JP2004010714A - 樹脂用配合剤、その製法及びそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【目的】樹脂用配合剤、樹脂フイルム用AB剤として有効な低吸湿性の非晶質シリカアルミナ粒子、その製造方法及びその粒子を用いた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】Baイオンにイオン交換したA型ゼオライトの熱処理によって得られる非晶質シリカアルミナ粒子で、酸化物基準でモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5、平均粒子径が0.3乃至10μmで、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤。
【選択図】 なし
【解決手段】Baイオンにイオン交換したA型ゼオライトの熱処理によって得られる非晶質シリカアルミナ粒子で、酸化物基準でモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5、平均粒子径が0.3乃至10μmで、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系樹脂やハロゲン含有樹脂等に対して配合される樹脂用配合剤に関するもので、より詳細には、形成されるフィルムのアンチブロッキング性、安定性、耐磨耗性、諸物性等に優れている樹脂用配合剤に関する。特に、メタロセン系触媒を用いて得られるオレフィン系樹脂に配合し、安定性や耐磨耗性、更には耐発泡性、その他の物性に優れたオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体のごときオレフィン系樹脂は、成形性に優れ、衛生的特性、機械的特性、透明性等に優れており、廃棄処理も容易であることから、フィルムの形で、包装材料、農業用フィルム等の各種用途に広く使用されている。
これらのフィルム、特に延伸フィルムを取り扱う際、フィルム面同士が密着して剥離しにくくなる所謂ブロッキングが生じ、これを防止するためにアンチブロッキング剤を配合することが広く行われており、このようなアンチブロッキング剤としては、各種無機粒子、例えば非晶質シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、各種クレイ等が知られている。
【0003】
なかでも、オレフィン系樹脂には、ゼオライトとゼオライトを変性して得られる非晶質シリカアルミナ粒子は分散性や透明性に優れたアンチブロッキング剤として好適に使用されている。特に、ゼオライトを変性して得られる非晶質シリカアルミナ粒子は、水分含有量がゼオライトに比較して大幅に少ないので、使用に際して樹脂の発泡が抑制され、安定した品質の樹脂製品が得られるようになった。
【0004】
また、塩化ビニル樹脂は熱により脱塩酸反応を伴った変色劣化を起こす。成形加工時の変色は加工業者の危惧するところであり、これらの劣化を防止する目的で予め塩化ビニル樹脂に熱安定剤を添加し成形に供する。前記オレフィン系樹脂で「中和剤(ハロゲンキャッチャー)」と呼称するものに相当する。この目的には各種無機粒子、例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム・亜鉛の水酸化物の固溶体等の酸化物、水酸化物、ハイドロタルサイト等の無機複塩、ゼオライト、リチウム・アルミニウム複塩、過塩素酸塩等がある。
なかでも、ゼオライトと2価カチオン含有ゼオライトは分散性、加工作業性、透明性に優れた熱安定剤として好適に使用されている。
【0005】
ゼオライトから非晶質シリカアルミナ粒子を得る一般的方法は、大別して2種類有る。第1の方法はゼオライトの酸処理であり、特開昭58−213031号公報、特開昭59−156913号公報、特開昭59−213616号公報、特開昭60−32836号公報、特開昭62−135543号公報、特開昭63−60103号公報、特開昭63−182212号公報、特開平3−153743号公報、特開平10−67882号公報などに記載がある。しかし、これらの提案で得られる非晶質シリカアルミナ粒子は、未だ吸湿量が大きく、樹脂に配合し、加工する際、発泡する傾向が大きい。また、P型ゼオライトの酸処理では、製造する際シリカ分が反応媒体中に溶出して、目的物の歩留まりが低いという不利益がある。また、A型ゼオライトは立方体の形状に由来して、配合フィルム同士がこすれたときの耐磨耗性が比較的大きく、特に吸湿性の減少を目的として高温で焼成したものではその傾向が特に大きい。
【0006】
第2の方法は、ナトリウムP型ゼオライトをアルカリ土類金属イオンでイオン交換し次いで焼成して非晶質シリカアルミナ粒子を得る方法で、特開平2−225314号公報に記載されている。この方法で得られる球状粒子は、目的物の歩留まりが大きいこと及び吸湿傾向が比較的少ないことでは満足しうるものではあるが、アルカリ性が強いため、樹脂に配合したときの安定性に問題があり、樹脂用配合剤を分解したり、或いは着色を生じることが問題である。
ナトリウムA型ゼオライトをアルカリ土類金属等の多価イオンでイオン交換した樹脂配合用ゼオライトは、特開昭57−77022号公報や特開昭57−77022号公報に紹介されており、オレフィン系樹脂やハロゲン含有樹脂等に対して配合され、樹脂フィルムのアンチブロング性、安定性、耐磨耗性、諸物性を向上させることが記載されている。これらの特許の実施例にBaが登場しないことからも明らかなように、これらの特許はA型ゼオライトの非晶質化を目的としてはいない。また、焼成についても記載がないことから、A型ゼオライトの含水量を減らすことを目的としてはいない。そのために、水分含有量が多く、使用に際して樹脂の発泡を充分に抑制できず、安定した品質の樹脂製品が得られにくい欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように多くの提案がなされてはいるが、非晶質シリカアルミナ粒子は、オレフィン系樹脂やハロゲン含有樹脂に対する配合、分散が容易であり、アンチブロッキング性能や熱安定化性能に優れているという利点を与えるが、吸湿性、耐磨耗性、及び安定性の組み合わせにおいては、未だ十分満足すべきものではない。
【0008】
このように、アンチブロッキング剤等の樹脂用配合剤としては、その分散性のために、球状ないし角の取れた立方体状の粒子であることは当然必要なことであるが、それと同時にpHが中性付近であって、樹脂組成物の安定性に優れていること、配合樹脂フィルムの耐磨耗性が低いレベルに抑制されていること、吸湿傾向が少なくて、樹脂の発泡が抑制されていることが同時に要求される。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記要請を満足する非晶質シリカアルミナ粒子の樹脂用配合剤及びその製造方法を提供するにある。
【0010】
本発明の他の目的は、オレフィン系樹脂、特に、メタロセン系触媒を用いて得られるオレフィン系樹脂と特定の無機配合剤とを含有し、安定性や耐磨耗性、更には耐発泡性、その他の物性に優れたオレフィン系樹脂組成物を提供するにある。
【0011】
本発明の他の目的は、ハロゲン含有樹脂と特定の無機配合剤とを含有し、安定性や耐磨耗性、更には耐発泡性、その他の物性に優れたハロゲン含有樹脂組成物を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、Baイオンにイオン交換したA型ゼオライトの熱処理によって得られる非晶質シリカアルミナ粒子で、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、Baイオンにイオン交換したA型ゼオライトの熱処理によって得られる非晶質シリカアルミナ粒子で、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤が提供される。
本発明で言う「非晶質化」あるいは「非晶質」とは、X線回折パターンにおいて元のA型ゼオライトの回折線の主な強度が10分の1以下になると定義して、結晶質と区別をする。
更に、上記非晶質シリカアルミナ粒子は、平均粒子径が0.3乃至10μmであることが好ましく、また酸化物基準でモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5であることが好ましく、その水性分散体としてのpHが6乃至10であることが好ましい。
【0014】
非晶質シリカアルミナ粒子の粒子の形状は特に限定するものではないが、多くの用途で好ましい形状は、平均粒子径は0.3乃至10μmであり、同様にその粒子は、球状ないし角の取れた立方体状の粒子形状である。また、後に記載したように、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5のゼオライトを原料に使用しているので、非晶質シリカアルミナ粒子の酸化物基準でのモル比はSiO2/Al2O3=1.7〜2.5となる。
非晶質シリカアルミナ粒子の水性分散体としてのpHは特に限定するものではないが、6乃至10であることが好まい。このpHは後記の中和処理によって達成することが出来、アルカリによる樹脂の黄変や老化の抑制に効果がある。
【0015】
また、本発明によれば、ナトリウムA型ゼオライトを、ゼオライト中のNa分の少なくとも50%が除去されるようにBaイオンにイオン交換し、200〜700℃で熱処理して、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子を得る製造方法が提供される。
【0016】
A型ゼオライトとしては、その粒子の形状は特に限定するものではないが多くの用途で好ましい形状は、上記非晶質シリカアルミナ粒子に転写されるので、ゼオライトの平均粒子径は0.3乃至10μmであり、同様にその粒子は、球状ないし角の取れた立方体状の粒子形状である。また、ゼオライトの酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5であることが必要で、1.7未満では結晶性の良いゼオライトは得られず、2.5より大きいと非晶質化が充分に行えない。
【0017】
Baイオン原料としては、塩化バリウム、硝酸バリウムのような水溶性のバリウム塩が使用しやすい。塩化バリウムは安価なので特に好ましい。ゼオライト中のNa分の少なくとも50%が除去されるようにBaイオンにイオン交換する事が必要である。Naが50%より多く残存すると、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%よりも大きい吸湿性のある非晶質シリカアルミナ粒子となる。このために使用するバリウムの量はゼオライトのNa当量の0.5倍から1.2倍がよい。0.5倍未満では非晶質化が充分に行えず、1.2倍より多く使用してもイオン交換率は平衡に達し、過剰に使用する意味がない。イオン交換方法はバッチ式でも良く、カラム状にして流下式にしても良い。イオン交換の温度は室温から100℃以下であれば任意に選定することが出来る。
【0018】
