JP2002003848A - 難燃剤 - Google Patents

難燃剤

Info

Publication number
JP2002003848A
JP2002003848A JP2001111862A JP2001111862A JP2002003848A JP 2002003848 A JP2002003848 A JP 2002003848A JP 2001111862 A JP2001111862 A JP 2001111862A JP 2001111862 A JP2001111862 A JP 2001111862A JP 2002003848 A JP2002003848 A JP 2002003848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anion
peak
composite metal
polybasic salt
flame retardant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001111862A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Komatsu
善伸 小松
Hitoshi Ishida
仁 石田
Hiroshi Igarashi
宏 五十嵐
Masami Kondo
近藤  正巳
Madoka Minagawa
円 皆川
Satoru Sato
哲 佐藤
Hiroshi Inoue
宏志 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizusawa Industrial Chemicals Ltd filed Critical Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority to JP2001111862A priority Critical patent/JP2002003848A/ja
Publication of JP2002003848A publication Critical patent/JP2002003848A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】塩素含有重合体等の熱可塑性樹脂に対して亜鉛
バーニング等を発生することなく優れた発煙抑制が可能
な難燃剤を提供する。 【解決手段】 次式 (1)M<上付始>3+<上付終><下付始>p<下付
終>M<上付始>2+<上付終><下付始>q<下付終
>(OH)<下付始>y<下付終>(A)<下付始>z
<下付終>・nH<下付始>2<下付終>O・・(1)
(式中、M<上付始>3+<上付終>は三価金属、M<
上付始>2+<上付終>は二価金属、Aは無機又は有機
のアニオン、p、q、y及びzは式3p+2q−y−m
z=0(mはアニオンAの価数)、0.3≦q/p≦
2.5、1.5≦y/(p+q)≦3.0及び1.0≦
(p+q)/z≦20.0を満足する数、nは7以下の
数)で表される化学組成を有する複合金属多塩基性塩か
らなる難燃剤。特にこの複合金属多塩基性塩と多価アル
コール、高級脂肪酸金属石鹸等を併用するのが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有重合体等
の熱可塑性樹脂に優れた難燃性を付与できる難燃剤に関
し、より詳細には、結晶構造を有する複合多塩基性塩か
ら成り、無毒性で且つ加熱成型時に有害ガスの発生もな
く、更に燃焼時の発煙抑制にも優れた難燃剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビル内の火災や地下街に張り
巡らされたケーブルの火災が多発しているが、このよう
な火災は場合によっては大火災に拡大する恐れがある。
このような火災を防止するため、家電装置、産業機械装
置、コンピュータ等に用いる電気配線用被覆樹脂類、及
び建築資材としての内外装用有機合成樹脂類には難燃性
の付与が要求されている。また最近では、環境問題が注
目されている中で、人体に対する安全性が強く要求され
ており、環境に優しい難燃材料が望まれてきている。分
子内にハロゲン元素をもっているポリ塩化ビニル、クロ
ロプレンゴム等の塩素含有重合体は、それ自身難燃性を
有し、その上加工性、経済性、その他多くの点でバラン
スのとれた材料であることから多用されてきた。しか
し、燃焼時における発煙量が他の樹脂に比較して多く、
火災時の避難や消火活動の障害となっている。また、分
子内にハロゲンを持たないポリマー、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム等に、塩素、臭素等を含む有機ハ
ロゲン化合物を添加したハロゲン添加ポリマーも多く使
用されている。しかし、応用分野の拡大や難燃性の要求
が益々苛酷さを加えている現状において、単にハロゲン
元素の難燃作用にのみに依存するのでなく、難燃剤や難
燃助剤等を積極的に活用して高度の難燃剤を付与する手
段がとられている。難燃剤のうちでも、三酸化アンチモ
ンは難燃性に優れるものであるが、一旦燃焼し始めると
多量の発煙を生じるという問題がある。
【0003】特公昭56−29893号公報には、BE
T法比表面積が30m/g以下のハイドロタルサイト
類よりなるオレフィン系もしくはスチレン系熱可塑性樹
脂用難燃剤が記載されている。
【0004】また、特開平1−182366号公報に
は、高温成形を必要とする熱可塑性樹脂に、ハロゲン系
難燃剤、アンチモン系難燃剤及び800℃での強熱減量
が25〜35重量%の範囲にある焼成合成ハイドロタル
サイト型化合物を配合したことを特徴とする難燃性樹脂
組成物が記載されている。
【0005】特開平8−127723号公報には、熱可
塑性樹脂とハロゲン化エポキシ樹脂系難燃剤とLi2Al4(O
H)12CO3・3H2Oで代表される炭酸塩化合物とを含有してな
ることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物が記載さ
れている。
【0006】特開平8−127688号公報には、塩化
ビニル樹脂100重量部に、可塑剤20〜150重量
部、ハイドロタルサイト0.3〜10重量部、Ca-Zn系
安定剤0〜20重量部、β−ジケトン0〜1.0重量
部、ケイ酸カルシウム0〜10重量部、水酸化マグネシ
ウム及び/又は水酸化アルミニウム20〜120重量
部、三酸化アンチモン0〜50重量部、ホウ酸亜鉛0〜
30重量部、疎水性シリカ0.2〜10重量部、炭酸カ
ルシウム0〜10重量部を混合してなる高難燃性塩化ビ
ニル樹脂組成物が記載されている。
【0007】更に、特開平7−33934号公報には、
マグネシウム水酸化物とアルミニウム水酸化物のモル比
がMgO/Alとして1.0≦n≦1.8の範囲
内にあるマグネシウムアルミニウム水酸化物がハロゲン
含有樹脂用安定剤として提案されている。これら難燃剤
及び安定剤は、従来使用されていた鉛系の安定剤のよう
に人体に対する影響がなく、ある程度の熱安定性及び難
燃性を有する点において優れたものであるが、ハイドロ
タルサイト類から成る難燃剤は、高温時に発泡する問題
があり、また後者のマグネシウムアルミニウム水酸化物
を難燃剤として使用する先行技術はなく、安定剤として
の使用のみである。しかし、熱安定性においても未だ十
分満足し得るものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような、従来
の多塩基性アルミニウムマグネシウム塩は明確な結晶構
造を示さないものであるのに対し、本発明においては明
確な結晶構造を有し、しかもハイドロタルサイト類とも
結晶構造の異なる複合金属多塩基性塩が上述した塩素含
有重合体等の熱可塑性樹脂に対して亜鉛バーニングを発
生することなく、優れた発煙抑制が可能となることを見
出したのである。
【0009】従って、本発明の目的は、明確な結晶構造
を有する複合金属多塩基性塩を用いた塩素含有重合体等
の熱可塑性樹脂用難燃剤を提供することであり、より詳
細には、塩素含有重合体等に対して、亜鉛バーニング等
を発生することなく、配合が容易であり、しかも配合樹
脂の燃焼時における煙発生を有効に抑制できる難燃剤を
提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1) M3+ 2+ (OH)(A)・nHO ‥(1) 式中、M3+は三価金属を表し、M2+は二価金属を表
し、Aは無機または有機のアニオンを表し、p、q、y
及びzは下記式 3p+2q−y−mz=0(式中mはアニオンAの価数であり)‥(i) 0.3≦q/p≦2.5 ‥(ii) 1.5≦y/(p+q)≦3.0 ‥(iii) 及び 1.0≦(p+q)/z≦20.0 ‥(iv) を満足する数であり、nは7以下の数である、で表され
る化学組成を有する複合金属多塩基性塩から成ることを
特徴とする難燃剤が提供される。
【0011】本発明においては、前記一般式(1)にお
いて、三価金属M3+がアルミニウムであり、二価金属
2+がマグネシウム及び亜鉛からなる群より選択され
た少なくとも1種の金属であり、アニオンAが硫酸アニ
オン、炭酸アニオン、硝酸アニオン、ホウ酸アニオン、
スズ酸アニオン、ケイ酸アニオン、リン酸アニオン、ア
ンチモン酸アニオン、モリブデン酸アニオン、ジルコニ
ア酸アニオン及びシュウ酸アニオンからなる群より選択
された少なくとも1種のアニオンでイオン交換がされる
ものもある。
【0012】また、前記複合金属多塩基性塩が、X線回
折(Cu−α)において、2θ=2乃至15゜、2θ=
16乃至26゜及び2θ=33乃至50゜に回折ピーク
を有し、且つ2θ=60乃至64゜には単一のピークが
存在するものが好ましい。(以下、PBSと呼ぶことが
ある)
【0013】更に、本発明に用いる好適な複合多塩基性
塩は、前述したBragg角にX線回折ピークを有する
が、下記X線回折像 を一般に有している。
【0014】更にまた、下記数式(2) I = tanθ/tanθ ・・(2) 式中、θは一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ
は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
なす角度を表す、で定義される積層不整指数(I)が
2θ=33乃至50゜のピークにおいて1.0以上であ
る。
【0015】
【発明の実施形態】[作用]本発明の難燃剤は、前記式
(1)で表される化学組成を有する複合金属多塩基性塩
から成ることが重要な特徴である。本発明に用いる複合
金属多塩基性塩は明確な結晶構造を示し、しかもこの複
合金属多塩基性塩はハイドロタルサイト類とも結晶構造
の異なる複合金属多塩基性塩である。すなわち、かかる
複合金属多塩基性塩を塩素含有重合体等の熱可塑性樹脂
等の難燃剤として用いることにより、この複合金属多塩
基性塩が有する易交換性のアニオンが、塩素イオンを交
換・吸着し、塩素イオンに起因する加熱時の樹脂の着色
等の劣化を有効に防止することが可能となり、熱安定性
にも優れたものになる。また、塩素含有重合体等に対し
て、亜鉛バーニング等を発生することなく、配合が容易
であり、しかも配合樹脂の燃焼時における煙発生を有効
に抑制できる。更に、後述するようにこの複合金属多塩
基性塩はハイドロタルサイト類に顕著であった水分の離
脱に伴う気泡の発生が抑制されるため、発泡という欠点
が有効に防止される。
【0016】[複合金属多塩基性塩]本発明で用いる複
合金属多塩基性塩は、前記式(1)で表される化学的組
成を有することが第一の特徴である。即ち、三価金属の
モル数p、二価金属のモル数q、水酸基のモル数y及び
アニオンのモル数zは前記式(i)乃至(ii)の全てを満
足する範囲内にある。
【0017】公知の複合金属多塩基性塩または複合金属
水酸化物塩の代表例であるハイドロタルサイトは、典型
的には下記式(3) MgAl(OH)16CO・nHO ‥(3) の化学組成を有するものであり、前述した式(ii)のq
/pが3.0に相当するが、本発明の複合金属多塩基性
塩では、q/pが2.5以下、特に2.0以下であり、
ハイドロタルサイトと化学的組成を異にしている。
【0018】また、複合金属多塩基性塩の他の例とし
て、下記式(4) [AlLi(OH)]nX・mHO ‥(4) のリチウムアルミニウム複合水酸化物塩が知られている
が、この化合物は二価金属を含有せず、一価金属を含有
する点、本発明に用いる複合金属多塩基性塩と相違して
いる。また、仮に一価金属2モルが二価金属1モルに等
価であるとしても、XがCOまたはSOの場合(n
=2)、前述した式(ii)のq/pが0.25に相当す
るものであり、本発明の複合金属多塩基性塩では、q/
pが0.3以上であり、公知のリチウムアルミニウム複
合水酸化物塩とも化学的組成を異にしている。
【0019】本発明の塩素含有重合体等の熱可塑性樹脂
用難燃剤に用いる複合金属多塩基性塩は、次の化学的構
造を有するものと考えられる。この化合物では、M2+
