としては、エアロジル、
疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグ
ネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシ
ウム等の金属炭酸塩、ハイドロタルサイト、A型、P型
等の合成ゼオライト及びその酸処理物又はその金属イオ
ン交換物から成る定形粒子を、アルカリ・アルミニウム
複合水酸化物炭酸塩にブレンド乃至まぶして使用する
か、またはアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩
粒子表面に沈着させて使用することもできる。なお、特
に無機系助剤で処理することによりアルカリ・アルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩の屈折率を調整することができ
る。
【0068】これらの無機助剤はアルカリ・アルミニウ
ム複合水酸化物炭酸塩当たり、0.01乃至10重量
%、特に0.1乃至5重量%の量で用いるのがよく、樹
脂の配合剤として用いたとき、使用する樹脂に屈折率を
合わせることができる。
【0069】[複合難燃剤組成物]本発明によれば、錫
酸亜鉛及び/またはヒドロキシ錫酸亜鉛と、ケイ酸の周
期律表第二族金属塩及び/またはアルカリ・アルミニウ
ム複合水酸化物塩とを、0.1:99.9乃至50:5
0の重量比、特に5:95乃至25:75の重量比で組
み合わせて、複合難燃剤組成物とする。
【0070】錫酸亜鉛とヒドロキシ錫酸亜鉛とを組み合
わせで用いてもよいことは既に指摘したが、ケイ酸の周
期律表第二族金属塩とアルミニウム複合水酸化物塩とを
組み合わせて使用することもできる。即ち、ケイ酸塩と
アルカリ・アルミニウム水酸化物炭酸塩とを90:10
乃至10:90の重量比で組み合わせて使用することが
できる。
【0071】本発明の難燃剤組成物において、ケイ酸塩
やアルカリ・アルミニウム水酸化物炭酸塩の量が、上記
範囲を下回ると、本発明の範囲内にある場合に比して、
安定化効果が低下し、亜鉛バーニングが生じやすくな
る。一方、上記範囲を上回ると、本発明の範囲内にある
場合に比して、難燃性が低下する。
【0072】この難燃剤組成物は、粉末のブレンドの形
で供給することもできるし、また、粒径0.3mm乃至
5mm程度の粒状物に成形し、粒状配合剤として供給す
ることもできる。
【0073】本発明による難燃剤組成物を製造するに際
しては、塩化亜鉛に対しマスキング乃至キレート化作用
を有する有機配合剤を、該配合剤が樹脂に配合されるま
では、少なくとも多孔質ケイ酸塩に担持されていること
が好ましい。更にまた、混合工程(A)と摩砕工程
(B)とを経て、多孔質担体をコアとし、しかも多孔質
担体に保持されている有機配合剤の一部を、効率よくシ
ェル層を形成させる酸化亜鉛のバインダーとして利用さ
れるようにして該組成物の複合体とすることもできる。
【0074】[難燃性樹脂組成物]本発明によれば、塩
素含有重合体に、塩素含有重合体100重量部当たり
0.1乃至50重量部、特に1乃至20重量部の錫酸亜
鉛及び/またはヒドロキシ錫酸亜鉛及び0.1乃至50
重量部、特に0.5乃至10重量部のケイ酸の周期律表
第二族金属塩及び/またはリチウムアルミニウム複合水
酸化物塩を配合する。
【0075】本発明の難燃剤組成物を配合しうる塩素含
有重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共
重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−
イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重
合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−
塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−無
水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重
合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ
塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体と
ポリエチレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、
アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体等のブレンド品を挙げることが出来る。
【0076】この難燃剤組成物は、難燃剤成分として単
独又は、他の難燃剤であるアンチモン、ジルコン、モリ
ブデンの酸化物、水酸化物及び硫化物、シリカ、アルミ
ナ、ホウ酸亜鉛等、更にそれらを水酸化物又は塩基性炭
酸塩で表面処理した物、特に水酸化マグネシウムでの表
面処理物を合わせて樹脂に配合する事が出来る。
【0077】また、この塩素含有共重合体には、それ自
体公知の各種添加剤、例えば安定剤、可塑剤、酸化防止
剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、造核剤、充
填剤等を配合することが出来る。これらの添加剤は予め
重合体又は本発明の難燃剤組成物中に配合しておくか或
いは本発明の難燃剤組成物と重合体との混練に際して同
時に配合してもよい。
【0078】
【実施例】本発明を以下の例で説明するが、本発明は以
下の例に限定されるものではない。
【0079】以下の各例における測定は、次の方法で行
った。 (1)プラスト耐熱性(ギア耐熱) 混練成形したPVCシートをオーブン中にて170℃に
加熱し、劣化着色するまでの時間(分)を測定して難燃
剤含有シートの耐熱性を評価した。 <試験条件> ラボプラストミル形式 20R200 ローラーミキサ型式 R−60H 容量 約60cc ブレード形状 ローラー型 ブレード回転比 2:3(L:R) 温度 190℃ 回転数 40rpm PVC充填量 63g (2)熱安定性(H.T.) JIS−K−6723法に準じて、180℃におけるコ
ンゴーレッド法による塩化水素捕捉性試験により測定し
た。 (3)酸素指数濃度(O.I.) (株)東洋精機製作所製キャンドル法燃焼試験機を使用
し、JIS−K−7201B法に準じて、限界酸素指数