イオン交換したゼオライトは既に結晶が歪み非晶質に近くなっているが、これを濾過水洗して、余剰のナトリウムやバリウムを除去する。この濾過水洗工程の前または後で、ゼオライトスラリーに酸を添加してスラリーのpHを6〜10に調節することができる。この中和処理は、非晶質シリカアルミナ粒子がその水性分散体としてのpHが6乃至10となるようにするためには必要な工程である。
【0019】
次いで、乾燥・熱処理を行うが、乾燥と熱処理は連続して行っても良く、順次に行っても良い。水分の除去とともに非晶質化は進行し、200℃未満の乾燥だけでは非晶質化が充分に行えず、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%よりも大きい吸湿性のある非晶質シリカアルミナ粒子となる。熱処理温度は200〜700℃が好ましい。700℃より高い温度は余分のエネルギーを費やすだけで不利である。温度が高いほど短時間で、脱水・非晶質化が出来るわけであるから、エネルギーバランスで任意に温度を設定できる。その点で更に好ましい温度は300〜500℃であり、この熱処理で平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下の非晶質シリカアルミナ粒子が得られる。
【0020】
本発明で得られる非晶質シリカアルミナ粒子は、その光屈折率の調節や樹脂との密着性の改質などのために、無機酸化物、無機炭酸塩、有機化合物やカップリング剤で表面性状を変性させることが出来る。また、骨格細孔内に液体を内蔵させることもでき、樹脂改質剤を粒子表面に吸着させることもできる。このように公知の技術を本発明の非晶質シリカアルミナ粒子に適用することはいずれも可能である。
【0021】
また、本発明によれば、オレフィン系樹脂100重量部に、無機配合剤として、上記非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤を0.01乃至10重量部含有させて成ることを特徴とするオレフィン系樹脂組成物が提供される。
【0022】
配合するオレフィン系樹脂としては、特に低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、あるいはこれらのエチレン乃至α−オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン系重合体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、これらは単独でも或いは2種以上のブレンド物の形でも使用できる。
【0023】
これらのオレフィン重合体は、ハロゲン含有遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とからなる所謂チーグラー系触媒を用いて製造されたものでも、所謂メタロセン系触媒、即ちチタン或いはジルコニウム等の遷移金属のシクロペンタジエニル骨格含有錯体と有機アルミノキサン化合物とから成る触媒を用いて製造されたものでもよい。
【0024】
本発明の樹脂用配合剤は、上記オレフィン重合体の内でも、エチレンと炭素数3乃至18のαーオレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等とを、遷移金属系触媒、特にメタロセン系触媒の存在下に重合させて得られる線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の樹脂配合剤として有用である。また、上記LLDPEの成形性を改善するために、LLDPEに低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンをブレンドして、フィルム等を成形することも知られているが、この樹脂組成物に対しても、本発明の樹脂配合剤を使用できる。
【0025】
本発明のオレフィン系樹脂組成物において、非晶質シリカアルミナ粒子を、上記オレフィン系樹脂100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で用いるのがよい。特にAB剤としてポリエチレンフィルムでは0.1乃至3重量部、ポリプロピレンフィルムでは0.01乃至0.3重量部、またマスターバッチとしては1乃至50重量部の量で用いられる。シリカアルミナ粒子の配合量が、上記範囲よりも少ないと、フィルムのブロッキングを防止し、フィルムのハンドリングを向上させることが困難となる傾向があり、一方上記範囲を上回っても配合量の増大に伴う格別の利点がなく、表面の摩擦傾向が増大するので好ましくない。
【0026】
また、本発明によれば、上記非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤を配合した、オレフィン系樹脂組成物から成る包装用フィルムが提供される。 オレフィン系樹脂のなかでもメタロセン系触媒を用いて製造したオレフィン系樹脂は、機械的強度、透明性、ヒートシール強度、耐抽出性等に優れており、包装材料として優れている。本発明の非晶質シリカアルミナ粒子は、メタロセン触媒を用いて製造したオレフィン系樹脂フィルムのアンチブロッキング剤として特に有用であり、従来のアンチブロッキング剤に見られた着色傾向を解消することができる。また、メタロセン触媒を使用して製造した樹脂のフィルムに対して、本発明の非晶質シリカアルミナ球状粒子を使用する場合、該粒子の水性分散体のpHは6乃至9であることが好ましく、特に6.5乃至8であることが好ましい。
【0027】
本発明でオレフィン系樹脂の性能を向上させるために他のいかなる添加剤とも併用することが出来る。添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤(ハロゲンキャッチャー)、熱線吸収剤等があり、必要により配合される。タルクや珪石粉のようなバルクフィラー、あるいは防虫・坑菌剤、着色剤等も添加剤である。
【0028】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、例えば、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト(チバガイギ−社製、Irganox3114)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバガイギー社製、Irganox1076)等があり、0.01乃至0.3重量部で用いるのがよく、これ未満であれば酸化防止効果が発現されず、また、0.3重量部より多いと長期保中の黄変が促進されたりフィルム表面へのブリードにより透明性を損なったり、あるいはブロッキング性が悪化する傾向がある。
【0029】
また、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリメチルホスフアイト、トリ−n−ブチルホスフアイト、トリデシルホスフアイト等があり、0.01乃至0.2重量部であるのが好ましく、これ未満であれば酸化防止効果や黄変防止効果が発現されず、また0.3重量部より多いと、ブラックスペックや金属に対する腐食の懸念が増大する傾向がある。
【0030】
熱安定剤としては、ホスファイト、ホスホナイトおよびホスホン酸誘導体等が使用される。ホスファイトとしてはトリフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等があり、ホスホナイトとしては
テトラキス(2,4−ジアルキルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト等があり、ホスホン酸誘導体としてはO−エチル−(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルベンジル)ホスホン酸等があり、樹脂100重量部に対して0.01〜1.0重量部の割合で配合するのがよい。
【0031】
耐光安定剤としては、紫外線吸収剤や、紫外線安定剤が使用され、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線安定剤等があり、樹脂100重量部当たり0.01乃至1重量部の量で用いるのがよい。
【0032】
滑剤としては、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ステアリン酸等の脂肪酸系滑剤、ベヘニン酸アミド等のアミド系滑剤、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系滑剤、セチルアルコール等のアルコール系滑剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石ケン系滑剤等があり、樹脂100重量部当たり0.01乃至1.0重量部の量で用いるのがよい。0.01重量部未満では効果がなく、1.0重量部より多いとフィルム表面へのブリードにより白化し、透明性が失われる傾向がある。
【0033】
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミドないしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸エステル等の界面活性剤類が使用される。
【0034】
防曇剤としては、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ポリグリセリンオレイン酸エステル等のエステル類が使用される。
【0035】
ハロゲン原子を捕捉するための中和剤としては、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、脂肪酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の2価金属塩が使用され、樹脂100重量部当たり、0.1乃至10重量部の量で使用するのがよい。
【0036】
本発明のオレフィン系樹脂組成物において、シリカアルミナ系樹脂用配合剤は、触媒担体等の形で予め重合系に配合しておくこともできるし、また、オレフィン系樹脂に配合することもできる。配合は、メルトブレンドで行うこともできるし、ドライブレンドで行ってもよい。これら何れの場合にも、本発明の樹脂用配合剤を、所謂マスターバッチの形で配合することができる。樹脂との混練は、ロール、バンバリーミキサー、押出機等を用いて行うことができる。
【0037】
フィルムへの成形は、それ自体公知の手段、例えばT−ダイ法、インフレーション製膜法等により行うことができる。フィルムは、未延伸フィルムでもよく、また、一軸延伸或いは二軸延伸を行って配向フィルムとしてもよい。本発明によれば、用いる樹脂用配合剤が粒径分布がシャープでしかも定形の形状を有するため、フィルムがかなり薄い場合にも、ハンドリング性に優れており、単層フィルム或いは積層フィルムの形で種々の用途、特に包装用フィルムとして使用できる。フィルムの厚みは特に制限を受けないが、20乃至100μmの範囲が適当である。
【0038】
また、本発明によれば、ハロゲン含有樹脂100重量部に、無機配合剤として、上記非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤を0.01乃至10重量部含有させて成ることを特徴とするハロゲン含有樹脂組成物が提供される。
