JP2008067645A - 農業用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた防曇性を有し、水滴による光散乱による光量不足に起因した栽培性低下及び水滴落下に起因する病害発生を防止し、更に、折りジワ白化しにくい上、塗膜同士のブロッキングを防止した、少なくともハウス内側の最表面に、2〜4官能アルコキシシラン化合物及び/又はその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成された防曇性塗膜を有することを特徴とする農業用フィルム。
【解決手段】基体樹脂フィルムの少なくともハウス内側の最表面に、2〜4官能アルコキシシラン化合物もしくはその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物を形成させた防曇塗膜を有することを特徴とする農業用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、非常に優れた防曇性を有することにより、フィルム表面水滴の光散乱による光量不足に起因した栽培性低下及び水滴落下に起因する病害発生を防止し、更に、折りジワによる白化を防止し、更に塗膜同士のブロッキングを防止した農業用フィルムに関するものである。
近年、農業用作物を半促成又は抑制栽培して、その市場性、生産性を高めるため、農業用塩化ビニルフィルム(以下、農ビという)やポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びポリオレフィン系樹脂を主体とした農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム(以下、農ポリ、農酢ビという)、二軸延伸したポリエチレンテレフタレート系樹脂を主体とした農業用ポリエチレンテレフタレート樹脂系フィルムなどの農業用被覆材による被覆下に有用植物を栽培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに行われている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体とした農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、密度が塩化ビニル樹脂より小さいために軽く、焼却しても有毒ガスの発生が少なく、更にインフレーション成型法により幅継ぎの為の接着加工を必要としない広幅フィルムが安価に提供できることなどから盛んに利用されるようになってきており、従来使用されてきた農ビを代替する形で使用されるようになってきている。
これら農業用フィルムの使用形態としてハウス内部で植物を栽培する際に、ハウス内側の防曇性が低いと、ハウス内側の結露による透光性(ハウス内光量)不足による栽培性低下、及び水滴落下による病害発生等種々の問題が生じる為、より良い防曇性を長期間持続することが農業用フィルムに要求される重要な性能の一つになっている。
これら農業用フィルムのなかでも、ハウス内側フィルム表面に防曇塗料をコートするタイプは、基材中に防曇剤を練り込んでおくタイプよりも長期間の防曇性付与が可能であり、現在盛んに研究が進められている。この様な防曇剤練り込みタイプから防曇塗料コートタイプへの移行が進む中で、防曇性のレベルについては更なる改良の要求が高まっている。具体的には、曇天が続き、光量が少なくなりがちな冬期の気象条件下において、特に無加温のハウス使用形態ではハウス内外温度差がつきにくい為、ハウスの内側防曇面の水滴成長が遅くなり、水滴による乱反射で作物の光合成に必要な入射光量が十分確保できない場合があった。この様に結露しにくい条件においても、防曇性を短期間に発現させ、早く水滴が流れ出すことにより均一な水膜を形成し、水滴による乱反射を抑制することが出来れば、ハウス内に十分な光量を確保出来る為、農業生産者にとっては非常に有用な技術となる。この様な状況の中、更に良好な防曇性を付与する為の具体的な防曇塗膜組成及び塗工技術が求められていた。
一方で、これら防曇塗料コートタイプの農業用フィルムでは製造後、フィルムが巻き取られた状態で、輸送時、加工所や倉庫に保管される際、又は展張前の使用者保管時に、塗膜同士が結露水や雨水等水分の存在下でブロッキングする問題が有り、その改良を求められていた。この現象は、親水性を付与した防曇塗膜同士が水分を介して接触し、フィルム自重による圧力及び熱等の効果で剥がれにくくなってしまう現象で、農業用フィルムの商品価値を著しく低下させることから問題となっていた。
また、これら防曇塗料コートタイプの農業用フィルムでは加工所からフィルム原反を開反品に加工してユーザーへ送付する際に、フィルムを折り畳んで送付することが多いが、フィルムの折り目で基材に塗膜が追従できず、折りジワとなって局所的に白化し、更に水滴がボタ落ちして病害の原因になるなどの問題もあった。この現象は、特にフィラーの含量が多い塗膜等で顕著であり、防曇塗膜表面にクラックが生じてしまい、白化により見た目での商品価値を著しく低下させるだけでなく、局所的な防曇性不良により、ハウス内作物に水滴が落ち、灰色カビ病等病害を誘発することからその改良が求められていた。
これら防曇性改良、塗膜同士のブロッキング防止、及び折りジワ白化防止については、各社盛んに研究がなされているが、防曇性能、耐ブロッキング性能、折りジワ白化防止性能のバランスが未だ十分でなく、これらをバランスよく具備した農業用フィルムの具体的な基材及び防曇塗料の具体的な組み合わせが求められていた。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、基体樹脂フィルムの少なくともハウス内側の最表面に、2〜4官能アルコキシシラン化合物もしくはその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成される防曇性塗膜を有することを特徴とする農業用フィルムにおいて、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
更に、本発明は、基体樹脂フィルムの少なくともハウス内側表面に、合成樹脂バインダー及び/又は無機質コロイドゾルを主成分とする組成物から形成される下層塗膜を有し、当該塗膜上に、2〜4官能アルコキシシラン化合物及び/又はその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成される防曇性塗膜が積層されていることを特徴とする農業用フィルムにも関る。尚、本発明においては、基体樹脂フィルムのハウス内側とは、展張時にハウスの内側となる基体樹脂フィルムの面をいう。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の農業用フィルムは、基体樹脂フィルムの少なくともハウス内側の最表面に、2〜4官能アルコキシシラン化合物もしくはその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成された防曇性塗膜を有することを特徴としている。
また、本発明の農業用フィルムは、防曇性塗膜に加え、それ以外の塗膜を形成することが出来る。例えば、本発明の防曇性塗膜を設けた反対の面に、防塵性塗膜を形成しても良い。その場合、本発明の効果であるブロッキング防止効果が防塵塗膜に対しても得られる場合がある。
防曇性塗膜
本発明の防曇性塗膜は、2〜4官能アルコキシシラン化合物もしくはその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇性組成物から形成されることを特徴とする。本発明においては、当該組成物からなる防曇性塗膜を基体樹脂フィルムのハウス内側の表面に直接形成させることができ、これにより得られる農業用フィルムは良好な防曇性能を発揮する。また、本発明においては、基体樹脂フィルム表面に、後述する無機コロイド物質及び/又は合成樹脂成分を主成分とした組成物からなる下層塗膜を形成させ、その上に、上記防曇剤組成物から形成される防曇性塗膜を積層することができ、これにより更に優れた防曇性能を発揮させることができる。更に、本発明においては、下層塗膜上に、2〜4官能アルコキシシラン化合物もしくはその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分と無機微粒子を含む防曇剤組成物からなる防曇性塗膜を積層することもできる。また、下層塗膜は1層のみでもよいし、2層以上形成させてもよい。
本発明の防曇剤組成物に使用する2〜4官能アルコキシシラン化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2008067645
(式中、Rは、各々、独立して炭素数が1〜10の、直鎖状又は分岐状の炭化水素基であり、Rは、各々、独立してハロゲン原子又は有機基であり、nは0、1又は2である。)
n=2のとき2官能性アルコキシシラン化合物であり、n=1のとき3官能性アルコキシシラン化合物であり、n=0のとき4官能性アルコキシシラン化合物となる。このシラン化合物(2)は、単独種類でも複数種類の混合物でもよく、以下に例示される化合物の中から好適に選択することが出来る。
上記一般式(2)におけるRは、炭化水素基であり、この炭化水素基は、特に制限は無いが、好ましくは脂肪族、脂環族、芳香族等の中から適宜選択して使用することが出来る。
脂肪族の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
脂環族の炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族の炭化水素基としては、アリール基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
尚、上記炭化水素基は、置換基やヘテロ原子を含有しても良く、ハロゲン元素、ヒドロキシル基、エーテル基等を有する炭化水素基であってもよい。
又、上記一般式(2)において、Rが複数ある場合、各Rは同一の炭化水素基でもよいし、異なる炭化水素基でもよい。
上記一般式(2)におけるRは、有機基であり、この有機基としては、炭化水素基、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリールオキシ基等が挙げられる。
この炭化水素基は、脂肪族、脂環族及び芳香族のいずれであってもよく、上記Rとして例示したものを適用することが出来る。また、アルコキシル基としては、上記Rを用いて表される−ORを適用することが出来る。尚、上記炭化水素基及びアルコキシル基は、置換基を有してもよく、ハロゲン原子、窒素原子、ヒドロキシル基、エーテル基等を有する炭化水素基及びアルコキシル基であってもよい。
上記一般式(2)で表されるシラン化合物は、以下に例示される。
上記一般式(2)におけるRが脂肪族の炭化水素基であり、且つ、n=0である場合、Rの炭素数は好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4である。従って、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキキシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等が挙げられる。
また、上記一般式(2)におけるRが脂肪族の炭化水素基であり、Rが有機基であり、且つ、n=1である場合、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
更に、上記一般式(2)におけるRが脂肪族の炭化水素基であり、Rが有機基であり、且つ、n=2である場合、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等が挙げられる。
中でも、上記一般式(2)におけるRが脂肪族の炭化水素基であり、Rが有機基であり、且つ、n=1である化合物を好ましく使用することが出来る。
上記アルコキシシランの多量体(縮合物)は、通常、上記一般式(2)で表されるアルコキシシランが加水分解・縮合したオリゴマーであり、例えば、下記一般式(3)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2008067645