(O・I値%)を測定し難燃性を評価した。 (4)比視覚密度(NBS) (株)東洋精機製作所製のNBS発煙試験装置を用い、
熱輻射量2.5/cm 2 で試料PVCシートを加熱し、
発煙させ、発煙強度を煙の白色光透過率より算出する比
視覚密度を用いて評価した。
【0080】本発明に使用される有機配合剤を保持した
ケイ酸の周期律表第二族金属塩の合成方法の一例を以下
の合成例1及び2で具体的に説明する。 (合成例1)石灰乳スラリー30リットル(CaO分2
24g)に平均粒径5μmの活性珪酸粉末460gを入
れボールミルで24時間摩砕反応を行い、濾過、水洗後
110℃にて乾燥させ粉末を得た。その粉末とエチレン
グリコールを4:6の重量比でヘンシルミキサーを用い
て処理し、エチレングリコール保持カルシウムシリカ複
合体粒子(以下CASHという)を得た。 (合成例2)合成例1と同じCaO濃度の石灰乳スラリ
ー375gと平均粒径5μmの活性ケイ酸粉末30.6
gとステアリン酸カルシウム3.9gを磁性ポットミル
に入れ、54時間摩砕反応を行い、pH10のスラリー
を得た。これを濾過・水洗後、110℃で乾燥し、次い
で小型のサンプルミルで粉砕して微粉末カルシウムシリ
カ複合水酸化物を得た。この複合水酸化物とアセチルア
セトンとを、4.8/20(重量比)の割合で、卓上ミ
キサーを用いて室温下で0.5時間混合、サンプルミル
で粉砕し、ステアリン酸カルシウム被覆カルシウムシリ
カ複合有機錯体粒子(以下SCSHということがある)
を得た。
【0081】本発明に使用されるリチウム・アルミニウ
ム水酸化物炭酸塩の合成方法の一例を以下の合成例3で
具体的に説明する。 (合成例3)ステンレス容器内の3.5リットルイオン
交換水中に、平均粒径1.4μmのギブサイト型水酸化
アルミニウム(昭和電工(株)製、ハイジライトH−4
2)617.5gと炭酸リチウム148.6gを加え、
攪拌下に90℃に昇温させ、4時間反応させた。得られ
たLAHCの固形分濃度は16重量%で、反応終了時の
pHは10.5であった。次いで攪拌加温下にステアリ
ン酸ナトリウム18.2gを加え、約2時間の表面処理
を行い、濾過後、110℃で乾燥させ、さらに粉砕分級
させて617gのリチウム・アルミニウム水酸化物炭酸
塩(以下LAHCSということがある)粉末を得た。
【0082】本発明に使用されるドーソナイト型ナトリ
ウム・アルミニウム水酸化物炭酸塩の合成方法の一例を
以下の合成例4で具体的に説明する。 (合成例4)蒸留水に硫酸アルミニウム(Al2 3
量が7.75%)789.4gを加えて硫酸アルミニウ
ム水溶液700mLを調製した。別に蒸留水に炭酸ナト
リウム(Na2 CO3 含量が99.7%)188.4g
を加えて炭酸ナトリウム水溶液700mLを調製した。
これら水溶液を2Lのビーカーに60℃の温水200m
Lと同時注下、撹拌して非晶質水和アルミナゲルを得
た。次いで、このスラリー溶液に、CO3 /Al=1の
モル比に成るように炭酸水素ナトリウム(NaHCO3
含量が99%)の粉末101.8gを加えた後、90℃
で2時間反応し、ドーソナイト型のナトリウムアルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩(以下NAHCSということが
ある)を得た。
【0083】本発明の塩素含有重合体用難燃剤組成物の
応用例を以下の例で具体的に説明する。なお、本発明の
難燃剤組成物の他に塩素含有重合体に配合する安定剤の
配合組成(ポリ塩化ビニル樹脂100部に対する重量部
で示す)を表5に表す。
【表5】 配合物1(鉛系安定剤) DOP (協和発酵社製) 50 部 三塩基性硫酸鉛(水澤化学製:スタビネックスTC) 3.0部 ステアリン酸鉛(水澤化学製:スタビネックスNC−18) 0.5部 配合物2(無毒系安定剤) DOP (協和発酵社製) 50 部 無毒複合安定剤(水澤化学製:NL-155) 2.0部
【0084】(実施例1)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部(以下断りのない場合重量部を示
す)に、錫酸亜鉛と上記合成例1で合成したCASHを
95:5で混合したもの5部と、表5に記載された鉛系
安定剤(配合物1)を配合し、160℃の混練ロールで
5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。その
シートから10cm×15cmの試験片を作成しプラス
ト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を測定
した、その測定結果を表6に示す。
【0085】(実施例2)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例1で合
成したCASHを90:10で混合したもの5部と、表
5に記載された配合物1を配合し、160℃の混練ロー
ルで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。
そのシートから10cm×15cmの試験片を作成しプ
ラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を
測定した、その測定結果を表6に示す。
【0086】(実施例3)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例2で合
成したSCSHを85:15で混合したもの5部と、表
5に記載された配合物1を配合し、160℃の混練ロー
ルで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。
そのシートから10cm×15cmの試験片を作成しプ
ラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を
測定した、その測定結果を表6に示す。
【0087】(比較例1)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛5部と、表5に記載
された配合物1を配合し、160℃の混練ロールで5分
間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。そのシー
トから10cm×15cmの試験片を作成しプラスト耐
熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を測定し
た、その測定結果を表6に示す。