(OH)八面体層のM2+がM3+で同型置換された
ものが基本層となり、この基本層間に前記置換による過
剰カチオンと釣り合う形で硫酸根等のアニオンが組み込
まれたものであって、この基本構造が多数積み重なって
層状結晶構造を形成している。
【0020】この複合金属多塩基性塩中に存在する硫酸
根等のアニオンは、アニオン交換性を有しており、炭酸
アニオン、硝酸アニオン、ホウ酸アニオン、スズ酸アニ
オン、ケイ酸アニオン、リン酸アニオン、アンチモン酸
アニオン、モリブデン酸アニオン、ジルコニア酸アニオ
ン及びシュウ酸アニオンからなる群より選択された少な
くとも1種からなるアニオンで交換されうる。複合金属
多塩基性塩中の硫酸根の含有量をQ(ミリ当量/10
0g)としたとき、Qは240乃至420ミリ当量/
100gである。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂用難燃剤に用いる複
合金属多塩基性塩を構成する二価金属、M2+として
は、Be、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Cd、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Pd、Sn、Pt、Pb
などが挙げられるが、これらの内でも周期律表第II族金
属、特にMg及びZnが好適である。
【0022】一方、複合金属多塩基性塩を構成する三価
金属M3+としては、Al、Sc、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Ga、Y、Ru、Rh、In、
Sb、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Os、I
r、Au、Bi、Ac、Thなどが挙げられるが、これ
らの内でもAlが好適である。
【0023】また、複合金属多塩基性塩を構成するアニ
オンAとしては、無機アニオンや有機アニオンが挙げら
れ、無機アニオンとしては、S、P、Al、Si、N、
B、V、Mn、Mo、W、Cr、Te、Sn、Zr、C
l、Br、Iなどの酸素酸アニオン、炭酸アニオン、ケ
イ酸アニオン、リン酸アニオン、アルミン酸アニオンな
どが挙げられる。これらの中でも硫酸アニオン、炭酸ア
ニオン、硝酸アニオン、ホウ酸アニオン、スズ酸アニオ
ン、ケイ酸アニオン、リン酸アニオン、アンチモン酸ア
ニオン、モリブデン酸アニオン、ジルコニア酸アニオン
及びシュウ酸アニオンなどが特に好適である。
【0024】添付図面の図1から図4には、本発明の難
燃剤用の複合金属多塩基性塩とそのアニオン交換体につ
いての赤外線吸収スペクトルが示されている。即ち、図
1の(A)はアニオンが硫酸イオンからなるAl−Mg
型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、
(B)はアニオンがシュウ酸イオンからなるAl−Mg
型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、
(C)はアニオンが炭酸イオンからなるAl−Mg型複
合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、
(D)はアニオンがリン酸イオンからなるAl−Mg型
複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、
(E)はアニオンが2水素リン酸イオンからなるAl−
Mg型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであ
り、(F)はアニオンがケイ酸イオンからなるAl−M
g型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであ
り、(G)はアニオンがホウ酸イオンからなるAl−M
g型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであ
り、(H)はアニオンが硝酸イオンからなるAl−Mg
型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、
(I)はアニオンがスズ酸イオンからなるAl−Mg型
複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルである。更
に図2の(A)はアニオンが硫酸イオンからなるAl−
(Zn+Mg)型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペ
クトルであり、(B)はアニオンがシュウ酸イオンから
なるAl−(Zn+Mg)型複合金属多塩基性塩の赤外
線吸収スペクトルであり、(C)アニオンがホウ酸イオ
ンからなるAl−(Zn+Mg)型複合金属多塩基性塩
の赤外線吸収スペクトルであり、(D)はアニオンが2
水素リン酸イオンからなるAl−(Zn+Mg)型複合
金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、(E)
はアニオンがケイ酸イオンからなるAl−(Zn+M
g)型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであ
り、(F)はアニオンがスズ酸イオンからなるAl−
(Zn+Mg)型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペ
クトルであり、(G)はアニオンがアンチモン酸イオン
からなるAl−Zn−Mg型複合金属多塩基性塩の赤外
線吸収スペクトルであり、(H)はアニオンがモリブデ
ン酸イオンからなるAl−(Zn+Mg)型複合金属多
塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、(I)はアニ
オンがジルコニア酸イオンからなるAl−(Zn+M
g)型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであ
る。更に図3の(A)はアニオンが硫酸イオンからなる
Al−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクト
ルであり、(B)はアニオンがシュウ酸イオンからなる
Al−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクト
ルであり、(C)はアニオンがホウ酸イオンからなるA
l−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトル
であり、(D)はアニオンがホウ酸ナトリウムイオンか
らなるAl−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収ス
ペクトルであり、(E)はアニオンがリン酸イオンから
なるAl−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペ
クトルであり、(F)はアニオンが二水素リン酸イオン
からなるAl−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収
スペクトルであり、(G)はアニオンがケイ酸イオンか
らなるAl−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収ス
ペクトルであり、(H)は一水素リン酸イオンからなる
Al−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクト
ルであり、(I)はアニオンがスズ酸イオンからなるA
l−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトル
である。図4の(K)はアニオンがモリブデン酸イオン
で湿式交換法によるAl−Zn型複合金属多塩基性塩の
赤外線吸収スペクトルであり、(L)は同じくアニオン
がモリブデン酸イオンで摩砕交換法によるAl−Zn型
複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペクトルであり、
(M)はアニオンがアンチモン酸イオンで湿式交換法に
よるAl−Zn型複合金属多塩基性塩の赤外線吸収スペ
クトルであり、同じく(N)はアニオンがアンチモン酸
イオンで摩砕交換法によるAl−Zn型複合金属多塩基
性塩の赤外線吸収スペクトルである。本発明に用いる複
合金属多塩基性塩は、波数3800乃至2700cm
−1に水酸基による特性吸収を有すると共に、波数90
0乃至1800cm−1に組み込まれたアニオンによる
特性吸収を有することが分かる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂用難燃剤において
は、前記式(1)を満たす複合金属多塩基性塩を用いる
ことができ、かかる複合金属多塩基性塩には、マグアル
ドレート(AlMg10(OH)31(SO
xHO)等の複合金属多塩基性塩も含まれる。本発明
においては特に、X線回折(Cu−α)において、2θ
=2乃至15゜、2θ=19乃至24゜及び2θ=33
乃至50゜に回折ピークを有し、且つ2θ=60乃至6
4゜には単一のピークが存在するPBSを用いることが
最も好ましい。すなわち、このPBSは、ハイドロタル
サイトやリチウムアルミニウム複合水酸化物塩とも、全
く異なった結晶構造を有している。
【0026】添付図面の図5と図6は本発明に用いるA
l−MgタイプのPBS及びPBSアニオン交換体のX
線回折像であり、図7、図8、図9、図10、図11及
び図12は本発明に用いるAl−(Zn+Mg)タイプ
のPBS及びPBSアニオン交換体のX線回折像であ
り、図13、図14、図15、図16及び図17は本発
明に用いるAl−ZnタイプのPBS及びPBSアニオ
ン交換体のX線回折像である。図6及び図7の(H)に
おいて回折ピークが他と異なるのは、錫酸が過剰にある
ため錫酸亜鉛のピークが混じっているためである。(錫
酸アニオンの交換量については、図12参照)また、図
18及び図19は、本発明に用いるマグアルドレート
(AlMg10(OH)31(SO・xH
O)のX線回折像である。一方、図20はハイドロタ
ルサイトのX線回折像であり、図21はリチウムアルミ
ニウム複合水酸化物塩のX線回折像である。
【0027】図22及び図23に示すPBSは、X線回
折(Cu−α)において、2θ=2乃至15゜、2θ=
19乃至24゜、2θ=33乃至50゜及び2θ=60
乃至64゜に実質上4個の回折ピークを有し、且つ2θ
=60乃至64゜は単一のピークで存在する。また、図
18及び図19に示すマグアルドレートは、2θ=10
乃至12゜(図18中の1のピーク)、2θ=22乃至
24゜(図18中の2のピーク)、2θ=33乃至35
゜(図18中の3のピーク)、2θ=38乃至40°
(図18中の4のピーク)、2θ=45乃至47゜(図
18中の5のピーク)及び2θ=60乃至63゜(図1
8中の6のピーク)に回折ピークを有している。図22
及び図23に示すPBSと、図19に示すマグアルドレ
ートの2θ=10乃至12゜のX線回折像の回折ピーク
(図19中の1のピーク)から、図22及び図23に示
すPBSの方がC軸方向への結晶が発達していることが
解る。このことから、図22及び図23に示す回折ピー
クを有するPBSの方がマグアルドレートよりも耐酸性
に優れ、耐熱性向上に寄与すると考えられることから、
本発明の熱可塑性樹脂用難燃剤においては、特に好適に
用いられるものと考えられる。
【0028】また、ハイドロタルサイト(図20)で
は、2θ=38乃至50゜の範囲に2個の回折ピークを
有しており、更に2θ=60乃至63゜の範囲にも2個
の回折ピークを有しており、図22及び23に示すPB
Sは勿論、マグアルドレートともX線回折像は全く相違
している。同様の相違は、リチウムアルミニウム複合水
酸化物塩(図21)の場合にも認められる。
【0029】更に、本発明に最も好適に用いられるPB
Sは、更に図22及び図23から明らかなとおり、積層
不整というX線回折学的な微細構造上の特徴を有してい
る。即ち、PBSでは、2θ=33乃至50゜の回折ピ
ークが非対称ピークとなっていることから明らかであ
る。
【0030】即ち、このピークは挟角側(2θの小さい
側)では立ち上がりが比較的急で、広角側(2θの大き
い側)では傾斜のゆるやかな非対称のピークとなってい
ることが了解される。この非対称ピーク構造は、上述し
た2θ=33乃至50゜のピークにおいて特に顕著であ
るが、他に2θ=60乃至64゜のピークにおいても程
度は小さいものの同様に認められる。
【0031】本明細書において、積層不整指数(Is)
は、次のように定義される。即ち、後述する実施例記載
の方法で、図23に示すようなX線回折チャートを得
る。この2θ=33乃至50゜のピークについて、ピー
クの挟角側最大傾斜ピーク接線aと広角側最大傾斜ピー
ク接線bを引き、接線aと接線bの交点から垂線cを引