この一般式(3)におけるRは、上記一般式(2)におけるRと同様のものとすることができる。
上記一般式(3)において、各Rは同一の炭化水素基でもよいし、異なる炭化水素基でもよい。縮合の程度は、Rの炭化水素基の炭素数が1又は2である場合、通常、2〜10量体、好ましくは2〜6量体、更に好ましくは2〜4量体である。また、Rの炭化水素基の炭素数が3〜6である場合、通常、2〜10量体、好ましくは2〜8量体、更に好ましくは4〜8量体である。
尚、上記アルコキシシランの縮合物は、上記一般式(3)においてRの一部が水素原子であってもよい。このようなシラノール基の含有割合は、縮合前のアルコキシル基の全量に対して、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下である。上記シラノール基の含有量をこの範囲とすることにより、アルコキシシランの縮合物が結晶状態となることを抑制することができる。
また、上記アルコキシシランの多量体(縮合物)は、更にエステル交換反応を行って得られる、炭素数がより多いアルコールをエステルに変性したものであってもよい。例えば、メチルエステルの一部に対し、エステル交換反応を行いブチルエステルに変性した縮合物を用いることができる。
本発明において、上記アルコキシシランの縮合物としては、上記一般式(3)におけるRが炭素数3〜6の炭化水素基であり、且つ、4〜8量体である化合物が好ましい。
上記アルコキシシランの多量体(縮合物)は、2〜4官能シラン化合物及び/又はその多量体として、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができるばかりでなく、アルコキシシランと、アルコキシシランの縮合物とを組み合わせて用いることもできる。
上記シラン化合物多量体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリプロピレングリコール換算における重量平均分子量で300以上が好ましい。更に好ましくは350〜3,000である。重量平均分子量が300未満では、親水性の持続性が不十分な場合があり、また、取り扱い作業者への毒性の問題や、クラック発生の問題が生じる場合がある。一方、重量平均分子量が大きすぎると、ブリードアウト(表面配向)が不十分な場合がある。
本発明に係る2〜4官能シラン化合物もしくはその多量体(縮合体)は、表面にシラノール性水酸基を効率的に生成させてその効果を発揮する。このシラノール性水酸基生成反応には、シラン化合物のブリードアウト(表面配向)及び加水分解を必要とする。シラノール性水酸基生成反応をコントロールするために、本発明に係る農業用フィルムは、塗工後、室温に静置、もしくは、適宜、その他性能を阻害しない範囲で加熱してから使用することが出来る。
また、本発明の組成物は、上記アルコキシシラン化合物以外に、他のシラン化合物を含んでもよい。他のシラン化合物としては、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、へキシルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシランや、フェニルトリクロロシラン、メチルシリルトリイソシアネート、ジメチルシリルジイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルクロロシラン等が挙げられる。これらの他のシラン化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の防曇剤組成物には、シラン化合物の加水分解反応を促進することができる触媒を使用することが出来る。本発明に用いることの出来る触媒は、シラン化合物の加水分解を促進することができるものであれば、特に限定されない。この触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ハロゲン化シラン等の無機酸;ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、マロン酸、シュウ酸、ジメチルマロン酸、マレイン酸等の有機系カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸等の有機系スルホン酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等の無機アルカリ媒;有機アミン化合物;有機金属化合物;有機スズ化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物、有機ジルコニウム化合物等の金属アルコキシド化合物;ボロントリn−ブトキシド、ホウ酸等のホウ素化合物、酸性コロイダルシリカ、酸性チタンゾル等の酸性ゾル状フィラー等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記触媒を用いる場合の含有量は、シラン化合物(B)の量から計算されるSiO2量
100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量
部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。この範囲にあれば、加水分解の促進効果が
十分である。尚、この触媒の含有量が少なすぎると、加水分解の促進効果が十分でない場
合がある。
本発明の防曇剤組成物に使用する溶媒は特に限定されないが、水、アルコール類、あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等の中から1種、又は2種以上を混合して使用することができる。アルコール類としては例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセチルアセトンアルコール等が挙げられる。グリコール誘導体としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ケロシン、n−ヘキサン等が挙げられる。エステル類としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ブチル等が使用できる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等が挙げられる。エーテル類としては、エチルエーテル、ブチルエーテル、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの溶媒のうち、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが取り扱いが容易である。これら溶媒は、貯蔵中に一部アルコキシル基を加水分解し、シラノール性水酸基とする目的で、水と組み合わせて使用することも出来る。
上記溶媒を用いる場合の使用量は、特に限定されないが、シラン化合物のSi量をSiOに換算して100重量部とし、シラン化合物合計量から計算されるSiO量100質量部に対して、好ましくは100〜50,000質量部、より好ましくは150〜10,000質量部、更に好ましくは200〜5,000質量部である。溶媒の添加量が、シラン化合物中のSi量をSiOに換算して100重量部に対して100質量部未満の場合、防曇剤組成物としての均一溶解性が困難になる。一方、50,000質量部を超えた場合、得られる防曇組成物中のSi含有量が少なすぎて塗膜にした時の防曇性の発現が乏しい。これら溶媒使用量は、シラン化合物が一部又は全てが加水分解して生成したアルコールも含めた溶媒の量で示したものである。
本発明においては、基体樹脂フィルムのハウス内側の最表面に塗工する防曇剤組成物には、防曇性を更に改良する目的で無機微粒子を含有させることが出来る。無機微粒子は一種又は二種以上を組み合わせて使用することが出来る。本発明で用いることが出来る無機微粒子は、上記シラン化合物と組み合わせることにより、防曇剤組成物として使用した場合に、良好な防曇性を折りジワ白化しにくい状態で付与することが出来る上、更に塗膜表面において樹脂バインダー等によるブロッキングを防止する機能を果たすものである。無機微粒子は金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫酸塩、金属炭酸塩等、金属複合水酸化物等、フィルム表面への親水性付与を阻害しない範囲で公知のものを使用することが出来る。中でも塗工時の生産安定性を考えた場合、無機質コロイドゾルを好ましく使用することが出来る。
上記無機質コロイドゾルとしては、シリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリケート、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、水酸化鉄、水酸化スズ、酸化チタン、酸化アンチモン、硫酸バリウム、アンチモン酸亜鉛等の無機質水性コロイド粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散させた、水性ゾルが挙げられる。中でも好ましく用いられるのは、シリカゾルとアルミナゾルで、これらは、単独で用いても併用しても良い。これらのうち、光触媒作用の強い無機微粒子は、他の無機微粒子との併用により実質の添加濃度を減らすか、親水性を阻害しない範囲での表面処理を施すことにより、合成樹脂バインダーへの影響を少なくする必要がある。
上記無機質コロイドゾルは、乾燥時における無機コロイドゾル同士や無機コロイドゾルと合成樹脂バインダー間の接着性向上の為に、フィルム表面への親水性付与を阻害しない範囲で、表面処理を施すことが出来る。コロイダルシリカ表面への表面処理の方法としては、公知のものが使用できるが、中でもシランカップリング剤を始めとするシラン化合物を好適に用いることが出来る。
上記無機質コロイドゾルとしては、その平均粒子径が5〜100nmの範囲で選ぶのが好ましく、また、この範囲であれば、平均粒子径の異なる2種以上のコロイドゾルを組み合わせて用いても良い。平均粒子径が大きすぎると塗膜が白く失透することがあり、また、平均粒子径が小さすぎると、無機質コロイドゾルの安定性に欠けることがあるため好ましくない。上記無機質コロイドゾルの粒径は、レーザー回折法等公知の方法で測定することが出来る。
シラン化合物及び/又はその多量体と組み合わせて使用する場合の無機微粒子は、その配合量を、シラン化合物及び/又はその多量体の固形分重量の合計に対して、固形分としての重量比で、特には限定されないが、好ましくは100以下、特に好ましくは10以下にするとよい。1以下の範囲でも問題無く使用可能であるが、添加しなくてもある程度の防曇性を付与することは出来る。すなわち、あまりにも配合量が多すぎる場合は、防曇性が良好であるものの、折りジワ白化性で不利になる。
本発明における防曇剤組成物の配合方法は、特に限定されないが、均一混合されることが好ましく、配合時の温度及び混合方法は適宜適切な方法を選択することが出来る。
本発明における防曇剤組成物には、通常の塗料に配合することが出来る顔料、顔料分散剤、充填剤、沈降防止剤、たれ防止剤、消泡剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、密着性向上剤、防腐剤、防藻剤、防菌剤、防臭剤、紫外線吸収剤、耐候剤、可塑剤、造膜助剤、造粘剤、カップリング剤その他各種添加剤を配合することが出来る。添加量は特に限定されず、本発明の効果に影響しない範囲で適宜選択すればよい。
本発明における防曇剤組成物の塗工量は、特に限定されないが、乾燥時の積層部分の単位面積あたりの塗工量として、好ましくは0.005〜10g/m、更に好ましくは0.01〜5g/mである。この範囲以下では良好な防曇性を得にくく、この範囲を超えると白化による透明性低下を引き起こす為、好ましくない。
本発明において、防曇剤組成物から防曇性塗膜を形成するには、一般に防曇剤組成物の溶液または分散液をそれぞれドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。