【0088】(比較例2)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛と水酸化マグネシウ
ム(神島社製:#200)を95:5で混合したもの5
部と、表5に記載された配合物1を配合し、160℃の
混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作
成した。そのシートから10cm×15cmの試験片を
作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視
覚密度を測定した、その測定結果を表6に示す。
【0089】(比較例3)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛とハイドロタルサイ
ト(共和化学社製:アルカマイザー)を95:5で混合
したもの5部と、表5に記載された配合物1を配合し、
160℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmの
シートを作成した。そのシートから10cm×15cm
の試験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数
濃度、比視覚密度を測定した、その測定結果を表6に示
す。
【0090】(実施例4)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記合
成例1で合成したCASHを95:5で混合したもの5
部と、表3に記載された配合物1を配合し、160℃の
混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作
成した。そのシートから10cm×15cmの試験片を
作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視
覚密度を測定した、その測定結果を表7に示す。
【0091】(実施例5)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記合
成例1で合成したCASHを90:10で混合したもの
5部と、表5に記載された配合物1を配合し、160℃
の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを
作成した。そのシートから10cm×15cmの試験片
を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比
視覚密度を測定した、その測定結果を表7に示す。
【0092】(実施例6)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記合
成例2で合成したSCSHを85:15で混合したもの
5部と、表5に記載された配合物1を配合し、160℃
の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを
作成した。そのシートから10cm×15cmの試験片
を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比
視覚密度を測定した、その測定結果を表7に示す。
【0093】(比較例4)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛5部と、
表5に記載された配合物1を配合し、160℃の混練ロ
ールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成し
た。そのシートから10cm×15cmの試験片を作成
しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密
度を測定した、その測定結果を表7に示す。
【0094】(比較例5)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と水酸化
マグネシウム(神島社製:#200)を95:5で混合
したもの5部と、表3に記載された配合物1を配合し、
160℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmの
シートを作成した。そのシートから10cm×15cm
の試験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数
濃度、比視覚密度を測定した、その測定結果を表7に示
す。
【0095】(比較例6)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛とハイド
ロタルサイト(共和化学社製:アルカマイザー)を9
5:5で混合したもの5部と、表5に記載された配合物
1を配合し、160℃の混練ロールで5分間混練して、
厚さ1mmのシートを作成した。そのシートから10c
m×15cmの試験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定
性、酸素指数濃度、比視覚密度を測定した、その測定結
果を表7に示す。
【0096】(実施例7)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例1で合
成したCASHと4A型ゼオライト(水澤化学工業製:
ミズカライザー)を90:5:5で混合したもの5部
と、表5に記載された配合物1を配合し、160℃の混
練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成
した。そのシートから10cm×15cmの試験片を作
成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚
密度を測定した、その測定結果を表6に示す。
【0097】(比較例7)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛と4A型ゼオライト
(水澤化学工業製:ミズカライザー)を90:10で混
合したもの5部と、表3に記載された配合物1を配合
し、160℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1m
mのシートを作成した。そのシートから10cm×15
cmの試験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素
指数濃度、比視覚密度を測定した、その測定結果を表6
に示す。