【0039】
本発明により熱安定化されるべきハロゲン含有樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体等を挙げることができ、また、これらのアロイであっても良い。また、これらのハロゲン含有樹脂と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等のハロゲン非含有樹脂とのアロイであっても良い。
【0040】
塩化ビニルモノマーと共重合するモノマーの例としては酢酸ビニル、オクチル酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブチルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、高級脂肪族ビニルエーテル共重合体、マレイン酸ジエステル、フマール酸ジエステル等で1種あるいは2種が選ばれる。共重合体の具体的な例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−ブチルアクリレート重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−高級脂肪族ビニルエーテル共重合体等である。
【0041】
本発明のハロゲン含有樹脂組成物において、非晶質シリカアルミナ粒子を、上記ハロゲン含有樹脂100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で用いるのがよい。特に熱安定剤としてフィルムやシートに用いるときは塩化ビニルでは0.1乃至10重量部、塩素化塩化ビニル樹脂成形体では0.1乃至5.0重量部、またマスターバッチとしては1乃至50重量部の量で用いられる。パイプなどの成形時の押出加工のハンドリング改善を目的とする時には10重量部乃至20重量部で配合することも良い。シリカアルミナ粒子の配合量が、上記範囲よりも少ないと、成型品の黄変を防止し、成形体の押出加工のハンドリングを向上させることが困難となり、一方上記範囲を上回っても配合量の増大に伴う格別の利点がなく、表面の摩擦傾向が増大するので好ましくない。
【0042】
他の熱安定剤を併用することは更に好ましい。例えば無機系安定剤としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム・亜鉛の水酸化物の固溶体等の酸化物、水酸化物があり、ドローマイト、ハイドロタルサイト等の無機複塩、塩基性炭酸塩等、Na−A型、Ca−A型等のゼオライト、リチウム・アルミニウム複塩、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複塩等、過塩素酸塩として過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等が挙げられる。
【0043】
金属塩類化合物の熱安定剤としては、金属のカルボン酸塩類、メルカプチド及びフェノレート、等である。具体的には金属種としては亜鉛、すず、マグネシウム、カルシウム、バリウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり、対するアニオンとしては天然脂肪酸、合成脂肪酸、多価脂肪族カルボン酸、1価あるいは多価の無置換あるいは置換芳香族カルボン酸、アミノ酸、1価あるいは多価の無置換あるいは置換フェノール、1価あるいは多価の無置換あるいは置換脂肪族メルカプタンである。具体的にはモンタン酸、コメ糠脂肪酸、ベヘン酸、エルシン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、コメ脂肪酸、リシノレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オクチル酸、イソステアリン酸、ダイマー酸、ナフテン酸、酢酸、アゼライン酸及びそのモノエステル、セバチン酸及びそのモノエステル、アジピン酸及びそのモノエステル、コハク酸及びそのモノエステル、マロン酸及びそのモノエステル、マレイン酸及びそのモノエステル、クロトン酸及びそのモノエステル、リンゴ酸及びそのモノエステル、酒石酸及びそのモノエステル、クエン酸及びそのモノエステル又はジエステル、乳酸、グリコール酸、チオグリコール酸及びそのエステル、メルカプトプロピオン酸及びそのエステル、チオリンゴ酸及びそのモノエステル又はジエステル、チオジプロピオン酸及びそのモノエステル、安息香酸、o−,m−及びp−トルイル酸、p−第三級ブチル安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル、サルチル酸及びそのエステル、フタル酸及びそのモノエステル、イソフタル酸及びそのモノエステル、テレフタル酸及びそのモノエステル、トリメリット酸及びそのモノエステル又はジエステル、焼成グルタミン酸、グリシン、アラニン、フェノール、クレゾール、キシロール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ラウリルメルカプタン等である。
【0044】
多価アルコール化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン、ポリグリセリン等を挙げることができる。また、これらの化合物の水酸基の一部をエステル化、エーテル化等により化学修飾したものも本発明にいう多価アルコール化合物に含まれる。
多価アルコール化合物のなかでも特にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、またはこれらを有機酸でエステル化したもので表面処理した場合、熱安定化効果が高く好ましい。
特にペンタエリスリトールおよび/またはジペンタエリスリトールを、炭素原子数10〜22の高級脂肪酸および/または炭素原子数4〜10の二塩基酸で部分エステル化した部分エステル化物は、高分子量であるため、本発明の樹脂組成物の加熱成形加工時の昇華がなく、金型汚染を起こさない、処理粉体(表面処理した苦灰石系化合物)の加工性が向上する、処理粉体の樹脂中への分散性に優れている、等の付加的な長所を有するので好ましい。
上記高級脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等を挙げることができ、また、上記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバチン酸等を挙げることができる。
【0045】
ホスファイト類の熱安定剤としては、有機亜リン酸エステル、アシッドホスファイト及びその塩であるが、より具体的に例示すればトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニル(ブトキシエトキシエチル)ホスファイト、ジフェニル(フェノキシエチル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレンジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ第三級ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ第三級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラステアリル−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ビス(ノニルフェニル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三級ブチルフェニル)ビス(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、フェニルデシルホスファイト等、また脂肪族アルコールと五酸化燐との反応物であるアシッドホスファイトで、具体的にはブチルアシッドホスファイト、オクチルアシッドホスファイト、ステアリルアシッドホスファイト、ベヘニルアシッドホスファイト等である。
【0046】
エポキシ化合物の熱安定剤としては、4,4’−グリシジルオキシ−3,3−ブチリデンビスフェニル、テトラグリシジルペンタエリスリトール、エポキシ化アマニ油、エポキシ化大豆油等である。
【0047】
本発明で塩化ビニル樹脂の性能を向上させるために他のいかなる添加剤とも併用することが出来る。添加剤としては、酸化防止剤、初期着色改良剤、耐光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、熱線吸収剤等があり、必要により配合される。タルクや珪石粉のようなバルクフィラー、あるいは防虫・坑菌剤、着色剤等も添加剤である。
【0048】
酸化防止剤の例としては2,6−ジ第三級ブチル−4−メチルフェノール,4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−第三級ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等のチオエ−テル系酸化防止剤が使用できる。
【0049】
初期着色改良剤の例としてはジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ベンゾイル酢酸エチル、ペンタエリスリトールテトラキスアセトアセテート、デヒドロ酢酸、アセチルアセトンカルシウム塩等のβ−ジケトン、1,4−ブタンビスアミノクロトネート、2−フェニルインドール、デヒドロピリジンジカルボン酸ジラウリルエステル等のイミノ系化合物が使用できる。
【0050】
耐光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、熱線吸収剤等についてはオレフィン系樹脂組成物の項に記載した化合物が準用できる。
【0051】
上に説明した種々の配合成分を配合して本発明のハロゲン含有樹脂用熱安定剤またはこれを配合したハロゲン含有樹脂組成物を調製する場合の調製方法自体には特別の制限はなく、その配合方法、順序等は、適宜、公知の方法によることができる。
【0052】
また、本発明のハロゲン含有樹脂組成物は、これを混練し、熱および圧力をかけて成型加工してハロゲン含有樹脂成型加工品を作成する場合の成型加工方法自体にも特別の制限はなく、適宜、公知の方法によることができる。
なお、本発明の樹脂用配合剤を、所謂マスターバッチの形で配合することができる。
【0053】
以上の物質を配合して成る塩化ビニル樹脂組成物は各種の成形法で応用可能であり、それに伴っての多分野の成形品に応用出来る。それらの例としては、硬質配合の用途としてはパイプ、継手、波板、平板、建材用異型押出成形品、カレンダー成形品等であり、軟質配合の用途としては一般軟質フィルム、農業用フィルム、ガスケット、履き物類、壁紙、スラッシュ成形品、電線被覆等であり半硬質配合としては鋼鈑貼付用フィルム、合板貼付用フィルム、シュリンクフィルム等である。
【0054】