塗布後の乾燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜200℃、好ましくは70〜180℃の温度範囲で乾燥すればよい。乾燥温度が200℃より高い場合、基体フィルムの樹脂の種類によっては基体フィルムの融点を超える場合があり、融解や熱収縮等変形の問題が生じる可能性がある。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法、及び紫外線硬化法等適宜方法を採用すればよく、乾燥速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有利である。
下層塗膜
本発明では、最表面層の防曇性塗膜の下に、基体樹脂フィルムに予め1層又は2層以上の合成樹脂バインダー及び/又は無機質コロイドゾルを主成分とする組成物からなる下層塗膜を形成することにより、更に優れた防曇性を得ることが出来る。これは、基体樹脂フィルム表面が疎水性である場合に特に効果を発揮し、良好な防曇性を長期間維持することが可能となる。尚、本発明の下層塗膜を形成するのに使用する組成物(以下、「下層塗膜用の組成物」ともいう)が合成樹脂バインダーを主成分とするときは、下層塗膜は主に防曇性塗膜と基体樹脂フィルムとのバインダーとしての機能を有する。また、下層塗膜用の組成物が、合成樹脂バインダー及び無機質コロイドゾル、或いは無機質コロイドゾルを主成分とするときは、下層塗膜はバインダーとしての機能に加えて防曇被膜としての機能も有する。本発明においては、下層塗膜用の組成物が、合成樹脂バインダー及び無機質コロイドゾル、或いは無機質コロイドゾルを主成分とする場合は、当該組成物を下層塗膜用の防曇剤組成物ともよぶものとする。
バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、合成樹脂からなる基材フィルムとの相性から、特に、アクリル系樹脂、及び/又はウレタン系樹脂を用いることが好ましく、更に好ましくは後述する(a)親水性アクリル系重合体からなるもの、(c)疎水性アクリル系樹脂からなるもの、(e)疎水性アクリル系樹脂と、ポリウレタンエマルジョンからなるもの、が各々の特質を持ち、好ましい。
アクリル系樹脂としては、(a)親水性アクリル系重合体からなるもの、(b)一分子内に疎水性分子鎖ブロックと親水性分子鎖ブロックとを含むブロック共重合体からなるもの、(c)疎水性アクリル系樹脂からなるものが挙げられるが、特に(a)が、初期の防曇濡れが早い点で本願発明の基材フィルムとの相性に優れており好ましく、一方(c)については、本願発明の基材フィルムとの相性に優れており好ましい。
(a)の親水性アクリル系重合体としては、水酸基含有ビニル単量体成分を主成分(好ましくは60重量%〜99.9重量%、更に好ましくは65重量%〜95重量%とし)、酸基含有ビニル単量体成分を0.1〜30重量%含有する共重合体、その部分中和物または完全中和物が挙げられる。水酸基含有ビニル単量体成分としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類があげられ、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。これらは単独重合体であってもよく、これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を主成分とし、これらと共重合しうる他の単量体との共重合体であってもよい。
これらヒドロキアルキル(メタ)アクリレート類と共重合しうる酸基含有単量体としては、カルボン酸類、スルホン酸類、ホスホン酸類が挙げられ、特に好ましくは、カルボン酸に属する(メタ)アクリル酸である。
その他の共重合体成分としては、たとえばスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酸化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン等があげられる。
本発明において用いることができる合成樹脂バインダー及び無機質コロイドゾルを主成分とする下層塗膜用の防曇剤組成物としては、例えば、特公昭63−45432号、特公昭63−45717号、特公昭64−2158号、特許第3094296号等に示されている化合物を挙げることができる。また、本発明の下層塗膜用の防曇剤組成物に用いる無機質コロイドゾルとしては、前記した防曇性塗膜に使用することができる無機質コロイドゾルと同様のものを使用することができる。
(c)の疎水性アクリル系樹脂としては、少なくとも合計60重量%のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、またはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40重量%の共重合しうるα、β−エチレン性不飽和単量体とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性の重合体または共重合体を挙げることができる。
疎水性アクリル系樹脂の製造に用いられるアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類としては、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸−n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシルエステル等が挙げられ、一般には、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸アルキルエステルが使用される。アルケニルベンゼン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
疎水性アクリル系樹脂を得るために用いるα、β−エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα、β−エチレン性不飽和カルボン酸類;エチレンスルホン酸等のα、β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸;α、β−エチレン性不飽和ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリル類;アクリルアマイド類;アクリル酸又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いても、または2種以上の併用でもよく、0〜40重量%の範囲で使用するのが好ましい。使用量が多すぎると、防曇性能を低下させることがあり、好ましくない。
アクリル系樹脂は、公知の乳化剤、例えば陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤の中から選ばれる1種もしくは2種以上の存在下、水系媒質中で、乳化重合させる方法、反応性乳化剤を用いて重合させる方法、乳化剤を含有せずオリゴソープ理論に基づいて重合させる方法等によって得ることができる。乳化剤の存在下での重合方法の場合、これら乳化剤は、単量体の仕込み合計量に対し0.1〜10重量%の範囲で使用するのが、重合速度の調整、合成される樹脂の分散安定性の点から好ましい。
アクリル系樹脂の製造に好ましく用いられる重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;アセチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは、単量体の仕込み合計量に対して0.1〜10重量%の範囲で使用することができる。
疎水性アクリル系樹脂は、特に、ガラス転移温度が35〜80℃のものを用いるのが好ましい。ガラス転移温度が低すぎると無機質コロイド粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとりやすく、高すぎる場合、透明性のある均一な塗膜を得るのが困難となりやすい。
疎水性アクリル系樹脂は水系エマルジョンとして用いるのが好ましい。各単量体を水系媒質中での重合によって得られた水系エマルジョンをそのまま使用しても良く、更にこのものに液状分散媒を加えて希釈したものでもよく、また上記のような重合によって生じた重合体を分別採取し、これを液状分散媒に再分散させて水系エマルジョンとしたものでもよい。
一方、本発明に用いることができるウレタン系樹脂としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンの水性組成物、エマルジョンが挙げられるが、下層塗膜と基体樹脂フィルムとの密着性、耐水性及び耐傷付き性の点でポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンが好ましく、下層塗膜の耐水性、耐傷付き性向上並びに防曇性を発現するまでの時間及び防曇持続性の点でシラノール基を含有するポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンがより好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シラノール基を含有するポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンとは分子内に少なくとも1個のシラノール基を含有するポリウレタン樹脂と、硬化触媒として強塩基性第3級アミンとを含有してなり、具体的には水相中にシラノール基含有ポリウレタン樹脂及び前記強塩基性第3級アミンが溶解しているもの、又は微粒子状に分散しているコロイド分散系のもの(エマルジョン)をいう。
ポリウレタン水性組成物は、その配合量を固形分重量比で疎水性アクリル系樹脂に対して0.01以上、2以下、更に好ましくは0.01以上1以下にすることが好ましい。0.01に満たないときには耐傷付き性の向上が見られにくく、また、防曇性を発現するまでの時間が長く、十分な防曇効果が発揮しにくい。また、多すぎるときは、耐傷付き性が配合量に比例して向上しにくいばかりでなく、塗布後に形成される塗膜が白濁化し光線透過率を低下させやすく、また、コスト面でも不利であり好ましくない。
本発明において、下層塗膜用の組成物を調製するときは、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子界面活性剤等の界面活性剤を添加することができる。
陰イオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ジアルキルホスフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンサルフェート塩等が挙げられる。
陽イオン系界面活性剤としては、エタノールアミン類;ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩;ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩等のアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリエチレングリコールモノステアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類;ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベンゾエート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレート等のジグリセリン脂肪酸エステル類;グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル類;ペンタエリスリトールモノステアレート等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル類;ジペンタエリスリトールモノパルミテート等のジペンタエリスリトール脂肪酸エステル類;ソルビタンモノパルミテート・ハーフアジペート、ジグリセリンモノステアレート・ハーフグルタミン酸エステル等のソルビタン及びジグリセリン脂肪酸・2塩基酸エステル類;またはこれらとアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオンオキサイド等の縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシプロピレンソルビタンモノステアレート等;ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド類;シュガーエステル類等が挙げられる。