く。次いで接線aと垂線cとの角度θ 、接線bと垂
線cとの角度θ を求める。これらの角度から、前記
式(2)により、積層不整指数(Is)が求められる。
この積層不整指数(Is)は、完全に対称なピークであ
る場合には、1.0であり、立ち上がり角度に比して立
ち下がり角度が大きくなる方が大きな値をとるようにな
る。
【0032】この積層不整指数(Is)の意味するとこ
ろは、次のものと思われる。即ち、本発明に用いるPB
Sでは、M (OH)の基本層が積み重
なった層状結晶構造を有することは既に指摘したところ
であるが、各基本層のサイズ(長さや面積)が一様でな
く、その分布が広い範囲にわたっており、また、基本層
にねじれや湾曲などを生じて、非平面構造となっている
と考えられる。
【0033】このため、PBSでは、アニオンのイオン
交換が容易であり、イオン交換容量が大きいと共に、イ
オン交換速度も大きく、熱可塑性樹脂用の難燃剤として
用いた場合、樹脂中の塩素イオンを有効に交換すること
ができるため、特にその能力に優れているという利点が
達成されるものである。
【0034】本発明に用いる複合金属多塩基性塩(以下
PBS及びマグアルドレート等、式(1)で表されるも
の全てを総称していう)は、室温から200℃の温度に
加熱したときの重量減少率が20重量%以下、特に15
重量%以下であり、塩素含有重合体用安定剤として樹脂
中に配合したとき、樹脂の加工温度で発泡を生じること
がないという顕著な利点をも有している。ハイドロタル
サイトの欠点として、樹脂の加工温度で水分の急激な離
脱に伴う発泡の問題が指摘されているが、本発明の塩素
含有重合体用安定剤では、この問題が解消されている。
図24及び図25は、本発明に用いる複合金属多塩基性
塩についての示差熱分析(DTA)の結果を示してい
る。ハイドロタルサイト類などでは温度190乃至24
0℃の範囲に水分の急激な揮発に基づく極めて大きな吸
熱ピークが認められるのに対して(図26参照)、PB
Sではこのような急激な吸熱ピークは認められず、耐発
泡性に優れていることを示している。
【0035】本発明に用いる複合金属多塩基性塩は、小
さい比表面積と小さい細孔容積とを有している。一般
に、本発明に好適に用いるPBSのBET比表面積は4
0m/g以下、特に0.3乃至20m/gの範囲で
あり、一方、細孔径17乃至3000オングストローム
についてBJH法で求めた細孔容積は0.0005乃至
0.05ml/g、特に0.02乃至0.035ml/
gの範囲にある。
【0036】また、本発明に用いる複合金属多塩基性塩
は、レーザ回折法で測定して、一般に0.1乃至20μ
m、特に0.1乃至10μmの体積基準中位径
(D50)を有する。粒子形状は、板状結晶粒子状から
アグロメレート状の形状があり、これは複合金属多塩基
性塩の二価金属M2+の種類にも依存する。
【0037】[複合多塩基性塩の調製1]本発明におい
て、最も好適に用いることができる複合金属多塩基性塩
は、三価金属の水可溶性塩と、二価金属の酸化物、水酸
化物或いは水可溶性塩とを、反応終了時のpHが3.5
乃至10となる条件下で、且つ50℃以上,好ましくは
80℃以上の温度で反応させ、必要により酸或いは酸の
可溶性塩の存在下にイオン交換することにより製造する
ことができる。
【0038】Alなどの三価金属の水可溶性塩として
は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩などの水可溶性塩であれ
ば、何れをも使用しうるが、本発明では合成の容易さの
点から、複合金属多塩基性塩を硫酸塩の形で合成するの
が望ましく、この点から、硫酸塩の形で用いるのが最も
望ましい。
【0039】Mg或いはZnなどの二価金属の原料とし
ては、酸化物、水酸化物或いは水溶性塩の何れも使用で
きるが、酸化物、例えば亜鉛華や、水酸化物、例えば水
酸化マグネシウムを用いるのが合成上もっとも便利であ
る。勿論、本発明においては、二価金属の塩化物、硝酸
塩、硫酸塩などの水可溶性塩を用いても、反応系のpH
を上記の範囲に制御することにより、複合金属多塩基性
塩の合成を行うことが可能である。
【0040】本発明では、上記各原料を、反応終了時の
pHが3.5乃至10.0、特に4.0乃至9.0の範
囲となり、且つ反応温度を50℃以上、特に80乃至1
80℃の範囲に維持して、反応を行うことが重要であ
る。反応系のpHが上記範囲外では、複合金属多塩基性
塩の生成が困難となる傾向がある。即ち、この複合金属
多塩基性塩では、水酸基とアニオン性基との両方を結合
して有することが特徴であるが、pHが上記範囲を上回
るとアニオン性基の導入が困難となり、pHが上記範囲
を下回ると水酸基の導入が困難となる傾向がある。一
方、反応温度が上記範囲を下回るとやはり複合金属多塩
基性塩の合成が困難となる傾向がある。
【0041】三価金属化合物と、二価金属化合物との反
応混合比は、前記一般式(1)の組成比が満足されるよ
うに定める。一般に、原料におけるM2+/M3+の仕
込みモル比よりも生成物におけるM2+/M3+のモル
比は小さくなる傾向がある。添付図面の図27は、Al
−Mg型PBSに関して、原料におけるM2+/M 3+
の仕込みモル比と、生成物におけるM2+/M3+のモ
ル比との関係を示しており、両者の関係はほぼ直線関係
にあって、仕込みモル比を決めることにより最終生成物
のM2+/M3+のモル比を定めうることが理解され
る。一般に、M2+/M3+の仕込みモル比は、1.0
乃至5.0、特に1.0乃至4.0の範囲にあることが
望ましい。
【0042】また、原料におけるM2+/M3+の仕込
みモル比並びに生成物におけるM /M3+のモル比
と、生成物におけるA/M3+のモル比にも一定の関係
があり、一般にM2+/M3+のモル比が増大すると生
成物におけるA/M3+のモル比が増大する傾向があ
る。図28は、上記の両者の関係を示しており、Mg/
Alのモル比の増大に伴って、生成物におけるSO
Alのモル比が単調に増大することを示している。この
現象は次のように考えられる。即ち、本発明に用いるP
BSは、M2+(OH)八面体層のM2+がM
で同型置換されたものが基本層となり、この基本層間に
前記置換による過剰カチオンと釣り合う形で硫酸根等の
アニオンが組み込まれたものであることは、既に指摘し
たとおりであるが、この過剰カチオンと釣り合う形で硫
酸根が全て組み込まれると、SO/Alのモル比は
0.5になることになる。図28の事実は、Alのモル
比が小さい状態では、この理想的状態がほぼ成り立つ
が、Alのモル比が大きくなると、硫酸根の組み込みの
程度は少なくなり、水酸基との結合が多くなることを示
している。
【0043】図29は、Al−Mg型PBSについて、
原料の仕込みモル比Mg/Alを変化させた場合の生成
物のX線回折像を示している。これらの結果は、Mg/
Alのモル比が1.8乃至3.0の範囲で本発明の結晶
構造のものが安定に生成することを示している。また、
図30は、Al−Zn型PBSについて、原料の仕込み
モル比Zn/Alを変化させた場合の生成物のX線回折
像を示している。これらの結果は、Zn/Alのモル比
が2.4乃至3.6の範囲で本発明の結晶構造のものが
安定に生成することを示している。また、図31は、A
l−(Zn+M)型PBSについて、原料の仕込みモル
比(Zn+Mg)/Alを変化させた場合の生成物のX
線回折像を示している。これらの結果は、0<Zn/
(Zn+Mg)モル比≦100%の範囲で本発明の結晶
構造のものが安定に生成することを示している。
【0044】本発明に用いる複合金属多塩基性塩の合成
に当たって、両原料の混合順序などには格別の制限はな
く、例えば、三価金属塩類の水溶液に二価金属の酸化
物、水酸化物のスラリーや水溶性塩類の溶液を添加して
もよく、また逆に二価金属の酸化物、水酸化物のスラリ
ーや水溶性塩類の溶液に三価金属塩類の水溶液を添加し
てもよい。
【0045】反応は、反応混合物を攪拌下に前述した温
度で、2乃至72時間程度維持することにより完了させ
ることができる。一般に必要ないが、加圧容器を使用し
て、水熱条件下に反応を行うこともできる。反応生成物
は、水洗し、濾過などの固液分離操作を行った後、60
乃至150℃で乾燥し、必要により更に150乃至23
0℃で熱処理して製品とすることができる。
【0046】また、複合金属多塩基性塩としてマグアル
ドレートを調製するには、勿論これに限定されないが、
例えば特開昭60−204617号公報記載の方法等を
用いて調製することができる。
【0047】[複合多塩基性塩の調製2]本発明に用い
る複合金属多塩基性塩では、イオン交換法により、種々
のアニオンを導入することができる。このアニオン交換
に付する原料複合金属多塩基性塩としては、硫酸型の複
合金属多塩基性塩が好ましい。イオン交換に付するアニ
オンとしては、前述したアニオン類のナトリウム塩など
のアルカリ金属塩が使用される。例えば、炭酸根の導入
には、重曹、炭酸ナトリウムなどが使用されるが、勿論
この例に限定されない。
【0048】イオン交換によるアニオンの導入は、一般
的な湿式交換法で粉末或いはウエットケーキの形の硫酸
型の複合金属多塩基性塩と前述したアニオンの塩の水溶
液とを、0乃至100℃の温度で、一様に接触させれば
よく、一般にイオン交換処理は、5分乃至3時間程度の
接触で完了する。得られた製品は、濾過、水洗、乾燥、
粉砕することにより製品となる。またイオン交換後のス
ラリーを噴霧乾燥等により顆粒品として得ることもでき
る。また、もう一方のアニオンの導入法としては、ライ
カイ機等による摩砕交換法で粉末或いはウエットケーキ
の形の硫酸型の複合金属多塩基性塩と前述したアニオン
の塩の水溶液とを、0乃至100℃の温度で、一様に摩
砕混合させればよく、一般にイオン交換処理は、30分
乃至10時間程度の接触で完了する。得られた製品は、
乾燥、粉砕することにより製品となる。
【0049】本発明の複合金属多塩基性塩及びアニオン
交換体は、そのままで難燃剤として使用得るが、必要に
応じ有機及び無機の助剤により被覆等の後処理を行って
各種樹脂に添加する事ができる。このような有機のコー
テイング剤としては、例えば次のようなものが挙げられ
る。
【0050】ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸
等のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム
塩等の金属石鹸、シラン系カップリング剤、アルミニウ
ム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、各種ワ
ックス類、未変性乃至変性の各種樹脂(例えばロジン、
石油樹脂等)等のコーテイング剤で表面処理して難燃剤
用に使用することができる。これらのコーテング剤は、
PBS当たり0.5乃至20重量%、特に0.5乃至1
0重量%の量で用いるのがよい。
【0051】無機系助剤としては、エアロゾル、疎水処
理エアロゾル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグネシ
ア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム等
の金属炭酸塩、A型,P型等の合成ゼオライト及びその
酸処理物又はその金属イオン交換物から成る定型粒子
を、PBSにブレンド乃至マブシして使用することもで
きる。これらの無機系助剤は、PBS当たり0.01乃
至200重量%、特に0.1%乃至100重量%の量で
用いるのがよい。また助剤として尿素、エチレン尿素、
プロピレン尿素、5−ヒドロキシプロピレン尿素、5−
メトキシプロピレン尿素、パラバン酸、4,5−ジメキ
シエチレン尿素、ピロリジン、ピペリジン、モルホリ
ン、ジシアンジアミド、2−ヒドラゾベンゾチアゾー
ル、過マンガン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、ヨ
ードホール、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、硫酸アルミ
ニウム硫酸ヒドラジン複塩、無機・有機抗菌剤、光触媒
(アナターゼ型酸化チタン)等をブレンドして使用する
ことができる。
【0052】[塩素含有重合体用難燃剤]前述した本発
明に用いる複合金属多塩基性塩は、樹脂の加工温度で水
分の離脱に伴う発泡を生じることがなく、樹脂への配合
が容易であり、樹脂に対して熱安定化作用のある成分、
即ち、二価金属や三価金属成分、更には水酸基を含有し
ており、熱安定性にも優れている。更に、この複合金属
多塩基性塩はアニオン交換性を有しており、塩素イオン
などの捕捉性に優れている。また、二価金属成分として
亜鉛を含有するものは、抗菌性や消臭性にも優れてい
る。従って、本発明においては、かかる複合金属多塩基
性塩を塩素含有重合体用難燃剤として用いた場合、亜鉛
バーニング等を発生することなく、配合が容易であり、
しかも配合樹脂の燃焼時における煙発生を有効に抑制で
きる。それは後述する実施例からわかるように難燃電線