【0098】(実施例8)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例3で合
成したLAHCSを95:5で混合したもの5部と、表
5に記載された配合物1を配合し、160℃の混練ロー
ルで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。
そのシートから10cm×15cmの試験片を作成しプ
ラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を
測定した、その測定結果を表6に示す。
【0099】(実施例9)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記合
成例3で合成したLAHCSを95:5で混合したもの
5部と、表5に記載された配合物1を配合し、160℃
の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを
作成した。そのシートから10cm×15cmの試験片
を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比
視覚密度を測定した、その測定結果を表7に示す。
【0100】(実施例10)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例4で
合成したNAHCSを95:5で混合したもの5部と、
表5に記載された配合物1を配合し、160℃の混練ロ
ールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成し
た。そのシートから10cm×15cmの試験片を作成
しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密
度を測定した、その測定結果を表6に示す。
【0101】(実施例11)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記
合成例4で合成したNAHCSを95:5で混合したも
の5部と、表5に記載された配合物1を配合し、160
℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシート
を作成した。そのシートから10cm×15cmの試験
片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、
比視覚密度を測定した、その測定結果を表7に示す。
【0102】(実施例12)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例1で
合成したCASHを95:5で混合したもの5部と、表
5に記載された配合物2を配合し、160℃の混練ロー
ルで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。
そのシートから10cm×15cmの試験片を作成しプ
ラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を
測定した、その測定結果を表8に示す。
【0103】(実施例13)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例1で
合成したCASHを90:10で混合したもの5部と、
表5に記載された配合物2を配合し、160℃の混練ロ
ールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成し
た。そのシートから10cm×15cmの試験片を作成
しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密
度を測定した、その測定結果を表8に示す。
【0104】(実施例14)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例2で
合成したSCSHを85:15で混合したもの5部と、
表3に記載された配合物2を配合し、160℃の混練ロ
ールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成し
た。そのシートから10cm×15cmの試験片を作成
しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密
度を測定した、その測定結果を表8に示す。
【0105】(比較例8)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛5部と、表5に記載
された配合物2を配合し、160℃の混練ロールで5分
間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。そのシー
トから10cm×15cmの試験片を作成しプラスト耐
熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を測定し
た、その測定結果を表8に示す。
【0106】(比較例9)ポリ塩化ビニル樹脂(重合度
=1030)100部に、錫酸亜鉛と水酸化マグネシウ
ム(神島社製:#200)を90:10で混合したもの
5部と、表5に記載された配合物2を配合し、160℃
の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを
作成した。そのシートから10cm×15cmの試験片
を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比
視覚密度を測定した、その測定結果を表8に示す。
【0107】(比較例10)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、錫酸亜鉛とハイドロタルサ
イト(共和化学社製:アルカマイザー)を90:10で
混合したもの5部と、表5に記載された配合物2を配合
し、160℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1m
mのシートを作成した。そのシートから10cm×15
cmの試験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素
指数濃度、比視覚密度を測定した、その測定結果を表8
に示す。
【0108】(実施例15)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、錫酸亜鉛と上記合成例1で
