JP2016108214A - グラフェン被覆アルミナ、グラフェン被覆アルミナの集合物、グラフェン被覆アルミナ含有の電子材料、及び表面疎水化処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、固体高分子型燃料電池に使用されるガス拡散層基材もまた電子の集電機能を有するので電子材料と称することができる。ガス拡散層基材には炭素繊維が使用されるものの、ガス拡散層の導電性機能については更に改善の余地がある。
しかし、特許文献4において使用されているアルミナは電磁波シールド効果には何ら寄与しておらず、アルミナと導電性金属との2種類の材料を用いており、製造効率に難がある。
(1)小さくとも1μmの平均径を持ち、かつアモルファス構造を有するアルミナ、及び/又は小さくとも1μmの平均径を持つアモルファス構造を有するアルミノケイ酸塩と、前記アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩の表面に存在するグラフェンと、を有することを特徴とするグラフェン被覆アルミナ、
(2)前記グラフェンは、2層以上10層未満の層構造を有することを特徴とする前記(1)に記載のグラフェン被覆アルミナ、
(3)前記グラフェンは、ラマンスペクトル測定において、Gバンド(1600cm−1)とDバンド(1350cm−1)とのG/D比が0.5〜10であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のグラフェン被覆アルミナ、
(4)前記(1)から(3)までのいずれか一項に記載のグラフェン被覆アルミナを含有し、電磁波シールド用に用いられるグラフェン被覆アルミナの集合物、
(5)前記集合物は、シート状であることを特徴とする前記(4)に記載のグラフェン被覆アルミナの集合物、
(6)前記(1)から(3)までのいずれか一項に記載のグラフェン被覆アルミナを含有することを特徴とするグラフェン被覆アルミナ含有の電子材料、
(7)小さくとも1μmの平均径を持つアモルファス構造を有するアルミナ、小さくとも1μmの平均径を持つアモルファス構造を有するアルミノケイ酸塩、並びに前記アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩を含有するシート状体のいずれか一種以上の表面を、グラフェンで被覆することを特徴とする表面疎水化処理方法である。
前記アルミナ等の平均粒子径が少なくとも1μm以上であることによって、スタントン−ポッツによって仮説された発がん性に関するリスクを低減することができる。スタントン−ポッツによる仮説は、以下の文献に詳しい。
(1) Pott, F,. Schlipkoter, H. W., Zeim, U., Spurny, K. and Huth, F. : New results fromimplantation experiments with m0neral fibres. In Proceedings of a WHO/IARC Conference : Biological effects of man-made mineral fibres, Vol.2, (Copenhagen, April 20-22, 1982), WHO, Copenhagen(1984)
(2) Pott, F. : Carcinogenicity of fibres in experimental annimals-data and evaluation.
In Bates, D.V., et al. (eds) Assesment of Inhalation Hazards. Spring-Verlag, Berlin(1989)
(3) Stanton, M. F., Layard, M., Tegris, A., et al : Relation of particles dimension to carcinogenicity in amphibole asbestos and other fibrous minerals. Journal of the National Cancer Institute, 65(5) : 965-975(1981)
また、微粉末又は微細繊維の発がん性リスクについては、
(1) セラミックファイバー工業会が公開している“セラミックファイバー製品の取り扱い”の第6頁2.1繊維状物質の健康影響の因子、(1)DIMENSION(サイズ、寸法)の3行目に記載され(以下のURLを参照のこと)、
http://www.rcfa.jp/pdf/rcfa05_01.pdf
また、
(2) 環境省 廃棄物・リサイクル対策 「平成17年度アスベスト含有廃棄物の処理技術調査報告書」の第2章 アスベストの物性 4頁(2)繊維状物質の有害性 図2に示される(以下のURLを参照のこと)。
http://www.env.go.jp/recycle/report/h18-01/index.html
前記アルミナ等が長尺のフィラメント状であるときのその平均径、つまりそのフィラメント状のアルミナ等の軸線方向に直交する断面における径、つまり直径は、10本以上100本以下、特に好ましくは10本のアルミナ等のフィラメントの直径を相加平均することにより、フィラメント状のアルミナ等の平均径を求めることができる。
また、粒子状のグラフェン被覆アルミナの集合体を不織布にする場合には、そのグラフェン被覆アルミナにおけるアルミナ等の平均径は1μm以上250μm以下であることが好ましい。平均粒子径が前記数値範囲内にあることによって、各種形状、特にシート状であるグラフェン被覆アルミナの集合物を容易に製造することができる。