配合では、特にAl-Mg-ZnタイプのL.O.I.値が高く、発煙
量も少ない。次に、硬質配合での難燃性については、Al
-Mg-Znタイプのホウ酸とスズ酸でイオン交換したものが
L.O.I.値が高く、発煙量も小さいことがわかる。
【0053】本発明に用いる複合金属多塩基性塩は、前
述した式(ii)で示したとおり、M とM2+の含有比
率は0.3≦q/p≦2.5の範囲にあるが、塩素含有
重合体用難燃剤としては、1.0≦q/p≦2.0の範
囲にあることが特に望ましい。また、前述したように種
々の二価金属、M2+により構成されるが、特に、種々
の二価金属M2+の中でも、Mg及びZnが好適に使用
され、これらの含有比率は、Mg:Znとして9.9:
0.1乃至6:4、特に9:1乃至7:3の範囲にある
ことが望ましい。
【0054】[難燃性及び発煙抑制樹脂組成物]本発明
において、上記難燃剤は、熱可塑性樹脂100重量部当
たり1乃至200重量部、特に1乃至100重量部の量
で用いるのがよい。難燃剤の使用量が上記範囲を下回る
と、上記範囲内にある場合に比して、発煙抑制効果がか
なり低下する傾向があり、一方上記範囲を上回ると、塩
素含有重合体の場合、亜鉛バーニングを生じたり、初期
着色傾向が増大するので好ましくない。
【0055】本発明の難燃剤は、それ単独で使用できる
のは勿論であるが、それ自体公知の難燃剤として組み合
わせで使用し、発煙抑制作用と難燃性とを同時にしかも
相乗的に向上された状態で発現させることができる。
【0056】組み合わせて用いる難燃剤としては、アン
チモン系難燃剤、ホウ酸塩系難燃剤、錫酸亜鉛乃至ヒド
ロキシ錫酸亜鉛系難燃剤、水酸化物系無機難燃剤、ハロ
ゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン化リ
ン酸エステル系難燃剤等が単独或いは2種以上の組み合
わせで使用される。アンチモン系難燃剤としては、三酸
化アンチモン、五酸化アンチモン及びアンチモン酸ナト
リウム等が好適に使用されるが、他にトリメチルスチビ
ン、トリエチルスチビン、トリフェニルスチビン等も使
用し得る。ホウ酸塩系難燃剤としては、ホウ酸亜鉛、ホ
ウ酸マグネシウム、メタホウ酸バリウム等が挙げられ
る。錫酸亜鉛乃至ヒドロキシ錫酸亜鉛系難燃剤として
は、式(5) ZnSnO或いはZnSn(OH) ・・(5) で表される組成のものが使用される。水酸化物系難燃剤
としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
が挙げられる。ハロゲン系難燃剤としては、1,2−ジ
クロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,
2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラブロ
モエタン、ヘキサクロロエタン、ヘキサブロモエタン、
ジブロモテトラクロロエタン、1,2,3,4−テトラ
クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、
塩素化パラフィン、臭素化パラフィン、などの脂肪族ハ
ロゲン化化合物;ペンタブロモモノクロロシクロヘキサ
ン、ヘキサブロモシクロヘキサン、ヘキサクロロシクロ
ヘキサン、ヘキサブロモシクロデカン、ヘキサクロロシ
クロデカン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ヘキサ
ブロモシクロペンタジエン、クロルエンド酸、クロルエ
ンド酸ジアリル、無水クロルエンド酸、同様の沃素化合
物などの脂肪族ハロゲン化合物;ヘキサブロモベンゼ
ン、ヘキサクロロベンゼン、ペンタブロモメチルベンゼ
ン、ペンタクロロメチルベンゼン、ヘキサブロモジフェ
ニル、ヘキサクロロジフェニル、ヘキサブロモジフェニ
ルエーテル、ヘキサクロロジフェニルエーテル、ジブロ
モクレジルグリシジルエーテル、デカブロモビフェニル
エーテル、デカクロロビフェニルエーテル、デカブロモ
ジフェニルオキシド、デカクロロジフェニルオキシド、
オクタブロモジフェニルエーテル、オクタクロロジフェ
ニルエーテル、トリブロモフェノール、トリクロロフェ
ノール、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロ
ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、テ
トラブロモビスフェノールAD、ジブロモジクロロビス
フェノールA、テトラブロモビスフェノールAのジアセ
テート、テトラクロロビスフェノールAのジアセテー
ト、テトラブロモ−2,2−ビス(4,4’−ジメトキ
シフェニル)プロパン、テトラクロロ−2,2−ビス
(4,4’−ジメトキシフェニル)プロパン、テトラブ
ロモ無水フタール酸、テトラクロロ無水フタール酸、塩
素化エポキシノボラック型フェノール樹脂、臭素化エポ
キシノボラック型フェノール樹脂、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、同様の沃素化合物などの芳香族ハ
ロゲン化合物を例示することができる。リン酸エステル
系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オ
クチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニル
ホスフェート等が挙げられる。ハロゲン化リン酸エステ
ル系難燃剤としては、トリス(クロロエチル)ホスフェ
ート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、ト
リス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ
ス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(ブロモクロロプロピル)ホスフェート等が挙げられ
る。
【0057】これらの難燃剤は、複合金属多塩基性塩か
らなる難燃剤に対して、1:20乃至20:1、特に
1:10乃至10:1の重量比で組み合わせて用いる
と、発煙抑制の点でも、難燃性付与の点でも有効であ
り、火災発生に際しても、難燃性付与と発煙抑制とによ
り、避難や救助、消火等の活動が容易となる。
【0058】熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリ
エチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LL
DPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロ
ピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテ
ンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダム
あるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール
共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン
・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニト
リル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン
・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン
共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メ
チル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−
6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等
のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリフエニレンオキサイド等あるいはそれ
らの混合物のいずれかの樹脂でもよい。
【0059】これらの熱可塑性樹脂の内、本発明は燃焼
時の発煙傾向が著しい塩素含有重合体の発煙抑制に特に
有効である。塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素
化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合
体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソ
ブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合
体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩素化ビニル−
塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重
合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ
塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体と
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3
−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体又はエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、などのポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ
スチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例え
ば無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルな
ど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−
スチレン共重合体とのブレンド品などを挙げることがで
きる。
【0060】上記塩素含有重合体には、可塑剤、滑剤、
主熱安定剤、補助安定剤、着色剤、補強剤乃至充填剤等
のそれ自体公知の配合剤と共に、発煙抑制剤を配合する
のがよい。
【0061】可塑剤としては、塩素含有重合体用可塑剤
として公知の任意のもの、例えばフタル酸エステル、ト
メリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、脂肪族
二塩基酸エステル、リン酸エステル、ヒドロキシ多価カ
ルボン酸エステル、モノ脂肪酸エステル、多価アルコー
ルエステル、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤
が使用される。
【0062】また、滑剤としては、各種ワックス類、例
えば石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレンワックス、脂肪酸乃至その誘導体、動植物ワック
ス等が使用される。
【0063】これら可塑剤及び滑剤の配合量は、塩素含
有重合体の用途、即ち軟質配合であるか、硬質配合であ
るかによっても相違するが、前者の場合、樹脂100重
量部当り、可塑剤は20乃至100重量部、特に30乃
至80重量部の量、滑剤は0.05乃至5重量部、特に
0.5乃至3重量部の量で配合するのがよく、また後者
の場合、可塑剤は0乃至10重量部、特に0乃至5重量
部の量、滑剤は0.1乃至5重量部、特に0.2乃至3
重量部の量で配合するのがよい。
【0064】主安定剤としては公知のもの、例えば鉛系
安定剤や、非鉛系安定剤が単独或いは2種以上の組み合
わせで使用される。鉛系安定剤としては、それ自体公知
の任意のもの、特に三塩基性乃至四塩基性硫酸鉛、塩基
性亜リン酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性
マレイン酸鉛、塩基性フタル酸鉛、塩基性ステアリン酸
鉛、高級脂肪酸鉛或いはこれらの2種以上の組合せが挙
げられる。
【0065】非鉛系安定剤としては、無機の非鉛系安定
剤、金属石鹸系安定剤、有機錫系安定剤等が挙げられ、
無機の非鉛系安定剤としては、ケイ酸アルカリ土類金属
塩系安定剤、アルミノケイ酸アルカリ土類金属塩系安定
剤、アルカリ土類金属または亜鉛−アルミニウム複合水
酸化物炭酸塩等が使用される。
【0066】ケイ酸アルカリ土類金属塩系安定剤の適当
な例は、一般式(6) CaO・xSiO・nHO ‥‥(6) 式中、xは0.5以上の数であり、nは2.5以下の数
である、で表される化学組成を有し且つ面間隔3.01
乃至3.08オングストローム、面間隔2.78乃至
2.82オングストローム及び面間隔1.81乃至1.