合成したCASHと上記合成例3で合成したLAHCS
を90:5:5で混合したもの5部と、表5に記載され
た配合物2を配合し、160℃の混練ロールで5分間混
練して、厚さ1mmのシートを作成した。そのシートか
ら10cm×15cmの試験片を作成しプラスト耐熱
性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を測定した、
その測定結果を表8に示す。
【0109】(実施例16)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記
合成例1で合成したCASHと上記合成例3で合成した
LAHCSを90:5:5で混合したもの5部と、表5
に記載された配合物2を配合し、160℃の混練ロール
で5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成した。そ
のシートから10cm×15cmの試験片を作成しプラ
スト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚密度を測
定した、その測定結果を表9に示す。
【0110】(実施例17)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記
合成例3で合成したLAHCSを90:10で混合した
もの5部と、表5に記載された配合物2を配合し、16
0℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシー
トを作成した。そのシートから10cm×15cmの試
験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃
度、比視覚密度を測定した、その測定結果を表9に示
す。
【0111】(実施例18)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記
合成例4で合成したNAHCSを90:10で混合した
もの5部と、表5に記載された配合物2を配合し、16
0℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシー
トを作成した。そのシートから10cm×15cmの試
験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃
度、比視覚密度を測定した、その測定結果を表9に示
す。
【0112】(実施例19)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記
合成例1で合成したCASHを95:5で混合したもの
5部と、表5に記載された配合物2を配合し、160℃
の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを
作成した。そのシートから10cm×15cmの試験片
を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比
視覚密度を測定した、その測定結果を表9に示す。
【0113】(実施例20)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記
合成例1で合成したCASHを90:10で混合したも
の5部と、表5に記載された配合物2を配合し、160
℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシート
を作成した。そのシートから10cm×15cmの試験
片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、
比視覚密度を測定した、その測定結果を表9に示す。
【0114】(実施例21)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と上記
合成例2で合成したSCSHを85:15で混合したも
の5部と、表5に記載された配合物2を配合し、160
℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシート
を作成した。そのシートから10cm×15cmの試験
片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、
比視覚密度を測定した、その測定結果を表9に示す。
【0115】(比較例11)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛5部
と、表5に記載された配合物2を配合し、160℃の混
練ロールで5分間混練して、厚さ1mmのシートを作成
した。そのシートから10cm×15cmの試験片を作
成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素指数濃度、比視覚
密度を測定した、その測定結果を表9に示す。
【0116】(比較例12)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛と水酸
化マグネシウム(神島社製:#200)を90:10で
混合したもの5部と、表5に記載された配合物2を配合
し、160℃の混練ロールで5分間混練して、厚さ1m
mのシートを作成した。そのシートから10cm×15
cmの試験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定性、酸素
指数濃度、比視覚密度を測定した、その測定結果を表9
に示す。
【0117】(比較例13)ポリ塩化ビニル樹脂(重合
度=1030)100部に、ヒドロキシ錫酸亜鉛とハイ
ドロタルサイト(共和化学社製:アルカマイザー)を9
5:5で混合したもの5部と、表3に記載された配合物
2を配合し、160℃の混練ロールで5分間混練して、
厚さ1mmのシートを作成した。そのシートから10c
m×15cmの試験片を作成しプラスト耐熱性、熱安定
性、酸素指数濃度、比視覚密度を測定した、その測定結
果を表9に示す。
【0118】
【表6】
【0119】表6から、塩化ビニル樹脂100重量部に
5部の錫酸亜鉛を配合した場合(比較例1)の酸素指数
濃度(O.I.値:難燃性の尺度で高い方が難燃性に優れて
いる)は26.1であり、比視覚濃度(NBS値:発煙の
尺度で低い方が発煙が少ない)は150であるが、錫酸
亜鉛の5重量%をケイ酸の周期律表第二族金属塩で置き
換えた場合(実施例1)でも、酸素指数濃度が26.