勿論、本発明の樹脂用配合剤は、アンチブロッキング剤として、それ自体公知の他の樹脂フィルムにも配合することができ、例えばナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリスチレン等や、これらのポリマーアロイに配合することもできる。配合量は、オレフィン系樹脂の場合に準じる。他の樹脂用配合剤についても同様である。
【0055】
また、本発明の非晶質シリカアルミナ粒子は、充填剤として、熱可塑性樹脂や、各種ゴム、或いは熱硬化性樹脂に配合することができる。
【0056】
ゴム用のエラストマー重合体としては、例えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0057】
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、或いはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
【0058】
充填剤としての用途の場合、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂或いはエラストマー100重量部当たり、2乃至130重量部、特に5乃至100重量部の量で配合することができる。
【0059】
更に、本発明の非晶質シリカアルミナ粒子を配合する塗料としては、前記熱硬化性樹脂の少なくとも1種から成る塗料や、熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
【0060】
塗料用配合剤としての用途では、塗料中の樹脂固形分100重量部当たり、2乃至130重量部、特に10乃至100重量部の量で配合するのがよく、これにより塗膜に艶消し効果を付与したり、絶縁性を向上させたりすることができる。
【0061】
【実施例】本発明を以下に更に詳しく説明する。
【0062】
実施例1及び比較例1
A型ゼオライトとして、平均粒子径6μmであり、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=1.9で、球に近い立方体の粒子を使用した。また、あらかじめ塩化バリウム・2水塩を脱イオン水に溶解して、BaCl2として15wt%の水溶液を作成した。740gの脱イオン水に前記ゼオライト160gを攪拌下分散し、前記塩化バリウム水溶液620gを添加した。この量はゼオライト中のNa分の1.0当量に相当する。攪拌を続けながら加熱して70℃とし、この温度を2時間維持し、放冷した。このゼオライト分散スラリーは、濾過・水洗後、2000mlにリパルプし、再度濾過・水洗・リパルプを行った後、濾過・水洗して余剰のイオン成分を除去した。次いで110℃で24時間乾燥を行い、コーヒーミルで粉砕してバリウムイオン交換した粉末のゼオライトを得た。このゼオライトを比較例1のゼオライト▲1▼とする。ゼオライト▲1▼の半量を分取し、電気炉中で加熱して400℃で4時間熱処理した後放冷した。このものは後記のように非晶質であり、これを実施例1の非晶質粒子▲1▼とする。A型ゼオライト、ゼオライト▲1▼および非晶質粒子▲1▼の粉末X線回折パターンを第1図ないし第3図に示した。同じく、それらのSEM写真を、第4図ないし第6図に示した。また、化学分析値、吸湿性、粒子形状を第1表に記載した。
また、A型ゼオライト、ゼオライト▲1▼および非晶質粒子▲1▼の粉末X線回折パターンによる強度を第2表に記載した。
【0063】
ゼオライトおよび得られた試料粒子に関する物性等の測定は下記の方法により行なった。
粒子形状:走査型電子顕微鏡(日立S−4500)にて測定した。
平均粒子径:コールターエレクトロニクス社製コールターカウンターTAIIを使用して測定した。
平衡吸湿率:試料約2gを予め重量を測定した秤量瓶に入れ、150℃の乾燥機で約24時間乾燥後デシケーター中で放冷し、次いで試料の重さを精秤し、25℃相対湿度90%の恒温恒湿槽(ナガノ機械製作所LH型)に入れ72時間後の重量を測定し求めた。
屈折率:予めアッベ屈折計を用いて、屈折率既知の溶媒(α−ブロムナフタレン、ケロシン)を調製する。次いでLarsenの油浸法に従って、試料粉末数mgをスライドガラスの上に採り、屈折率既知の溶媒を1滴加えて、カバーガラスをかけ、溶媒を十分浸漬させた後、光学顕微鏡でベッケ線の移動を観察し求める。
X線回折パターン:理学(株)製のRINT−2400を用いて下記の条件で測定した。X線CuK−α、電圧40kv、電流20mA、スキャン速度4deg /min、スキャンステップ0.02deg、発散スリット1deg、受光スリット0.3mm、散乱スリット1deg。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
実施例2〜5及び比較例2
A型ゼオライトとして、実施例1で用いたゼオライトの他に平均粒子径6.0μmおよび0.8μmであり、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=2.1および2.0で、角のある立方体および角の取れた立方体状の粒子を使用し、第1表に記載した条件で試料を作成し、その性状について測定した結果を第1表に記載した。比較例2では熱処理温度を280℃としたが、非晶質化が不十分で吸湿性が高く、目的とする性能を得ることが出来なかった。
【0067】
比較例3
A型ゼオライトとして、Caイオンにイオン交換した市販のA型ゼオライト(日本化学工業(株)製ゼオスターCA−100P)を使用した。使用したゼオライトは、平均粒子径3.5μm、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=2.0で、角の取れた立方体状の粒子であり、Ca置換率は76%(残りのイオンはNa)であった。これを、電気炉中で加熱して650℃で4時間熱処理した後放冷した。得られた熱処理ゼオライトは、結晶系はA型ゼオライトで熱処理前と変化が見られず、25℃相対湿度90%72時間の吸湿試験では23.5%の吸湿率となった。熱処理したゼオライトのX線回折パターンを第7図に示した。
【0068】
実施例6
上記の各実施例で得られた非晶質粒子▲1▼〜▲5▼と、比較として、原料として用いたA型ゼオライトおよび比較例のゼオライト▲1▼と▲2▼を用いて、下記要領でポリエチレン、ポリプロピレン、特にハロゲン残留触残渣含有ポリプロピレン、メタロセン触媒を使用して製造した直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル等の樹脂フィルムについて、透明性、ブロッキング性、スクラッチ性、耐黄変性、分散性、熱安定性を評価した。
【0069】
(1)二軸延伸ポリプロピレンフィルム
(フィルムの作成)
メルトフローレートが1.9g/10分であるポリプロピレン樹脂100重量部に酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.10重量部、イルガソックス1010を0.05重量部、ゼオライトまたは非晶質粒子を第2表に示した量で添加して、スーパーミキサーで混合し、押出機でペレット化した。
各ペレットを押出機を用いてシート状フィルムにし、縦方向5倍、横方向10倍に逐次延伸して最終的に厚さ30μmの延伸フィルムを得た。延伸フィルムの一面にはコロナ放電処理を施した。これらのフィルムについて下記の評価を行い、その結果を第3表に記載した。
【0070】
【表3】
【0071】
(試験方法)
透明性:ASTM D−1003に準拠して、フィルムを4枚重ねてヘイズを測定した。
ブロッキング性:2枚のフィルムの接触面積が10cm2となるように重ねて、2枚のガラス板の間におき、50g/cm2の荷重をかけ40℃の雰囲気中に7日間放置後、フィルムのはがれやすさをショッパー型試験器を用いて引っ張り速度500mm/分で引き剥がして、その時の最大荷重を読み取って評価した。スクラッチ性:ガラス板上に二軸延伸フィルム1枚を固定し、他方接触面積が60cm2なる箱型の舟にフィルムを固定し、荷重を3kg掛けて、5回擦り、擦る前後の透明性の差で評価した。
○:ほとんど傷がつかない、△:少し傷がつく、×傷がつくものとして評価した。
発泡性:フィルムの目視観察により評価した。
【0072】
(2)直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)インフレーションフィルム
(フィルムの作成と試験)
密度0.920g/cm3メルトフローレートが1.0g/10分であるLLDPE樹脂100重量部にエルシン酸アミド0.10重量部、ゼオライトまたは非晶質粒子を第4表に示した量で添加して、ヘンシェルミキサーで混合し、押出機でペレット化した。
各ペレットを二重エアスリットエアリングを用い、200℃で厚さ30μmに押し出して、フィルムを得た。
フィルムの試験は上記(1)と同じ方法で行った。
【0073】
【表4】
【0074】
(3)ポリ塩化ビニルシート
(シートの作成)
ポリ塩化ビニル(日本ゼオン(株)製Zeon103EP)100重量部、DOP50重量部、液状バリウム・亜鉛系複合安定剤((株)耕正製BZ−180P)1.0重量部、バリウム・亜鉛ステアレート((株)耕正製PSE−801)1.0重量部、エボキシ化大豆油3重量部、ゼオライトまたは非晶質粒子を第5表に示した量でリボンブレンダーを用いて混合した。次いで、混合物は表面温度170℃の二本ロールを用いて3分間混練を行った。次いで、表面温度170℃の加熱プレスを用いて3分間プレスして、厚さ2mmのシートとした。このシートを40X70mmに切り取り、評価試験用シートとした。
(試験方法)
透明性:ゼオライトまたは非晶質粒子を添加しないブランク試料の透明性を1として、透明度を5段階で表すこととして目視により評価した。透明度5はシート下の新聞文字が読めない程度とした。
分散性:A型ゼオライトを用いたシートの分散性を2とし、それより良い分散を1、それより悪い分散を3として目視により評価した。
耐黄変性:試験片シートを85℃、90%RHの恒温糟に入れ24時間放置した。この成形シートの色相を目視により評価した。
発泡性:フィルムの目視観察により評価した。
【0075】
【表5】
【0076】
【発明の効果】
上記したとおり、本発明の樹脂用配合剤を樹脂に配合した場合、樹脂中の分散性が良く、透明性の良好な樹脂組成物を得ることができる。熱安定性や耐磨耗性、更には耐発砲性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A型ゼオライトの粉末X線回折パターン
【図2】ゼオライト▲1▼の粉末X線回折パターン
【図3】非晶質シリカアルミナ粒子の粉末X線回折パターン
【図4】A型ゼオライトのSEM写真
【図5】ゼオライト▲1▼のSEM写真
【図6】非晶質シリカアルミナ粒子のSEM写真
【図7】熱処理したA型ゼオライトの粉末X線回折パターン
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系樹脂やハロゲン含有樹脂等に対して配合される樹脂用配合剤に関するもので、より詳細には、形成されるフィルムのアンチブロッキング性、安定性、耐磨耗性、諸物性等に優れている樹脂用配合剤に関する。特に、メタロセン系触媒を用いて得られるオレフィン系樹脂に配合し、安定性や耐磨耗性、更には耐発泡性、その他の物性に優れたオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体のごときオレフィン系樹脂は、成形性に優れ、衛生的特性、機械的特性、透明性等に優れており、廃棄処理も容易であることから、フィルムの形で、包装材料、農業用フィルム等の各種用途に広く使用されている。