高分子界面活性剤としては、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、セルロースエーテル類等が挙げられる。
これら界面活性剤の添加は、バインダー樹脂と無機質コロイドゾルとを容易にかつ速やかに均一に分散することができ、また無機質コロイドゾルと併用することにより、下層塗膜の親水性を高めることができる。界面活性剤の添加量は、バインダー樹脂及び無機質コロイドゾルの固形分100重量部に対し0.1〜50重量部の範囲で選ぶと良い。界面活性剤の添加量が少なすぎると、バインダー樹脂及び無機質コロイドゾルが十分に分散するのに時間がかかり、また、無機質コロイドゾルとの併用での防曇効果を十分に発揮しえず、一方界面活性剤の添加量が多すぎると塗布後に形成される被膜表面へのブリードアウト現象により被膜の透明性が低下し、顕著な場合は被膜の耐ブロッキング性の悪化や被膜の耐水性低下を引き起こす場合がある。
下層塗膜用の組成物を調製するときに、架橋剤を添加することができる。架橋剤は、特にアクリル系樹脂同士を架橋させ、被膜の耐水性を向上させる効果がある。架橋剤としては、フェノール樹脂類、アミノ樹脂類、カルボジイミド系化合物、アミン化合物類、アジリジン化合物類、アゾ化合物類、イソシアネート化合物類、エポキシ化合物類、シラン化合物類等が挙げられるが、特にアミン化合物類、アジリジン化合物類、エポキシ化合物類が好ましく使用できる。
アミン化合物類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン等の脂環式アミン;4−4’−ジアミノジヘニルメタン、m−フェニレンジアミン等の芳香族アミンが使用される。アジリジン化合物類としては、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス[1−(2−メチル)−アジリジニル]ホスフィンオキシド、ヘキサ[1−(2−メチル)−アジリジニル]トリホスファトリアジン等が使用される。
エポキシ化合物類としては、ビスフェノールA又はビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応生成物、フェノール(又は置換フェノール)とホルムアルデヒドとの樹脂反応生成物とエピクロルヒドリンの反応により生成されるエポキシ化ノボラック樹脂、エピクロルヒドリン及び脂肪族多価アルコール例えばグリセロール、1,4−ブタンジオール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール又は類似の多価アルコール成分から生成される樹脂状反応生成物及び過酢酸を用いるエポキシ化により得られる樹脂等が使用される。エポキシ化合物類では、さらに三級アミン類や四級アンモニウム塩類を触媒として併用することができる。これら架橋剤は、その添加量がアクリル系樹脂固形分に対して0.1〜30重量%の範囲で使用することができる。
下層塗膜用の組成物には、必要に応じて、液状分散媒を配合することができる。かかる液状分散媒としては、水を含む親水性ないし水混合性溶媒がふくまれ、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、等の1価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ベンジルアルコール等の環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケトン類等が挙げられる。これら液状分散媒は単独で用いても併用しても良い。
また、下層塗膜用の組成物には、更に必要に応じて、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、造粘剤、カップリング剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の添加剤を混合することができる。また、アクリル系樹脂以外のバインダー成分として、たとえばポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系の水分散性ウレタン樹脂などを混合していてもよい。
本発明においては、上記界面活性剤等の、バインダー樹脂及び/又は無機微粒子以外の添加剤を下層塗膜用の組成物に添加する場合は、当該組成物全体の固形分重量に対して好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下の範囲で添加する。
また、下層塗膜を形成するには、一般に下層塗膜用の組成物の溶液または分散液をそれぞれドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後の乾燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜250℃、好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾燥すればよい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法、及び紫外線硬化法等適宜方法を採用すればよく、乾燥速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有利である。
本発明において、基体樹脂フィルムのハウス内側の表面に形成される塗膜の合計厚さは、基体樹脂フィルムの1/10以下を目安に選択するとよいが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。塗膜の合計厚さが基体樹脂フィルムの1/10より大であると、基体樹脂フィルムと塗膜とでは屈曲性に差があるため、塗膜が基体樹脂フィルムから剥離する等の現象がおこりやすく、また、塗膜に亀裂が生じて基体樹脂フィルムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましくない。
また、基体樹脂フィルムと下層塗膜又は防曇性塗膜との接着性が充分でない場合には、基体樹脂フィルムに表面処理を施しておいてもよい。本発明の基体樹脂フィルムの表面に施す処理の方法としては、コロナ放電処理、スパッタエッチング処理、ナトリウム処理、サンドブラスト処理等の方法が挙げられる。コロナ放電処理法は、針状あるいはナイフエッジ電極と対極間で放電を行わせ、その間に試料を入れて処理を行い、フィルム表面にアルデヒド、酸、アルコールパーオキサイド、ケトン、エーテル等の酸素を含む官能基を生成させる処理である。スパッタエッチング処理は、低気圧グロー放電を行っている電極間に試料を入れ、グロー放電によって生じた正イオンの衝撃によりフィルム上に多数の微細な突起を形成するものである。サンドブラスト処理は、フィルム面に微細な砂を吹きつけて、表面上に多数の微細な凹凸を形成するものである。これら表面処理の中では、塗布層との密着性、作業性、安全性、コスト等の点から、コロナ放電処理が好適である。
基体樹脂フィルム
本発明における基体樹脂フィルムとしては、農業用フィルムに用いられる公知の樹脂に添加剤を混合したものを用いることができる。
樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、長鎖分岐を有する線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができ、これら樹脂を主体とした単層または多層フィルムを基体樹脂フィルムとして使用することができる。本発明では、特に、現在5〜10年といった長期間使用されているポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂を主体とした基体樹脂フィルムに適用すると、その効果が顕著であり好ましい。特にポリオレフィン系樹脂を使用した場合に幅広で柔軟性の高いフィルムが得られるために好ましい。
本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体などがあげられ、例えば高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性や耐候性および価格の点から農業用フィルムとして好ましい。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分としてメタロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂を使用することができる。
これは、通常、メタロセンポリエチレンといわれているものであり、エチレンとブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体であり、例えば下記の(A法)や(B法)により得られる。
(A法)特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35005号、特開昭60−35006号、特開昭60−35007号、特開昭60−35008号、特開昭60−35009号、特開昭61−130314号、特開平3−163088号の各公開公報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号明細書、米国特許第5055438号明細書及び国際公報WO91/04247号明細書などに記載されている方法、即ちメタロセン触媒、特にメタロセン・アルモキサン触媒、又は、例えば、国際公開公報WO92/01723号明細書等に開示されているような、メタロセン化合物と、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触媒、又は、更には、特開平5−295020号、特開平5−295022号などに記載されているような、メタロセン化合物を無機化合物に担持させた触媒などを使用して、主成分のエチレンと従成分の炭素数4〜20のα−オレフィンとを、得られる共重合体の密度が0.880〜0.930g/cmとなるように共重合させる方法である。この重合方法としては、高圧イオン重合法、溶液法、スラリー法、気相法などを挙げることができる。これらの中では高圧イオン重合法で製造するのが好ましい。
なお、この高圧イオン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭58−25106号の各公報に記載されているが、圧力が100kg/cm以上、好ましくは300〜1500kg/cmで、温度が125℃以上、好ましくは150〜200℃の反応条件下に高圧イオン重合法により製造されるものである。
(B法)特開平6−9724号、特開平6−136195号、特開平6−136196号、特開平6−207057号の各公開公報に記載されているメタロセン触媒成分、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分、微粒子状担体、および必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒成分、イオン化イオン性化合物触媒成分を含む、オレフィン重合用触媒の存在下に、気相、またはスラリー状あるいは溶液状の液相で種々の条件でエチレンとα−オレフィン、具体的には炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを、得られる共重合体の密度が0.900〜0.930g/cmとなるように共重合させる方法。
フィルムの良好な初期透明性及び透明持続性が得られる点では上記(A)法、(B)法に拘泥されることなく、メタロセン化合物を用いて重合されたポリオレフィン系樹脂、即ち、メタロセンポリエチレンを用いることが出来る。