5、比視覚濃度が165と、ケイ酸の周期律表第二族金
属塩を加えない場合とほぼ同じ値を示しており、本発明
において錫酸亜鉛の優れた難燃性や耐発煙性が実質上そ
のまま維持されている。この傾向は、ケイ酸の周期律表
第二族金属塩の代わりにアルカリ・アルミニウム複合水
酸化物塩を用いた場合(実施例8、10)にも同様であ
る。一方、塩化ビニル樹脂100重量部に5部の錫酸亜
鉛を配合した場合(比較例1)の耐熱時間は46分であ
り、亜鉛バーニングによる黒化時間(ギア耐熱)は30
分であるのに対して、錫酸亜鉛の5重量%をケイ酸の周
期律表第二族金属塩で置き換えた場合(実施例1)に
は、耐熱時間が130分、亜鉛バーニングによる黒化時
間が60分と著しく延長されることが明らかである。ま
た、公知技術(前述の公知例B)である錫酸亜鉛の5重
量%を水酸化マグネシウムで置換した場合(比較例2)
の耐熱時間が65分、亜鉛バーニングによる黒化時間が
30分であり、公知技術(前述の公知例C)である錫酸
亜鉛の5重量%をハイドロタルサイトで置き換えた場合
(比較例3)の耐熱時間が88分、亜鉛バーニングによ
る黒化時間が30分であることからも、本発明の組成物
が耐熱性や耐亜鉛バーニング性に優れていることが明ら
かである。この傾向は、アルカリ・アルミニウム複合水
酸化物塩についても同様である(実施例8、10)。
【0120】
【表7】
【0121】表7から、塩化ビニル樹脂100重量部に
5部のヒドロキシ錫酸亜鉛を配合した場合(比較例4)
の酸素指数濃度は25.8であり、比視覚濃度は200
であるが、ヒドロキシ錫酸亜鉛の5重量%をケイ酸の周
期律表第二族金属塩で置き換えた場合(実施例4)で
も、酸素指数濃度が25.7、比視覚濃度が201と、
ケイ酸の周期律表第二族金属塩を加えない場合とほぼ同
じ値を示しており、本発明においてヒドロキシ錫酸亜鉛
の優れた難燃性や耐発煙性が実質上そのまま維持されて
いる。この傾向は、ケイ酸の周期律表第二族金属塩の代
わりにアルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩を用いた
場合(実施例9、11)にも同様である。一方、塩化ビ
ニル樹脂100重量部に5部のヒドロキシ錫酸亜鉛を配
合した場合(比較例4)の耐熱時間は183分であり、
亜鉛バーニングによる黒化時間(ギア耐熱)は60分で
あるのに対して、ヒドロキシ錫酸亜鉛の5重量%をケイ
酸の周期律表第二族金属塩で置き換えた場合(実施例
4)には、耐熱時間が291分、亜鉛バーニングによる
黒化時間が75分と著しく延長されることが明らかであ
る。また、公知例Bに基づくヒドロキシ錫酸亜鉛の5重
量%を水酸化マグネシウムで置換した場合(比較例5)
の耐熱時間が228分、亜鉛バーニングによる黒化時間
が60分であり、公知例Cに基づくヒドロキシ錫酸亜鉛
の5重量%をハイドロタルサイトで置き換えた場合(比
較例6)の耐熱時間が187分、亜鉛バーニングによる
黒化時間が60分であることからも、本発明の組成物が
耐熱性や耐亜鉛バーニング性に優れていることが明らか
である。この傾向は、アルカリ・アルミニウム複合水酸
化物塩についても同様である(実施例9、11)。
【0122】
【表8】
【0123】表8から、安定剤の配合組成を鉛系安定剤
(表5の配合1)から無毒系安定剤(表5の配合2)に
変更しても、塩化ビニル樹脂100重量部に5部の錫酸
亜鉛を配合した場合(比較例8)の酸素指数濃度は2
6.5であり、比視覚濃度は161であるが、錫酸亜鉛
の5重量%をケイ酸の周期律表第二族金属塩で置き換え
た場合(実施例12)でも、酸素指数濃度が26.3、
比視覚濃度が182と、ケイ酸の周期律表第二族金属塩
を加えない場合とほぼ同じ値を示しており、錫酸亜鉛の
優れた難燃性や耐発煙性が実質上そのまま維持されてい
る。一方、安定剤の配合組成が上記のとおり変更されて
も、塩化ビニル樹脂100重量部に5部の錫酸亜鉛を配
合した場合(比較例8)の耐熱時間は30分であり、亜
鉛バーニングによる黒化時間(ギア耐熱)は30分であ
るのに対して、錫酸亜鉛の5重量%をケイ酸の周期律表
第二族金属塩で置き換えた場合(実施例12)には、耐
熱時間が65分、亜鉛バーニングによる黒化時間が45
分と著しく延長されることが明らかである。また、公知
例Bに基づく錫酸亜鉛の10重量%を水酸化マグネシウ
ムで置換した場合(比較例9)の耐熱時間が53分、亜
鉛バーニングによる黒化時間が15分であり、公知例C
に基づく錫酸亜鉛の10重量%をハイドロタルサイトで