これらのフィルム、特に延伸フィルムを取り扱う際、フィルム面同士が密着して剥離しにくくなる所謂ブロッキングが生じ、これを防止するためにアンチブロッキング剤を配合することが広く行われており、このようなアンチブロッキング剤としては、各種無機粒子、例えば非晶質シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト、各種クレイ等が知られている。
【0003】
なかでも、オレフィン系樹脂には、ゼオライトとゼオライトを変性して得られる非晶質シリカアルミナ粒子は分散性や透明性に優れたアンチブロッキング剤として好適に使用されている。特に、ゼオライトを変性して得られる非晶質シリカアルミナ粒子は、水分含有量がゼオライトに比較して大幅に少ないので、使用に際して樹脂の発泡が抑制され、安定した品質の樹脂製品が得られるようになった。
【0004】
また、塩化ビニル樹脂は熱により脱塩酸反応を伴った変色劣化を起こす。成形加工時の変色は加工業者の危惧するところであり、これらの劣化を防止する目的で予め塩化ビニル樹脂に熱安定剤を添加し成形に供する。前記オレフィン系樹脂で「中和剤(ハロゲンキャッチャー)」と呼称するものに相当する。この目的には各種無機粒子、例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム・亜鉛の水酸化物の固溶体等の酸化物、水酸化物、ハイドロタルサイト等の無機複塩、ゼオライト、リチウム・アルミニウム複塩、過塩素酸塩等がある。
なかでも、ゼオライトと2価カチオン含有ゼオライトは分散性、加工作業性、透明性に優れた熱安定剤として好適に使用されている。
【0005】
ゼオライトから非晶質シリカアルミナ粒子を得る一般的方法は、大別して2種類有る。第1の方法はゼオライトの酸処理であり、特開昭58−213031号公報、特開昭59−156913号公報、特開昭59−213616号公報、特開昭60−32836号公報、特開昭62−135543号公報、特開昭63−60103号公報、特開昭63−182212号公報、特開平3−153743号公報、特開平10−67882号公報などに記載がある。しかし、これらの提案で得られる非晶質シリカアルミナ粒子は、未だ吸湿量が大きく、樹脂に配合し、加工する際、発泡する傾向が大きい。また、P型ゼオライトの酸処理では、製造する際シリカ分が反応媒体中に溶出して、目的物の歩留まりが低いという不利益がある。また、A型ゼオライトは立方体の形状に由来して、配合フィルム同士がこすれたときの耐磨耗性が比較的大きく、特に吸湿性の減少を目的として高温で焼成したものではその傾向が特に大きい。
【0006】
第2の方法は、ナトリウムP型ゼオライトをアルカリ土類金属イオンでイオン交換し次いで焼成して非晶質シリカアルミナ粒子を得る方法で、特開平2−225314号公報に記載されている。この方法で得られる球状粒子は、目的物の歩留まりが大きいこと及び吸湿傾向が比較的少ないことでは満足しうるものではあるが、アルカリ性が強いため、樹脂に配合したときの安定性に問題があり、樹脂用配合剤を分解したり、或いは着色を生じることが問題である。
ナトリウムA型ゼオライトをアルカリ土類金属等の多価イオンでイオン交換した樹脂配合用ゼオライトは、特開昭57−77022号公報や特開昭57−77022号公報に紹介されており、オレフィン系樹脂やハロゲン含有樹脂等に対して配合され、樹脂フィルムのアンチブロング性、安定性、耐磨耗性、諸物性を向上させることが記載されている。これらの特許の実施例にBaが登場しないことからも明らかなように、これらの特許はA型ゼオライトの非晶質化を目的としてはいない。また、焼成についても記載がないことから、A型ゼオライトの含水量を減らすことを目的としてはいない。そのために、水分含有量が多く、使用に際して樹脂の発泡を充分に抑制できず、安定した品質の樹脂製品が得られにくい欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように多くの提案がなされてはいるが、非晶質シリカアルミナ粒子は、オレフィン系樹脂やハロゲン含有樹脂に対する配合、分散が容易であり、アンチブロッキング性能や熱安定化性能に優れているという利点を与えるが、吸湿性、耐磨耗性、及び安定性の組み合わせにおいては、未だ十分満足すべきものではない。
【0008】
このように、アンチブロッキング剤等の樹脂用配合剤としては、その分散性のために、球状ないし角の取れた立方体状の粒子であることは当然必要なことであるが、それと同時にpHが中性付近であって、樹脂組成物の安定性に優れていること、配合樹脂フィルムの耐磨耗性が低いレベルに抑制されていること、吸湿傾向が少なくて、樹脂の発泡が抑制されていることが同時に要求される。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記要請を満足する非晶質シリカアルミナ粒子の樹脂用配合剤及びその製造方法を提供するにある。
【0010】
本発明の他の目的は、オレフィン系樹脂、特に、メタロセン系触媒を用いて得られるオレフィン系樹脂と特定の無機配合剤とを含有し、安定性や耐磨耗性、更には耐発泡性、その他の物性に優れたオレフィン系樹脂組成物を提供するにある。
【0011】
本発明の他の目的は、ハロゲン含有樹脂と特定の無機配合剤とを含有し、安定性や耐磨耗性、更には耐発泡性、その他の物性に優れたハロゲン含有樹脂組成物を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、Baイオンにイオン交換したA型ゼオライトの熱処理によって得られる非晶質シリカアルミナ粒子で、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、Baイオンにイオン交換したA型ゼオライトの熱処理によって得られる非晶質シリカアルミナ粒子で、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤が提供される。
本発明で言う「非晶質化」あるいは「非晶質」とは、X線回折パターンにおいて元のA型ゼオライトの回折線の主な強度が10分の1以下になると定義して、結晶質と区別をする。
更に、上記非晶質シリカアルミナ粒子は、平均粒子径が0.3乃至10μmであることが好ましく、また酸化物基準でモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5であることが好ましく、その水性分散体としてのpHが6乃至10であることが好ましい。
【0014】
非晶質シリカアルミナ粒子の粒子の形状は特に限定するものではないが、多くの用途で好ましい形状は、平均粒子径は0.3乃至10μmであり、同様にその粒子は、球状ないし角の取れた立方体状の粒子形状である。また、後に記載したように、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5のゼオライトを原料に使用しているので、非晶質シリカアルミナ粒子の酸化物基準でのモル比はSiO2/Al2O3=1.7〜2.5となる。
非晶質シリカアルミナ粒子の水性分散体としてのpHは特に限定するものではないが、6乃至10であることが好まい。このpHは後記の中和処理によって達成することが出来、アルカリによる樹脂の黄変や老化の抑制に効果がある。
【0015】
また、本発明によれば、ナトリウムA型ゼオライトを、ゼオライト中のNa分の少なくとも50%が除去されるようにBaイオンにイオン交換し、200〜700℃で熱処理して、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子を得る製造方法が提供される。
【0016】
A型ゼオライトとしては、その粒子の形状は特に限定するものではないが多くの用途で好ましい形状は、上記非晶質シリカアルミナ粒子に転写されるので、ゼオライトの平均粒子径は0.3乃至10μmであり、同様にその粒子は、球状ないし角の取れた立方体状の粒子形状である。また、ゼオライトの酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5であることが必要で、1.7未満では結晶性の良いゼオライトは得られず、2.5より大きいと非晶質化が充分に行えない。
【0017】
Baイオン原料としては、塩化バリウム、硝酸バリウムのような水溶性のバリウム塩が使用しやすい。塩化バリウムは安価なので特に好ましい。ゼオライト中のNa分の少なくとも50%が除去されるようにBaイオンにイオン交換する事が必要である。Naが50%より多く残存すると、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%よりも大きい吸湿性のある非晶質シリカアルミナ粒子となる。このために使用するバリウムの量はゼオライトのNa当量の0.5倍から1.2倍がよい。0.5倍未満では非晶質化が充分に行えず、1.2倍より多く使用してもイオン交換率は平衡に達し、過剰に使用する意味がない。イオン交換方法はバッチ式でも良く、カラム状にして流下式にしても良い。イオン交換の温度は室温から100℃以下であれば任意に選定することが出来る。
【0018】
イオン交換したゼオライトは既に結晶が歪み非晶質に近くなっているが、これを濾過水洗して、余剰のナトリウムやバリウムを除去する。この濾過水洗工程の前または後で、ゼオライトスラリーに酸を添加してスラリーのpHを6〜10に調節することができる。この中和処理は、非晶質シリカアルミナ粒子がその水性分散体としてのpHが6乃至10となるようにするためには必要な工程である。
【0019】
次いで、乾燥・熱処理を行うが、乾燥と熱処理は連続して行っても良く、順次に行っても良い。水分の除去とともに非晶質化は進行し、200℃未満の乾燥だけでは非晶質化が充分に行えず、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%よりも大きい吸湿性のある非晶質シリカアルミナ粒子となる。熱処理温度は200〜700℃が好ましい。700℃より高い温度は余分のエネルギーを費やすだけで不利である。温度が高いほど短時間で、脱水・非晶質化が出来るわけであるから、エネルギーバランスで任意に温度を設定できる。その点で更に好ましい温度は300〜500℃であり、この熱処理で平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下の非晶質シリカアルミナ粒子が得られる。
【0020】
本発明で得られる非晶質シリカアルミナ粒子は、その光屈折率の調節や樹脂との密着性の改質などのために、無機酸化物、無機炭酸塩、有機化合物やカップリング剤で表面性状を変性させることが出来る。また、骨格細孔内に液体を内蔵させることもでき、樹脂改質剤を粒子表面に吸着させることもできる。このように公知の技術を本発明の非晶質シリカアルミナ粒子に適用することはいずれも可能である。