また、グラフェン被覆アルミナの集合体を使用して不織布、織布、編物を形成する場合には、前記長尺状のフィラメントであるグラフェン被覆アルミナを使用することもできる。長尺状のグラフェン被覆アルミナを採用する場合のそのアルミナ等は軸線方向長さについては特に制限がなく、例えば登録商標「ニチビアレフ」にて市販されている、7500mもの繊維長(軸線方向の長さ)を有するアルミナのフィラメントを本発明におけるアルミナに採用することができる。
また、グラフェン被覆アルミナの原料であるアルミナ等は微粉末のアルミナ等を用いることもできるし、また、原料となる粒子状又は長尺のフィラメント状のアルミナ等の集合物を公知の手法により粉砕して得られる微粉末のアルミナ等を用いることもできる。グラフェン被覆アルミナを、分散相中に分散されるフィラー乃至充填材に用いる場合、及びグラフェン被覆アルミナをリチウム二次電池における電極集合体に用いる場合には、アルミナ等又はアルミナ等の集合物を粉砕してなる微粉末のアルミナ等が好ましい。なぜならば、グラフェン被覆アルミナの集合体を粉砕すると、粉砕されたグラフェン被覆アルミナの破断面にアルミナが露出することにより、グラフェン被覆アルミナの耐薬品性が低下したり、分散相に対する分散性が低下したりすることがあるからである。予め粉砕して微粉末にしたアルミナ等の表面をグラフェンで被覆してなるグラフェン被覆アルミナは、分散相例えば樹脂及び溶剤への分散性が高いという優れた特性を発揮する。
電磁波シールド効果を前記KEC法により確認するには、一般社団法人KEC関西電子工業振興センターにおける試験方法に準じ、例えばテクノサイエンスジャパン製のTSES−KECを測定機器として用いることができ、また、ベクトルネットワークアナライザ S21順方向伝送特性においては、例えばWiltron製のベクトルネットワークアナライザWiltron37169Aを測定機器として用いることができる。
原料となるアルミナ等の密度が高くなるのに比例し、グラフェン被覆アルミナの集合物における電界のシールド効果も高くなる。また、グラフェンを形成させる際の反応温度が高くなるにつれて、形成されるグラフェンの結晶化度が上昇し、グラフェン被覆アルミナの集合物は高周波数側で最大シールド率を示すようになる。
さらに、本発明のグラフェン被覆アルミナの集合物を断熱材として用いると、断熱材表面に水が吸着しにくくなるので、水の吸着による断熱材におけるカビの発生を抑制することができる。尚、本発明のグラフェン被覆アルミナ及びその集合物は、表面がグラフェンで被覆されることにより、被覆前のアルミナ等に比べて灰色〜黒色の色調が強くなる。
グラフェン被覆アルミナの集合物におけるこのような濾過機能に着目すると、このグラフェン被覆アルミナの集合物を、原油等に汚染された汚染海水を浄化された海水と原油とに分離する汚染海水浄化フィルター又は原油回収フィルターとして、活用することができる。
コンデンサ等は、一対の電極と前記電極の間に存在する誘電体とを有し、一対の電極に外部電源を用いて通電がされることにより、電極間に電荷を蓄えることができる。本発明に係るグラフェン被覆アルミナを有するコンデンサ等は、コンデンサ等における誘電体にグラフェン被覆アルミナを有していればよい。本発明に係るグラフェン被覆アルミナは導電性が優れているので、グラフェン被覆アルミナを有するコンデンサ等は素早く蓄電・放電反応を行うことができるとともに、電気容量が大きいという効果を奏する。電池に用いられる電極、及びコンデンサ等に用いられる誘電体は、例えば、グラフェン被覆アルミナの粒子に溶媒を加えて混合した後に、各種形状に成形し、又は基材表面に塗布することにより製造される。尚、コンデンサ等における誘電体に含有されるグラフェン被覆アルミナの含有量は、本発明の効果を奏する限りにおいて特に制限されない。なお、前記コンデンサ等及び電極等に本発明のグラフェン被覆アルミナを用いるときには、グラフェン被覆アルミナに含まれるアルミナは1〜2μmの粒子であるのが好ましい。1〜2μmのアルミナを含むグラフェン被覆アルミナは化学的安定性、溶剤への分散性に優れるからである。
さらに、グラフェン被覆アルミナは、導電性が高いことから電気や信号を伝達する電線として用いることができる。電線として用いる際には、必要に応じて表面を不導体で被覆することや、補強のための繊維と共に用いることで、好適に使用することができる。グラフェン被覆アルミナを用いて電線を形成する場合には、そのグラフェン被覆アルミナは連続した糸状又はフィラメント状であることが好ましい。グラフェン被覆アルミナで形成された電線は、従来のような銅線、アルミナ線と言った金属線を使用することがなくなる。
半導体製造装置及び磁気ヘッド製造装置においては、僅かな電磁波によるノイズが製造装置における制御盤等の機能を狂わせ、正確に半導体及び磁気ヘッド等を製造することができないことがある。本発明に係るグラフェン被覆アルミナをその電磁波シールド部材として用いることにより、特に低周波の電磁波による電界の影響を効果的に遮断することができ、低周波の電磁波がノイズとなって半導体製造装置及び磁気ヘッド製造装置等の作動に悪影響を及ぼすことが防止される。また、インバータ及びサーボモータ等もまた電磁波の影響で誤作動を起こすことがあり、本発明に係るグラフェン被覆アルミナを電磁波シールド部材として用いることによって、これらの誤作動を防止することができる。具体的には、本発明に係るグラフェン被覆アルミナを含む材料を用いて、前記半導体製造装置等の電子機器のうち電磁波の影響を受けやすい部品を覆う遮蔽ケースを成形し、この遮蔽ケース内に前記部品を収納することによって、装置外部からの電磁波の影響を遮断することができる。また、さらに、本発明に係るグラフェン被覆アルミナを用いて、シート状の電磁波シールドシートを成形し、この電磁波シールドシートを袋状にして内部に電磁波の影響を受けやすい部品を収納することによって、電磁波の影響を遮断することもできる。