置き換えた場合(比較例10)の耐熱時間が39分、亜
鉛バーニングによる黒化時間が30分であることから
も、本発明の組成物が耐熱性や耐亜鉛バーニング性に優
れていることが明らかである。
【0124】
【表9】
【0125】表9から、安定剤の配合組成を鉛系安定剤
(表3の配合1)から無毒系安定剤(表5の配合2)に
変更しても、塩化ビニル樹脂100重量部に5部のヒド
ロキシ錫酸亜鉛を配合した場合(比較例11)の酸素指
数濃度は26.2であり、比視覚濃度は205である
が、ヒドロキシ錫酸亜鉛の5重量%をケイ酸の周期律表
第二族金属塩で置き換えた場合(実施例19)でも、酸
素指数濃度が26.6、比視覚濃度が205と、ケイ酸
の周期律表第二族金属塩を加えない場合とほぼ同じ値を
示しており、本発明においてヒドロキシ錫酸亜鉛の優れ
た難燃性や耐発煙性が実質上そのまま維持されている。
この傾向は、ケイ酸の周期律表第二族金属塩の代わりに
アルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩を用いた場合
(実施例17、18)にも同様である。一方、塩化ビニ
ル樹脂100重量部に5部のヒドロキシ錫酸亜鉛を配合
した場合(比較例4)の耐熱時間は102分であり、亜
鉛バーニングによる黒化時間(ギア耐熱)は45分であ
るのに対して、ヒドロキシ錫酸亜鉛の5重量%をケイ酸
の周期律表第二族金属塩で置き換えた場合(実施例1
9)には、耐熱時間が190分、亜鉛バーニングによる
黒化時間が60分と著しく延長されることが明らかであ
る。また、公知例Bに基づくヒドロキシ錫酸亜鉛の10
重量%を水酸化マグネシウムで置換した場合(比較例1
2)の耐熱時間が136分、亜鉛バーニングによる黒化
時間が60分であり、公知例Cに基づくヒドロキシ錫酸
亜鉛の5重量%をハイドロタルサイトで置き換えた場合
(比較例13)の耐熱時間が143分、亜鉛バーニング
による黒化時間が45分であることからも、本発明の組
成物が耐熱性や耐亜鉛バーニング性に優れていることが
明らかである。この傾向は、アルカリ・アルミニウム複
合水酸化物塩についても同様である(実施例17、1
8)。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、(A)錫酸亜鉛或いは
ヒドロキシ錫酸亜鉛と、(B)ケイ酸の周期律表第二族
金属塩或いはアルカリアルミニウム水酸化物塩とを特定
の量比で組み合わせると、錫酸亜鉛或いはヒドロキシ錫
酸亜鉛の有する優れた難燃性や耐発煙性を実質上そのま
ま保持しながら、亜鉛バーニングによる着色を有効に防
止し、且つ耐熱性を顕著に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例3で得られたリチウム・アルミニウム水
酸化物炭酸塩(LAHCS)のX線回折像である。。
【図2】合成例4使用されるドーソナイト型ナトリウム
・アルミニウム水酸化物炭酸塩(NAHCS)のX線回
折像である。
【図3】本発明で用いる錫酸亜鉛のX線回折像である。
【図4】本発明で用いるヒドロキシ錫酸亜鉛のX線回折
像である。
【図5】積層不整指数(Is)算出のためのθ1 、θ2
の求めかたを図示したものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)錫酸亜鉛及び/またはヒドロキシ
    錫酸亜鉛と、(B)ケイ酸の周期律表第二族金属塩及び
    /またはアルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩とを、
    A:B=99.9:0.1乃至50:50の重量比で含
    有する塩素含有重合体用難燃剤組成物。
  2. 【請求項2】 ケイ酸の周期律表第二族金属塩が、式、 MO・xSiO2 ・nH2 O ‥(1) 式中、xは0.5乃至2.0の数であり、 nは0.3乃至1.0の数であり、 Mは周期律表第二族金属を表す、で表される化学組成を
    有する請求項1記載の難燃剤組成物。
  3. 【請求項3】 ケイ酸の周期律表第二族金属塩が、面間
    隔3.04乃至3.08A(Aはオングストローム)、
    2.78乃至2.82A、及び1.81乃至1.84A
    にX線回折ピークを有し、且つ1.49乃至1.57の
    屈折率を有する微結晶カルシウムシリケート・ハイドレ
    ートである請求項1または2に記載の難燃剤組成物。
  4. 【請求項4】 ケイ酸の周期律表第二族金属塩が、0.