【0021】
また、本発明によれば、オレフィン系樹脂100重量部に、無機配合剤として、上記非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤を0.01乃至10重量部含有させて成ることを特徴とするオレフィン系樹脂組成物が提供される。
【0022】
配合するオレフィン系樹脂としては、特に低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、あるいはこれらのエチレン乃至α−オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン系重合体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、これらは単独でも或いは2種以上のブレンド物の形でも使用できる。
【0023】
これらのオレフィン重合体は、ハロゲン含有遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とからなる所謂チーグラー系触媒を用いて製造されたものでも、所謂メタロセン系触媒、即ちチタン或いはジルコニウム等の遷移金属のシクロペンタジエニル骨格含有錯体と有機アルミノキサン化合物とから成る触媒を用いて製造されたものでもよい。
【0024】
本発明の樹脂用配合剤は、上記オレフィン重合体の内でも、エチレンと炭素数3乃至18のαーオレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等とを、遷移金属系触媒、特にメタロセン系触媒の存在下に重合させて得られる線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の樹脂配合剤として有用である。また、上記LLDPEの成形性を改善するために、LLDPEに低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンをブレンドして、フィルム等を成形することも知られているが、この樹脂組成物に対しても、本発明の樹脂配合剤を使用できる。
【0025】
本発明のオレフィン系樹脂組成物において、非晶質シリカアルミナ粒子を、上記オレフィン系樹脂100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で用いるのがよい。特にAB剤としてポリエチレンフィルムでは0.1乃至3重量部、ポリプロピレンフィルムでは0.01乃至0.3重量部、またマスターバッチとしては1乃至50重量部の量で用いられる。シリカアルミナ粒子の配合量が、上記範囲よりも少ないと、フィルムのブロッキングを防止し、フィルムのハンドリングを向上させることが困難となる傾向があり、一方上記範囲を上回っても配合量の増大に伴う格別の利点がなく、表面の摩擦傾向が増大するので好ましくない。
【0026】
また、本発明によれば、上記非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤を配合した、オレフィン系樹脂組成物から成る包装用フィルムが提供される。 オレフィン系樹脂のなかでもメタロセン系触媒を用いて製造したオレフィン系樹脂は、機械的強度、透明性、ヒートシール強度、耐抽出性等に優れており、包装材料として優れている。本発明の非晶質シリカアルミナ粒子は、メタロセン触媒を用いて製造したオレフィン系樹脂フィルムのアンチブロッキング剤として特に有用であり、従来のアンチブロッキング剤に見られた着色傾向を解消することができる。また、メタロセン触媒を使用して製造した樹脂のフィルムに対して、本発明の非晶質シリカアルミナ球状粒子を使用する場合、該粒子の水性分散体のpHは6乃至9であることが好ましく、特に6.5乃至8であることが好ましい。
【0027】
本発明でオレフィン系樹脂の性能を向上させるために他のいかなる添加剤とも併用することが出来る。添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤(ハロゲンキャッチャー)、熱線吸収剤等があり、必要により配合される。タルクや珪石粉のようなバルクフィラー、あるいは防虫・坑菌剤、着色剤等も添加剤である。
【0028】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、例えば、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト(チバガイギ−社製、Irganox3114)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバガイギー社製、Irganox1076)等があり、0.01乃至0.3重量部で用いるのがよく、これ未満であれば酸化防止効果が発現されず、また、0.3重量部より多いと長期保中の黄変が促進されたりフィルム表面へのブリードにより透明性を損なったり、あるいはブロッキング性が悪化する傾向がある。
【0029】
また、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリメチルホスフアイト、トリ−n−ブチルホスフアイト、トリデシルホスフアイト等があり、0.01乃至0.2重量部であるのが好ましく、これ未満であれば酸化防止効果や黄変防止効果が発現されず、また0.3重量部より多いと、ブラックスペックや金属に対する腐食の懸念が増大する傾向がある。
【0030】
熱安定剤としては、ホスファイト、ホスホナイトおよびホスホン酸誘導体等が使用される。ホスファイトとしてはトリフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等があり、ホスホナイトとしては
テトラキス(2,4−ジアルキルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト等があり、ホスホン酸誘導体としてはO−エチル−(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルベンジル)ホスホン酸等があり、樹脂100重量部に対して0.01〜1.0重量部の割合で配合するのがよい。
【0031】
耐光安定剤としては、紫外線吸収剤や、紫外線安定剤が使用され、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線安定剤等があり、樹脂100重量部当たり0.01乃至1重量部の量で用いるのがよい。
【0032】
滑剤としては、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ステアリン酸等の脂肪酸系滑剤、ベヘニン酸アミド等のアミド系滑剤、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系滑剤、セチルアルコール等のアルコール系滑剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石ケン系滑剤等があり、樹脂100重量部当たり0.01乃至1.0重量部の量で用いるのがよい。0.01重量部未満では効果がなく、1.0重量部より多いとフィルム表面へのブリードにより白化し、透明性が失われる傾向がある。
【0033】
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミドないしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸エステル等の界面活性剤類が使用される。
【0034】
防曇剤としては、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ポリグリセリンオレイン酸エステル等のエステル類が使用される。
【0035】
ハロゲン原子を捕捉するための中和剤としては、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、脂肪酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の2価金属塩が使用され、樹脂100重量部当たり、0.1乃至10重量部の量で使用するのがよい。
【0036】
本発明のオレフィン系樹脂組成物において、シリカアルミナ系樹脂用配合剤は、触媒担体等の形で予め重合系に配合しておくこともできるし、また、オレフィン系樹脂に配合することもできる。配合は、メルトブレンドで行うこともできるし、ドライブレンドで行ってもよい。これら何れの場合にも、本発明の樹脂用配合剤を、所謂マスターバッチの形で配合することができる。樹脂との混練は、ロール、バンバリーミキサー、押出機等を用いて行うことができる。
【0037】
フィルムへの成形は、それ自体公知の手段、例えばT−ダイ法、インフレーション製膜法等により行うことができる。フィルムは、未延伸フィルムでもよく、また、一軸延伸或いは二軸延伸を行って配向フィルムとしてもよい。本発明によれば、用いる樹脂用配合剤が粒径分布がシャープでしかも定形の形状を有するため、フィルムがかなり薄い場合にも、ハンドリング性に優れており、単層フィルム或いは積層フィルムの形で種々の用途、特に包装用フィルムとして使用できる。フィルムの厚みは特に制限を受けないが、20乃至100μmの範囲が適当である。
【0038】
また、本発明によれば、ハロゲン含有樹脂100重量部に、無機配合剤として、上記非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤を0.01乃至10重量部含有させて成ることを特徴とするハロゲン含有樹脂組成物が提供される。
【0039】
本発明により熱安定化されるべきハロゲン含有樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体等を挙げることができ、また、これらのアロイであっても良い。また、これらのハロゲン含有樹脂と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等のハロゲン非含有樹脂とのアロイであっても良い。
【0040】
塩化ビニルモノマーと共重合するモノマーの例としては酢酸ビニル、オクチル酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブチルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、高級脂肪族ビニルエーテル共重合体、マレイン酸ジエステル、フマール酸ジエステル等で1種あるいは2種が選ばれる。共重合体の具体的な例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−ブチルアクリレート重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−高級脂肪族ビニルエーテル共重合体等である。
【0041】