また、本発明に係るグラフェン被覆アルミナは導電ケーブルの被覆材として使用することもできる。例えば、グラフェン被覆アルミナを含むスラリー等を筒状に成形し、この筒状体に各種ケーブルを挿入することにより、導電ケーブルへの電磁波の影響を防止することができる。
尚、グラフェン被覆アルミナを含む電磁波シールド部材を用いることができるのは、上記電子機器の具体例に制限されず、他の電磁波の影響を受ける機器及び他の電磁波を放出する機器等についても、グラフェン被覆アルミナを含む部材を電磁波シールド部材として用いることができる。例えば、IHヒーター、電子レンジ、パソコン、テレビ、ラジオ、ペースメーカー等の電子機器における電磁波シールド部材として、グラフェン被覆アルミナを使用することもできる。
本発明に係るグラフェン被覆アルミナを有する電磁波シールド部材は、0.1MHz〜26.5GHzの周波数を有する電磁波の影響を防止することができ、特に125KHz以上8MHz以下という低周波数の電磁波の影響を防止することができる。また、一般に用いられている5.8GHz帯の電磁波をシールドすることから、DSRC、ETC等に用いられている電磁波の吸収用途に用いることが出来る。
質量比が、Al:Si=46:53.1となるようにAlとSiとを含有し、軸線方向に対して垂直の方向における平均繊維径が2.8μmであって軸線方向における最大繊維長が250μmである繊維状のアルミノケイ酸塩が集合した集合物(イソライト工業(株)製 イソウール1260ブランケット)を、反応装置内に静置した。前記アルミノケイ酸塩が集合した集合物は、300×300×5mmの大きさのブランケット状であった。反応装置内のガスを十分に窒素ガスで置換した後に、500sccmにてメタンガスを供給しながら800℃で1時間加熱し、上記ブランケット状の集合物と同一形状であり、灰色であるグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。
アルミノケイ酸塩の集合物として、Al:Si=46:53.1の質量比であり、300×300×2.5mmの大きさを有するアルミノケイ酸塩のシート状体(イソライト工業(株)製 イソウール1260エースペーパー)を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、灰色、シート状のグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。グラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が80Ωであり、ラマン分光法におけるG/D比が1であり、表面が疎水性であった。また、2.5mmの厚さを有するシート状のグラフェン被覆アルミナの集合物の電磁波シールド効果を測定したところ、600KHzで35dBの最大シールド効果を示した。同様に高周波数領域でのVNA S21順方向伝送特性(ベクトルネットワークアナライザWiltron37169A)による電磁波シールド効果を測定したところ、5.8GHzで18.6dB、18〜26GHzでは20dB以上の電磁波シールド効果を示した。
反応温度を850℃に変更したこと以外は、実施例2と同一の原料を用いて同様に操作を行い、灰色、シート状のグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。グラフェン被覆アルミナの電気抵抗値は50Ωであり、2.5mmの厚さを有するシート状のグラフェン被覆アルミナの集合物の電磁波シールド効果を測定したところ、1MHzで44dBの最大シールド効果を示した。
アルミノケイ酸塩の集合物として、Al:Si=35:49.7の質量比であるセラミックファイバーブランケット(イソライト工業(株)製 イソウール1400ブランケット)を使用したこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、灰色のグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。グラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が430Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.7であり、表面が疎水性であった。
アルミノケイ酸塩の集合物として、アモルファスアルミナ(イソライト工業(株)製イソウール1260バルク)を使用したこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、灰色のグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。グラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が300Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.8であり、表面が疎水性であった。