    4cc/g以上の細孔容積を有するものである請求項1
    乃至3の何れかに記載の難燃剤組成物。
  5. 【請求項5】 ケイ酸の周期律表第二族金属塩が、40
    μm以上の粒径のものが10%以下で且つ20μm以下
    の粒径のものが50%以上である粒度分布を有するもの
    である請求項1乃至3の何れかに記載の難燃剤組成物。
  6. 【請求項6】 ケイ酸の周期律表第二族金属塩が、塩化
    亜鉛に対しマスキング乃至キレート作用を有する有機配
    合剤を細孔内に保持するものである請求項1乃至5の何
    れかに記載の難燃剤組成物。
  7. 【請求項7】 有機配合剤が、多価アルコール、β−ケ
    ト酸エステル及びβ−ジケトンから成る群より選ばれる
    少なくとも1種である請求項6記載の難燃剤組成物。
  8. 【請求項8】 有機配合剤が、ケイ酸の周期律表第二族
    金属塩当たり1乃至250重量%配合されている請求項
    6または7に記載の難燃剤組成物。
  9. 【請求項9】 アルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩
    が、リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸塩である請求
    項1記載の難燃剤組成物。
  10. 【請求項10】 リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸
    塩が、式、 mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(2) 式中、Xは炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、 Mはリチウムを主体とするアルカリ金属であり、 mは1.5乃至2.5の数であり、 nは0.1乃至1の数であり、 kは0乃至10の数である、で表される組成を有するも
    のである請求項9記載の難燃性組成物。
  11. 【請求項11】 リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸
    塩が、下記 面間隔d(A) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600) のX線回折像を有するものである請求項9または10に
    記載の難燃性組成物。
  12. 【請求項12】 アルカリ・アルミニウム複合水酸化物
    塩が、ドーソナイト型のナトリウム・アルミニウム水酸
    化物炭酸塩である請求項1記載の難燃性組成物。
  13. 【請求項13】 ドーソナイト型のナトリウム・アルミ
    ニウム水酸化物炭酸塩が、下記式、 mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(3) 式中、Xは炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、 Mはナトリウムを主体とするアルカリ金属であり、 mは0.5乃至1.5の数であり、 nは0.1乃至1の数であり、 kは0乃至3の数である、で表される組成を有するもの
    である請求項12記載の難燃性組成物。
  14. 【請求項14】 ドーソナイト型ナトリウム・アルミニ
    ウム水酸化物炭酸塩が、Cu−αを用いたX線回折にお
    いて、下記 表中、VSは非常に強い、Sは強い、mは中程に強い、
    wは弱い、をそれぞれ示している、と実質上同じX線回
    折像を示すものである請求項12または13に記載の難
    燃性組成物。
  15. 【請求項15】 アルカリ・アルミニウム複合水酸化物
    塩が、該アルカリ・アルミニウム複合水酸化物塩当たり
    0.5乃至10重量%の高級脂肪酸或いは界面活性剤を
    含有するものである請求項1記載の難燃剤組成物。
  16. 【請求項16】 塩素含有重合体と、(A)該塩素含有
    重合体100重量部当たり0.1乃至50重量部の錫酸
    亜鉛及び/またはヒドロキシ錫酸亜鉛と、(B)該塩素
    含有重合体100重量部当たり0.1乃至50重量部の
    ケイ酸の周期律表第二族金属塩及び/またはリチウム・
    アルミニウム複合水酸化物塩とを含有して成ることを特
    徴とする難燃性樹脂組成物。
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