これらメタロセンポリエチレンを始めとするポリエチレン樹脂は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fractionation)、MFR、密度、分子量分布、その他各種物性の測定によって分類される。
温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線の測定
上記温度上昇溶離分別(Temperature Rising Elution Fractionation:TREF)による溶出曲線の測定は、「Journal of Applied Polymer Science.Vol 126,4, 217−4,231(1981)」、「高分子討論会予稿集2P1C09(昭和63年)」等の文献に記載されている原理に基づいて実施される。すなわち、先ず対象とするポリエチレンを溶媒中で一度完全に溶解させる。その後、冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させる。かかるポリマー層は結晶し易いものが内側(不活性担体表面に近い側)に形成され、結晶し難いものが外側に形成されてなるものである。次に、温度を連続又は段階的に昇温することにより、先ず、低温度では対象ポリマー中の非晶部分から、すなわち、ポリマーの持つ短鎖分岐の分岐度の多いものから溶出する。溶出温度が上昇すると共に、徐々に分岐度の少ないものが溶出し、ついには分岐の無い直鎖状の部分が溶出して測定は終了する。この各温度での溶出成分の濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピークによって、ポリマーの組成分布を測定することができるものである。
本発明のポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、以下の物性を示すものである。
メルトフローレート(MFR)
JIS−K7210により測定されたMFRが0.01〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の値を示すものである。該MFRがこの範囲より大きいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFRがこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大し、成形機に負荷がかかるため、生産量を減少させて圧力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。
密度
JIS−K7112により測定された密度が0.880〜0.930g/cm、好ましくは0.880〜0.920g/cmの値を示すものである。該密度がこの範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロッキングが生じ実用性に乏しくなる。
分子量分布
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.0の値を示すものである。該分子量分布がこの範囲より大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。
本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸ビニル含有量が10〜25重量%の範囲であり、好ましくは12〜20重量%の範囲である。酢酸ビニル含有量がこの範囲より小さいと、得られるフィルムが硬くなりハウスへの展張時にシワや弛みが出来やすく、防曇性に悪影響が出るため実用性に乏しく、また、酢酸ビニル含有量がこの範囲より大きいと、樹脂の融点が低いためハウス展張時に夏場の高温下でフィルムが弛み、風でばたつきハウス構造体との擦れ等により破れが生じやすくなるため実用性に乏しい。
本発明はエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体を用いることにより長期耐候性、耐ブリードアウト性に優れ、且つ防曇塗膜密着性が良好で塗膜剥離による防曇不良が起き難い農業用フィルムを得ることが出来る。前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、一般的農業用フィルムに用いられるヒンダードアミン系耐候剤と比較して、格段に長期耐候性を向上させる光安定剤としての効果を奏するばかりでなく、防曇塗膜を始めとする塗膜表面との密着性を向上する役割を果たす。
本発明のエチレン(A)及び環状アミノビニル化合物(B)との共重合体(以下、「エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体」という)はエチレン(A)と前記式(1)の化合物の共重合体を使用することができる。前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、多量添加することによりフィルムのポリオレフィン系フィルムの表面性(水滴接触角等)を変えることができ、本発明の目的に好適に使用することが出来る。
Figure 2008067645
上記式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。好ましくは、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基であり、R3は水素原子である。
式(2)で表されるビニル化合物(B)は公知であり、公知の方法、例えば特公昭47−8539号、特開昭48−65180号公報等に記載された方法にて合成することができる。
式(2)で表されるビニル化合物(B)の代表例としては、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等を挙げることができる。
前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体の好ましいものとしては、そのエチレン(A)と環状アミノビニル化合物(B)との和に対する該(B)の割合が0.0005〜0.85モル%、より好ましくは0.001〜0.55モル%であるものが挙げられる。すなわち、本共重合体の好ましいものは、側鎖にヒンダードアミン基を有するビニルモノマー(環状アミノビニル化合物(B))の含有量が少ない割に高い光安定性を有するものである。環状アミノビニル化合物(B)の濃度は0.0005モル%で充分に光安定化効果を発揮し、一方、0.85モル%を超えると実質的に不経済となる傾向にある。
また、前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、該共重合体中に(B)が2個以上連続せず、孤立して存在する割合が(B)の総量に対して83%以上、好ましくは90%以上であるものが好ましい。
環状アミノビニル化合物(B)の存在確認は、特開平4−80215号公報に記載されている通り、次のようにして行われる。13 C−NMR(例えば日本電子製JNM−GSX270 Spectrometer)にて、公知の方法(例えば、化学同人発行「機器分析のてびき(1)」53〜56頁(1985)参照)に従い、文献記載のポリアクリル酸エチル(朝倉書店発行「高分子分析ハンドブック」969頁(1985)参照)及びエチレン−アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(Eur. Poly. J.25巻、4号、411〜418頁(1989)参照)の化学シフトを用いて、TMS基準における32.9ppmのピークを孤立したビニルモノマー(B)の分岐点からα位にあるメチレン基によるものとし、35.7ppmのピークを連続した二つのビニルモノマー(B)の分岐点に挟まれたメチレン基によるものと帰属した。これら二つのシグナルを用いて、エチレン(A)とビニルモノマー(B)との共重合体においてビニルモノマー(B)が孤立して存在する割合を、下記計算式によって算出することができる。
Figure 2008067645
上記により見積もった側鎖にヒンダードアミン基を有するビニルモノマーが2個以上連続せず、孤立して存在する割合が、共重合体中のビニルモノマー(B)の総量に対して83%以上であることが好ましい。側鎖にヒンダードアミン基を有するビニルモノマーが2個以上連続せず、孤立して存在する割合が83%未満であると、側鎖にヒンダードアミン基を有するビニルモノマーの含量が少ない割に高い光安定性を有するという特徴が発揮されない場合がある。
前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体のMFR(JIS−K6760(190℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した値)は、0.1〜200g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分、より好ましくは1〜5g/10分である。MFRが上記範囲未満では、ポリオレフィン系樹脂とのなじみが悪く、ブレンドした場合、フィッシュアイやブツなどフィルム用途での可視欠点の原因となる。一方、MFRが上記範囲を超えると、分子量が大きい共重合体といえども拡散透失によるブリード、ブルーム現象が生起したり、ポリオレフィン系樹脂とブレンドした場合、得られる樹脂組成物の強度低下の原因となる。
さらに、前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、GPCを用い、単分散ポリスチレンにて検量線を作成し決定した、重量平均分子量と数平均分子量との比をもって表示されるMw/Mn(Q値)は3〜120の範囲にあることが望ましい。特に好ましい範囲は5〜20である。
前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、所要単量体を共重合条件に付すことによって製造されるが、高圧法低密度ポリエチレン製造装置での製造が可能である。通常はラジカル重合で製造され、使用される触媒は遊離基発生開始剤、例えばジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、アゾ化合物等が有用である。重合装置はエチレンの高圧ラジカル重合法で一般的に用いられている連続攪拌式槽型反応器又は連続式管型反応器等を使用することができる。重合圧力は1000〜5000kg/cm程度、重合温度は100〜400℃程度である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物中における前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体の含有量は、前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し2〜10重量部、好ましくは2〜6重量部である。この含有量が上記範囲未満では耐候性が劣るので好ましくなく、上記範囲を超えると経済性の点で好ましくない。
本発明において用いられる前記エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、コスト的な観点から、必ずしも多層フィルムの全層に含有されている必要はなく、少なくとも1層含有されていればよい。また、このエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、通常用いられる一種又は二種以上のヒンダードアミン系耐候剤と組み合わせて用いることができる。更に、エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体を含有しない層に対して、通常用いられる一種又は二種以上のヒンダードアミン系耐候剤を用いることもできる。エチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、もちろん全層に含有させてもよいが、例えば最内層と最外層(ハウス外面)に含有させ、その他の層には農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光安定剤を含有させることもできる。また、同一の層にエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体と農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光安定剤を含有させることもできる。その場合は全層にエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体を用いる場合よりコスト的に有利になる。