84オングストロームにX線回折像を有する微結晶カル
シウムシリケート或いはその多価アルコールとの複合物
である。多価アルコールの適当な例は、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール等である。
【0067】アルミノケイ酸アルカリ土類金属塩系安定
剤の適当な例は、A型、X型、Y型、L型、P型、T型
(ネフェリン)等の他に、オフレタイト、エリオナイ
ト、モルデナイト、フェリエライト、クリノプチロライ
ト、チャバサイト、アナルサイム、ソーダライト族アル
ミノケイ酸塩等の各種結晶構造のものが何れも使用され
るが、塩化水素捕捉能の点で、特にA型ゼオライトが好
ましい。
【0068】アルカリ土類金属または亜鉛−アルミニウ
ム複合水酸化物炭酸塩の適当な例は、ハイドロタルサイ
ト類であり、マグネシウム型のものが一般的であるが、
亜鉛型のものもあり必要により使用することもできる。
【0069】金属石ケン系安定剤としては、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等が単独又は2種以上の
組合せで使用される。
【0070】有機錫系安定剤としては、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジブチル錫マレエート、オルガノ錫メルカプ
タイド、ジ−n−オクチル錫ラウレート、ジ−n−オク
チル錫マレエートポリマー、ジ−n−オクチル錫ビス2
−エチルヘキシルマレエート、ジ−n−オクチル錫ビス
イソオクチルチオグリコレート等が使用される。
【0071】上記安定剤は、樹脂100重量部当たり、
0.1乃至20重量部、特に0.5乃至15重量部の量
で用いるのが、熱安定化及び初期着色防止の点で好まし
い。これらの安定剤は単独でも或いは2種以上の組み合
わせでも使用されるが、塩素含有重合体の酸素指数濃度
を低下させないという意味では、無機系安定剤を主体と
したものを用いるのが好ましい。また、亜鉛バーニング
を防止する上で、安定剤の一部として、高級脂肪酸亜鉛
を用いるのが好ましい。
【0072】本発明の塩素含有重合体組成物では、β−
ジケトンまたはβ−ケト酸エステルを、樹脂100重量
部当たり0.05乃至10重量部、特に0.1乃至3重
量部の量で更に配合することが好ましい。上記キレート
剤成分を用いることにより、初期着色や亜鉛バーニング
を有効に防止することが可能となる。β−ジケトンまた
はβ−ケト酸エステルとしては、例えば、1,3−シク
ロヘキサジオン、メチレンビス−1,3−シクロヘキサ
ジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、
アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステア
ロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチ
ルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノ
ン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ビ
ス(ベンゾイル)メタン、ベンゾイル−p−クロルベン
ゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、
ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイル
アセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイ
ルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイ
ルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジ
ベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタ
ン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メ
タン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイ
ル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセ
トン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステ
アロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタ
ン及びジピバロイルメタン等を用いることが出来る。
【0073】本発明の塩素含有重合体組成物ではまた、
前記成分に加えて、多価アルコールを樹脂成分100重
量部当たり0.05乃至3重量部、特に0.1乃至1重
量部の量で用いることが好ましい。上記多価アルコール
成分を用いることにより、初期着色や亜鉛バーニングを
有効に防止することが可能となる。多価アルコールとし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、マンニトール、ソルビトール、トリメチロールプロ
パン、トリスイソシアヌレート、ジペンタエリスリトー
ルアジペート等を挙げることができ、中でもモノペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトールが好適に使用
できる。
【0074】本発明の塩素含有重合体組成物ではまた、
前記成分に加えて、フェノール系酸化防止剤を、樹脂成
分100重量部当たり0.005乃至3重量部、特に
0.01乃至0.5重量部の量で用いることが好まし
い。この酸化防止剤は、熱安定性の向上に有効であると
共に、連鎖反応による熱減成等を抑制するのに有用であ
る。フェノール系酸化防止剤としては、ビスフェノール
型酸化防止剤、立体障害性フェノール系酸化防止剤が何
れも使用される。例えば、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールB、ビスフェノールF、2,6−ジフェニル−4
−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネ
ート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレ
ンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス
〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッ
ド〕グリコールエステル、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒド
ロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリ
コールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられる。
【0075】上記配合成分を塩素含有重合体に配合する
には、可塑剤及び/又は滑剤を除く各配合成分を予めワ
ンパッケージ配合剤としてブレンドし、必要により造粒
しておき、これを、ロール、バンバリーミキサー、ある
いはペレタイザー等の混練装置を使用して塩素含有重合
体に可塑剤及び/又は滑剤と共に配合して、パイプ等の
成形用の硬質用組成物或いは電線被覆用等の軟質用組成
物とするか、或いはプラスチゾルとし、カレンダー加
工、溶融押出し成形、スラッシュ成形等でフィルム、シ
ート、タイル、その他の成形品として成形でき、またコ
ーティングに用いることができる。
【0076】本発明の難燃剤は、塩素含有重合体の発煙
抑制に有用であるばかりではなく、燃焼に際して発煙傾
向のあるオレフィン系樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の発煙抑制にも有効である。また、各種ゴ
ム、或いは熱硬化性樹脂に配合することができる。
【0077】ゴム用のエラストマー重合体としては、例
えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(C
R)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(II
PI)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレン
ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム
(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリ
ルゴム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、部分架橋
オレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0078】熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド
樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ト
リアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、或いはこれらの2種以上の組み合わせが
挙げられる。
【0079】このような用途の場合、上記熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂或いはエラストマー100重量部当た
り、0.01乃至200重量部、特に0.1乃至100
重量部の量で配合することができる。
【0080】
【実施例】以下の実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の例に限定されるものではない。な
お、難燃剤の物性測定は以下の方法に従って行った。
【0081】(1)メジアン径 メジアン径(μm)はCoulter社製 Particle Si
ze Analyzer Model LS230 を使用し、測定した。
【0082】(2)比表面積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1900を使用し、BET法により測定した。
【0083】(3)吸油量 JIS K5101に準拠して測定した。
【0084】(4)化学分析 化学分析は、湿式分析、原子吸光分析、イオンクロマト
グラフィーにより行った。
【0085】(5)X線回析 理学電機(株)製のGeigerflexRAD−Bシ
ステムを用いて、Cu−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター 検出器 SC 電圧 40KV 電流 20mA カウントフルスケール 700c/s スムージングポイント 25 走査速度 2°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1° RS0.15mm SS1° 照角 6°
【0086】(6)赤外線吸収スペクトル分析 日本分光(株)製FT/IR−8000赤外吸収スペク
トル分析装置を用いて測定を行った。
【0087】(7)示差熱分析 セイコー電子工業(株)製SSC/5200を用いて測
定を行った。
【0088】(合成例1−1)10L反応容器に水酸化マク゛
ネシウム(MgO=64.2%)1070.6gとイオン交換水を加えて4Lと
し、攪拌、分散させてスラリーを調製した。このスラリーに室温
下にて硫酸バンド(Al2O3=7.68%,SO3=18.1%)4.0kgを攪拌
下で徐々に注加した後、8Lまでメスアッフ゜した。その後90℃
まで昇温し、6時間反応を行った。反応終了後に減圧濾
過、20Lの温水で洗浄を行って濾過し含水ケーキを得た。そ
の一部を110℃にて一晩乾燥し、粉砕して白色粉末を得
た。残りのケーキは表面処理及びアニオン交換用として保存し
た。