アルミノケイ酸塩の集合物として、300×300×1mmの大きさであるセラミックファイバーのペーパー(イソライト工業(株)製イソウール1260ペーパーS)を使用したこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、灰色、ペーパー状のグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。グラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が250Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.7であり、表面が疎水性であった。また、シート状のグラフェン被覆アルミナの集合物の電磁波シールド効果を測定したところ、400KHzで18.5dBの最大シールド効果を示し、電界のシールド率が約90%であることが確認された。
実施例1で使用したセラミックファイバーのブランケット(イソライト工業(株)製 イソウール1260ブランケット)3gをロッキングミルで粉砕し、平均粒径が1μmであるアルミノケイ酸塩の微粉末を得た。このアルミノケイ酸塩の微粉末について実施例1と同様に操作を行い、粉末状のグラフェン被覆アルミナを得た。このグラフェン被覆アルミナは、電気抵抗値が20Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.7であり、表面が疎水性であった。
この微粉末1gに、PVDFの12重量%NMP溶液(株式会社クレハ製 KFポリマーL#1120)1gを混合したところ均一なスラリーとなり、1ヵ月経過後でも状態に変化は無かった。したがって、このグラフェン被覆アルミナは、分散相に対する良好な分散性及び長期間に渡る分散維持性を有する。
反応時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例1と同様にグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。このグラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が300Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.8であり、表面が疎水性であった。また、3mm厚のシート状であるグラフェン被覆アルミナの集合物における電磁波シールド効果を測定したところ、400KHzで20dBの最大シールド効果を示し、電界のシールド率が約90%であることが確認された。
反応温度を650℃とし反応時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例1と同様にグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。このグラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が1500Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.5であり、表面が疎水性であった。また、3mm厚のシート状であるグラフェン被覆アルミナの集合物における電磁波シールド効果を測定したところ、400KHzで18dBの最大シールド効果を示し、電界のシールド率が約90%であることが確認された。
反応温度を950℃に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例1と同様にグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。このグラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が20Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.6であり、表面が疎水性であった。また、3mm厚のシート状であるグラフェン被覆アルミナの集合物における電磁波シールド効果を測定したところ、400KHzで38dBの最大シールド効果を示し、電界のシールド率が約99%であることが確認された。
反応温度を500℃、炭化水素ガスをアセチレンに変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例1と同様にグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。このグラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が1800Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.5であり、表面が疎水性であった。また、3mm厚のシート状であるグラフェン被覆アルミナの集合物における電磁波シールド効果を測定したところ、400KHzで17dBの最大シールド効果を示し、電界のシールド率が約90%であることが確認された。
メタンガスと窒素ガスを1:1の割合にし、反応時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例1と同様にグラフェン被覆アルミナの集合物を得た。このグラフェン被覆アルミナの集合物は、電気抵抗値が300Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.8であり、表面が疎水性であった。また、3mm厚のシート状であるグラフェン被覆アルミナの集合物における電磁波シールド効果を測定したところ、400KHzで20dBの最大シールド効果を示し、電界のシールド率が約90%であることが確認された。