また、本発明の基体樹脂フィルム中には、通常合成樹脂に使用される各種添加剤を併用することができる。それらの添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、耐候剤、ヒンダードアミン化合物、赤外線吸収剤、保温剤、界面活性剤(フッ素系界面活性剤を含む)、防霧剤、充てん剤、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩、ハイドロタルサイト化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール、ハロゲン酸素酸塩、硫黄系、フェノール系およびホスファイト系などの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、アンチブロッキング剤、などがあげられる。
使用可能なヒンダードアミン化合物としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などがあげられる。
使用可能な市販のヒンダードアミン系化合物を例示すれば、TINUVIN770、TINUVIN780、TINUVIN144、TINUVIN622LD、TINUVIN NOR 371、CHIMASSORB119FL、CHIMASSORB944(以上、チバガイギー社製)、サノールLS−765(三共(株)製)、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−68、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−57、LA−900、T−1167L(以上、旭電化(株)製)、UV−3346、UV−3529、UV−3581、UV−3853(以上、サイテック社製)等が挙げられる。これらのピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物は、一種又は二種以上で用いられる。
上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物の含有量は、熱可塑性樹脂100重量%に対して、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。該含有量が0.001重量%未満では十分な効果が得られず、5重量%よりも多くても効果の向上がみられないばかりか、フィルムの物性を低下させるなどの悪影響を与える。
本発明において用いられる前記ヒンダードアミン化合物は、コスト的な観点から、例えば多層フィルムに使用される場合、必ずしも多層フィルムの全層に含有されている必要はなく、少なくとも1層含有されていればよい。例えば多層フィルムの場合、塗膜に対する影響は、塗膜に接している層に添加された添加剤以外にも、他の層から移行、転写された添加剤からも及ぶことから、添加層は全層又は内外層が好ましいが、内層のみ、中間層のみ、外層のみ又はその任意の組み合わせでも構わない。
上記紫外線吸収剤として、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル) ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール等のトリアジン類等があげられる。これらの紫外線吸収剤は、一種又は二種以上で用いられる。
紫外線吸収剤の含有量は、前記ポリオレフィン系樹脂100重量%に対し好ましくは0.001重量%より多く2重量%未満、更に好ましくは0.01〜1重量%である。含有量が上記範囲未満では耐候性改良効果が低く、上記範囲を超えると、ブリードアウトによる透明性低下等問題がある。
本発明において用いられる紫外線吸収剤は、コスト的な観点から、例えば多層フィルムに使用される場合、必ずしも多層フィルムの全層に含有されている必要はなく、少なくとも1層含有されていればよい。また、紫外線吸収剤は、通常用いられる一種又は二種以上のその他の紫外線吸収剤と組み合わせて用いることができる。
上記赤外線吸収剤(保温剤)は、赤外線吸収能を有する無機微粒子であり、これらは一種又は二種以上で組み合わせて用いることができる。用いることの出来る無機微粒子は特に制限はないが、成 分:Si ,Al ,Mg ,Ca,Li から選ばれた少なくとも1つの原子を含有する無機化合物を用いることが出来る。例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合珪酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合水酸化物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合硫酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合炭酸塩化合物、複数種アニオンを含有する金属複合水酸化物塩等が挙げられる。これらは結晶水を脱水したものであってもよい。
上記赤外線吸収剤(保温剤)は天然物であってもよく、また合成品であってもよい。また、上記無機微粒子は、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
上記式(4)で表される赤外線吸収剤(保温剤)の入手方法は特に限定されず、市販のものを使用することができ、例えば、DHT4A(協和化学(株)製)、HT−P(堺化学(株)製)、オプティマ(戸田工業(株)製)やミズカラック(水澤化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、上記赤外線吸収剤(保温剤)は、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したものも使用できる。
上記赤外線吸収剤(保温剤)は、単独または2種以上組み合わせて使用することが出来る。その平均粒子径は好ましくは、0.05〜15μm、より好ましくは0.1〜10μmの範囲である。赤外線吸収剤(保温剤)の平均粒子径が上記範囲より小さいと、樹脂中での分散性が劣りブツ(無機物の2次凝集物)が生成してフィルム外観が悪化すると共に、樹脂との混練時の粉立ちが激しくハンドリング性が劣る。逆に、赤外線吸収剤(保温剤)の平均粒子径が上記範囲より大きいと、透明性で劣ったり押出し機ブレーカースクリーン部で目詰まりが生じ、生産性が悪化する。
上記赤外線吸収剤(保温剤)の含有量は、前記ポリオレフィン系樹脂100重量%に対し好ましくは0.1重量%より多く15重量%未満、更に好ましくは1〜12重量%である。含有量が上記範囲未満では保温性改良効果が低く、上記範囲を超えると透明性低下等問題がある。
上記界面活性剤としては、公知の種々の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を始めとする、多価アルコールと高級脂肪酸類とから成る多価アルコール部分エステル系のもの、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好適である。このような防曇剤の具体例としては、例えば非イオン系界面活性剤、例えばソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステルなどのソルビタン系界面活性剤やグリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート・モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレートあるいはこれらのアルキレンオキシド付加物等などのグリセリン系界面活性剤やポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤やその他トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤やペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩などやそれらの異性体を含むものなどを挙げることができる。
上記フッ素系界面活性剤としては、通常の界面活性剤の疎水基のCに結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。以上の各種添加剤は、それぞれ1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物としては、例えば、アニオン系含フッ素界面活性剤、カチオン系含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、ノニオン系含フッ素界面活性剤、含フッ素オリゴマーなどがあげられる。
上記の金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩を構成する金属種としては、Li,Na,K,Ca,Ba,Mg,Sr,Zn,Cd,Sn,Cs,Al,有機Snがあげられ、有機酸としては、カルボン酸、有機リン酸類またはフェノール類があげられ、該カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸等の一価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシフタル酸、クロルフタル酸等の二価のカルボン酸あるいはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物などがあげられ、また該有機リン酸類としては、モノまたはジオクチルリン酸、モノまたはジドデシルリン酸、モノまたはジオクタデシルリン酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステルなどがあげられ、また該フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、メチルプロピルフェノール、メチル第三オクチルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、第三ブチルフェノール、n−ブチルフェノール、ジイソブチルフェノール、イソアミルフェノール、ジアミルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクチルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノールフェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどがあげられる。
上記充てん剤としては、フィルムのベタツキを抑制するために、あるいは保温性をさらに高めるために、例えばシリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレー、マイカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、導電性酸化亜鉛、リン酸リチウムなどが用いられる。これらの充てん剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール) 、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル) フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、n−オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン等があげられる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類があげられる。