【0089】(合成例1−2)Mg−SO4型の表面処理 1Lヒ゛ーカーに、合成例1−1〔Mg-SO4型〕の濾過ケーキを、乾
物相当で100gはかり取り、イオン交換水で水和して400m
lにメスアッフ゜し、80℃に昇温した。表面処理剤としてステアリル
燐酸エステルのカリウム塩を2.0g加え、更に80℃で30分間攪拌を
継続して表面処理を施した。濾過、洗浄、乾燥、粉砕を
行い白色粉末を得た。その一部を更に200℃で3時間乾
燥し、別試料として保存した。
【0090】(合成例2−1)合成例1−1と同様の操
作で、水酸化マグネシウム1070.6gスラリーに代えて水
酸化マグネシウム1019.0gと酸化亜鉛69.3gの混合スラリーを
調製した。以下、同様の条件下で反応、及び試料調製を
行い、(Mg+Zn)/Al混晶型の白色粉末を得た。
【0091】(合成例2−2)(Mg+Zn)/Al−SO4型の
表面処理 1000mlヒ゛ーカーに、合成例2−1〔(Mg+Zn)/Al-SO4型〕
の濾過ケーキを、乾物相当で100gはかり取り、イオン交換
水で水和して400mlにメスアッフ゜し、80℃に昇温した。表面
処理剤としてステアリル燐酸エステルのカリウム塩を2.0g加え、更に8
0℃で30分間攪拌を継続して表面処理を施した。濾過、
洗浄、乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。その一部を更
に200℃で3時間乾燥し、別試料として保存した。
【0092】(合成例3−1)合成例1−1と同様の操
作で、水酸化マグネシウム1070.6gスラリーに代えて水
酸化マグネシウム977.2gと酸化亜鉛122.7gの混合スラリーを
調製した。以下、同様の条件下で反応、及び試料調製を
行い、(Mg+Zn)/Al混晶型の白色粉末を得た。
【0093】(合成例3−2)(Mg+Zn)/Al−SO4型の
表面処理 1Lヒ゛ーカーに、合成例3−1〔(Mg+Zn)/Al-SO4型〕の濾
過ケーキを、乾物相当で100gはかり取り、イオン交換水で
水和して400mlにメスアッフ゜し、80℃に昇温した。表面処理
剤としてステアリル燐酸エステルのカリウム塩を2.0g加え、更に80℃
で30分間攪拌を継続して表面処理を施した。濾過、洗
浄、乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。その一部を更に
200℃で3時間乾燥し、別試料として保存した。
【0094】(合成例4−1)合成例1−1と同様の操
作で、水酸化マグネシウム1070.6gスラリーに代えて水
酸化マグネシウム750.4gと酸化亜鉛416.0gの混合スラリーを
調製した。以下、同様の条件下で反応、及び試料調製を
行い、(Mg+Zn)/Al混晶型の白色粉末を得た。
【0095】(合成例4−2) (Mg+Zn)/Al−SO4型の
表面処理 1000mlヒ゛ーカーに、合成例4−1〔(Mg+Zn)/Al-SO4型〕
の濾過ケーキを、乾物相当で100gはかり取り、イオン交換
水で水和して400mlにメスアッフ゜し、80℃に昇温した。表面
処理剤としてステアリル燐酸エステルのカリウム塩を2.0g加え、更に8
0℃で30分間攪拌を継続して表面処理を施した。濾過、
洗浄、乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。その一部を更
に200℃で3時間乾燥し、別試料として保存した。
【0096】(合成例5−1)合成例1−1と同様の操
作で、水酸化マク゛ネシウムの代わりに酸化亜鉛(純度99.6%)
1379.1gのスラリーを調製した。以下合成例1と同様の条件
下で反応、及び試料調製を行い、白色粉末を得た。
【0097】(合成例5−2)Zn/Al−SO4型の表面処理 1Lヒ゛ーカーに、合成例5−1〔Zn/Al-SO4型〕の濾過ケーキ
を、乾物相当で100gはかり取り、イオン交換水で水和し
て400mlにメスアッフ゜し、80℃に昇温した。表面処理剤とし
てステアリル燐酸エステルのカリウム塩を2.0g加え、更に80℃で30分
間攪拌を継続して表面処理を施した。濾過、洗浄、乾
燥、粉砕を行い白色粉末を得た。その一部を更に200℃
で3時間乾燥し、別試料として保存した。
【0098】(アニオン交換体の調製1)合成例1−1
〔Mg-SO4型〕の濾過ケーキをライカイ機に200g秤取
り、別に200mlビーカに試薬1級のシュウ酸ナトリウ
ムを16.8g秤取り水80mlを入れて60℃に加温し
たものを上記のライカイ機に添加し1時間摩砕交換反応
を行った。アニオン交換反応を行った後、乾燥、粉砕を行い
白色粉末を得た。このイオン交換法をMSと表記する。
以後、同様の操作でアニオン交換体の調製を行い、表1
に示した。
【0099】
【表1】
【0100】(アニオン交換体の調製2)1Lヒ゛ーカーに、
合成例3−1〔(Mg+Zn)/Al-SO4型〕の濾過ケーキをライ
カイ機に200g秤取り、イオン交換水で水和して600
mlにメスアッフ゜し、撹拌して分散後80℃に昇温した。別に2
00mlビーカに試薬1級のシュウ酸ナトリウムを16.
8g秤取り水200mlを入れて80℃に加温したものを
上記の分散液に添加し2時間イオン交換を行った。濾
過、洗浄、乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。このイオ
ン交換法をSSと表記する。また、合成例3−1〔(Mg
+Zn)/Al-SO4型〕の濾過ケーキをライカイ機に200g秤
取り、別に200mlビーカに試薬1級の硼酸を16g秤
取り水80mlを入れて60℃に加温したものを上記のラ
イカイ機に添加し1時間摩砕交換反応を行った。このイ
オン交換法をMSと表記する。アニオン交換反応を行った
後、乾燥、粉砕を行い白色粉末を得た。以後、同様の操
作でアニオン交換体の調製を行い、表2に示した。
【0101】
【表2】
【0102】(アニオン交換体の調製3)合成例5−1
〔Zn-SO4型〕の濾過ケーキをライカイ機に200g秤取
り、別に200mlビーカに試薬1級のシュウ酸ナトリウ
ムを16.8g秤取り水80mlを入れて80℃に加温し
たものを上記のライカイ機に添加し1時間摩砕交換反応
を行った。このイオン交換法をMSと表記する。アニオ
ン交換反応を行った後、乾燥、粉砕を行い白色粉末を得
た。以後、同様の操作でアニオン交換体の調製を行い、
表3に示した。
【0103】
【表3】
【0104】上記合成例で得られた各種複合多塩基性塩
を各樹脂に練り混み、混和物による試験を行った。な
お、塩化ビニル樹脂(以後PVC)における初期着色
性、及びギアオーブン耐熱性の評価は、各配合実施例と
もシートの測色によるLab表色系における白色度(W
値)の測定により行った。W値の算出式を下記式(5)
に示すが、より白さを保つことを耐熱性良否の指標とす
るならば、極めて合理的な方法と理解される。尚、試料
の裏当てには白色板を使用し、測定条件を同一にした。 W=100−〔(100−L)+a+b1/2・・・(5) 式中の記号は下記の意味を示す W:Lab表色系における白色度 L: 〃 明度指数 a: 〃 赤味指数 b: 〃 黄味指数 また、電気絶縁性(VR)は、JIS.6723に準拠
し、試料シートの30℃における体積固有抵抗値を測定
した。
【0105】(配合品)本発明に用いた発明品について
は以下のものをそれぞれ使用した。 (1)難燃剤 難燃剤は、合成例1〜5及び表1〜表3に記載の難燃剤
を使用した。なお、表中で乾燥温度の記載がない難燃剤
は110℃で乾燥したものを使用した。
【0106】(2)可塑剤 可塑剤は、フタル酸ジオクチル(以下、DOPとする)
と、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(以下、
TOTMとする)をそれぞれ用いた。
【0107】(3)安定剤 安定剤は水澤化学製の以下の物をそれぞれ用いた。 スタビネックスTC(三塩基性硫酸鉛) スタビネックスNC18(ステアリン酸鉛) ステアリン酸カルシウム ステアリン酸亜鉛
【0108】シートの難燃性についての評価は以下の方
法で行った。 (1)比視覚濃度 (株)東洋精機製作所製のNBS発煙試験装置を用い、
熱輻射量2.5W/cmで試料シートを加熱し、発煙
させ、発煙強度を煙の白色光透過率より算出する比視覚
濃度(D)を求めた。
【0109】(2)限界酸素指数(L.O.I) JIS K7201B法に準じて、(株)東洋精機製作
所製キャンドル法燃焼試験機を使用し、限界酸素指数
(L.O.I値%)を測定した。
【0110】(実施例1〜10、比較例1)下記配合の
組成物を、3.5インチロールミルで150℃で5分間
混練後、160℃、100Kg/cmで5分間プレス
し、厚さ1mmの軟質塩ビシートを作製した。得られた
シートから試験片を作成した後測定を行い、その結果を
表4に示す。 配合品 重量部 塩化ビニル樹脂(平均重合度=1050) 100 DOP 50 スタビネックスTC 3 スタビネックスNC18 0.5 難燃剤 5.0 表4より、難燃剤の乾燥温度が高い方が、難燃剤の水分
が少ないために限界酸素指数が高くなることが分かる
(例えば、実施例1と6を参照)。
【0111】
【表4】
【0112】(実施例11〜12、比較例2)下記配合
の組成物を、3.5インチロールミルで150℃で5分
間混練後、160℃、100Kg/cmで5分間プレ
スし、厚さ1mmの軟質塩ビシートを作製した。得られ
たシートから試験片を作成した後比視覚濃度及び限界酸
素指数を測定し、その結果を表5に示す。 配合品 重量部 塩化ビニル樹脂(平均重合度=1050) 100 DOP 50 スタビネックスTC 5 ステアリン酸 0.5 水酸化アルミニウム 50 難燃剤 表中に示す
【0113】
【表5】
【0114】(実施例13〜23、比較例3)下記配合
の組成物を、3.5インチロールミルで150℃で5分
間混練後、160℃、100Kg/cmで5分間プレ
スし、厚さ1mmの軟質塩ビシートを作製した。得られ
たシートから試験片を作成し比視覚濃度及び限界酸素指
数を測定し、その結果を表6に示す。 配合品 重量部 塩化ビニル樹脂(平均重合度=1050) 100 DOP 50 スタビネックスTC 5 ステアリン酸 0.5 Al(OH) 50 難燃剤 6.0
【0115】
【表6】
【0116】(実施例24〜26、比較例4〜7)下記
配合の組成物を、3.5インチロールミルで150℃で
5分間混練後、160℃、100Kg/cmで5分間
プレスし、厚さ1mmの軟質塩ビシートを作製した。得
られたシートから試験片を作成し比視覚濃度及び限界酸
素指数を測定し、その結果を表7に示す。 配合品 重量部 塩化ビニル樹脂(平均重合度=1300) 100 TOTM 50 スタビネックスTC 5 ステアリン酸 0.5 CaCO 20 難燃剤 5.0
【0117】
【表7】
【0118】(実施例27〜33、比較例8〜10)下
記配合の組成物を、3.5インチロールミルで150℃
で5分間混練後、160℃、100Kg/cmで5分
間プレスし、厚さ1mmの軟質塩ビシートを作製した。
得られたシートから試験片を作成し比視覚濃度及び限界
酸素指数を測定し、その結果を表8に示す。 配合品 重量部 塩化ビニル樹脂(平均重合度=1300) 100 TOTM 50 ステアリン酸カルシウム 1.0 ステアリン酸亜鉛 0.5 DiP300(シ゛ヘ゜ンタエリスリトール) 0.5 難燃剤 5.0
【0119】
【表8】
【0120】(実施例34〜40、比較例11)下記配
合の組成物を、3.5インチロールミルで160℃で5
分間混練後、170℃、100Kg/cmで5分間プ
レスし、厚さ1mmの半硬質塩ビシートを作製した。得
られたシートから試験片を作成し比視覚濃度及び限界酸
素指数を測定し、その結果を表9に示す。 配合品 重量部 塩化ビニル樹脂(平均重合度=1050) 100 DOP 25 スタビネックスTC 5 ステアリン酸 0.5 SA200(硼酸エステル) 0.3 DiP300(シ゛ヘ゜ンタエリスリトール) 0.5 難燃剤 5.0
【0121】
【表9】
【0122】(実施例41〜46、比較例12〜14)
下記配合の組成物を、3.5インチロールミルで165
℃で5分間混練後、170℃、100Kg/cmで5
分間プレスし、厚さ1mmの硬質塩ビシートを作製し