原料を平均粒径15〜25μmのアルミナ粉末(日本軽金属株式会社製 遷移アルミナC20)に変更した以外は、実施例7と同様に操作を行い、実施例7と同様にグラフェン被覆アルミナの微粉末を得た。このグラフェン被覆アルミナの微粉末は、電気抵抗値が2000Ωであり、ラマン分光法でのG/D比が0.7であり、表面が疎水性であった。この微粉末1gに、PVDFの12重量%NMP溶液(クレハ社製 KFポリマーL#1120)1gを混合したところ均一なスラリーとなり、1ヵ月経過後でも状態に変化は無かった。
(実施例14)
原料をAl:Si=72:28の質量比であり繊維径7μmのアルミナ製の平織クロス((株)ニチビ製、ニチビアルフ 3025−T)300×300×0.35mmとし、反応温度を900℃に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例1と同様にグラフェン被覆アルミナのクロスを得た。得られたグラフェン被覆アルミナのクロスは、原料と同一形状かつ同様の柔軟性を持ち、電気抵抗値が30Ωであり、表面が疎水性であった。
(実施例15)
原料をAl:Si=72:28の質量比であり繊維径7μmのアルミナ製の平織クロス(株式会社ニチビ製 ニチビアルフ 3025−T)をほぐした0.3×1000mmのアルミナ製の撚糸に変更した以外は、実施例14と同様に操作を行い、実施例1と同様にグラフェン被覆アルミナの導電線を得た。得られたグラフェン被覆アルミナの導電線は、光沢のある黒色を呈し、原料と同様の形状かつ同様の柔軟性を持ち、電気抵抗値が30Ωであり、表面が疎水性であった。
(実施例16)
ABS樹脂(ダイセルポリマー(株)製セビアンV-660SF)10gに酢酸エチル((株)ダイセル製)60gを加え溶解した液に、実施例1で得られたグラフェン被覆アルミナの集合物70gを加えた後に、この混合液をステンレス製のバットに流し込み、60℃に加温して酢酸エチルを蒸散させ、アルミナにABS樹脂が均一に浸透した複合体を得た。この複合体の電気抵抗値は、88Ωであった。
反応温度を400℃とし、反応時間を2時間としたこと以外は、実施例1と同様に操作を行ったが、アルミノケイ酸塩の集合物の表面がグラフェンで被覆されず、原料であるアルミノケイ酸塩の集合物が回収された。尚、図3に示されるように、原料であるアルミノケイ酸塩の集合物に関する電磁波シールド効果の測定においては、ピークが観察されなかった。
原料であるアルミナとして、平均二次粒子径が800nmの結晶性アルミナ粒子(川研ファインケミカル(株)製 アルミゾル−10C)を120℃で10時間乾燥して得られた粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作を行ったが、アルミナの粒子表面がグラフェンで被覆されず、電気抵抗は原料であるアルミナの粒子と差が無かった。
原料であるアルミナとして、結晶性アルミナゾル(日産化学(株)製 アルミゾル520)を120℃で10時間乾燥して得られた粉末を使用したこと以外は、実施例1と同様に操作を行ったが、グラフェン被覆アルミナは得られなかった。
原料であるアルミナの集合物として、結晶化率の高いアルミナ繊維ブランケット(電気化学工業(株)製デンカアルセンB80)50×50×10mmを使用したこと以外は、実施例1と同様に操作を行ったが、電気抵抗は100KΩでありグラフェン被覆アルミナの集合物は得られなかった。
原料であるアルミナの集合物として、結晶化率の高いアルミナ繊維ブランケット(電気化学工業(株)製デンカアルセンB97N4)50×50×10mmを使用したこと以外は、実施例1と同様に操作を行ったが、電気抵抗は100KΩでありグラフェン被覆アルミナの集合物は得られなかった。
ABS樹脂(ダイセルポリマー(株)製セビアンV-660SF)10gに酢酸エチル((株)ダイセル製)60gを加えて溶解した液に、実施例1で用いたセラミックファイバー1gを加えた後にステンレス製のバットに流し込み、60℃に加温して酢酸エチルを蒸散させたが、セラミックファイバーシートの中心部までABS樹脂が浸透せず内部に多数の空隙を持つ混合物となった。よって、セラミックファイバーとABS樹脂との複合体は得られなかった。
Claims (7)
- 小さくとも1μmの平均径を持ち、かつアモルファス構造を有するアルミナ、及び/又は小さくとも1μmの平均径を持つアモルファス構造を有するアルミノケイ酸塩と、前記アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩の表面に存在するグラフェンと、を有することを特徴とするグラフェン被覆アルミナ。
- 前記グラフェンは、2層以上10層未満の層構造を有することを特徴とする請求項1に記載のグラフェン被覆アルミナ。
- 前記グラフェンは、ラマンスペクトル測定において、Gバンド(1600cm−1)とDバンド(1350cm−1)とのG/D比が0.5〜10であることを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフェン被覆アルミナ。
- 前記請求項1から3までのいずれか一項に記載のグラフェン被覆アルミナを含有し、電磁波シールド用に用いられるグラフェン被覆アルミナの集合物。
- 前記集合物は、シート状であることを特徴とする請求項4に記載のグラフェン被覆アルミナの集合物。
- 前記請求項1から4までのいずれか一項に記載のグラフェン被覆アルミナを含有することを特徴とするグラフェン被覆アルミナ含有の電子材料。
- 小さくとも1μmの平均径を持つアモルファス構造を有するアルミナ、小さくとも1μmの平均径を持つアモルファス構造を有するアルミノケイ酸塩、並びに前記アルミナ及び/又はアルミノケイ酸塩を含有するシート状体のいずれか一種以上の表面を、グラフェンで被覆することを特徴とする表面疎水化処理方法。
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