上記ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)(オクチル) ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等があげられる。
上記着色剤としては例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネントレッド、キナクリドン、カーボンブラック等を挙げることができる。
本発明における基体樹脂フィルムにはアンチブロッキング剤として無機系微粒子や有機系微粒子等を含有させることができる。無機系微粒子の構成元素成分としてSi,Mg,Al,Li,Caの内から選ばれる少なくとも一つを含有する無機フィラーを使用することが出来る。中でも通常アンチブロッキング剤として使用することが出来る珪藻土、天然シリカ、合成シリカ、タルク、マイカ、ゼオライト等を好適に使用することが出来る。有機系微粒子としては、例えば熱可塑性樹脂を主成分としてなるポリマービーズを使用することが出来る。中でもアクリレート、メタクリレート、スチレン、ナイロンの重合体及び/又はこれら共重合体を好適に使用することが出来る。
本発明の基体樹脂フィルムは、上述した成分が組合わされて含有してなり、更に本発明の基体樹脂フィルムに含有することができる下記の任意成分を、必要に応じて含有させることができる。任意成分とは、その他安定剤、耐衝撃性改善剤、架橋剤、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、造核剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、難燃剤、螢光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤などを挙げることができる。
本発明の基体樹脂フィルムは、各種添加剤を配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機その他従来から知られている配合機、混合機を使用すればよい。このようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる。
本発明の基体樹脂フィルム厚みについては、強度やコストの点で0.01〜1mmの範囲のものが好ましく、0.05〜0.5mmのものがより好ましく、更に好ましくは0.05〜0.2mmである。この範囲未満では強度的に問題があり、この範囲を超えると成形が困難なうえ、展張作業性に問題がある。
また、本発明の基体樹脂フィルムの樹脂がポリオレフィン系樹脂の場合、基体樹脂フィルムは多層フィルムでであってもよく、好適には3層から5層が各層のバランスをとりやすい。3層フィルムを構成する層比としては、成形性や透明性及び強度の点から1/0.5/1〜1/5/1の範囲が好ましく、1/2/1〜1/4/1の範囲がより好ましい。また、外層と内層の比率としては、特に規定されるものではないが、得られるフィルムのカール性から同程度の比率とするのが好ましい。
本発明に係る農業用フィルムを、実際に使用するにあたっては、防曇性塗膜の設けられた側をハウス又はトンネルの内側となるようにして展張するのがよい。
本発明の農業用フィルムは、ハウス内側の防曇性が非常に良好であり、水滴による光散乱による光量不足に起因した栽培性低下及び水滴落下に起因する病害発生を防止し、塗膜同士のブロッキングを防止した農業用フィルムであり、農家が展張したときに良好な防曇性を得られるばかりでなく、流通時に結露しやすい地域及び時期でも好適に倉庫保管することが出来る上、展張時等で皺にな合った場合でも白化しにくい等、農業用フィルムとして具備すべき性能をバランス良く有している。本発明の農業用フィルムは、透明でも、梨地でも、半梨地でもよく、ハウス、トンネル、マルチング用、袋掛用等の農業用フィルム(いわゆる農ポリ、農サクビ、農PO、農PET(ポリエチレンテレフタレート)等)の用途に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
(1)基体樹脂フィルムの調製
ポリオレフィン系フィルムの調製
3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機はチューブ外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40mmφ((株)プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度170℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2.0〜3.0、引取り速度3〜7m/分、厚さ0.15mmにて表1に示した成分からなる3層の積層フィルムを得た。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。
Figure 2008067645
〔配合〕 添加量は各表記載通り。
HP−LDPE:高圧ラジカル法触媒で製造した分岐状ポリエチレン(MFR:1.1g/10分、密度0.920)日本ポリケム製ノバテックLD「YF30」
メタロセンPE:メタロセン触媒で製造したエチレン・αオレフィン共重合体(MFR:2g/10分、密度0.907)日本ポリケム製カーネル「KF270」
EVA1 :エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量5重量%、MFR2g/10分)
EVA2 :エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
紫外線吸収剤A:サイテック製トリアリールトリアジン系紫外線吸収剤「UV1164」
合成ハイドロタルサイトA:協和化学(株)製「DHT4A」
光安定剤A:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光安定剤 「chimassorb 944」
光安定剤B:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光安定剤 「Tinuvin NOR 371 FF」
エチレン・環状アミノビニル共重合体:日本ポリエチレン(株)製「ノバテックLD・XJ100H」MFR=3g/10分(190℃、JIS−K6760) 密度=0.931g/cm(JIS−K6760)環状アミノビニル化合物含量=5.1重量%(0.7モル%)孤立して存在する環状アミノビニル化合物の割合=90モル% 融点=111℃
PETフィルムの調製
基体ポリエチレンテレフタレートフイルムとしては、帝人デュポンフィルム株式会社製PETフィルム「OHW」(150μm厚)を使用した。
(2)フィルムの表面処理
得られたフィルムのハウス内側にあたる表面を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行い、JIS−K6768による「濡れ指数」を測定、確認した。
(3)下層塗膜用の塗液組成物の調整
下記に示した無機質コロイドゾル(シリカゾル及び/又はアルミナゾル)、熱可塑性樹脂、架橋剤、液状分散媒を配合して防曇剤組成物A〜C、バインダー樹脂組成物A等の塗液組成物を得た。
下層塗膜用の防曇剤組成物配合は以下の配合とした。
<防曇剤組成物A:疎水性アクリルバインダー使用>
無機質コロイドゾル1(スノーテックスZL) 3.0
無機質コロイドゾル2(スノーテックス20L) 3.0
熱可塑性樹脂(GD88:疎水性アクリルバインダー樹脂) 4.0
架橋助剤(EB10) 0.1
架橋剤(EA55) 0.2
分散媒(水/IPA=6/4) 90
(注)無機質コロイドゾルの配合量は無機質粒子量で示し、熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
スノーテックスZL:日産化学(株)製
スノーテックス20L:日産化学(株)製
GD88:日本NSC(株)製アクリルエマルジョン
EB10:日本NSC(株)製
EA55:日本NSC(株)製
<防曇剤組成物B:疎水性アクリルバインダー+ウレタン系バインダー使用>
無機質コロイドゾル1(スノーテックスZL) 3.0
無機質コロイドゾル2(スノーテックス20L) 3.0
熱可塑性樹脂(GD88:疎水性アクリルバインダー樹脂) 3.2
熱可塑性樹脂(WS−4000:ウレタン系バインダー樹脂) 0.8
架橋助剤(EB10) 0.1
架橋剤(EA55) 0.2
分散媒(水/IPA=6/4) 90
WS−4000:武田薬品工業(株)製アニオン性ポリカーボネート系ポリウレタンエマルジョン
<防曇剤組成物C:親水性アクリルバインダー使用>
アルコール分散コロイダルシリカ(メタノールシリカ) 5
熱可塑性樹脂(サフトマーST6400:親水性アクリルバインダー樹脂) 5
架橋剤(3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン) 0.3
界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 1
分散媒(メタノール) 80
(注)無機質コロイドゾルの配合量は無機質粒子量で示し、熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
メタノールシリカ:日産化学工業(株)製シリカゾル
サフトマーST6400:三菱化学(株)製親水性アクリル樹脂
下層塗膜用のバインダー樹脂組成物(無機微粒子を含有しない)配合は以下の配合とした。
<アクリルバインダー樹脂組成物A>
熱可塑性樹脂(A−612) 31
分散媒(水) 69
A−612:楠本化成(株)製
(4)下層塗膜の形成
(2)で表面処理した基体樹脂フィルムの表面に、上記の塗液組成物それぞれ#8バーコーターを用いて塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ下層塗膜を形成した後、得られた各フィルムの塗膜の厚みを確認した。
(5)防曇性塗膜用の防曇剤組成物の調製
下記に示した主成分の各種シラン化合物A、B、及び場合により無機微粒子A、B、Cを水又はIPAの混合溶媒に分散させた溶液を配合して各表記載の防曇剤組成物を得た。
シラン化合物A:フレッセラR(松下電工(株))
シラン化合物B:シンスイフロー「MS−1208」(大日本色材工業(株))
コロイダルシリカA:スノーテックスL(日産化学(株)製)
コロイダルシリカB:スノーテックスOL(日産化学(株)製)
コロイダルシリカC:スノーテックス20L(日産化学(株)製)
(6)防曇性塗膜の形成
(5)で調製した防曇剤組成物を、(4)基体樹脂フィルム上に形成させた下層塗膜の上に、又は(2)で表面処理した基体樹脂フィルム表面に、上記の各種防曇剤組成物を#3バーコーターを用いて各々塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ上層塗膜を形成した。
上記方法にて作製した各サンプルについて次のような物性測定を行ったが、今回用いた樹脂、添加剤、塗膜以外の組み合わせ、又は今回と異なるフィルム厚みでも、その要旨を変えない限り、同様の効果が得られる。今回用いた各々のサンプルについて次のような試験を行った。実施例及び比較例における各測定法を以下に示す。
(評価方法)
透明性
防曇性塗膜を形成(塗工)後のフィルムの波長555nmにおける直進光線透過率を分光光度計(日立製作所製、U3500型)により測定し、その値を示した。
曇価(HAZE)
防曇性塗膜を形成(塗工)後のフィルムのHAZE値(曇価)をヘイズメーター(東京電色製:TC−H3DP)により測定し、その値を示した。
塗膜密着性
防曇性塗膜を形成(塗工)後のフィルムにおいて、成形品の塗膜を形成した面にセロハンテープを接着し、このセロハンテープを剥す時にかかる荷重をJIS−K6732の測定法に準拠して、温度23℃においてT字剥離強度として測定し、その数値を示した。
折りジワ白化性
防曇性塗膜を形成(塗工)後のフィルムにおいて、10cm×10cmにカットした成形品の中心を指でつまみ3回ひねったのちフィルムを開き、その際の折りジワに発生する白化部分(サンプル中で最も広い部分)の幅を計測し、下記の基準に基づいて判別した。
この評価基準は、次の通りである。