た。得られたシートから試験片を作成し比視覚濃度及び
限界酸素指数を測定し、その結果を表10に示す。 配合品 重量部 塩化ビニル樹脂(平均重合度=1050) 100 スタビネックスTC 5 ステアリン酸 0.5 難燃剤 5.0
【0123】
【表10】
【0124】(実施例47〜52、比較例15〜16)
下記配合の組成物を、3.5インチロールミルで120
℃で5分間混練し、170℃、100Kg/cmで5
分間プレスし、厚さ1mmのPEシートを作製した。得
られたシートから試験片を作成し限界酸素指数を測定
し、その結果を表11に示す。 配合品 重量部 LLDPE 100 難燃剤 下記表(表中の数値は重量部) また、シートの溶解状態(たれ)を評価した。評価方法
は、耐熱評価時の樹脂の溶解状態を目視で以下のように
3段階で評価した。 大:ほとんどの樹脂が燃えて流れる 中:わずかに樹脂が流れる 小:ほとんど樹脂が流れない
【0125】
【表11】
【0126】(実施例53、比較例17〜18)繊維用
原液をDMF:アクリルポリマー=60:40の割合
で、また配合剤用分散液をDMF:分散剤:アクリルポ
リマー:配合剤=86:2:2:10の割合でそれぞれ
調製した。次に、調製した繊維用原液を150g、配合
剤用分散液を100gをホモミキサーで混合・分散さ
せ、この分散液を濃度60%のDMF水溶液に注入し
た。析出物を充分に水洗・乾燥し、アクリルシートを得
た(樹脂100重量部当たり、難燃剤16.0重量部を
配合)。得られたシートから試験片を作成し比視覚濃
度、限界酸素指数を測定し、その結果を表12に示す。
【0127】
【表12】
【0128】(実施例54〜55、比較例19〜20)
アクリル:塩化ビニリデン=70:30の割合になるよ
うにアクリルシート1と塩化ビニリデンを配合しシート
を得た。(樹脂100重量部当たり、難燃剤9.7重量
部を配合)。得られたシートについて試験片を作成し比
視覚濃度、限界酸素指数を測定し、その結果を表13に
示す。
【0129】
【表13】
【0130】
【発明の効果】本発明によれば、明確な結晶構造を有
し、しかもハイドロタルサイト類とも結晶構造の異なる
複合金属多塩基性塩を用いることにより、塩素含有重合
体等の熱可塑性樹脂に対して亜鉛バーニングを発生する
ことなく、優れた発煙抑制が可能となる。特にこの複合
金属多塩基性塩と多価アルコール、βジケトン乃至βケ
ト酸エステル、高級脂肪酸金属石鹸、フェノール系酸化
防止剤、微結晶ケイ酸塩等と組み合わせて使用すること
で、より発煙抑制に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる複合金属多塩基性塩(Mg型)及
びそのアニオン交換体の赤外吸収スペクトルを示す図で
ある。
【図2】本発明に用いる複合金属多塩基性塩(Mg+Zn/A
l型)及びそのアニオン交換体の赤外吸収スペクトルを
示す図である。
【図3】本発明に用いる複合金属多塩基性塩(Zn型)及
びそのアニオン交換体の赤外吸収スペクトルを示す図で
ある。
【図4】本発明に用いる複合金属多塩基性塩(Zn型)及
びそのアニオン交換体の赤外吸収スペクトルを示す図で
ある。
【図5】本発明に用いるAl−Mg型複合金属多塩基性
塩及びそのアニオン交換体(湿式交換(SS))のX線
回折像を示す図である。 A:Al−Mg型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体が蓚酸ナトリウム C:アニオン交換体が炭酸水素ナトリウム D:アニオン交換体がりん酸一ナトリウム E:アニオン交換体がケイ酸ナトリウム
【図6】本発明に用いるAl−Mg型複合金属多塩基性
塩及びそのアニオン交換体(摩砕交換(MS))のX線
回折像を示す図である。 A:Al−Mg型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体が蓚酸ナトリウム C:アニオン交換体が炭酸水素ナトリウム D:アニオン交換体がりん酸一ナトリウム E:アニオン交換体がケイ酸ナトリウム F:アニオン交換体がほう酸 G:アニオン交換体が硝酸 H:アニオン交換体がすず酸ナトリウム
【図7】本発明に用いるAl−(Mg+Zn)型複合金
属多塩基性塩及びそのアニオン交換体(湿式交換(S
S))のX線回折像を示す図である。 A:Al−Mg型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体が蓚酸ナトリウム C:アニオン交換体がほう酸ナトリウム D:アニオン交換体がピロリン酸ナトリウム E:アニオン交換体がりん酸一ナトリウム F:アニオン交換体がケイ酸ナトリウム G:アニオン交換体がすず酸ナトリウム
【図8】本発明に用いるAl−(Mg+Zn)型複合金
属多塩基性塩及びそのアニオン交換体(摩砕交換(M
S))のX線回折像を示す図である。 A:Al−(Mg+Zn)型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体がほう酸 C:アニオン交換体がほう酸ナトリウム D:アニオン交換体がりん酸
【図9】本発明に用いるAl−(Mg+Zn)型複合金
属多塩基性塩及びモリブデン酸アンモニウムでアニオン
交換(摩砕交換(MS))したX線回折像を示す図であ
る。 A:Al−(Mg+Zn)型複合金属多塩基性塩 B:1/6molでアニオン交換 C:1/12molでアニオン交換
【図10】本発明に用いるAl−(Mg+Zn)型複合
金属多塩基性塩及びアンチモン酸でアニオン交換(摩砕
交換(MS))したX線回折像を示す図である。 A:Al−(Mg+Zn)型複合金属多塩基性塩 B:1/2molでアニオン交換 C:1/4molでアニオン交換 D:1/6molでアニオン交換
【図11】本発明に用いるAl−(Mg+Zn)型複合
金属多塩基性塩及び塩化ジルコニウムでアニオン交換
(摩砕交換(MS))したX線回折像を示す図である。 A:Al−(Mg+Zn)型複合金属多塩基性塩 B:1molでアニオン交換 C:1/2molでアニオン交換
【図12】本発明に用いるAl−(Mg+Zn)型複合
金属多塩基性塩及びスズ酸ナトリウムでアニオン交換
(摩砕交換(MS))したX線回折像を示す図である。 A:Al−(Mg+Zn)型複合金属多塩基性塩 B:1molでアニオン交換 C:1/2molでアニオン交換 D:1/4molでアニオン交換
【図13】本発明に用いるAl−Zn型複合金属多塩基
性塩及びそのアニオン交換体(湿式交換(SS))のX
線回折像を示す図である。 A:Al−Zn型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体が蓚酸ナトリウム C:アニオン交換体がほう酸ナトリウム D:アニオン交換体がりん酸一ナトリウム E:アニオン交換体がケイ酸ナトリウム
【図14】本発明に用いるAl−Zn型複合金属多塩基
性塩及びそのアニオン交換体(摩砕交換(MS))のX
線回折像を示す図である。 A:Al−Zn型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体が蓚酸ナトリウム C:アニオン交換体がほう酸 D:アニオン交換体がほう酸ナトリウム E:アニオン交換体がリン酸ナトリウム F:アニオン交換体がピロリン酸ナトリウム G:アニオン交換体がケイ酸ナトリウム H:アニオン交換体がリン酸
【図15】本発明に用いるAl−Zn型複合金属多塩基
性塩及びスズ酸ナトリウムでアニオン交換(摩砕交換
(MS))したX線回折像を示す図である。 A:Al−Zn型複合金属多塩基性塩 B:1/2molでアニオン交換 C:1/4molでアニオン交換
【図16】本発明に用いるAl−Zn型複合金属多塩基
性塩及びそのアニオン交換体(摩砕交換(MS))のX
線回折像を示す図である。 A:Al−Zn型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体がモリブデン酸アンモニウム C:アニオン交換体がアンチモン酸ナトリウム D:アニオン交換体がほう酸ナトリウム
【図17】本発明に用いるAl−Zn型複合金属多塩基
性塩及びそのアニオン交換体(摩砕交換(MS))のX
線回折像を示す図である。 A:Al−Zn型複合金属多塩基性塩 B:アニオン交換体がモリブデン酸アンモニウム C:アニオン交換体がアンチモン酸ナトリウム D:アニオン交換体がほう酸ナトリウム
【図18】本発明に用いる公知のマグアルドレートX線
回折像を示す図である。
【図19】USP標準のマグアルドレートX線回折像を
示す図である。
【図20】ハイドロタルサイトのX線回折像を示す図で
ある。
【図21】リチウムアルミニウム複合水酸化物塩のX線
回折像を示す図である。
【図22】本発明に用いるAl−Mg型複合金属多塩基
性塩のX線回折像を示す図である。
【図23】本発明に用いる複合金属多塩基性塩の積層不
整を説明するためのX線回折チャートを示す図である。
【図24】本発明に用いるAl−Mg型複合金属多塩基
性塩の示差熱分析の結果を示す図である。
【図25】本発明に用いるAl−Mg型複合金属多塩基
性塩の200℃品の示差熱分析の結果を示す図である。
【図26】ハイドロタルサイトの示差熱分析の結果を示
す図である。
【図27】Al−Mg型複合金属多塩基性塩における、
2+/M3+仕込みモル比とM 2+/M3+生成モル
比の関係を示す図である。
【図28】Al−Mg型複合金属多塩基性塩における、
生成物のM2+/M3+モル比とA/M3+のモル比の
関係を示す図である。
【図29】Al−Mg型複合金属多塩基性塩において、
原料のM2+/M3+仕込みモル比を変化させた場合の
X線回折像を示す図である。
【図30】Al−Zn型複合金属多塩基性塩において、
原料のM2+/M3+仕込みモル比を変化させた場合の
X線回折像を示す図である。
【図31】Al−(Zn+Mg)型複合金属多塩基性塩
において、原料のM2+/M3+仕込みモル比を変化さ
せた場合のX線回折像を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 宏 東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 近藤 正巳 東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 皆川 円 東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 哲 東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内 (72)発明者 井上 宏志 東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4G047 AA04 AA05 AB02 AC03 4H028 AA08 AA10 AA12 AA21 AA22 AA43 BA06 4J002 BB031 BB061 BB121 BB151 BB171 BB241 BC051 BD041 BD051 BD061 BD071 BD081 BD091 BD101 BG001 BH021 BN151 BN161 DE036 DE076 DE146 DE186 DE286 DG046 DH046 DJ006 DK006 EG036 EG046 FD020 FD030 FD070 FD136 FD170

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) M3+ 2+ (OH)(A)・nHO ‥(1) 式中、M3+は三価金属を表し、M2+は二価金属を表
    し、 Aは無機または有機のアニオンを表し、 p、q、y及びzは下記式 3p+2q−y−mz=0(式中mはアニオンAの価数
    であり)、 0.3≦q/p≦2.5、 1.5≦y/(p+q)≦3.0、 及び 1.0≦(p+q)/z≦20.0 を満足する数であり、 nは7以下の数である、で表される化学組成を有する複
    合金属多塩基性塩から成ることを特徴とする難燃剤。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)において、三価金属M