本発明のハロゲン含有樹脂組成物において、非晶質シリカアルミナ粒子を、上記ハロゲン含有樹脂100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で用いるのがよい。特に熱安定剤としてフィルムやシートに用いるときは塩化ビニルでは0.1乃至10重量部、塩素化塩化ビニル樹脂成形体では0.1乃至5.0重量部、またマスターバッチとしては1乃至50重量部の量で用いられる。パイプなどの成形時の押出加工のハンドリング改善を目的とする時には10重量部乃至20重量部で配合することも良い。シリカアルミナ粒子の配合量が、上記範囲よりも少ないと、成型品の黄変を防止し、成形体の押出加工のハンドリングを向上させることが困難となり、一方上記範囲を上回っても配合量の増大に伴う格別の利点がなく、表面の摩擦傾向が増大するので好ましくない。
【0042】
他の熱安定剤を併用することは更に好ましい。例えば無機系安定剤としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カルシウム・マグネシウム・亜鉛の水酸化物の固溶体等の酸化物、水酸化物があり、ドローマイト、ハイドロタルサイト等の無機複塩、塩基性炭酸塩等、Na−A型、Ca−A型等のゼオライト、リチウム・アルミニウム複塩、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複塩等、過塩素酸塩として過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等が挙げられる。
【0043】
金属塩類化合物の熱安定剤としては、金属のカルボン酸塩類、メルカプチド及びフェノレート、等である。具体的には金属種としては亜鉛、すず、マグネシウム、カルシウム、バリウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり、対するアニオンとしては天然脂肪酸、合成脂肪酸、多価脂肪族カルボン酸、1価あるいは多価の無置換あるいは置換芳香族カルボン酸、アミノ酸、1価あるいは多価の無置換あるいは置換フェノール、1価あるいは多価の無置換あるいは置換脂肪族メルカプタンである。具体的にはモンタン酸、コメ糠脂肪酸、ベヘン酸、エルシン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、コメ脂肪酸、リシノレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オクチル酸、イソステアリン酸、ダイマー酸、ナフテン酸、酢酸、アゼライン酸及びそのモノエステル、セバチン酸及びそのモノエステル、アジピン酸及びそのモノエステル、コハク酸及びそのモノエステル、マロン酸及びそのモノエステル、マレイン酸及びそのモノエステル、クロトン酸及びそのモノエステル、リンゴ酸及びそのモノエステル、酒石酸及びそのモノエステル、クエン酸及びそのモノエステル又はジエステル、乳酸、グリコール酸、チオグリコール酸及びそのエステル、メルカプトプロピオン酸及びそのエステル、チオリンゴ酸及びそのモノエステル又はジエステル、チオジプロピオン酸及びそのモノエステル、安息香酸、o−,m−及びp−トルイル酸、p−第三級ブチル安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル、サルチル酸及びそのエステル、フタル酸及びそのモノエステル、イソフタル酸及びそのモノエステル、テレフタル酸及びそのモノエステル、トリメリット酸及びそのモノエステル又はジエステル、焼成グルタミン酸、グリシン、アラニン、フェノール、クレゾール、キシロール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ラウリルメルカプタン等である。
【0044】
多価アルコール化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン、ポリグリセリン等を挙げることができる。また、これらの化合物の水酸基の一部をエステル化、エーテル化等により化学修飾したものも本発明にいう多価アルコール化合物に含まれる。
多価アルコール化合物のなかでも特にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、またはこれらを有機酸でエステル化したもので表面処理した場合、熱安定化効果が高く好ましい。
特にペンタエリスリトールおよび/またはジペンタエリスリトールを、炭素原子数10〜22の高級脂肪酸および/または炭素原子数4〜10の二塩基酸で部分エステル化した部分エステル化物は、高分子量であるため、本発明の樹脂組成物の加熱成形加工時の昇華がなく、金型汚染を起こさない、処理粉体(表面処理した苦灰石系化合物)の加工性が向上する、処理粉体の樹脂中への分散性に優れている、等の付加的な長所を有するので好ましい。
上記高級脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等を挙げることができ、また、上記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバチン酸等を挙げることができる。
【0045】
ホスファイト類の熱安定剤としては、有機亜リン酸エステル、アシッドホスファイト及びその塩であるが、より具体的に例示すればトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニル(ブトキシエトキシエチル)ホスファイト、ジフェニル(フェノキシエチル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレンジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ第三級ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ第三級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラステアリル−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ビス(ノニルフェニル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三級ブチルフェニル)ビス(トリデシル)−4,4−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、フェニルデシルホスファイト等、また脂肪族アルコールと五酸化燐との反応物であるアシッドホスファイトで、具体的にはブチルアシッドホスファイト、オクチルアシッドホスファイト、ステアリルアシッドホスファイト、ベヘニルアシッドホスファイト等である。
【0046】
エポキシ化合物の熱安定剤としては、4,4’−グリシジルオキシ−3,3−ブチリデンビスフェニル、テトラグリシジルペンタエリスリトール、エポキシ化アマニ油、エポキシ化大豆油等である。
【0047】
本発明で塩化ビニル樹脂の性能を向上させるために他のいかなる添加剤とも併用することが出来る。添加剤としては、酸化防止剤、初期着色改良剤、耐光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、熱線吸収剤等があり、必要により配合される。タルクや珪石粉のようなバルクフィラー、あるいは防虫・坑菌剤、着色剤等も添加剤である。
【0048】
酸化防止剤の例としては2,6−ジ第三級ブチル−4−メチルフェノール,4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−第三級ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等のチオエ−テル系酸化防止剤が使用できる。
【0049】
初期着色改良剤の例としてはジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ベンゾイル酢酸エチル、ペンタエリスリトールテトラキスアセトアセテート、デヒドロ酢酸、アセチルアセトンカルシウム塩等のβ−ジケトン、1,4−ブタンビスアミノクロトネート、2−フェニルインドール、デヒドロピリジンジカルボン酸ジラウリルエステル等のイミノ系化合物が使用できる。
【0050】
耐光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、熱線吸収剤等についてはオレフィン系樹脂組成物の項に記載した化合物が準用できる。
【0051】
上に説明した種々の配合成分を配合して本発明のハロゲン含有樹脂用熱安定剤またはこれを配合したハロゲン含有樹脂組成物を調製する場合の調製方法自体には特別の制限はなく、その配合方法、順序等は、適宜、公知の方法によることができる。
【0052】
また、本発明のハロゲン含有樹脂組成物は、これを混練し、熱および圧力をかけて成型加工してハロゲン含有樹脂成型加工品を作成する場合の成型加工方法自体にも特別の制限はなく、適宜、公知の方法によることができる。
なお、本発明の樹脂用配合剤を、所謂マスターバッチの形で配合することができる。
【0053】
以上の物質を配合して成る塩化ビニル樹脂組成物は各種の成形法で応用可能であり、それに伴っての多分野の成形品に応用出来る。それらの例としては、硬質配合の用途としてはパイプ、継手、波板、平板、建材用異型押出成形品、カレンダー成形品等であり、軟質配合の用途としては一般軟質フィルム、農業用フィルム、ガスケット、履き物類、壁紙、スラッシュ成形品、電線被覆等であり半硬質配合としては鋼鈑貼付用フィルム、合板貼付用フィルム、シュリンクフィルム等である。
【0054】
勿論、本発明の樹脂用配合剤は、アンチブロッキング剤として、それ自体公知の他の樹脂フィルムにも配合することができ、例えばナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリスチレン等や、これらのポリマーアロイに配合することもできる。配合量は、オレフィン系樹脂の場合に準じる。他の樹脂用配合剤についても同様である。
【0055】
また、本発明の非晶質シリカアルミナ粒子は、充填剤として、熱可塑性樹脂や、各種ゴム、或いは熱硬化性樹脂に配合することができる。
【0056】
ゴム用のエラストマー重合体としては、例えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0057】
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、或いはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。
【0058】
充填剤としての用途の場合、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂或いはエラストマー100重量部当たり、2乃至130重量部、特に5乃至100重量部の量で配合することができる。
【0059】
更に、本発明の非晶質シリカアルミナ粒子を配合する塗料としては、前記熱硬化性樹脂の少なくとも1種から成る塗料や、熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
【0060】
塗料用配合剤としての用途では、塗料中の樹脂固形分100重量部当たり、2乃至130重量部、特に10乃至100重量部の量で配合するのがよく、これにより塗膜に艶消し効果を付与したり、絶縁性を向上させたりすることができる。