○ …折りジワからの白化部分の幅が0.5mm以内のもの
△ …折りジワからの白化部分の幅が0.5mmより広く1mm以内のもの
× …折りジワからの白化部分の幅が1mmより広いもの
塗工外観
成形品の外観を肉眼で観察した。この評価基準は、次の通りである。
◎ …基体樹脂フィルムに接する防曇性塗膜のみを塗工したものと比較して、更にハウス内側表面に積層される防曇性塗膜を積層したものの方が透明性良好であるもの
○ …基体樹脂フィルムに接する防曇性塗膜のみを塗工したものと比較して、更にハウス内側表面に積層される防曇性塗膜を積層したものの透明性がほぼ同等のもの。
○×…基体樹脂フィルムに接する防曇性塗膜のみを塗工したものと比較して、更にハウス内側表面に積層される防曇性塗膜を積層したものの透明性の低下がやや認められるもの。
△ …基体樹脂フィルムに接する防曇性塗膜のみを塗工したものと比較して、更にハウス内側表面に積層される防曇性塗膜を積層したものの透明性の低下がかなり認められるもの。
× …基体樹脂フィルムに接する防曇性塗膜のみを塗工したものと比較して、更にハウス内側表面に積層される防曇性塗膜を積層したものの透明性の低下が非常に激しく、実用に耐えないもの。
防曇性
結露しにくい条件での水滴が流れ始める迄の時間を基準として防曇性の判断基準とした
(観察条件)
水をいれた水槽の上部に、防曇性塗膜を形成した表面を水槽内部に向けて配置し、外気温を12℃、水槽内気温を22℃に保持し、所定時間経過時点での防曇性の発現速さを肉眼で観察し、水滴が流れ始める迄の時間を示した。
又、水滴が流れ始める迄の時間により、下記評価基準によって防曇性評価とした。
◎ …水滴が流れ始める迄の時間が60分以内のもの。
○ …水滴が流れ始める迄の時間が60分より長く150以内のもの。
× …水滴が流れ始める迄の時間が150分より長いもの。
(負荷試験の条件)
水をいれた水槽の上部に、防曇性塗膜を形成した表面を水槽内部に向けて配置し、外気温を23℃、水槽内水温を50℃に保持し、1ヶ月経過時点での防曇性の発現速さを上記条件に従い、肉眼で観察し、水滴が流れ始める迄の時間を示した。
ブロッキング防止性
50℃に保たれた恒温室の中で、10cm四方のサンプルの防曇性塗膜表面同士が接するように置き、2枚のサンプルの塗膜間に水が均一に広がる様に1ccの水を含ませた。この状態で100cmあたり150kgの荷重をかけて50℃恒温室中で15時間放置した後のフィルムを重ねた状態で2.5cm×10cmに切断し、二枚のフィルムを長手方向に剥離するときの荷重をJIS−K6732の測定法に準拠して、温度23℃においてT字剥離強度として測定し、その数値を示した。
(実施例1,2、比較例1、参考例1)
上記配合により、フィルム厚150μm、層比1/3/1のポリオレフィン系三層フィルムを作製し、基体樹脂フィルムに接する下層塗膜(疎水性アクリル樹脂+無機コロイドゾル)を形成させたのち、その上にシラン化合物を主成分とする防曇性塗膜を積層したフィルムを作製した。前記方法により透明性、曇価、塗膜密着性、外観、結露しにくい条件での防曇性評価を行なった。その結果を表2に示す。これら結果から本発明に係る防曇性塗膜を有するポリオレフィン系フィルムが良好な折りジワ白化性を有しており、塗膜密着性も良好で、且つ、市販の農業用ポリオレフィン系フィルム(三菱化学MKV(株)製「スーパーソーラームテキS」)と比較しても極めて高い防曇性を有していることが判る。
Figure 2008067645
(実施例3〜6)
上記配合により、フィルム厚150μm、層比1/3/1のポリオレフィン系三層フィルムを作製し、基体樹脂フィルムに接する下層塗膜(疎水性アクリル樹脂+無機コロイドゾル、親水性アクリル+無機コロイドゾル)を形成させたのち、その上にシラン化合物及び無機微粒子を主成分とする防曇性塗膜を積層したフィルムを作製した。前記方法により透明性、曇価、塗膜密着性、外観、結露しにくい条件での防曇性評価を行なった。その結果を表3に示す。これら結果から本発明に係る防曇性塗膜を有するポリオレフィン系フィルムが良好な折りジワ白化性を有しており、塗膜密着性も良好で、且つ、市販の農業用ポリオレフィン系フィルム(三菱化学MKV(株)製「スーパーソーラームテキS」)と比較しても極めて高い防曇性を有していることが判る。
Figure 2008067645
(実施例7〜9、比較例2)
上記配合により、フィルム厚150μm、層比1/3/1のポリオレフィン系三層フィルムを作製し、基体樹脂フィルムに接する下層塗膜(疎水性アクリル樹脂+ウレタン樹脂+無機コロイドゾル、アクリル樹脂単独、疎水性アクリル樹脂+無機コロイドゾル)を形成したのち、(一部のサンプル(実施例11)には無機微粒子を主成分とする塗膜を更に積層し)、その上にシラン化合物及び無機微粒子、シラン化合物、又は無機微粒子を主成分とする防曇性塗膜を積層したフィルムを作製した。前記方法により透明性、曇価、塗膜密着性、外観、結露しにくい条件での防曇性評価を行なった。その結果を表4に示す。これら結果から本発明に係る防曇性塗膜を有するポリオレフィン系フィルムが良好な折りジワ白化性を有しており、塗膜密着性も良好で、且つ、市販の農業用ポリオレフィン系フィルム(三菱化学MKV(株)製「スーパーソーラームテキS」)と比較しても極めて高い防曇性を有していることが判る。
Figure 2008067645
(実施例10、11、比較例3)
上記配合により、フィルム厚150μm、層比1/3/1のポリオレフィン系三層フィルムを作製し、基体樹脂フィルムに接する下層塗膜(親水性アクリル樹脂+無機コロイドゾル)を形成したのち、その上にシラン化合物、もしくはシラン化合物及び無機微粒子を主成分とする防曇性塗膜を積層したフィルムを作製した。前記方法により塗膜密着性、ブロッキング防止性評価を行なった。その結果を〔表5〕に示す。これら結果から本発明に係る防曇性塗膜を有するポリオレフィン系フィルムが非常に高いブロッキング防止性を有していることが判る。
Figure 2008067645
(実施例12、13、比較例4、参考例2)
フィルム厚150μmの市販のPETフィルムを使用し、基体樹脂フィルムに直接シラン化合物を主成分とする防曇性塗膜を形成したフィルムを作製した(実施例14)。また、基体樹脂フィルムに接する下層塗膜(バインダー樹脂成分:疎水性アクリル樹脂)を形成したのち、その上にシラン化合物及び無機微粒子を主成分とする防曇性塗膜を積層したフィルムを作製した。前記方法により透明性、曇価、塗膜密着性、外観、結露しにくい条件での防曇性評価を行なった。その結果を表6に示す。これら結果から、本発明に係る防曇性塗膜を有するPETフィルムが非常に高い透明性を有しており、塗膜密着性も良好で、且つ、市販の農業用ポリエチレンテレフタレート系フィルム(三菱化学MKV(株)製「シクスライトクリーンムテキ」)と比較しても極めて高い防曇性を有していることが判る。特に、基体樹脂フィルムに接する下層塗膜の上に防曇性塗膜を形成すると、基体樹脂フィルムに直接防曇性塗幕を形成する場合に比べてより優れた防曇性を付与することができることが判る。
Figure 2008067645
以上の結果から明らかなように、本発明に係る少なくともハウス内側の最表面に、2〜4官能アルコキシシラン化合物及び/又はその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成される防曇性塗膜を有することを特徴とする農業用フィルムは、防曇性が非常に良好であり、又、水を介したブロッキング防止性能に優れたものであり、更に折りジワ白化しにくい為、防曇性塗膜として具備すべき性能(防曇性、耐ブロッキング性、塗膜密着性、耐折りジワ白化等)をバランスよく有しており農業用フィルムの防曇性塗膜として著しく優れたものである(実施例1〜13)。
また、本発明においてエチレン−環状アミノビニル化合物を防曇性塗膜に接する側の層に添加することにより、特開2001−161180記載のように防曇性を阻害することなく防曇性塗膜の密着性を更に向上することが出来る為、好ましい。
本発明に係るシラン化合物を欠いた場合は、本発明に係る防曇性塗膜と比較して防曇性が格段に劣り問題がある(比較例1,4)か、あるいは、水を介してブロッキングしやすく実用上問題がある(比較例3)。
更に、本発明に係るシラン化合物を欠いて無機微粒子のみ用いた場合は、本発明に係る防曇性塗膜と比較して、基材への塗膜追従が不十分であり、折りジワ白化性に劣り、実用上問題がある(比較例2)。
つまり本発明に係る構成要素を欠いた場合には、農業用フィルムとして具備すべき性能をバランスよく付与されているとは言えない。
(発明の効果)
本発明は、優れた防曇性を有し、水滴による光散乱による光量不足に起因した栽培性低下及び水滴落下に起因する病害発生を防止し、更に、折りジワ白化しにくい上、倉庫保管時等展張前の塗膜同士のブロッキングを防止した農業用フィルムを提供することにある。 本発明の農業用フィルムは、透明でも、梨地でも、半梨地でもよく、ハウス、トンネル、マルチング用、袋掛用等の農業用フィルム用途に好適に使用することができる。

Claims (13)

  1. 基体樹脂フィルムの少なくともハウス内側の最表面に、2〜4官能アルコキシシラン化合物及び/又はその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成される防曇性塗膜を有することを特徴とする農業用フィルム。
  2. 基体樹脂フィルムのハウス内側表面に、合成樹脂バインダー及び/又は無機質コロイドゾルを主成分とする組成物から形成される下層塗膜を有し、当該塗膜上に、2〜4官能アルコキシシラン化合物及び/又はその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成される防曇性塗膜が積層されていることを特徴とする農業用フィルム。
  3. 基体樹脂フィルムのハウス内側表面に、少なくとも2層以上の合成樹脂バインダー及び/又は無機質コロイドゾルを主成分とする組成物から形成される下層塗膜を有し、その上に、2〜4官能アルコキシシラン化合物及び/又はその多量体の加水分解物でシラノール性水酸基を有する成分を含有する防曇剤組成物から形成される防曇性塗膜が積層されていることを特徴とする農業用フィルム。
  4. 防曇剤組成物が更に無機微粒子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
  5. 無機微粒子が無機質コロイド状物質であることを特徴とする請求項4に記載の農業用フィルム。
  6. 無機微粒子がコロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナであることを特徴とする請求項4に記載の農業用フィルム。
  7. 前記下層塗膜用の組成物に含まれる無機質コロイドゾルがコロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
  8. 合成樹脂バインダーがアクリル系樹脂及び/又はウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
  9. 基体樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の農業用フィルム
  10. 基体樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
  11. ポリオレフィン系樹脂フィルムがエチレン(A)と下記式(1)で表される環状アミノビニル化合物(B)との共重合体を含有することを特徴とする、請求項9に記載の農業用フィルム。
    Figure 2008067645
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  12. 前記式(1)におけるR1及びR2がそれぞれ水素原子又はメチル基であり、R3が水素原子である、請求項11に記載の農業用フィルム。
  13. ハウス内側最表面に形成される防曇剤組成物の塗膜乾燥温度が200℃以下であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
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