    3+がアルミニウムであり、二価金属M2+がマグネシ
    ウム及び亜鉛からなる群より選択された少なくとも1種
    の金属であり、アニオンAが硫酸アニオン、炭酸アニオ
    ン、硝酸アニオン、ホウ酸アニオン、スズ酸アニオン、
    ケイ酸アニオン、リン酸アニオン、アンチモン酸アニオ
    ン、モリブデン酸アニオン、ジルコニア酸アニオン及び
    シュウ酸アニオンからなる群より選択された少なくとも
    1種のアニオンであることを特徴とする請求項1に記載
    の難燃剤。
  3. 【請求項3】 前記複合金属多塩基性塩が、X線回折
    (Cu−α)において、2θ=2乃至15゜、2θ=1
    6乃至26゜及び2θ=33乃至50゜に回折ピークを
    有し、且つ2θ=60乃至64゜には単一のピークが存
    在するものであることを特徴とする請求項1または2に
    記載の難燃剤。
  4. 【請求項4】 下記X線回折像 を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記
    載の難燃剤。
  5. 【請求項5】 下記数式(2) I = tanθ/tanθ ・・(2) 式中、θは一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
    ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ
    は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
    なす角度を表す、で定義される積層不整指数(I)が
    2θ=33乃至50゜のピークにおいて1.0以上であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の難
    燃剤。
JP2001111862A 2000-04-12 2001-04-10 難燃剤 Pending JP2002003848A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001111862A JP2002003848A (ja) 2000-04-12 2001-04-10 難燃剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-110822 2000-04-12
JP2000110822 2000-04-12
JP2001111862A JP2002003848A (ja) 2000-04-12 2001-04-10 難燃剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002003848A true JP2002003848A (ja) 2002-01-09

Family

ID=26589960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001111862A Pending JP2002003848A (ja) 2000-04-12 2001-04-10 難燃剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002003848A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011247412A (ja) * 2010-04-30 2011-12-08 Mitsubishi Plastics Inc 耐火用配管材
JP2011247413A (ja) * 2010-04-27 2011-12-08 Mitsubishi Plastics Inc 耐火用配管材
JP2011246703A (ja) * 2010-04-27 2011-12-08 Mitsubishi Plastics Inc 耐火用配管材
WO2013146222A1 (ja) * 2012-03-27 2013-10-03 タテホ化学工業株式会社 複合金属水酸化物粒子、及びそれを含む樹脂組成物
JP2020500998A (ja) * 2016-12-12 2020-01-16 エスシージー ケミカルズ カンパニー,リミテッド ポリマー組成物
CN114730942A (zh) * 2019-11-18 2022-07-08 雅宝公司 用于锂电池的阻燃剂

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5290192A (en) * 1976-01-23 1977-07-28 Kyowa Kagaku Kougiyou Kk Inorganic flame resisting agent
JPH06136179A (ja) * 1992-10-13 1994-05-17 Mizusawa Ind Chem Ltd 樹脂用配合剤
JPH06219732A (ja) * 1993-01-20 1994-08-09 Kyowa Chem Ind Co Ltd 過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物および含ハロゲン樹脂組成物
JPH072518A (ja) * 1991-06-06 1995-01-06 Kaisui Kagaku Kenkyusho:Kk 繊維状複合金属水酸化物およびその製造法
JPH101311A (ja) * 1996-03-05 1998-01-06 Kyowa Chem Ind Co Ltd 合成チヤルコアルマイト化合物およびその製造法
WO1999005219A1 (fr) * 1997-07-22 1999-02-04 Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. Agent ignifuge, resistant a la deterioration thermique, composition de resine et article moule

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5290192A (en) * 1976-01-23 1977-07-28 Kyowa Kagaku Kougiyou Kk Inorganic flame resisting agent
JPH072518A (ja) * 1991-06-06 1995-01-06 Kaisui Kagaku Kenkyusho:Kk 繊維状複合金属水酸化物およびその製造法
JPH06136179A (ja) * 1992-10-13 1994-05-17 Mizusawa Ind Chem Ltd 樹脂用配合剤
JPH06219732A (ja) * 1993-01-20 1994-08-09 Kyowa Chem Ind Co Ltd 過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト類化合物および含ハロゲン樹脂組成物
JPH101311A (ja) * 1996-03-05 1998-01-06 Kyowa Chem Ind Co Ltd 合成チヤルコアルマイト化合物およびその製造法
WO1999005219A1 (fr) * 1997-07-22 1999-02-04 Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. Agent ignifuge, resistant a la deterioration thermique, composition de resine et article moule

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011247413A (ja) * 2010-04-27 2011-12-08 Mitsubishi Plastics Inc 耐火用配管材
JP2011246703A (ja) * 2010-04-27 2011-12-08 Mitsubishi Plastics Inc 耐火用配管材
JP2011247412A (ja) * 2010-04-30 2011-12-08 Mitsubishi Plastics Inc 耐火用配管材
WO2013146222A1 (ja) * 2012-03-27 2013-10-03 タテホ化学工業株式会社 複合金属水酸化物粒子、及びそれを含む樹脂組成物
JP2013203767A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Tateho Chemical Industries Co Ltd 複合金属水酸化物粒子、及びそれを含む樹脂組成物
CN104220520A (zh) * 2012-03-27 2014-12-17 达泰豪化学工业株式会社 复合金属氢氧化物颗粒、及含有其的树脂组合物
JP2020500998A (ja) * 2016-12-12 2020-01-16 エスシージー ケミカルズ カンパニー,リミテッド ポリマー組成物
JP7046947B2 (ja) 2016-12-12 2022-04-04 エスシージー ケミカルズ カンパニー,リミテッド ポリマー組成物
CN114730942A (zh) * 2019-11-18 2022-07-08 雅宝公司 用于锂电池的阻燃剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4669098B2 (ja) ホウ酸亜鉛、その製法及び用途
CA1258335A (en) Fire-retardant resin composition
WO2006043352A1 (ja) ハイドロタルサイト及び合成樹脂組成物
JPH05179052A (ja) 樹脂用安定剤
US20130041081A1 (en) Filler for synthetic resin, synthetic resin composition, manufacturing method therefor, and molded object made therefrom
KR101040942B1 (ko) 합성수지 안정제용 하이드로탈사이트 및 이를 포함하는 합성수지 조성물
JP4785134B2 (ja) 電気絶縁性が改良された受酸剤、それを含む組成物およびその成形品
CA1101606A (en) Smoke and fire retardants for halogen-containing plastic compositions
JP2002003848A (ja) 難燃剤
CA2454790A1 (en) Alkaline earth metal-basic silicate particle
JP4106508B2 (ja) 塩素含有樹脂組成物
JP3444732B2 (ja) 塩素含有重合体用難燃剤組成物及びそれを含有する樹脂組成物
JPH1121392A (ja) 難燃性ポリオレフィン樹脂成形体
JP2002053722A (ja) 塩素含有樹脂組成物
JP3510067B2 (ja) 塩素含有重合体用安定剤及び塩素含有重合体組成物
JP3958436B2 (ja) 塩素含有重合体用安定剤及び塩素含有重合体組成物
JP2000007864A (ja) 塩素含有重合体組成物
JP3973289B2 (ja) 塩素含有重合体組成物
JPH10158449A (ja) 複合安定剤及び塩素含有重合体組成物
JPS61113630A (ja) 塩素含有重合体用安定剤の製造方法
JP2000086810A (ja) 発煙抑制剤及び低発煙性を有する樹脂組成物
JP4365047B2 (ja) 塩素含有重合体用安定剤及び樹脂組成物
JP4610110B2 (ja) ホウ酸亜鉛及びその用途
EP0868480B1 (en) Organo-tin-containing complex stabiliser for synthetic resin compositions
JP2911404B2 (ja) 保温剤及び保温性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110913