【0061】
【実施例】本発明を以下に更に詳しく説明する。
【0062】
実施例1及び比較例1
A型ゼオライトとして、平均粒子径6μmであり、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=1.9で、球に近い立方体の粒子を使用した。また、あらかじめ塩化バリウム・2水塩を脱イオン水に溶解して、BaCl2として15wt%の水溶液を作成した。740gの脱イオン水に前記ゼオライト160gを攪拌下分散し、前記塩化バリウム水溶液620gを添加した。この量はゼオライト中のNa分の1.0当量に相当する。攪拌を続けながら加熱して70℃とし、この温度を2時間維持し、放冷した。このゼオライト分散スラリーは、濾過・水洗後、2000mlにリパルプし、再度濾過・水洗・リパルプを行った後、濾過・水洗して余剰のイオン成分を除去した。次いで110℃で24時間乾燥を行い、コーヒーミルで粉砕してバリウムイオン交換した粉末のゼオライトを得た。このゼオライトを比較例1のゼオライト▲1▼とする。ゼオライト▲1▼の半量を分取し、電気炉中で加熱して400℃で4時間熱処理した後放冷した。このものは後記のように非晶質であり、これを実施例1の非晶質粒子▲1▼とする。A型ゼオライト、ゼオライト▲1▼および非晶質粒子▲1▼の粉末X線回折パターンを第1図ないし第3図に示した。同じく、それらのSEM写真を、第4図ないし第6図に示した。また、化学分析値、吸湿性、粒子形状を第1表に記載した。
また、A型ゼオライト、ゼオライト▲1▼および非晶質粒子▲1▼の粉末X線回折パターンによる強度を第2表に記載した。
【0063】
ゼオライトおよび得られた試料粒子に関する物性等の測定は下記の方法により行なった。
粒子形状:走査型電子顕微鏡(日立S−4500)にて測定した。
平均粒子径:コールターエレクトロニクス社製コールターカウンターTAIIを使用して測定した。
平衡吸湿率:試料約2gを予め重量を測定した秤量瓶に入れ、150℃の乾燥機で約24時間乾燥後デシケーター中で放冷し、次いで試料の重さを精秤し、25℃相対湿度90%の恒温恒湿槽(ナガノ機械製作所LH型)に入れ72時間後の重量を測定し求めた。
屈折率:予めアッベ屈折計を用いて、屈折率既知の溶媒(α−ブロムナフタレン、ケロシン)を調製する。次いでLarsenの油浸法に従って、試料粉末数mgをスライドガラスの上に採り、屈折率既知の溶媒を1滴加えて、カバーガラスをかけ、溶媒を十分浸漬させた後、光学顕微鏡でベッケ線の移動を観察し求める。
X線回折パターン:理学(株)製のRINT−2400を用いて下記の条件で測定した。X線CuK−α、電圧40kv、電流20mA、スキャン速度4deg /min、スキャンステップ0.02deg、発散スリット1deg、受光スリット0.3mm、散乱スリット1deg。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
実施例2〜5及び比較例2
A型ゼオライトとして、実施例1で用いたゼオライトの他に平均粒子径6.0μmおよび0.8μmであり、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=2.1および2.0で、角のある立方体および角の取れた立方体状の粒子を使用し、第1表に記載した条件で試料を作成し、その性状について測定した結果を第1表に記載した。比較例2では熱処理温度を280℃としたが、非晶質化が不十分で吸湿性が高く、目的とする性能を得ることが出来なかった。
【0067】
比較例3
A型ゼオライトとして、Caイオンにイオン交換した市販のA型ゼオライト(日本化学工業(株)製ゼオスターCA−100P)を使用した。使用したゼオライトは、平均粒子径3.5μm、酸化物基準でのモル比がSiO2/Al2O3=2.0で、角の取れた立方体状の粒子であり、Ca置換率は76%(残りのイオンはNa)であった。これを、電気炉中で加熱して650℃で4時間熱処理した後放冷した。得られた熱処理ゼオライトは、結晶系はA型ゼオライトで熱処理前と変化が見られず、25℃相対湿度90%72時間の吸湿試験では23.5%の吸湿率となった。熱処理したゼオライトのX線回折パターンを第7図に示した。
【0068】
実施例6
上記の各実施例で得られた非晶質粒子▲1▼〜▲5▼と、比較として、原料として用いたA型ゼオライトおよび比較例のゼオライト▲1▼と▲2▼を用いて、下記要領でポリエチレン、ポリプロピレン、特にハロゲン残留触残渣含有ポリプロピレン、メタロセン触媒を使用して製造した直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル等の樹脂フィルムについて、透明性、ブロッキング性、スクラッチ性、耐黄変性、分散性、熱安定性を評価した。
【0069】
(1)二軸延伸ポリプロピレンフィルム
(フィルムの作成)
メルトフローレートが1.9g/10分であるポリプロピレン樹脂100重量部に酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.10重量部、イルガソックス1010を0.05重量部、ゼオライトまたは非晶質粒子を第2表に示した量で添加して、スーパーミキサーで混合し、押出機でペレット化した。
各ペレットを押出機を用いてシート状フィルムにし、縦方向5倍、横方向10倍に逐次延伸して最終的に厚さ30μmの延伸フィルムを得た。延伸フィルムの一面にはコロナ放電処理を施した。これらのフィルムについて下記の評価を行い、その結果を第3表に記載した。
【0070】
【表3】
【0071】
(試験方法)
透明性:ASTM D−1003に準拠して、フィルムを4枚重ねてヘイズを測定した。
ブロッキング性:2枚のフィルムの接触面積が10cm2となるように重ねて、2枚のガラス板の間におき、50g/cm2の荷重をかけ40℃の雰囲気中に7日間放置後、フィルムのはがれやすさをショッパー型試験器を用いて引っ張り速度500mm/分で引き剥がして、その時の最大荷重を読み取って評価した。スクラッチ性:ガラス板上に二軸延伸フィルム1枚を固定し、他方接触面積が60cm2なる箱型の舟にフィルムを固定し、荷重を3kg掛けて、5回擦り、擦る前後の透明性の差で評価した。
○:ほとんど傷がつかない、△:少し傷がつく、×傷がつくものとして評価した。
発泡性:フィルムの目視観察により評価した。
【0072】
(2)直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)インフレーションフィルム
(フィルムの作成と試験)
密度0.920g/cm3メルトフローレートが1.0g/10分であるLLDPE樹脂100重量部にエルシン酸アミド0.10重量部、ゼオライトまたは非晶質粒子を第4表に示した量で添加して、ヘンシェルミキサーで混合し、押出機でペレット化した。
各ペレットを二重エアスリットエアリングを用い、200℃で厚さ30μmに押し出して、フィルムを得た。
フィルムの試験は上記(1)と同じ方法で行った。
【0073】
【表4】
【0074】
(3)ポリ塩化ビニルシート
(シートの作成)
ポリ塩化ビニル(日本ゼオン(株)製Zeon103EP)100重量部、DOP50重量部、液状バリウム・亜鉛系複合安定剤((株)耕正製BZ−180P)1.0重量部、バリウム・亜鉛ステアレート((株)耕正製PSE−801)1.0重量部、エボキシ化大豆油3重量部、ゼオライトまたは非晶質粒子を第5表に示した量でリボンブレンダーを用いて混合した。次いで、混合物は表面温度170℃の二本ロールを用いて3分間混練を行った。次いで、表面温度170℃の加熱プレスを用いて3分間プレスして、厚さ2mmのシートとした。このシートを40X70mmに切り取り、評価試験用シートとした。
(試験方法)
透明性:ゼオライトまたは非晶質粒子を添加しないブランク試料の透明性を1として、透明度を5段階で表すこととして目視により評価した。透明度5はシート下の新聞文字が読めない程度とした。
分散性:A型ゼオライトを用いたシートの分散性を2とし、それより良い分散を1、それより悪い分散を3として目視により評価した。
耐黄変性:試験片シートを85℃、90%RHの恒温糟に入れ24時間放置した。この成形シートの色相を目視により評価した。
発泡性:フィルムの目視観察により評価した。
【0075】
【表5】
【0076】
【発明の効果】
上記したとおり、本発明の樹脂用配合剤を樹脂に配合した場合、樹脂中の分散性が良く、透明性の良好な樹脂組成物を得ることができる。熱安定性や耐磨耗性、更には耐発砲性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A型ゼオライトの粉末X線回折パターン
【図2】ゼオライト▲1▼の粉末X線回折パターン
【図3】非晶質シリカアルミナ粒子の粉末X線回折パターン
【図4】A型ゼオライトのSEM写真
【図5】ゼオライト▲1▼のSEM写真
【図6】非晶質シリカアルミナ粒子のSEM写真
【図7】熱処理したA型ゼオライトの粉末X線回折パターン
Claims (9)
- Baイオンにイオン交換したA型ゼオライトの熱処理によって得られる非晶質シリカアルミナ粒子で、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子から成る樹脂用配合剤。
- 請求項1に記載の非晶質シリカアルミナ粒子は、平均粒子径が0.3乃至10μmであることを特徴とする樹脂用配合剤。
- 請求項1および2に記載の非晶質シリカアルミナ粒子は、酸化物基準でモル比がSiO2/Al2O3=1.7〜2.5であることを特徴とする樹脂用配合剤。
- 請求項1乃至3に記載の非晶質シリカアルミナ粒子は、その水性分散体としてのpHが6乃至10であることを特徴とする樹脂用配合剤。
- 請求項1乃至3に記載の非晶質シリカアルミナ粒子は、球状ないし角の取れた立方体状の粒子形状であることを特徴とする樹脂用配合剤。
- ナトリウムA型ゼオライトを、ゼオライト中のNa分の少なくとも50%が除去されるようにBaイオンにイオン交換し、200〜700℃で熱処理して、平衡水分吸湿量(RH90%)が10%以下であり、且つ該ゼオライトの粒子形状を実質上そのまま保持した非晶質シリカアルミナ粒子を得ることを特徴とする、請求項1乃至5記載の樹脂用配合剤の製造方法。
- オレフィン系樹脂100重量部に、無機配合剤として、請求項1乃至5記載の樹脂用配合剤を0.01乃至10重量部含有させて成ることを特徴とするオレフィン系樹脂組成物。
- ハロゲン含有樹脂100重量部に、無機配合剤として、請求項1乃至5記載の樹脂用配合剤を0.01乃至10重量部含有させて成ることを特徴とするハロゲン含有樹脂組成物。
- 請求項7記載のオレフィン系樹脂組成物から成る包装用フィルム。
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- 2002-06-05 JP JP2002164326A patent/JP2004010714A/ja active Pending
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